JP2021166258A - 被加工物の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物の測定時間を短縮し、生産性を向上させること。【解決手段】加工方法は、保持テーブルを0度にした状態で、第1座標における保持面の高さz1を測定すること、保持テーブルを90度回転させ、第2座標の保持面の高さz2を測定すること、高さz1と高さz2との差をΔzとして記録すること、保持テーブルを0度にした状態で、被加工物を保持面に保持し、第1座標における被加工物の上面の高さZ1を測定すること、被加工物の上面の高さZ1を元に、保持テーブルが0度の場合の分割予定ラインの上面高さを算出すること、上面高さに応じて切削溝を形成すること、上面の高さZ1にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物の上面の高さZ2を算出すること、上面の高さZ2を元に、保持テーブルが90度の場合の第2の分割予定ラインの上面高さを算出すること、第2の分割予定ラインの高さに応じて切削溝を形成すること、を備える。【選択図】図7
Description
本発明は、被加工物の加工方法に関する。
保持テーブルに保持された被加工物の上面を背圧センサ等の測定器で数箇所測定して、被加工物の上面高さの分布を得て、ハーフカットの際に切削深さが一定になるようにZ軸を制御しながらカットする加工方法がある。例えば、特許文献1には、保持テーブルの保持部上の粘着テープの上面高さ位置を測定し、測定した当該高さ位置から所定値を加減算した高さ位置に切断ブレードの先端を位置付ける技術が開示されている。
通常保持テーブルの角度が0度と90度でカットするが、保持テーブルを回転させると保持テーブル自体の傾きや、保持テーブルを支持する回転モータの回転に多少傾きがある。このため、従来の技術では、保持テーブルに被加工物を保持した状態で保持テーブルを0度と90度に回転させ、それぞれの角度でワーク上面の高さを測定していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、被加工物の測定時間を短縮し、生産性を向上させることができる被加工物の加工方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の加工方法は、複数の分割予定ラインで区画された被加工物を、該分割予定ラインに沿って切削する被加工物の加工方法であって、加工装置は、被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、該保持テーブルをX方向に加工送りする加工送りユニットと、該保持面に保持された被加工物を切削する切削ブレードと、該切削ブレードを回転可能に保持し、X軸方向と直交するY軸方向に延在するスピンドルと、該スピンドルをY軸方向に割り出し送りする割り出し送りユニットと、該保持面及び該保持テーブルに保持された被加工物の上面高さを測定する上面高さ測定ユニットと、を備え、加工方法は、該保持テーブルを0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の該保持面の高さ(z1)を測定する0度測定ステップと、該保持テーブルを90度回転させ、複数の(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面の高さ(z2)を測定する90度測定ステップと、高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録ステップと、該保持テーブルを0度にした状態で、被加工物を該保持面に保持し、複数の(x1,y1)座標における被加工物の上面の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定ステップと、被加工物の上面の高さ(Z1)を元に、該保持テーブルが0度の場合の、該分割予定ラインの上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出ステップと、該分割予定ラインの上面高さに応じて該切削ブレードを上下させ切り込み深さを制御しながら切削溝を形成する0度切削ステップと、被加工物の上面の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物の上面の高さ(Z2)を算出するZ2算出ステップと、該上面の高さ(Z2)を元に、保持テーブルが90度の場合の、第2の該分割予定ラインの上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出ステップと、該算出された第2の該分割予定ラインの高さに応じて該切削ブレードを上下させながら切削溝を形成する90度切削ステップと、を備えることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の加工方法は、複数の分割予定ラインで区画された被加工物を、該分割予定ラインに沿って加工する被加工物の加工方法であって、加工装置は、被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、該保持面に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射ユニットと、該保持テーブルと該レーザー光線照射ユニットと、を相対的にX方向に加工送りする加工送りユニットと、該保持テーブルと該レーザー光線照射ユニットと、をX方向に直交するY方向に相対的に割り出し送りする割り出し送りユニットと、該保持面及び該保持テーブルに保持された被加工物の上面高さを測定する上面高さ測定ユニットと、を備え、被加工物の加工方法は、該保持テーブルを0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の該保持面の高さ(z1)を測定する0度測定ステップと、該保持テーブルを90度回転させ、(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面の高さ(z2)を測定する90度測定ステップと、高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録ステップと、該保持テーブルを0度にした状態で、被加工物を該保持面に保持し、(x1,y1)座標における被加工物の上面の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定ステップと、被加工物の上面の高さ(Z1)を元に、該保持テーブルが0度の場合の、該分割予定ラインの上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出ステップと、該分割予定ラインの上面高さに応じて該レーザー光線の集光位置を制御しつつ該分割予定ラインにレーザー光線を照射する0度加工ステップと、被加工物の上面の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物の上面の高さ(Z2)を算出するZ2算出ステップと、該上面の高さ(Z2)を元に、保持テーブルが90度の場合の、第2の該分割予定ラインの上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出ステップと、第2の該分割予定ラインの上面高さに応じて該レーザー光線の集光位置を制御しつつ第2の該分割予定ラインにレーザー光線を照射する90度加工ステップと、を備えることを特徴とする。
