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JP2021185299A - 硬質床材 - Google Patents

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JP2021185299A JP2020109998A JP2020109998A JP2021185299A JP 2021185299 A JP2021185299 A JP 2021185299A JP 2020109998 A JP2020109998 A JP 2020109998A JP 2020109998 A JP2020109998 A JP 2020109998A JP 2021185299 A JP2021185299 A JP 2021185299A
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Abstract

【課題】比較的高い強度及び硬度を有しながらも、床下地の表面凹凸を吸収することもできる薄型の樹脂製床材を提供する。【解決手段】樹脂含有硬質層及びその上層に表層を含み、前記樹脂含有硬質層の下層として反り防止層を含む床材であって、(1)床材の厚みが5mm以下であり、(2)温度23℃において、床材における幅5cm及び長さ30cmのサンプルの端部から幅5cm及び長さ10cmの領域Bを固定した場合の残りの幅5cm及び長さ20cmの領域Aの自重による垂下量が0.5〜8mmである、ことを特徴とする硬質床材に係る。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な硬質床材に関する。
例えばショッピングモール、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店等の商業施設をはじめ、マンション、ホテル、病院等において、来客者が行き来するようなエリア(エントランスホール、通路等)では、従来より、石材又はセラミックスの硬質材料からなる床材が多用されている。より具体的には、硬質のタイル状床材を複数突き合わせることによって床面が形成される。これらの硬質材料からなる床材は、高級感のある外観を発揮できるほか、ハイヒール、杖等によって局所的に荷重が加わった場合に生じる高い圧力に対する強度にも優れるという特徴がある。実際にも、このような硬質材料を用いた床材はこれまで種々提案されている。
例えば、板状のセラミック又は石材よりなる床材本体と該床材本体の裏面に直に付着している接着剤硬化体よりなる補強層とを備えてなる床材が知られている(特許文献1)。
また例えば、少なくとも3つ以上の辺を備えた床用タイルであって、セラミック、石材に代表される鉱物を含むタイル本体と、該タイル本体の外周に配設される目地を構成する枠体と、該枠体の少なくとも一辺側に形成されたジョイント凸部と、該ジョイント凸部と異なる辺側に形成されたジョイント凹部と、前記タイル本体の床面側に配設される緩衝材とからなることを特徴とする床用タイルが提案されている(特許文献2)。
特開2005−299148号公報 特開2011−1802号公報
しかしながら、上記のような石材又はセラミックスを用いた床材は、その剛性の高さゆえに、床下地の不陸による凹部を十分な強度をもって跨ぐことができる点等で優れるものの、加工が容易ではなく、常に電動の切削工具等が必要となる上、細かな加工、曲線の加工等が難しい。一方、床下地に砂粒等による突起部がある場合、床材の剛性度が高いので、しなることができずに、小さな突起部であってもがたつきが発生し、隣接する床材の目地において段差が発生することとなる。剛性度が高い床材が整然と並べられた場合、わずかな段差であっても歩行者にとって非常に目立つものとなるため、床面としては不都合である。
これに対し、樹脂製のタイルを床材として用いる場合は、例えばカッター、ハサミ等の簡易的な工具で自由自在に加工することができるので有利である。ところが、石材又はセラミックスを用いた床材の代わりに樹脂製のタイルを採用しようとすると、次のような問題が起こる。
第1に、樹脂製床材は石材等に比して軟らかいため、床下地に不陸(凹部)がある場合はそれに追従して窪みが形成されてしまう。また、これを解消するために、相応の厚みのある硬質樹脂を用いる方法もあるが、厚みが増すと施工条件が異なってくるため、比較的薄いセラミックスタイル等の代替品とすることが困難となる。
第2に、床下地の表面上にごく小さな砂粒等による突起部がある場合にはそれを吸収するようにクッション層を有する構造を採用することが必要となるが、そのようなクッション層を設けることにより床材としての厚みが増大することになる。また、そのようなクッション層を形成することにより、床材自体のコスト増大も招くことになる。
このように、比較的高い強度を有し、かつ、床下地の凹凸を吸収できる薄型の樹脂製タイルの開発が切望されているが、未だ実現するに至っていない。
従って、本発明の主な目的は、比較的高い強度及び硬度を有しながらも、床下地の表面凹凸を吸収することもできる薄型の樹脂製床材を提供することにある。
本発明者は、これら従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の材料を床材として採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の硬質床材に係る。
1. 樹脂含有硬質層及びその上方に表層を含み、前記樹脂含有硬質層の下方に反り防止層を含む床材であって、
(1)床材の厚みが5mm以下であり、
(2)温度23℃において、床材における幅5cm及び長さ30cmのサンプルの端部から幅5cm及び長さ10cmの領域Bを固定した場合の残りの幅5cm及び長さ20cmの領域Aの自重による垂下量が0.5〜8mmである、
ことを特徴とする硬質床材。
2. 表層に対する23℃のマックバーニー凹み試験機による凹み値(日本産業規格JIS A1454)が0.25以下である、前記項1に記載の硬質床材。
3. 樹脂含有硬質層が、樹脂成分、可塑剤及び充填材を含み、樹脂成分と可塑剤の合計量が当該硬質層中25〜60重量%であり、充填材が当該硬質層中40〜75重量%である、前記項1又は2に記載の硬質床材。
4. 床材の平面形状が略矩形状であり、互いに隣接する2辺に幅1〜5mmの目地状領域が設けられている、前記項1〜3のいずれかに記載の硬質床材。
5. 表層の上方にさらに保護層を含み、保護層の厚みが10〜300μmである、前記項1〜4のいずれかに記載の硬質床材。
6. (1)前記保護層は、平均粒径10〜150μmの硬質粒子を含む下層と、前記下層の上に直に配置されている上層とを有し、(2)前記上層は、前記硬質粒子による表面凹凸を打ち消す緩衝層として機能している、前記項1〜5のいずれかに記載の硬質床材。
7. 目地状領域上に保護層が形成されている、前記項4に記載の硬質床材。
8. 前記項1〜7のいずれかに記載の硬質床材の複数が床下地に敷設されてなる床構造。
本発明によれば、比較的高い強度及び硬度を有しながらも、床下地の表面凹凸を吸収することもできる薄型の樹脂製床材を提供することができる。すなわち、本発明の硬質床材は、表面が硬質でありながら、所定の物性を兼ね備えているので、適当なしなり(可撓性)を発揮することができる。その結果、下地に表面凹凸があっても、それを効果的に吸収することができる。
このような特徴を有する本発明の硬質床材は、従来の石材又はセラミックからなる床材の代替材料として、これらが適用されていた床面の施工に有利に適用することが可能となる。
本発明の硬質床材の層構成例を示す図である。 本発明の硬質床材どうしを突き合わせる状態を示す概略図である。 目地状領域が形成された本発明の硬質床材の斜視図である。 図3においてX方向からみた図である。 図3においてY方向からみた図である。 目地状領域が形成された本発明の硬質床材を複数用いて床面を形成する状態を示す図である。 さね構造をもつ本発明の硬質材料どうしを突き合わせる状態を示す概略図である。 さね構造をもつ本発明の硬質材料どうしを突き合わせる状態を示す概略図である。 本発明の硬質床材の上方角部にテーパー部(面取り部)を形成した状態を示す図である。 試験例1の垂下量を測定するために試料を装置に配置した状態を示す概略図である。 図11Bは、図10Aにおいて、a方向から見た状態を示す図である。図11Aは、ウエイトを置く前の状態を示す図である。 試験例2の試験を実施する状態を示す概略図である。図12Aは、側面から見た図である。図12Bは、図12Aの矢印方向Aから見た図である。 試験例2の試験を実施する状態を示す概略図である。 本発明の硬質床材において保護層が形成された場合の層構成例を示す図である。 保護層の断面の一部を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。
1.硬質床材
