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JP2021186838A - 鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置 - Google Patents

鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置 Download PDF

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JP2021186838A
JP2021186838A JP2020095886A JP2020095886A JP2021186838A JP 2021186838 A JP2021186838 A JP 2021186838A JP 2020095886 A JP2020095886 A JP 2020095886A JP 2020095886 A JP2020095886 A JP 2020095886A JP 2021186838 A JP2021186838 A JP 2021186838A
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Abstract

【課題】熱間で仕上圧延された鋼材を冷却して巻き取るに際しての鋼材のC反りの発生を適切に防止することができる、鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置を提供する。【解決手段】鋼板の圧延方法は、鋼材Sを熱間で仕上圧延する仕上圧延工程と、仕上圧延された鋼材Sを鋼材Sの搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンク51を有する冷却装置5で冷却する冷却工程と、冷却された鋼材Sをコイルに巻き取る巻取り工程とを備える。冷却工程では、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51を上面空冷区域52に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置、特に仕上圧延された鋼板のC反りを防止する鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置に関する。
一般に、所定の板厚を有する鋼板の熱間圧延においては、仕上圧延後の熱延鋼板は、仕上圧延機と巻取装置との間に設けられた冷却装置によって所定温度まで冷却された後、巻取装置に巻き取られる。
この鋼板の熱間圧延においては、仕上圧延後の冷却の態様が鋼板の機械的特性を決定する重要な因子となっている。すなわち、鋼板温度がどのような温度履歴を辿るかによって金属組織が変化し、その結果製品としての機械的特性が異なってくる。このため、目標の機械的特性を有する鋼板を安定して製造するためには、材料の変態過程をシミュレーションする計算モデル等によって、鋼板の変態が完了するまでの目標温度履歴(冷却履歴)と目標巻取温度が、鋼板の全長に渡って実現できるように冷却過程を制御する必要がある。
従来のこの種の熱間圧延における鋼板の冷却制御方法として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
特許文献1に示す熱間圧延における鋼板の冷却制御方法では、多数の冷却バンクによる鋼板表面への注水をバルブの開閉によりオン・オフすることで行う。この冷却制御方法では、板厚、板幅、通板速度、仕上出口温度及び巻取温度等の実測値を計算機に入力するとともに、その演算結果に基づいて、目標巻取温度が実現できるように各冷却バンクのオン・オフを制御する。
また、従来のこの種の圧延材の巻取温度制御方法として、例えば、特許文献2に示すものが知られている。
特許文献2に示す圧延材の巻き取り温度制御方法は、仕上げ圧延後の圧延材を水冷又は空冷により冷却することで、圧延材の巻き取り温度を制御する圧延材の巻き取り温度制御方法において、空冷される圧延材に対しては空冷の伝熱計算を行い、水冷される圧延材に対しては水冷の伝熱計算を行って、圧延材の巻き取り温度の予測値を計算し、この予測値を基に、巻き取り温度を制御するものである。
特開平8−103809号公報 特開2007−301603号公報
ところで、鋼板の熱間圧延においては、仕上圧延後の鋼板を冷却した際に、鋼板の上下面の温度がばらつき、その温度差により鋼板の幅方向両端が上側に反るC反りと呼ばれる現象が発生することがある。このC反りは、鋼板の下面の温度が上面の温度よりも高いと発生し易くなる。
しかしながら、特許文献1に示す熱間圧延における鋼板の冷却制御方法及び特許文献2に示す圧延材の巻き取り温度制御方法のいずれの方法においても、鋼板の全長において目標巻取温度を実現することができるものの、鋼板の上面側及び下面側の冷却が空冷である水冷であるとを問わず対となって行われている。このため、鋼板の下面の温度が上面の温度よりも高くなってしまうことがあり、鋼板のC反りが発生してしまうおそれがある。
