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JP2021160697A - 車両前部構造 - Google Patents

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JP2021160697A
JP2021160697A JP2020067929A JP2020067929A JP2021160697A JP 2021160697 A JP2021160697 A JP 2021160697A JP 2020067929 A JP2020067929 A JP 2020067929A JP 2020067929 A JP2020067929 A JP 2020067929A JP 2021160697 A JP2021160697 A JP 2021160697A
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良一 林
Ryoichi Hayashi
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車両の前面衝突時に、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動がさらに抑制可能とされる車両前部構造を得る。【解決手段】バンパR/F22内にはワイヤ24が配策されており、ワイヤ24の一端部24Aはフロントサイドメンバ14のフランジ部15に締結され、ワイヤ24の他端部24Bはフロントサイドメンバ16のフランジ部14Bに締結されている。このため、センターポール衝突時にバンパR/F22が破断しても、ワイヤ24を介してフロントサイドメンバ14とフロントサイドメンバ16との連結状態は維持され、当該フロントサイドメンバ14、16は、ノッチ36、38を起点として内折れする。さらに、フロントサイドメンバ14、16には突起部40、42が設けられており、当該突起部40、42にエンジンユニット26が当接することで、エンジンユニット26の車両前後方向の後方側への移動が規制される。【選択図】図3

Description

本発明は、車両前部構造に関する。
特許文献1には、エンジンを含むパワーユニットを支持する左右のサイドメンバにおいて、パワーユニットがマウントされるマウント部よりも車両前後方向の前方側に脆弱部が設けられた技術が開示されている。この先行技術では、車両の前面衝突時(以下、「車両の前突時」という)に当該脆弱部によってサイドメンバを下方側へ屈曲させるように設定されている。
特開2003−327164号公報
上記先行技術では、当該サイドメンバが下方側へ屈曲することによって、パワーユニットが下方側へ移動し、これにより、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動を抑制するというものであるが、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動を抑制するという観点では、更なる改善の余地がある。
本発明は、車両の前面衝突時に、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動がさらに抑制可能とされる車両前部構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両前部構造は、車両前部における車両幅方向の両外側において車両前後方向に沿ってそれぞれ延在された一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバの間に配置され、車両が走行するための駆動力を発生させるパワーユニットと、前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に連結されると共に車両前端部において車両幅方向に沿って延在され、車両の前面衝突時に入力された衝突荷重を当該一対のフロントサイドメンバに伝達可能なバンパリインフォースメントと、前記バンパリインフォースメントに設けられ、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが破断しても、前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部同士の連結状態を維持する維持部材と、を備え、前記一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、前記パワーユニットの車両前後方向の後方側に設けられ、車両の前面衝突時に前記バンパリインフォースメントが車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形したときに、当該フロントサイドメンバを車両幅方向の内側へ向かって塑性変形する内折れを助長させる脆弱部と、前記一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、前記脆弱部の車両前後方向の前方側かつ前記パワーユニットの車両前後方向の後方側に設けられ、前記パワーユニットが当接すると当該パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動を規制する突起部と、を有している。
