JP2021146938A - サイドケース装置、それを備える移動体、サイドケースおよび支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制可能なサイドケース装置、それを備える移動体、サイドケースおよび支持装置を提供する。【解決手段】サイドケース10Lは、移動体の側部に揺動可能に取り付けられ、前方に開口する凹部CVを有する。上下に延びるように移動体に固定される軸部材の周りで回転可能に、回転カバー部材490が設けられる。回転カバー部材490は、凹部CVに挿入される挿入部491を有する。軸部材と回転カバー部材490との間に、ダンパが設けられる。凹部CVに軸部材の軸心に対して直交する断面が定義される。凹部CVの開口端から底部に向かって第1の位置p1、第2の位置p2および第3の位置p3が順に定義される。凹部CVと挿入部491との間の隙間は、第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなり、第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなる。【選択図】図16
Description
本発明は、サイドケース装置、それを備える移動体、サイドケースおよび支持装置に関する。
自動二輪車等の鞍乗型車両においては、荷物の積載可能容量を増加させるために車両の右側部および左側部にそれぞれサイドケースが設けられる場合がある。例えば、特許文献1には、車両後部の右側部および左側部に左右一対のサイドバッグを有する自動二輪車が記載されている。
具体的には、その自動二輪車においては、左右のサイドバッグのバッグ本体の上部がサイドバッグブラケットを介してシートフレームに固定される。また、バッグ本体の前部下側がステッププレートに弾性部材を介して固定され、後部内側がリアフェンダの側面部に弾性部材を介して固定されている。このように、特許文献1に記載された自動二輪車においては、左右のサイドバッグの各々は、そのサイドバッグの3以上の部分が固定された状態で車両本体部に支持されている。
走行中の自動二輪車に発生する振動現象として、車体の左右方向への揺れを伴うウィーブモードが知られている。ウィーブモードは、車体のヨー軸周りの回転振動と車体のロール軸周りの回転振動との組み合わせに起因する振動現象であり、比較的高い速度範囲で発生しやすい。
ウィーブモードの発生のしやすさは、自動二輪車の形状にも依存する。例えば、上記の自動二輪車においては、サイドバッグが取り付けられた状態でウィーブモードが発生する速度は、サイドバッグが取り付けられない状態でウィーブモードが発生する速度に比べて低くなる。そのため、サイドバッグを有する自動二輪車の走行速度は、比較的低い速度範囲に制限される。このように、荷物用のケースに起因するウィーブモードは、自動二輪車に限らず、自動四輪車および船舶等の他の移動体においても発生し得る。
本発明の目的は、荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制可能なサイドケース装置、それを備える移動体、サイドケースおよび支持装置を提供することである。
(1)第1の発明に係るサイドケース装置は、移動体に取り付け可能なサイドケース装置であって、移動体の側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、前方に開口する凹部を有するサイドケースと、上下に延びるように移動体の側部に固定可能に構成された軸部材と、軸部材の周りで回転可能に軸部材に支持され、サイドケースの凹部に挿入される挿入部を有する回転部材と、軸部材と回転部材との間に設けられるダンパとを備え、凹部内に挿入部が挿入された状態で、凹部および挿入部に、軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、断面において凹部の開口端に第1の位置が定義され、第1の位置よりも凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、断面における凹部と挿入部との間の隙間が第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなるように、凹部および挿入部が形成されている。
そのサイドケース装置においては、サイドケースが左右に揺動可能に移動体の側部に取り付けられ、または取り外される。また、上下に延びるように軸部材が移動体に固定される。軸部材には、ダンパを介して回転部材が支持される。回転部材は、軸部材の周りで回転可能となっている。回転部材の挿入部は、サイドケースの凹部に挿入される。挿入部が凹部に挿入された状態で、凹部と挿入部との間には隙間が形成されている。
サイドケースが移動体の左右に揺動すると、挿入部が凹部に挿入された状態で軸部材の軸心を中心としてサイドケースとともに揺動する。それにより、回転部材と軸部材との間で相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、ダンパにより吸収される。したがって、サイドケースの揺動が減衰される。
軸部材の軸心に対して直交する凹部および挿入部の断面において、凹部と挿入部との間の隙間は、第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなる。この場合、上記の断面において凹部内で第2の位置を中心とする挿入部の回転が許容されるので、挿入部が揺動する際に第2の位置において凹部と挿入部との間の接触状態が維持されやすい。それにより、サイドケースの揺動時に、凹部と挿入部との間の接触および離間が頻繁に繰り返されることが抑制され、凹部と挿入部との間に発生する衝撃が緩和される。したがって、凹部および挿入部の劣化が抑制されるとともに、サイドケースの揺動が円滑に減衰される。
これらの結果、荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制可能な移動体が実現される。
(2)凹部は、凹部内に挿入部が挿入された状態で断面において回転部材の挿入部を挟んで対向する第1および第2の内面を有し、断面において第1の内面と第2の内面との間の距離が第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなるように、凹部が形成されてもよい。
この場合、凹部および挿入部の断面において、凹部内に挿入部が挿入された状態で凹部の開口端から底部に向く方向に一定幅で延びるように挿入部を形成することができる。それにより、回転部材の構成が単純化する。
(3)挿入部は、凹部内に挿入部が挿入された状態で凹部内で第1および第2の内面にそれぞれ対向する第1および第2の外面を有し、凹部および挿入部は、サイドケースが移動体に対して予め定められた姿勢にあるときに第1および第2の内面のうち少なくとも一方と第1および第2の外面のうち少なくとも一方とが線接触するように形成されてもよい。
この場合、サイドケースが移動体に対して予め定められた姿勢にあるときに、第1および第2の内面のうち少なくとも一方と第1および第2の外面のうち少なくとも一方とが線接触する。それにより、サイドケースが移動体に対して予め定められた姿勢にあるときのサイドケースの支持状態が安定化する。
(4)サイドケースの凹部の第1および第2の内面は、弾性体により形成され、挿入部は、金属により形成されてもよい。この場合、弾性体で形成された第1および第2の内面の間に、金属により形成された挿入部が挿入される。それにより、凹部内に挿入部が挿入された状態でサイドケースが移動体の左右に揺動する際に、凹部と挿入部との間に発生する衝撃が低減される。また、挿入部が金属により形成されているので、回転部材においてサイドケースを支持するために必要な強度が確保される。
(5)サイドケース装置は、ダンパと回転部材とを連結する連結部材をさらに備え、回転部材は、連結部材に着脱可能に構成されてもよい。それにより、回転部材の挿入部が劣化した場合に回転部材を容易に交換することができる。
(6)連結部材は、軸部材に対する回転部材の回転を予め定められた角度範囲に規制する回転規制部を有してもよい。
この場合、ダンパに過剰な回転力が作用することが防止され、ダンパの劣化を抑制することができる。
(7)凹部の底部は、凹部内に挿入部が挿入された状態で挿入部の先端が嵌め込まれることが可能に構成され、挿入部の先端が凹部の底部に嵌め込まれた状態で回転部材とサイドケースとの間の相対的な移動が規制されてもよい。
上記の構成によれば、挿入部の先端が凹部の底部に嵌め込まれる場合に、サイドケースが移動体の側部にリジッドに固定される。
(8)ダンパは、軸部材が挿入される内筒と、内筒の外周面を取り囲むように設けられるゴムブッシュと、ゴムブッシュを取り囲むように設けられるとともに回転部材に固定される外筒とを含んでもよい。それにより、簡単な構成でサイドケースの回転を減衰させることができる。
(9)第2の発明に係る移動体は、上記のサイドケース装置を備える。それにより、その移動体においては、荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制することが可能である。したがって、その移動体は、ウィーブモードに起因する走行速度の制限を受けない。
(10)第3の発明に係るサイドケースは、支持装置を用いて移動体に取り付け可能なサイドケースであって、支持装置は、上下に延びるように移動体の側部に固定可能に構成された軸部材と、軸部材の周りで回転可能に軸部材に支持され、挿入部を有する回転部材と、軸部材と回転部材との間に設けられるダンパとを備え、サイドケースは、移動体の側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、前方に開口するとともに挿入部が挿入される凹部を有するケース本体部を備え、凹部内に挿入部が挿入された状態で、凹部および挿入部に、軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、断面において凹部の開口端に第1の位置が定義され、第1の位置よりも凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、断面における凹部と挿入部との間の隙間が第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなるように、凹部が形成されている。