本願発明の被加工物の加工方法は、保持テーブルの上面の高さを保持テーブルの0度と90度で測定し、測定した保持テーブルの高さの差を用いることで、90度の保持テーブルが保持する被加工物の上面の高さの測定を不要とすることができる。これにより、本願発明は、被加工物の加工時の測定時間を短縮し、被加工物の生産性を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る加工方法を実施するのに適した加工装置の斜視図である。図1に示す加工装置2は、背圧センサを備えた切削装置である。加工装置2は、静止基台4上に搭載されたX軸方向に伸長する一対のガイドレール6を含んでいる。
図1は、実施形態に係る加工方法を実施するのに適した加工装置の斜視図である。図1に示す加工装置2は、背圧センサを備えた切削装置である。加工装置2は、静止基台4上に搭載されたX軸方向に伸長する一対のガイドレール6を含んでいる。
X軸移動ブロック8は、ボール螺子10及びパルスモータ12とから構成される加工送りユニット(X軸送り機構)14により加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。X軸移動ブロック8上には円筒状支持部材22を介して保持テーブル20が搭載されている。保持テーブル20は、例えば、チャックテーブルである。
保持テーブル20は、多孔性セラミックス等から形成された吸引保持部24を有している。図1に示す一例では、保持テーブル20は、環状フレームをクランプする複数(本実施形態では4個)のクランプ26が配設されている。保持テーブル20は、吸引保持部24を囲繞する枠体をさらに有する。
加工送りユニット14は、ガイドレール6に沿って静止基台4上に配設されたスケール16と、スケール16のX座標値を読みとるX軸移動ブロック8の下面に配設された読み取りヘッド18とを含んでいる。読み取りヘッド18は、加工装置2の制御部76に電気的に接続されている。
加工装置2は、静止基台4上に固定され、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール28を含んでいる。Y軸移動ブロック30は、ボール螺子32及びパルスモータ34とから構成されるY軸送り機構を含む割り出し送りユニット36によりY軸方向に移動される。割り出し送りユニット36は、制御部76によって動作が制御される。
Y軸移動ブロック30には、Z軸方向に伸長する一対の(一本のみ図示)ガイドレール38が形成されている。Z軸移動ブロック40は、図示しないボール螺子とパルスモータ42から構成されるZ軸送り機構44によりZ軸方向に移動される。
加工装置2は、切削ユニット46を含んでいる。切削ユニット46は、スピンドルハウジング48がZ軸移動ブロック40中に挿入されて支持されている。スピンドルハウジング48中には、スピンドル47が収容されて、エアベアリングにより回転可能に支持されている。スピンドル47は、スピンドルハウジング48中に収容された図示しないモータにより回転駆動される。スピンドル47の先端部には、切削ブレード50が着脱可能に装着され、回転駆動により切削ブレード50を回転させる。
スピンドルハウジング48には、測定ユニット52が搭載されている。測定ユニット52は、保持テーブル20に保持されたウエーハを撮像する撮像ユニット54を有している。切削ブレード50と撮像ユニット54は、X軸方向に整列して配置されている。
測定ユニット52には、保持テーブル20の保持面及び被加工物の加工面(上面)の高さ位置を検出する背圧センサ56が装着されている。背圧センサ56は、測定ユニット52を介して間接的にスピンドルハウジング48に固定された構成となっている。本実施形態では、背圧センサ56は、測定ユニットの一例である。なお、背圧センサ56は、直接スピンドルハウジング48に装着するようにしてもよい。
背圧センサ56は、保持テーブル20の保持面及び当該保持面に保持された被加工物に対してエアを噴出する噴出ノズル58を備えている。噴出ノズル58は、測定ユニット52に装着されたエアシリンダ62のピストンロッド60に固定されている。
噴出ノズル58は、第1の経路64を介してエア供給源66に連通されている。エア供給源66は、第2の経路68にも連通されている。第2の経路68は、絞り弁70を介して大気に解放されている。エア供給源66からは、第1の経路64と第2の経路68とに適宜の割合で気体が供給される。第1の経路64を流通するエアは、噴出ノズル58に供給される。
第1の経路64と第2の経路68との間には、差圧センサ72が接続されている。差圧センサ72は、ダイアフラム74を備えている。ダイアフラム74は、第1の経路64の圧力と第2の経路68の圧力の差に応じて変位し、その変位量に対応した電圧が差圧センサ72から制御部76に対して出力される。
エア供給源66から第1の経路64及び第2の経路68にエアを供給し、噴出ノズル58の噴出口58aからのエア噴出方向に被加工物がない状態で出力される電圧は、例えば、第2の経路68の先端に形成された絞り70を調整することにより1ボルト(1V)に設定することができる。噴出口58aからのエア噴出方向に被加工物がない状態は、例えば、5mm以上離れている状態を含む。
噴出ノズル58は、先端の噴出口58aが被加工物に対峙する方向に向いており、エアシリンダ62を作動してピストンロッド60が下降することにより、噴出口58aを被加工物11に接近させることができる。
ピストンロッド60の下方には、噴出ノズル58の下降を制限するとともに、噴出ノズル58が作用位置に位置することを検出するリミットスイッチ78が配設されている。リミットスイッチ78は、制御部76に接続されており、噴出ノズル58が作用位置にあるか非作用位置にあるかを検知して制御部76に通知する。
噴出ノズル58の噴出口58aからのエアの噴出方向に障害物がない場合は、第2の経路68と同様に第1の経路64も大気に解放されることになるため、第1の経路64の圧力と第2の経路68の圧力が均衡し、差圧センサ72のダイアフラム74は平衡状態になる。このとき、平衡状態での出力電圧を1Vに設定したため、差圧センサ72から出力される電圧値は1Vとなる。
一方、噴出ノズル58の噴出口58aが被加工物に接近した状態では、噴出口58aが被加工物によって塞がれるようになり、第1の経路64の圧力が変化してダイアフラム74の平衡状態が崩れ、噴出口58aと被加工物11との距離に応じた電圧が差圧センサ72から出力される。
差圧センサ72は、制御部76に電気的に接続されている。制御部76は、差圧センサ72が出力した電圧値を読み取り、その値に応じてZ軸送り機構44のパルスモータ42を制御する。制御部76には、記憶部80が電気的に接続されており、記憶部80には、例えば、噴出ノズル58の噴出口58aから被加工物11の加工面11aまでの距離と差圧センサ72から出力される電圧との関係が予め記憶されている。
よって、制御部76は、差圧センサ72から出力される電圧と記憶部80に格納された対応情報に基づいて、噴出ノズル58の噴出口58aと加工面11aとの間の距離を求めることができる。例えば、差圧センサ72からの出力が5Vの場合には、噴出口58aと加工面11aとの間の距離は100μmであると求めることができる。
