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JP2022025884A - 弾性波デバイス、フィルタ、及びマルチプレクサ - Google Patents

弾性波デバイス、フィルタ、及びマルチプレクサ Download PDF

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JP2022025884A
JP2022025884A JP2020129049A JP2020129049A JP2022025884A JP 2022025884 A JP2022025884 A JP 2022025884A JP 2020129049 A JP2020129049 A JP 2020129049A JP 2020129049 A JP2020129049 A JP 2020129049A JP 2022025884 A JP2022025884 A JP 2022025884A
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film
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thin film
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JP2020129049A
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博士 川上
Hiroshi Kawakami
大喜 伊藤
Daiki Ito
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】デバイスを小型化しつつ、寄生容量を低減することが可能な弾性波デバイスを提供する。【解決手段】弾性波デバイス200は、基板10と、圧電薄膜共振器20と、圧電薄膜共振器40を有する。圧電薄膜共振器20は、基板10上に設けられ、基板10との間に空隙24を有して基板10上に設けられる下部電極21と、下部電極21上に設けられる圧電膜22と、圧電膜22上に設けられ、空隙24上において圧電膜22を挟み下部電極21と平面視において重なる領域で規定される共振領域25を形成する上部電極23と、を有する。圧電薄膜共振器40は、空隙24内に設けられ、下部電極21に直接接続又は下部電極21と重なる領域に設けられる配線を介して電気的に接続して基板10上に設けられる下部電極41と、下部電極41上に設けられる圧電膜42と、下部電極41との間に圧電膜42を挟んで圧電膜42上に設けられる上部電極43と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、弾性波デバイス、フィルタ、及びマルチプレクサに関する。
デバイスの小型化のために、圧電薄膜共振器を積層させること(例えば特許文献1及び特許文献2)、及び、圧電薄膜共振器の空隙内に弾性表面波共振器を設けること(例えば特許文献3)が知られている。
特開2010-28371号公報 特表2018-509305号公報 特開2018-182497号公報
特許文献1に記載の弾性波デバイスでは、上側の圧電薄膜共振器の下部電極と下側の圧電薄膜共振器の下部電極との間に、下側の圧電薄膜共振器の圧電膜が存在している。このため、下部電極の間の寄生容量が大きくなり、所望の特性が得られないことがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、デバイスを小型化しつつ、寄生容量を低減することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板との間に空隙を有して前記基板上に設けられる第1下部電極と、前記第1下部電極上に設けられる圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記空隙上において前記圧電膜を挟み前記第1下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を有する第1上部電極と、を有する圧電薄膜共振器と、前記空隙内に設けられ、前記第1下部電極に接して電気的に接続又は前記第1下部電極と重なる領域に設けられる配線を介して電気的に接続して前記基板上に設けられる第2下部電極と、前記第2下部電極上に設けられる絶縁膜と、前記第2下部電極との間に前記絶縁膜を挟んで前記絶縁膜上に設けられる第2上部電極と、を有する素子と、を備える弾性波デバイスである。
上記構成において、前記第1下部電極は、前記共振領域から前記第1下部電極の前記共振領域の外側である引出領域に引き出され、前記第2下部電極は、前記引出領域において前記第1下部電極に接して電気的に接続又は前記配線を介して電気的に接続する構成とすることができる。
上記構成において、前記基板上に設けられ、開口を有する支持膜を備え、前記圧電薄膜共振器は、前記支持膜上に設けられ、前記空隙は、前記基板と前記第1下部電極との間に位置する前記開口である構成とすることができる。
上記構成において、前記第2下部電極は、前記支持膜に設けられた前記配線を介して前記第1下部電極に電気的に接続されている構成とすることができる。
上記構成において、前記第2下部電極は、前記第1下部電極に接して電気的に接続されている構成とすることができる。
上記構成において、前記素子は、前記第2下部電極が前記基板との間に音響反射層を有して前記基板上に設けられ、前記絶縁膜が圧電膜であり、前記音響反射層上において前記絶縁膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが平面視において重なる領域で共振領域が規定される、圧電薄膜共振器である構成とすることができる。
上記構成において、前記空隙上で重なる前記第1下部電極と前記圧電膜と前記第1上部電極の合計厚さは、前記音響反射層上で重なる前記第2下部電極と前記絶縁膜と前記第2上部電極の合計厚さの2倍以上である構成とすることができる。
上記構成において、前記素子はキャパシタ素子である構成とすることができる。
