[go: up one dir, main page]

JP2021150588A - 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents

光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2021150588A
JP2021150588A JP2020051185A JP2020051185A JP2021150588A JP 2021150588 A JP2021150588 A JP 2021150588A JP 2020051185 A JP2020051185 A JP 2020051185A JP 2020051185 A JP2020051185 A JP 2020051185A JP 2021150588 A JP2021150588 A JP 2021150588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion element
electrode
examples
transport layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020051185A
Other languages
English (en)
Inventor
裕二 田中
Yuji Tanaka
裕二 田中
望 田元
Nozomi Tamoto
望 田元
直道 兼為
Naomichi Kanei
直道 兼為
正人 田中
Masato Tanaka
正人 田中
保 堀内
Tamotsu Horiuchi
保 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2020051185A priority Critical patent/JP2021150588A/ja
Priority to US17/203,824 priority patent/US20210296597A1/en
Publication of JP2021150588A publication Critical patent/JP2021150588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F19/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one photovoltaic cell covered by group H10F10/00, e.g. photovoltaic modules
    • H10F19/90Structures for connecting between photovoltaic cells, e.g. interconnections or insulating spacers
    • H10F19/902Structures for connecting between photovoltaic cells, e.g. interconnections or insulating spacers for series or parallel connection of photovoltaic cells
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/80Constructional details
    • H10K30/81Electrodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/30Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation comprising bulk heterojunctions, e.g. interpenetrating networks of donor and acceptor material domains
    • H10K30/353Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation comprising bulk heterojunctions, e.g. interpenetrating networks of donor and acceptor material domains comprising blocking layers, e.g. exciton blocking layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/50Photovoltaic [PV] devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】導電性ナノワイヤの剥がれを抑制でき、高出力が得られる光電変換素子の提供する。【解決手段】第1の電極102と、第1の電極102上に形成された電子輸送層103と、ホール輸送層104と、第2の電極105とを有する光電変換素子110であって、第2の電極105は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつホール輸送層104上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層105を有する光電変換素子110である。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュールに関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになっている。また、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立型電源として環境発電素子への応用が期待されている。これらの中でも、光電変換素子の一種である太陽電池は、光があれば、微弱光であっても、どこでも発電できる素子として注目を集めている。
太陽電池などの光電変換素子は、用途に応じて、低照度での出力、耐久性などが要求される。そこで、例えば、太陽電池の透明電極材料として、銀ナノワイヤ等の導電性透明材料、導電性透明ポリマーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、導電性ナノワイヤの剥がれを抑制でき、高出力が得られる光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有する。
本発明によると、導電性ナノワイヤの剥がれを抑制でき、高出力が得られる光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図である。 図3は、比較例3の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図4は、実施例1の光電変換素子における第2の電極を表面観察したSEM写真である。 図5は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用マウスのブロック図である。 図6は、図5に示したマウスの一例を示す概略外観図である。 図7は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用キーボードのブロック図である。 図8は、図7に示したキーボードの一例を示す概略外観図である。 図9は、図7に示したキーボードの他の一例を示す概略外観図である。 図10は、本発明の電子機器の一例としてのセンサのブロック図である。 図11は、本発明の電子機器の一例としてのターンテーブルのブロック図である。 図12は、本発明の電子機器の一例を示すブロック図である。 図13は、図12に示した電子機器に電源ICを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図14は、図13に示した電子機器に蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図15は、本発明の電源モジュールの一例を示すブロック図である。 図16は、図15に示した電源モジュールに蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。
(光電変換素子)
本発明の光電変換素子は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有する。導電性ナノワイヤとしては、導電性の点から、銀ナノワイヤが好ましい。
前記電荷捕集層において、少なくとも一部の導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましい。
従来技術では、単に、銀ナノワイヤと導電性ポリマーを併用しただけであり、経時によって第2の電極から銀ナノワイヤの剥離が生じ、その結果、第2の電極が破壊してしまうという問題がある。
本発明においては、前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有しており、少なくとも一部の導電性ナノワイヤは導電性ポリマーで被覆されていると共に、隣接する導電性ナノワイヤ同士の隙間が導電性ポリマーによって埋められているので、第2の電極から導電性ナノワイヤが剥離することを防止でき、光耐久性が向上する。また、導電性ナノワイヤ直下以外の導電性ナノワイヤ同士の隙間が導電性ポリマーで埋められているので導電性ナノワイヤ同士の隙間の電荷もホール輸送層から補修できるので、出力が向上する。
<第2の電極>
第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有する。導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマーで被覆されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマーで被覆されていてもよい。
少なくとも一部の導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていてもよい。
電荷捕集層は、ホール輸送層上に導電性ナノワイヤを含む導電性ナノワイヤ層を形成した後、少なくとも一部の導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層されるように導電性ポリマーを付与することで形成される。
−導電性ナノワイヤ−
導電性ナノワイヤとは、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が10以上である、断面直径がナノレベルのワイヤ状の金属構造体である。
導電性ナノワイヤの直径は、5nm以上250nm以下であることが好ましく、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。この範囲内であると、塗膜の透明性に優れる。
導電性ナノワイヤの長軸長は、0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、2.5μm以上100μm以下であることがより好ましい。この範囲内であると、導電性ナノワイヤの分散性に優れ、また、透明導電膜とした際の導電性や透明性に優れる。
導電性ナノワイヤとしては、例えば、金属でコーティングした有機繊維や無機繊維、導電性金属酸化物繊維、金属ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられる。これらの中でも、導電性を満足する点から、金属ナノワイヤが好ましい。