保持テーブル20は、吸引保持部24の吸引により、保持面23で被加工物を吸引保持する。保持テーブル20は、加工送りユニット14がX軸方向に沿って移動することにより、X軸方向に沿って移動する。保持テーブル20は、不図示の回転駆動源によって、加工送りユニット14に対してZ軸周りに回転可能である。
加工装置2は、保持面23に保持された被加工物を加工する。加工装置2は、Y軸周りに回転する切削ブレード50によって、被加工物を切削加工する。加工装置2の切削ブレード50は、Y軸移動ブロック30によってY軸方向に沿って移動可能であり、Z軸移動ブロック40によってZ軸方向に沿って移動可能である。
加工装置2は、X軸移動ブロック8、Y軸移動ブロック30及びZ軸移動ブロック40により、保持テーブル20と切削ユニット46とを分割予定ラインに沿って相対移動させることにより、保持テーブル20に保持された被加工物を分割予定ラインに沿って切削加工する。
図2は、実施形態に係る加工装置2が加工する被加工物の一例を示す斜視図である。図2に示すように、被加工物25は、半導体のウエーハ101を有する。ウエーハ101の表面においては、格子状に形成された複数の分割予定ライン(ストリート)103によって区画された各チップ領域にデバイス105が形成されている。ウエーハ101は、複数のデバイス105が形成されたデバイス領域107と、デバイス領域107を囲繞する外周余剰領域109とをその表面に有している。ウエーハ101は、ノッチ102を基準に、環状フレーム252に貼られる方向が揃えられている。
ウエーハ101は、表面の裏側の裏面に貼着されたテープ251を介して、テープ251の外縁部に貼着された環状フレーム252の開口に保持されている。環状フレーム252は、外縁の形状により、90度間隔で外縁の4方向が定義づけられている。環状フレーム252は、外縁の少なくとも1箇所に欠け253が形成される。本実施形態では、ウエーハ101は、ノッチ102が環状フレーム252の欠け253が形成された一辺に向くような方向で、環状フレーム252に貼られている。本実施形態では、被加工物25は、ウエーハ101のノッチ102が、保持テーブル20の0度の方向を向くように、保持テーブル20に保持される。
本実施形態では、被加工物25は、被加工物ユニットである場合について説明するが、これに限定されてない。被加工物25は、例えば、半導体のウエーハ101のみとしてもよい。
図1に戻り、制御部76は、加工装置2を駆動する各機構を制御する。制御部76は、加工装置2の各部を制御し、加工装置2による加工処理を実現する。制御部76は、複数の分割予定ライン103で区画されたウエーハ101を、該分割予定ライン103に沿って切削する被加工物の加工方法を実現する。被加工物の加工方法については、後述する。
制御部76は、例えば、コンピュータシステムを含む。制御部76は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。演算処理装置は、記憶部80等に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実行して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
記憶部80は、各種データ及びプログラムを記憶する。記憶部13は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部80は、被加工物25の加工方法を制御部76に実行させるためのコンピュータプログラム等を記憶するように構成されている。記憶部80は、保持テーブル20ごとの測定結果、複数の被加工物ごとの測定結果等を示す各種情報を記憶する。記憶部80は、制御部76と電気的に接続されている。
以上、本実施形態に係る加工装置2の構成例について説明した。なお、図1を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る加工装置2の構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る加工装置2の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
本実施形態に係る加工装置2は、保持テーブル20と、加工送りユニット14と、切削ブレード50と、スピンドル47と、割り出し送りユニット36と、測定ユニット52と、制御部76と、記憶部80と、を備える場合について説明するが、これに限定されない。
本実施形態に係る加工装置2は、背圧センサ56を用いて高さを測定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、加工装置2は、エアーギャップセンサ、超音波センサ、デプスカメラ等を用いて高さを測定してもよい。
次に、加工装置2が実行する加工方法における測定の一例について説明する。図3乃至図6は、実施形態に係る被加工物の加工方法における測定の一例を説明するための図である。加工装置2は、加工方法を実行する場合、図3、図4及び図5の場面では測定ユニット52によって高さを測定し、図6の場面では測定ユニット52によって高さを測定しない。図3乃至図6では、説明を簡単化するために、1つの座標のみを記載している。
まず、図3に示す場面では、加工装置2は、被加工物25を保持面23に保持していない状態の保持テーブル20が0度を向いた状態となっている。加工装置2は、保持面23において、相異なる複数の第1座標ごとに、Z軸方向における保持面23の高さ(z1)を、測定ユニット52によって測定する。複数の第1座標は、例えば、保持面23の分割予定ライン103の位置と一致してもよいし、一致しなくてもよい。複数の第1座標は、例えば、保持面23の分割予定ライン103上の座標と、分割予定ライン103上から外れた座標とを含んでもよい。複数の第1座標は、例えば、加工対象に領域において、格子状に設定してもよい。
図3に示す一例では、加工装置2は、測定した高さ(z1)と第1座標である(x1,y1)座標と保持テーブル20の向き0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。なお、(x1,y1)座標と高さ(z1)とは、例えば、3次元座標として、(x1,y1,z1)と示してもよい。そして、加工装置2は、0度の測定が終了すると、保持テーブル20が90度を向くように、保持テーブル20を90度回転させる。
図4に示す場面では、加工装置2は、被加工物25を保持面23に保持していない状態の保持テーブル20が90度を向いた状態となっている。すなわち、加工装置2は、0度の保持テーブル20を90度回転させた状態となっている。加工装置2は、保持面23において、図3に示した第1座標を座標変換して保持面23において同じ位置となる第2座標の複数の保持面23の高さ(z2)を、測定ユニット52によって測定する。すなわち、第2座標は、保持テーブル20を90度回転させることで、第1座標が移動した先の座標を示している。図4に示す一例では、加工装置2は、測定した高さz2と第2座標である(y1,x1)座標と保持テーブル20の向き90度とを関連付けて記憶部80に記憶する。そして、加工装置2は、複数の保持面23の高さ(z1)と高さ(z2)との差であるΔzを算出し、該Δzを第1座標及び第2座標に関連付けて記録する。そして、加工装置2は、90度の測定が終了すると、保持テーブル20が0度を向くように、保持テーブル20を−90度回転させる。