本発明は、上記に記載の弾性波デバイスを含むフィルタである。
本発明は、上記に記載のフィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、寄生容量を低減することができる。
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。 図2は、図1のA-A断面図である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。 図4(a)及び図4(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。 図5は、実施例1の変形例に係る弾性波デバイスの断面図である。 図6(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスの断面図、図6(b)は、比較例2に係る弾性波デバイスの断面図である。 図7は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。 図8(a)から図8(c)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。 図9(a)から図9(c)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。 図10(a)及び図10(b)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その3)である。 図11(a)は、実施例2の変形例1に係る弾性波デバイスの断面図、図11(b)は、実施例2の変形例2に係る弾性波デバイスの断面図である。 図12は、実施例2の変形例3に係る弾性波デバイスの断面図である。 図13は、実施例3に係る弾性波デバイスの断面図である。 図14は、実施例4に係るフィルタの回路図である。 図15(a)は、実施例4の変形例に係るフィルタの回路図、図15(b)は、実施例4の変形例に係るフィルタの平面図である。 図16は、比較例3に係るフィルタの平面図である。 図17は、実施例5に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。図2は、図1のA-A断面図である。図1では、主に下部電極と上部電極を図示している。また、図1では、図の明瞭化のために、共振領域25及び45にハッチングを付している。図1及び図2を参照して、実施例1の弾性波デバイス200は、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40を備える。圧電薄膜共振器20及び圧電薄膜共振器40は基板10上に設けられている。
圧電薄膜共振器20は、下部電極21(第1下部電極)と圧電膜22と上部電極23(第1上部電極)とを備える。下部電極21は基板10上に設けられている。基板10の平坦主面と下部電極21との間にアーチ状の膨らみを有する空隙24が形成されている。アーチ状(又はブリッジ状)とは、例えば共振領域の中央では空隙の上面が高く、共振領域の端部では空隙の上面が低くなるような形状である。基板10は、例えばシリコン(Si)基板であり、その厚さは100μm~1000μmである。下部電極21は、例えばルテニウム(Ru)膜であり、その厚さは30nm~400nmである。
圧電膜22は下部電極21上に設けられている。圧電膜22は、例えばc軸配向性を有する窒化アルミニウム(AlN)を主成分とし、その厚さは800nm~1500nmである。主成分とするとは、アルミニウム原子と窒素原子の合計が50原子%以上である場合でもよいし、80原子%以上である場合でもよいし、90原子%以上である場合でもよい。
上部電極23は、圧電膜22を挟み下部電極21と平面視において重なるように圧電膜22上に設けられている。共振領域25は、空隙24上において圧電膜22の少なくとも一部を挟み下部電極21と上部電極23とが平面視において重なる領域で規定される。共振領域25は、平面視において楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が励振する領域である。平面視において共振領域25は空隙24に重なり、空隙24の大きさは共振領域25の大きさ以上である。すなわち、平面視において共振領域25の全ては空隙24と重なる。共振領域25は、平面視において、楕円形状を有する場合に限らず、四角形又は五角形等の多角形状を有していてもよい。上部電極23は、例えばルテニウム膜であり、その厚さは30nm~400nmである。
下部電極21は共振領域25から共振領域25の外側の引出領域60に引き出されている。上部電極23は共振領域25から共振領域25の外側の引出領域61に引き出されている。引出領域60と引出領域61は共振領域25からそれぞれ異なる方向に引き出された領域である。引出領域60において上部電極23の輪郭が概ね共振領域25の輪郭となる。引出領域61において下部電極21の輪郭が概ね共振領域25の輪郭となる。圧電膜22は、共振領域25から引出領域61に引き出され、引出領域60には引き出されていなくてもよい。
上部電極23上に共振領域25の少なくとも一部を覆って付加膜26が設けられている。付加膜26は、例えば窒化シリコン(SiN)膜であり、周波数を調整する役割を担っていてもよい。付加膜26、上部電極23、圧電膜22、及び下部電極21を覆って保護膜27が設けられている。保護膜27は、例えば酸化シリコン(SiO)膜である。
下部電極21には犠牲層をエッチングするための導入路28が形成されている。犠牲層は空隙24を形成するための層である。導入路28の先端付近は圧電膜22で覆われておらず、下部電極21は導入路28の先端に孔部29を有する。
圧電薄膜共振器40(素子)は、空隙24内に設けられ、下部電極41(第2下部電極)と圧電膜42(絶縁膜)と上部電極43(第2上部電極)とを備える。下部電極41は空隙24内において基板10上に設けられている。基板10の平坦主面と下部電極41との間にアーチ状の膨らみを有する空隙44(音響反射層)が形成されている。下部電極41は空隙24内から引出領域60に引き出されている。下部電極41は、引出領域60において圧電薄膜共振器20の下部電極21に直接接して電気的に接続されている。下部電極41は、例えばルテニウム膜であり、その厚さは30nm~100nmである。