請求項1に記載の車両前部構造では、車両前部における車両幅方向の両外側において、一対のフロントサイドメンバが車両前後方向に沿ってそれぞれ延在されている。一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部には、バンパリインフォースメントが連結されており、当該バンパリインフォースメントは、車両前端部において車両幅方向に沿って延在されている。また、バンパリインフォースメントは、車両の前面衝突時に入力された衝突荷重を当該一対のフロントサイドメンバに伝達可能としている。
さらに、バンパリインフォースメントには、維持部材が設けられており、当該維持部材は、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが破断しても、当該一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部同士の連結状態を維持する。
前述のように、バンパリインフォースメントは、車両幅方向に沿って延在され、一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に連結されている。つまり、本発明では、バンパリインフォースメントを介して、一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部が連結されている。そして、車両の前面衝突時において、入力された衝突荷重は、当該バンパリインフォースメントを介して一対のフロントサイドメンバに伝達可能とされる。
例えば、バンパリインフォースメントの車両幅方向の略中央部に柱状の物体が衝突する、いわゆるセンターポール衝突時において、バンパリインフォースメントの車両幅方向の中央部が車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形し、当該バンパリインフォースメントが破断した場合、一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部が連結された状態が解除されることとなる。この場合、衝突荷重は、一対のフロントサイドメンバに伝達されないことになり、一対のフロントサイドメンバによって衝撃エネルギの吸収量が減少する。
しかしながら、本発明では、バンパリインフォースメントに維持部材が設けられ、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが破断しても、当該維持部材によって一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部の連結状態が維持されるようになっている。
ここで、本発明では、一対のフロントサイドメンバの間にはパワーユニットが配置されており、当該パワーユニットによって、車両が走行するための駆動力が発生する。また、一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、パワーユニットの車両前後方向の後方側には脆弱部が設けられている。
これにより、本発明では、車両の前面衝突時にバンパリインフォースメントが車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形したときに、当該フロントサイドメンバは、脆弱部を起点として車両幅方向の内側へ向かって内折れ可能とされる。
このように、車両の前面衝突時に当該脆弱部を起点としてフロントサイドメンバが内折れすることによって、衝突エネルギの一部を吸収することが可能となる。また、フロントサイドメンバが内折れすることによって、当該フロントサイドメンバは、一対のフロントサイドメンバの間に配置されたパワーユニットと干渉し、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動が抑制される。
さらに、本発明では、一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、脆弱部の車両前後方向の前方側かつパワーユニットの車両前後方向の後方側には突起部が設けられている。このため、当該突起部にパワーユニットが当接することによって、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動はさらに抑制される。
すなわち、本発明では、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動を多段階に亘って抑制している。