従って、本発明はこれら従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、熱間で仕上圧延された鋼材を冷却して巻き取るに際しての鋼材のC反りの発生を適切に防止することができる、鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る鋼板の圧延方法は、鋼材を熱間で仕上圧延する仕上圧延工程と、仕上圧延された前記鋼材を、前記鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却する冷却工程と、冷却された前記鋼材をコイルに巻き取る巻取り工程とを備え、前記冷却工程では、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る鋼板の製造方法は、前述の圧延方法を用いて鋼板を製造することを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る鋼板の冷却制御方法は、仕上圧延された鋼材を、該鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却して巻取装置で巻き取るに際しての鋼板の冷却制御方法であって、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る鋼板の冷却制御装置は、仕上圧延された鋼材を、該鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却して巻取装置で巻き取るに際しての鋼板の冷却制御装置であって、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを要旨とする。
本発明に係る鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置によれば、熱間で仕上圧延された鋼材を冷却して巻き取るに際しての鋼材のC反りの発生を適切に防止することができる、鋼板の圧延方法、製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置を提供をできる。
本発明の第1実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備の概略構成図である。 図1に示す熱間圧延設備における制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図2に示すステップS2における処理の流れの詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備における制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図4に示すステップS12における処理の流れの詳細を示すフローチャートである。 鋼材の上面及び下面の温度と冷却装置における鋼材の位置(バンクNo)との関係を実施例1と比較例とで比較して示すグラフである。 C反り発生率を実施例1,2,3と比較例とで比較して示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備の概略構成図である。
図1に示す熱間圧延設備1は、鋼材Sの搬送方向上流側から下流に向かう順に、鋼材Sを加熱する加熱炉2と、加熱された鋼材Sを粗圧延する複数のスタンドR1〜R3を有する粗圧延機3と、粗圧延された鋼材Sを仕上圧延する複数のスタンドF1〜F7を有する仕上圧延機4と、仕上圧延された鋼材Sを所定温度まで冷却する冷却装置5と、冷却された鋼材Sをコイルに巻き取る巻取装置6とを備えている。仕上圧延された鋼材Sは、所定板厚の熱延鋼板となり、所定の巻取温度でコイルに巻き取られて製造される。仕上圧延出側の鋼材Sの温度は、880〜910℃程度である。
仕上圧延機4の所定スタンドのワークロールの回転軸には、その回転数を計測し鋼材Sの搬送速度である板速度を測定する出側板速度検出器7が設けられている。
また、仕上圧延機4の出側には、仕上圧延出側の鋼材Sの温度である板温度を測定する出側板温度計8が配置されている。また、出側板温度計8の搬送方向下流側には、仕上圧延出側の鋼材Sの板厚を測定する出側板厚計9が設置されている。
また、冷却装置5は、鋼材Sの搬送方向に沿って配設された複数(1〜N個)の冷却バンク51を備えている。即ち、冷却装置5は、冷却バンク[1]〜[N]を備えている。各冷却バンク51は、鋼材Sの上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能を操作可能とした上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを備えている。
上面側及び下面側の冷却バンク51a,51bのそれぞれには、鋼材Sに向けて冷却水を噴射する複数の冷却ノズル(図示せず)が備えられ、各冷却ノズルには冷却水の噴出をオン・オフ制御可能なバルブが設けられている。このバルブを開状態にすると冷却水が冷却ノズルから噴射するため、開状態のバルブ数(開バルブ本数)を変更することで、鋼材Sに吹き付けられる冷却水の流量の全量が変わり、板温度の温度降下量が可変する。
また、冷却装置5の出側であって巻取装置6の直前には、鋼材Sの巻取温度を測定する巻取温度計12が設置されている。
そして、冷却装置5には、各冷却バンク51における各冷却ノズルのバルブに対し、バルブ開閉信号を出力するバルブ開閉信号出力部10と、バルブ開閉信号出力部10に対して水冷状態の各冷却バンク51(上面側及び下面側の冷却バンク51a,51b)における開バルブ本数を出力する制御部11が備えられている。
制御部11は、本発明の第1実施形態に係る冷却制御装置を構成し、巻取温度計12での巻取温度が目標巻取温度に近づくように、各冷却バンク51(上面側及び下面側の冷却バンク51a,51b)における開バルブ本数の適切値を算出する。
制御部11で算出された開バルブ本数の値は、シーケンサなどから構成されるバルブ開閉信号出力部10に送られる。バルブ開閉信号出力部10は、開バルブ本数の値に応じ各冷却バンク51(上面側及び下面側の冷却バンク51a,51b)のバルブの開閉を行い、冷却装置5全体の冷却状態を変更する。