本発明の硬質床材(本発明床材)は、樹脂含有硬質層及びその上方に表層を含み、前記樹脂含有硬質層の下方に反り防止層を含む床材であって、
(1)床材の厚みが5mm以下であり、
(2)温度23℃において、床材における幅5cm及び長さ30cmのサンプルの端部から幅5cm及び長さ10cmの領域Bを固定した場合の残りの幅5cm及び長さ20cmの領域Aの自重による垂下量が0.5〜8mmである、
ことを特徴とする。
1)本発明床材の基本構成
本発明床材の基本構成について説明する。図1Aには、本発明床材の基本となる層構成を示す。本発明床材10は、樹脂含有硬質層11の上方に表層12が積層され、かつ、樹脂含有硬質層11の反対側の面に反り防止層16が積層されている。図1Aの硬質床材は、反り防止層16は樹脂含有硬質層11に直に接するように積層されているが、他の層を介して反り防止層16が樹脂含有硬質層11の下層として積層されていても良い。
図1Aでは、樹脂含有硬質層11に直に接するように表層12が形成され、樹脂含有硬質層11の反対側の面に反り防止層16が形成されているが、表層12が配置され、樹脂含有硬質層11の裏面に反り防止層16が積層されている限り、他の層が形成されていても良い。従って、例えば図1Bのような層構成も本発明の実施形態として包含される。図1Bにおける本発明床材10は、下から、反り防止層16、樹脂含有硬質層11、補強層13、印刷層14及び表層12が順に形成された積層体である。さらに、図1Cに示すように、下から、反り防止層16、樹脂含有硬質層11、補強層13、印刷層14、表層12及び保護層15が順に形成された積層体を採用することもできる。
本発明床材の平面形状は、公知のセラミックスタイル等で採用されている形状と同様とすることができ、例えば矩形状(正方形、長方形、菱形等)とすれば良い。また、本発明床材の大きさは、例えば施工場所、所望の意匠等に応じて変更可能である。例えば、矩形状であれば縦30〜100cm程度、横30〜100cm程度の範囲内で適宜設定することができるが、これに限定されない。
2)本発明床材の物性
本発明床材は、(1)床材の厚みが5mm以下であり、(2)温度23℃において、床材における幅5cm及び長さ30cmのサンプル(矩形サンプル)の端部から幅5cm及び長さ10cmの領域Bを固定した場合の残りの幅5cm及び長さ20cmの領域Aの自重による垂下量が0.5〜8mmである、床材の厚みが5mm以下であることを特徴とする。すなわち、本発明床材は、比較的薄いシート状物であって、一定のしなりやすさ(可撓性)を有することの指標として、上記厚み及び上記垂下量を有するものである。
本発明床材の厚みは、通常5mm以下であるが、特に4mm以下であることが好ましい。上記厚みの下限値は、特に限定されないが、通常は2mm程度である。これにより、比較的薄いセラミックスタイル等の代替品とすることができるとともに、良好な可撓性等を得ることができる。
本発明床材における垂下量は、通常は0.5〜8mmであり、特に1〜5mmであることが好ましく、その中でも1〜3mmであることがより好ましい。この範囲内であると、下地に凹凸があっても、床材表面の平滑性を維持した状態で、床材が緩やかに弓なりにしなって、凹凸を吸収することができる。また、垂下量が0.5mm未満の場合は、下地の凹凸(時に突出部)を吸収、すなわち弓なりにしなることができなくなり、床材自体ががたつくようになり、さらには床材(タイル)どうしの接合部に段差を形成することになる。他方、垂下量が8mmを超える場合は、下地に小さな不陸(凹部)がある場合にそれを跨ぐことができず、不陸に追従して床材表面にも凹部が発生するおそれがあり、小さな不陸(凸部)がある場合にも、不陸に追従して床材表面にも凸部が発生するおそれがある。
さらに、温度条件が35℃である場合の上記垂下量は、通常は2〜10mm程度であることが好ましく、特に2〜6mmであることがより好ましい。このような範囲内に制御することによって、比較的高温環境下においても、前記の23℃での垂下量の制御による効果と同様の効果を得ることができる。
また、本発明床材の表面の硬度は、限定的ではないが、23℃における表層に対するマックバーニー凹み試験機による凹み値(日本産業規格JIS A1454)が0.2mm以下であることが好ましく、特に0.15mm以下であることがより好ましい。このように比較的小さな凹み値に設定することで適度な表面硬度を得ることができる結果、例えばハイヒール、杖等によって局部的な荷重が加わった場合に生じる高い加圧にも十分耐えられる床面を構築することができる。なお、凹み値の下限値は、例えば0.05mm程度とすることができるが、これに限定されない。
さらに、温度条件が45℃である場合の上記凹み値は、通常は0.5mm以下程度であることが好ましく、特に0.3〜0.45mmであることがより好ましい。このような範囲内に制御することによって、比較的高温環境下においても、前記の23℃での凹み値の制御による効果と同様の効果を得ることができる。
本発明床材の表面の残留凹み率は、特に限定されないが、通常は0.05mm以下であり、好ましくは0.02mm以下程度の範囲とすることができる。これによって、比較的薄くても、耐久性のある床材を提供することができる。
3)本発明床材を構成する各層
以下においては、本発明床材で必須とする樹脂含有硬質層、表層及び反り防止層のほか、任意的に積層される層についても併せて説明する。
樹脂含有硬質層
本発明床材において樹脂含有硬質層は芯材となり、後記に示す本発明床材の物性(本発明物性)に寄与する層である。
樹脂含有硬質層の組成は、本発明物性を充足するものであれば限定的ではないが、特に樹脂成分、可塑剤及び充填材を含む組成を好適に採用することができる。従って、例えば樹脂成分100重量部に対して可塑剤1〜40重量部及び充填材80〜300重量部を含む組成を採用することもできる。
樹脂成分としては、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の各種の合成樹脂が挙げられる。特に、高い硬度が得られるという点で、塩化ビニル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の少なくとも1種を好適に用いることができる。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂(ホモポリマー)のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のように塩化ビニルを共重合成分として含むコポリマーが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂等が挙げられる。特に、安価で且つ優れた可撓性及び耐久性を有し、加工性にも優れる点から、少なくとも塩化ビニル系樹脂を含んでいることが最も好ましい。より具体的には、例えば平均重合度1000〜3000の塩化ビニル系樹脂、平均重合度800〜1000のポリプロピレン系樹脂等が発明の効果を達成するのに適した樹脂として挙げられる。
樹脂含有硬質層中における樹脂成分の含有量は、限定的ではないが、一般的には25〜60重量%程度とし、特に30〜57重量%とすることが好ましい。なお、上記含有量は、樹脂含有硬質層中に可塑剤が含まれる場合は、樹脂成分及び可塑剤の合計量とする。
充填材は、公知又は市販の床材で配合されているものを採用することができる。本発明では、特に無機系充填材が好ましい。無機系充填材としては、無機元素又は金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩化物、ケイ酸塩等が挙げられる。より具体的には、例えば酸化カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、珪砂、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムのいずれであっても良い。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
充填材は、通常は粉末状の形態で使用することができ、その平均粒径は1〜300μm程度の範囲内で適宜設定することができる。
樹脂含有硬質層中における充填材の含有量は、限定的ではないが、通常は40〜75重量%程度とし、特に43〜70重量%であることが好ましい。このような範囲内に設定することによって、高い強度及び硬度とともに床下地の表面凹凸に対する吸収性をより高めることができる。
樹脂含有硬質層中には、本発明の効果を妨げない範囲内で他の添加剤が含まれていても良い。例えば、可塑剤、安定剤、加工助剤、防黴剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤等が挙げられる。なお、これらの添加剤が無機化合物である場合は、そのような添加剤の含有量も、上記充填材の含有量に含めるものとする。