以上説明したように、本発明に係る車両前部構造は、車両の前面衝突時に、パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動がさらに抑制することができる、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両前部において、ポールがバンパリインフォースメントに衝突する直前の状態を示す模式的な平面図である。 本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両前部において、ポールの衝突によりバンパリインフォースメントが破断する直前の状態を示す模式的な平面図である。 本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両前部において、ポールの衝突によりバンパリインフォースメントが破断した状態を示す模式的な平面図である。 本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両前部において、ポールの衝突による衝突荷重とポールの侵入量との関係を示すF−S線図である。 比較例であり、図1に対応する模式的な平面図である。 比較例であり、図2に対応する模式的な平面図である。 比較例であり、図3に対応する模式的な平面図である。 比較例であり、図4に対応するF−S線図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る車両前部構造について説明する。
なお、各図において適宜示される矢印FRは、車両前後方向前側を示しており、矢印RHは、車両幅方向右側を示している。また、以下の説明で特記なく、前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(車両前部構造の構成)
まず、本実施の形態に係る車両前部構造の構成について説明する。
図1には、本実施形態係る車両前部構造が適用された車両(車体)10の車両前部12の平面図が模式的に示されている。なお、図1には、後述するが、車両前部12において、バンパリインフォースメント(以下、「バンパR/F)という)22の車両幅方向の中央部22Cにポール44が衝突する、いわゆるセンターポール衝突の直前の状態が示されている。
図1に示されるように、車両前部12の車両幅方向の両外側には、一対のフロントサイドメンバ14、16が、車両前後方向に沿って延在されている。フロントサイドメンバ14、16は、車両骨格部材の一部を成しており、図示はしないが、車両幅方向かつ車両上下方向に沿って切断したときの断面形状が略矩形状(閉断面部)を成している。
また、フロントサイドメンバ14、16は、例えば、車両幅方向の外側を構成するアウタパネルと、車両幅方向の内側を構成するインナパネルと、を含んで構成されている。当該アウタパネル及びインナパネルは、例えば、鋼板で形成されており、アウタパネルとインナパネルとは、ボルト締結、溶接等により一体化されている。なお、アウタパネルとインナパネルとは、両者で閉断面部を形成することができればよいため、アウタパネル、インナパネルの形状については、特に限定されるものではない。
さらに、フロントサイドメンバ14、16の前方側には、クラッシュボックス18、20が車両前後方向に沿ってそれぞれ設けられている。このクラッシュボックス18、20は、例えばアルミニウム合金、繊維強化プラスチック、鋼板等によって形成されており、フロントサイドメンバ14、16と比べて、車両前後方向の荷重に対する圧縮強度が低くなるようにそれぞれ設定されている。このため、クラッシュボックス18、20は、車両前後方向に沿って潰れ易くするため、材質によっては、当該クラッシュボックス18、20自体に脆弱部等が設けられている。
また、フロントサイドメンバ14、16の前端には、例えば、フランジ部15、17がそれぞれ設けられており、クラッシュボックス18の後端には、図示はしないがフランジ部が設けられている。クラッシュボックス18、20のフランジ部とフロントサイドメンバ14、16のフランジ部15、17とが、それぞれ車両前後に重なった状態で締結され、フロントサイドメンバ14、16に対してクラッシュボックス18、20がそれぞれ一体化されている。
このため、本実施形態では、クラッシュボックス18、20をそれぞれフロントサイドメンバ14の前端部14A、フロントサイドメンバ16の前端部16Aと称する場合がある。
一方、クラッシュボックス18、20の前端側には、車両幅方向に沿ってバンパR/F22が延在されている。このバンパR/F22は、例えば、鋼板で形成されており、車両前端部13の車両骨格部材の一部を成している。
また、バンパR/F22は、例えば、車両前後方向かつ車両上下方向に沿って切断したときの断面形状が車両前後方向の後方側を開口とする略U字状を成している。さらに、バンパR/F22の車両幅方向の両端部が、一対のフロントサイドメンバ14、16の前方側に設けられたクラッシュボックス18、20の前端に対して、ボルト締結、溶接等によりそれぞれ連結されている。
つまり、バンパR/F22は、フロントサイドメンバ14の前端部14A(クラッシュボックス18)、フロントサイドメンバ16の前端部16A(クラッシュボックス20)にそれぞれ連結される。これにより、車両10の前方側からバンパR/F22へ入力された衝突荷重は、クラッシュボックス18、20を介してフロントサイドメンバ14、16にそれぞれ伝達可能とされる。