そのサイドケースにおいては、ケース本体部が支持装置を用いて左右に揺動可能に移動体の側部に取り付けられる。ケース本体部の凹部には、回転部材の挿入部が挿入される。挿入部が凹部に挿入された状態で、凹部と挿入部との間には隙間が形成されている。
サイドケースが移動体の左右に揺動すると、挿入部が凹部に挿入された状態で軸部材の軸心を中心としてケース本体部とともに揺動する。それにより、回転部材と軸部材との間で相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、ダンパにより吸収される。したがって、サイドケースの揺動が減衰される。
軸部材の軸心に対して直交する凹部および挿入部の断面において、凹部と挿入部との間の隙間は、第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなる。この場合、上記の断面において凹部内で第2の位置を中心とする挿入部の回転が許容されるので、挿入部が揺動する際に第2の位置において凹部と挿入部との間の接触状態が維持されやすい。
それにより、サイドケースの揺動時に、凹部と挿入部との間の接触および離間が頻繁に繰り返されることが抑制され、凹部と挿入部との間に発生する衝撃が緩和される。したがって、凹部の劣化が抑制されるとともに、サイドケースの揺動が円滑に減衰される。
これらの結果、荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制可能な移動体が実現される。
(11)第4の発明に係る支持装置は、サイドケースを移動体に取り付けるために用いられる支持装置であって、サイドケースは、移動体の側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、移動体の側部に取り付けられた状態で前方に開口する凹部を有し、支持装置は、上下に延びるように移動体の側部に固定可能に構成された軸部材と、軸部材の周りで回転可能に軸部材に支持され、サイドケースの凹部に挿入される挿入部を有する回転部材と、軸部材と回転部材との間に設けられるダンパとを備え、凹部内に挿入部が挿入された状態で、凹部および挿入部に、軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、断面において凹部の開口端に第1の位置が定義され、第1の位置よりも凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、断面における凹部と挿入部との間の隙間が第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなるように、挿入部が形成されている。
その支持装置においては、上下に延びるように軸部材が移動体に固定される。軸部材には、ダンパを介して回転部材が支持される。この状態で、回転部材は、軸部材の周りで回転可能となっている。回転部材の挿入部は、サイドケースの凹部に挿入される。挿入部が凹部に挿入された状態で、凹部と挿入部との間には隙間が形成されている。
サイドケースが移動体の左右に揺動すると、挿入部が凹部に挿入された状態で軸部材の軸心を中心としてサイドケースとともに揺動する。それにより、回転部材と軸部材との間で相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、ダンパにより吸収される。したがって、サイドケースの揺動が減衰される。
軸部材の軸心に対して直交する凹部および挿入部の断面において、凹部と挿入部との間の隙間は、第1の位置から第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置から第3の位置にかけて漸次大きくなる。この場合、上記の断面において凹部内で第2の位置を中心とする挿入部の回転が許容されるので、挿入部が揺動する際に第2の位置において凹部と挿入部との間の接触状態が維持されやすい。
それにより、ケース本体部の揺動時に、凹部と挿入部との間の接触および離間が頻繁に繰り返されることが抑制され、凹部と挿入部との間に発生する衝撃が緩和される。したがって、挿入部の劣化が抑制されるとともに、サイドケースの揺動が円滑に減衰される。
これらの結果、荷物の積載可能容量を増加させつつウィーブモードの発生を抑制可能な移動体が実現される。
本発明によれば、移動体の荷物の積載可能容量を増加させつつ移動体のウィーブモードの発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係るサイドケース装置、それを備える移動体、サイドケースおよび支持装置について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、移動体の一例として自動二輪車を説明する。
[1]自動二輪車の概略構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。図1では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の各図では、自動二輪車100の前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDが適宜矢印で示される。前後方向FBにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、左右方向LRにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。さらに、上下方向UDにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。また、図1以降の各図においては、前方、後方、左方、右方、上方および下方が、符号F,B,L,R,U,Dによりそれぞれ示される。
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。図1では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の各図では、自動二輪車100の前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDが適宜矢印で示される。前後方向FBにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、左右方向LRにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。さらに、上下方向UDにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。また、図1以降の各図においては、前方、後方、左方、右方、上方および下方が、符号F,B,L,R,U,Dによりそれぞれ示される。
図1に示すように、自動二輪車100は金属製の車体フレーム1を備える。車体フレーム1は、前後方向FBに延び、メインフレーム1Mおよびサブフレーム1Sを含む。メインフレーム1Mの前端はヘッドパイプHPを構成する。メインフレーム1Mは、ヘッドパイプHPから後方かつ下方に向かって延びるように形成されている。サブフレーム1Sは、メインフレーム1Mの後端部およびその後端部近傍から後方かつやや上方に向かって延びるように、メインフレーム1Mに取り付けられている。
ヘッドパイプHPには、フロントフォーク2が左右方向LRに揺動可能に設けられている。フロントフォーク2の下端に前輪3が回転可能に支持されている。フロントフォーク2の上端には、ハンドル4が設けられている。
メインフレーム1Mは、ヘッドパイプHPよりも下方かつ後方の位置でエンジン5を支持する。エンジン5の上方に燃料タンク8が設けられている。燃料タンク8の後方には、シート9が設けられている。燃料タンク8は、メインフレーム1Mにより支持され、メインフレーム1Mの上方に位置する。シート9は、主としてサブフレーム1Sにより支持され、サブフレーム1Sの上方に位置する。本例のシート9は、2人の乗員の2つの着座部が一体成形されたタンデムシートである。自動二輪車100を操作する乗員は、シート9の前半部に座ることができる。自動二輪車100を操作しない乗員は、シート9の後半部に座ることができる。
メインフレーム1Mの後端下部から後方に延びるように、リアアーム6が設けられている。リアアーム6は、ピボット軸PVおよび図示しないリアサスペンションによりメインフレーム1Mに支持されている。リアアーム6の後端に後輪7が回転可能に支持されている。後輪7は、駆動輪としてエンジン5から発生される動力により回転する。
自動二輪車100の後端部かつ左右両側部には、左右一対のサイドケース装置900L,900R(図2)が取り付けられている。図1では、左のサイドケース装置900Lのみが示される。各サイドケース装置900L,900Rは、主としてサイドケース10L,10R(図2)、回転支持機構20L,20R(図2)および支持装置30L,30R(図2)から構成される。各サイドケース10L,10Rの一部分(上部)は、車両側面視でサブフレーム1Sの一部に重なる。さらに、各サイドケース10L,10Rの他の部分(下部)は、車両側面視で後輪7の一部に重なる。
左右のサイドケース10L,10Rは、左右の回転支持機構20L,20Rおよび左右の支持装置30L,30Rを用いてサブフレーム1Sに取り付けられる。図2は、サブフレーム1Sに対する左右のサイドケース10L,10Rの取付状態を示す自動二輪車100の模式的平面図である。図2では、自動二輪車100の外形のうち左右のサイドケース装置900L,900Rを除く部分が二点鎖線で示される。
図2に示すように、サブフレーム1Sは、左右一対の上部レール91およびクロス部材92を含む。左右の上部レール91は、車両平面視で前後方向FBに延びるとともに左右方向LRに並ぶように設けられている。クロス部材92は、左右の上部レール91の後端部を連結している。
サブフレーム1Sには、左右のサイドケース装置900L,900Rの回転支持機構20L,20Rが設けられている。また、サブフレーム1Sには、左右のサイドケース装置900L,900Rの支持装置30L,30Rが設けられている。図2では、左右のサイドケース10L,10Rが太い実線により模式的に示される。また、左右の回転支持機構20L,20Rおよび左右の支持装置30L,30Rが太い点線により模式的に示される。