制御部11は、制御部11における冷却制御機能をコンピュータソフトウェア上でプログラムによって実行するための演算処理機能を有するコンピュータシステムである。そして、このコンピュータシステムは、ROM,RAM,CPU等を備えて構成され、ROM等に予め記憶された各種専用のプログラムによって、冷却制御機能をソフトウェア上で実行する。
制御部11で実行される冷却制御の方法は、本発明の第1実施形態に係る冷却制御方法に係るものであり、これについて図2及び図3を参照して説明する。図2は制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図3は図2に示すステップS2における処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
仕上圧延機4で圧延される鋼材Sを一定長ごとにサンプリングを行い、仮想的に例えば長さ5m程度のコイル片を設定する。このコイル片のそれぞれに対して、以下のステップにて、当該コイル片に対する冷却制御を行うようにする。
先ず、ステップS1において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度、出側板厚計9からの実績板厚、及び出側板速度検出器7からの実績板速度を入力する。また、制御部11は、図示しない上位計算機から目標巻取温度の情報を入力する。
次いで、ステップS2において、制御部11は、ステップS1で入力されたデータを基に、巻取温度計12での巻取温度が目標巻取温度、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。
このステップS2の詳細について、図3を参照して説明する。
先ず、ステップS21において、制御部11は、冷却装置5の冷却バンク51[1]〜[N−1]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とし、冷却バンク[N]の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする。
次いで、ステップS22において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度と、空冷の伝熱の一般的な式と、冷却装置5の冷却速度能力(冷却速度)の一定の式とから伝熱計算をして、冷却バンク[N]の上面側の入側板温度及び冷却バンク[N]の下面側の入側板温度を求めて、冷却バンク[N]の入側板温度を予測する。
次いで、ステップS23において、制御部11は、ステップS22で予測した冷却バンク[N]の入側板温度と冷却装置5の冷却速度能力(冷却速度)の一定の式とから伝熱計算をして冷却バンク[N]の出側板温度を予測する。
次いで、ステップS24において、制御部11は、ステップS23で予測した冷却バンク[N]の出側板温度と空冷の伝熱の一般的な式とを用いて伝熱計算をして鋼材Sの巻取温度を予測する。
そして、ステップS25において、制御部11は、ステップS24で予測した鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しいか否かを判定する。
そして、ステップS25における判定結果がNoのとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しくないときにはステップS26に移行し、制御部11は、冷却バンク[N]の1つ上流側の冷却バンク[N−1]の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とし、ステップS25の判定結果がYesとなるまでステップS22〜ステップS25を繰り返す。
一方、ステップS25における判定結果がYesとなったとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しくなったときにはステップS27に移行し、上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした冷却バンク[1]〜[K]を上面空冷区域52に設定し、上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした冷却バンク[K+1]〜[N]を水冷区域53に設定する。
これにより、ステップS2を終了する。
そして、ステップS2が終了したら、ステップS3に移行し、制御部11は、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおける開バルブ本数を決定する。
制御部11は、開バルブ本数の決定に際し、冷却装置5の冷却速度能力(一定値の冷却速度)を満たすように上面空冷区域52の入側板温度から上面空冷区域52の出側板温度と水冷区域53の入側板温度及び出側板温度とを算出した上で、これらの出側板温度を実現可能とする開バルブ本数を決定する。
最後に、ステップS4において、制御部11は、ステップS3で算出された開バルブ本数の値をバルブ開閉信号出力部10に出力する。そして、バルブ開閉信号出力部10はその値に基づき、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおけるバルブを開かせる。そして、その開いたバルブの冷却ノズルからは冷却水が噴射され、鋼材Sの板温度は制御される。
このように、第1実施形態における制御部11では、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。これにより、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となることを前提として、仕上圧延直後からの上面空冷区域52の冷却バンク51では、上面側の冷却バンク51aが空冷状態とされ、下面側の冷却バンク51bが水冷状態とされる。このため、鋼材Sの下面の温度が低減されて鋼材Sの上面の温度よりも低くなり、鋼材SのC反りの発生を適切に回避することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る鋼板の圧延方法について、図1乃至図3を参照して説明する。