ここで、本実施形態では、バンパR/F22内には、ワイヤ(維持部材)24が配策されている。例えば、当該ワイヤ24の一端部24Aは、フロントサイドメンバ14の前端に設けられたフランジ部15に固定され、ワイヤ24の他端部24Bは、フロントサイドメンバ16の前端に設けられたフランジ部14Bに固定されている。
一方、フロントサイドメンバ14とフロントサイドメンバ16の間には、エンジンユニット(パワーユニット)26が設けられている。エンジンユニット26は、車両幅方向の右側に配置されたエンジン部28と、車両幅方向の左側に配置されたトランスアクスル部30と、が互いに連結され一体化されている。
また、エンジンユニット26にはエンジンマウント部32、34が結合されており、当該エンジンマウント部32、34を介して、エンジンユニット26は、一対のフロントサイドメンバ14、16にそれぞれ固定(支持)されている。なお、図2、図3では、エンジンマウント部32、34の図示を省略している。
さらに、車両前部12には、エンジンユニット26が配置された空間35(いわゆるエンジンルーム)と図示しない車室とを区画するダッシュパネル37が設けられている。つまり、ダッシュパネル37は車室の前端を構成している。
本実施形態では、フロントサイドメンバ14、16のダッシュパネル37側には、車両幅方向の内側に、車両幅方向の外側へ向かって切り欠かれたノッチ(脆弱部)36、38が設けられている。このノッチ36、38によって、フロントサイドメンバ14、16は車両幅方向の内側へ向かって塑性変形する内折れが助長される。つまり、ノッチ36、38を起点として、フロントサイドメンバ14、16がそれぞれ内折れ可能とされる。
また、フロントサイドメンバ14、16には、ノッチ36、38の車両前後方向の前方側かつエンジンユニット26の車両前後方向の後方側に突起部40、42がそれぞれ設けられている。当該突起部40、42は、車両幅方向の内側へ向かって突出しており、フロントサイドメンバ14、16における車両幅方向の内面に対して溶接等によって一体化されている。
また、突起部40、42は、フロントサイドメンバ14、16が内折れした状態で、エンジンユニット26が車両前後方向の後方側へ移動するときの移動軌跡上に配置されている。このため、エンジンユニット26が当接すると、当該エンジンユニット26の車両前後方向の後方側への移動が規制される。
ここで、エンジンユニット26において、エンジン部28とトランスアクスル部30とは大きさが異なっており、平面視において、エンジン部28は、トランスアクスル部30側(車両幅方向の内側)よりもフロントサイドメンバ14側(車両幅方向の外側)の方が車両前後方向の長さが短くなっている。このため、前述のように、突起部40、42は、フロントサイドメンバ14、16に設けられているが、突起部40は突起部42よりも車両前後方向の前方側に設けられている。
(車両前部構造の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両前部構造の作用及び効果について説明する。
前述のように、図1には、車両前部12において、ポール44がバンパR/F22に衝突(センターポール衝突)する直前の状態を示す模式的な平面図が示されている。図2には、車両前部12において、ポール44の衝突によりバンパR/F22が破断する直前の状態を示す模式的な平面図が示されている。また、図3には、車両前部12において、ポール44の衝突によりバンパR/F22が破断した状態を示す模式的な平面図が示されている。
一方、図5、図6、図7はそれぞれ比較例である。図5には、図1に対応する模式的な平面図が示されており、図6には、図2に対応する模式的な平面図、図7には、図3に対応する模式的な平面図がそれぞれ示されている。
まず、比較例として、図5、図6に示されるように、センターポール衝突時において、ポール衝突の前半(前半)では、バンパR/F100に衝突荷重Fが入力されると、図6に示されるように、バンパR/F100は、車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形する。
ここで、当該フロントサイドメンバ102の前端部(クラッシュボックス104)とフロントサイドメンバ106の前端部(クラッシュボックス108)とは、バンパR/F100を介して連結されているため、バンパR/F100が車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形すると、クラッシュボックス104、108も塑性変形する。
バンパR/F100及びクラッシュボックス104、108の塑性変形により、図8に示されるように、衝突エネルギの一部が吸収される(ストロークA’)。なお、図8は、比較例として、ポール110(図5参照)の衝突による衝突荷重Fとポール110の侵入量Sとの関係を示すF−S線図である。
つまり、ストロークA’は、例えば、バンパR/F100の塑性変形、クラッシュボックス104、108の塑性変形等によって、ポール衝突による衝突エネルギが吸収される区間を示している。