図5に示す場面では、加工装置2は、被加工物25を保持面23に保持した状態の保持テーブル20が0度を向いた状態となっている。この場合、被加工物25は、ノッチ102が保持テーブル20の0度の方向を向いた状態となっている。加工装置2は、被加工物25の上面254において、上述した保持テーブル20の第1座標ごとに、Z軸方向における上面254の高さ(Z1)を測定ユニット52によって測定する。すなわち、高さ(Z1)は、保持テーブル20及び被加工物25が0度を向いた状態において、保持テーブル20の保持面23の高さ(z1)に、被加工物25の厚みを加えた値である。加工装置2は、測定した高さ(Z1)と第1座標である(x1,y1)座標と保持テーブル20の向き0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。
図6ではわかりやすくするために保持テーブル20が90度を向いた状態にしているが、加工装置2は、実際には保持テーブル20を回転させず被加工物25の上面254の高さは計算によって求めれば良い。保持テーブルが90度回転した状態では、被加工物25は、ノッチ102が保持テーブル20の90度の方向を向いた状態となっている。(y1,x1)座標は、(x1,y1)座標を90度回転させた座標である。このため、(y1,x1)座標における被加工物25の上面254の高さは、(x1,y1)座標で測定した高さ(Z1)に、算出したΔzを加算して求めることができる。これにより、加工装置2は、被加工物25の上面254を測定せずに、図5に示した(x1,y1)座標の高さ(Z1)とΔzに基づいて、(y1,x1)座標の上面254の高さ(Z1+Δz)を算出する。
例えば、加工装置2は、保持テーブル20が0度と90度とで加工する場合、保持テーブル20を回転させると、保持テーブル20自体の傾きや、保持テーブル20を支持する回転モータの回転に多少の傾きが生じることがある。このため、従来の加工方法は、保持テーブル20に被加工物25を保持した状態で、保持テーブル20を0度と90度に回転させ、それぞれの角度で被加工物25の高さを測定していた。これに対し、本実施形態に係る加工方法は、被加工物25を保持面23に保持した状態の保持テーブル20が90度を向いた状態では、複数の第2座標ごとに、被加工物25の上面254の高さを測定する必要がないので、測定時間の短縮を図ることができる。また、加工装置2は、測定する座標の数を増加させても、測定時間の増加を抑制し、被加工物25を測定する精度を向上させることができる。
(被加工物の加工方法)
次に、実施形態に係る加工装置2が実行する被加工物25の加工方法の一例を説明する。図7は、実施形態に係る被加工物25の加工方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、実施形態に係る加工装置2が実行する被加工物25の加工方法の一例を説明する。図7は、実施形態に係る被加工物25の加工方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示す被加工物25の加工方法は、複数の分割予定ライン103で区画された被加工物25を、該分割予定ライン103に沿って切削する方法である。加工方法は、加工装置2の制御部76がプログラムを実行することで実現される。加工方法は、例えば、被加工物25の加工時、保持テーブル20の交換時等のタイミングで開始される。
加工方法は、図7に示すように、0度測定ステップ1001と、90度測定ステップ1002と、Δz記録ステップ1003と、被加工物上面測定ステップ1004と、0度分割予定ライン高さ算出ステップ1005と、0度切削ステップ1006と、Z2算出ステップ1007と、90度分割予定ライン高さ算出ステップ1008と、90度切削ステップ1009と、を備える。
0度測定ステップ1001は、保持テーブル20を0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における保持面23の高さ(z1)を測定するステップである。0度測定ステップ1001では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度の角度となるように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(x1,y1)座標ごとに保持面23の高さ(z1)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した高さ(z1)と(x1,y1)座標と保持テーブル20の角度である0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1002に進める。
90度測定ステップ1002は、保持テーブル20を90度回転させ、複数の(x1,y1)座標を座標変換して該保持面23において同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面23の高さ(z2)を測定するステップである。90度測定ステップ1002では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度から90度回転するように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(y1,x1)座標ごとに保持面23の高さ(z2)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した高さ(z2)と(y1,x1)座標と保持テーブル20の角度である0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1003に進める。
Δz記録ステップ1003は、高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するステップである。Δz記録ステップ1003では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20が0度の状態の保持面23における(x1,y1)座標の高さ(z1)と、保持テーブル20が90度の状態の保持面23における(y1,x1)座標の高さ(z2)との差を算出し、算出結果をΔzとして記憶部80に記録する。すなわち、加工装置2は、複数の(x1,y1)座標及び(y1,x1)座標ごとにΔzを算出して記録する。加工装置2は、ステップ1003の処理が終了すると、処理をステップ1004に進める。
被加工物上面測定ステップ1004は、保持テーブル20を0度にした状態で、被加工物25を保持面23に保持し、(x1,y1)座標における被加工物25の上面254の高さ(Z1)を測定するステップである。被加工物上面測定ステップ1004では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度の角度となるように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(x1,y1)座標ごとに保持面23が保持している被加工物25の上面254の高さ(Z1)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した上面254の高さ(Z1)と(x1,y1)座標と保持テーブル20の角度である0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1005に進める。