特に、可塑剤は、本発明の効果を妨げない範囲内で比較的少量の範囲内で用いることが好ましい。可塑剤を配合することによって床材の軟らかさを微調整することができる。可塑剤としては、特に限定されず、例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリフェニル(TPP)、ジオクチルテレフタレート(DOTP)、ジオクチルイソフタレート(DOIP)、ジイソノニルシクロヘキシルフタレート(DINCH)等の少なくとも1種が挙げられる。これらは市販品を使用することもできる。
樹脂含有硬質層中における可塑剤の含有量は、通常は20重量%以下とし、特に1〜15重量%とすることが好ましく、その中でも5〜12重量%とすることがより好ましい。また、可塑剤の樹脂成分に対する比率としては、樹脂成分100重量部に対して通常は40重量部以下とすれば良いが、特に30重量部以下とし、さらに25重量部以下とし、その中でも15重量部以下とすることが好ましい。これにより、樹脂含有硬質層の硬さをより確実に維持することができる。前記比率の下限値は、通常1重量部とすることができるが、これに限定されない。
さらに、樹脂成分100重量部に対する充填材及び可塑剤の比率は、「充填材(重量部)/可塑剤(重量部)」の値が13以下とし、特に10以下とし、その中でも8以下とすることが好ましい。このような組成を採用することによって、より確実に本発明の効果を達成するのに適した物性、具体的には所望の硬度及び適度な可撓性を満たす物性を有する床材を提供することが可能となる。なお、上記値の下限値は、限定されないが、例えば1程度とすることができる。
樹脂含有硬質層の厚みは、特に限定されないが、例えば1〜4mm程度とし、特に1.5〜3mmとすることができる。上記のような厚み範囲に設定することによって、床材全体の厚みを比較的薄く保った状態で、樹脂含有硬質層の強度及び硬度を確保することができる。
樹脂含有硬質層の形成方法は、特に限定されないが、通常は予め成形されたシートを使用することができる。すなわち、出発材料となる樹脂組成物を溶融し、シート状に成形することによって樹脂含有硬質層用のシートを得ることができる。また、このようなシートを2層以上に積層することもできる。成形方法は、特に限定されず、例えば押し出し成形、ブロー成形、カレンダー成形等の各種の方法を採用することができる。また、樹脂含有硬質層と隣接する層とを同時押出ラミネートにより形成することもできる。さらには、樹脂成分が溶解又は分散した混合液の塗膜を形成することによってシートを得ることができる。
表層
表層は、特に樹脂含有硬質層を保護する機能を有するものである。従って、表層は、樹脂含有硬質層に直に接するように層上に形成されていても良く、印刷層等の他の層を介して表層が形成されていても良い。
表層は、通常は樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されるが、樹脂成分は特に限定されない。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。より具体的には、塩化ビニル樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐久性、加工性に優れていることから、塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂(ホモポリマー)のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のように塩化ビニルを共重合成分として含むコポリマーが挙げられる。塩化ビニル系樹脂は、優れた可撓性を有するため、強度及び硬度を高めることによって、局所的に荷重が加わった場合に生じる高い圧力にも耐えることが可能となる。従って、塩化ビニル系樹脂は、後記に示すように、特に硬質塩化ビニル系樹脂として用いることが好ましい。これにより、優れた機械特性、耐薬品性、耐候性等を得ることができ、本発明への適合性も高い。
上記の樹脂組成物においても、樹脂成分以外の成分を適宜添加することができる。例えば、例えば、可塑剤、安定剤、加工助剤、防黴剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、充填材等が挙げられる。従って、例えば樹脂成分、可塑剤及び安定剤を含む樹脂組成物を採用することもできる。
特に、樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を用いる場合、可塑剤を好適に併用することができる。可塑剤としては、特に限定されないが、前記の樹脂含有硬質層に使用できる可塑剤として掲げた具体例の中から1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
この場合の表層中における可塑剤の含有量は、通常は10重量%以下とし、特に1〜5重量%とすることが好ましい。また、塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤の比率としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して通常10重量部以下とし、好ましくは5重量部以下の範囲内とすれば良い。これによって、塩化ビニル系樹脂を硬質塩化ビニル系樹脂として比較的高い強度及び硬度にすることができる。なお、前記比率の下限値は、例えば樹脂成分100重量部に対して1重量部程度とすることができる。
また、本発明では、表層中に充填材を添加することもできる。充填材としては、特に限定されず、前記の樹脂含有硬質層に使用できる充填材として掲げた具体例の中から1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
この場合の表層中における充填材の含有量は、限定的ではなく、例えば0〜5重量%程度とすることができる。
表層は、透明、半透明又は不透明のいずれでも良い。図1B,図1Cに示すように、表層の下に意匠層が形成される場合、意匠層の識別性をより高めることができることから、透明又は半透明が好ましく、透明が最も好ましい。従って、表層のヘーズ値としては40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、特に20%以下であることがさらに好ましい。このような数値に設定することによって、表層の下地となる層(例えばシート本体の意匠層)の表面をより確実に視認できるような構成とすることができる。ヘーズ値の下限値は限定的ではないが、通常は1%程度とすれば良い。表層を透明とする場合は、充填材は実質的に含まれない状態が好ましい。充填材量が実質含まれないと、樹脂の強度及び硬度が高くなるため、局所的に荷重が加わった場合に生じる高い圧力に対する耐久性も高くなる。
また、図1Aに示すように、表層の下に意匠層が形成されない場合、表層は不透明であることが好ましい。例えば、表層に顔料等を添加して着色することによって、意匠を表出させても良い。
表層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1〜1.5mm程度とし、好ましくは0.15〜1.0mmとし、より好ましくは0.2〜0.5mmとすることができる。表層の厚みを上記のような範囲とすることによって、床材全体の厚みを比較的薄く保った状態で、樹脂の強度及び硬度を確保することができる。このため、上述の諸条件と合わすことによって、局所的に荷重が加わった場合に生じる高い圧力に対する耐久性を確保することができる。
また、表層の厚みと樹脂含有硬質層の厚みとの比率は、特に限定されないが、一般的には表層の厚みを樹脂含有硬質層の厚みの20%以下とすることが望ましい。
表層の形成方法としては、特に限定されず、例えば表層形成用ペーストの塗工及び乾燥による方法、表層形成用フィルムの熱圧着等によって実施することができる。本発明では、例えば表層形成用フィルムとして硬質塩化ビニル系樹脂フィルムを積層する方法を好適に採用することができる。この場合の接合方法としては、熱圧着(ヒートシール)による方法等を採用することができる。硬質塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル系樹脂と、塩化ビニル系樹脂100重量に対して可塑剤0〜10重量部とを含む組成を採用することができる。
保護層
保護層は、任意的な層であるが、それを形成した場合は表層を保護し、また防汚性等の機能を付与することができる。通常は、保護層は、表層の上に(特に表層に直に接するように)形成される。さらに、保護層は、硬質床材の最表面に配置され、外部に露出した面を構成していることが望ましい。これにより、外部からの圧力、摩擦等に対して硬質床材をより確実に保護することができる。
保護層は、例えば樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されるが、樹脂成分としては特に限定されない。例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート等の紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。