次に、ポール衝突の後半(後半)では、図7に示されるように、バンパR/F100が車両幅方向の略中央部100Cで破断する。これにより、フロントサイドメンバ102側のクラッシュボックス104とフロントサイドメンバ106側のクラッシュボックス108とは、連結された状態が解除される。また、ポール110は車両前後方向の後方側へ(相対的に)移動する。
そして、ポール110がエンジンユニット112に当接し、当該エンジンユニット112が車両前後方向の後方側へ移動する。ここで、エンジンユニット112は、図5に示されるように、エンジンマウント部114、116を介して一対のフロントサイドメンバ102、106にそれぞれ固定されている。
したがって、ポール110がエンジンユニット112に当接した状態で、ポール110はエンジンユニット112からの反力を受けることとなる。このため、当該エンジンマウント部114、116の結合部が破断するまでの間、衝突エネルギの他の一部が吸収される(図8に示すストロークB’)。
そして、エンジンユニット112が車両前後方向の後方側へ移動すると、エンジンユニット112はダッシュパネル118に当接し、ダッシュパネル118が塑性変形することによって、衝突エネルギの他の一部がさらに吸収される(図8に示すストロークB’)。
つまり、ストロークB’は、例えば、エンジンマウント部114、116の結合部の破断、ダッシュパネル118の塑性変形等によって衝突エネルギが吸収される区間を示している。そして、比較例では、図8に示されるように、センターポール衝突によるポール110(図7参照)の全ストロークはS1となる。
これに対して、本実施形態では、図1に示されるように、車両前部12において、一対のフロントサイドメンバ14、16の前方側には、クラッシュボックス18、20が設けられ、当該クラッシュボックス18、20の前端には、車両幅方向に沿って延在されたバンパR/F22の車両幅方向の両端部22A、22B側がそれぞれ連結されている。さらに、当該バンパR/F22内には、ワイヤ24が配策されており、ワイヤ24の一端部24Aは、フロントサイドメンバ14の前端に設けられたフランジ部15に締結され、ワイヤ24の他端部24Bは、フロントサイドメンバ16の前端に設けられたフランジ部14Bに締結されている。
このため、まず、図1、図2に示されるように、センターポール衝突時において、ポール衝突の前半(前半)では、バンパR/F22に衝突荷重Fが入力されると、図2に示されるように、バンパR/F22は、車両前後方向の後方側へ向かって曲げ変形(塑性変形)する。
これにより、図4に示されるように、車両10(図1参照)の前突時において、衝突エネルギの一部を吸収することが可能となる(ストロークA)。なお、図4は、ポール44(図1参照)の衝突による衝突荷重Fとポール44の侵入量Sとの関係を示すF−S線図である。
そして、図2に示されるように、バンパR/F22が車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形すると、当該バンパR/F22の車両幅方向の両端部22A、22Bに連結されたクラッシュボックス18、20が圧縮変形(塑性変形)する。このように、クラッシュボックス18、20が塑性変形することによって、車両10の前突時において、ポール衝突による衝突エネルギの一部を吸収することが可能となる(図4に示すストロークA)。
一方、バンパR/F22が車両前後方向の後方側へ向かって変形すると、当該バンパR/F22の車両幅方向の両端部22A、22Bが連結されたフロントサイドメンバ14の前端部14A(クラッシュボックス18)と、フロントサイドメンバ16の前端部16A(クラッシュボックス20)と、が互いに近づく方向へ曲げ変形(弾性変形)する。これにより、車両10の前突時において、ポール衝突による衝突エネルギの他の一部を吸収することが可能となる(図4に示すストロークA)。
つまり、ストロークAは、例えば、バンパR/F22の塑性変形、クラッシュボックス18、20の塑性変形、フロントサイドメンバ16、18の曲げ変形等によって、ポール衝突による衝突エネルギが吸収される区間を示している。
次に、ポール衝突の後半(後半)では、図3に示されるように、バンパR/F22が破断する。これにより、当該バンパR/F22によるフロントサイドメンバ14の前端部14Aとフロントサイドメンバ16の前端部16Aとの連結状態は解除される。
しかし、本実施形態では、バンパR/F22内にはワイヤ24が配策されているため、当該ワイヤ24を介して、フロントサイドメンバ14の前端部14Aとフロントサイドメンバ16の前端部16Aとの連結状態は維持される。
すなわち、本実施形態では、バンパR/F22が破断しても、フロントサイドメンバ14の前端部14Aとフロントサイドメンバ16の前端部16Aとの連結状態はワイヤ24を介して維持され、車両10の前方側から入力された衝突荷重Fは、フロントサイドメンバ14、16にそれぞれ伝達可能とされる。
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、フロントサイドメンバ14とフロントサイドメンバ16の間にエンジンユニット26が配置され、フロントサイドメンバ14、16のダッシュパネル37側には、車両幅方向の内側にノッチ36、38がそれぞれ設けられている。
