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JP2021166447A - 界磁巻線同期電動機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

界磁巻線同期電動機の制御装置及び制御方法 Download PDF

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JP2021166447A
JP2021166447A JP2020069453A JP2020069453A JP2021166447A JP 2021166447 A JP2021166447 A JP 2021166447A JP 2020069453 A JP2020069453 A JP 2020069453A JP 2020069453 A JP2020069453 A JP 2020069453A JP 2021166447 A JP2021166447 A JP 2021166447A
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昌司 滝口
Masashi Takiguchi
隆一 小川
Ryuichi Ogawa
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
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Abstract

【課題】界磁巻線同期電動機の制御装置において、トルクリプルを抑制する。【解決手段】電機子巻線2aが巻かれた固定子と、界磁巻線2bが巻かれた回転子と、電力変換を行い、電機子巻線2aに交流電力を供給する電力変換器1と、回転子の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に界磁巻線2bの励磁電流を重畳させた電機子電流を電機子巻線2aに流すように電力変換器1を制御する制御部と、を備えた界磁巻線同期電動機の制御装置において、界磁巻線電流推定部9は、電機子巻線2aに流れる電流から界磁巻線電流推定値ifd_estを推定する。q軸電流指令変換部11は、界磁巻線電流推定値ifd_estを用いて、トルク変動を抑制するようにq軸電流指令値iq_cmdを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、界磁巻線同期電動機の制御方法に関する。
界磁巻線同期電動機は界磁巻線に流れる電流によりトルクや誘起電圧を制御できるため、電動機の運転範囲を拡大でき、可変速駆動に適している。通常、界磁電流の制御はブラシなどを用いて外部から直流電圧を印加して行われるが、ブラシを用いない構成の界磁巻線同期電動機が開示されている(非特許文献1,特許文献1)。また、このブラシを用いない界磁巻線同期電動機の回転子に磁石を併用したものも開示されている(非特許文献2)。
特開平7−95790号公報 特開2008−109823号公報 特開2010−252452号公報
小山純,鳥羽俊介,樋口剛,山田英二,「半波整流ブラシなし同期電動機の原理と基礎特性」,電気学会論文誌D,107巻,10号,pp.1257−1264(1987−10) 小山純,阿部貴志,樋口剛,山田英二,「永久磁石を併用した半波整流ブラシなし同期電動機の定常特性」,電気学会論文誌D,109巻,7号,pp.507−514(1989−7)
図9は従来における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図である。これらの界磁巻線同期電動機は、回転子位置に同期してバイアス周波数で脈動する交番起磁力をつくり、この起磁力によって回転子界磁巻線に誘導する起磁力を、ダイオードにより半波整流することによって励磁を得る構成となっている。そのため、一次側の固定子巻線に重畳する脈動電流とこの脈動電流により励磁される界磁巻線電流の脈動により、トルクリプルが生じるという問題がある。
このトルクリプルの問題に対して、特許文献2,3が開示されている。特許文献2は重畳する励磁用電流の重畳周期に関するものであり、特許文献3は回転子励磁用電流を磁極方向から所定角度進んだ方向に重畳することで、トルクリプルを抑制するものである。