左のサイドケース10Lは左の回転支持機構20Lにより左の上部レール91に取り付けられる。左の支持装置30Lは、後述する左の下部レール93(図3)に固定され、左のサイドケース10Lの前端下部を支持する。
右のサイドケース10Rは右の回転支持機構20Rにより右の上部レール91に取り付けられる。右の支持装置30Rは、後述する右の下部レール93(図4)に固定され、右のサイドケース10Rの前端下部を支持する。
左右のサイドケース装置900L,900Rは、自動二輪車100の中心を通って前後方向FBに延びる車両中心線CLを含む鉛直面(以下、中心鉛直面と呼ぶ。)を基準として基本的に対称な構造を有する。すなわち、左右のサイドケース10L,10Rは中心鉛直面を基準として基本的に対称な構造を有する。また、左右の回転支持機構20L,20Rは、中心鉛直面を基準として基本的に対称な構造を有する。さらに、左右の支持装置30L,30Rは中心鉛直面を基準として基本的に対称な構造を有する。以下、左右の回転支持機構20L,20Rおよび左右の支持装置30L,30Rについて説明する。
[2]回転支持機構20L,20Rおよび支持装置30L,30Rの概要
図3は、主としてサブフレーム1Sに対する左のサイドケース10Lの取付状態を示す外観斜視図である。図3に示すように、サブフレーム1Sは、図2の左右の上部レール91およびクロス部材92に加えて、左右一対の下部レール93を含む。
図3は、主としてサブフレーム1Sに対する左のサイドケース10Lの取付状態を示す外観斜視図である。図3に示すように、サブフレーム1Sは、図2の左右の上部レール91およびクロス部材92に加えて、左右一対の下部レール93を含む。
左の下部レール93は、左の上部レール91の後端部近傍の下部から前方かつ斜め下方に向かって延びるように設けられている。右の下部レール93は、右の上部レール91の後端部近傍の下部から前方かつ斜め下方に向かって延びるように設けられている。左右の下部レール93の前端部は、図1のメインフレーム1Mの後端部に接続されている。
左の上部レール91の後端部近傍の上部には、回転支持機構20Lを支持するための2つの支持部材70,80が前後方向FBに間隔をおいて並ぶように設けられている。支持部材70,80の各々は、例えば所定形状に切り抜かれた板金を折り曲げ加工することにより作製され、溶接により上部レール91に接合されている。2つの支持部材70,80の間に左の回転支持機構20Lが設けられる。
左のサイドケース10Lは、ケース本体部CMLに2つの取付部11,12および被支持部13が形成された構成を有する。それらの2つの取付部11,12は、ケース本体部CMLの右側部のうち上端近傍部分に、間隔をおいて前後方向FBに並ぶように形成されている。左の回転支持機構20Lは、左のサイドケース10Lの2つの取付部11,12を取り付け可能かつ取り外し可能に構成されている。左の回転支持機構20Lは、サイドケース10Lの2つの取付部11,12が取り付けられた状態で、左の上部レール91の中心軸に平行に延びる第1の軸AX1の周りで回転可能に左のサイドケース10Lを支持する。
左の下部レール93の一部には、後方かつ斜め下方に向かって延びるように2つの支持部材40L,50Lが取り付けられている。支持部材40Lは支持部材50Lよりも外方(本例では、左方)に位置し、支持部材40L,50Lの大部分は左右方向LRにおいて互いに重なり合う。なお、2つの支持部材40L,50Lは、互いに接触した状態で設けられてもよいし、互いに離間した状態で設けられてもよい。あるいは、支持部材40L,50Lは、単一部材で一体成形されてもよい。
支持部材40Lの下端部には、フットレスト41Lが折り畳み可能に設けられている。図3に太い点線の矢印で示すように、畳まれた状態にあるフットレスト41Lが展開される。それにより、自動二輪車100を操作しない乗員は、シート9の後半部に着座した状態で、展開されたフットレスト41L上に左足を乗せることができる。
支持部材50Lの下端部は、回転支持機構20Lに取り付けられたサイドケース10Lの下端部の前方に位置する。支持部材50Lの下端部には、支持装置30Lが取り付けられている。支持装置30Lは、回転カバー部材490を含む。支持装置30Lの回転カバー部材490は、上記の第1の軸AX1の方向に交差する第3の軸AX3の周りで回転可能に設けられる。本実施の形態では、第3の軸AX3は、上下方向UDに延びる。また、回転カバー部材490は、車両側面視および車両平面視で少なくとも前後方向FBに延びる。なお、図3では、第3の軸AX3に沿って延びるように設けられるボルトBT3が点線で示される。このボルトBT3は、本発明の軸部材の例である。ボルトBT3については後述する。
サイドケース10Lの前端下部には、被支持部13が形成されている。その被支持部13は、前方および下方に開口する凹部CVを有する。サイドケース10Lの凹部CVは、支持装置30Lの回転カバー部材490の後端部を前方から挿入可能に形成されている。なお、凹部CVは、下方に開口していなくてもよい。
支持装置30Lは、回転カバー部材490の後端部がサイドケース10Lの被支持部13に挿入された状態でサイドケース10Lが第1の軸AX1を基準として回転(揺動)する場合に、そのサイドケース10Lの回転を減衰させる。
上記のように、左右のサイドケース10L,10R、左右の回転支持機構20L,20Rおよび左右の支持装置30L,30Rは、それぞれ中心鉛直面を基準として基本的に対称な構造を有する。したがって、サブフレーム1Sに対する右のサイドケース10Rの取付状態は、図3のサブフレーム1Sに対する左のサイドケース10Lの取付状態を中心鉛直面で反転した状態に等しい。
図4は、主としてサブフレーム1Sに対する右のサイドケース10Rの取付状態を示す外観斜視図である。右の上部レール91の後端部近傍の上部には、左の上部レール91の例と同様に、右の回転支持機構20Rを支持するための2つの支持部材70,80が前後方向FBに間隔をおいて並ぶように設けられている。2つの支持部材70,80の間に右の回転支持機構20Rが設けられる。
右のサイドケース10Rは、ケース本体部CMRに2つの取付部11,12および被支持部13が形成された構成を有する。それらの2つの取付部11,12は、ケース本体部CMRの左側部のうち上端近傍部分に、間隔をおいて前後方向FBに並ぶように形成されている。右の回転支持機構20Rは、右のサイドケース10Rの2つの取付部11,12を取り付け可能かつ取り外し可能に構成されている。右の回転支持機構20Rは、サイドケース10Rの2つの取付部11,12が取り付けられた状態で、右の上部レール91の中心軸に平行に延びる第2の軸AX2の周りで回転可能に右のサイドケース10Rを支持する。
右の下部レール93の一部には、後方かつ斜め下方に向かって延びるように2つの支持部材40R,50Rが取り付けられている。2つの支持部材40R,50Rは、図3の2つの支持部材40L,50Lに対応する。
支持部材40Rの下端部には、フットレスト41Rが折り畳み可能に設けられている。図4に太い点線の矢印で示すように、畳まれた状態にあるフットレスト41Rが展開される。それにより、自動二輪車100を操作しない乗員は、シート9の後半部に着座した状態で、展開されたフットレスト41R上に右足を乗せることができる。
支持部材50Rの下端部は、回転支持機構20Rに取り付けられたサイドケース10Rの下端部の前方に位置する。支持部材50Rの下端部には、支持装置30Rが取り付けられている。支持装置30Rは、回転カバー部材490を含む。支持装置30Rの回転カバー部材490は、上記の第2の軸AX2の方向に交差する第4の軸AX4の周りで回転可能に設けられる。本実施の形態では、第4の軸AX4は、上下方向UDに延びる。なお、図4では、図3の例と同様に、第4の軸AX4に沿って延びるように設けられるボルトBT3が点線で示される。このボルトBT3は、本発明の軸部材の例である。ボルトBT3については後述する。
サイドケース10Rの前端下部には、サイドケース10Lと同様に、凹部CVを有する被支持部13が形成されている。サイドケース10Rの凹部CVは、支持装置30Rの回転カバー部材490の後端部を前方から挿入可能に形成されている。支持装置30Rは、回転カバー部材490の後端部がサイドケース10Rの被支持部13に挿入された状態でサイドケース10Rが第2の軸AX2を基準として回転(揺動)する場合に、そのサイドケース10Rの回転を減衰させる。
[3]回転支持機構20L,20Rおよびその周辺部材の詳細
回転支持機構20L,20Rのうち、代表して左の回転支持機構20Lおよびその周辺部材の構造の詳細について説明する。図5は、左の回転支持機構20Lを左の上部レール91に支持するための支持部材70,80の構成を示す外観斜視図である。
回転支持機構20L,20Rのうち、代表して左の回転支持機構20Lおよびその周辺部材の構造の詳細について説明する。図5は、左の回転支持機構20Lを左の上部レール91に支持するための支持部材70,80の構成を示す外観斜視図である。
図5に示すように、一方の支持部材70は、他方の支持部材80の前方に設けられ、接合部71、軸支持部72および回転規制部74を含む。接合部71は、溶接により上部レール91に接合される。軸支持部72は、接合部71が上部レール91に接合された状態で、上部レール91の左方に一定距離突出している。軸支持部72の中央には、前後方向FBに貫通する貫通孔73が形成されている。軸支持部72の下端部には、回転規制部74が形成されている。回転規制部74は、軸支持部72の下端部から下方に延び、さらに後方に向かって屈曲している。
他方の支持部材80は、接合部81、軸支持部82および回転規制部84,85を含む。接合部81は、溶接により上部レール91に接合される。軸支持部82は、接合部81が上部レール91に接合された状態で、上部レール91の左方に一定距離突出している。軸支持部82の中央には、前後方向FBに貫通する貫通孔83が形成されている。軸支持部82の下端部には、回転規制部84が形成されている。回転規制部84は、軸支持部82の下端部から下方に延び、さらに前方に向かって屈曲している。また、軸支持部82の左端部には、回転規制部85が形成されている。回転規制部85は、軸支持部82の左端部からさらに左方に向かって一定距離延びている。支持部材70に形成される貫通孔73の中心と支持部材80に形成される貫通孔83の中心とを結ぶ直線は、図3の第1の軸AX1に一致する。
