JP2021139714A - 走査型プローブ顕微鏡用プローブの製造方法およびプローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】微細構造の電気的特性や温度ならびに熱的特性を測定可能な高い空間分解能を可能にするプローブを提供する。【解決手段】本実施形態によるプローブの製造方法は、 走査型プローブ顕微鏡用のプローブの製造に用いられる。絶縁膜は、基体に設けられたプローブの表面上に形成される。絶縁膜に金属イオンが注入される。絶縁膜に電界を印加することによってプローブの先端の絶縁膜に金属イオンを集中させて該絶縁膜中に金属フィラメントを形成する。【選択図】図3
Description
本実施形態は、走査型プローブ顕微鏡用プローブの製造方法およびプローブに関する。
走査型プローブ顕微鏡(SPM(Scanning Probe Microscope))は、先端にプローブを有するカンチレバーを備えている。特に走査型熱顕微鏡(SThM(Scanning thermal microscopy)では、先端に熱電対を備えたプローブを用いてゼーベック効果で生じた電流を計測することにより試料の表面温度を測定したり、またはプローブ先端部の電気抵抗の温度依存性から試料表面の熱伝播特性を調べることなどができる。この熱顕微鏡をナノスケールレベルの微細構造へ適用するには、ナノスケールレベルに微細化した導電性プローブが必要とされている。
カンチレバーのプローブとしては、例えば、異なる複数種類の金属を接合して形成された熱電対プローブが用いられる。このようなカンチレバーの空間分解能は金属接合部のサイズに依存する。よって、ナノスケールレベルの微細構造の熱特性評価を可能にするために、プローブ先端を、充分に小さくすることが求められる。
微細構造の電気的特性や温度ならびに熱的特性を測定可能な走査型熱顕微鏡において高い空間分解能を可能にするプローブを提供する。
本実施形態によるプローブの製造方法は、走査型顕微鏡用プローブの製造に用いられる。絶縁膜は、基体に設けられたプローブの表面上に形成される。絶縁膜に金属イオンが注入される。絶縁膜に電界を印加することによってプローブの絶縁膜に金属イオンを集中させて該絶縁膜中に金属フィラメントを形成する。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を示すブロック図である。走査型プローブ顕微鏡(以下、SPMとも呼ぶ)1は、カンチレバー10と、ステージ20と、駆動部30と、コントローラ40と、コンピュータ50と、フィードバック回路60と、電流計70と、発光素子80と、光検出器90と、磁場発生装置110とを備えている。
図1は、第1実施形態による走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を示すブロック図である。走査型プローブ顕微鏡(以下、SPMとも呼ぶ)1は、カンチレバー10と、ステージ20と、駆動部30と、コントローラ40と、コンピュータ50と、フィードバック回路60と、電流計70と、発光素子80と、光検出器90と、磁場発生装置110とを備えている。
SPM1は、カンチレバー10の導電性プローブ11の先端を用いて、ステージ20上の試料100の表面を走査する。その際、カンチレバー10と試料100との間に電圧を印加することにより、SPM1は、プローブ11を流れる電流から試料100の電気的特性を評価する。SPM1は、走査型熱顕微鏡(SThM(Scanning Thermal Microscope))として構成されてもよい。この場合、SPM1は、試料100の温度や熱特性を測定する。
カンチレバー10は、カンチレバーの基体の端部にプローブ11を有し、そのプローブ11の先端で試料100の表面に接触し走査する。カンチレバー10の構成およびその製造方法についは後述する。
ステージ20は、試料100を載置可能に構成されている。ステージ20は、例えば、金属等の導電性材料で構成されており、試料100の電気的特性または熱特性の測定時に電極として機能する。
駆動部30は、ステージ20を移動させることができる。例えば、駆動部30は、X軸、Y軸、Z軸の3軸を駆動するためのピエゾを内蔵したスキャナであり、試料100をプローブ11に接近させあるいはプローブ11から離間させるためにステージ20をZ方向に移動させ、また、X−Y面内で移動させることができる。
コントローラ40は、駆動部30を制御してステージ20の位置を制御する。コンピュータ50は、光検出器90からの検出結果を、フィードバック回路60を介して受け取り、プローブ11の位置を算出する。コンピュータ50は、プローブ11の位置に基づいて、ステージ20を所定位置に移動させるために、位置指令、速度指令、トルク指令等をコントローラ40へ出力する。