前記金属ナノワイヤの金属組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貴金属元素や卑金属元素の1種又は複数の金属から構成されることができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)、鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から銀を含むことが特に好ましい。
したがって、導電性ナノワイヤとしては、銀ナノワイヤが特に好ましい。
導電性ナノワイヤとしての銀ナノワイヤは、特に制限はなく、公知の製造方法で得られたものを用いることができる。本発明においては、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において25℃〜180℃で反応させる工程を含む製造方法から得られた銀ナノワイヤが好ましい。
銀ナノワイヤ層は、ホール輸送層上に銀ナノワイヤ分散液を付与することにより形成される。
銀ナノワイヤ分散物は、銀ナノワイヤ、分散媒、及びその他の成分を含有する。
分散媒としては、例えば、水、アルコール類が挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1,1−ジメチルエタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、界面活性剤、重合性化合物、酸化防止剤、硫化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などを含有することができる。
銀ナノワイヤ層は、上記銀ナノワイヤ分散液を用い、公知の塗布方法によって形成することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法などが挙げられる。
−導電性ポリマー−
前記導電性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアセチレン又はその誘導体、ポリカルバゾール又はその誘導体、ポリビニルピリジン又はその誘導体、ポリ(n−ビニルカルバゾール)又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体、ポリフェニレン又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(ピリジンビニレン)又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリオキサジアゾール誘導体、ポリバソフェナントロリン誘導体、ポリトリアゾール誘導体、又はこれらのポリマーを適宜、アミン基、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボニル基等の置換基で置換したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性が高い点から、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体が好ましい。
電荷補修層は、上記導電性ナノワイヤ層上に、公知の方法により調製した導電性ポリマー分散液を公知の塗布方法で塗布することによって形成することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、平板印刷法、ディスペンス法、インクジェット法などが挙げられる。
電荷捕集層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02μm以上0.2μm以下であることが好ましい。0.05μm以上0.1μm以下がより好ましい。
電荷捕集層において、導電性ポリマーは導電性ナノワイヤを被覆し、隣接する導電性ナノワイヤ同士の隙間を埋めることができればよく、導電性ポリマーの含有量は導電性ナノワイヤの含有量に比べて少ないことが、高導電性の点から好ましい。
したがって、電荷捕集層における導電性ナノワイヤの含有量Aと、電荷捕集層における導電性ポリマーの含有量Bとの体積比(A:B)は、1:1〜1:4であることが好ましい。
体積比(A:B)が1:1〜1:4であると、優れた光耐久性を有し、高出力が得られる。
第2の電極は、透光性を有することが好ましい。透光性を有するとは、第2の電極の光透過率が80%以上であることを意味する。ここで、光透過率は一般的な紫外可視分光光度計により測定することができる。
<第1の基板、第2の基板>
前記基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものが好ましい。そのような材質としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、セラミックなどが挙げられる。これらの中でも、電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する材質のものが好ましい。また、基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
前記基板は、前記光電変換素子の第1の電極側の最外部、及び第2の電極側の最外部のどちらか一方、もしくは両方に設けてもよい。
以下、第1の電極側の最外部に設けられる基板を第1の基板、第2の電極側の最外部に設けられる基板を第2の基板と称する。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上5mm以下などが挙げられる。
<第1の電極>
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1の電極の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
第1の電極の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
前記透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、アルミドープ酸化亜鉛(以下、「AZO」と称する)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTO、AZOがより好ましい。
前記第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
前記第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、前記第1の電極は、前記基板上に形成されることが好ましく、予め基板上に第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
また、一体化された市販品における電極を適宜加工して、後述する光電変換モジュールを作製するために、複数の第1の電極が形成された基板を作製してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設ける、あるいはITOやFTOの上に設けることにより併用することができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、例えば、ホール輸送層が電極と接して、ホール輸送層中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記ホールブロッキング層は、例えば、前記第1の電極上に配置されている。
前記ホールブロッキング層の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズなどが挙げられる。これらの中でも、酸化チタンがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホールブロッキング層の製膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室内光における損失電流を抑制するためには、高い内部抵抗が必要であり、製膜方法も重要である。一般的には、湿式製膜となるゾルゲル法が挙げられるが、膜密度が低く十分に損失電流を抑制できない。そのため、より好ましくは、スパッタリング法などの乾式製膜であり、膜密度が十分に高く損失電流を抑制できる。
前記ホールブロッキング層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透過率及び逆電子移動抑制の観点から、5nm以上1,000nm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では10nm以上30nm以下がより好ましい。
<光電変換層>
前記光電変換層は、電子輸送層と、ホール輸送層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<<電子輸送層>>
前記電子輸送層は、電子輸送性半導体を有する。
前記電子輸送層は、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体を有することが好ましい。
前記電子輸送層は、例えば、前記ホールブロッキング層上に配置されている。
前記電子輸送層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
前記電子輸送性半導体としては、電子輸送性半導体微粒子が好ましく用いられる。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、100nm以上100μm以下が好ましい。
前記電子輸送性半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体;金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記電子輸送性半導体の中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブがより好ましく、酸化チタンが特に好ましい。
前記電子輸送性半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
前記半導体微粒子のサイズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一次粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の作製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホールブロッキング層上に塗布する方法が特に好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、又はミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、又は半導体微粒子と樹脂の混合物を水又は有機溶剤に分散して形成される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体微粒子の分散液、あるいはゾルゲル法等によって得られた前記半導体微粒子のペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。前記マイクロ波の照射時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