図6は図5の2つの支持部材70,80の間に取り付けられる左の回転支持機構20Lを左斜め上方の位置から見た外観斜視図であり、図7は図6の回転支持機構20Lを右斜め下方の位置から見た外観斜視図である。図8は、図6の上部レール91および回転支持機構20Lを左右の上部レール91の中心軸を含む面で切断した場合の断面図である。
図6および図7に示すように、回転支持機構20Lは、回転部材200、ボルトBT1およびナットNT1を有する。回転部材200は、筒部210および支持部220を含む。筒部210は、所定長さ一方向に延びる管形状を有し、2つの支持部材70,80間に配置される。支持部220は、略角柱形状を有し、筒部210の外周部の周方向における一部分に一体的に設けられ、筒部210の前端から筒部210の後端を超えてさらに後方に一定距離延びるように形成されている。
また、支持部220は、筒部210が支持部材70,80間に配置された状態で、上方を向く上面229を有する。上面229のうち支持部220の前端部近傍に取付孔221が形成されている。また、上面229のうち支持部220の後端部近傍に取付孔222が形成されている。図6の取付孔221,222は、サイドケース10Lの2つの取付部11,12(図3)を取り付け可能かつ取り外し可能に形成されている。
図8に示すように、筒部210の両端部には、その筒部210の内部に2つの内外筒ダンパ301が設けられている。さらに、筒部210の内部空間における2つの内外筒ダンパ301の間には、カラー部材CL1が設けられている。各内外筒ダンパ301は、内筒311、ゴムブッシュ312および外筒313を含む。ゴムブッシュ312は内筒311の外周面を取り囲むように設けられ、外筒313はゴムブッシュ312の外周面を取り囲むように設けられている。内筒311および外筒313は、例えば金属により形成されている。ゴムブッシュ312は、内筒311の外周面および外筒313の内周面にそれぞれ焼き付けられている。それにより、内筒311の外周面と外筒313の内周面とがゴムブッシュ312を介して接着されている。外筒313の外周面は、かしめ加工または溶接等により筒部210の内周面に固定されている。
左の上部レール91への回転支持機構20Lの取付時には、筒部210が支持部材70の軸支持部72と支持部材80の軸支持部82との間に配置される。また、ボルトBT1が、支持部材80の後方から貫通孔83を通して筒部210および支持部材70の貫通孔73に挿入される。ボルトBT1は、支持部材70,80間の距離よりも大きい長さを有する。それにより、筒部210の内部空間においては、ボルトBT1は2つの内筒311およびカラー部材CL1の内部に位置する。この状態で、支持部材70の前方に突出するボルトBT1の先端部にナットNT1が取り付けられる。それにより、ボルトBT1の頭部とナットNT1との間に位置する各種部材が圧縮され、ボルトBT1、支持部材70,80、カラー部材CL1および2つの内筒311が一体的に固定される。一方、筒部210に固定された2つの外筒313は、2つのゴムブッシュ312を挟んで2つの内筒311に対して回転可能に支持される。このとき、ボルトBT1の中心軸は、第1の軸AX1に一致する。
このような構成により、回転支持機構20Lに取り付けられたサイドケース10Lが回転(揺動)する際には、回転支持機構20Lの回転部材200が第1の軸AX1の周りで回転する。この場合、ボルトBT1と回転部材200との間には、第1の軸AX1の周りに相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、2つの内外筒ダンパ301のゴムブッシュ312により吸収される。それにより、左のサイドケース10Lの回転(揺動)が減衰される。
なお、図6に示すように、支持部材80の回転規制部85は、回転支持機構20Lが左の上部レール91に取り付けられた状態で、支持部220の上方かつ近傍に位置する。それにより、支持部220が上方に向かって第1の軸AX1の周りで回転する際には、支持部220の上面229が回転規制部85に当接することにより、支持部220の過剰な回転が規制される。
また、図7に示すように、支持部220における筒部210の近傍に位置する部分には、2つの突起部223,224が形成されている。2つの突起部223,224は、支持部220が下方に向かって第1の軸AX1の周りで一定角度以上回転する際に、支持部材70の回転規制部74および支持部材80の回転規制部84にそれぞれ当接するように形成されている。それにより、支持部220が下方に向かって第1の軸AX1の周りで回転する際には、2つの突起部223,224が回転規制部74,84に当接することにより、支持部220の過剰な回転が規制される。したがって、サイドケース10Lが大きく揺れ動くことが防止される。
上記のように、サブフレーム1Sに対する右のサイドケース10Rの取付状態は、図3のサブフレーム1Sに対する左のサイドケース10Lの取付状態を中心鉛直面で反転した状態に等しい。したがって、右のサイドケース10Rが右の回転支持機構20Rに取り付けられる場合には、左のサイドケース10Lの例と同様に、サイドケース10Rの第2の軸AX2の周りの回転が許容される。また、サイドケース10Rの回転(揺動)が回転支持機構20Rにより減衰される。
[4]支持装置30L,30Rおよびその周辺部材の詳細
支持装置30L,30Rのうち、代表して左の支持装置30Lおよびその周辺部材の構造の詳細について、支持部材50Lに対する取付方法とともに説明する。図9は左の支持装置30Lおよびサイドケース10Lを左斜め上方の位置から見た外観斜視図であり、図10は回転カバー部材490を透過して見た図9の支持装置30Lの外観斜視図である。図11は図9の支持装置30Lを左右方向LRに平行かつ図3の第3の軸AX3を含む面で切断した場合の断面図であり、図12は図11のQ−Q線断面図である。図13は支持部材50Lに対する支持装置30Lの取り付け方法の一例を示す外観斜視図である。
支持装置30L,30Rのうち、代表して左の支持装置30Lおよびその周辺部材の構造の詳細について、支持部材50Lに対する取付方法とともに説明する。図9は左の支持装置30Lおよびサイドケース10Lを左斜め上方の位置から見た外観斜視図であり、図10は回転カバー部材490を透過して見た図9の支持装置30Lの外観斜視図である。図11は図9の支持装置30Lを左右方向LRに平行かつ図3の第3の軸AX3を含む面で切断した場合の断面図であり、図12は図11のQ−Q線断面図である。図13は支持部材50Lに対する支持装置30Lの取り付け方法の一例を示す外観斜視図である。
図9および図12では、支持装置30Lとともに、サイドケース10Lの一部が示される。図10では、回転カバー部材490の外形が太い一点鎖線で示される。図12では、図3の回転カバー部材490の断面に代えて、回転カバー部材490の外形が太い一点鎖線で示される。図11の縮尺と図12の縮尺とは互いに異なる。
図3の左の下部レール93に取り付けられる支持部材50Lは、金属製の板部材により形成されている。図9に示すように、支持部材50Lの下部は、左右方向LRに直交するように位置決めされている。支持装置30Lは、支持部材50Lの下端部およびその周辺部のうち左方を向く面51に取り付けられている。
図10〜図12に示すように、支持装置30Lは、主として固定部材60、内外筒ダンパ410、連結部材420、回転カバー部材490、ボルトBT2,BT3,BT4およびナットNT2,NT3から構成される。
固定部材60は、例えば所定形状に切り抜かれた板金を折り曲げ加工することにより作製され、図11に示すように、側壁部61、上壁部62および下壁部63を有する。上壁部62および下壁部63は、側壁部61から同じ方向に折り曲げられることにより、側壁部61に対応する間隔を隔てて互いに対向している。
図13の上段左に示すように、固定部材60の側壁部61は、2つのボルトBT2および2つのナットNT2を用いて支持部材50Lに取り付けられる。それにより、側壁部61は、図11に示すように、支持部材50Lの面51に接触した状態で固定される。また、上壁部62および下壁部63は、側壁部61の上端部および下端部から左方に向かって水平に延び、上下方向UDにおいて互いに対向する。上壁部62および下壁部63の略中央には、貫通孔62h,63hがそれぞれ形成されている。
図13の上段右に示すように、連結部材420は、円筒部材421および帯状部材422を含む。円筒部材421の内部には、内外筒ダンパ410が嵌め込まれる。この状態で、内外筒ダンパ410の外周面(後述する外筒413の外周面)は、かしめ加工または溶接等により円筒部材421の内周面に固定される。
帯状部材422は、帯状の金属板を折り曲げ加工することにより作製され、円筒部材421の外周面の一部に、例えば溶接により接合されている。また、帯状部材422は、連結部材420を円筒部材421の中心軸の方向に見た場合に、円筒部材421の外周面から一方向およびその逆方向にそれぞれ延びる第1の部分422aおよび第2の部分422bを有する。第1の部分422aおよび第2の部分422bの各々は、それらの先端部分が円筒部材421に近づくように屈曲している。第1の部分422aには、2つのねじ孔shが形成されている。第2の部分422bには、1つのねじ孔shが形成されている。
図13の中段に示すように、支持部材50Lに固定された固定部材60の上壁部62と下壁部63との間の空間に、円筒部材421に嵌め込まれた内外筒ダンパ410が挿入される。このとき、内外筒ダンパ410の中心軸が固定部材60の貫通孔62h,63hを通って上下方向UDに延びる直線上に位置するように、内外筒ダンパ410が位置決めされる。
内外筒ダンパ410は、内外筒ダンパ301と基本的に同じ構成を有し、図11に示すように、内筒411、ゴムブッシュ412および外筒413を含む。ゴムブッシュ412は内筒411の外周面を取り囲むように設けられ、外筒413はゴムブッシュ412の外周面を取り囲むように設けられている。内筒411および外筒413は、例えば金属により形成されている。ゴムブッシュ412は、内筒411の外周面および外筒413の内周面にそれぞれ焼き付けられている。それにより、内筒411の外周面と外筒413の内周面とがゴムブッシュ412を介して接着されている。