以上示したようなことから、界磁巻線同期電動機の制御装置において、トルクリプルを抑制することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、電機子巻線が巻かれた固定子と、界磁巻線が巻かれた回転子と、電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給する電力変換器と、前記回転子の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記界磁巻線の励磁電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記電力変換器を制御する制御部と、を備えた界磁巻線同期電動機の制御装置であって、前記制御部は、前記電機子巻線に流れる電流から界磁巻線電流推定値を推定する界磁巻線電流推定部と、前記界磁巻線電流推定値を用いて、トルク変動を抑制するようにq軸電流指令値を生成するq軸電流指令変換部と、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記界磁巻線電流推定部は前記界磁巻線電流推定値を、以下の(10)式により算出することを特徴とする。
Figure 2021166447
fd_est:界磁巻線電流推定値
fd:界磁巻線インダクタンス
fd:相互インダクタンス
d_max:d軸電流の最大値
d:d軸電流。
また、他の態様として、前記界磁巻線電流推定部は前記界磁巻線電流推定値を、以下の(19)式により算出することを特徴とする。
Figure 2021166447
fd_est:界磁巻線電流推定値
fd:界磁巻線インダクタンス
fd:相互インダクタンス
d:d軸電流
d_lpf:d軸電流をローパスフィルタにかけたd軸ローパスフィルタ電流(ローパスフィルタは,idがid_lpf以上であればゲイン1、idがid_lpfより小さければ界磁巻線の時定数となるようなゲインにローパスフィルタゲインを切り替える構成)。
また、その一態様として、前記q軸電流指令変換部は前記q軸電流指令値を、以下の(11)式により算出することを特徴とする。
Figure 2021166447
q_cmd:q軸電流指令値
n:モータの極対数
d:d軸インダクタンス
q:q軸インダクタンス
d:d軸電流
fd:相互インダクタンス
fd_est:界磁巻線電流推定値
T:トルク。
また、他の態様として、前記回転子に磁石が組み込まれたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記q軸電流指令変換部は前記q軸電流指令値を、以下の(18)式により算出することを特徴とする。
Figure 2021166447
q_cmd:q軸電流指令値
n:モータの極対数
d:d軸インダクタンス
q:q軸インダクタンス
d:d軸電流
fd:相互インダクタンス
fd_est:界磁巻線電流推定値
T:トルク
fd:界磁巻線インダクタンス
λPM:磁石の鎖交磁束。
また、その一態様として、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、界磁巻線同期電動機の制御装置において、トルクリプルを抑制することが可能となる。
実施形態1における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図。 界磁巻線鎖交磁束を示す図。 実施形態2における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図。 実施形態3における界磁巻線電流推定部を示すブロック図。 q軸電流一定の場合のシミュレーション結果を示す図。 q軸電流に補正をかけた場合のシミュレーション結果を示す図。 実施形態3を適用していない場合のシミュレーション結果を示す図。 実施形態3を適用した場合のシミュレーション結果を示す図。 従来における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図。
以下、本願発明における界磁巻線同期電動機の制御装置の実施形態1〜3を図1〜図8に基づいて詳述する。
[実施形態1]
図1は、本実施形態1における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図である。本実施形態1は、電機子電流から界磁巻線の励磁電流を推定し、この推定した界磁巻線の励磁電流及び電機子電流からトルクが一定となるような電流指令値を求め、この電流指令値に追従するように電機子電流を制御することで、トルクリプルを抑制するものである。
電力変換器(インバータ)1は、直流を交流に変換し、電機子巻線2aに交流電力を供給する。ブラシレスの界磁巻線同期電動機2は、電機子巻線2aが巻かれた固定子と、界磁巻線2bが巻かれた回転子と、界磁巻線2bと直列接続された整流素子(ダイオード)2cと、を備える。整流素子2cは、電機子巻線2aに流れる電機子電流によって界磁巻線2bに誘導される誘導交流電流を一方向に規制する。
