JP2021127405A - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1ではポリカーボネート樹脂と特定の断面形状を有する扁平断面ガラス繊維とリン酸エステル系難燃剤からなる機械強度と難燃性の改良された芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。その実施例では、扁平断面ガラス繊維と厚さ5μmのガラスフレークを特定の量比で配合し、さらにリン酸エステル系難燃剤及びポリテトラフルオロエチレンを含有するポリカーボネート樹脂組成物が記載されているが、その異方性は十分満足できるものとはいえず、またリン系難燃剤を使用しているためポリカーボネート樹脂を可塑化することによる衝撃強度及び耐熱性の低下が発生しやすいことから、衝撃強度と耐熱性と異方性は不十分であり満足できるものではなかった。
本出願人は、先に特許文献2にて、寸法安定性に優れ、アルミニウム等の金属との線膨脹係数が同等レベルであるポリカーボネート樹脂材料を提案した。
しかしながら、特許文献2の材料は比摩耗性、例えばアルミニウムに対する比摩耗性が悪いという問題が見いだされた。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及び成形品に関する。
[2]扁平断面ガラス繊維(D)の含有量が、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部超50質量部以下である上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]ISO11359−2に基づいて測定されるMD方向とTD方向の線膨脹係数が、いずれも15×10−6/K〜35×10−6/Kの範囲にあり、MD方向とTD方向の線膨張係数の比(MD/TD)が0.8〜1.1の範囲にある上記[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、アルミニウムを相手材とした際の比摩耗量が10×0.01mm3/kgf・km以下である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]上記[1〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形品。
なお、本明細書において、「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分等につき、詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有するポリカーボネート樹脂(A)は、その種類に制限は無く、また、1種のみを用いてもよく、2種以上を、任意の組み合わせ及び任意の比率で、併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂は、一般式:−[−O−X−O−C(=O)−]−で示される炭酸結合を有する基本構造の重合体である。上記式中、Xは、一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。このようにすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、特に溶融エステル交換法で製造されたポリカーボネート樹脂では、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、ポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。
なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の質量に対する、末端水酸基の質量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)にて行われる。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、なかでも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)を含有する。アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)は、アクリロニトリルとスチレン系単量体との共重合体であり、さらに他の共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
これらの中では(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく挙げられ、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、特にメチルメタアクリレートを挙げることができる。
なお、(メタ)アクリレートの表記はメタクリレート及びアクリレートのいずれをも含むことを示し、(メタ)アクリル酸エステルの表記はメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルのいずれをも含むことを示す。
また、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)は、6万〜22万の範囲にあることが好ましく、8万〜20万であることがより好ましい。
なお、本発明において、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によって行われる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、平均厚みが0.45〜1μmのガラスフレーク(C)を含有する。
本発明におけるガラスフレーク(C)は平均厚みが0.45〜1μmであり、通常のガラスフレークの厚みが5μm程度であるのに比べ、より薄肉のものを使用する。ガラスフレーク(C)の平均厚みは、好ましくは0.5〜0.9μmであり、さらに好ましくは0.55〜0.85μm、特に好ましくは0.6〜0.8μmである。平均厚みが上記範囲の上限を超える場合は、ポリカーボネート樹脂組成物の弾性率が低下しやすく、また平均厚みが上記範囲の下限を下回る場合は、ガラスフレークが極端に割れやすくなり、剛性や耐衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、扁平率が1.5超〜8以下の扁平断面ガラス繊維(D)を、上記した薄肉のガラスフレーク(C)と組み合わせて含有することを特徴とする。このような扁平断面のガラス繊維(D)をガラスフレーク(C)と組み合わせて用いることで、強度と低異方性に優れ、線膨脹係数がアルミニウムやマグネシウム金属等の金属と同レベルであるポリカーボネート樹脂組成物とすることが可能となる。
また、扁平断面ガラス繊維(D)の平均繊維長と平均繊維径の比(アスペクト比)は、好ましくは2〜120であり、より好ましくは2.5〜70、さらに好ましくは3〜50である。扁平断面ガラス繊維の平均繊維長と平均繊維径の比(アスペクト比)が、2未満の場合は、機械的強度が低下する傾向にあり、逆に120を超える場合は、ソリや異方性が大きくなるほか、成形品外観が著しく悪化する傾向にある。
収束剤としては、特に制限はないが、例えば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系等の収束剤が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記したガラスフレーク(C)と扁平断面ガラス繊維(D)に加えて、ポリテトラフルオロエチレン(E)を含有する。ポリテトラフルオロエチレン(E)を、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)、ガラスフレーク(C)及び扁平断面ガラス繊維(D)と組み合わせて含有することにより、比摩耗性に優れた高度の摺動性を示すことが可能である。