図13の下段に示すように、上壁部62の貫通孔62h(図11)、内外筒ダンパ410の貫通孔および下壁部63の貫通孔63h(図11)を通るように、ボルトBT3が挿入される。また、ボルトBT3の先端部に、ナットNT3(図11)が取り付けられる。それにより、ボルトBT3の頭部とナットNT3との間に位置する各種部材が圧縮され、図11に示すように、ボルトBT3、上壁部62、下壁部63および内筒411が一体的に固定される。一方、外筒413は、連結部材420とともにゴムブッシュ412を挟んで内筒411に対して回転可能に支持される。このとき、ボルトBT3の中心軸は、第3の軸AX3に一致する。
図13の下段に示すように、回転カバー部材490には、連結部材420の複数(本例では3つ)のねじ孔shにそれぞれ対応する複数(本例では3つ)の貫通孔thが形成されている。複数(本例では3つ)のボルトBT4が回転カバー部材490の複数の貫通孔thを通して連結部材420の複数のねじ孔shに取り付けられる。それにより、内外筒ダンパ410と回転カバー部材490とが、連結部材420により連結される。
回転カバー部材490は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。また、回転カバー部材490は、図10および図11に示すように、連結部材420に取り付けられた状態で固定部材60および連結部材420を上方および左方から覆う。さらに、回転カバー部材490は、図10および図12に示すように、連結部材420および支持部材50Lの後端部よりも後方の位置まで延びている。
図9および図12に示すように、回転カバー部材490の後端部およびその近傍部分は、挿入部491としてサイドケース10Lの被支持部13の凹部CVに挿入される。この状態で、回転カバー部材490の挿入部491とサイドケース10Lの凹部CVとの間には隙間が形成されている。また、本例の挿入部491は、凹部CVに挿入された状態で、左右方向LRおよび前後方向FBにおいて一定の範囲内で遊動可能となっている。それにより、サイドケース装置900Lが回転(揺動)する際には、回転カバー部材490の挿入部491がサイドケース10Lの凹部CV内で左右方向LRに揺動する。この場合、ボルトBT3と回転カバー部材490との間には、図12に太い矢印で示すように、第3の軸AX3の周りに相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、内外筒ダンパ410のゴムブッシュ412により吸収される。それにより、左のサイドケース10Lの回転(揺動)が減衰される。なお、被支持部13は、被挿入部材13aおよび部材保持部13bから構成される。被支持部13の構造の詳細については後述する。
ここで、自動二輪車100に取り付けられたサイドケース10Lに荷物が収容されない状態をサイドケース10Lの基準状態を呼ぶ。図12に示すように、本例の支持装置30Lにおいては、回転カバー部材490は、サイドケース10Lが基準状態にあるときに挿入部491が最も後方に位置するように、サイドケース10Lの凹部CVに挿入されている。また、連結部材420の第1の部分422aおよび第2の部分422bの各々は、サイドケース10Lが基準状態にあるときに支持部材50Lの取付面51から所定距離離間している。
上記の基準状態からサイドケース10Lが左方に揺動する際には、回転カバー部材490とともに連結部材420が一方向に所定角度θ1回転することにより、連結部材420の第1の部分422aが支持部材50Lの取付面51に当接する。一方、基準状態からサイドケース10Lが右方に揺動する際には、回転カバー部材490とともに連結部材420が上記の一方向とは逆の方向に所定角度θ2回転することにより、連結部材420の第2の部分422bが支持部材50Lの取付面51に当接する。このように、支持装置30Lにおいては、ボルトBT3に対する回転カバー部材490の一方向の回転が基準状態から予め定められた角度範囲θ1に規制される。また、ボルトBT3に対する回転カバー部材490の回転が逆方向について予め定められた角度範囲θ2に規制される。したがって、内外筒ダンパ410のゴムブッシュ412に過剰な回転力が作用することが防止され、内外筒ダンパ410の劣化を抑制することができる。
角度範囲θ1,θ2は、サイドケース10Lが基準状態にあるときの支持部材50Lと連結部材420の第1の部分422aおよび第2の部分422bとの位置関係に基づいて定まる。各角度範囲θ1,θ2は、例えば15°以下となるように定められることが好ましく、10°以下となるように定められることがより好ましい。
また、上記の構成によれば、過剰な重量の荷物が収容されることによりサイドケース10Lの下部に右方へ向かう大きな力が発生すると、回転カバー部材490が回転し、連結部材420の第2の部分422bが支持部材50Lに接触する。この場合、支持部材50Lおよび連結部材420は互いに金属で形成されているため、支持部材50Lと連結部材420との接触時に金属音が発生する。それにより、乗員は、金属音を聞くことによりサイドケース10Lに過剰な荷物が収容されていることを容易に把握することができる。
また、上記の構成によれば、サイドケース10Lの下部が基準状態から右方に大きく揺動することが防止されるので、サイドケース10Lと後輪7とが接触することが防止される。さらに、サイドケース10Lの下部が基準状態から左方に大きく揺動することが防止されるので、いたずら等によりサイドケース10Lが左方に引っ張られる場合でも、支持装置30Lが破損することが防止される。
サブフレーム1Sに対する右のサイドケース10Rの取付状態は、図3のサブフレーム1Sに対する左のサイドケース10Lの取付状態を中心鉛直面で反転した状態に等しい。したがって、右のサイドケース10Rがサブフレーム1Sに取り付けられる場合には、左のサイドケース10Lの例と同様に、サイドケース10Rの第2の軸AX2の周りの回転が許容されるとともに、その回転(揺動)が回転支持機構20Rおよび支持装置30Rにより減衰される。
また、支持装置30Rにおいても、連結部材420により第4の軸AX4を中心とする回転カバー部材490の過剰な回転が抑制されるので、内外筒ダンパ410の劣化を抑制することができる。また、乗員は、支持部材50Rと連結部材420との接触時に発生する金属音によりサイドケース10Lに過剰な荷物が収容されていることを容易に把握することができる。さらに、いたずら等によりサイドケース10Rが右方に引っ張られる場合でも、支持装置30Rが破損することが防止される。
[5]支持装置30L,30Rの回転カバー部材490およびサイドケース10L,10Rの被支持部13の詳細
支持装置30L,30Rのうち、代表して左の支持装置30Lの回転カバー部材490の構造の詳細について説明する。図14は図9の回転カバー部材490の左側面図であり、図15は図9の回転カバー部材490の右側面図である。
支持装置30L,30Rのうち、代表して左の支持装置30Lの回転カバー部材490の構造の詳細について説明する。図14は図9の回転カバー部材490の左側面図であり、図15は図9の回転カバー部材490の右側面図である。
図14および図15に示すように、回転カバー部材490は、挿入部491、カバー本体部492および屈曲部493から構成される。カバー本体部492は、図10の固定部材60および連結部材420を覆うように、連結部材420に取り付けられる部分であり、複数(本例では3つ)の貫通孔thを有する。
左右側面視で、カバー本体部492は、第3の軸AX3に直交する方向(前後方向FB)に一定距離延びるように形成されている。カバー本体部492の一端(後端)には、屈曲部493および挿入部491がこの順でカバー本体部492の長手方向に並ぶように形成されている。
挿入部491は、略一定の厚みを有する略矩形板状に形成され、左方を向く一面491aおよび右方を向く他面491bを有する。屈曲部493はカバー本体部492と挿入部491との間で第3の軸AX3の方向に屈曲している。それにより、図14および図15に二点鎖線で示すように、回転カバー部材490の左右側面視で、第3の軸AX3の方向においてカバー本体部492の中央部の位置と挿入部491の下端部の位置とがほぼ一致している。
自動二輪車100に取り付けられたサイドケース10Lが揺動する際には、後述するように、挿入部491の下端部がサイドケース10Lの凹部CVの内面にほぼ継続して接触することになる。それにより、挿入部491の下端部には、サイドケース10Lの揺動に起因する力が集中して作用する。このような場合でも、上記の構成によれば、第3の軸AX3の方向におけるカバー本体部492の中央部の位置と挿入部491の下端部の位置とがほぼ一致しているので、挿入部491の下端部に作用する力がカバー本体部492の下端部に集中することが防止される。それにより、カバー本体部492の下端部に応力が局部的に集中することに起因してカバー本体部492が変形することが防止される。
以下の説明では、図14および図15にハッチングで示すように、挿入部491の一面491aの下端およびその近傍部分の領域を下端領域aa1と呼び、挿入部491の他面491bの下端およびその近傍部分の領域を下端領域ab1と呼ぶ。また、図14および図15にドットパターンで示すように、挿入部491の一面491aのうち中央部を通って上下に延びる線状の領域を線状領域aa2と呼び、挿入部491の他面491bのうち中央部を通って上下に延びる線状の領域を線状領域ab2と呼ぶ。
次に、左の支持装置30Lに対応するサイドケース10Lの被支持部13の構造の詳細について説明する。図16は、サイドケース10Lの被支持部13の構造の詳細を説明するための図である。図16では、図9の斜視図においてサイドケース10Lの一部が切り欠かれた状態が示される。また、図16では、吹き出し内に、第3の軸AX3に直交する回転カバー部材490および被支持部13の上方から下方に見た一部拡大断面図が示される。
図16に示すように、サイドケース10Lの被支持部13は、被挿入部材13aおよび部材保持部13bから構成される。部材保持部13bは、比較的高い剛性を有する樹脂または金属により形成されている。より具体的には、部材保持部13bは、サイドケース10Lに予め定められた重量の荷物が収容された状態でほとんど変形しない程度の剛性を有する。一方、被挿入部材13aは、ゴムまたは軟質性の樹脂等の弾性体で形成され、部材保持部13bよりも低い剛性を有する。
