JP2021150588A - 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の光電変換素子は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記電荷捕集層において、少なくとも一部の導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましい。
第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有する。導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマーで被覆されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマーで被覆されていてもよい。
少なくとも一部の導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、導電性ナノワイヤ全体の50%以上が導電性ポリマー中に埋設されていることが好ましく、すべての導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されていてもよい。
導電性ナノワイヤとは、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が10以上である、断面直径がナノレベルのワイヤ状の金属構造体である。
前記金属ナノワイヤの金属組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貴金属元素や卑金属元素の1種又は複数の金属から構成されることができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)、鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から銀を含むことが特に好ましい。
したがって、導電性ナノワイヤとしては、銀ナノワイヤが特に好ましい。
銀ナノワイヤ分散物は、銀ナノワイヤ、分散媒、及びその他の成分を含有する。
分散媒としては、例えば、水、アルコール類が挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1,1−ジメチルエタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、界面活性剤、重合性化合物、酸化防止剤、硫化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などを含有することができる。
前記導電性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアセチレン又はその誘導体、ポリカルバゾール又はその誘導体、ポリビニルピリジン又はその誘導体、ポリ(n−ビニルカルバゾール)又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体、ポリフェニレン又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(ピリジンビニレン)又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリオキサジアゾール誘導体、ポリバソフェナントロリン誘導体、ポリトリアゾール誘導体、又はこれらのポリマーを適宜、アミン基、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボニル基等の置換基で置換したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性が高い点から、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体が好ましい。
電荷捕集層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02μm以上0.2μm以下であることが好ましい。0.05μm以上0.1μm以下がより好ましい。
したがって、電荷捕集層における導電性ナノワイヤの含有量Aと、電荷捕集層における導電性ポリマーの含有量Bとの体積比(A:B)は、1:1〜1:4であることが好ましい。
体積比(A:B)が1:1〜1:4であると、優れた光耐久性を有し、高出力が得られる。
前記基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものが好ましい。そのような材質としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、セラミックなどが挙げられる。これらの中でも、電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する材質のものが好ましい。また、基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
前記基板は、前記光電変換素子の第1の電極側の最外部、及び第2の電極側の最外部のどちらか一方、もしくは両方に設けてもよい。
以下、第1の電極側の最外部に設けられる基板を第1の基板、第2の電極側の最外部に設けられる基板を第2の基板と称する。
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTO、ATO、NTO、AZOがより好ましい。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合又は積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
また、一体化された市販品における電極を適宜加工して、後述する光電変換モジュールを作製するために、複数の第1の電極が形成された基板を作製してもよい。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設ける、あるいはITOやFTOの上に設けることにより併用することができる。
前記ホールブロッキング層は、例えば、ホール輸送層が電極と接して、ホール輸送層中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記光電変換層は、電子輸送層と、ホール輸送層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記電子輸送層は、電子輸送性半導体を有する。
前記電子輸送層は、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体を有することが好ましい。
前記電子輸送層は、例えば、前記ホールブロッキング層上に配置されている。
前記電子輸送層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、100nm以上100μm以下が好ましい。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記電子輸送性半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