0度分割予定ライン高さ算出ステップ1005は、被加工物25の上面254の高さ(Z1)を元に、該保持テーブル20が0度の場合の、該分割予定ライン103の上面高さを算出するステップである。0度分割予定ライン高さ算出ステップ1005では、例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標が分割予定ライン103上にある場合、測定した高さ(Z1)を分割予定ライン103の上面の高さとする。例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標が分割予定ライン103上にない場合、分割予定ライン103に近接する複数の(x1,y1)座標及びその高さ(Z1)と分割予定ライン103との関係に基づいて、分割予定ライン103上の上面高さを算出する。詳細には、加工装置2は、2つの3次元の(x1,y1,Z1)座標を通る1次関数を算出し、該1次関数が分割予定ライン103と交差する点を算出し、その点の3次元座標から分割供給ライン103の上面高さを算出する。分割予定ライン103の上面の高さを算出する方法は、例えば、複数の座標及び高さと分割供給ライン103の対象座標を入力とする機械学習を用いて算出するなど各種方法を用いることができる。加工装置2は、分割予定ライン103における所定の個所の上面高さの算出が終了すると、ステップ1005の処理が終了すると、処理をステップ1006に進める。
0度切削ステップ1006は、分割予定ライン103の上面高さに応じて該切削ブレード50を上下させ切り込み深さを制御しながら切削溝を形成するステップである。0度切削ステップ1006では、例えば、加工装置2は、Y軸移動ブロック30によってY軸方向に沿って切削ブレード50を移動させ、Z軸移動ブロック40によってZ軸方向に沿って上面高さに応じた位置に切削ブレード50を位置付けることで、分割予定ライン103に切削溝を形成する。加工装置2は、ステップ1006の処理が終了すると、処理をステップ1007に進める。
Z2算出ステップ1007は、被加工物25の上面254の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物25の上面254の高さ(Z2)を算出するステップである。Z2算出ステップ1007では、例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標で測定した高さ(Z1)に算出したΔzを加算することにより、複数の(y1,x1)座標ごとの被加工物25の上面254の高さ(Z2)を算出する。加工装置2は、算出した上面254の高さ(Z1)と(y1,x1)座標と保持テーブル20を90度にした状態とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1008に進める。
90度分割予定ライン高さ算出ステップ1008は、被加工物25の上面254の高さ(Z2)を元に、保持テーブル20が90度の場合の、第2の分割予定ライン103の上面高さを算出するステップである。第2の分割予定ライン103は、保持テーブル20が90度の場合に、Y軸方向と平行になり、保持テーブル20が0度の場合の分割予定ライン103と交わる方向に延在している。90度分割予定ライン高さ算出ステップ1008では、例えば、加工装置2は、(y1,x1)座標が第2の分割予定ライン103上にある場合、算出した高さ(Z2)を第2の分割予定ライン103の上面の高さとする。例えば、加工装置2は、(y1,x1)座標が第2の分割予定ライン103上にない場合、第2の分割予定ライン103に近接する複数の(y1,x1)座標及びその高さ(Z2)と第2の分割予定ライン103との関係に基づいて、第2の分割予定ライン103上の上面高さを算出する。詳細には、加工装置2は、ステップ1005と同様に、2つの3次元の(y1,x1,Z2)座標を通る1次関数を算出し、該1次関数が第2の分割予定ライン103と交差する点を算出し、その点の3次元座標から第2の分割供給ライン103の上面高さを算出する。加工装置2は、第2の分割予定ライン103における複数個所の上面高さの算出が終了すると、処理をステップ1009に進める。
90度切削ステップ1009は、算出された第2の該分割予定ライン103の高さに応じて切削ブレード50を上下させながら切削溝を形成するステップである。90度切削ステップ1009では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度から90度回転するように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、Y軸移動ブロック30によってY軸方向に沿って切削ブレード50を移動させ、Z軸移動ブロック40によってZ軸方向に沿って上面高さに応じた位置に切削ブレード50を位置付けることで、分割予定ライン103に切削溝を形成する。加工装置2は、ステップ1009の処理が終了すると、図7に示す処理手順を終了する。
上述した加工方法のうち、保持面23の高さを測定するステップ1001からステップ1003は、保持テーブル20の交換後に一度だけ行えばよい。この場合、その後は、被加工物25が搬送されるたびに、ステップ1004からステップ1009の処理を実行するように加工方法を構成すればよい。
以上説明したように、実施形態に係る被加工物25の加工方法は、保持テーブル20の保持面23の高さを保持テーブル20の0度と90度で測定し、測定した保持テーブル20の高さの差を用いることで、90度の保持テーブル20が保持する被加工物25の上面254の高さの測定を不要とすることができる。これにより、加工装置2は、被加工物25の加工時の測定時間を短縮し、被加工物25の生産性を向上させることができるという効果を奏する。この加工装置2は、被加工物25を生産する数が増加するほど、測定時間の短縮が可能となるので、生産性をより一層向上させることができる。
実施形態に係る加工装置2は、該保持テーブル20を0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の該保持面23の高さ(z1)を測定する0度測定部と、該保持テーブル20を90度回転させ、複数の(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面23の高さ(z2)を測定する90度測定部と、高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録部と、該保持テーブル20を0度にした状態で、被加工物25を該保持面23に保持し、複数の(x1,y1)座標における被加工物25の上面254の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定部と、被加工物25の上面の高さ(Z1)を元に、該保持テーブル20が0度の場合の、該分割予定ライン103の上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出部と、該分割予定ライン103の上面高さに応じて該切削ブレード50を上下させ切り込み深さを制御しながら切削溝を形成する0度切削部と、被加工物25の上面の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブル20を90度にした場合の被加工物25の上面254の高さ(Z2)を算出するZ2算出部と、該上面254の高さ(Z2)を元に、保持テーブル20が90度の場合の、第2の該分割予定ライン103の上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出部と、該算出された第2の該分割予定ラインの高さに応じて該切削ブレードを上下させながら切削溝を形成する90度切削部といった機能部を備える。すなわち、実施形態に係る加工方法は、異なるカテゴリーで表現することで、加工装置2の発明とすることができる。