制御部は、回転子の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に界磁巻線2bの励磁電流を重畳させた電機子電流を電機子巻線2aに流すように電力変換器(インバータ)1を制御する。具体的に、回転位置センサ3は、界磁巻線同期電動機2の回転子の位置を検出する。電流検出器4は、ホールセンサ等であり、電力変換器(インバータ)1出力の三相の電流検出値iu,iv,iwを検出する。
dq変換器5は、電流検出器4で検出した三相の電流検出値iu,iv,iwを回転位置センサ3で検出した回転子位置に同期した回転座標のd軸,q軸電流(検出値)id,iqに変換する。
電流振幅設定部7は、界磁巻線励磁用の電流振幅を出力する。重畳電流指令生成部10は、電流振幅設定部7が出力した電流振幅に基づいて界磁巻線励磁用の重畳電流指令を出力する。d軸電流指令生成部8は、界磁巻線励磁用の重畳電流指令とリラクタンストルクを利用するためのd軸電流を加算,演算してd軸電流指令値id_cmdを出力する。
界磁巻線電流推定部9は、d軸電流指令生成部8が出力するd軸電流指令値id_cmdの最大値id_maxとdq変換器5の出力するd軸電流(検出値)idから界磁巻線電流推定値ifd_estを推定する。q軸電流指令変換部11は、トルク指令と界磁巻線電流推定値ifd_estとd軸電流(検出値)idを用いて、q軸電流指令値iq_cmdを演算する。なお、トルク指令は速度制御の出力を用いても良い。
電流制御部6は、d軸,q軸電流(検出値)id,iqをd軸,q軸電流指令値id_cmd,iq_cmdに追従させるようなd軸,q軸電圧指令値Vd_cmd,Vq_cmdを出力する。逆dq変換部12は、電流制御部6の出力するd軸,q軸電圧指令値Vd_cmd,Vq_cmdを逆dq変換して三相電圧指令値Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmdを出力する。PWM処理部13は、三相電圧指令値Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmdをPWM変換して電力変換器(インバータ)1のゲート指令を生成し、電力変換器(インバータ)1を制御する。
非特許文献1より、ブラシレスの界磁巻線同期電動機2のdq軸電圧方程式は以下の(1)式〜(3)式となる。
Figure 2021166447
Figure 2021166447
Figure 2021166447
ここで、d軸,q軸鎖交磁束λd,λq、界磁巻線鎖交磁束λfdは(4)式〜(6)式となる。
Figure 2021166447
Figure 2021166447
Figure 2021166447
なお、vd,vq:d軸,q軸電圧,id,iq:d軸,q軸電流,λd,λq:d軸,q軸鎖交磁束,vfd:界磁巻線電圧,ifd:界磁巻線電流,λfd:界磁巻線鎖交磁束,Ld,Lq:d軸,q軸インダクタンス,Lfd:界磁巻線インダクタンス,Mfd:相互インダクタンス,ra:固定子巻線抵抗,rfd:界磁巻線抵抗,p:d/dt,ω:回転電気角速度である。
また、トルクTは(7)式となる。なお、Pはモータの極対数である。
Figure 2021166447
(7)式からわかるように回転子を励磁するためにd軸電流idに交番電流を重畳するとトルクTに変動が生じる。そこで、d軸電流idに変動が生じてもトルクTが一定となるようにq軸電流iqを変動させることを考える。(7)式をq軸電流iqについて変換すると(8)式となる。
Figure 2021166447
(8)式から、界磁巻線電流ifdがわかれば、d軸電流idが変動してもトルクTを一定とするq軸電流iqを求めることができる。しかし、界磁巻線電流ifdは界磁巻線2bに流れる電流であるため、直接検出することは困難である。そこで、界磁巻線電流ifdを電機子巻線2aに流れる電流から推定する。
非特許文献1および特許文献1より界磁巻線鎖交磁束λfdは(6)式で示され、d軸電流idに励磁用電流として三角波を重畳した界磁巻線鎖交磁束λfdは図2のようになる。
図2からわかるように界磁巻線鎖交磁束λfdはMfd×idが最大となるところをピーク値としてLfd/rfdの時定数で減衰する。励磁用電流として重量する電流の周波数が高ければこの減衰は無視できるため、界磁巻線鎖交磁束λfdは(9)式で近似することができる。
Figure 2021166447
d_maxは、d軸電流idの最大値であり、励磁用電流として重畳する波形の振幅設定値とリラクタンストルクを利用するために設定する定常d軸電流指令値の加算で求めることができる。
図2は励磁用電流として三角波を重畳した場合であるが、これが矩形波等であっても(9)式で近似可能である。界磁巻線鎖交磁束λfdを(9)式で近似することで、(6)式から界磁巻線電流推定値ifd_estを(10)式により演算する。
