JP2021115463A - 可撓性の耐伸張性遠位部分を有する医療装置送達部材 - Google Patents

Abstract

【課題】血管内医療装置を送達及び展開するための送達部材を提供する。【解決手段】送達部材１０は、可撓性スリーブによって取り囲まれ、コイル２１２の管腔を通って位置決めされた耐伸張性部材６００によって長さ方向に延在することが阻止される巻かれたワイヤコイルを含む可撓性遠位部分を含む。送達部材は、耐伸張性部材及び巻かれたワイヤコイルが取り付けられ得る巻かれたワイヤコイルから両側（遠位方向及び近位方向）に位置決めされたハイポチューブ１００、３００を含むことができる。遠位ハイポチューブは、ループワイヤを遠位ハイポチューブに配置して取り付けるための取り付けスロットを含むことができる。【選択図】図１

Description

本発明は一般的には、ヒト対象の身体の血管を介して誘導可能な血管内医療装置システムに関する。より具体的には、本発明は、埋め込み式医療用装置を身体の血管の標的位置に送達及び展開するための送達システムと送達部材、及びその使用方法に関する。

人体の血管構造の中に治療装置（例えば拡張バルーン、ステント及び塞栓コイル）を位置決めし展開するためのカテーテル送達システムを使用することは、血管内疾患を治療するための標準手技となっている。そのような装置は、特に、従来の手術手技が不可能である場合、又は患者に大きな危険をもたらす領域を治療する場合、例えば脳血管の中の動脈瘤を治療する場合に有効であることが分かっている。脳血管を囲む繊細な組織、例えば脳組織のために、脳血管の欠陥を治療するための外科手技を実行することは、非常に難しく、往々にして危険な場合がある。カテーテルベースのインプラント送達システムの進歩によって、そのような場合の代替的な治療が実現されてきた。カテーテル送達システムの利点として挙げられるのは、周囲の組織への外傷のリスクを低減することが分かっているアプローチによって血管を治療するための方法を提供すること、及び更に過去には手術不能であると考えられていた血管の治療を可能にすることである。

一般に、これらの手技は、送達カテーテルを患者の血管構造の中に挿入することと、それを血管構造を通して所定の送達部位まで導くことと、を伴う。塞栓コイルなどの血管閉塞装置は、送達部材（例えばマイクロカテーテル）の遠位端においてインプラント係合／配備システム（本明細書では「係合システム」又は「配備システム」と同等に称される）に取り付けることができる。それは、送達カテーテルを通って送達カテーテルの遠位端から送達部位へとコイルを押し出す。例示的な送達部材及び係合／配備システムは、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第１５／８５０，９９３号、米国特許出願第１５／９６４，８５７号、及び米国特許出願第１６／５０２，７６７号に記載されている。

そのような治療手技を適切に実行することに関連している困難の一部には、送達部材及び係合システムが治療全体を通して安定した位置に留まることを確実にすることが挙げられる。例えば、動脈瘤のいくつかの治療用途では、動脈瘤が塞栓性物質で次第に充填されていくにつれて、埋め込まれている塞栓性物質からの押し戻しが増加することに起因して送達部材が移動する傾向がある可能性がある。送達部材が治療中に移動すると、医師は、塞栓性物質の配置を正確に制御することができない場合があり、動脈瘤を充填するのを停止するように選択する場合がある。このような例では、動脈瘤を十分に充填することができず、これは再疎通をもたらし得る。更に、送達部材及び／又はそれと接する係合システムの過剰な移動又は伸張は、塞栓コイルの早期の取り外しをもたらし得る。

したがって、安定性の改善されたインプラント送達部材及びインプラント係合システムを提供するための改良された方法、装置、及びシステムに対する必要性が存在している。

本発明の目的は、上述の必要性を満たすシステム、装置、及び方法を提供することである。一般に、本発明の目的は、可撓性遠位部分を有する埋め込み式医療用装置を送達及び展開するための送達部材を提供することである。