電流計70は、カンチレバー10に接続されており、プローブ11を流れた電流を測定し、測定結果をコンピュータ50へ送信する。コンピュータ50は、測定結果を格納し、かつ、測定結果に基づいて試料100の電気特性または熱特性を算出する。また、コンピュータ50は、試料100のトポグラフィーならびに温度、または熱特性分布像を作成することができる。
発光素子80は、カンチレバー10の背面に光(例えば、レーザ光)を照射する。光検出器90は、カンチレバー10の背面で反射した反射光を検出する。これにより、カンチレバー10の角度を検出することができる。
フィードバック回路60は、光検出器90からの信号をコンピュータ50にフィードバックする。コンピュータ50は、コントローラ40および駆動部30を介して、ステージ20上の試料100の高さを調節する。これにより、SPM1は、カンチレバー10と試料100との間の距離または接触状態(押圧力等)を制御することができる。
磁場発生装置110は、例えば、ポールピース111と、電磁コイル112とを備えた磁界レンズでよい。ポールピース111および電磁コイル112は、ステージ20の周囲に設けられており、プローブ11に磁場Bを集中的に印加することができる。Z方向から見たときに、ステージ20が略円形である場合には、磁場発生装置110もステージ20の形状に適合させて円環状にすればよい。尚、磁場発生装置110は、ステージ20に取り付けられている。しかし、磁場発生装置110は、必ずしもステージ20に搭載する必要は無く、ステージ20の外からプローブ11に磁場を印加することができればよい。
次に、カンチレバー10の構成について説明する。カンチレバー10は、プローブ11の先端において試料100に接触しつつ試料100の表面を走査し、試料100の電気的特性または熱的特性を評価する。
図2は、第1実施形態によるカンチレバーの構成の一例を示す断面図である。カンチレバー10は、基体15と、プローブ11と、絶縁膜12と、金属フィラメント13とを備えている。基体15は、例えば、角柱状の片持ち梁であり、その端部にプローブ11を有する。プローブ11は、基体15の延伸方向に対して略垂直方向に突出している。基体15およびプローブ11は、一体として構成されていてもよい。本実施形態において、基体15およびプローブ11には、金属等の導電性材料を用いている。また、基体15およびプローブ11にはシリコンを用いてもよい。
絶縁膜12は、基体15の表面を被覆しており、かつ、プローブ11の表面を被覆する。絶縁膜12には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ、窒化アルミなどの絶縁性材料が用いられる。絶縁膜12は、金属イオンを含有している。
金属フィラメント13は、プローブ11の先端から絶縁膜12の表面まで絶縁膜12の厚み方向に延伸するように設けられている。金属フィラメント13は、絶縁膜12に含まれる金属イオンと同じ金属で構成されている。即ち、プローブ11を被覆する絶縁膜12は、金属フィラメント13と同種の金属イオンを含む。
図3は、プローブの先端を示す拡大断面図である。プローブ11は、絶縁膜12で被覆されており、プローブ11の先端には、金属フィラメント13が設けられている。金属フィラメント13は、プローブ11の先端から絶縁膜12をその厚み方向(Z方向)に延伸し、絶縁膜12の外表面まで設けられている。これにより、プローブ11が試料100を走査したときに、金属フィラメント13は、プローブ11の先端において試料100に直接接触し、プローブ11(即ち、基体15)と絶縁膜12の外側の試料100とを電気的に接続することができる。絶縁膜12は、金属フィラメント13の周囲を覆い、プローブ11を外部から電気的に絶縁している。
金属フィラメント13は、絶縁膜12に含まれる金属イオンと同じ金属Mで構成されている。金属フィラメント13には、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の群から選択されたいずれかの金属、上記群から選択されたいずれか2つ以上の合金、上記群から選択されたいずれかの金属窒化物、上記群から選択されたいずれかの金属炭化物、または、上記群から選択されたいずれかの金属カルコゲナイド材料が用いられる。
このように、本実施形態によるカンチレバー10は、基体15のプローブ11の表面を絶縁膜12で被覆し、金属フィラメント13のみで基体15と試料100との間を電気的に接続する。金属フィラメント13の周囲を覆う絶縁膜12は、プローブ11または基体15を試料100から電気的に絶縁する。
次に、カンチレバー10の製造方法について説明する。
図4〜図8Bは、第1実施形態によるカンチレバーの製造方法の一例を示す概略図である。まず、図4に示すように、基体15を準備する。基体15は、例えば、角柱状の片持ち梁の基体であり、その一方の端部にプローブ11を有する。プローブ11は、基体15の延伸方向に対して略垂直方向に突出している。基体15およびプローブ11は、一体として構成されている。本実施形態において、基体15およびプローブ11には、金属等の導電性材料を用いている。また、基体15およびプローブ11にはシリコンを用いてもよい。