[変形例]
上記実施形態の変形例に係る被加工物25の加工方法を以下に説明する。図8は、実施形態の変形例に係る加工方法を実施するのに適した加工装置2の斜視図である。図8に示す加工装置2は、被加工物25にレーザー光線を照射するレーザー加工装置である。図8に示すように、加工装置2は、保持テーブル20と、加工送りユニット14と、割り出し送りユニット36と、測定ユニット52と、制御部76と、記憶部80と、レーザー光線照射ユニット300と、を備える。
上記実施形態の変形例に係る被加工物25の加工方法を以下に説明する。図8は、実施形態の変形例に係る加工方法を実施するのに適した加工装置2の斜視図である。図8に示す加工装置2は、被加工物25にレーザー光線を照射するレーザー加工装置である。図8に示すように、加工装置2は、保持テーブル20と、加工送りユニット14と、割り出し送りユニット36と、測定ユニット52と、制御部76と、記憶部80と、レーザー光線照射ユニット300と、を備える。
レーザー光線照射ユニット300は、ユニットホルダ301と、該ユニットホルダ301に取り付けられたレーザー光線照射手段302を備えている。ユニットホルダ301は、Y軸移動ブロック30に設けられた一対のガイドレール38に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511が設けられており、この被案内溝511を上記ガイドレール38に嵌合することにより、Z軸方向に移動可能に支持される。
レーザー光線照射手段302は、ユニットホルダ301に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング521を含んでいる。ケーシング521内には、図示しないレーザー光線発振手段が配設されている。レーザー光線発振手段としては、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器を用いることができる。レーザー光線発振手段は、制御部76の制御によってレーザー光線を照射する。ケーシング521の端部には、測定ユニット52の背圧センサ56が固定されている。
以上、本実施形態の変形例に係る加工装置2の構成例について説明した。なお、図8を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る加工装置2の構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る加工装置2の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
(被加工物の加工方法)
次に、実施形態の変形例に係る加工装置2が実行する被加工物25の加工方法の一例を説明する。図9は、実施形態の変形例に係る被加工物25の加工方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、実施形態の変形例に係る加工装置2が実行する被加工物25の加工方法の一例を説明する。図9は、実施形態の変形例に係る被加工物25の加工方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示す被加工物25の加工方法は、複数の分割予定ライン103で区画された被加工物25を、該分割予定ライン103に沿って加工する方法である。例えば、加工方法は、被加工物25(例えばウエーハ)に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射し、被加工物25の内部に分割予定ライン103に沿って改質層(変質領域)を連続的に形成する。そして、加工方法は、この改質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ライン103に沿って外力を加えることにより、被加工物25を分割する。図9に示す加工方法は、加工装置2の制御部76がプログラムを実行することで実現される。加工方法は、例えば、被加工物25の加工時、保持テーブル20の交換時等のタイミングで開始される。
加工方法は、図9に示すように、0度測定ステップ1001と、90度測定ステップ1002と、Δz記録ステップ1003と、被加工物上面測定ステップ1004と、0度分割予定ライン高さ算出ステップ1005と、0度加工ステップ1011と、Z2算出ステップ1007と、90度分割予定ライン高さ算出ステップ1008と、90度加工ステップ1012と、を備える。
0度測定ステップ1001では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度の角度となるように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(x1,y1)座標ごとに保持面23の高さ(z1)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した高さ(z1)と(x1,y1)座標と保持テーブル20の角度である0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1002に進める。
90度測定ステップ1002では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度から90度回転するように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(y1,x1)座標ごとに保持面23の高さ(z2)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した高さ(z2)と(y1,x1)座標と保持テーブル20の角度である90度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1003に進める。
Δz記録ステップ1003では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20が0度の状態の保持面23における(x1,y1)座標の高さ(z1)と、保持テーブル20が90度の状態の保持面23における(y1,x1)座標の高さ(z2)との差を算出し、算出結果をΔzとして記憶部80に記録する。すなわち、加工装置2は、複数の(x1,y1)座標及び(y1,x1)座標ごとにΔzを算出して記録する。加工装置2は、ステップ1003の処理が終了すると、処理をステップ1004に進める。
被加工物上面測定ステップ1004では、例えば、加工装置2は、保持テーブル20を0度の角度となるように、保持テーブル20の回転を制御する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標に測定ユニット52を移動させ、複数の(x1,y1)座標ごとに保持面23が保持している被加工物25の上面254の高さ(Z1)を測定ユニット52によって測定する。加工装置2は、測定した上面254の高さ(Z1)と(x1,y1)座標と保持テーブル20の角度である0度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(x1,y1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1005に進める。
