JP6276019B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
なかでも難燃化されたポリカーボネート樹脂組成物は、コンピューター、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の情報・モバイル機器やプリンター、複写機等のOA機器等の部材として好適に使用されている。
また、ポリカーボネート樹脂の分子量を下げたり、有機リン酸エステルを増量することで流動性を高めることができるが、このような手法を用いると、耐衝撃性が著しく低下するという課題も有していた。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)40〜95質量%とガラス系強化充填材(B)5〜60質量%からなる(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、リン酸エステル化合物(C)3〜30質量部、フルオロポリマー(D)0.001〜1質量部及びポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(E)0.5〜10質量部を含有することを特徴とする。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂の種類に制限はない。また、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下、より好ましくは24000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明で用いるガラス系強化充填材(B)は、ガラス系の強化充填材であり、ガラス繊維、扁平断面ガラス繊維、ガラスフレーク等が好ましく挙げられる。
数平均繊維長が10mmを超えると成形品表面からのガラス繊維の脱落が発生しやすく、生産性が低下しやすい。数平均繊維長が1mm未満では、ガラス繊維のアスペクト比が小さいため、機械的強度の改良が不十分となりやすい。
なお、数平均繊維長は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、並びに薬品による分解等の処理で採取される充填剤残渣のガラス繊維2000本を、光学顕微鏡にて観察した画像から画像解析装置によって算出される値である。また、かかる値の算出に際しては繊維径を目安にそれ以下の長さのものはカウントしない方法による値である。
収束剤としては、特に制限はないが、例えばウレタン系、エポキシ系、アクリル系等の収束剤が挙げられる。なかでも本発明に使用するガラス繊維の収束剤としては、ウレタン系、エポキシ系収束剤がより好ましく、エポキシ系収束剤がさらに好ましい。
なお、扁平率の値は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、並びに薬品による分解等の処理で採取される充填剤残渣のガラス繊維2000本を光学顕微鏡にて観察した画像から画像解析装置によって算出される平均値である。
また、扁平断面ガラス繊維の長径と短径の比(長径/短径)の平均値は、好ましく1.5〜8であるが、より好ましくは1.6〜7、さらに好ましくは1.7〜6、特に好ましくは1.8〜5である。このような範囲の長径と短径の比(長径/短径)の平均値を有する扁平断面ガラス繊維を用いることで、本発明のポリーボネート樹脂組成物の流動性や低ソリ性、耐衝撃性、異方性をより高めることができる。
かかる扁平断面ガラス繊維の平均繊維長とは、扁平断面形状を同一面積の真円形に換算したときの数平均繊維径をいう。また平均繊維長とは、本発明のポリカーボネート樹脂組成物中における数平均繊維長をいう。なお、数平均繊維長は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、並びに薬品による分解等の処理で採取される充填剤残渣を光学顕微鏡にて観察した画像から画像解析装置によって算出される値である。また、かかる値の算出に際しては繊維径を目安にそれ以下の長さのものはカウントしない方法による値である。
収束剤としては、特に制限はないが、例えば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、スチレン系、オレフィン系等の収束剤が挙げられる。なかでも、ウレタン系、エポキシ系収束剤がより好ましく、エポキシ系収束剤がさらに好ましい。
なお収束剤の付着量は、扁平断面ガラス繊維100質量%中、通常0.1〜3質量%、好ましくは0.2〜1質量%である。
なお、チョップドストランド(チョップドガラス繊維)のカット長についても特に制限はないが、通常1〜10mm、好ましくは1.5〜6mm、より好ましくは2〜5mmである。
本発明で用いるガラスフレークは、好ましくは平均厚さが0.2〜10μm、より好ましくは0.3〜7μm、さらに好ましくは0.5〜6μmのガラスフレークである。平均厚みが上記範囲の上限を超える場合は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性や難燃性が低下しやすいため好ましくない。また平均厚みが上記範囲の下限を下回る場合は、ガラスフレークが極端に割れやすくなり、剛性や低ソリ性が低下する傾向にあるためやはり好ましくない。
通常、ガラス系強化充填材の含有量が30質量%を超えると、弾性率が下がる傾向にあるが、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ガラス系強化充填材を30質量%超、あるいは35質量%超というような高い充填率で含有しても、弾性率が下がることなく、流動性、剛性、耐衝撃性、難燃性に優れるという効果を奏する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン酸エステル化合物(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)及びガラス系強化充填材(B)の合計100質量部に対して、3〜30質量部含有する。このようにリン酸エステル化合物を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、流動性を向上させることができる。
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステル類;
レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(RDP)、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート(RDX)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(BDP)、ビフェニルビス−ジフェニルホスフェート等の縮合リン酸エステル類;
等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フルオロポリマー(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)とガラス系強化充填材(B)の合計100質量部に対し、0.001〜1質量部含有する。フルオロポリマーの種類に制限はなく、また、フルオロポリマーは、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
さらに、ビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するフルオロエチレン重合体も使用することができ、このようなフルオロエチレン重合体としては、ポリスチレン−フルオロエチレン複合体、ポリスチレン−アクリロニトリル−フルオロエチレン複合体、ポリメタクリル酸メチル−フルオロエチレン複合体、ポリメタクリル酸ブチル−フルオロエチレン複合体等が挙げられ、具体例としては三菱レイヨン社製「メタブレンA−3800」、GEスペシャリティケミカル社製「ブレンデックス449」等が挙げられる。