次に、図5に示すように、プローブ11のある基体15の表面上に絶縁膜12を形成する。絶縁膜12は、プローブ11の表面を被覆する。絶縁膜12には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ、窒化アルミなどの絶縁性材料が用いられる。絶縁膜12の厚みは、例えば、100nm未満である。
次に、図6Aおよび図6Bに示すように、プローブ11を被覆する絶縁膜12に金属イオンM+を導入する。図6Bは、図6Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。金属イオンM+の導入は、たとえば、イオン注入法、プラズマ浸漬注入法、プラズマイオン処理等のいずれでもよい。このとき、金属イオンM+は、プローブ11の下方から突出方向(Z方向)に向かって、イオン注入される。即ち、金属イオンM+は、プローブ11に対して対向する方向からイオン注入される。この場合、イオン注入によって、プローブ11の先端が丸まるおそれがある。一方、金属イオンM+は、プローブ11とは反対側の基体15の背面側から注入されてもよい。即ち、金属イオンM+は、上記突出方向とは逆方向(−Z方向)から基体15を突き抜けて絶縁膜12内にイオン注入されてもよい。この場合、金属イオンM+は、基体15の背面から導入されるので、プローブ11の先端は削られず丸まらない。
次に、図7Aおよび図7Bに示すように、プローブ11の先端の絶縁膜12を電極101に接触させる。図7Bは、図7Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。電極101は、試料100に代えてステージ20上に搭載された導電体でよい。
次に、絶縁膜12に電界を印加することによってプローブ11の先端の絶縁膜12に金属イオンM+を集中させて該絶縁膜12中に金属フィラメント13を形成する。このとき、電源75は、電極101と基体15との間に接続され、電極101と基体15との間に電圧を印加する。電極101は、導電体の金属フィラメント13を形成するために用いられる導電体であり、測定対象の試料100とは異なる。電極101は、プローブ11の先端の絶縁膜12の底面に接触する。そして、プローブ11と電極101の間に電圧を印加する。これにより、絶縁膜12内に電界が発生する。電界は、プローブ11の先端で最も強くなり、少なくとも2回以上の印可電圧の極性を反転させることによって金属イオンM+は、プローブ11の先端と電極101との間の絶縁膜12に集積する。その後、金属イオンM+は、電極101から供給される電子と結合し、金属Mとなり安定した金属フィラメント13を構成する。即ち、金属イオンM+は、プローブ11の先端と電極101との間の絶縁膜12に移動し集中して、その後、金属Mとなって安定した状態で金属フィラメント13となる。これにより、金属フィラメント13は、プローブ11の先端において、絶縁膜12の厚み方向に絶縁膜12を貫通するように形成される。金属フィラメント13は、例えば、金やプラチナ等の安定した金属(貴金属)Mによって構成され得るので、酸化され難くかつ移動し難い。従って、その後の試料100の電気的特性または熱特性の測定時に、金属フィラメント13は比較的劣化(酸化)しにくい。
金属フィラメント13の形成工程にいて、電源75は、電極101と基体15とに印加する電圧の極性を反転させる場合がある。従って、電源75は、極性を反転可能な仕様になっている。電源75は、絶縁膜12に、+Z方向と−Z方向とに反転させながら電界を印加する。尚、電界の印加方向の反転を過剰に繰り返すと、絶縁膜12が破壊する可能性があるため、電源75の極性の反転回数は、制限することが好ましい。
絶縁膜12に電界を印加するのと同時に、本実施形態では、図8Aおよび図8Bに示すように、絶縁膜12に磁場Bを印加する。図8Aおよび図8Bは、絶縁膜12に磁場Bを印加している様子を示す図である。磁場発生装置110は、ステージ20の周囲に設けられた電磁コイル112に電流を流し、磁場Bを発生させる。ポールピース111は、磁場Bを導き、プローブ11の先端の絶縁膜12に大きな磁場Bを印加する。これにより、電界とともに、磁場Bもプローブ11の先端の金属イオンM+に印加される。磁場Bはプローブ11を中心に垂直方向に印加する。その結果、金属イオンM+は、プローブ11の先端と電極101との間の絶縁膜12により効果的に集中し、電子と結合して金属Mとなり安定した金属フィラメント13を形成する。絶縁膜12の表面に露出した金属フィラメント13の幅(径)は、例えば、5nm未満である。これにより、SPM1のプローブ11の熱特性評価における空間分解能は、5nm未満となる。