先ず、熱間圧延に際し、鋼材Sは、加熱炉2で加熱される(加熱工程)。
次いで、加熱された鋼材Sは、加熱炉2から抽出され、粗圧延機3で粗圧延される(粗圧延工程)。
その後、鋼材Sは、熱間で仕上圧延機4で所定の板厚に至るまで仕上圧延されて、仕上圧延機4を出る(仕上圧延工程)。
次いで、仕上圧延された鋼材Sは、冷却装置5によって所定温度まで冷却される(冷却工程)。
この冷却工程では、制御部11は、前述したように、図2に示す冷却制御を行う。
先ず、ステップS1において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度、出側板厚計9からの実績板厚、及び出側板速度検出器7からの実績板速度を入力する。また、制御部11は、図示しない上位計算機から目標巻取温度の情報を入力する。
次いで、ステップS2において、制御部11は、ステップS1で入力されたデータに基に、巻取温度計12での巻取温度が目標巻取温度、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。
このステップS2の詳細については、図3を参照して前述した通りである。
そして、ステップS2が終了したら、ステップS3に移行し、制御部11は、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおける開バルブ本数を決定する。
最後に、ステップS4において、制御部11は、ステップS3で算出された開バルブ本数の値をバルブ開閉信号出力部10に出力する。そして、バルブ開閉信号出力部10はその値に基づき、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおけるバルブを開かせる。そして、その開いたバルブの冷却ノズルからは冷却水が噴射され、鋼材Sの板温度は制御される。
そして、冷却装置5で冷却された鋼材Sは、巻取装置6によりコイルに巻き取られる(巻取り工程)。
本実施形態に係る鋼材の圧延方法では、冷却工程において、前述したように、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。これにより、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となることを前提として、仕上圧延直後からの上面空冷区域52の冷却バンク51では、上面側の冷却バンク51aが空冷状態とされ、下面側の冷却バンク51bが水冷状態とされる。このため、鋼材Sの下面の温度が低減されて鋼材Sの上面の温度よりも低くなり、熱間で仕上圧延された鋼材を冷却して巻き取るに際しての鋼材のC反りの発生を適切に防止することができる。
なお、上面空冷区域52の長さの上限は、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となることを前提として、ランアウトテーブルの長さの45%であることが好ましい。
また、上面空冷区域52を仕上圧延直後、即ち冷却バンク[1]からとし、冷却バンク[2]からとしなかったのは、冷却バンク[1]の上面側の冷却バンク51aから冷却水が噴射されて鋼材Sの上面に水乗りが発生し、鋼材Sの下面の温度が上面の温度よりも高くなり、C反りに至るからである。
なお、鋼材SのMnの含有量が0.7wt%未満、鋼材Sの目標巻取温度が660℃以上である場合には、全ての冷却バンク51の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bから冷却水を噴射したとしても、鋼材SのC反りに至ることはほとんどなく、C反りに至ったとしてもその反り量が少ない。このため、鋼材SのMnの含有量0.7%以上、鋼材Sの目標巻取温度が660℃未満の場合に、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51を上面空冷区域52に設定することの実益が大きい。
また、鋼材Sの仕上圧延後の板厚が薄く、当該鋼材Sの板幅が広い場合には、鋼材Sの上面と下面との温度差によって発生するC反り量が大きいため、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51を上面空冷区域52に設定することの実益が大きい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法、鋼板の製造方法、冷却制御方法及び冷却制御装置について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備における制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図5は、図4に示すステップS12における処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備の基本構成は図1に示す熱間圧延設備1と同様であり、以下、各部材の符号をそのまま用いて説明する。
第1実施形態と第2実施形態とは、制御部11の処理の流れが相違している。
本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法が適用される熱間圧延設備における制御部11は、本発明の冷却制御装置を構成し、巻取温度計12での巻取温度が目標巻取温度に近づくように、各冷却バンク51(上面側及び下面側の冷却バンク51a,51b)における開バルブ本数の適切値を算出する。