圧電膜42は、空隙24内において下部電極41上に設けられている。圧電膜42は、空隙24内から引出領域61に引き出され、引出領域60には引き出されていない。したがって、引出領域60において下部電極21と下部電極41との間に圧電膜42は設けられていない。圧電膜42は、例えばc軸配向性を有する窒化アルミニウムを主成分とする膜であり、その厚さは300nm~800nmである。
上部電極43は、空隙24内において圧電膜42を挟み下部電極41と平面視において重なるように圧電膜42上に設けられている。共振領域45は、空隙44上において圧電膜42の少なくとも一部を挟み下部電極41と上部電極43とが平面視において重なる領域で規定される。共振領域45は、平面視において楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が励振する領域である。平面視において共振領域45は空隙44に重なり、空隙44の大きさは共振領域45の大きさ以上である。共振領域45は、平面視において、楕円形状を有する場合に限らず、四角形又は五角形等の多角形状を有していてもよい。上部電極43は空隙24内から引出領域61に引き出されている。上部電極43は、圧電薄膜共振器20の下部電極21の先端よりも外側の引出領域61において圧電膜22を間に挟んで上部電極23と重なっている。上部電極43は、例えばルテニウム膜であり、その厚さは30nm~100nmである。
上部電極43上に共振領域45の少なくとも一部を覆って付加膜46が設けられている。付加膜46は、例えば窒化シリコン膜であり、周波数を調整する役割を担っていてもよい。付加膜46、上部電極43、圧電膜42、及び下部電極41を覆って保護膜47が設けられている。保護膜47は、例えば酸化シリコン膜である。
下部電極41には犠牲層をエッチングするための導入路48が形成されている。犠牲層は空隙44を形成するための層である。導入路48の先端付近は圧電膜42で覆われておらず、下部電極41は導入路48の先端に孔部49を有する。
圧電薄膜共振器20の下部電極21と圧電薄膜共振器40の下部電極41とは直接接して電気的に接続されているのに対し、圧電薄膜共振器20の上部電極23と圧電薄膜共振器40の上部電極43とはその間に圧電膜22があるために電気的に接続されていない。したがって、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40は直列に接続されている。
圧電膜22及び/又は圧電膜42には挿入膜が挿入されていてもよい。挿入膜は、例えば酸化シリコン膜のように圧電膜よりヤング率の小さい材料及び/又は弾性定数の温度係数の符号が圧電膜の弾性定数の温度係数の符号と反対の材料で形成される。また、弾性定数の温度係数の符号が圧電膜の弾性定数の温度係数の符号と反対の材料で形成される挿入膜は、下部電極及び/又は上部電極に設けられていてもよい。
基板10としては、シリコン基板以外に、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板、ガラス基板、セラミック基板、又はGaAs基板等を用いることができる。
下部電極21、上部電極23、下部電極41、及び上部電極43としては、ルテニウム以外にも、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、又はイリジウム(Ir)等の単層膜又はこれらの積層膜を用いることができる。
圧電膜22及び圧電膜42は、窒化アルミニウム以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO)等を用いることができる。また、圧電膜22及び圧電膜42は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上又は圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、スカンジウム(Sc)、2族元素若しくは12族元素と4族元素との2つの元素、又は2族元素若しくは12族元素と5族元素との2つの元素を用いることにより、圧電膜22及び圧電膜42の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2族元素は例えばカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)であり、12族元素は例えば亜鉛(Zn)である。4族元素は例えばチタン、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)である。5族元素は例えばタンタル、ニオブ(Nb)、又はバナジウム(V)である。さらに、圧電膜22及び圧電膜42は、窒化アルミニウムを主成分とし、フッ素(F)又はホウ素(B)を含んでもよい。
[製造方法]
図3(a)から図4(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図3(a)を参照して、基板10上に犠牲層90をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜する。犠牲層90は、例えば厚さが20nm~90nmの酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、ゲルマニウム(Ge)、又は酸化シリコン等で形成される。その後、犠牲層90をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層90の形状は、空隙44の平面形状に相当する形状である。犠牲層90を覆って基板10上に下部電極41をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、下部電極41をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