部材保持部13bは、前方および下方に開口する凹状に形成されている。被挿入部材13aは、部材保持部13b内に保持されている。被挿入部材13aは、部材保持部13bにより保持された状態で、前方および下方に開口する上記の凹部CVを有する。
図16の吹き出し内の断面に示すように、被挿入部材13aの凹部CVは、凹部CV内に回転カバー部材490の挿入部491が挿入された状態で、挿入部491を挟んで対向する第1の内面iaおよび第2の内面ibを有する。第1の内面iaは左方を向き、第2の内面ibは右方を向いている。
ここで、図16に白抜きの矢印で示すように、第3の軸AX3に直交する被支持部13の断面において、凹部CVの開口端に第1の位置p1を定義する。また、図16の被支持部13の断面において、凹部CVの開口端から底部にかけて第2の位置p2、第3の位置p3および第4の位置p4を順に定義する。
この場合、凹部CVは、第1の内面iaと第2の内面ibとの間の間隔(左右方向LRの距離)が第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなり、第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなるように形成されている。また、凹部CVは、第1の内面iaと第2の内面ibとの間の間隔が第3の位置p3から第4の位置p4にかけて漸次小さくなるように形成されている。さらに、凹部CVは、第1の内面iaと第2の内面ibとの間隔が、第4の位置p4を除いて挿入部491の厚みよりも十分大きくなるように形成されている。
このような構成により、凹部CVに挿入部491が挿入された状態で、挿入部491の少なくとも一部と凹部CVの第1の内面iaおよび第2の内面ibとの間には隙間が形成される。上記のように挿入部491の厚みは略一定である。そのため、本例では、挿入部491の他面491bと第1の内面iaとの間に形成される隙間の距離d1は、第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなっている。また、挿入部491の一面491aと第2の内面ibとの間に形成される隙間の距離d2も、第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなっている。
図17〜図19は、サイドケース10Lが基準状態から右方に揺動する場合の挿入部491および被挿入部材13aの動作を説明するための図である。図17〜図19においては、サイドケース10Lが基準状態から右方に向かって傾斜するときの挿入部491および被挿入部材13aの複数の状態が上方から下方に見た拡大断面図および左側面図により順次段階的に示される。なお、図17〜図19に示される拡大断面図は、図16の第3の軸AX3に直交する挿入部491および被挿入部材13aの拡大断面図である。
図17に示すように、本例では、サイドケース10Lが基準状態にあるときに、被挿入部材13aの第1の内面iaおよび第2の内面ibは第3の軸AX3に平行に保持されるものとする。また、凹部CV内で、挿入部491の一面491aと被挿入部材13aの第2の内面ibとが第2の位置p2で接触し、挿入部491の他面491bと被挿入部材13aの第1の内面iaとの間には隙間が形成されているものとする。この場合、挿入部491の一面491aおよび他面491bと被挿入部材13aの第1の内面iaおよび第2の内面ibとが、第3の軸AX3(図16)に対して平行となる。それにより、図17の左側面図に太い点線で示すように、挿入部491の線状領域aa2(図14)が第2の内面ibに線接触する。したがって、支持装置30Lによるサイドケース10Lの支持状態が安定化する。
図18に示すように、サイドケース10Lが図17の状態から右方に揺動すると、被挿入部材13aの第1の内面iaおよび第2の内面ibは第3の軸AX3(図16)に対して傾斜する。ここで、凹部CV内では、第2の位置p2で第1の内面iaおよび第2の内面ib間の距離が最も小さい。そのため、第3の軸AX3に直交する断面において、挿入部491は、凹部CV内で第2の位置p2を中心として回転することになる。このとき、挿入部491の他面491bと被挿入部材13aの第1の内面iaとの間には隙間が形成されている。したがって、挿入部491の一面491aに対して被挿入部材13aの第2の内面ibが傾斜することにより、図18の左側面図に太い点線で示すように、図14の挿入部491の下端領域aa1の一部が第2の内面ibに点接触する。この状態で、挿入部491から被挿入部材13aにサイドケース10Lの揺動を減衰させるための力が作用する。
図19に示すように、サイドケース10Lが図18の状態からさらに右方に揺動すると、被挿入部材13aの第1の内面iaおよび第2の内面ibは第3の軸AX3(図16)に対してさらに傾斜する。この場合においても、図19の左側面図に太い点線で示すように、図14の挿入部491の下端領域aa1の一部が第2の内面ibに点接触する状態が維持される。また、挿入部491から被挿入部材13aにサイドケース10Lの揺動を減衰させるためのより大きな力が作用する。
上記のように、サイドケース10Lが右方に揺動する場合には、サイドケース10Lの揺動の度合いが大きくなるにつれて挿入部491からサイドケース10Lに作用する力が大きくなる。それにより、サイドケース10Lの揺動が、その揺動の大きさに応じて効率よく減衰される。
図17〜図19の例では、サイドケース10Lが右方に揺動する場合について説明したが、サイドケース10Lが左方に揺動する場合には、挿入部491の他面491bが被挿入部材13aの第1の内面iaに接触する。より具体的には、第3の軸AX3に直交する断面において、挿入部491は、凹部CV内で第2の位置p2を中心として回転する。それにより、図15の挿入部491の下端領域ab1の一部が第1の内面iaに点接触する。この状態で、挿入部491から被挿入部材13aにサイドケース10Lの揺動を減衰させるための力が作用し、サイドケース10Lの揺動が効率よく減衰される。
なお、サイドケース10Lが基準状態にあるときの挿入部491と被挿入部材13aとの位置関係は、挿入部491の他面491bと被挿入部材13aの第1の内面iaとが第2の位置p2で接触するように設定されていてもよい。この場合、サイドケース10Lが基準状態にあるときに、図15の挿入部491の線状領域ab2が第1の内面iaに線接触する。
右の支持装置30Rおよびサイドケース10Rについても、上記の左の支持装置30Lおよびサイドケース10Lと基本的に同じメカニズムにより、サイドケース10Rの揺動が効率よく減衰される。
[6]サイドケース10L,10Rの着脱
図20および図21は、サブフレーム1Sに対するサイドケース10Lの取り付けおよび取り外しについて説明するための図である。図20に、サイドケース10Lが左の上部レール91から取り外された状態が示される。サイドケース10Lがサブフレーム1Sから取り外された状態で、図20に白抜きの矢印a1,a2で示すように、サイドケース10Lの取付部11,12が回転支持機構20Lの取付孔221,222に差し込まれる。また、図20に白抜きの矢印a3で示すように、支持装置30Lの回転カバー部材490の挿入部491がサイドケース10Lの凹部CVに挿入される。それにより、図21に示すように、サイドケース10Lがサブフレーム1Sに取り付けられる。
図20および図21は、サブフレーム1Sに対するサイドケース10Lの取り付けおよび取り外しについて説明するための図である。図20に、サイドケース10Lが左の上部レール91から取り外された状態が示される。サイドケース10Lがサブフレーム1Sから取り外された状態で、図20に白抜きの矢印a1,a2で示すように、サイドケース10Lの取付部11,12が回転支持機構20Lの取付孔221,222に差し込まれる。また、図20に白抜きの矢印a3で示すように、支持装置30Lの回転カバー部材490の挿入部491がサイドケース10Lの凹部CVに挿入される。それにより、図21に示すように、サイドケース10Lがサブフレーム1Sに取り付けられる。
一方、サイドケース10Lがサブフレーム1Sに取り付けられた状態で、サイドケース10Lの取付部11,12が回転支持機構20Lの取付孔221,222から引き抜かれる。また、支持装置30Lの回転カバー部材490の挿入部491がサイドケース10Lの凹部CVから引き抜かれる。それにより、サイドケース10Lがサブフレーム1Sから取り外される。
右のサイドケース10Rについても、図20および図21の左のサイドケース10Lの例と同様の手順で、サブフレーム1Sに対する取り付けおよび取り外しを行うことができる。
[7]効果
(1)上記の自動二輪車100においては、左右両側部にサイドケース装置900L,900Rが設けられている。サイドケース装置900L,900Rにおいては、回転支持機構20L,20Rおよび支持装置30L,30Rによりサイドケース10L,10Rが車体フレーム1に対して取り付けおよび取り外し可能となっている。
(1)上記の自動二輪車100においては、左右両側部にサイドケース装置900L,900Rが設けられている。サイドケース装置900L,900Rにおいては、回転支持機構20L,20Rおよび支持装置30L,30Rによりサイドケース10L,10Rが車体フレーム1に対して取り付けおよび取り外し可能となっている。
支持装置30L,30Rの各々は、ボルトBT3を備える。ボルトBT3は、上下に延びるように車体フレーム1に固定される。ボルトBT3には、内外筒ダンパ410および連結部材420を介して、回転カバー部材490がボルトBT3の中心軸を通る第3の軸AX3の周りで回転可能に支持される。回転カバー部材490の挿入部491は、サイドケース10L,10Rの凹部CVに挿入される。挿入部491が凹部CVに挿入された状態で、凹部CVと挿入部491との間には隙間が形成されている。
サイドケース10L,10Rが自動二輪車100の左右に揺動すると、凹部CVに挿入された挿入部491が第3の軸AX3を中心としてサイドケース10L,10Rとともに揺動する。それにより、回転カバー部材490とボルトBT3との間で相対的な回転力が発生する。この回転力の一部は、内外筒ダンパ410により吸収される。したがって、サイドケース10L,10Rの揺動が減衰される。