このため、図2に示されるように、当該フロントサイドメンバ14、16は、ノッチ36、38を起点としてそれぞれ内折れする。なお、本実施形態では、フロントサイドメンバ14、16は、ダッシュパネル37側にノッチ36、38がそれぞれ設けられている。
すなわち、本実施形態では、フロントサイドメンバ14の前端部14A、フロントサイドメンバ16の前端部16Aからノッチ36、38までの距離をできるだけ長くしている。これにより、当該ノッチ36、38を起点として内折れさせる曲げモーメントを増大させている。このように、フロントサイドメンバ14、16が内折れすることによって、衝突エネルギの他の一部をさらに吸収することが可能となる(図4で示すストロークB)。
また、フロントサイドメンバ14、16が内折れすることによって、当該フロントサイドメンバ14、16は、当該フロントサイドメンバ14とフロントサイドメンバ16の間に配置されたエンジンユニット26と干渉する。
言い換えると、フロントサイドメンバ14とフロントサイドメンバ16とでエンジンユニット26は挟持されることとなる。したがって、エンジンユニット26が車両前後方向の後方側へ移動する際、当該エンジンユニット26とフロントサイドメンバ14、16との間で摩擦抵抗が生じる。このため、エンジンユニット26が車両前後方向の後方側へ移動することによって、衝突エネルギの他の一部を吸収することが可能となる(図4で示すストロークB)。
つまり、ストロークBは、例えば、フロントサイドメンバ14、16の内折れ(塑性変形)、エンジンユニット26とフロントサイドメンバ14、16との間の摩擦抵抗等によって衝突エネルギが吸収される区間を示している。
また、本実施形態では、フロントサイドメンバ14、16には、ノッチ36、38の車両前後方向の前方側かつエンジンユニット26の車両前後方向の後方側に突起部40、42がそれぞれ設けられており、当該突起部40、42は車両幅方向の内側へ向かって突出している。このため、図3に示されるように、当該突起部40、42にエンジンユニット26が当接すると、当該エンジンユニット26の車両前後方向の後方側への移動が規制される(図4で示すストロークC)。
そして、本実施形態では、図4に示されるように、センターポール衝突によるポール44(図1参照)の全ストロークはS2となる。つまり、センターポール衝突において、比較例としての対策前の全ストロークがS1であるのに対して、対策後となる本実施形態における全ストロークはS2である。
ここで、図4において、F−S線図で示すポール衝突の前半(前半)で示すハッチング部E1、ポール衝突の後半(後半)で示すハッチング部E2は、本実施形態におけるセンターポール衝突時のポール44(図1参照)の入力荷重と比較例におけるセンターポール衝突時のポール110(図5参照)の入力荷重の差分を表している。
つまり、図4のハッチング部E1、E2で示す面積が、図1で示す本実施形態における車両前部12と図5で示す比較例における車両前部120との間の衝突エネルギの吸収量の差である。
図4に示されるように、本実施形態では、比較例と比較すると、衝突エネルギの吸収量が増大することが分かる。すなわち、本実施形態では、比較例と比較すると、センターポール衝突において、ポール44(図1参照)の侵入量をストローク(S1−S2)分、減少させることが可能となる。
以上のことから、本実施形態では、車両10の前面衝突時に、エンジンユニット26の車両前後方向の後方側への移動をさらに抑制することができ、車室の変形を抑制することが可能となる。
(本実施形態の補足説明)
本実施形態では、フロントサイドメンバ14の前端部14A、フロントサイドメンバ16の前端部16Aがそれぞれ圧縮変形可能であればよい。一方、本実施形態では、フロントサイドメンバ14、16の前方側において、当該フロントサイドメンバ14、16とは別にクラッシュボックス18、20がそれぞれ設けられている。そして、当該クラッシュボックス18が、フロントサイドメンバ14の前端部14Aを成し、クラッシュボックス20が、フロントサイドメンバ16の前端部16Aを成しているが、クラッシュボックス18、20は必ずしも必要ではない。
例えば、当該クラッシュボックス18、20に代えて、フロントサイドメンバ14の前端部14A、フロントサイドメンバ16の前端部16Aが、当該フロントサイドメンバ14、16における他の部位よりも圧縮強度が低くなるように形成されてもよい。
また、本実施形態では、フロントサイドメンバ14、16にノッチ36、38及び突起部40、42がそれぞれ設けられている。しかしながら、ノッチ及び突起部は、一対のフロントサイドメンバ14、16のうち少なくとも一方に設けられていればよいため、必ずしもフロントサイドメンバ14及びフロントサイドメンバ16に設けられなくてもよい。例えば、少なくとも運転席側のフロントサイドメンバにノッチ及び突起部が設けられていればよい。
また、本実施形態では、バンパR/F22は、車両前後方向かつ車両上下方向に沿って切断したときの断面形状が車両前後方向の後方側を開口とする略U字状を成しているが、これに限るものではない。