R10は水素原子、ヘキシル基を表す。R11は置換基を有していてもよいメチン基を表す。その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
R12は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては前述のものが挙げられる。
R13はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表す。R13は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
Z1、及びZ2は、それぞれ独立して、環状構造を形成する置換基を表し、Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2−イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。Z2はそれぞれ下記に示す(A−1)〜(A−22)が挙げられる。
mは0から2の整数を表す。)
前記光増感化合物溶液中又は分散液中に電子輸送性半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが挙げられる。
前記光増感化合物溶液又は分散液を電子輸送性半導体に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物;長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても撹拌しながら行っても構わない。
前記撹拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
前記ホール輸送層は、有機ホール輸送材料及びリチウム塩を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記ホール輸送層は、固体であることが好ましい。
前記ホール輸送層を単層構造としたときに用いられる有機ホール輸送材料としては、公知の有機ホール輸送化合物が用いられる。
その具体例としては、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報又は特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、スピロ化合物が特に好ましい。スピロ化合物としては、例えば、下記一般式(4)を含む化合物などが挙げられる。
これらの中でも、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドがより好ましい。
酸化剤は、ホール輸送材料を酸化し、カチオンラジカルを生成する機能を有する。ホール輸送材料は、酸化剤によって電子を奪われ(ホールを供給され)、酸化体になることでホール輸送性が向上し、出力の向上及びその効果の持続性を高める上で好ましい。
酸化剤は、ホール輸送材料を酸化する機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体、超原子価ヨウ素化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属錯体がより好ましい。酸化剤が金属錯体であると、溶解性が高く、残留物が残りにくい点で有利である。
金属錯体としては、例えば、金属カチオン、配位子、及びアニオンから構成される錯体などが挙げられる。
金属カチオンとしては、例えば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、白金などのカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、鉄、コバルト、ニッケル、銅のカチオンが好ましく、コバルトのカチオンがより好ましい。即ち金属錯体はコバルト錯体がより好ましい。コバルト錯体としては、3価のコバルト錯体が好ましい。
酸化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用することで、ホール輸送層が結晶化しにくくなり、高い耐熱性を得ることが可能になる場合がある。
ピリジン環とは、下記構造式(6)で表され、ピリジン環構造を有する化合物とは前記ピリジン環を少なくとも1つ含む化合物である。
前記ピリジン環を有する化合物の含有量は、ホール輸送材料に対して、20モル%以上65モル%以下であることが好ましく、35モル%以上50モル%以下であることがより好ましい。ピリジン環を有する化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
前記添加剤としては、ヨウ素、金属ヨウ化物、4級アンモニウム塩、金属臭化物、金属塩化物、酢酸金属塩、金属硫酸塩、金属錯体、イオウ化合物、Inorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、塩基性化合物などが挙げられる。
前記4級アンモニウム塩としては、例えば、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウムなどが挙げられる。
前記金属臭化物としては、例えば、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。
前記金属塩化物としては、例えば、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀などが挙げられる。
前記酢酸金属塩としては、例えば、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウムなどが挙げられる。
前記金属硫酸塩としては、例えば、硫酸銅、硫酸亜鉛などが挙げられる。
前記金属錯体としては、例えば、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオンなどが挙げられる。
前記イオウ化合物としては、例えば、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどが挙げられる。
また、前記高分子材料は、多孔質状の前記電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の前記電子輸送層表面の被覆に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果を発揮するため、より高い性能を得ることが可能となる。
前記ホール輸送層を積層構造としたときに用いられ、前記第2の電極に近い位置に配置される高分子材料としては、特に制限はないが、公知のホール輸送性高分子材料がより好ましい。
前記ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
前記ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]などが挙げられる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラ等を用いたロールプレス法などが挙げられる。