なお、フルオロポリマーは、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)とガラス系強化充填材(B)の合計100質量部に対し、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(E)を0.5〜10質量部含有する。このように、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含有することで、ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、及び流動性、耐衝撃性を改良することができる。
これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じてリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フェノール系安定剤を含有することも好ましい。
フェノール系安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
また、必要により、滑剤を含有することも好ましい。滑剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)、ガラス系強化充填材(B)、リン酸エステル化合物(C)、フルオロポリマー(D)、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(E)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。この成形体の形状、模様、色、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、流動性、剛性、耐衝撃性、難燃性のバランスに優れるので、各種用途における成形体として使用できる。
電気電子機器、情報端末機器、家電製品、OA機器としては、例えば、パソコン、ゲーム機、テレビ、電子ペーパーなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、スキャナー、ファックス、電子手帳;PDA、携帯電話、タブレット端末等の各種携帯端末;電子式卓上計算機、電子辞書;カメラ、ビデオカメラやそのレンズ;電池パック、記録媒体のドライブや読み取り装置、マウス、テンキー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、携帯ラジオ・オーディオプレーヤー等の部品が挙げられる。
なかでも、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、特に、コンピューター、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の情報・モバイル機器やプリンター、複写機等のOA機器等の部材として、特に好適に用いることができる。
[樹脂ペレット製造]
後記表2に記した各成分のうちガラス系強化充填材以外を、表3〜表5に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に上流のフィーダーより供給し、さらにガラス系強化充填材をサイドフィーダーによりバレルの途中より供給しながら、回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上述の方法で得られたペレットを、80℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のSE100DU型射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ0.8mmのUL試験用試験片を成形した。
同様に上述の方法で得られたペレットを、80℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製の射出成形機(サイキャップM−2、型締め力75T)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、ISO多目的試験片(4mm厚)及び、ISO多目的試験片(3mm厚)を成形した。
同様に上述の方法で得られたペレットを、80℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製の射出成形機(サイキャップM−2、型締め力75T)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃、射出圧力150MPaの条件で幅20mm、厚さ1mmのバーフロー成形品を射出成形し、その流動長(単位:mm)を評価した。
このバーフロー流動長の値が大きいほうが、流動性が高く、成形性が良いことを意味し、好ましい。表3〜5中、「流動性」と表記する。
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、上述の方法で得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
さらに全5本の総燃焼時間(単位:SEC)をカウントし、評価した。この総燃焼時間は小さい方が、良好な難燃性を有していることを意味し、好ましい。
表3〜5中、「総燃焼時間」と表記する。
上述の方法で得られたISO多目的試験片(4mmt)を用い、ISO178に準拠して曲げ弾性率(単位:GPa)を測定し評価した。
なお、表3〜5中、「弾性率」と表記する。
上述の方法で得られたISO多目的試験片(3mmt)を用い、ISO179に準拠してノッチ付シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定し評価した。
なお、表3〜5中、「耐衝撃性」と表記する。
一方、表4及び表5の比較例を見ると、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含有していない場合は、流動性、難燃性が劣る(比較例1、4、6)。また、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の代わりに、ブタジエン含有グラフト共重合体を用いた場合もやはり、流動性、難燃性に劣ることがわかる(比較例2、3、5、7)。
Claims (3)
- ポリカーボネート樹脂(A)40〜65質量%とガラス系強化充填材(B)35〜60質量%からなる(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、リン酸エステル化合物(C)3〜30質量部、フルオロポリマー(D)0.001〜1質量部及びポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(E)0.5〜10質量部を含有し、ガラス系強化充填材(B)が、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が1.8〜8である扁平断面ガラス繊維であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- リン酸エステル化合物(C)が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(E)の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、1〜6質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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