制御部11で算出された開バルブ本数の値は、シーケンサなどから構成されるバルブ開閉信号出力部10に送られる。バルブ開閉信号出力部10は、開バルブ本数の値に応じ各冷却バンク51(上面側及び下面側の冷却バンク51a,51b)のバルブの開閉を行い、冷却装置5全体の冷却状態を変更する。
制御部11は、制御部11における冷却制御機能をコンピュータソフトウェア上でプログラムによって実行するための演算処理機能を有するコンピュータシステムである。そして、このコンピュータシステムは、ROM,RAM,CPU等を備えて構成され、ROM等に予め記憶された各種専用のプログラムによって、冷却制御機能をソフトウェア上で実行する。
制御部11で実行される冷却制御の方法は、本発明の冷却制御方法に係るものであり、これについて図4を参照して説明する。
先ず、ステップS11において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度、出側板厚計9からの実績板厚、及び出側板速度検出器7からの実績板速度を入力する。また、制御部11は、図示しない上位計算機から目標巻取温度の情報を入力する。
次いで、ステップS12において、制御部11は、ステップS11で入力されたデータを基に、巻取温度計12での巻取温度が目標巻取温度、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[N])を上面空冷区域52に設定するか、あるいは1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。このステップS12の処理が第1実施形態におけるステップS2の処理と異なる。
このステップS12の詳細について、図5を参照して説明する。
先ず、ステップS121において、制御部11は、冷却装置5の冷却バンク51[1]〜[N]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする。つまり、すべての冷却バンク51の上面側を空冷状態、下面側を水冷状態とする。
次いで、ステップS122において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度と、空冷の伝熱の一般的な式と、冷却装置5の冷却速度能力(冷却速度)の一定の式とから伝熱計算をして、冷却バンク[N]の上面側の出側板温度及び冷却バンク[N]の下面側の出側板温度を求めて、冷却バンク[N]の出側板温度を予測する。
次いで、ステップS123において、制御部11は、ステップS123で予測した冷却バンク[N]の出側板温度と空冷の伝熱の一般的な式とを用いて伝熱計算をして鋼材Sの巻取温度を予測する。
そして、ステップS124において、制御部11は、ステップS123で予測した鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しいか否かを判定する。
そして、ステップS124における判定結果がYesのとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しいときにはステップS125に移行し、上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした冷却バンク[1]〜[N]を上面空冷区域52に設定する。
一方、ステップS124における判定結果がNoのとき、ステップSS124における判定結果がNoのとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しくないときにはステップS126に移行する。
そして、ステップS126において、制御部11は、冷却装置5の冷却バンク51[1]〜[N−1]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とし、冷却バンク[N]の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする。
次いで、ステップS127において、制御部11は、仕上圧延機4の出側における出側板温度計8からの実績板温度と、空冷の伝熱の一般的な式と、冷却装置5の冷却速度能力(冷却速度)の一定の式とから伝熱計算をして、冷却バンク[N]の上面側の入側板温度及び冷却バンク[N]の下面側の入側板温度を求めて、冷却バンク[N]の入側板温度を予測する。
次いで、ステップS128において、制御部11は、ステップS127で予測した冷却バンク[N]の入側板温度と冷却装置5の冷却速度能力(冷却速度)の一定の式とから伝熱計算をして冷却バンク[N]の出側板温度を予測する。
次いで、ステップS129において、制御部11は、ステップS128で予測した冷却バンク[N]の出側板温度と空冷の伝熱の一般的な式とを用いて伝熱計算をして鋼材Sの巻取温度を予測する。
そして、ステップS130において、制御部11は、ステップS129で予測した鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しいか否かを判定する。
そして、ステップS130における判定結果がNoのとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しくないときにはステップS131に移行し、制御部11は、冷却バンク[N]の1つ上流側の冷却バンク[N−1]の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とし、ステップS130の判定結果がYesとなるまでステップS127〜ステップSS130を繰り返す。