送達部材の遠位部分の剛性は、送達部材の遠位端が蛇行性の遠位の解剖学的構造を通って前進する際に、塞栓物質の送達に使用されるマイクロカテーテルを動脈瘤から引き戻すことができる。塞栓物質を前進させながらマイクロカテーテルが引き戻されると、マイクロカテーテルは動脈瘤から出ることが可能になり、医師が塞栓コイルの制御を失う可能性があり、塞栓物質の配置を正確に制御することができず、治療を完了することができない場合がある。

可撓性は、送達部材の遠位部分に沿って巻かれる、ある長さのコイルを組み込むことによって提供されることができる。巻かれたコイルは、コイルの外側の周囲に位置決めされた可撓性ポリマースリーブによって保護することができる。巻かれたコイルは、巻かれたコイルのいずれかの端部においてハイポチューブに付着された耐伸張性チューブが伸びることを阻止することができる。

埋め込み式医療用装置を体内血管の標的位置に送達するための例示的な送達部材は、近位ハイポチューブ、支持コイルセクション、遠位ハイポチューブ、及び係合システムを含むことができる。支持コイルセクションは、近位ハイポチューブの遠位端に取り付けることができる。遠位ハイポチューブ、支持コイルセクション、及び近位ハイポチューブは、内部を通る管腔を有する連続した管状構造を形成することができる。遠位ハイポチューブは、埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端を有することができる。遠位ハイポチューブは、管腔から遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットを含むことができる。遠位ハイポチューブは、管腔から遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第２の取り付けスロットを含むことができる。係合システムは、埋め込み式医療用装置と係合して配備するように動くことができる。係合システムは、ループワイヤ及びプルワイヤを含むことができる。ループワイヤは、埋め込み式医療用装置の開口部を通って延在することにより、係合システムを埋め込み式医療用装置と係合させることができる。ループワイヤは、第１の端部及び第２の端部を有することができる。第１の端部は、第１の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在してよく、第２の端部は、第２の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在してよい。プルワイヤは、管腔を通って延在してループワイヤと係合することによって係合システムを埋め込み式医療用装置と係合させることができる。プルワイヤは、近位方向に後退させてループワイヤを外すことで埋め込み式医療用装置を展開するように動くことができる。

第１の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有することができる。近位端は第１の直径を有することができ、遠位端は第２の直径を有することができる。第１の取り付けスロットの第１の直径は、第１の取り付けスロットの第２の直径よりも大きくてよい。同様に、第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有することができる。近位端は第１の直径を有することができ、遠位端は第２の直径を有することができる。第２の取り付けスロットの第１の直径は、第２の取り付けスロットの第２の直径よりも大きくてよい。

送達部材は、ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットに接続する第１のアタッチメントと、ループワイヤの第２の端部を第２の取り付けスロットに接続する第２のアタッチメントと、を更に備えることができる。

ループワイヤは、金属材料であってよく、第１のアタッチメント及び／又は第２のアタッチメントは溶接部であってよい。

第１のアタッチメント及び／又は第２のアタッチメントは、エポキシを含むことができる。

第１のアタッチメントは、第１の取り付けスロットの第１の直径にほぼ等しい結び目直径を有するループワイヤの第１の結び目とすることができる。第２のアタッチメントは、第２の取り付けスロットの第１の直径にほぼ等しい直径を有するループワイヤの第２の結び目とすることができる。

ループワイヤは、ポリマー材料であってよい。

遠位ハイポチューブは、管腔を通る長手方向軸に沿った螺旋状の切り込みを有することができる。

第１の取り付けスロットは、遠位ハイポチューブ上の、第２の取り付けスロットの反対側の位置に、長手方向軸を通る直径線に沿って配置することができる。第１の取り付けスロットは、螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、第２の取り付けスロットの近位側に配置することができる。

第１の取り付けスロットは、螺旋状の切り込みの２つの隣接する切れ目から等距離の第１の位置に配置することができる。第２の取り付けスロットは、螺旋状の切り込みの２つの隣接する切れ目から等距離の第２の位置に配置することができる。