電極101と基体15との間で所定電流以上の電流が流れたときに、コンピュータ50は、金属フィラメント13が形成されたと判断し、電源75からの電界の印加を停止する。
尚、試料100をステージ20上に載置して電気的特性または熱特性を測定する際には、プローブ11と試料100との間に電圧を印加しながら測定することがある。一方、金属フィラメント13の形成後、磁場は不要になる。従って、試料100の熱特性を測定する際には、磁場発生装置110は、不要であり、SPM1から取り外してもよい。
試料100の電気的特性または熱特性は、金属フィラメント13の電気特性(例えば、抵抗値)の温度変化によって測定可能である。
以上のように、本実施形態によれば、基体15のプローブ11の絶縁膜12に金属イオンM+を導入し、電界、あるいは、電界および磁界を印加することによって金属イオンM+をプローブ11の先端の絶縁膜12に集中(集積)させる。これにより、プローブ11の先端から絶縁膜12をその厚み方向(Z方向)に延伸する金属フィラメント13が形成される。
金属フィラメント13は、プローブ11の先端において、非常に細く形成され、高い空間分解能を有する。また、金属フィラメント13は、例えば、金やプラチナ等の安定した金属によって構成され得るので、安定しており、試料100の電気的特性または熱特性の測定時に比較的劣化しにくい。
(変形例)
金属フィラメント13の形成時において、電源75の電圧を次第に強めて、かつ、絶縁膜12に印加される電界を次第に強めてもよい。このようにしても、金属フィラメント13が、次第にプローブ11の先端に集中していくように形成される。
金属フィラメント13の形成時において、電源75の電圧を次第に強めて、かつ、絶縁膜12に印加される電界を次第に強めてもよい。このようにしても、金属フィラメント13が、次第にプローブ11の先端に集中していくように形成される。
(第2実施形態)
図9Aは、第2実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図9Bは、図9Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
図9Aは、第2実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図9Bは、図9Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
第2実施形態では、導電体膜14がプローブ11の先端の絶縁膜12を被覆している。導電体膜14は、試料100が絶縁性である場合に、試料100の熱特性を測定する際に測定用電極として用いられる。導電体膜14は、絶縁膜12の全体を被覆してもよいし、プローブ11の表面のみを被覆してもよい。導電体膜14は、金属フィラメント13を形成した後に絶縁膜12上に成膜すればよい。金属フィラメント13の形成方法は、第1実施形態と同様である。従って、図9Aおよび図9Bは、試料100の熱特性の測定時の様子を示している。
ステージ20上の試料100が絶縁体である場合には、このように導電体膜14をカンチレバー10側に測定用電極として設ける必要がある。導電体膜14には、熱伝導率が高い金属、例えば、金や銀、銅、アルミ、タングステンを用いることができる。また、その他の物質ではダイヤモンドやダイヤモンドライクカーボンが用いられる。
電源76は、試料100の熱特性を測定する際に、導電体膜14とプローブ11との間に電力を印加する。電源76は、金属フィラメント13の形成に用いられる電源75と異なる電源でもよく、同一電源でもよい。
導電体膜14は、図7Aに示すようにプローブ11の先端に金属フィラメント13を形成した後に絶縁膜12上に形成すればよい。
第2実施形態のその他の構成および製造工程は、第1実施形態の対応する構成および製造工程と同様でよい。これにより、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図10Aは、第3実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図10Bは、図10Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
図10Aは、第3実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図10Bは、図10Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
第3実施形態では、基体15が非導電体である。よって、基体15のプローブ11の表面に、導電体膜16を形成する。導電体膜16は、プローブ11の設けられた基体15の一面全体を被覆する。