上記の樹脂成分の中では、表面硬度、透明性等を兼ね備えているという点で紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。保護層が透明ないしは半透明であれば、その下に形成されている意匠層の識別性をより高めることができる。保護層が透明である場合の透明性(ヘーズ値)は、前記の表層と同様の範囲内で適宜設定することができる。
また、必要に応じて他の添加剤を樹脂組成物中に配合することもできる。他の添加剤としては、例えば、可塑剤、安定剤、加工助剤、防黴剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、充填材等が挙げられる。特に、本発明では、充填材として硬質粒子を用いることが好ましい。本発明において、保護層に硬質粒子を含有させることによって、保護層の強度、耐剥離性等をより効果的に高めることができる。
硬質粒子としては、無機粒子を好適に用いることができる。無機粒子としては、例えば酸化物、炭酸化物、水酸化物等を用いることができる。より具体的には、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、重質炭酸カルシウム、珪砂、軽質炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
硬質粒子の大きさは、特に限定されないが、通常は平均粒径が10〜150μm程度の範囲とし、特に50〜100μmとすることが好ましい。また、硬質粒子の形状は、限定的でなく、例えば略球状、フレーク状、繊維状、不定形状等のいずれも採用することができる。
保護層中における硬質粒子の含有量は、特に限定されないが、通常は5〜67重量%程度とし、特に30〜47重量%とすることが好ましい。また、樹脂成分に対する比率としては、通常は樹脂成分100重量部に対して硬質粒子10〜200重量部程度とし、特に硬質粒子45〜90重量部とすることが好ましい。なお、上記の含有量及び比率は、後記のように保護層が2層以上形成される場合は、各層ごとにおける含有量及び比率を示す。
保護層は、単層又は2層以上が積層された積層体のいずれであっても良い。特に、本発明では、硬質粒子を含む下層と、前記下層の上に直に配置されている上層とを有し、かつ、前記上層は前記硬質粒子による表面凹凸を打ち消す緩衝層として機能している多層構造であることが好ましい。図14には、二層構造を有する保護層の断面図を示す。保護層15は、硬質粒子18を含む下層15aと、硬質粒子による表面凹凸を打ち消す下層15bから構成されている。硬質粒子18は、下層15a中に完全に埋設されているものがあるほか、下層15a表面に凹凸を与えるようなものが存在する。上層15bは、そのような表面凹凸を吸収する緩衝層としての役割を果たす結果、上層15bの表面(下層15aが積層されている方とは反対側の面)に硬質粒子18由来の凹凸が実質的に生じない外観をもたせることが可能となる。これによって、硬質粒子が上層と下層とのつなぐアンカー効果が得られるとともに、下層全体を強化できる結果、硬質床材に高い耐久性と美観をもたせることが可能となる。
保護層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01〜0.20mmであり、好ましくは0.06〜0.15mmであり、より好ましくは0.08〜0.12mmとすることができる。なお、前記の保護層の厚みは、保護層が2層である場合は、その合計厚みを意味する。
また、保護層が、前記のように下層と上層から構成される場合、下層と上層の厚みは、用いる硬質粒子の粒度等に応じて変更できるが、例えば下層1〜100μm程度(好ましくは5〜40μm)及び上層40〜150μm(好ましくは60〜100μm)の範囲内において、下層の硬質粒子に由来する表面凹凸を吸収するのに十分な上層の厚みとすれば良い。
保護層の形成方法としては、例えば上記のような樹脂成分を含む塗工液を塗布した後、硬化させることによって形成することができる。塗布方法は、限定的でなく、例えばロールコーター、バーコーター、ダイコーター、エアーナイフコーター、フローコーター、スプレー塗装等を用いることができる。特に、加工性に優れることから、ロールコーター、フローコーターが好ましい。硬化方法は、樹脂成分の種類等に応じて適宜選択すれば良く、例えばエージング、乾燥、紫外線照射、加熱等によって実施することができる。従って、紫外線硬化型樹脂を含む塗工液を用いる場合は、その塗膜を紫外線照射により硬化させることによって所望の保護層を形成することができる。
また、保護層を多層とする場合も、上記のような方法で各層を形成すれば良い。なお、各層を塗工等により別々に形成した場合でも、例えば各層が互いに同じ組成から構成されることによって各層が一体化される(換言すれば各層の境界が確認できなくなる)ことがあるが、この場合も本発明に包含される。このような場合は、本発明では「単層」として扱うことができる。
本発明では、後記に示すように、本発明床材に目地状領域をも形成することができるが、その場合にも目地状領域上に保護層を形成することができる。保護層の組成、厚み等は、前記の保護層と同様にすることができるが、特に硬質粒子を含まない樹脂組成物から形成される保護層であることが好ましい。従って、例えば前記の上層(単層)を好適に採用することができる。目地状領域において、保護層の下地となる層は、樹脂含有硬質層又は表層のいずれであっても良い。
目地状領域への塗布方法は、前記の方法で塗布できるが、表層から凹んでいる目地状領域にも適切に塗布できることから、フローコーター、スプレー塗装が好ましい。特に、塗布量の調整が容易で加工性に優れることからフローコーターがより好ましい。
また、保護層が、前記のように下層と上層から構成される場合、例えば、下層をロールコーターで塗布し、上層をフローコーターで塗布しても良い。適切なロールコーターを選定することによって、凹んでいる目地状領域には塗布されず、表層の上にのみ塗布して下層を形成することができる。これによって、表層には下層と上層の保護層が形成され、目地状領域には上層の保護層のみが形成される。硬質床材が施工された後、目地状領域は足裏で直接踏まれることがないので、保護層を厚く形成する必要がなく、各領域において適切な保護層を形成することができる。
反り防止層
反り防止層は、本発明床材全体が凹字状又は凸字状にそることを抑制ないしは防止するために形成される層である。特に、本発明床材が全体として凹字状にそると、本発明床材の複数を用いて互いに突き合わせて床面を形成する場合、その突き合わせ部に浮きが発生するおそれがある。このため、そのような凹字状にそる現象を抑えるために、本発明床材の裏面側に反り防止層を設けることができる。
床材反りは、温度変化、湿度変化等の環境変化、あるいは光又は経年による劣化等により、床材を構成する樹脂が収縮又は伸長して寸法変化を起こすことによって生じる。例えば、表面側に対して裏面側の収縮量が大きいと、凸字状の反りとなる。逆に、裏面側に対して表面側の収縮量が大きいと、凹字状の反りとなる。従来の技術では、反り防止効果を確保するために、裏面に不織布を設ける方法、表層の収縮率を調整する方法等を用いることによって、床材全体の収縮と伸長のバランスを取る方法が一般的である。これに対し、本発明床材は、局所的な荷重に耐えられるように床材表面の強度及び硬度を高めるという構成の制限があることから、床材全体の収縮と伸長のバランスを取ることが困難な場合がある。このため、本発明では、反り防止層として表層と同様の材料を採用し、表層側と裏面側の収縮と伸長の挙動をほぼ同一とすることによって、上記のような場合でも床材の反りをより確実に防止することが可能となる。かかる観点から、本発明では、樹脂含有硬質層の裏面に直に反り防止層を積層させることが好ましい。
反り防止層は、通常は樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されるが、樹脂成分は特に限定されない。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。より具体的には、塩化ビニル樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐久性、加工性に優れていることから、塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂(ホモポリマー)のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のように塩化ビニルを共重合成分として含むコポリマーが挙げられる。塩化ビニル系樹脂は、優れた可撓性を有するため、強度及び硬度を高めることによって、局所的に荷重が加わった場合に生じる高い圧力にも耐えることが可能となる。従って、塩化ビニル系樹脂は、後記に示すように、特に硬質塩化ビニル系樹脂として用いることが好ましい。