図3(b)を参照して、下部電極41を覆って基板10上に圧電膜42をスパッタリング法又は真空蒸着法を用い成膜する。圧電膜42上に上部電極43をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。上部電極43上に付加膜46をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、付加膜46、上部電極43、及び圧電膜42をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。次いで、下部電極41、圧電膜42、上部電極43、及び付加膜46を覆う保護膜47をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、保護膜47をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
図3(c)を参照して、基板10上に犠牲層91をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。犠牲層91は、例えば厚さが400nm~1200nmの酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ゲルマニウム、又は酸化シリコン等で形成される。その後、犠牲層91をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層91の形状は、空隙24の平面形状に相当する形状である。
図4(a)を参照して、犠牲層91を覆って基板10上に下部電極21をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、下部電極21をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。次いで、下部電極21を覆って基板10上に圧電膜22をスパッタリング法及び真空蒸着法を用い成膜する。圧電膜22上に上部電極23をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。上部電極23上に付加膜26をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、付加膜26、上部電極23、及び圧電膜22をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。次いで、下部電極21、圧電膜22、上部電極23、及び付加膜26を覆う保護膜27をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、保護膜27をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
図4(b)を参照して、孔部29及び導入路28並びに孔部49及び導入路48(図1参照)を介し、犠牲層90及び91のエッチング液を下部電極21の下の犠牲層91及び下部電極41の下の犠牲層90に導入して犠牲層90及び91を除去する。下部電極21、圧電膜22、及び上部電極23を含む積層膜、並びに、下部電極41、圧電膜42、及び上部電極43を含む積層膜の応力を圧縮応力に設定しておく。これにより、犠牲層90及び91が除去されると、下部電極21と基板10の間にアーチ状の膨らみを有する空隙24が形成され、下部電極41と基板10の間にアーチ状の膨らみを有する空隙44が形成される。以上により、弾性波デバイス200が形成される。
[実施例1の変形例]
図5は、実施例1の変形例に係る弾性波デバイスの断面図である。図5を参照して、実施例1の変形例の弾性波デバイス210では、圧電薄膜共振器20の上部電極23と圧電薄膜共振器40の上部電極43とが引出領域61において直接接して電気的に接続されている。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。実施例1の変形例の弾性波デバイス210では、圧電薄膜共振器20の下部電極21と圧電薄膜共振器40の下部電極41とが直接接して電気的に接続され、圧電薄膜共振器20の上部電極23と圧電薄膜共振器40の上部電極43とが直接接して電気的に接続されている。したがって、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40は並列に接続されている。
[比較例]
図6(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスの断面図、図6(b)は、比較例2に係る弾性波デバイスの断面図である。図6(a)及び図6(b)では、付加膜及び保護膜の図示を省略している。図6(a)を参照して、比較例1の弾性波デバイス1000は、基板100上に積層された圧電薄膜共振器120と圧電薄膜共振器140とを備える。
圧電薄膜共振器140は、基板100上に下部電極141が設けられている。基板100の平坦主面と下部電極141との間にアーチ状の膨らみを有する空隙144が形成されている。下部電極141上に圧電膜142が設けられている。圧電膜142上に上部電極143が設けられている。共振領域145は、空隙144上において圧電膜142を挟み下部電極141と上部電極143とが平面視において重なる領域で規定される。下部電極141と上部電極143は共振領域145から互いに異なる方向に引き出されている。圧電膜142は基板100の上面全面に設けられている。すなわち、圧電膜142は、共振領域145から下部電極141上に引き出され且つ上部電極143下に引き出されている。
圧電薄膜共振器120は、圧電薄膜共振器140の圧電膜142及び上部電極143上に下部電極121が設けられている。下部電極121と圧電膜142及び上部電極143との間にアーチ状の膨らみを有する空隙124が形成されている。下部電極121上に圧電膜122が設けられている。圧電膜122上に上部電極123が設けられている。共振領域125は、空隙124上において圧電膜122を挟み下部電極121と上部電極123とが平面視において重なる領域で規定される。