第3の軸AX3に直交するサイドケース10L,10Rの凹部CVおよび挿入部491の断面において、凹部CVと挿入部491との間の隙間は、第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなる。この場合、上記の断面において凹部CV内で第2の位置p2を中心とする挿入部491の回転が許容されるので、挿入部491が揺動する際に第2の位置p2において凹部CVの内面と挿入部491との間の接触状態が維持されやすい。それにより、サイドケース10L,10Rの揺動時に、凹部CVの内面と挿入部491との間の接触および離間が頻繁に繰り返されることが抑制され、凹部CVと挿入部491との間に発生する衝撃が緩和される。したがって、凹部CVおよび挿入部491の劣化が抑制されるとともに、サイドケース10L,10Rの揺動が円滑に減衰される。この場合、自動二輪車100にサイドケース10L,10Rが取り付けられた状態で、サイドケース10L,10Rの揺動に起因して車両本体部が揺動することが抑制される。
これらの結果、上記の自動二輪車100においては、サイドケース装置900L,900Rにより、荷物の積載可能容量が増加されるとともにウィーブモードの発生が抑制されている。したがって、自動二輪車100は、ウィーブモードに起因する走行速度の制限を受けない。
(2)上記のサイドケース10L,10Rの被支持部13においては、弾性体で形成された被挿入部材13aの凹部CV内に、金属により形成された挿入部491が挿入される。それにより、凹部CV内に挿入部491が挿入された状態でサイドケース10L,10Rが左右に揺動する際に、凹部CVと挿入部491との間に発生する衝撃が低減される。また、回転カバー部材490が金属により形成されているので、支持装置30L,30Rにおいてサイドケース10L,10Rを支持するために必要な強度が確保される。
(3)上記の支持装置30L,30Rにおいては、回転カバー部材490が複数のボルトBT4を用いて連結部材420に取り付けられる。それにより、回転カバー部材490が連結部材420に対して着脱可能となっている。したがって、回転カバー部材490の挿入部491が劣化した場合に回転カバー部材490を新たな回転カバー部材490に容易に交換することができる。
[8]サイドケース10L,10Rの固定機能
本実施の形態に係るサイドケース装置900L,900Rは、サイドケース10L,10Rを自動二輪車100の左右両側部にリジッドに固定するための固定機能をさらに有する。以下、サイドケース10L,10Rの固定機能について説明する。
本実施の形態に係るサイドケース装置900L,900Rは、サイドケース10L,10Rを自動二輪車100の左右両側部にリジッドに固定するための固定機能をさらに有する。以下、サイドケース10L,10Rの固定機能について説明する。
図22は、サイドケース装置900L,900Rによるサイドケース10L,10Rの固定機能を説明するための図である。図22では、図12の例に対応する支持装置30Lおよび被支持部13の断面図が示される。
本実施の形態においては、被支持部13における凹部CVの底部は、挿入部491の先端(後端)が嵌め込まれることが可能に構成されている。それにより、図22の例に示すように、挿入部491が凹部CVの底部に到達するように形成された回転カバー部材490が連結部材420に取り付けられる場合には、その挿入部491が凹部CVの底部に嵌め込まれることになる。このとき、挿入部491が被支持部13内で固定され、回転カバー部材490と被支持部13との間の相対的な移動が規制される。それにより、サイドケース10L,10Rが自動二輪車100の左右両側部にリジッドに固定される。
このように、本実施の形態に係るサイドケース装置900L,900Rにおいては、挿入部491が凹部CVの底部に到達するように形成された回転カバー部材490を用いることにより、サイドケース10L,10Rを自動二輪車100の車体フレーム1にリジッドに固定することができる。一方、図12の例に示すように、挿入部491が凹部CVの底部に到達しないように形成された回転カバー部材490を用いることにより、サイドケース10L,10Rを車両本体部に対して左右に揺動可能に取り付けることができる。したがって、支持装置30L,30Rに用いられる回転カバー部材490の種類に応じて自動二輪車100の車両本体部に対するサイドケース10L,10Rの取付状態を切り替えることができる。
なお、支持装置30L,30Rの連結部材420は、前後方向FBにおける回転カバー部材490の位置を調整可能に構成されてもよい。具体的には、連結部材420は、挿入部491の後端が凹部CVの底部に嵌め込まれる位置と、挿入部491の後端が凹部CVの開口端と底部との間に配置される位置との間で回転カバー部材490の位置を調整可能に構成されてもよい。この場合、回転カバー部材490の位置を調整することにより、自動二輪車100の車両本体部に対するサイドケース10L,10Rの取付状態を切り替えることができる。
なお、本実施の形態においては、凹部CVの底部は挿入部491が嵌め込まれることが可能に構成されなくてもよい。すなわち、本実施の形態に係るサイドケース装置900L,900Rにおいては、サイドケース10L,10Rの固定機能が設けられなくてもよい。この場合、サイドケース10L,10Rは、自動二輪車100の車両本体部にリジッドに固定されない。
[9]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る凹部CVは、第3の軸AX3に直交する断面において、第1の内面iaと第2の内面ibとの間の間隔が第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなり、第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなるように形成されている。一方、挿入部491は、第3の軸AX3に直交する断面において、略一定の厚みを有する。
(1)上記実施の形態に係る凹部CVは、第3の軸AX3に直交する断面において、第1の内面iaと第2の内面ibとの間の間隔が第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなり、第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなるように形成されている。一方、挿入部491は、第3の軸AX3に直交する断面において、略一定の厚みを有する。
本発明は上記の例に限定されない。凹部CVは、第3の軸AX3に直交する断面において、第1の内面iaと第2の内面ibとの間の間隔が第1の位置p1から第3の位置p3にかけて略一定となるように形成されてもよい。この場合、挿入部491を、第3の軸AX3に直交する断面において、左右方向LRの厚みが第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次大きくなり、第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次小さくなるように形成する。それにより、凹部CVおよび挿入部491の断面において、凹部CVと挿入部491との間の隙間は、上記実施の形態の例と同様に、第1の位置p1から第2の位置p2にかけて漸次小さくなりかつ第2の位置p2から第3の位置p3にかけて漸次大きくなる。したがって、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(2)上記実施の形態に係る自動二輪車100においては、左右両側部に左右一対のサイドケース装置900L,900Rが設けられるが、本発明はこれに限定されない。自動二輪車100には、左側部にサイドケース装置900Lが設けられ、右側部にサイドケース装置900Rが設けられなくてもよい。また、自動二輪車100には、左側部にサイドケース装置900Lが設けられず、右側部にサイドケース装置900Rが設けられてもよい。これらの場合においても、自動二輪車100に取り付けられたサイドケース装置に起因してウィーブモードが発生することが抑制される。
(3)上記実施の形態に係る自動二輪車100においては、回転支持機構20L,20Rの各々に内外筒ダンパ301が設けられるが、本発明はこれに限定されない。各回転支持機構20L,20Rは、回転部材200に取り付けられるサイドケース10L,10Rが上部レール91に対して回転可能に支持されるように構成されていればよい。そのため、各回転支持機構20L,20Rには、内外筒ダンパ301が設けられなくてもよい。この場合、回転支持機構20L,20Rの構成が単純化する。
(4)上記実施の形態に係る自動二輪車100においては、第1の軸AX1が左の上部レール91の中心軸に平行に延びるが、本発明はこれに限定されない。第1の軸AX1が延びる方向は、左の上部レール91の中心軸に対して傾斜していてもよい。また、上記実施の形態に係る自動二輪車100においては、第2の軸AX2が右の上部レール91の中心軸に平行に延びるが、本発明はこれに限定されない。第2の軸AX2が延びる方向は、右の上部レール91の中心軸に対して傾斜していてもよい。
(5)上記の支持装置30L,30Rに設けられる内外筒ダンパ410には、ボルトBT3と回転カバー部材490との間に発生する回転力を吸収するためにゴムブッシュ412が設けられるが、本発明はこれに限定されない。内外筒ダンパ410においては、ボルトBT3と回転カバー部材490との間に発生する回転力を吸収するための構成として、ゴムブッシュ412に代えてばね等の他の弾性部材が設けられてもよい。
(6)上記実施の形態に係る支持装置30L,30Rは、連結部材420に対して回転カバー部材490が着脱可能に構成されなくてもよい。例えば、支持装置30L,30Rにおいては、連結部材420と回転カバー部材490とは分離不可能に接合されていてもよい。
(7)上記実施の形態に係る支持装置30L,30Rにおいては、連結部材420は、円筒部材421のみで構成されてもよい。すなわち、回転カバー部材490の回転を制限するための帯状部材422が設けられなくてもよい。この場合、回転カバー部材490は、例えば円筒部材421に直接接合される。