0度分割予定ライン高さ算出ステップ1005では、例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標が分割予定ライン103上にある場合、測定した高さ(Z1)を分割予定ライン103の上面の高さとする。例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標が分割予定ライン103上にない場合、分割予定ライン103に近接する複数の(x1,y1)座標及びその高さ(Z1)と分割予定ライン103との関係に基づいて、分割予定ライン103上の上面高さを算出する。加工装置2は、分割予定ライン103における複数個所の上面高さの算出が終了すると、処理をステップ1011に進める。
0度加工ステップ1011は、分割予定ライン103の上面高さに応じてレーザー光線の集光位置を制御しつつ該分割予定ライン103にレーザー光線を照射するステップである。0度加工ステップ1011では、例えば、加工装置2は、算出した分割供給ライン103の上面高さに応じて、保持テーブル20をレーザー光線照射ユニット300の下方に移動させ、分割予定ライン103をレーザー光線照射ユニット300の直下に位置付けるように制御する。加工装置2は、レーザー光線の集光点が分割予定ライン103の上面高さとなるように、保持テーブル20の移動及ぶレーザー光線の照射を制御する。加工装置2は、被加工物25の複数の分割供給ライン103に対する加工が終了すると、処理をステップ1007に進める。
Z2算出ステップ1007では、例えば、加工装置2は、(x1,y1)座標で測定した高さ(Z1)に算出したΔzを加算することにより、複数の(y1,x1)座標ごとの被加工物25の上面254の高さ(Z2)を算出する。加工装置2は、算出した上面254の高さ(Z1)と(y1,x1)座標と保持テーブル20の角度である90度とを関連付けて記憶部80に記憶する。加工装置2は、複数の(y1,x1)座標における測定が終了すると、処理をステップ1008に進める。
90度分割予定ライン高さ算出ステップ1008では、例えば、加工装置2は、(y1,x1)座標が第2の分割予定ライン103上にある場合、算出した高さ(Z2)を第2の分割予定ライン103の上面の高さとする。例えば、加工装置2は、(y1,x1)座標が第2の分割予定ライン103上にない場合、第2の分割予定ライン103に近接する複数の(y1,x1)座標及びその高さ(Z2)と第2の分割予定ライン103との関係に基づいて、第2の分割予定ライン103上の上面高さを算出する。加工装置2は、第2の分割予定ライン103における複数個所の上面高さの算出が終了すると、処理をステップ1012に進める。
90度加工ステップ1012は、第2の分割予定ライン103の上面高さに応じてレーザー光線の集光位置を制御しつつ該第2の分割予定ライン103にレーザー光線を照射するステップである。例えば、加工装置2は、算出した第2の分割供給ライン103の上面高さに応じて、保持テーブル20をレーザー光線照射ユニット300の下方に移動させ、分割予定ライン103をレーザー光線照射ユニット300の直下に位置付けるように制御する。加工装置2は、レーザー光線の集光点が分割予定ライン103の上面高さとなるように、保持テーブル20の移動及ぶレーザー光線の照射を制御する。加工装置2は、被加工物25の複数の分割供給ライン103に対する加工が終了すると、図9に示す処理手順を終了する。
以上説明したように、実施形態の変形例に係る被加工物25の加工方法は、保持テーブル20の保持面23の高さを保持テーブル20の0度と90度で測定し、測定した保持テーブル20の高さの差を用いることで、90度の保持テーブル20が保持する被加工物25の上面254の高さの測定を不要とすることができる。これにより、被加工物25にレーザー光線を照射する加工装置2は、被加工物25の加工時の測定時間を短縮し、被加工物25の生産性を向上させることができるという効果を奏する。この加工装置2は、被加工物25を生産する数が増加するほど、測定時間の短縮が可能となるので、生産性をより一層向上させることができる。
実施形態の変形例に係る加工装置2は、保持テーブル20を0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の保持面23の高さ(z1)を測定する0度測定部と、保持テーブル20を90度回転させ、(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の保持面23の高さ(z2)を測定する90度測定部と、高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録部と、保持テーブル20を0度にした状態で、被加工物25を保持面23に保持し、(x1,y1)座標における被加工物25の上面の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定部と、被加工物25の上面の高さ(Z1)を元に、保持テーブル20が0度の場合の、該分割予定ライン103の上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出部と、分割予定ライン103の上面高さに応じてレーザー光線の集光位置を制御しつつ分割予定ライン103にレーザー光線を照射する0度加工部と、被加工物25の上面254の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブル20を90度にした場合の被加工物25の上面254の高さ(Z2)を算出するZ2算出部と、上面254の高さ(Z2)を元に、保持テーブル20が90度の場合の、第2の分割予定ライン103の上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出部と、第2の分割予定ライン103の上面高さに応じてレーザー光線の集光位置を制御しつつ第2の分割予定ライン103にレーザー光線を照射する90度加工部といった機能部を備える。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、加工装置2は、保持テーブル20が0度と90度とで保持面23の同一座標の高さを測定し、測定した高さの差を用いることで、90度の保持テーブル20が保持する被加工物25の上面254の高さの測定を不要としたが、これに限定されない。例えば、加工装置2は、測定した保持テーブル20の高さの差を用い、90度の保持テーブルが保持する被加工物25の上面254の高さを測定し、0度の保持テーブルが保持する被加工物25の上面254の高さを算出するように構成してもよい。
2 加工装置
14 加工送りユニット
20 保持テーブル
23 保持面
25 被加工物
36 割り出し送りユニット
47 スピンドル
50 切削ブレード
52 測定ユニット
76 制御部
80 記憶部
101 ウエーハ
103 分割予定ライン
254 上面
300 レーザー光線照射ユニット
z1 保持テーブルが0度の場合の保持面の高さ
z2 保持テーブルが90度の場合の保持面の高さ