圧電薄膜共振器120の下部電極121は、圧電薄膜共振器140の上部電極143に直接接して電気的に接続されている。圧電薄膜共振器120の上部電極123と圧電薄膜共振器140の下部電極141とは電気的に接続されていない。したがって、圧電薄膜共振器120と圧電薄膜共振器140は直列に接続されている。
図6(b)を参照して、比較例2の弾性波デバイス1100では、圧電薄膜共振器120の下部電極121と圧電薄膜共振器140の上部電極143とが直接接して電気的に接続され、且つ、圧電薄膜共振器120の上部電極123と圧電薄膜共振器140の下部電極141とが直接接して電気的に接続されている。したがって、圧電薄膜共振器120と圧電薄膜共振器140は並列に接続されている。その他の構成は比較例1と同じであるため説明を省略する。
比較例1及び比較例2では、圧電薄膜共振器120と圧電薄膜共振器140が積層されているため、弾性波デバイスの小型化が図れる。しかしながら、圧電薄膜共振器120の下部電極121と圧電薄膜共振器140の下部電極141とが圧電膜142を間に挟んで向かい合う領域101が形成されている。領域101では寄生容量が発生する。比較例1では、領域101で発生する寄生容量は圧電薄膜共振器140に並列に接続される。比較例2では、領域101で発生する寄生容量は、圧電薄膜共振器120及び圧電薄膜共振器140に並列に接続される。領域101の寄生容量が大きいと所望の特性が得られないことがある。
実施例1及びその変形例では、図2及び図5のように、下部電極21と圧電膜22と上部電極23とを有する圧電薄膜共振器20が基板10上に設けられている。基板10と下部電極21との間の空隙24内に、下部電極41と圧電膜42と上部電極43とを有する圧電薄膜共振器40が設けられている。このように、空隙24内に圧電薄膜共振器40が設けられることで、弾性波デバイスを小型化できる。また、圧電薄膜共振器40の下部電極41と圧電薄膜共振器20の下部電極21とは接して電気的に接続されている。このため、下部電極41と下部電極21との間の寄生容量を低減できる。よって、所望の特性を得ることができる。
圧電薄膜共振器40の下部電極41は、圧電薄膜共振器20の下部電極21が共振領域25から引き出された引出領域60において下部電極21と接して電気的に接続されている。これにより、下部電極41と下部電極21との間の寄生容量を効果的に低減できる。
圧電薄膜共振器20を構成する下部電極21と圧電膜22と上部電極23の空隙24上における合計厚さは、圧電薄膜共振器40を構成する下部電極41と圧電膜42と上部電極43の空隙44上における合計厚さより大きい場合が好ましい。これにより、圧電薄膜共振器20の共振周波数と圧電薄膜共振器40の共振周波数とが異なるようになり、特性への影響を抑えつつ、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40を重ねることができる。
圧電薄膜共振器20を構成する下部電極21と圧電膜22と上部電極23の空隙24上における合計厚さは、圧電薄膜共振器40を構成する下部電極41と圧電膜42と上部電極43の空隙44上における合計厚さの2倍以上であってもよい。これにより、圧電薄膜共振器40の共振周波数が圧電薄膜共振器20の共振周波数の2倍以上の大きさとなるため、圧電薄膜共振器40は圧電薄膜共振器20に対してキャパシタとして機能する。圧電薄膜共振器40が圧電薄膜共振器20に対してキャパシタとして機能するために、下部電極21と圧電膜22と上部電極23との合計厚さは、下部電極41と圧電膜42と上部電極43との合計厚さの3倍以上であってもよいし、4倍以上であってもよい。例えば、実施例1のように圧電薄膜共振器40が圧電薄膜共振器20に直列に接続されている場合、圧電薄膜共振器40がキャパシタとして機能することで、圧電薄膜共振器20の反共振周波数は変化させずに共振周波数を高周波数側にシフトさせることができる。例えば実施例1の変形例のように圧電薄膜共振器40が圧電薄膜共振器20に並列に接続されている場合、圧電薄膜共振器40がキャパシタとして機能することで、圧電薄膜共振器20の共振周波数は変化させずに反共振周波数を低周波側にシフトさせることができる。
図7は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。図7を参照して、実施例2の弾性波デバイス300では、開口を有する支持膜11が基板10上に形成されている。支持膜11は、例えば酸化シリコン膜等の絶縁膜であり、その厚さは400nm~1200nmである。支持膜11は、例えば圧電膜42よりも誘電率が小さく、且つ、下部電極41と圧電膜42と上部電極43の合計膜厚よりも厚い。圧電薄膜共振器20の下部電極21は、支持膜11上に平坦に形成されている。支持膜11に形成された開口によって下部電極21と基板10との間に空隙24が形成されている。
空隙24における基板10の上面に窪みが形成されている。圧電薄膜共振器40の下部電極41は、基板10の上面に平坦に形成されている。基板10の上面に形成された窪みによって、下部電極41と基板10との間に空隙44が形成されている。下部電極41は、引出領域60において下部電極21と下部電極41が重なる領域に支持膜11を貫通して設けられたビア配線12を介して下部電極21に電気的に接続されている。上部電極43は、引出領域61において上部電極23と上部電極43が重なる領域に支持膜11及び圧電膜22を貫通して設けられたビア配線13を介して上部電極23に電気的に接続されている。したがって、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40は並列に接続されている。ビア配線12及び13は、例えば銅等の金属で形成されている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
[製造方法]