Figure 2021166447
d軸電流の最大値id_maxはd軸電流指令値id_cmdから決まり、d軸電流idは計測可能な値であるため、(10)式により界磁巻線電流推定値ifd_estが推定可能となる。これによりd軸電流idが変動してもトルクを変動させないようなq軸電流指令値iq_cmdは(8)式より最終的に(11)式となる。
Figure 2021166447
なお、d軸電流idはd軸電流指令値id_cmdを用いても良いが、電流制御部6の応答の遅れにより指令値と検出値に乖離がある場合は、トルク変動の抑制効果力が弱くなる。
以上示したように、本実施形態1によれば、界磁巻線同期電動機において、トルクリプルを抑制することが可能となる。
[実施形態2]
図3は、本実施形態2における界磁巻線同期電動機の制御装置を示すブロック図である。本実施形態2について、実施形態1の構成から変更した部分のみ説明する。本実施形態2は、実施形態1から界磁巻線同期電動機2’が変更されている。
本実施形態2におけるブラシレスの界磁巻線同期電動機2’は、回転子に例えば永久磁石等の磁石2dが組み込まれたものであり、界磁巻線2bによる磁束と磁石2dによる磁束を併用する構成とした非特許文献2に記載のモータとしている。
この界磁巻線同期電動機2’のdq軸電圧方程式は実施形態1の(1)式〜(3)式と同様となるが、鎖交磁束式の(4)式,(6)式が変わり、以下の(12)式、(13)式となる。λPMは、磁石2dの鎖交磁束である。なお、(5)式は変更なしとする。
Figure 2021166447
Figure 2021166447
したがって、トルクTは以下の(14)式で表される。
Figure 2021166447
(14)式をq軸電流iqについて変換すると以下の(15)式となる。
Figure 2021166447
実施形態1と同様に、界磁巻線鎖交磁束λfdから界磁巻線電流ifdを推定する。界磁巻線鎖交磁束λfdは(13)式で求まるが、d軸電流idにより励磁される磁束は、実施形態1と同様にMfd×idが最大となるところをピーク値としてほぼ一定となると考えることができるため、界磁巻線鎖交磁束λfdは以下の(16)式で近似することができる。
Figure 2021166447
界磁巻線鎖交磁束λfdを(16)式で近似することで、(13)式から界磁巻線電流推定値ifd_estを(17)式により演算する。
Figure 2021166447
(17)式と(10)式は同じであり、実施形態1と同じ演算で界磁巻線電流推定値ifd_estを算出可能である。したがって、d軸電流idが変動してもトルクを変動させないようなq軸電流指令値iq_cmdは(15)式より最終的に以下の(18)式となる。
Figure 2021166447
以上示したように、本実施形態2によれば、回転子に磁石が組み込まれた界磁巻線同期電動機において、トルクリプルを抑制することが可能となる。
[実施形態3]
実施形態1,2において、界磁巻線電流ifdの推定は近似を用いて界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰を無視して演算していたが、励磁用電流の周波数が低い場合や界磁巻線の時定数Lfd/rfdが短い場合には、この界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰の影響が大きくなり、界磁巻線電流推定値ifd_estの推定誤差が大きくなる。
そこで、本実施形態3では、界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰を考慮して、界磁巻線電流ifdの推定を行う。(10)式,(17)式におけるd軸電流の最大値id_maxの代わりにd軸電流idをローパスフィルタにかけたd軸ローパスフィルタ電流id_lpfを用いる。すなわち、本実施形態3では、界磁巻線電流推定値ifd_estは以下の(19)式で算出する。
Figure 2021166447
ローパスフィルタはd軸電流idとd軸ローパスフィルタ電流id_lpfの大小比較を行い、d軸電流idがd軸ローパスフィルタ電流id_lpf以上であればローパスフィルタのゲインを1にし、d軸電流idの方が小さければローパスフィルタのゲインを界磁巻線の時定数Lfd/rfdとなるようなゲインGLPFに切り替える構成をとる。こうすることで、界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰も考慮した界磁巻線電流ifdの演算が可能となる。
図4は、本実施形態3における界磁巻線電流推定部9を示すブロック図である。図4に基づいて、本実施形態3の具体例を説明する。