上記の樹脂組成物では、樹脂成分以外の成分を適宜添加することができる。例えば、可塑剤、安定剤、加工助剤、防黴剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、充填材等が挙げられる。従って、例えば樹脂成分、可塑剤及び安定剤を含む樹脂組成物を採用することもできる。
特に、樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を用いる場合、可塑剤を好適に併用することができる。この場合の可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して通常10重量部以下とし、好ましくは5重量部以下の範囲内とすれば良い。これによって、塩化ビニル系樹脂を硬質塩化ビニル系樹脂として比較的高い強度及び硬度にすることができる。なお、可塑剤の含有量の下限値は、例えば樹脂成分100重量部に対して1重量部程度とすることができる。
反り防止層は、より高い反り防止効果を得る観点から、表層と実質的に同じ材料、実質的に同じ厚みで形成することが好ましい。具体的には、反り防止層は、樹脂成分、可塑剤及び充填材が、表層と実質的に同一の成分及び実質的に同一の配合割合で形成されることが好ましい。また、安定剤等の添加剤は微量であるので影響は小さいが、表層と実質的に同一の配合割合であることがより好ましい。但し、反り防止層は、施工後に視認されなくなるので、透明でも良いし、不透明であっても良い。
反り防止層の厚みは、表層と実質的に同等の厚みを採用することができる。従って、表層と同様、例えば0.1〜1.5mm程度とし、好ましくは0.15〜1.0mmとし、より好ましくは0.2〜0.5mmとすることができる。特に、反り防止層の厚みは、表層の厚みt1と反り防止層の厚みt2が(0.5×t1)≦t2≦(1.5×t1)の関係を満たすことが望ましく、その中でも特に(0.9×t1)≦t2≦(1.1×t1)の関係を満たすことがより望ましい。このように、反り防止層の厚みを表層の厚みを近づけることによって、より確実に反り防止効果を得ることが可能となる。
また、反り防止層の厚みと樹脂含有硬質層の厚みとの比率は、特に限定されないが、一般的には反り防止層の厚みを樹脂含有硬質層の厚みの20%以下とすることが望ましい。
反り防止層の形成に際して、前記の表層と同様の組成、形成方法等を採用することができる。例えば、樹脂成分、可塑剤及び安定剤を含む樹脂組成物を用いて形成することができ、特に、硬質塩化ビニル系樹脂が好ましい。各成分の比率も、表層と同様の組成を採用することができる。
特に、表層に硬質塩化ビニル系樹脂を用いた構成では、反り防止層にも硬質塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。硬質塩化ビニル系樹脂は、一般的な樹脂製床材に用いられる樹脂材よりも硬質であるので、温度、湿度等の環境に対する寸法変化の挙動が異なる。この点、表層と反り防止層が同様の樹脂組成物であれば、寸法変化の挙動が同一であるため確実に反り防止効果を得ることが可能となる。また、この構成は、床材の表裏の両面、すなわち表層と反り防止層に硬質塩化ビニル系樹脂を設けることとなるため、床材全体の強度が高く、より反りに強い床材を実現することとなる。なお、反り防止層の下方には、必要に応じて保護層を形成しても良い。
その他の層
本発明床材は、上記の通り、樹脂含有硬質層及び表層を必須とするものであるが、特に本発明床材の厚み5mm以下となる範囲内において他の層を含んでいても良い。例えば、接着層、意匠層、表層、補強層、反り防止層等が挙げられる。従って、例えば、図1Bに示すような「反り防止層/樹脂含有硬質層/補強層/意匠層/表層」からなる硬質床材、図1Cに示すような「反り防止層/樹脂含有硬質層/補強層/意匠層/表層/保護層」からなる硬質床材等を好ましい実施形態として挙げることができる。以下、樹脂含有硬質層以外の各層について説明する。
補強層
補強層は、本発明床材を平面方向又は鉛直方向に強化する機能を有するものである。このような補強層としては、特にa)有機繊維又は無機繊維の織物シート又は不織布シート(以下「繊維シート」ともいう。)及びb)前記繊維シートと前記の樹脂含有硬質層の樹脂成分とを含む複合材料の少なくとも1種を好適に用いることができる。
前記a)の繊維シートとしては、高分子有機化合物による合成繊維のほか、天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の織物又は不織布が挙げられる。また、不織布は、例えばスパンボンド、フェルト等もすべて包含する。
前記b)の複合材料としては、前記b)の繊維シートに合成樹脂を含浸させた材料が挙げられる。また、前記a)の発泡材のシート状体と、前記b)の繊維シートとを積層させた材料等も使用することができる。
補強層の厚みは、補強層を構成する材料の種類等に応じて適宜設定することができるが、通常は0.2〜1mm程度の範囲内とすれば良い。補強層の厚みをこの範囲とすることによって、床材全体の厚みを比較的薄く保った状態で、床材を十分に補強することができる。
補強層の形成方法は、予め成形した補強層用シートを所定の箇所に積層すれば良い。積層に際しては、前記のような接着層による接着によって実施しても良く、あるいは樹脂成分としてヒートシール性を有する樹脂成分を含む補強層用シートを他の層にヒートシール(熱融着)することによって接合することもできる。このため、補強層(特に繊維シート)は、樹脂含有硬質層上に積層されていても良いし、あるいは樹脂含有硬質層中に埋設されていても良い。
補強層を本発明床材の中央に配置し、表層と反り防止層と上下方向に対象となるように床材の層構造を構成すると、より高い反り防止効果を得ることができる。このような層構成だと床材表面と裏面で寸法変化に差異が生じず、さらに補強層によって床材全体の寸法変化が抑制されるためと考えられる。この構成において、表層と反り防止層を硬質塩化ビニル系樹脂とすると、反り防止効果と寸法変化抑制効果をさらに高めることができる。
意匠層
意匠層は、例えば絵柄、図柄、模様、文字等の所望の意匠を表現し、本発明床材に意匠性を与える機能を有する層である。上記意匠層を備えることにより、本発明床材に所望の意匠性を簡易、かつ、安価に付与することができる。また、意匠層は、単一の着色層のほか、2種以上の着色領域からなる着色層等であっても良い。
上記意匠層は、その上方又は下方に配置される層との接合が容易な熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成するのが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種エラストマー、ゴム等が挙げられる。
その中でも、塩化ビニル系樹脂を含む樹脂組成物により形成されることが好ましい。これによって、より優れた可撓性が得られ、多様な意匠を着色剤の添加あるいは印刷によって容易に形成できるため、意匠層を安価かつ容易に形成することができる。
前記の樹脂組成物中には、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。添加剤としては公知又は市販のものが使用可能である。例えば、充填材、可塑剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、発泡剤等が挙げられる。従って、例えば樹脂成分、可塑剤及び安定剤を含む樹脂組成物を採用することができる。
意匠層の厚みは、特に限定されないが、例えば2μm〜1.50mmとし、3μm〜1.00mmとすることが好ましく、その中でも5μm〜15μmとすることがより好ましい。
意匠層の形成方法は、特に限定されず、例えば熱可塑性樹脂のシートの上面に公知の印刷方法で直接模様を印刷することにより形成しても良いし、熱可塑性樹脂のシートの上面に、印刷の施された模様フィルムを積層して形成しても良い。また、着色剤及び熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成しても良いし、異なる色の着色剤と熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物を複数用意して練り込むことにより形成しても良い。
熱可塑性樹脂のシートの上面に直接模様を印刷する方法としては、例えばグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の各種装置を用いる方法のほか、転写シートによる印刷等も採用することができる。その他にも、予め樹脂フィルム上に意匠層が形成された印刷フィルムを積層する方法も用いることができる。