<<光増感化合物>>
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素;特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物;特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)、下記構造式(2)、下記構造式(3)がより好ましい。なお、これらの光増感化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いることもできる。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
更に下記一般式(1)を含む化合物がより好ましい。
Figure 2021150588
(ただし、前記一般式(1)式中、X11、及びX12は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。
10は水素原子、ヘキシル基を表す。R11は置換基を有していてもよいメチン基を表す。その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
12は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては前述のものが挙げられる。
13はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表す。R13は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
、及びZは、それぞれ独立して、環状構造を形成する置換基を表し、Zは、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2−イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。Zはそれぞれ下記に示す(A−1)〜(A−22)が挙げられる。
mは0から2の整数を表す。)
Figure 2021150588
上記一般式(1)を含む光増感化合物の具体例としては、以下に示す(B−1)〜(B−40)が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物溶液中又は分散液中に電子輸送性半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法、光増感化合物溶液又は分散液を電子輸送性半導体に塗布して吸着させる方法などが挙げられる。
前記光増感化合物溶液中又は分散液中に電子輸送性半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが挙げられる。
前記光増感化合物溶液又は分散液を電子輸送性半導体に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記光増感化合物を吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物;長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても撹拌しながら行っても構わない。
前記撹拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
<<ホール輸送層>>
前記ホール輸送層は、有機ホール輸送材料及びリチウム塩を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記ホール輸送層は、固体であることが好ましい。
前記ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物からなる積層構造でもよい。
前記ホール輸送層を単層構造としたときに用いられる有機ホール輸送材料としては、公知の有機ホール輸送化合物が用いられる。
その具体例としては、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報又は特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、スピロ化合物が特に好ましい。スピロ化合物としては、例えば、下記一般式(4)を含む化合物などが挙げられる。
Figure 2021150588
(式中、RからRは、それぞれ独立して、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル−4−トリルアミノ基などの置換アミノ基を表す。)
スピロ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す例示化合物D−1からD−20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
これらのスピロ化合物は、高いホール移動度を有している他に、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成しており、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより優れた光電変換特性を示す。また溶解性も高いため各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であるため、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないために、光増感化合物に効率的に光吸収をさせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
前記ホール輸送層における前記有機ホール輸送材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リチウム塩としては、リチウムを含有する塩であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiN(CFSO〕、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiNSO)(CFSO〕、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド〔LiN(CSO〕、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〔LiN(FSO〕、リチウムジイソプロピルイミド、リチウム(フルオロスルホニル)(メチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(エチルスルホニル)イミドなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドがより好ましい。
前記ホール輸送層における前記リチウム塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ホール輸送材料に対して、5モル%以上、50モル%以下であることが好ましく、20モル%以上、35モル%以下であることがより好ましい。
ホール輸送層には、さらに酸化剤を含有することができ、有効である。
酸化剤は、ホール輸送材料を酸化し、カチオンラジカルを生成する機能を有する。ホール輸送材料は、酸化剤によって電子を奪われ(ホールを供給され)、酸化体になることでホール輸送性が向上し、出力の向上及びその効果の持続性を高める上で好ましい。
酸化剤は、ホール輸送材料を酸化する機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体、超原子価ヨウ素化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属錯体がより好ましい。酸化剤が金属錯体であると、溶解性が高く、残留物が残りにくい点で有利である。
金属錯体としては、例えば、金属カチオン、配位子、及びアニオンから構成される錯体などが挙げられる。
金属カチオンとしては、例えば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、白金などのカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、鉄、コバルト、ニッケル、銅のカチオンが好ましく、コバルトのカチオンがより好ましい。即ち金属錯体はコバルト錯体がより好ましい。コバルト錯体としては、3価のコバルト錯体が好ましい。
配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
Figure 2021150588
アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p−トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF2−)テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、あるいは[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O2−)、硫化物イオン(S2−)、過酸化物イオン(O 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、亜硫酸イオン(SO 2−)、チオ硫酸イオン(S 2−)、炭酸イオン(CO 2−)、クロム酸イオン(CrO 2−)、二クロム酸イオン(Cr 2−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Zn(OH)2−)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2−)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2−)、リン酸イオン(PO 3−)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3−)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3−)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4−)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
これらの金属錯体の中でも、下記一般式(5)及び(6)で示される3価のコバルト錯体が特に好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、酸化剤としての機能が優れる点で有利である。
Figure 2021150588
ただし、前記一般式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(5)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
また、前記金属錯体としては、下記一般式(6)で示される3価のコバルト錯体も有効に用いられる。
Figure 2021150588
ただし、前記一般式(6)中、R11〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に前記一般式(6)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021150588