本実施形態3における界磁巻線電流推定部9において、比較器15は、2つの入力A,Bの大小比較を行う。A≧Bの時は1を出力し,A<Bの時は0を出力する。入力Aはd軸電流idであり、入力Bはバッファ18を介したd軸ローパスフィルタ電流Id_lpfである。
ローパスフィルタ14は、d軸電流idをローパスフィルタ14にかけてd軸ローパスフィルタ電流id_lpfを出力する。ローパスフィルタ14は比較器15の出力する信号が1の時はLPFゲインGLPFを1としてローパスフィルタが動作しないようにし、比較器15の出力する信号が0の時はLfd/rfdの時定数となるようなゲインGLPFに切り替える。
ローパスフィルタ14において、スイッチ16は、比較器15の出力が1の時(A≧Bの時)は1を出力し、比較器15の出力が0の時(A<Bの時)はLPFゲインGLPFを出力する。減算器17はd軸電流idからバッファ18の出力を減算する。乗算器19はスイッチ16の出力と減算器17の出力を乗算する。加算器20は乗算器19の出力とバッファ18の出力とを加算する。加算器20の出力がd軸ローパスフィルタ電流Id_lpfとなる。d軸ローパスフィルタ電流Id_lpfはバッファ18を介して比較器15、減算器17、加算器20に出力される。
減算器21は、d軸ローパスフィルタ電流Id_lpfからd軸電流Idを減算する。乗算器22は、減算器21の出力にMfd/Lfdを乗算する。乗算器22の出力が界磁巻線電流推定値ifd_estとなる。
以上示したように、本実施形態3によれば、励磁用電流の周波数が低い場合や界磁巻線の時定数Lfd/rfdが短い場合でも、トルクリプルを抑制することが可能となる。
[シミュレーション]
まず、実施形態2のシミュレーション結果を説明する。q軸電流指令値iq_cmdを一定としたシミュレーション結果を図5に示し、実施形態2を適用してトルクTの変動を抑制するようにq軸電流指令値iq_cmdに補正をかけたシミュレーション結果を図6に示す。なお、モータの回転速度は無限大の慣性を持たせて、一定速度としている。
q軸電流指令値iq_cmdを一定とした場合は、図5に示すように、一次側の電機子巻線2aに重畳する脈動電流とこの脈動電流により励磁される界磁巻線電流ifdの脈動により、トルクTにトルクリプルが生じている。
実施形態2を適用した場合は、図6に示すように、界磁巻線電流ifdが推定できており、界磁巻線鎖交磁束λfdが変動する分トルクTに変動が生じているが、トルクTの変動を抑制できていることが確認できる。ただし、三角波を重畳しているのでd軸電流idのピーク値が若干指令値と一致していないため、界磁巻線電流ifdと界磁巻線電流推定値ifd_estとの間に誤差が生じている。
次に、実施形態3を適用していない場合のシミュレーション結果を図7に示し、実施形態3を適用した場合のシミュレーション結果を図8示す。図7,図8は、実施形態3の効果が確認しやすいように、励磁用に重畳する電流の周波数を半分に下げた場合を示している。
図7に示すように、実施形態3を適用していない場合、界磁巻線鎖交磁束λfdはピーク値から減衰していくにつれて界磁巻線電流ifdと界磁巻線電流推定値ifd_estとの間に誤差が生じている。そのため、界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰に合わせてトルクTが変動している。一方、図8に示すように、実施形態3を適用した場合は、界磁巻線鎖交磁束λfdが減衰しても界磁巻線鎖交磁束λfdの減衰に合わせて界磁巻線電流推定値ifd_estが推定できており、トルクTの変動が改善できている。
また、d軸電流の最大値id_maxを用いた場合は、d軸電流idが電流制御の追従遅れ等によりd軸電流の最大値id_maxに到達しない場合には、図7のように界磁巻線電流ifdと界磁巻線電流推定値ifd_estとの間に誤差が生じているが、実際に流れるd軸電流idから演算するためd軸電流の最大値id_maxとの乖離による界磁巻線電流ifdの推定誤差も小さくなっている。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1…電力変換器(インバータ)
2…界磁巻線同期電動機
3…回転位置センサ
4…電流検出器
5…dq変換器
6…電流制御部
7…電流振幅設定部
8…d軸電流指令生成部
9…界磁巻線電流推定部
10…重畳電流指令生成部
11…q軸電流指令変換部
12…逆dq変換部
13…PWM処理部

Claims (8)

  1. 電機子巻線が巻かれた固定子と、
    界磁巻線が巻かれた回転子と、
    電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給する電力変換器と、