一方、ステップS130における判定結果がYesとなったとき、即ち、鋼材Sの巻取温度の予測値が目標巻取温度と等しくなったときにはステップS132に移行し、上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした冷却バンク[1]〜[K]を上面空冷区域52に設定し、上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした冷却バンク[K+1]〜[N]を水冷区域53に設定する。
これにより、ステップS12を終了する。
そして、ステップS12が終了したら、ステップS13に移行し、制御部11は、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおける開バルブ本数を決定する。
制御部11は、開バルブ本数の決定に際し、冷却装置5の冷却速度能力(一定値の冷却速度)を満たすように上面空冷区域52の入側板温度から上面空冷区域52の出側板温度と水冷区域53の入側板温度及び出側板温度とを算出した上で、これらの出側板温度を実現可能とする開バルブ本数を決定する。
最後に、ステップS14において、制御部11は、ステップS13で算出された開バルブ本数の値をバルブ開閉信号出力部10に出力する。そして、バルブ開閉信号出力部10はその値に基づき、上面空冷区域52における水冷状態の下面側の冷却バンク51b及び水冷区域53における水冷状態の上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bにおけるバルブを開かせる。そして、その開いたバルブの冷却ノズルからは冷却水が噴射され、鋼材Sの板温度は制御される。
このように、第2実施形態における制御部11では、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となるように、冷却装置5の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[N])を上面空冷区域52に設定するか、あるいは1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[1]〜[K])を上面空冷区域52に設定し、搬送方向に沿って上面空冷区域52に続く上面側の冷却バンク51a及び下面側の冷却バンク51bを水冷状態とする1又は複数の冷却バンク51(冷却バンク[K+1]〜[N])を水冷区域53に設定する。
これにより、鋼材Sの巻取温度の予測値が鋼材Sの目標巻取温度となることを前提として、仕上圧延直後からの上面空冷区域52の冷却バンク51では、上面側の冷却バンク51aが空冷状態とされ、下面側の冷却バンク51bが水冷状態とされる。このため、鋼材Sの下面の温度が低減されて鋼材Sの上面の温度よりも低くなり、熱間で仕上圧延された鋼材Sを冷却して巻き取るに際しての鋼材SのC反りの発生を適切に防止することができる。
本発明の第2実施形態に係る鋼板の圧延方法については、前述した第1実施形態に係る鋼板の圧延方法と同様に、加熱工程、粗圧延工程、仕上圧延工程、冷却工程、及び巻取り工程を備え、その巻取り工程を経て鋼板が製造される。
冷却工程では、制御部11は、前述したように、図4及び図5に示す冷却制御を行う。
本発明の効果を検証すべく、図1に示す熱間圧延設備1において、冷却バンク51のN数を20とし、比較例として目標巻取温度を確保した上で上面空冷区域52における冷却バンク[1]、[3]、[5]の上面側の冷却バンク51aを水冷状態とし、冷却バンク[1]、[3]、[5]の下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした。
また、実施例1として目標巻取温度を確保した上で上面空冷区域52における冷却バンク[1]、[3]、[5]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態とし、冷却バンク[1]、[3]、[5]の下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした。
また、実施例2として目標巻取温度を確保した上で上面空冷区域52における冷却バンク[1]、[3]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態、冷却バンク[5]の上面側を水冷状態とし、冷却バンク[1]、[3]、[5]の下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした。
また、実施例3として目標巻取温度を確保した上で、上面空冷区域52における冷却バンク[1]の上面側の冷却バンク51aを空冷状態、冷却バンク[3]、[5]の上面側を水冷状態とし、冷却バンク[1]、[3]、[5]の下面側の冷却バンク51bを水冷状態とした。
比較例及び実施例1、2、3とも鋼材Sの組成成分として、含有量がC<0.002wt%、Mn≧0.7wt%の鋼材Sを対象とし、目標巻取温度を640℃とした。
なお、比較例及び実施例1、2、3とも鋼材S鋼材Sの仕上厚は、2.8mm〜3.2mmであった。
鋼材Sの上面及び下面の温度と冷却装置5における鋼材Sの位置(バンクNo)との関係を実施例1と比較例とで比較した結果を図4に示す。
図4から、比較例の場合、鋼材Sのいずれの位置においても鋼材Sの下面温度が上面温度よりも高いが、実施例1の場合、鋼材Sのいずれの位置においても鋼材Sの下面温度が上面温度よりも低いことを確認した。
また、C反り発生率を実施例1、2、3と比較例とで比較した結果を図3に示す。