また、酸化剤としては、超原子価ヨウ素化合物も好ましく用いられる。超原子価ヨウ素化合物とは、原子価殻に8つ以上の電子を有し、超原子価となっているヨウ素原子を含む化合物である。その中でも特に、下記一般式(7)で表されるペルヨージナン化合物や、下記一般式(8)で表されるジアリールヨードニウム塩は、高い溶解性と低い結晶性と低い酸性度により、ホール輸送層における酸化剤として用いた際に、高い出力が得られる。ホール輸送層の酸性度が高いと、開放電圧が低くなる。塩基性材料の添加量を多くすることで、開放電圧を高くすることも可能であるが、ホール輸送性材料濃度が低下することで、直列抵抗が高くなり、高照度光における出力が低下する。
Figure 2021150588
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
Figure 2021150588
(式中、Xは、BF、PF、下記構造式(4)及び(5)のいずれかを示す。)
Figure 2021150588
Figure 2021150588
前記一般式(7)で表されるペルヨージナン化合物と、前記一般式(8)で表されるジアリールヨードニウム塩の具体例としては、以下に示す(G−1)〜(G−10)が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
Figure 2021150588
その他、下記構造式で表される超原子価ヨウ素化合物も有効である。
Figure 2021150588
酸化剤の含有量としては、ホール輸送材料に対して、5モル%以上30モル%以下であることが好ましく、10モル%以上20モル%以下であることがより好ましい。酸化剤の添加によって、すべてのホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部が酸化されていれば有効である。
酸化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用することで、ホール輸送層が結晶化しにくくなり、高い耐熱性を得ることが可能になる場合がある。
また、ホール輸送層は、更にピリジン環構造を有する化合物を含有することが好ましい。
ピリジン環とは、下記構造式(6)で表され、ピリジン環構造を有する化合物とは前記ピリジン環を少なくとも1つ含む化合物である。
Figure 2021150588
ホール輸送層がピリジン環構造を有する化合物を含有することにより、開放電圧を高め、結果的に出力を高める効果を得ることができる。
これらのピリジン環構造を有する化合物の中でも、下記一般式(9)、及び一般式(10)で示される化合物がより好ましい。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
ただし、前記一般式(9)、及び前記一般式(10)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、前記Ar及び前記Arは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合してもよい。
前記ピリジン環を有する化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物C−1からC−16などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2021150588
Figure 2021150588
ホール輸送層がこれらのピリジン環構造を有する化合物を有することにより、光電変換素子の出力だけでなく、耐久性や安定性を高めることが可能になり、特に低照度光に対する耐久性や安定性の向上に有効である。
前記ピリジン環を有する化合物の含有量は、ホール輸送材料に対して、20モル%以上65モル%以下であることが好ましく、35モル%以上50モル%以下であることがより好ましい。ピリジン環を有する化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
また、前記有機ホール輸送材料に各種添加剤を加えてもよい。
前記添加剤としては、ヨウ素、金属ヨウ化物、4級アンモニウム塩、金属臭化物、金属塩化物、酢酸金属塩、金属硫酸塩、金属錯体、イオウ化合物、Inorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、塩基性化合物などが挙げられる。
前記金属ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀などが挙げられる。
前記4級アンモニウム塩としては、例えば、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウムなどが挙げられる。
前記金属臭化物としては、例えば、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。
前記金属塩化物としては、例えば、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀などが挙げられる。
前記酢酸金属塩としては、例えば、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウムなどが挙げられる。
前記金属硫酸塩としては、例えば、硫酸銅、硫酸亜鉛などが挙げられる。
前記金属錯体としては、例えば、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオンなどが挙げられる。
前記イオウ化合物としては、例えば、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどが挙げられる。
Inorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体としては、例えば、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミドなどが挙げられる。
前記ホール輸送層が積層構造の場合、前記第2の電極に近い前記ホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いることで多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる。
また、前記高分子材料は、多孔質状の前記電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の前記電子輸送層表面の被覆に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果を発揮するため、より高い性能を得ることが可能となる。
前記ホール輸送層を積層構造としたときに用いられ、前記第2の電極に近い位置に配置される高分子材料としては、特に制限はないが、公知のホール輸送性高分子材料がより好ましい。
前記ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
前記ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)などが挙げられる。
前記ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレン−ビニレン)]などが挙げられる。
前記ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
前記ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]などが挙げられる。
前記ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]などが挙げられる。
前記ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が特に好ましい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる前記電子輸送層の上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記光増感化合物を吸着した前記電子輸送材料が含まれる前記電子輸送層上に、前記有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、前記有機ホール輸送材料がより多孔質電極である前記電子輸送層と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラ等を用いたロールプレス法などが挙げられる。
前記プレス処理の圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。なお、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホール輸送層の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
前記プレス処理を行った後、前記第2の電極を設ける前に、前記有機ホール輸送材料と前記第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末、又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<封止部材>
本発明の光電変換素子は、封止部材を設けることが可能であり、有効である。
封止部材は、少なくとも前記ホール輸送層を光電変換素子の外部環境から遮蔽できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。
封止部材により、少なくともホール輸送層を光電変換素子の外部環境から遮蔽する目的は、外部から過剰な水や酸素などの侵入を防止するとともに、外部から押圧されることによる機械的な破壊を防止することにある。
封止の方式は、光電変換素子の電子輸送層、ホール輸送層等で構成される光電変換層の周縁部に封止部材を設け、第2の基板と接着する「枠封止」と、発電領域全面に封止部材を設け、第2の基板と接着する「面封止」に大別できる。前者の「枠封止」は、封止内部に中空部を形成することができるため、封止内部の水分量や酸素量を適正に調整することが可能であり、また第2の電極が封止部材と接触していないために、電極剥がれの影響を低減できる効果がある。一方、後者の「面封止」は、外部からの過剰な水や酸素の侵入を防止する効果に優れており、また封止部材との接着面積が大きいため、封止強度が高く、特に第1の基板にフレキシブル基板を用いた場合に適している。
封止部材の種類については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、硬化樹脂や低融点ガラス樹脂などが挙げられる。硬化樹脂としては、光や熱によって硬化する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能であるが、中でもアクリル樹脂やエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
アクリル樹脂の硬化物は、分子内にアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
エポキシ樹脂の硬化物は、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