Z1 保持テーブルが0度の場合の被加工物の上面の高さ
Z2 保持テーブルが90度の場合の被加工物の上面の高さ
14 加工送りユニット
20 保持テーブル
23 保持面
25 被加工物
36 割り出し送りユニット
47 スピンドル
50 切削ブレード
52 測定ユニット
76 制御部
80 記憶部
101 ウエーハ
103 分割予定ライン
254 上面
300 レーザー光線照射ユニット
z1 保持テーブルが0度の場合の保持面の高さ
z2 保持テーブルが90度の場合の保持面の高さ
Z1 保持テーブルが0度の場合の被加工物の上面の高さ
Z2 保持テーブルが90度の場合の被加工物の上面の高さ
Claims (2)
- 複数の分割予定ラインで区画された被加工物を、該分割予定ラインに沿って切削する被加工物の加工方法であって、
加工装置は、
被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、
該保持テーブルをX方向に加工送りする加工送りユニットと、
該保持面に保持された被加工物を切削する切削ブレードと、
該切削ブレードを回転可能に保持し、X軸方向と直交するY軸方向に延在するスピンドルと、
該スピンドルをY軸方向に割り出し送りする割り出し送りユニットと、
該保持面及び該保持テーブルに保持された被加工物の上面高さを測定する上面高さ測定ユニットと、を備え、
加工方法は、
該保持テーブルを0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の該保持面の高さ(z1)を測定する0度測定ステップと、
該保持テーブルを90度回転させ、複数の(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面の高さ(z2)を測定する90度測定ステップと、
高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録ステップと、
該保持テーブルを0度にした状態で、被加工物を該保持面に保持し、複数の(x1,y1)座標における被加工物の上面の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定ステップと、
被加工物の上面の高さ(Z1)を元に、該保持テーブルが0度の場合の、該分割予定ラインの上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出ステップと、
該分割予定ラインの上面高さに応じて該切削ブレードを上下させ切り込み深さを制御しながら切削溝を形成する0度切削ステップと、
被加工物の上面の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物の上面の高さ(Z2)を算出するZ2算出ステップと、
該上面の高さ(Z2)を元に、保持テーブルが90度の場合の、第2の該分割予定ラインの上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出ステップと、
該算出された第2の該分割予定ラインの高さに応じて該切削ブレードを上下させながら切削溝を形成する90度切削ステップと、
を備えることを特徴とする被加工物の加工方法。 - 複数の分割予定ラインで区画された被加工物を、該分割予定ラインに沿って加工する被加工物の加工方法であって、
加工装置は、
被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、
該保持面に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射ユニットと、
該保持テーブルと該レーザー光線照射ユニットと、を相対的にX方向に加工送りする加工送りユニットと、
該保持テーブルと該レーザー光線照射ユニットと、をX方向に直交するY方向に相対的に割り出し送りする割り出し送りユニットと、
該保持面及び該保持テーブルに保持された被加工物の上面高さを測定する上面高さ測定ユニットと、を備え、
被加工物の加工方法は、
該保持テーブルを0度にした状態で、複数の(x1,y1)座標における複数の該保持面の高さ(z1)を測定する0度測定ステップと、
該保持テーブルを90度回転させ、(x1,y1)座標を座標変換して同じ位置となる複数の(y1,x1)座標の複数の該保持面の高さ(z2)を測定する90度測定ステップと、
高さ(z1)と高さ(z2)との差をΔzとして記録するΔz記録ステップと、
該保持テーブルを0度にした状態で、被加工物を該保持面に保持し、(x1,y1)座標における被加工物の上面の高さ(Z1)を測定する被加工物上面測定ステップと、
被加工物の上面の高さ(Z1)を元に、該保持テーブルが0度の場合の、該分割予定ラインの上面高さを算出する0度分割予定ライン高さ算出ステップと、
該分割予定ラインの上面高さに応じて該レーザー光線の集光位置を制御しつつ該分割予定ラインにレーザー光線を照射する0度加工ステップと、
被加工物の上面の高さ(Z1)にΔzを加算し、保持テーブルを90度にした場合の被加工物の上面の高さ(Z2)を算出するZ2算出ステップと、
該上面の高さ(Z2)を元に、保持テーブルが90度の場合の、第2の該分割予定ラインの上面高さを算出する90度分割予定ライン高さ算出ステップと、
第2の該分割予定ラインの上面高さに応じて該レーザー光線の集光位置を制御しつつ第2の該分割予定ラインにレーザー光線を照射する90度加工ステップと、
を備えることを特徴とする被加工物の加工方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020069414A JP2021166258A (ja) | 2020-04-07 | 2020-04-07 | 被加工物の加工方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020069414A JP2021166258A (ja) | 2020-04-07 | 2020-04-07 | 被加工物の加工方法 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2021166258A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112022004829T5 (de) | 2021-10-08 | 2024-08-08 | Denso Corporation | Fahrzeugbefestigungsstruktur für eine Abstandsmessvorrichtung und Abstandsmessvorrichtung |
-
2020
- 2020-04-07 JP JP2020069414A patent/JP2021166258A/ja active Pending
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DE112022004829T5 (de) | 2021-10-08 | 2024-08-08 | Denso Corporation | Fahrzeugbefestigungsstruktur für eine Abstandsmessvorrichtung und Abstandsmessvorrichtung |
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