ここで、C反りか否かの判断は、実績チャートの傾向で判断し、鋼材Sの巻取温度が所定の閾値よりも低く鋼材Sの幅が所定の閾値よりも狭い場合にはC反りと判断する。そして、C反り発生率は、C反りと判断された本数を圧延本数で除した値とする。
比較例の場合、3本(N数3)圧延し、鋼材SのC反りは100%発生した。これに対し、実施例1の場合、5本(N数5)圧延し、鋼材SのC反りは無かった。また、実施例2の場合、12本(N数12)圧延し、鋼材SのC反りは9%発生し、その発生率は低かった。また、実施例3の場合、8本(N数8)圧延し、鋼材SのC反りは75%発生したが、比較例の場合よりもその発生率は低くなった。
従って、実施例1、2、3の場合には、鋼材Sの下面の温度が鋼材Sの上面の温度よりもやや低めとなり、鋼材SのC反りの発生率が低減できることを確認した。C反りが発生すると、鋼材Sの幅を確性するのにスキンパスによる更正に回ってしまうため、歩留りが悪くなり、生産効率が悪くなってコスト増となる欠点がある。
1 熱間圧延設備
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 冷却装置
6 巻取装置
7 出側板速度検出器
8 出側板温度計
9 出側板厚計
10 バルブ開閉信号出力部
11 制御部
12 巻取温度計
51 冷却バンク
51a 上面側の冷却バンク
51b 下面側の冷却バンク
52 上面空冷区域
53 水冷区域
S 鋼材

Claims (12)

  1. 鋼材を熱間で仕上圧延する仕上圧延工程と、仕上圧延された前記鋼材を、前記鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却する冷却工程と、冷却された前記鋼材をコイルに巻き取る巻取り工程とを備え、
    前記冷却工程では、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを特徴とする鋼板の圧延方法。
  2. 前記搬送方向に沿って前記上面空冷区域に続く上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを水冷区域に設定することを特徴とする請求項1に記載の鋼板の圧延方法。
  3. 前記上面空冷区域の長さの上限は、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となることを前提として、ランアウトテーブルの長さの45%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板の圧延方法。
  4. 前記鋼材は、Mnの含有量が0.7wt%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の鋼板の圧延方法。
  5. 前記鋼材の目標巻取温度が660℃未満であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の鋼板の圧延方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の圧延方法を用いて鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。
  7. 仕上圧延された鋼材を、該鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却して巻取装置で巻き取るに際しての鋼板の冷却制御方法であって、
    前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを特徴とする鋼板の冷却制御方法。
  8. 前記搬送方向に沿って前記上面空冷区域に続く上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを水冷区域に設定することを特徴とする請求項7に記載の鋼板の冷却制御方法。
  9. 前記上面空冷区域の長さの上限は、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となることを前提として、ランアウトテーブルの長さの45%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の鋼板の冷却制御方法。
  10. 仕上圧延された鋼材を、該鋼材の搬送方向に沿って配設された複数の冷却バンクであって、各冷却バンクが前記鋼材の上面側及び下面側のそれぞれに対向するように配設された冷却能が操作可能な上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを有する冷却装置で冷却して巻取装置で巻き取るに際しての鋼板の冷却制御装置であって、
    前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となるように、前記冷却装置の冷却速度能力に応じて、仕上圧延直後からの上面側の冷却バンクを空冷状態とし下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを上面空冷区域に設定することを特徴とする鋼板の冷却制御装置。
  11. 前記搬送方向に沿って前記上面空冷区域に続く上面側の冷却バンク及び下面側の冷却バンクを水冷状態とする1又は複数の冷却バンクを水冷区域に設定することを特徴とする請求項10に記載の鋼板の冷却制御装置。
  12. 前記上面空冷区域の長さの上限は、前記鋼材の巻取温度の予測値が前記鋼材の目標巻取温度となることを前提として、ランアウトテーブルの長さの45%であることを特徴とする請求項10又は11に記載の鋼板の冷却制御装置。
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