(8)上記実施の形態は本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動四輪車、自動三輪車、船舶、水上バイク、スノーモービルもしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の移動体に本発明を適用してもよい。
[10]実施の形態の各部と請求項の各構成要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明する。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明する。
上記の実施の形態においては、自動二輪車100が移動体の例であり、サイドケース装置900L,900Rがサイドケース装置の例であり、凹部CVが凹部の例であり、サイドケース10L,10Rがサイドケースの例であり、ボルトBT3が軸部材の例であり、挿入部491が挿入部の例であり、回転カバー部材490が回転部材の例である。
また、内外筒ダンパ410がダンパの例であり、第1の位置p1が第1の位置の例であり、第2の位置p2が第2の位置の例であり、第3の位置p3が第3の位置の例であり、第1の内面iaが第1の内面の例であり、第2の内面ibが第2の内面の例であり、挿入部491の他面491bが第1の外面の例であり、挿入部491の一面491aが第2の外面の例である。
また、連結部材420が連結部材の例であり、帯状部材422の第1の部分422aおよび第2の部分422bが回転規制部の例であり、内筒411が内筒の例であり、ゴムブッシュ412がゴムブッシュの例であり、外筒413が外筒の例であり、支持装置30L,30Rが支持装置の例であり、ケース本体部CML,CMRがケース本体部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
1…車体フレーム,1M…メインフレーム,1S…サブフレーム,2…フロントフォーク,3…前輪,4…ハンドル,5…エンジン,6…リアアーム,7…後輪,8…燃料タンク,9…シート,10L,10R…サイドケース,11,12…取付部,13…被支持部,13a…被挿入部材,13b…部材保持部,20L,20R…回転支持機構,30L,30R…支持装置,40L,40R,50L,50R,70,80…支持部材,41L,41R…フットレスト,51…面,60…固定部材,61…側壁部,62…上壁部,63…下壁部,62h,63h…貫通孔,71,81…接合部,72,82…軸支持部,73,83…貫通孔,74,84,85…回転規制部,91…上部レール,92…クロス部材,93…下部レール,100…自動二輪車,200…回転部材,210…筒部,220…支持部,221,222…取付孔,223,224…突起部,229…上面,301,410…内外筒ダンパ,311,411…内筒,312,412…ゴムブッシュ,313,413…外筒,490…回転カバー部材,491…挿入部,491a…一面,491b…他面,492…カバー本体部,493…屈曲部,900L,900R…サイドケース装置,aa1…下端領域,aa2…線状領域,ab1…下端領域,ab2…線状領域,AX1…第1の軸,AX2…第2の軸,AX3…第3の軸,AX4…第4の軸,BT1,BT2,BT3…ボルト,ケース本体部CML,CMR,CL…車両中心線,CL1…カラー部材,CV…凹部,FB…前後方向,HP…ヘッドパイプ,ia…第1の内面,ib…第2の内面,LR…左右方向,NT1,NT2,NT3…ナット,p1…第1の位置,p2…第2の位置,p3…第3の位置,p4…第4の位置,PV…ピボット軸,UD…上下方向
Claims (11)
- 移動体に取り付け可能なサイドケース装置であって、
前記移動体の側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、前方に開口する凹部を有するサイドケースと、
上下に延びるように前記移動体の前記側部に固定可能に構成された軸部材と、
前記軸部材の周りで回転可能に前記軸部材に支持され、前記サイドケースの前記凹部に挿入される挿入部を有する回転部材と、
前記軸部材と前記回転部材との間に設けられるダンパとを備え、
前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で、前記凹部および前記挿入部に、前記軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、前記断面において前記凹部の開口端に第1の位置が定義され、前記第1の位置よりも前記凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、
前記断面における前記凹部と前記挿入部との間の隙間が前記第1の位置から前記第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ前記第2の位置から前記第3の位置にかけて漸次大きくなるように、前記凹部および前記挿入部が形成された、サイドケース装置。 - 前記凹部は、前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で前記断面において前記回転部材の前記挿入部を挟んで対向する第1および第2の内面を有し、
前記断面において前記第1の内面と前記第2の内面との間の距離が前記第1の位置から前記第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ前記第2の位置から前記第3の位置にかけて漸次大きくなるように、前記凹部が形成された、請求項1記載のサイドケース装置。 - 前記挿入部は、前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で前記凹部内で前記第1および第2の内面にそれぞれ対向する第1および第2の外面を有し、
前記凹部および前記挿入部は、前記サイドケースが前記移動体に対して予め定められた姿勢にあるときに前記第1および第2の内面のうち少なくとも一方と前記第1および第2の外面のうち少なくとも一方とが線接触するように形成された、請求項2記載のサイドケース装置。 - 前記サイドケースの前記凹部の前記第1および第2の内面は、弾性体により形成され、
前記挿入部は、金属により形成された、請求項2または3記載のサイドケース装置。 - 前記ダンパと前記回転部材とを連結する連結部材をさらに備え、
前記回転部材は、前記連結部材に着脱可能に構成された、請求項1〜4のいずれか一項に記載のサイドケース装置。 - 前記連結部材は、前記軸部材に対する前記回転部材の回転を予め定められた角度範囲に規制する回転規制部を有する、請求項5記載のサイドケース装置。
- 前記凹部の底部は、前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で前記挿入部の先端が嵌め込まれることが可能に構成され、前記挿入部の先端が前記凹部の底部に嵌め込まれた状態で前記回転部材と前記サイドケースとの間の相対的な移動が規制される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のサイドケース装置。
- 前記ダンパは、
前記軸部材が挿入される内筒と、
前記内筒の外周面を取り囲むように設けられるゴムブッシュと、
前記ゴムブッシュを取り囲むように設けられるとともに前記回転部材に固定される外筒とを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のサイドケース装置。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載されたサイドケース装置を備える、移動体。
- 支持装置を用いて移動体に取り付け可能なサイドケースであって、
前記支持装置は、
上下に延びるように前記移動体の側部に固定可能に構成された軸部材と、
前記軸部材の周りで回転可能に前記軸部材に支持され、挿入部を有する回転部材と、
前記軸部材と前記回転部材との間に設けられるダンパとを備え、
前記サイドケースは、
前記移動体の前記側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、前方に開口するとともに前記挿入部が挿入される凹部を有するケース本体部を備え、
前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で、前記凹部および前記挿入部に、前記軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、前記断面において前記凹部の開口端に第1の位置が定義され、前記第1の位置よりも前記凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、
前記断面における前記凹部と前記挿入部との間の隙間が前記第1の位置から前記第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ前記第2の位置から前記第3の位置にかけて漸次大きくなるように、前記凹部が形成された、サイドケース。 - サイドケースを移動体に取り付けるために用いられる支持装置であって、
前記サイドケースは、前記移動体の側部に左右に揺動可能に取り付けられかつ取り外されるように構成され、前記移動体の前記側部に取り付けられた状態で前方に開口する凹部を有し、
前記支持装置は、
上下に延びるように前記移動体の前記側部に固定可能に構成された軸部材と、
前記軸部材の周りで回転可能に前記軸部材に支持され、前記サイドケースの前記凹部に挿入される挿入部を有する回転部材と、
前記軸部材と前記回転部材との間に設けられるダンパとを備え、
前記凹部内に前記挿入部が挿入された状態で、前記凹部および前記挿入部に、前記軸部材の軸心に対して直交する断面が定義され、前記断面において前記凹部の開口端に第1の位置が定義され、前記第1の位置よりも前記凹部の底部に近い第2の位置および第3の位置が順に定義され、
前記断面における前記凹部と前記挿入部との間の隙間が前記第1の位置から前記第2の位置にかけて漸次小さくなりかつ前記第2の位置から前記第3の位置にかけて漸次大きくなるように、前記挿入部が形成された、支持装置。
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