熱可塑性樹脂のシートの上面に印刷の施された模様フィルムを貼付する方法は、多様な模様を容易に表現することができるので、好ましい。例えば、模様フィルムによって、本発明床材に、例えば石目模様、木目模様、幾何学模様等の複雑な意匠を簡易かつ安価に付与することができる。模様フィルムの厚みは、通常は0.04〜0.20mm程度であることが好ましく、特に0.05〜0.16mmであることがより好ましい。上記模様フィルムの厚みが薄すぎると、光が透過して下面に積層されている熱可塑性樹脂のシートの表面が透けて見え、模様フィルムの意匠性を十分に表現できないおそれがある。一方、上記模様フィルムの厚みが薄すぎると、床材を敷設した際に、床材の境界部分が目立つおそれがある。
さらに、模様フィルムを取り替えることで、本発明床材に、同一の生産設備で模様、明度、彩度、色合い等の外観の要素を容易にばらつかせることができる。上記外観の要素がばらついた床材を不規則に敷設することにより、床面全体で一意匠を一体的に表現することができる。上記外観の要素がばらついた床材により一意匠を一体的に表現する場合の例としては、例えば石目模様の明度、彩度又は色合いを変化させることにより、様々な木材を使用して床面を形成したような風合いを床面全体で一体的に表現する場合が挙げられる。このように外観の要素がばらついた床材を不規則に敷設してあると、床材を部分的に張替えても、意匠的な違和感を生じず、様々な木材を使用して床面を一体的に形成したような風合いを床面全体で一体的に表現することができる。
接着層
接着層は、各層を接合するために必要に応じて形成することができる。接着層は、例えば接着剤を用いて形成することができる。接着剤としては、公知又は市販のものを適宜用いることができる。
接着剤の種類は、各層の材質等に応じて適宜選択することができる。例えば、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂及びエポキシ系樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物を接着成分として含む接着剤が例示される。これらの中でも、耐湿性等に優れるという見地より、ウレタン系樹脂を接着成分とする接着剤を好適に用いることができる。
また、接着剤の硬化タイプも限定的でなく、例えば1液型接着剤、2液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の各種のタイプの接着剤を使用することができる。これら接着剤の中でも、硬化時間が短く、高い生産性が得られるという点でホットメルト型接着剤を用いることが好ましい。より好ましくは、反応型ホットメルト接着剤が好ましい。これにより、経年劣化をより効果的に抑制できる結果、長期間にわたって強固な接着性を持続させることができる。従って、本発明では、ウレタン系樹脂を接着成分として含む反応型ホットメルト接着剤を好適に用いることができる。これは、湿度に強く、長期間品質が安定しているほか、UV照射等の装置を特に必要とせず、簡易な設備又は作業で床材を製造することができる。
本発明では、接着剤を用いることによって、生産過程で製品が熱劣化することを抑制でき、また各層が異素材の場合であっても好適に接合させることができる。
接着層の厚みは、特に限定されないが、通常は1〜200μm程度とし、特に30〜100μmとすることが好ましい。このような厚み範囲に設定することによって、より効果的に各層を接合することが可能となる。
接着層の形成方法は、例えば樹脂含有硬質層となる基材シートの下面に上記接着剤を塗布した後、硬化させることによって形成することができる。硬化させる方法は、用いる接着剤の硬化タイプに応じて適宜選択すれば良く、例えばエージング、乾燥、加熱、紫外線照射等の各種の工程を採用することができる。これらの工程での条件は、公知の方法に従えば良い。
<硬質床材の実施形態>
本発明の硬質床材は、前記のように、樹脂含有硬質層、表層及び反り防止層を必須とした上で、必要に応じて他の層を含む積層体から構成されている。そのうえで、好ましい樹脂含有硬質層、表層及び反り防止層の具体例としては、例えば(1)樹脂含有硬質層が、塩化ビニル系樹脂、可塑剤及び充填材を含み、樹脂成分と可塑剤の合計量が当該硬質層中25〜60重量%であり、充填材が当該硬質層中40〜75重量%であり、(2)表層が、塩化ビニル系樹脂及び可塑剤を含み、可塑剤の含有量が10重量%以下であって、かつ、充填材の含有量が0〜5重量%であり、(3)反り防止層が、塩化ビニル系樹脂及び可塑剤を含み、可塑剤の含有量が10重量%以下であって、かつ、充填材の含有量が0〜50重量%であり、(4)表層の厚みt1と反り防止層の厚みt2が(0.5×t1)≦t2≦(1.5×t1)の関係を満たす硬質床材が挙げられる。
このような構成を採用することによって、より確実に前記の垂下量等を充足できる硬質床材を提供することができる。より具体的には、厚みが薄いにもかかわらず、硬質床材として耐えられる強度を有しつつも、適度なしなやかさを兼ね備え、なおかつ、反りが効果的に抑制された床材とすることができる。
また、上記のような構成は、前記の積層体にも好適に適用することができる。すなわち、図1Bに示すような「反り防止層/樹脂含有硬質層/補強層/意匠層/表層」からなる硬質床材、図1Cに示すような「反り防止層/樹脂含有硬質層/補強層/意匠層/表層/保護層」からなる硬質床材にも適用することが可能である。
4)本発明床材の製造方法
本発明床材は、前記で示したような方法で各層を形成又は積層することにより製造することができる。すなわち、各層の積層についても、接着剤の塗工による方法のほか、接着剤の塗工によることなく、層間を熱融着で接合する方法等も採用することができる。
接着剤の塗工による場合、接着層としては、前記で説明したものを採用することができる。接着層の形成は、接合する層どうしの一方の面に接着剤を塗工する方法、あるいは両方の面に接着剤を塗工する方法のいずれも採用することができる。
また、本発明では、接着剤の塗工によることなく、熱融着により接合する場合、その熱融着の方法は、特に限定されない。例えば、各層を重ね合わせた状態で加熱・加圧下で溶融軟化させて接合することができる。より具体的には、熱プレス加工又はそれを連続的に行う連続プレス等によって各層を接合することができる。熱融着による接合は、各層の材質が可塑化されず、経時劣化し難く、長期間強固に接合させることができるという点で有利である。
なお、熱融着により接合する場合は、接合される層の少なくとも一方に熱融着性(ヒートシール性)を有する成分が含まれていることが望ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
さらに、熱融着により各層を接合する場合、2層以上を押出しラミネートにより成形することもできる。このようにして得られる積層体を本発明床材の層構成の一部に採用することができる。
各層を積層した後は、必要に応じて、積層体を公知の方法に従って裁断、加工等を行っても良い。また、本発明床材の側面にさね構造を形成する場合は、公知の加工方法に従って側面に雄型又は雌型のさね構造を形成すれば良い。
2.硬質床材による床構造
本発明は、硬質床材の複数が床下地に敷設されてなる床構造を包含する。例えば、略矩形状(略正方形、略長方形、略菱形、略平行四辺形等)の本発明床材を複数枚用意し、これらを床下地(例えばコンクリートスラブ等の床スラブ)上に設置することによって、本発明床材から構成される床構造を形成することができる。特に、本発明では、このような床下地に直に本発明床材を敷設することにより床構造を形成することができる。
本発明床材を床下地に設置する場合は、公知又は市販の床材の施工時に採用される設置方法と同様にすれば良い。例えば、接着剤、粘着剤、粘着テープ(両面粘着テープ)等を使用して施工すれば良い。これらの接着剤等は、市販品を使用することもできる。
床構造を施工する場合、本発明の硬質床材として、図2のような平坦な側面を有する硬質床材を採用することもできるが、平面形状が略矩形状であり、その1辺とそれに隣接する1辺に幅1〜5mmの目地状領域が設けられている硬質床材を用いることができる。この場合には、複数の硬質床材を突き合わせて配置することによってその突き合わせ部に目地を形成させることができる。例えば、図3に示すような硬質床材10を用いることができる。図3のX方向から図を図4に示し、Y方向からみた図を図5に示す。この硬質床材10は、平面形状が長方形又は正方形であり、互いに隣接する2辺に目地状領域21aが形成されている。すなわち、略L字状の目地状領域21aが設けられている。目地状領域21aの幅wは1〜5mmとすることができる。図6のように、このような硬質床材を複数用意し、これらの硬質床材10a〜10dを突き合わせながら配置することによって、目地21を表面に有する床構造を構築することができる。このような目地を形成することによって、床下地の凹凸を吸収しきれずに生じ得る床材の浮き等を目立たなくすることができる結果、より良好な外観を創り出すことができる。