図8(a)から図10(b)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図8(a)を参照して、基板10の上面にエッチング等を用いて窪みを形成する。窪みの深さは、例えば200nm~600nmであり、その形状は空隙44に相当する形状である。その後、基板10上に犠牲層92をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。犠牲層92は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ゲルマニウム、又は酸化シリコン等で形成される。その後、犠牲層92をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法又はエッチング法を用い除去することで、基板10の窪み内にのみ犠牲層92を残存させる。
図8(b)を参照して、犠牲層92を覆って基板10上に下部電極41を成膜する。その後、下部電極41を所望の形状にパターニングする。次いで、下部電極41を覆って基板10上に圧電膜42を成膜する。その後、圧電膜42を所望の形状にパターニングする。次いで、圧電膜42を覆って基板10上に上部電極43を成膜する。上部電極43上に付加膜46を成膜する。その後、付加膜46及び上部電極43を所望の形状にパターニングする。次いで、下部電極41、圧電膜42、上部電極43、及び付加膜46を覆う保護膜47を成膜する。その後、保護膜47を所望の形状にパターニングする。下部電極41、圧電膜42、上部電極43、付加膜46、及び保護膜47の成膜及びパターニングは実施例1と同じ方法を用いる。
図8(c)を参照して、基板10上に犠牲層93をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。
図9(a)を参照して、CMP法を用い犠牲層93を平坦化した後、犠牲層93をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層93の形状は、空隙24に相当する形状である。
図9(b)を参照して、犠牲層93を覆って基板10上に支持膜11をスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用い成膜する。その後、支持膜11を犠牲層93が露出するまでCMP法を用い平坦化する。支持膜11及び犠牲層93の厚さは、例えば500nm~1500nmである。
図9(c)を参照して、支持膜11に下部電極41と上部電極43を露出させる貫通孔をフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い形成する。その後、貫通孔に銅等の配線材料を埋め込んでビア配線12及び13aを形成する。次いで、支持膜11及び犠牲層93上に下部電極21を成膜する。その後、下部電極21を所望の形状にパターニングする。下部電極21と下部電極41はビア配線12を介して電気的に接続する。下部電極21の成膜及びパターニングは実施例1と同じ方法を用いる。
図10(a)を参照して、下部電極21を覆って支持膜11及び犠牲層93上に圧電膜22を成膜する。その後、圧電膜22を所望の形状にパターニングする。このパターニングによってビア配線13aを露出させる貫通孔を形成する。その後、貫通孔に銅等の配線材料を埋め込んでビア配線13bを形成する。ビア配線13aとビア配線13bとによりビア配線13が形成される。次いで、圧電膜22を覆って上部電極23を成膜する。上部電極23上に付加膜26を成膜する。その後、付加膜26及び上部電極23を所望の形状にパターニングする。上部電極23と上部電極43はビア配線13を介して電気的に接続する。次いで、下部電極21、圧電膜22、上部電極23、及び付加膜26を覆う保護膜27を成膜する。その後、保護膜27を所望の形状にパターニングする。圧電膜22、上部電極23、付加膜26、及び保護膜27の成膜及びパターニングは実施例1と同じ方法を用いる。
図10(b)を参照して、孔部29及び導入路28並びに孔部49及び導入路48(図1参照)を介し、犠牲層92及び93のエッチング液を導入して犠牲層92及び93を除去する。これにより、下部電極21と基板10の間に空隙24が形成され、下部電極41と基板10の間に空隙44が形成される。以上により、弾性波デバイス300が形成される。
実施例1及びその変形例では、空隙24は基板10の平坦上面と下部電極21との間にアーチ状に形成される場合を例に示したが、この場合に限られない。実施例2のように、基板10上に開口を有する支持膜11を備え、圧電薄膜共振器20は支持膜11上に設けられ、空隙24は下部電極21と基板10との間に位置する支持膜11の開口である場合でもよい。この場合でも、弾性波デバイス300を小型化しつつ、寄生容量を低減することができる。また、実施例1及びその変形例では、基板10の平坦上面と下部電極41との間にアーチ状の空隙44が形成される場合を例に示したが、基板10の上面に形成された窪みによって基板10と下部電極41との間に空隙44が形成される場合でもよい。
また、実施例1及びその変形例では、圧電薄膜共振器40の下部電極41は引出領域60において圧電薄膜共振器20の下部電極21に直接接して電気的に接続される場合を例に示したが、この場合に限られない。実施例2のように、下部電極41は引出領域60において下部電極41と下部電極21が重なる領域に設けられたビア配線12を介して下部電極21に電気的に接続される場合でもよい。この場合でも、下部電極21と下部電極41との間の寄生容量を低減できる。基板10上に支持膜11が設けられる場合、ビア配線12が支持膜11に形成されることで、下部電極21と下部電極41を容易に電気的に接続させることができる。
圧電薄膜共振器40の圧電膜42は、空隙24内にのみ設けられ、空隙24から空隙24の外側に引き出されていない場合が好ましい。これにより、寄生容量を低減することができる。
[実施例2の変形例]