前記プレス処理の圧力としては、10kgf/cm2以上が好ましく、30kgf/cm2以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。なお、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末、又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
本発明の光電変換素子は、封止部材を設けることが可能であり、有効である。
封止部材は、少なくとも前記ホール輸送層を光電変換素子の外部環境から遮蔽できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。
封止部材により、少なくともホール輸送層を光電変換素子の外部環境から遮蔽する目的は、外部から過剰な水や酸素などの侵入を防止するとともに、外部から押圧されることによる機械的な破壊を防止することにある。
アクリル樹脂の硬化物は、分子内にアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
エポキシ樹脂の硬化物は、分子内にエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーが硬化されたものであれば、公知のいずれの材料でも使用することが可能である。
これらの中でも、基板との接着力が高く、水分や酸素のバリア性に優れるエポキシ樹脂がより好ましく用いられる。その結果、出力が高く、安定性に優れる本発明の光電変換素子の耐久性を更に高めることが可能になる。
エポキシ樹脂としては、例えば、水分散型、無溶剤型、固体型、熱硬化型、硬化剤混合型、紫外線硬化型などが挙げられるが、これらの中でも、熱硬化型、紫外線硬化型が好ましく、紫外線硬化型がより好ましい。なお、紫外線硬化型であっても加熱されてもよい。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルアミン型、グリシジルエ−テル型、グリシジルエステル型などが挙げられるが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン系硬化剤は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラ及びヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、イミダゾール類、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填材としては、外部環境下の水分や酸素の浸入を抑制する上で有効であるほか、硬化時の体積収縮の低減、硬化時あるいは加熱時のガスの発生量の低減、機械的強度の向上、熱伝導性や流動性の制御等の効果を得ることができ、本発明においても様々な環境でも安定した出力を維持する上で非常に有効である。
光電変換素子の出力特性や耐久性は、外部環境から光電変換素子内部に侵入する水分や酸素の影響だけでなく、封止部材の硬化時、及び加熱時に発生するガスによる影響を無視することができない。特に、加熱時に発生するガスの影響は、高温環境下で使用する場合にも出力特性に大きな影響を及ぼす。
この場合、封止部材に充填材やギャップ剤、乾燥剤を含有させることにより、これら自身が水分や酸素の浸入を抑制できるほか、封止部材の使用量を低減できることにより、ガスの発生を低減させる効果を得ることができる。これは、硬化時だけでなく、前記光電変換素子を高温環境で使用する際にも有効である。
充填材の平均一次粒径としては、0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。充填材の平均一次粒径が0.1μm以上10μm以下であることにより、水分や酸素の侵入を抑制する効果を十分に得ることができ、粘度が適正となり、基板との密着性や脱泡性の向上、あるいは封止部の幅の制御や作業性に対しても有効である。
充填材の含有量としては、封止部材全量に対して、10質量部以上90質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましい。充填材の含有量が10質量部以上90質量部以下であると、水分や酸素の浸入抑制効果が十分に得られ、粘度も適正となり、密着性や作業性も良好となる。
ギャップ剤としては、粒状でかつ粒径が均一であり、耐溶剤性や耐熱性が高いものであれば、公知の材料を使用できる。粒子形状に特に制限はないが、球形であるものが好ましい。具体的には、ガラスビーズ、シリカ微粒子、有機樹脂微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ギャップ剤の粒径としては、設定する封止部のギャップに合わせて選択可能であるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
熱重合開始剤は、加熱によってラジカルカチオンなどの活性種を発生する化合物で、具体的には2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物等が用いられる。
熱カチオン重合開始剤としてはベンゼンスルホン酸エステルやアルキルスルホニウム塩等が用いられる。
一方、光重合開始剤は、エポキシ樹脂の場合、光カチオン重合開始剤が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を混合し、光照射を行うと光カチオン重合開始剤が分解して、強酸を発生し、酸がエポキシ樹脂の重合を引き起こし、硬化反応が進行する。前記光カチオン重合開始剤は、硬化時の体積収縮が少なく、酸素阻害を受けず、貯蔵安定性が高いといった効果を有する。
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタセロン化合物、シラノール・アルミニウム錯体等が挙げられる。また、光を照射することにより酸を発生する機能を有する光酸発生剤も使用できる。
光酸発生剤は、カチオン重合を開始する酸として作用し、例えば、カチオン部とアニオン部からなるイオン性のスルホニウム塩系やヨードニウム塩系などのオニウム塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量としては、封止部材全量に対し、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.5質量部以上10質量部以下であると、硬化が適正に進み、未硬化物の残存を低減することができ、ガスの発生量が過剰になるのを防止でき、有効である。