例えば、図示はしないが、バンパR/Fが角筒状を成していてもよい。この場合、バンパR/Fの中空部内にワイヤ24は配策されることとなるが、バンパR/Fの車両幅方向の両端部には、ワイヤ24の端部24A、24Bを、フロントサイドメンバ14、16側にそれぞれ締結させるため、ワイヤ24が通過するための孔部が必要となる。
ところで、本実施形態では、維持部材としてワイヤ24が用いられているが、フロントサイドメンバ14の前端部14Aと、フロントサイドメンバ16の前端部16Aと、の連結状態を維持することができればよいため、これに限るものではない。
例えば、図示はしないが、バンパR/F22の背面(車両前後方向の後方)側に、バンパR/F22の材質よりも引張り強度の高い材質、例えば、超高張力鋼板、繊維強化プラスチック等で形成された板材が、接着剤等によって貼着されてもよい。
ここで、維持部材として繊維強化プラスチックが用いられる場合、バンパR/F22の車両幅方向に沿った方向に対して引っ張り強度を向上させるため、例えば、繊維(炭素繊維、ガラス繊維)の配向は、車両幅方向に沿った方向となるように当該板材が形成される。
なお、維持部材としての板材が、バンパR/F22とは別部材として設けられるのではなく、バンパR/F22の一部を構成してもよい。
ここで、請求項1に係る本発明においては、維持部材は、「前記バンパリインフォースメントに設けられ、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが車両前後方向の後方側へ向かって変形しても、前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部の連結状態を維持する」となっている。
このため、前述のように、維持部材としての板材が、バンパR/F22の一部を構成する場合、維持部材は、「前記バンパリインフォースメントの一部を成し、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが車両前後方向の後方側へ向かって変形しても、前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部の連結状態を維持する」となる。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両
12 車両前部
13 車両前端部
14 フロントサイドメンバ
14A 前端部(フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部)
16 フロントサイドメンバ
16A 前端部(フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部)
18 クラッシュボックス(フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部)
20 クラッシュボックス(フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部)
22 バンパR/F(バンパリインフォースメント)
24 ワイヤ(維持部材)
26 エンジンユニット(パワーユニット)
36 ノッチ(脆弱部)
38 ノッチ(脆弱部)
37 ダッシュパネル
40 突起部
42 突起部

Claims (1)

  1. 車両前部における車両幅方向の両外側において車両前後方向に沿ってそれぞれ延在された一対のフロントサイドメンバと、
    前記一対のフロントサイドメンバの間に配置され、車両が走行するための駆動力を発生させるパワーユニットと、
    前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に連結されると共に車両前端部において車両幅方向に沿って延在され、車両の前面衝突時に入力された衝突荷重を当該一対のフロントサイドメンバに伝達可能なバンパリインフォースメントと、
    前記バンパリインフォースメントに設けられ、車両の前面衝突時に当該バンパリインフォースメントが破断しても、前記一対のフロントサイドメンバの車両前後方向の前端部同士の連結状態を維持する維持部材と、
    を備え、
    前記一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、前記パワーユニットの車両前後方向の後方側に設けられ、車両の前面衝突時に前記バンパリインフォースメントが車両前後方向の後方側へ向かって塑性変形したときに、当該フロントサイドメンバを車両幅方向の内側へ向かって塑性変形する内折れを助長させる脆弱部と、
    前記一対のフロントサイドメンバのうち少なくとも一方において、前記脆弱部の車両前後方向の前方側かつ前記パワーユニットの車両前後方向の後方側に設けられ、前記パワーユニットが当接すると当該パワーユニットの車両前後方向の後方側への移動を規制する突起部と、
    を有する車両前部構造。
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