図11(a)は、実施例2の変形例1に係る弾性波デバイスの断面図、図11(b)は、実施例2の変形例2に係る弾性波デバイスの断面図である。図11(a)を参照して、実施例2の変形例1の弾性波デバイス310では、圧電薄膜共振器40の下部電極41は、空隙24を形成する開口の底面及び側面を延在して、引出領域60において圧電薄膜共振器20の下部電極21に直接接して電気的に接続されている。圧電薄膜共振器40の上部電極43は、空隙24を形成する開口の底面及び側面を延在して、引出領域61において圧電膜22を貫通するビア配線14を介して圧電薄膜共振器20の上部電極23に電気的に接続されている。その他の構成は実施例2と同じであるため説明を省略する。
図11(b)を参照して、実施例2の変形例2の弾性波デバイス320では、空隙24を形成する開口の側面がテーパ面となっている。圧電薄膜共振器40の下部電極41は、空隙24を形成する開口の底面及び側面を延在して、引出領域60において圧電薄膜共振器20の下部電極21に直接接して電気的に接続されている。圧電薄膜共振器40の上部電極43は、空隙24を形成する開口の底面及び側面を延在して、引出領域61において圧電膜22を貫通するビア配線14を介して圧電薄膜共振器20の上部電極23に電気的に接続されている。その他の構成は実施例2と同じであるため説明を省略する。
図12は、実施例2の変形例3に係る弾性波デバイスの断面図である。図12を参照して、実施例2の変形例3の弾性波デバイス330では、圧電薄膜共振器40における共振領域45の下部電極41下に音響反射膜50が設けられている。音響反射膜50は、音響インピーダンスの低い膜51と音響インピーダンスの高い膜52とが交互に設けられている。膜51及び52の膜厚は、例えばそれぞれほぼλ/4(λは共振領域45で励振される弾性波の波長)である。膜51と52の積層数は任意に設定できる。音響反射膜50は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。基板10が音響反射膜50の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜50は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が1層設けられている構成でもよい。その他の構成は実施例2と同じであるため説明を省略する。
実施例2からその変形例3において、圧電薄膜共振器20の上部電極23と圧電薄膜共振器40の上部電極43とがビア配線13又は14を介して電気的に接続されてなく、圧電薄膜共振器20と圧電薄膜共振器40が直列に接続される場合でもよい。
実施例1及びその変形例並びに実施例2からその変形例2のように、圧電薄膜共振器40は、共振領域45において空隙44が基板10と下部電極41との間に形成されるFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。実施例2の変形例3のように、圧電薄膜共振器40は、共振領域45において下部電極41下に圧電膜42を伝播する弾性波を反射する音響反射膜50を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。共振領域45を含む音響反射層は空隙44又は音響反射膜50を含めばよい。
図13は、実施例3に係る弾性波デバイスの断面図である。図13を参照して、実施例3の弾性波デバイス400では、実施例2の弾性波デバイス300と同じく、基板10上の支持膜11に形成された開口によって下部電極21と基板10との間に空隙24が形成されている。空隙24内には、誘電体膜72(絶縁膜)と、誘電体膜72を挟んで向かい合う下部電極71(第2下部電極)及び上部電極73(第2上部電極)と、を有するキャパシタ素子70(素子)が設けられている。誘電体膜72は例えば酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜等の絶縁膜である。下部電極71と基板10との間に空隙は形成されていない。キャパシタ素子70の下部電極71は、引出領域60においてビア配線12を介して圧電薄膜共振器20の下部電極21に電気的に接続されている。キャパシタ素子70の上部電極73は、引出領域61においてビア配線13を介して圧電薄膜共振器20の上部電極23に電気的に接続されている。したがって、圧電薄膜共振器20とキャパシタ素子70は並列に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
実施例1から実施例2の変形例3では、空隙24内に設けられる素子として圧電薄膜共振器40の場合を例に示したが、この場合に限られない。実施例3のように、空隙24内に設けられる素子はキャパシタ素子70の場合でもよい。実施例3において、寄生容量の低減の点から、支持膜11は誘電体膜72よりも誘電率が小さく、且つ、下部電極71と誘電体膜72と上部電極73の合計膜厚よりも厚い場合が好ましい。
実施例3において、圧電薄膜共振器20の上部電極23とキャパシタ素子70の上部電極73とがビア配線13を介して電気的に接続されてなく、圧電薄膜共振器20とキャパシタ素子70が直列に接続される場合でもよい。
図14は、実施例4に係るフィルタの回路図である。図14を参照して、実施例4のフィルタ500は、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1又は複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1又は複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。並列共振器P1からP3は、入力端子Tinと出力端子Toutとの間の経路とグランド端子Gndとの間に接続されている。1又は複数の直列共振器S1からS4及び1又は複数の並列共振器P1からP3の少なくとも2つの共振器に実施例1から実施例2の変形例3の弾性波デバイスを用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数は適宜設定できる。
[実施例4の変形例]