乾燥剤としては、粒子状であるものが好ましく、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライトなどの無機吸水材料が挙げられる。これらの中でも、吸湿量が多いゼオライトが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7)やDBN(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5)等の三級アミンあるいは三級アミン塩、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ−ト等のホスフィンあるいはホスホニウム塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の前記市販品としては、例えば、商品名:TB3118、TB3114、TB3124、TB3125F(以上、スリーボンド社製)、WorldRock5910、WorldRock5920、WorldRock8723(以上、協立化学産業株式会社製)、WB90US(P)(以上、モレスコ社製)などが挙げられる。
アクリル樹脂の前記市販品としては、例えば、商品名:TB3035B、TB3035C(以上、スリーボンド社製)、NICHIBAN UM(以上、ニチバン株式会社製)などが挙げられる。
これらの封止部材は、紫外線の照射等で硬化させた後に、熱処理を行うことが可能であり、本発明においては有効である。熱処理を行うことによって、未硬化成分の量を低減させることが可能な場合があり、出力特性に影響するアウトガス量の低減や、封止性能が高まり、出力特性及びその持続性を高める上で有効である。
熱処理温度は、特に制限されるものではなく、用いる封止部材に合わせて自由に設定できるが、50℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましく、70℃以上100℃以下がさらに好ましい。熱処理時間については、特に制限されるものではなく、用いる封止部材に合わせて自由に設定できるが、10分以上10時間以下が好ましく、20分以上5時間以下がより好ましく、30分以上3時間以下がさらに好ましい。
一方、低融点ガラス樹脂は、樹脂塗布後に焼成を行うことにより、樹脂成分を分解させた後、赤外線レーザ等により溶融させながら、ガラス基板と密着させて封止を行う。この時、低融点ガラス成分は金属酸化物層の内部に拡散し、物理的に接合されることで、高い封止性能を得ることができる。また、樹脂成分が消失していることで、紫外線硬化樹脂のようにアウトガスが発生しないため、光電変換素子の高耐久化に対し有効である。一般に、ガラスフリット、あるいはガラスペーストとして市販されており、これらを有効に使用することができる。本発明においては、より低融点のものが好ましい。
シート状封止材とは、シート上に予め樹脂層を形成したもので、シートはガラスやガスバリア性の高いフィルム等が用いられ、本発明における第2の基板に該当する。シート状封止材を、光電変換素子の第2の電極の上に貼り付け、その後硬化させることにより、封止部材及び基板を一度に形成することができる。シート上に形成する樹脂層が全面に形成されていれば、「面封止」になるが、樹脂層の形成パターンにより、光電変換素子の内部に中空部を設けた「枠封止」にすることもできる。
封止部材の位置としては、少なくともホール輸送層、好ましくは前記輸送層、ホール輸送層、及び第2の電極を光電変換素子の外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明においては封止内部の適正な酸素量を調整できる点で、中空部を有する「枠封止」の方がより好ましい。
前記中空部の酸素濃度は、酸素濃度を調整したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の調整は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記中空部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API−MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子を不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI−MSで定量分析することにより、中空部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
酸素以外のガスとしては、不活性ガスが好ましく、窒素やアルゴンなどが挙げられる。
封止を行う際、グローブボックス内は酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、特に制限されるものではないが、0℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。下限としては、−50℃以上が好ましい。
また、第2の電極と封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
図1は、第1の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。図1の第1の実施形態に係る光電変換素子110は、第1の基板101上に第1の電極102が形成され、第1の電極102上には電子輸送層103が形成され、電子輸送層103を構成する電子輸送材料(多孔質TiO2)の表面に光増感化合物としての色素が吸着される。電子輸送層103の上部及び内部にはホール輸送層104が形成され、ホール輸送層104の上に第2の電極としての電荷捕集層105が形成される。図示を省略しているが、第2の電極としての電荷捕集層105の上方には第2の基板が配置され、第2の基板は第1の基板101との間で封止部材によって封止される。
図1に示される光電変換素子110は、第2の電極としての電荷捕集層105が、導電性ナノワイヤを含み、該導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含んでいるので、導電性ナノワイヤは導電性ポリマーで被覆され、かつ埋設されているので、第2の電極からの導電性ナノワイヤの剥がれを防止でき、優れた光耐久性を有している。
なお、図示しないが、第1の電極102及び第2の電極としての電荷捕集層105は、各々電極取出し端子まで導通する経路を有することができる。
図2は、第2の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。
図2の第2の実施形態に係る光電変換素子111は、第2の電極としての電荷捕集層105において導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている以外は、第1の実施形態と同様である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態に係る光電変換素子は、電荷捕集層において導電性ポリマーの含有量が少なく、導電性に優れた導電性ナノワイヤの含有割合が多いので、より高い導電性を実現でき、高出力が図れる。
図3は、比較実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。
この図3の比較実施形態に係る光電変換素子112は、第2の電極としての電荷捕集層105において、導電性ナノワイヤが導電性ポリマーで被覆されておらず、導電性ナノワイヤからなる層と、導電性ポリマーからなる層とに分離している以外は、第1の実施形態と同様である。なお、比較実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