これらの中でも、基板との接着力が高く、水分や酸素のバリア性に優れるエポキシ樹脂がより好ましく用いられる。その結果、出力が高く、安定性に優れる本発明の光電変換素子の耐久性を更に高めることが可能になる。
エポキシ樹脂としては、例えば、水分散型、無溶剤型、固体型、熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられるが、これらの中でも、熱硬化型、紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、紫外線硬化型であっても加熱されてもよい。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエ−テル型、グリシジルエステル型などが挙げられるが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記封止部材には、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤を含んでもよい。
硬化剤としては、例えば、アミン系、酸無水物系、ポリアミド系、その他の硬化剤などが挙げられる。
アミン系硬化剤は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、例えば、充填材(フィラー)、ギャップ剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)、硬化促進剤、カップリング剤、可とう化剤、着色剤、難燃助剤、酸化防止剤、有機溶剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、充填材、ギャップ剤、硬化促進剤、重合開始剤、乾燥剤(吸湿剤)が好ましく、充填材、重合開始剤が特に好ましい。
充填材としては、外部環境下の水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のガスの発生量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、本発明においても様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。
光電変換素子の出力特性や耐久性は、外部環境から光電変換素子内部に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時、及び加熱時に発生するガスによる影響を無視することができない。特に、加熱時に発生するガスの影響は、高温環境下で使用する場合にも出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、封止部材に充填材やギャップ剤、乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、封止部材の使用量を低減できることにより、ガスの発生を低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、前記光電変換素子を高温環境で使用する際にも有効である。
充填材としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができ、例えば、結晶性あるいは不定形のシリカ、タルク、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機充填材が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填材の平均一次粒径としては、0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。充填材の平均一次粒径が0.1μm以上10μm以下であることにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
充填材の含有量としては、封止部材全量に対して、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。充填材の含有量が10質量部以上90質量部以下であると、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性や作業性も良好となる。
ギャップ剤とは、ギャップ制御剤、スペーサー剤とも称され、封止部のギャップを制御することができる。例えば、第1の基板、又は第1の電極の上に、封止部材を付与し、その上に第2の基板を載せて封止を行う場合、エポキシ樹脂にギャップ剤を混合していることにより、封止部のギャップがギャップ剤のサイズに揃うため、容易に封止部のギャップを制御することができる。
ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。粒子形状に特に制限はないが、球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
重合開始剤は、熱や光を用いて重合を開始させることを目的として添加される材料である。
熱重合開始剤は、加熱によってラジカルカチオンなどの活性種を発生する化合物で、具体的には2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物等が用いられる。
熱カチオン重合開始剤としてはベンゼンスルホン酸エステルやアルキルスルホニウム塩等が用いられる。
一方、光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。前記光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体等が挙げられる。また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。
光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系などのオニウム塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量としては、封止部材全量に対し、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.5質量部以上10質量部以下であると、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、ガスの発生量が過剰になるのを防止でき、有効である。
乾燥剤は、吸湿剤とも称され、水分を物理的あるいは化学的に吸着、吸湿する機能を有する材料であり、前記封止部材に含有させることにより、耐湿性を更に高めたり、前記アウトガスの影響を低減できたりする場合もあることから有効である。
乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライトなどの無機吸水材料が挙げられる。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤は、硬化触媒とも称され、硬化速度を速めることを目的として用いられ、主に熱硬化型のエポキシ樹脂に用いられる。
硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7)やDBN(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト等のホスフィンあるいはホスホニウム塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤は、分子結合力を高める効果を有し、シランカップリング剤が挙げられ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
封止部材は、封止材、シール材あるいは接着剤として市販されている樹脂組成物が知られており、本発明においても有効に使用することができる。中でも、太陽電池や有機EL素子用途向けに開発、市販されている樹脂組成物もあり、本発明において特に有効に使用できる。
エポキシ樹脂の前記市販品としては、例えば、商品名:TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(以上、スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(以上、協立化学産業株式会社製)、WB90US(P)(以上、モレスコ社製)などが挙げられる。
アクリル樹脂の前記市販品としては、例えば、商品名:TB3035B、TB3035C(以上、スリーボンド社製)、NICHIBAN UM(以上、ニチバン株式会社製)などが挙げられる。
これらの封止部材は、紫外線の照射等で硬化させた後に、熱処理を行うことが可能であり、本発明においては有効である。熱処理を行うことによって、未硬化成分の量を低減させることが可能な場合があり、出力特性に影響するアウトガス量の低減や、封止性能が高まり、出力特性及びその持続性を高める上で有効である。
熱処理温度は、特に制限されるものではなく、用いる封止部材に合わせて自由に設定できるが、50℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましく、70℃以上100℃以下がさらに好ましい。熱処理時間については、特に制限されるものではなく、用いる封止部材に合わせて自由に設定できるが、10分以上10時間以下が好ましく、20分以上5時間以下がより好ましく、30分以上3時間以下がさらに好ましい。
一方、低融点ガラス樹脂は、樹脂塗布後に焼成を行うことにより、樹脂成分を分解させた後、赤外線レーザ等により溶融させながら、ガラス基板と密着させて封止を行う。この時、低融点ガラス成分は金属酸化物層の内部に拡散し、物理的に接合されることで、高い封止性能を得ることができる。また、樹脂成分が消失していることで、紫外線硬化樹脂のようにアウトガスが発生しないため、光電変換素子の高耐久化に対し有効である。一般に、ガラスフリット、あるいはガラスペーストとして市販されており、これらを有効に使用することができる。本発明においては、より低融点のものが好ましい。
また、本発明においては、シート状封止材も有効に使用できる。
シート状封止材とは、シート上に予め樹脂層を形成したもので、シートはガラスやガスバリア性の高いフィルム等が用いられ、本発明における第2の基板に該当する。シート状封止材を、光電変換素子の第2の電極の上に貼り付け、その後硬化させることにより、封止部材及び基板を一度に形成することができる。シート上に形成する樹脂層が全面に形成されていれば、「面封止」になるが、樹脂層の形成パターンにより、光電変換素子の内部に中空部を設けた「枠封止」にすることもできる。
封止部材の位置としては、少なくともホール輸送層、好ましくは前記輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を光電変換素子の外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明においては封止内部の適正な酸素量を調整できる点で、中空部を有する「枠封止」の方がより好ましい。
封止内部の中空部に酸素を含有させることによって、ホール輸送層のホール輸送機能を長期にわたって安定に維持することが可能になり、光電変換素子の耐久性向上に対して非常に有効である。本発明において、封止することによって設けられた封止内部の中空部の酸素濃度は、酸素が含有していれば効果が得られるが、5.0体積%以上21.0体積%以下がより好ましく、10.0体積%以上21.0体積%以下がさらに好ましい。