第１の取り付けスロット及び第２の取り付けスロットは、長手方向軸に対して垂直とすることができる。

送達部材用の例示的な遠位ハイポチューブは、埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端を有することができる。遠位ハイポチューブは、遠位ハイポチューブを通って延在する管腔を有することができる。遠位ハイポチューブは、管腔から遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットを含むことができる。遠位ハイポチューブは、管腔から外側表面まで延在する第２の取り付けスロットを含むことができる。遠位ハイポチューブは、ループワイヤを有することができる。ループワイヤは、第１の端部で第１の取り付けスロットに取り付け、第２の端部で第２の取り付けスロットに取り付けることができる。遠位ハイポチューブは、外側表面に螺旋状の切り込みを有することができる。螺旋状の切り込みは、管腔を通る長手方向軸に沿って切り込むことができる。

第１の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有することができる。第１の取り付けスロットの近位端は、第１の取り付けスロットの遠位端よりも大きい直径を有することができる。第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有することができる。第２の取り付けスロットの近位端は、第２の取り付けスロットの遠位端よりも大きい直径を有することができる。ループワイヤを、第１のアタッチメントによって第１の取り付けスロットに取り付けることができる。ループワイヤを、第２のアタッチメントによって第２の取り付けスロットに取り付けることができる。

ループワイヤは、金属材料であってよく、第１のアタッチメント及び／又は第２のアタッチメントは溶接部であってよい。

第１のアタッチメント及び／又は第２のアタッチメントは、エポキシを含むことができる。

第１のアタッチメントは、第１の取り付けスロットの第１の直径にほぼ等しい結び目直径を有するループワイヤの第１の結び目とすることができる。第２のアタッチメントは、第２の取り付けスロットの第１の直径にほぼ等しい直径を有するループワイヤの第２の結び目とすることができる。

第１の取り付けスロットは、遠位ハイポチューブ上の、第２の取り付けスロットの反対側の位置に、長手方向軸を通る直径線に沿って配置することができる。第１の取り付けスロットは、螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、第２の取り付けスロットの近位側に配置することができる。

送達部材上に埋め込み式医療用装置を取り付けるための例示的な方法は、送達部材を与えることを含む。送達部材は、可撓性遠位ハイポチューブを含むことができる。本方法は、ループワイヤの第１の端部を、可撓性遠位ハイポチューブの第１の取り付けスロットの近位端に通すことを含むことができる。本方法は、ループワイヤの第１の端部を、第１の取り付けスロットの近位端から、近位端よりも小さい直径を有する、第１の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることを含むことができる。本方法は、ループワイヤを第１の取り付けスロットに取り付けることを含むことができる。本方法は、ループワイヤの第２の端部を、可撓性遠位ハイポチューブの第２の取り付けスロットの近位端に通すことを含むことができる。本方法は、ループワイヤの第２の端部を、第２の取り付けスロットの近位端から、近位端よりも小さい直径を有する、第２の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることを含むことができる。本方法は、ループワイヤを第２の取り付けスロットに取り付けることを含むことができる。

ループワイヤを第１の取り付けスロットに取り付けることは、ループワイヤを第１の取り付けスロット内に溶接することを含むことができる。

本方法は、ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットの近位端から第１の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張る前に、ループワイヤの第１の端部に第１の結び目を結ぶことを含むことができる。本方法は、ループワイヤの第２の端部を第２の取り付けスロットの近位端から第２の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張る前に、ループワイヤの第２の端部に第２の結び目を結ぶことを含むことができる。