図15(a)は、実施例4の変形例に係るフィルタの回路図、図15(b)は、実施例4の変形例に係るフィルタの平面図である。図15(a)及び図15(b)を参照して、実施例4の変形例のフィルタ510では、キャパシタCが直列共振器S2に並列に接続されている。直列共振器S2及びキャパシタCに実施例1の変形例から実施例3の弾性波デバイスを用いることができる。その他の構成は実施例4と同じであるため説明を省略する。キャパシタCが並列に接続される共振器等は適宜設定できる。
図16は、比較例3に係るフィルタの平面図である。図16を参照して、比較例3のフィルタ1200では、直列共振器S2に並列に接続されるキャパシタCが直列共振器S2に重ならずに設けられている。その他の構成は実施例4の変形例と同じであるため説明を省略する。
比較例3によれば、キャパシタCが直列共振器S2と重ならずに同一平面上に設けられている。このため、フィルタ1200が大型化してしまう。一方、実施例4の変形例によれば、直列共振器S2とキャパシタCに実施例1の変形例から実施例3の弾性波デバイスを用いることで、キャパシタCは直列共振器S2と重なって設けられる。このため、フィルタ510を小型化することができる。
実施例4の変形例では、キャパシタCが共振器に並列に接続される場合を例に示したが、キャパシタCが共振器に直列に接続される場合でもよい。
図17は、実施例5に係るデュプレクサの回路図である。図17を参照して、デュプレクサ600は、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ80が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ81が接続されている。送信フィルタ80は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ81は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ80及び受信フィルタ81の少なくとも一方を、実施例4又は実施例4の変形例のフィルタとすることができる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したが、トリプレクサ又はクワッドプレクサでもよい。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
11 支持膜
12、13、13a、13b、14 ビア配線
20 圧電薄膜共振器
21 下部電極
22 圧電膜
23 上部電極
24 空隙
25 共振領域
26 付加膜
27 保護膜
28 導入路
29 孔部
40 圧電薄膜共振器
41 下部電極
42 圧電膜
43 上部電極
44 空隙
45 共振領域
46 付加膜
47 保護膜
48 導入路
49 孔部
50 音響反射膜
51、52 膜
60、61 引出領域
70 キャパシタ素子
71 下部電極
72 誘電体膜
73 上部電極
80 送信フィルタ
81 受信フィルタ
90、91、92、93 犠牲層
200、210、300、310、320、330、400 弾性波デバイス
500、510 フィルタ
600 デュプレクサ

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板との間に空隙を有して前記基板上に設けられる第1下部電極と、前記第1下部電極上に設けられる圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記空隙上において前記圧電膜を挟み前記第1下部電極と平面視において重なる領域で規定される共振領域を有する第1上部電極と、を有する圧電薄膜共振器と、
    前記空隙内に設けられ、前記第1下部電極に接して電気的に接続又は前記第1下部電極と重なる領域に設けられる配線を介して電気的に接続して前記基板上に設けられる第2下部電極と、前記第2下部電極上に設けられる絶縁膜と、前記第2下部電極との間に前記絶縁膜を挟んで前記絶縁膜上に設けられる第2上部電極と、を有する素子と、を備える弾性波デバイス。
  2. 前記第1下部電極は、前記共振領域から前記第1下部電極の前記共振領域の外側である引出領域に引き出され、
    前記第2下部電極は、前記引出領域において前記第1下部電極に接して電気的に接続又は前記配線を介して電気的に接続する、請求項1に記載の弾性波デバイス。
  3. 前記基板上に設けられ、開口を有する支持膜を備え、
    前記圧電薄膜共振器は、前記支持膜上に設けられ、
    前記空隙は、前記基板と前記第1下部電極との間に位置する前記開口である、請求項1または2に記載の弾性波デバイス。
  4. 前記第2下部電極は、前記支持膜に設けられた前記配線を介して前記第1下部電極に電気的に接続されている、請求項3に記載の弾性波デバイス。
  5. 前記第2下部電極は、前記第1下部電極に接して電気的に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  6. 前記素子は、前記第2下部電極が前記基板との間に音響反射層を有して前記基板上に設けられ、前記絶縁膜が圧電膜であり、前記音響反射層上において前記絶縁膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが平面視において重なる領域で共振領域が規定される、圧電薄膜共振器である、請求項1から5のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  7. 前記空隙上で重なる前記第1下部電極と前記圧電膜と前記第1上部電極の合計厚さは、前記音響反射層上で重なる前記第2下部電極と前記絶縁膜と前記第2上部電極の合計厚さの2倍以上である、請求項6に記載の弾性波デバイス。
  8. 前記素子はキャパシタ素子である、請求項1から5のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを含むフィルタ。
  10. 請求項9に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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