また、目地状領域の形成方法は、特に限定されないが、例えば削り加工によって実施することができる。硬質床材は、樹脂含有硬質層及び表層を有するので、目地状領域を形成する箇所において、上方から樹脂含有硬質層の中途部まで削ることで、目地状領域を形成することができる。これによって、目地状領域には樹脂含有硬質層が露出するので、表層との違いを視認することができ、目地状領域を意匠的なアクセントとすることができる。特に、樹脂含有硬質層と表層の間に意匠層を有する構成では、より複雑な意匠を形成することができる。
特に、本発明では、目地状領域が設けられている辺の側面が雄型のさね構造を有し、目地形成部が設けられていない辺の側面が雌型のさね構造を有する硬質床材を採用することもできる。すなわち、本発明床材の側面の形状は、前記のように目地状領域を形成した上で、必要に応じて図7又は図8に示すようなさね構造を採用することもできる。
図7では、目地状領域を含む端部において先端が尖った形状の雄型さね構造を側面に有する硬質床材10aと、目地状領域が形成されていない端部において前記雄型さね構造に対応する雌型さね構造を側面に有する硬質床材10bとを互いに側面部で突き合わせ、さね構造を嵌合させることにより、床構造を形成することができる。
図8では、先端が丸まった形状の雄型さね構造を側面に有する硬質床材10aと、この雄型さね構造に対応する雌型さね構造を側面に有する硬質床材10bとを互いに側面部で突き合わせ、さね構造を嵌合させることにより、床構造を形成することができる。
このように、床構造の施工時において、複数の本発明床材を突き合わせるに際し、さね構造どうしを嵌合させることによって、床下地の凹凸をより効果的に吸収することができる。すなわち、床下地に砂粒等の異物が存在している場合、本発明床材は可撓性があるため、そのような異物による凸部を吸収することができる。この場合、そのような凸部を硬質床材が完全に吸収しきれないと、硬質床材の縁端部に対して上方に浮き上がるような力がかかる。ところが、複数の硬質床材どうしが互いにさね構造により嵌合していれば、硬質床材の縁端部に対して上方に浮き上がるような力がかかったとしても、さね構造の嵌合によりそのような浮きを確実に抑制ないしは防止することが可能となり、平坦な床面を維持することが可能となる。
また、図7又は図8では、前記の通り、さね構造どうしを嵌合させた場合、嵌合された2つの硬質床材10a,10bの表面に目地21が形成できる。すなわち、硬質床材どうしの突き合わせ部を上方から平面視した場合、床材どうしの境界に目地(溝部)が形成されるように設計することもできる。
さらに、本発明床材では、例えば図9に示すように、必要に応じて側面の上方の角部にテーパー加工面Tを形成しても良い。これにより、より滑らかな床面を形成することができる。その結果、上記のような目地を形成した場合であっても、目地で靴底等がひっかかるような事態を未然に回避することができる。また、床下地の凹凸を完全に隠蔽できず、隣接する硬質床材の縁端部が上方に浮き上がって段差が生じた場合であっても、テーパー加工面Tを形成することによって、段差を視認し難くすることができる。図9では、床材側面がさね構造を有する場合の模式図であるが、さね構造を有しない場合でも同様にテーパー加工面を形成することができる。
本発明の床構造では、上記のようなさね構造を有する硬質床材を用いる場合、硬質床材どうしの突き合わせ部で一方の硬質床材が有する雄型のさね構造と他方の硬質床材が有する雌型のさね構造とが嵌合されるが、その嵌合部の床面に幅1〜5mmの目地が形成されていることが好ましい。このような目地が形成されることにより、突き合わせ部で多少浮き上がっていたとしても、その状態を認識できないような外観をつくることができる。これにより、その隙間又は段差を目立たなくなり、全体としてより平坦な外観をもつ床面を創り出すことができる。
特に、本発明床材として、平面形状が略矩形状であり、互いに隣接する2辺の側面が雄型のさね構造を有し、残りの2辺の側面が雌型のさね構造を有する硬質床材を使用することによって、床面全体にわたって目地を連続的に形成することができる。通常は、雄型のさね部の上面の一部が目地状領域となるが、硬質床材の複数を突き合わせて床面を形成した場合には各目地状領域が連続的につながるような配置することができ、その結果として床面全体にわたって目地が連続的に形成される。
図6には、さね構造を有する複数の硬質床材をタイルとして複数用いる場合の床構造の施工例を示す。図6では、4枚の略正方形の硬質床材10a,10b,10c,10dが用意され、各硬質床材は互いに隣接する2辺の側面を雄型のさね構造を有している。上方からみた場合は雄型のさね構造のL字状の目地状領域Ma,Mb,Mc,Mdが見える。一方の硬質床材のL字状の目地状領域を構成する2辺のいずれか1辺と、他方の硬質床材のL字状の目地状領域を構成する2辺のいずれか1辺とを突き合わせる工程を含む方法によって、連続的な目地Mが形成された床面を施工することができる。このように、目地状領域が連続するように各床材を敷設することによって一体化したように見える目地を創り出すことができる。その結果、床下地に不陸等が存在していたとしても、それが目立たない外観を有する床面を形成することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
図1Bに示すように、下層から順に「反り防止層/樹脂含有硬質層/補強層/意匠層/表層」からなる硬質床材を作製した。
表1に示す組成を有する硬質塩化ビニル系樹脂シートを用い、その表面にガラスマット(ガラス繊維からなる不織布シート)をヒートシールにより補強層を積層した。
その後、この補強層に印刷フィルムをヒートシールにより積層した。次いで、硬質塩化ビニル系樹脂製クリアフィルムをヒートシールにより積層することによって表層を形成した。硬質塩化ビニル系樹脂製クリアフィルムの配合は、塩化ビニル系樹脂100重量部、可塑剤5重量部、その他安定剤少量である。他方、硬質樹脂シートの反対側の面(裏面)に、前記と同じ硬質塩化ビニル系樹脂製フィルムをヒートシールにより積層し、反り防止層を形成した。このようにして、下層から順に「反り防止層(厚み約0.35mm)/樹脂含有硬質層(厚み約2.4mm)/補強層/意匠層(厚み約0.07mm)/表層(厚み約0.35mm)」からなる硬質床材(縦50cm×横50cm、厚み約3mm)が得られた。なお、補強層(ガラスマット)は、樹脂含有硬質層にヒートシールで埋められるので、補強層の厚みは樹脂含有硬質層の厚みに包含される。
Figure 2021185299
なお、表1中の樹脂含有硬質層の組成等の表記は、それぞれ以下のとおりである。
PVC:ポリ塩化ビニル系樹脂、市販品
DOP:ジオクチルフタレート、市販品(可塑剤)
CaCO:炭酸カルシウム、市販品、粒径約74〜149μm
層厚み:樹脂含有硬質層の厚み
実施例2〜7及び比較例1〜2
硬質樹脂シートの組成を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして硬質床材を製造した。
比較例3〜5
市販の硬質材料を比較例3〜5とした。比較例3の硬質床材の厚みは約15mmであり、それ以外は厚み約3mmである。
実施例1−2〜実施例1−4
樹脂含有硬質層の厚みを表2に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして硬質床材を製造した。なお、表2中の樹脂含有硬質層の組成等の表記は、表1と同様の意味である。
Figure 2021185299
試験例1
各実施例及び比較例の硬質床材(試料)について、以下のような各物性を測定した。その結果を表1〜表2に示す。表1〜表2の結果からも明らかなように、樹脂成分等を含む特定の組成を採用することによって所望の垂下量を満たす硬質床材を提供できることがわかる。
(1)表面の凹み
試料をマックバーニー凹み試験機で日本産業規格JIS A1454に準じて凹み値を測定した。温度条件は、23℃及び45℃の2種類で測定した。凹み試験(23℃)は、0.2以下であることが好ましく、特に0.15以下であることがより好ましい。
(2)残留凹み
試料を温度23℃・湿度50%の条件下で24時間養生した後、日本産業規格JIS A1454に準じて試料の残留凹み率を測定した。
(3)垂下量
曲げ剛性を評価するために、下記の測定方法に従って硬質床材の垂下量を測定した。まず、硬質床材を幅5cm×長さ30cmに裁断して試験用の試料とした。これを温度23℃、湿度50%RHの恒温室に入れ、24時間養生した。
次に、試料を測定装置に設置した。測定装置に試料を配置した状態を図10Aに示し、図10をa方向(上方)から見た図を図11Bに示す。この装置は、試料を配置するための台座71a,71b、試料を固定するための直方体ウエイト72、垂下量を測定するための物差し73を含む。2つの台座は、いずれも略同形状であり、高さ20cmであり、図10Aのように試料よりも十分に大きな面積を有する上面をもつ直方体である。また、台座71bは、台座71aに対して接離可能である。