比較実施形態に係る光電変換素子は、電荷捕集層において導電性ナノワイヤの成膜が不良であり、電荷捕集層を十分に機能するように形成できなかった。
本発明の電子機器は、本発明の光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換モジュールと、電源IC(Integrated Circuit)と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
図5に示すように、光電変換モジュールと電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図6に示すように、光電変換モジュール及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換モジュールの光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
図7に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図8に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図9に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
図10に示すように、光電変換モジュールの光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO2、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図11に示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT(Internet of Things)社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換モジュールは、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
図11に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換モジュールを用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
本発明の光電変換モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
しかし、光電変換モジュールの光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図14に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
更に、図16に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換モジュールの光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図15及び図16に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
<光電変換素子の作製>
第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのインジウムドープ酸化錫(ITO)とニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜した。次いで、ホールブロッキング層として酸化チタンからなる緻密な層を酸素ガスによる反応性スパッタにより形成した。
次に、酸化チタン(ST−21、石原産業株式会社製)3質量部、アセチルアセトン0.2質量部、及び界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.3質量部を、水5.5質量部、エタノール1.0質量部とともに12時間ビ−ズミル処理を施し、得られた酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2質量部を加えてペーストを作製した。
作製したペーストを、前記ホールブロッキング層上に塗布し(平均厚み:約1.2μm)、100℃で乾燥した後、空気中、550℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
前記電子輸送層を形成したガラス基板を、前記B−5で表される光増感化合物、及びアセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)からなる混合溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、その後余分な光増感化合物を除去し、電子輸送層の表面に光増感化合物を吸着させた。
次に、クロロベンゼン1550質量部に、リチウム塩としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)(関東化学株式会社製)30質量部、前記C−10で表されるピリジン環構造を有する化合物55質量部、前記D−7で表されるホール輸送材料(メルク株式会社製)273質量部、酸化剤としての前記F−11で表されるコバルト錯体(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)26質量部、アセトニトリル(関東化学株式会社製)80質量部を加えて溶解し、ホール輸送層用塗布液を調製した。
次に、前記光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、前記ホール輸送層用塗布液を用い、ダイコートにより、ホール輸送層を形成した(平均厚み:約500nm)。その後、ガラス基板の外縁部に塗布されたホール輸送層を除去し、ホール輸送層の上に銀を真空蒸着し、第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した。
次に、ホール輸送層を除去したガラス基板の外縁部に、発電領域を取り囲むように、封止部材としての紫外線硬化樹脂(World Rock No.5910、協立化学産業株式会社製)をディスペンサー(2300N、株式会社サンエイテック製)を用いて塗布した。その後、高純度エアー(露点:−50℃)を導入したグローブボックス内に移し、紫外線硬化樹脂の上に第2の基板としてのカバーガラスを載せ、紫外線照射により樹脂を硬化させ、発電領域の封止を行い、最後に80℃で1時間熱処理を行って、参考例1の光電変換素子を作製した。
参考例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)中の体積比に変更し、以下のようにして、第2の電極を形成した以外は、参考例1と同様にして、図1に示す層構成の実施例1の光電変換素子を作製した。実施例1の第2の電極表面のSEM写真を図4に示す。
<第2の電極(電荷捕集層)の作製方法>
直径60nm、長さ10μmの銀ナノワイヤ1分散液(アルドリッチ社製)をダイコートにより70nm製膜し、120℃で5分加熱乾燥した。その後、エメラルジン塩基ポリアニリン(アルドリッチ社製)をダイコートにより製膜し、100℃で30分加熱乾燥した。