前記中空部の酸素濃度は、酸素濃度を調整したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の調整は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記中空部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API−MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子を不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI−MSで定量分析することにより、中空部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
酸素以外のガスとしては、不活性ガスが好ましく、窒素やアルゴンなどが挙げられる。
封止を行う際、グローブボックス内は酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、特に制限されるものではないが、0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。下限としては、−50℃以上が好ましい。
封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、第2の電極と封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
次に、図面を用いて、本発明の光電変換素子について説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。図1の第1の実施形態に係る光電変換素子110は、第1の基板101上に第1の電極102が形成され、第1の電極102上には電子輸送層103が形成され、電子輸送層103を構成する電子輸送材料(多孔質TiO)の表面に光増感化合物としての色素が吸着される。電子輸送層103の上部及び内部にはホール輸送層104が形成され、ホール輸送層104の上に第2の電極としての電荷捕集層105が形成される。図示を省略しているが、第2の電極としての電荷捕集層105の上方には第2の基板が配置され、第2の基板は第1の基板101との間で封止部材によって封止される。
図1に示される光電変換素子110は、第2の電極としての電荷捕集層105が、導電性ナノワイヤを含み、該導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含んでいるので、導電性ナノワイヤは導電性ポリマーで被覆され、かつ埋設されているので、第2の電極からの導電性ナノワイヤの剥がれを防止でき、優れた光耐久性を有している。
なお、図示しないが、第1の電極102及び第2の電極としての電荷捕集層105は、各々電極取出し端子まで導通する経路を有することができる。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。
図2の第2の実施形態に係る光電変換素子111は、第2の電極としての電荷捕集層105において導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている以外は、第1の実施形態と同様である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態に係る光電変換素子は、電荷捕集層において導電性ポリマーの含有量が少なく、導電性に優れた導電性ナノワイヤの含有割合が多いので、より高い導電性を実現でき、高出力が図れる。
<比較実施形態>
図3は、比較実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。
この図3の比較実施形態に係る光電変換素子112は、第2の電極としての電荷捕集層105において、導電性ナノワイヤが導電性ポリマーで被覆されておらず、導電性ナノワイヤからなる層と、導電性ポリマーからなる層とに分離している以外は、第1の実施形態と同様である。なお、比較実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
比較実施形態に係る光電変換素子は、電荷捕集層において導電性ナノワイヤの成膜が不良であり、電荷捕集層を十分に機能するように形成できなかった。
本発明の光電変換モジュールは、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。また、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換モジュールを有する電源装置を適用することもできる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源、2次電池などと組み合わせることにより夜間等でも利用できる電源などとしても、本発明の光電変換モジュールを有する電源装置を用いることができる。更に、電池交換や電源配線等が不要な自立型電源として、IoTデバイスや人工衛星などに用いることもできる。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
(電源モジュール)
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換モジュールと、電源IC(Integrated Circuit)と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
次に、本発明の光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図5は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用マウスのブロック図である。
図5に示すように、光電変換モジュールと電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図6は、図5に示したマウスの一例を示す概略外観図である。
図6に示すように、光電変換モジュール及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換モジュールの光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
次に、本発明の光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用キーボードのブロック図である。
図7に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図8は、図7に示したキーボードの一例を示す概略外観図である。
図8に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図9に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
次に、本発明の光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図10は、本発明の電子機器の一例としてのセンサのブロック図である。
図10に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図11に示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT(Internet of Things)社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換モジュールは、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
次に、本発明の光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図11は、本発明の電子機器の一例としてのターンテーブルのブロック図である。
図11に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換モジュールを用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
以上、本発明の光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器、及び電源モジュールについて説明したが、これらはごく一部であり、本発明の光電変換モジュールが、これらの用途に限定されるものではない。
<用途>
本発明の光電変換モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換モジュールは、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換モジュールは、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図12に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換モジュールの光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図12に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図13に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換モジュールの光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図14に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換モジュールと、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換モジュールは、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図15に示すように、本発明の光電変換モジュールと、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換モジュールの光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図16に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換モジュールの光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図15及び図16に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
<光電変換素子の作製>
第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのインジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜した。次いで、ホールブロッキング層として酸化チタンからなる緻密な層を酸素ガスによる反応性スパッタにより形成した。