    前記回転子の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記界磁巻線の励磁電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記電力変換器を制御する制御部と、を備えた界磁巻線同期電動機の制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記電機子巻線に流れる電流から界磁巻線電流推定値を推定する界磁巻線電流推定部と、
    前記界磁巻線電流推定値を用いて、トルク変動を抑制するようにq軸電流指令値を生成するq軸電流指令変換部と、
    を備えたことを特徴とする界磁巻線同期電動機の制御装置。
  2. 前記界磁巻線電流推定部は前記界磁巻線電流推定値を、以下の(10)式により算出することを特徴とする請求項1記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
    Figure 2021166447
    fd_est:界磁巻線電流推定値
    fd:界磁巻線インダクタンス
    fd:相互インダクタンス
    d_max:d軸電流の最大値
    d:d軸電流
  3. 前記界磁巻線電流推定部は前記界磁巻線電流推定値を、以下の(19)式により算出することを特徴とする請求項1記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
    Figure 2021166447
    fd_est:界磁巻線電流推定値
    fd:界磁巻線インダクタンス
    fd:相互インダクタンス
    d:d軸電流
    d_lpf:d軸電流をローパスフィルタにかけたd軸ローパスフィルタ電流(ローパスフィルタは,idがid_lpf以上であればゲイン1、idがid_lpfより小さければ界磁巻線の時定数となるようなゲインにローパスフィルタゲインを切り替える構成)
  4. 前記q軸電流指令変換部は前記q軸電流指令値を、以下の(11)式により算出することを特徴とする請求項2または3記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
    Figure 2021166447
    q_cmd:q軸電流指令値
    n:モータの極対数
    d:d軸インダクタンス
    q:q軸インダクタンス
    d:d軸電流
    fd:相互インダクタンス
    fd_est:界磁巻線電流推定値
    T:トルク
  5. 前記回転子に磁石が組み込まれたことを特徴とする請求項1〜3のうち何れかに記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
  6. 前記q軸電流指令変換部は前記q軸電流指令値を、以下の(18)式により算出することを特徴とする請求項5記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
    Figure 2021166447
    q_cmd:q軸電流指令値
    n:モータの極対数
    d:d軸インダクタンス
    q:q軸インダクタンス
    d:d軸電流
    fd:相互インダクタンス
    fd_est:界磁巻線電流推定値
    T:トルク
    fd:界磁巻線インダクタンス
    λPM:磁石の鎖交磁束
  7. 前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子を備えたことを特徴とする請求項1〜6のうち何れかに記載の界磁巻線同期電動機の制御装置。
  8. 電機子巻線が巻かれた固定子と、
    界磁巻線が巻かれた回転子と、を備えた界磁巻線同期電動機の制御方法であって、
    電力変換器が電力変換を行い、前記電機子巻線に交流電力を供給し、
    制御部が、前記回転子の回転位置に対応した回転磁界を形成する同期電流に前記界磁巻線の励磁電流を重畳させた電機子電流を前記電機子巻線に流すように前記電力変換器を制御し、
    界磁巻線電流推定部が、前記電機子巻線に流れる電流から界磁巻線電流推定値を推定し、
    q軸電流指令変換部が、前記界磁巻線電流推定値を用いて、トルク変動を抑制するようにq軸電流指令値を生成する
    ことを特徴とする界磁巻線同期電動機の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2025041527A1 (ja) * 2023-08-24 2025-02-27 株式会社デンソー 回転電機の制御装置、制御プログラム

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