図10Aに示すように、23℃の温度下で試料Sの表層側を上方に向けて、試料が台座71a,71bに跨がるように、試料の長さ10cm分の領域Bを台座71aに載せ、残りの長さ20cm分の領域Aを台座71bに載せた。次に、図10B及び図11Bに示すように、領域B全面に直方体ウエイト72を載せた。その後、台座71bをスライドさせて台座71aから離反させて取り外した。なお、図11Aには、試料にウエイトを載せる前の配置状態を示す。
次いで、その30秒後に試料Sの領域Aが下方に垂れた際の距離hを垂下量として物さし73で計測した。前記距離hは、図10Cに示すように、台座71aの表面(上面)と試料Sの右下角部Tとの間の最短の直線長さ(mm)とした。
実施例8
樹脂含有硬質層の厚みを約1.2mmとしたほかは、実施例2と同様にして下層から順に「反り防止層(厚み約0.35mm)/樹脂含有硬質層(厚み約1.2mm)/補強層/意匠層(厚み約0.07mm)/表層(厚み約0.35mm)」からなる硬質床材(縦500mm×横500mm)を作製した。
試験例2
実施例2及び実施例8で得られた硬質床材の凸部の吸収性能を調べた。40mm×300mmの大きさに切り取ったものを試料として用い、凸部を有する床下地モデル上に試料を敷設し、その収まり具合を測定した。その結果を表3に示す。
(1)端片段差の収まり具合
床下地の表面に、粘着剤をローラーによって60〜100g/m塗布し、温度23℃、湿度50%の環境下で60分放置した。この粘着剤は、日本産業規格JIS A 5536の90°剥離強度で5.69N/50mmの強度であった。その後、図12に示すように、床下地51に下地不陸板52(縦50mm×横25mm×厚み1.0mm又は0.5mm)を配置し、下地不陸板52が中心部となるように上から試料を設置し、圧着ローラーで試料を上方から押圧した。その時の不陸段差からの収まり具合を調べた。より具体的には、図12に示すように、下地不陸板52の端部から試料Sの端部までの距離D1を端部距離として測定した。その結果、試料の端部が床下地に接着している場合を「○」とし、試料の端部が床下地から離隔している場合を「×」とした。
(2)角の収まり具合
床下地51の表面に、粘着剤をローラーによって60〜100g/m塗布し、温度23℃、湿度50%の環境下で60分放置した。この粘着剤は、日本産業規格JIS A 5536の90°剥離強度で5.69N/50mmの強度であった。その後、図13に示すように、下地不陸球53を配置し、下地不陸球53が試料の対角線上となるように上から試料Sを設置し、圧着ローラーで試料Sを上方から押圧した。図13は、下地不陸球の上から試料Sを配置し、その試料Sの上から見た図である。下地不陸球53としては、直径が1.0mmのものを用い、その時の不陸からの収まり具合を調べた。より具体的には、図13に示すような下地不陸球53から試料Sの角までの距離D2を測定した。その結果、試料の角が床下地に接着している場合を「○」とし、試料の角が床下地から離隔している場合を「×」とした。
Figure 2021185299
表3の評価が「〇」の状態では、試料の表面に下地不陸の形状が現れることなく、ある程度の平滑性を維持しつつ、緩やかに弓なりにしなって、不陸を吸収していた。この結果からも明らかなように、本発明の硬質床材は、床下地の表面凹凸を効果的に吸収できることがわかる。
試験例3
実施例7、比較例3〜4のサンプルについて、試験片の大きさを変えて垂下量を測定した。各サンプルを幅5cm×長さ45cmにカットして、新たなサンプル片を作製した。これを温度23℃及び湿度50%RHの恒温室に入れ、24時間養生した。次いで、試料の長さ10cm分の領域Bを台座71aに載せ、残りの長さ35cm分の領域Aの台座71bに載せて、試験例1の「(3)垂下量」と同様にして測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2021185299
実施例9
実施例1の硬質床材の表層の表面に保護層を形成した。市販の紫外線硬化型樹脂100重量部と硬質粒子(アルミナ粉末、粒度♯280、平均粒径68μm)60重量部とを混合してなる塗工液をロールによる手塗りで表層上に塗布することにより下層を形成した。その後、前記と同じ紫外線硬化型樹脂であってアルミナ粉末を含まない塗工液を前記下層の表面にフローコーターにて塗布することにより上層を形成した。このようにして下層(40μm)/上層(100μm)からなる保護層を形成した。このようにして二層の保護層を有する硬質床材を作製した。この保護層の断面の一部を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図15に示す。図15に示すように、個々のアルミナ粒子は紫外線硬化型樹脂層(UV層)の中に完全に埋まった状態となっており、紫外線硬化型樹脂層の上面にはその粒子に由来する凹凸が形成されていないことがわかる。
実施例9−1〜実施例9−4
用いるアルミナ粉末の粒度を表5に示すように変更したほかは、実施例9と同様にして二層の保護層を有する硬質床材を作製した。なお、各実施例及び比較例における粒度は「日本産業規格JIS R6001」研削といし用研磨材の粒度によるものである。
Figure 2021185299
試験例4
実施例9及び実施例9−1〜実施例9−4で得られた硬質床材の保護層の耐摩耗性及び外観をそれぞれ調べた。それらの結果を表5に示す。
耐摩耗性は、日本産業規格JIS A1453に準拠した試験法に基づいて、テーバー摩耗試験器に研磨紙S−42を取り付け、回転速度70rpmでサンプル表面を3000回転させて摩耗させた。
摩耗後の試験サンプル表面の保護層のうち、摩耗させた領域全てが残っている場合を「〇」とし、摩耗させた領域のうち、保護層の一部が無くなり、表層がむき出しになっている箇所がある場合を「△」とし、摩耗させた領域において保護層が全て摩耗し、表層がむき出しになっている場合を「×」とした。
外観は、保護層表面(上層の表面)の凹凸状態を目視にて観察した。表面が平滑となっているものを「○」とし、アルミナ粉末による凹凸が表面に浮き出ているものを「×」とした。
実施例9−5〜実施例9−15
紫外線硬化型樹脂100重量部に対する硬質粒子(アルミナ粉末)の配合量を表6に示すように変更したほかは、実施例9と同様にして二層の保護層を形成した。このようにして二層の保護層を有する硬質床材を作製した。
Figure 2021185299
試験例5
実施例9及び実施例9−5〜実施例9−15で得られた硬質床材の保護層の耐摩耗性のほか、塗布時における塗工液の塗工性を調べた。それらの結果を表6に示す。
耐摩耗性は、試験例4の場合と同様にして評価した。
塗工性は、粘性が低く、問題なくローラー塗布できるものを「○」とし、粘性は少し高いがローラー塗布できるものを「△」とし、粘性が高くて流動性がなくローラー塗布できないものを「×」とした。
表5〜表6の結果からも明らかなように、所定の保護層を形成することによって、より優れた耐摩耗性を発揮できることがわかる。

Claims (8)

  1. 樹脂含有硬質層及びその上方に表層を含み、前記樹脂含有硬質層の下方に反り防止層を含む床材であって、
    (1)床材の厚みが5mm以下であり、
    (2)温度23℃において、床材における幅5cm及び長さ30cmのサンプルの端部から幅5cm及び長さ10cmの領域Bを固定した場合の残りの幅5cm及び長さ20cmの領域Aの自重による垂下量が0.5〜8mmである、
    ことを特徴とする硬質床材。
  2. 表層に対する23℃のマックバーニー凹み試験機による凹み値(日本産業規格JIS A1454)が0.25以下である、請求項1に記載の硬質床材。
  3. 樹脂含有硬質層が、樹脂成分、可塑剤及び充填材を含み、樹脂成分と可塑剤の合計量が当該硬質層中25〜60重量%であり、充填材が当該硬質層中40〜75重量%である、請求項1又は2に記載の硬質床材。
  4. 床材の平面形状が略矩形状であり、互いに隣接する2辺に幅1〜5mmの目地状領域が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の硬質床材。
  5. 表層の上方にさらに保護層を含み、保護層の厚みが10〜300μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の硬質床材。
  6. (1)前記保護層は、平均粒径10〜150μmの硬質粒子を含む下層と、前記下層の上に直に配置されている上層とを有し、(2)前記上層は、前記硬質粒子による表面凹凸を打ち消す緩衝層として機能している、請求項1〜5のいずれかに記載の硬質床材。
  7. 目地状領域上に保護層が形成されている、請求項4に記載の硬質床材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の硬質床材の複数が床下地に敷設されてなる床構造。
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