次に、酸化チタン(ST−21、石原産業株式会社製)3質量部、アセチルアセトン0.2質量部、及び界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.3質量部を、水5.5質量部、エタノール1.0質量部とともに12時間ビ−ズミル処理を施し、得られた酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2質量部を加えてペーストを作製した。
作製したペーストを、前記ホールブロッキング層上に塗布し(平均厚み:約1.2μm)、100℃で乾燥した後、空気中、550℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
前記電子輸送層を形成したガラス基板を、前記B−5で表される光増感化合物、及びアセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)からなる混合溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、その後余分な光増感化合物を除去し、電子輸送層の表面に光増感化合物を吸着させた。
次に、クロロベンゼン1550質量部に、リチウム塩としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)(関東化学株式会社製)30質量部、前記C−10で表されるピリジン環構造を有する化合物55質量部、前記D−7で表されるホール輸送材料(メルク株式会社製)273質量部、酸化剤としての前記F−11で表されるコバルト錯体(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)26質量部、アセトニトリル(関東化学株式会社製)80質量部を加えて溶解し、ホール輸送層用塗布液を調製した。
次に、前記光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、前記ホール輸送層用塗布液を用い、ダイコートにより、ホール輸送層を形成した(平均厚み:約500nm)。その後、ガラス基板の外縁部に塗布されたホール輸送層を除去し、ホール輸送層の上に銀を真空蒸着し、第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した。
次に、ホール輸送層を除去したガラス基板の外縁部に、発電領域を取り囲むように、封止部材としての紫外線硬化樹脂(World Rock No.5910、協立化学産業株式会社製)をディスペンサー(2300N、株式会社サンエイテック製)を用いて塗布した。その後、高純度エアー(露点:−50℃)を導入したグローブボックス内に移し、紫外線硬化樹脂の上に第2の基板としてのカバーガラスを載せ、紫外線照射により樹脂を硬化させ、発電領域の封止を行い、最後に80℃で1時間熱処理を行って、参考例1の光電変換素子を作製した。
(実施例1)
参考例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)中の体積比に変更し、以下のようにして、第2の電極を形成した以外は、参考例1と同様にして、図1に示す層構成の実施例1の光電変換素子を作製した。実施例1の第2の電極表面のSEM写真を図4に示す。
<第2の電極(電荷捕集層)の作製方法>
直径60nm、長さ10μmの銀ナノワイヤ1分散液(アルドリッチ社製)をダイコートにより70nm製膜し、120℃で5分加熱乾燥した。その後、エメラルジン塩基ポリアニリン(アルドリッチ社製)をダイコートにより製膜し、100℃で30分加熱乾燥した。
(実施例2〜3)
実施例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)中の体積比に変更し、電荷捕集層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
(実施例4〜6)
実施例1おいて、導電性ポリマーをPEDOT/PSS(ポリチオフェン、Orgacon S315、アルドリッチ社製)に変更し、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)の体積比に変更し、電荷捕集層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
(比較例1〜2)
実施例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)の種類に変更し、電荷補修層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
(比較例3)
実施例1において、ホール輸送層の上に導電性ポリマー層を形成し、該導電性ポリマー層上に銀ナノワイヤ層を形成した以外は、実施例1と同様にして、図3に示す層構成の比較例3の光電変換素子を作製した。
次に、参考例1、実施例1〜6、及び比較例1〜3の光電変換素子について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1に示した。
<第2の電極の透過率>
同一製膜条件でガラス基板上に塗布した第2の電極層は、紫外可視分光光度計(UV−2600/2700、株式会社島津製作所製)にて、透過率を測定した。
<光電変換素子の出力特性及び耐久性試験>
作製した各光電変換素子について、200 luxに調整した東芝社製白色LED(5000K)照射下で、太陽電池評価システム(As−510−PV03、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm)を求めた。
次に、前記光電変換素子を8000 luxに調整した白色LED照射下で1000時間照射し、再度200 luxに調整した白色LED照射下で、IV特性を評価し、試験後の最大出力電力Pmax2(μW/cm)を求めた。
最後に、試験後の最大出力電力Pmax2(μW/cm)を、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm)で除することにより、耐久性試験後のPmax維持率(Pmax2/Pmax1×100)を求めた。
Figure 2021150588
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、
前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有することを特徴とする光電変換素子である。
<2> 前記導電性ナノワイヤは銀ナノワイヤである、前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記電荷捕集層において、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている、前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記第2の電極が透光性を有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記電荷捕集層における前記導電性ナノワイヤと、電荷捕集層における前記導電性ポリマーの体積比は、1:1〜1:4である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記電子輸送層が多孔質状の酸化チタン粒子を含む、前記<1>から<5>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<7> 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュールである。
<9> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
を有することを特徴とする電子機器である。
<10> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力を蓄電する蓄電池と、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力及び/又は前記蓄電池に蓄電された電力によって動作する装置を有することを特徴とする電子機器である。
<11> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
電源ICと、
を有することを特徴とする電源モジュールである。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の光電変換素子、前記<8>に記載の光電変換素子モジュール、前記<9>から<10>のいずれかに記載の電子機器、及び前記<11>に記載の電源モジュールは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
101 第1の基板
102 第1の電極
103 電子輸送層
104 ホール輸送層
105 電荷捕集層(第2の電極)
110 光電変換素子
111 光電変換素子
112 光電変換素子
特開2017−175019号公報

Claims (11)

  1. 第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、
    前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記導電性ナノワイヤは銀ナノワイヤである、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記電荷捕集層において、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている、請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
  4. 前記第2の電極が透光性を有する、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記電荷捕集層における前記導電性ナノワイヤと、電荷捕集層における前記導電性ポリマーの体積比は、1:1〜1:4である、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記電子輸送層が多孔質状の酸化チタン粒子を含む、請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュール。
  9. 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
    前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  10. 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
    前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力を蓄電する蓄電池と、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力及び/又は前記蓄電池に蓄電された電力によって動作する装置を有することを特徴とする電子機器。
  11. 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
    電源ICと、
    を有することを特徴とする電源モジュール。