実施例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)中の体積比に変更し、電荷捕集層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
実施例1おいて、導電性ポリマーをPEDOT/PSS(ポリチオフェン、Orgacon S315、アルドリッチ社製)に変更し、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)の体積比に変更し、電荷捕集層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
実施例1において、表1に示す第2の電極(電荷捕集層)の種類に変更し、電荷補修層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。
実施例1において、ホール輸送層の上に導電性ポリマー層を形成し、該導電性ポリマー層上に銀ナノワイヤ層を形成した以外は、実施例1と同様にして、図3に示す層構成の比較例3の光電変換素子を作製した。
同一製膜条件でガラス基板上に塗布した第2の電極層は、紫外可視分光光度計(UV−2600/2700、株式会社島津製作所製)にて、透過率を測定した。
作製した各光電変換素子について、200 luxに調整した東芝社製白色LED(5000K)照射下で、太陽電池評価システム(As−510−PV03、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm2)を求めた。
次に、前記光電変換素子を8000 luxに調整した白色LED照射下で1000時間照射し、再度200 luxに調整した白色LED照射下で、IV特性を評価し、試験後の最大出力電力Pmax2(μW/cm2)を求めた。
最後に、試験後の最大出力電力Pmax2(μW/cm2)を、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm2)で除することにより、耐久性試験後のPmax維持率(Pmax2/Pmax1×100)を求めた。
<1> 第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、
前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有することを特徴とする光電変換素子である。
<2> 前記導電性ナノワイヤは銀ナノワイヤである、前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記電荷捕集層において、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている、前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記第2の電極が透光性を有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記電荷捕集層における前記導電性ナノワイヤと、電荷捕集層における前記導電性ポリマーの体積比は、1:1〜1:4である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記電子輸送層が多孔質状の酸化チタン粒子を含む、前記<1>から<5>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<7> 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュールである。
<9> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
を有することを特徴とする電子機器である。
<10> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力を蓄電する蓄電池と、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力及び/又は前記蓄電池に蓄電された電力によって動作する装置を有することを特徴とする電子機器である。
<11> 前記<8>に記載の光電変換モジュールと、
電源ICと、
を有することを特徴とする電源モジュールである。
102 第1の電極
103 電子輸送層
104 ホール輸送層
105 電荷捕集層(第2の電極)
110 光電変換素子
111 光電変換素子
112 光電変換素子
Claims (11)
- 第1の電極と、該第1の電極上に形成された電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを有する光電変換素子であって、
前記第2の電極は、導電性ナノワイヤを含み、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤを被覆し、かつ前記ホール輸送層上に積層される導電性ポリマーを含む電荷捕集層を有することを特徴とする光電変換素子。 - 前記導電性ナノワイヤは銀ナノワイヤである、請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記電荷捕集層において、少なくとも一部の前記導電性ナノワイヤが導電性ポリマー中に埋設されている、請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記第2の電極が透光性を有する、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記電荷捕集層における前記導電性ナノワイヤと、電荷捕集層における前記導電性ポリマーの体積比は、1:1〜1:4である、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記電子輸送層が多孔質状の酸化チタン粒子を含む、請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、又はこれらの誘導体を含む、請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子。
- 請求項1から7のいずれかに記載の光電変換素子が直列又は並列に電気的に接続されたことを特徴とする光電変換モジュール。
- 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
を有することを特徴とする電子機器。 - 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力を蓄電する蓄電池と、前記光電変換モジュールが光電変換することによって発生した電力及び/又は前記蓄電池に蓄電された電力によって動作する装置を有することを特徴とする電子機器。 - 請求項8に記載の光電変換モジュールと、
電源ICと、
を有することを特徴とする電源モジュール。
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