絶縁膜12は、導電体膜16上を被覆する。絶縁膜12は、導電体膜16からはみ出して基体15に接触しても構わない。ただし、導電体膜16は、フィラメント13の形成用の電源75および熱特性の測定用の電源75、76に電気的に接続される必要があるので、導電体膜16の少なくとも一部は、絶縁膜12から露出されている必要がある。
導電体膜16は、基体15に代わって、金属フィラメント13の形成時における電極として機能する。従って、金属フィラメント13の形成工程では、基体15の底面に導電体膜16が形成される。図7Aに示す電源75は、導電体膜16と電極101との間に接続される。電源75が導電体膜16と電極101との間に電圧を印加することによって、絶縁膜12に金属フィラメント13が形成される。金属フィラメント13の形成方法は、基本的に第1実施形態と同じである。また、導電体膜16は、試料100の熱特性を測定する際に測定用電極としても用いられる。つまり、導電体膜16は、金属フィラメント13の形成用の電極でもあり、試料100の特性の測定用電極でもある。
導電体膜14は、第2実施形態のそれと同様に、試料100が絶縁性である場合に、試料100の熱特性を測定する際に測定用電極として用いられる。導電体膜14は、絶縁膜12によって導電体膜16から電気的に絶縁されている。導電体膜14は、絶縁膜12の全体を被覆してもよく、プローブ11の表面上の絶縁膜12のみを被覆してもよい。導電体膜14は、金属フィラメント13を形成した後に絶縁膜12上に成膜すればよい。
ステージ20上の試料100が絶縁体であり、かつ、基体15が非導電性の場合には、このように導電体膜14、16を両極性の電極として設ける必要がある。導電体膜14は、試料100の熱特性を測定するための測定用電極として機能する。導電体膜16は、金属フィラメント13の形成用電極および試料100の特性の測定用電極の両方の機能を兼ね備える。
導電体膜14には例えば、金や銀、銅、アルミ、タングステン、その他の物質ではダイヤモンドやダイヤモンドライクカーボンが用いられ、導電体膜16には、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の群から選択されたいずれかの金属、上記群から選択されたいずれか2つ以上の合金、上記群から選択されたいずれかの金属窒化物、上記群から選択されたいずれかの金属炭化物、または、上記群から選択されたいずれかの金属カルコゲナイド材料が用いられる。
導電体膜16は、基体15のプローブ11の表面上に形成すればよい。その後、絶縁膜12、導電体膜14および金属フィラメント13は、第2実施形態のそれらと同様に形成すればよい。
第3実施形態のその他の構成および製造工程は、第1または第2実施形態の対応する構成および製造工程と同様でよい。これにより、第3実施形態は、第1または第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図11Aは、第4実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図11Bは、図11Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
図11Aは、第4実施形態によるフィラメントの構成および測定方法の一例を示す断面図である。図11Bは、図11Aのプローブ11の先端部分の拡大断面図である。
第4実施形態では、基体15が非導電体である。従って、第3実施形態と同様に、基体15のプローブ11の表面には、導電体膜16を形成する。一方、ステージ20上の試料100が導電体である場合、導電体膜14は不要である。従って、第4実施形態では、導電体膜14は設けられていない。
絶縁膜12は、導電体膜16上を被覆する。絶縁膜12は、導電体膜16からはみ出して基体15に接触しても構わない。ただし、導電体膜16は、図7Aの電源75または受11Aの電源76に電気的に接続される必要があるので、導電体膜16の少なくとも一部は、絶縁膜12から露出されている必要がある。導電体膜16は、第3実施形態のそれと同様に、金属フィラメント13の形成用電極および試料100の電気的特性および熱特性の測定用電極の両方の機能を兼ね備える。
ステージ20上に導電体の電極101が搭載され、かつ、基体15が非導電性の場合には、このように導電体膜16を電極として設ける必要がある。
導電体膜16は、図4に示すように基体15のプローブ11の表面上に形成すればよい。その後、絶縁膜12および金属フィラメント13は、第1実施形態のそれらと同様に形成すればよい。
金属フィラメント13を形成する際には、図7Bの電極101および導電体膜16を電極として用いるので、電源75は、電極101と導電体膜16との間に接続される。これにより、電源75は、プローブ11の先端において、電極101と導電体膜16との間の絶縁膜12に電界を印加することができる。また、第4実施形態において、図8Aおよび図8Bの磁場発生装置110を設けて、電界とともに磁場を絶縁膜12に印加してもよい。これにより、プローブ11の絶縁膜12の金属イオンM+に電界、あるいは、電界および磁界を印加することができる。その結果、図9Bに示すように、プローブ11の先端から絶縁膜12をその厚み方向(Z方向)に延伸する金属フィラメント13が形成され得る。