本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明の装置の１つ以上の実装形態を描写している。
本発明の態様による、送達部材の断面図である。 （Ａ）本発明の態様による、可撓性スリーブの断面図である。 （Ｂ）本発明の態様による耐伸張性チューブの断面図である。 （Ｃ）本発明の態様による、遠位ハイポチューブ及び近位ハイポチューブに付着させたワイヤコイルの断面図である。 （Ｄ）及び（Ｅ）本発明の態様による第１及び第２の取り付けスロットを有する遠位ハイポチューブの図である。 （Ｄ）及び（Ｅ）本発明の態様による第１及び第２の取り付けスロットを有する遠位ハイポチューブの図である。 （Ｆ）〜（Ｈ）本発明の態様による第１及び第２の取り付けスロットを有する遠位ハイポチューブの図である。 （Ｆ）〜（Ｈ）本発明の態様による第１及び第２の取り付けスロットを有する遠位ハイポチューブの図である。 （Ｆ）〜（Ｈ）本発明の態様による第１及び第２の取り付けスロットを有する遠位ハイポチューブの図である。 （Ａ）〜（Ｄ）本発明の態様による、インプラントを配備するためのシーケンスを概観した、係合システムの図である。 （Ａ）〜（Ｄ）本発明の態様による、インプラントを配備するためのシーケンスを概観した、係合システムの図である。 （Ａ）〜（Ｄ）本発明の態様による、インプラントを配備するためのシーケンスを概観した、係合システムの図である。 （Ａ）〜（Ｄ）本発明の態様による、インプラントを配備するためのシーケンスを概観した、係合システムの図である。 本発明の態様による、送達部材を設計及び／又は構築するための方法を説明するフロー図である。 本発明の態様による、例示的な送達部材を含む送達システムを使用するための方法を説明するフロー図である。 埋め込み式医療用装置を送達部材に取り付けるための方法を説明するフロー図である。

血管内処置中、例えば動脈瘤閉塞治療中に、治療装置の送達部材の遠位部分に可撓性が欠如していることは、インプラント又は他の医療処置用装置が動脈瘤又は他の治療部位に配置されている間、送達部材を治療部位から引き戻すか、別様に位置から移動させ得る。したがって、より可撓性である遠位部分を有する送達部材及び係合システムは、同様の課題に直面する他の用途に加えて、神経血管の解剖学的構造に医療装置を送達するために安定したシステムを提供することができる。しかし、可撓性構造体は、蛇行性の解剖学的構造を誘導する際に変形、伸長、又は拡張する傾向がある場合がある。送達部材の変形は、治療部位に誘導する、及び／又は医療装置を効果的に展開する送達部材の能力を阻止し得る。送達部材が伸びることは、医療装置の早期の展開をもたらし得る。

本発明の目的は、医療治療用装置の送達及び展開全体を通して、耐伸張性で構造的に安定している極めて可撓性の遠位部分を有する送達部材を提供することである。説明を容易にするために、医療治療用装置は、本明細書では一般に「インプラント」と称されるが、当業者によって認識され理解されるように、本発明の態様は、埋め込まれていない医療治療用装置を送達及び展開するために適用され得る。

本発明によれば、いくつかの例では、送達部材の高度に可撓性の遠位部分は、コイル状ワイヤ、外側スリーブ、及び内側の耐伸張性部材を含むことができる。コイル状ワイヤは、コイルの形状に巻かれた実質的に線形のワイヤ、及び／又は螺旋パターンでレーザー切断されたハイポチューブで形成することができる。コイル状ワイヤがレーザー切断されたハイポチューブから形成される場合、螺旋は、より可撓性のあるコイルを設けるように、コイル内の巻線を接続する干渉的な切断がない場合がある。外側スリーブは、コイル状ワイヤが半径方向に変形することを阻止することができ、かつ／又はインプラントの送達中に血管壁が摺動することができる平滑な表面を設けることができる。耐伸張性部材は、インプラントの送達中にコイル状ワイヤが伸びることを阻止することができる。したがって、コイル状ワイヤ、外側スリーブ、及び耐伸張性部材の組み合わせは、少なくともいくつかの公知の送達部材よりも高い可撓性及び高い安定性を有する送達部材の遠位部分を設けることができる。