JP2020051185A 2020-03-23 2020-03-23 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール Pending JP2021150588A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020051185A JP2021150588A (ja) 2020-03-23 2020-03-23 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
US17/203,824 US20210296597A1 (en) 2020-03-23 2021-03-17 Photoelectric conversion element, photoelectric conversion module, electronic device, and power supply module

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020051185A JP2021150588A (ja) 2020-03-23 2020-03-23 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021150588A true JP2021150588A (ja) 2021-09-27

Family

ID=77746849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020051185A Pending JP2021150588A (ja) 2020-03-23 2020-03-23 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20210296597A1 (ja)
JP (1) JP2021150588A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4188053A1 (en) * 2021-11-26 2023-05-31 Ricoh Company, Ltd. Photoelectric conversion element, photoelectric conversion module, electronic device, and partition

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506262A (ja) * 2009-09-29 2013-02-21 プレックストロニクス インコーポレーティッド 有機電子デバイス、組成物、および方法
CN104240798A (zh) * 2014-09-25 2014-12-24 上海交通大学 一种透明导电薄膜及其制备方法
WO2018019949A1 (en) * 2016-07-28 2018-02-01 Heraeus Deutschland Gmbh & Co Kg Solar cells with conductive polymer passivation layers on the back side
JP2018506857A (ja) * 2015-02-12 2018-03-08 アファンタマ アクチェンゲゼルシャフト 溶液処理可能な金属酸化物バッファー層を含む光電子デバイス
JP2018533647A (ja) * 2015-10-20 2018-11-15 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 透明導電体を形成するための組成物及びそれから製造される透明導電体
KR20190002129A (ko) * 2017-06-29 2019-01-08 코오롱인더스트리 주식회사 유기 태양전지 및 이의 제조방법
CN110267406A (zh) * 2019-06-27 2019-09-20 湖南纳昇印刷电子科技有限公司 一种超薄柔性电致发光片及其制备方法
JP2019186528A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 株式会社リコー 光電変換素子、光電変換素子モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP2019208036A (ja) * 2015-05-08 2019-12-05 株式会社リコー 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2977993A1 (en) * 2014-07-25 2016-01-27 Heraeus Deutschland GmbH & Co. KG Formulations comprising metal nanowires and pedot

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506262A (ja) * 2009-09-29 2013-02-21 プレックストロニクス インコーポレーティッド 有機電子デバイス、組成物、および方法
CN104240798A (zh) * 2014-09-25 2014-12-24 上海交通大学 一种透明导电薄膜及其制备方法
JP2018506857A (ja) * 2015-02-12 2018-03-08 アファンタマ アクチェンゲゼルシャフト 溶液処理可能な金属酸化物バッファー層を含む光電子デバイス
JP2019208036A (ja) * 2015-05-08 2019-12-05 株式会社リコー 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法
JP2018533647A (ja) * 2015-10-20 2018-11-15 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 透明導電体を形成するための組成物及びそれから製造される透明導電体
WO2018019949A1 (en) * 2016-07-28 2018-02-01 Heraeus Deutschland Gmbh & Co Kg Solar cells with conductive polymer passivation layers on the back side
KR20190002129A (ko) * 2017-06-29 2019-01-08 코오롱인더스트리 주식회사 유기 태양전지 및 이의 제조방법
JP2019186528A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 株式会社リコー 光電変換素子、光電変換素子モジュール、電子機器、及び電源モジュール
CN110267406A (zh) * 2019-06-27 2019-09-20 湖南纳昇印刷电子科技有限公司 一种超薄柔性电致发光片及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20210296597A1 (en) 2021-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019176136A (ja) 光電変換素子、及び光電変換素子モジュール
JP7230524B2 (ja) 光電変換素子、光電変換素子モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP2020127007A (ja) 光電変換素子、太陽電池モジュール、電源モジュール、及び電子機器
JP2020102602A (ja) 光電変換素子、及び光電変換素子モジュール
JP2022144443A (ja) 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール
KR102713714B1 (ko) 광전 변환 소자, 광전 변환 소자 모듈, 전자 장치 및 전원 모듈
EP3872881B1 (en) Photoelectric conversion element and photoelectric conversion module
WO2021107158A1 (en) Photoelectric conversion element, photoelectric conversion module, electronic device, and power supply module
CN114497382B (zh) 光电转换元件、光电转换模块、电子仪器及电源模块
JP2021150588A (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
US20210280810A1 (en) Photoelectric conversion element, photoelectric conversion module, and electronic device
EP3872861B1 (en) Photoelectric conversion element and photoelectric conversion module
JP2021027078A (ja) 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール
JP7711471B2 (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、及び電子機器
JP7505379B2 (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP7639427B2 (ja) 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール
JP7600618B2 (ja) 光電変換素子及び光電変換モジュール
EP4125105A1 (en) Title of the invention photoelectric conversion element, photoelectric conversion module, and electronic device
JP2022078536A (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP2023067788A (ja) 光電変換素子、および光電変換素子モジュール
JP2021129102A (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP2022179342A (ja) 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法、光電変換モジュール、並びに電子機器
JP2023136056A (ja) 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール
JP2023135855A (ja) 化合物、光電変換素子用化合物、光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール
JP2022176440A (ja) 光電変換素子の製造方法、光電変換素子、光電変換モジュールの製造方法、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211129

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20211129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220125