第4実施形態のその他の構成および製造工程は、第1または第3実施形態の対応する構成および製造工程と同様でよい。これにより、第4実施形態は、第1または第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 走査型プローブ顕微鏡、10 カンチレバー、11 プローブ、12 絶縁膜、13 金属フィラメント、15 基体、20 ステージ、30 駆動部、40 コントローラ、50 コンピュータ、60 フィードバック回路、70 電流計、80 発光素子、90 光検出器、110 磁場発生装置、
Claims (14)
- 走査型プローブ測定装置に用いられるプローブの製造方法であって、
基体に設けられたプローブの表面上に絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に金属イオンを注入し、
前記絶縁膜に電界を印加することによって前記プローブの先端の前記絶縁膜に前記金属イオンを集中させて該絶縁膜中に金属フィラメントを形成することを具備する、製造方法。 - 前記金属フィラメントの形成時に、前記絶縁膜に電界を印加するとともに、磁界も印加する、請求項1に記載の方法。
- 前記金属フィラメントには、金(Au)、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の群から選択されたいずれかの金属、前記群から選択されたいずれか2つ以上の合金、前記群から選択されたいずれかの金属窒化物、前記群から選択されたいずれかの金属炭化物、または、前記群から選択されたいずれかの金属カルコゲナイド材料が用いられる、請求項1または請求項2に記載の方法。
- 前記基体が導電体である場合、
前記金属フィラメントの形成時に、前記基体の底面に電極を接触させて前記基体と前記電極との間に電圧を印加することによって前記絶縁膜に電界を印加する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記基体が非導電体である場合、
前記基体に設けられたプローブの表面に第1導電体膜を形成し、
前記絶縁膜は前記第1導電体膜上に形成され、
前記金属フィラメントの形成時に、前記絶縁膜の底面に電極を接触させて前記第1導電体膜と前記電極との間に電圧を印加することによって前記絶縁膜に電界を印加する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記金属イオンは、前記プローブの突出方向または該突出方向の反対方向から注入される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記絶縁膜に印加される電界の方向と磁界の方向とはほぼ同一方向である、請求項2に記載の方法。
- 前記絶縁膜に印加される電界の印加方向は、前記プローブの突出方向と該突出方向の反対方向とで変更され、
前記絶縁膜に印加される磁界の方向は変更されない、請求項2に記載の方法。 - 走査型プローブ測定装置に用いられるプローブであって、
基体と、
前記基体に設けられたプローブと、
前記プローブを被覆し、金属イオンを含有する絶縁膜と、
前記プローブの先端から前記絶縁膜の表面まで前記絶縁膜の厚み方向に延伸するように設けられた金属フィラメントとを備えた、プローブ。 - 前記金属イオンには、金(Au)、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の群から選択されたいずれかの金属、前記群から選択されたいずれか2つ以上の合金、前記群から選択されたいずれかの金属窒化物、前記群から選択されたいずれかの金属炭化物、または、前記群から選択されたいずれかの金属カルコゲナイド材料が用いられる、請求項9に記載のプローブ。
- 前記基体が導電体である場合、
前記突起部の表面において前記絶縁膜が露出している、請求項9または請求項10に記載のプローブ。 - 前記基体が非導電体である場合、
前記プローブを被覆する第1導電体膜をさらに備え、
前記絶縁膜は、前記第1導電体膜を介して前記プローブ上を被覆している、請求項9から請求項11のいずれか一項に記載のプローブ。 - 前記第1導電体膜および前記絶縁膜を介して前記プローブ上を被覆している第2導電体膜をさらに備えている、請求項12に記載のプローブ。
- 前記プローブを被覆する前記絶縁膜は、前記金属フィラメントと同種の金属イオンを含む、請求項9から請求項13のいずれか一項に記載のプローブ。
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