ポリテトラフルオロエチレン(E)のD50粒径は、樹脂組成物製造時の溶融混練の影響を受けて小さくなることはあまり考えられないが、本発明においては溶融混練前の原料のD50粒径である。なお、ポリテトラフルオロエチレンには乳化重合と懸濁重合の2種の製法があり、乳化重合品と懸濁重合品では対象となる状態が異なるため、乳化重合の場合は2次粒子径を対象とし、懸濁重合は1次粒子径を対象とする。
ポリテトラフルオロエチレン(E)がフィブリル形成能を有さないことで、溶融混練や成形加工時等にフィブリルを形成することがなく摺動性を良くすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、テトラフルオロエチレン(E)と扁平断面ガラス繊維(D)の含有量の質量比(E)/(D)は、1未満とする。扁平断面ガラス繊維(D)の量に比べてテトラフルオロエチレン(E)の量を少なくすることで、金属レベルの線膨張係数と優れた比摩耗性を保持し、耐衝撃性と強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。(E)/(D)は、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.75以下であり、好ましくは0超であり、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.15以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、難燃剤、蛍光増白剤、顔料、染料、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤あるいは他の樹脂は1種または2種以上を配合してもよい。
カーボンブラックを含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常5質量部以下、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
ただし、ポリカーボネート樹脂(A)及びアクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)以外のその他の樹脂を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらに5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)及びアクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)、ガラスフレーク(C)、扁平断面ガラス繊維(D)及びテトラフルオロエチレン(E)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常260〜320℃の範囲である。
MDとTDの線膨張係数比(MD/TD)は、より好ましくは0.92以上、さらに好ましくは0.94以上であり、また、より好ましくは1.08以下、さらに好ましくは1.06以下である。
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分の内、ガラスフレーク(C)及びガラス繊維(D)を除いた成分を、下記表2−3に記載の割合で配合し、タンブラーミキサーにて均一混合した後、ホッパーから、押出機にフィードして溶融混練した。ガラスフレーク(C)及びガラス繊維(D)は、それぞれ押出機の上流からバレル長さLの2/3の下流位置から下記表2−3に記載の割合でサイドフィードした。
押出機としては、日本製鋼所社製二軸押出機(TEX25αIII、L/D=52.5)を用い、スクリュー回転数200rpm、シリンダー温度300℃、吐出量25kg/hrの条件で溶融押出した。ガラスフレーク(C)及びガラス繊維(D)以外の原料のサイドフィード後の溶融混練時間は15秒であった。押出されたストランドを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化した。
上記で得られたISOダンベル片(厚さ4mm)を用い、ISO178に基づいて、曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
上記で得られたISOダンベル片(厚さ4mm)を用い、ISO179に基づいて、ノッチ付きシャルピー強度(単位:kJ/m2)を測定した。
シャルピー衝撃強度は7kJ/m2以上であることが好ましく、8kJ/m2以上がより好ましく、9kJ/m2以上がさらに好ましく、10kJ/m2以上が特に好ましい。
上記で得られた平板状成形品の中心部を、MD/TD方向にそれぞれ長さ15mm×幅10mm×厚さ2mmに切り出すことで試験片を得、線膨張係数の測定に用いた。
測定機器としては、日立ハイテクサイエンス製TMA7100を用い、試験片の長さ部分を測定の対象にし、−10〜+40℃まで20℃/分の速度で昇温し、温度変化量に対する寸法の変化量の傾きから線膨張係数(単位:/K)を算出した。
上記で算出したMDとTDとの線膨張係数の比(MD/TD)を算出した。
上述した方法で得られた樹脂組成物のペレットを、120℃で5時間乾燥した後、射出成型機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃の条件で射出成形し、円筒形スラスト試験片(接触面積2cm2)の試験片を作製した。
得られた円筒形スラスト試験片について、鈴木式摩擦摩耗試験機を用い、温度23℃、試験面圧1.72MPa、試験速度69mm/sec、試験時間180分の条件で、円筒形スラスト試験片(本材料)を非回転側とし、相手材としてのアルミニウム板を下にして、摩擦摩耗試験を行い、本材料と相手材(アルミニウム板)の比摩耗量(単位:×0.01mm3/kgf・km)を測定した。
以上の評価結果を、以下の表2に示す。
Claims (5)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、アクリロニトリル−スチレン系共重合体(B)を10〜100質量部、平均厚さが0.45〜1μmのガラスフレーク(C)を10〜100質量部、扁平率が1.5超8以下の扁平断面ガラス繊維(D)を5〜100質量部、及びポリテトラフルオロエチレン(E)を3〜70質量部含有し、ポリテトラフルオロエチレン(E)と扁平断面ガラス繊維(D)の含有量の質量比(E)/(D)が1未満であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- 扁平断面ガラス繊維(D)の含有量が、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部超50質量部以下である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ISO11359−2に基づいて測定されるMD方向とTD方向の線膨脹係数が、いずれも15×10−6/K〜35×10−6/Kの範囲にあり、MD方向とTD方向の線膨張係数の比(MD/TD)が0.8〜1.1の範囲にある請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、アルミニウムを相手材とした際の比摩耗量が10×0.01mm3/kgf・km以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形品。
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