図面を参照すると、図１に示すように、例示的な送達部材１０は、近位チューブ１００と、コイルセクション２００と、遠位チューブ３００と、コイルセクションを取り囲むスリーブ５００と、コイルセクション２００の管腔内の耐伸張性部材６００とを含むことができる。本開示では、近位チューブと近位ハイポチューブなる用語は、互換的に使用され得る。同様に、遠位チューブと遠位ハイポチューブの用語は、互換的に使用され得る。近位チューブ１００は、コイルセクション２００及び遠位チューブ３００を有する送達部材１０の長さの大部分を延在することができ、治療部位におけるインプラントの配置中に生じ得る大部分の押し戻しを吸収するのに十分な長さを形成する。いくつかの例では、長さは、約３０ｃｍ〜約５０ｃｍ、又はより具体的には約４０ｃｍとすることができる。近位チューブ１００は、コイルセクション２００の近位端２０２に接続された遠位端１０４を有することができ、コイルセクション２００は、遠位チューブ３００の近位端３０２に接続された遠位端２０４を有することができる。本明細書により詳細に記載されるように、遠位チューブ３００は、圧縮可能部分３０６を含むことができる。圧縮可能部分３０６は、遠位チューブ３００の螺旋状の切れ目３０７、巻回ワイヤ、螺旋状リボン、又は本発明による軸方向の調節を可能にする他の構成から形成することができる。インプラント又は他の医療処置装置を送達部材１０に固定することができるループワイヤ４００を遠位チューブ３００の管腔３０８内に配置することができる。遠位チューブ３００の圧縮可能部分３０６は、ループワイヤ４００を遠位チューブ３００を通じて管腔３０８から遠位ハイポチューブの外側表面３０９へと通すことを可能にする取り付けスロット（例えば、第１の取り付けスロット３１０及び第２の取り付けスロット３１６）を有することができる。

図２Ａは、スリーブ５００の断面図である。図２Ｂは、耐伸張性部材６００の断面図である。図２Ｃは、組み立てられた近位チューブ１００、コイルセクション２００及び遠位チューブ３００の断面図である。

コイルセクション２００は、近位ハイポチューブ１００及び／又は遠位ハイポチューブ３００とは別個に形成され得る。別個に形成されたコイルセクション２００は、溶接部７１２、７１４、又は近位チューブ１００及び／又は遠位チューブ３００への他の適切な取り付けで付着させることができる。加えて、又は代替的に、コイル状セクションの少なくとも一部分は、ハイポチューブの螺旋状レーザー切断部分で形成されてもよい。別個に形成されたコイルセクション２００は、特定の直径Ｄを有する特定の断面（例えば円形）を有するワイヤを選択することによって、又は可撓性を増大させる材料特性を有するワイヤを選択することによって、螺旋状の切断管と比較してより可撓性にすることができる。反対に、レーザー切断部分は、単一のハイポチューブを切断して近位チューブ１００、コイルセクション２００、及び遠位ハイポチューブ３００を形成し、溶接部７１２、７１４、又は他の取り付けを削減又は削除することによって、レーザー切断部分をより容易に製作することができる。いずれの場合も、コイル２００のワイヤは、約０．８ミル及び５ミル（約２０ｎｍ〜約１３０ｎｍ）を含む範囲内で測定される直径Ｄを有することができる。

コイル状セクションは、鋼などの非放射線不透過性材料から主に形成することができ、白金及び／又はタングステンなどの放射線不透過性材料から作製された放射線不透過性セクション２１６を含むことができる。放射線不透過性セクション２１６は、コイル２１２の近位の非放射線不透過性セクションとコイル２１４の遠位の非放射線不透過性セクションとの間に位置決めすることができる。放射線不透過性セクション２１６は、治療手技中に医師が送達部材の遠位部分の配置を容易に可視化することができるように、送達部材１０の遠位端３０４から所定の距離に位置決めされ得る。近位セクション２１２、放射線不透過性セクション２１６、及び遠位セクション２１４は、同心円状に溶接され得る。

コイルセクション２００は、本明細書において総称的に「スリーブ」と称される可撓性スリーブ又は溶融ジャケット５００によって包囲され得る。スリーブ５００は、誘導中にコイル２００が径方向に拡張すること、及び／又は血管壁に係合することを阻止することができる。スリーブ５００は、ポリマーを含み得る。ポリマーは、スリーブ５００の潤滑性を増大させるための添加剤を含むことができ、スリーブが身体の血管を通って容易に摺動できるようにする。図２Ａに示すように、スリーブ５００は、約０．５ミル及び約２ミル（約０．０１ｍｍ〜約０．０５ｍｍ）などの範囲内で測定される壁厚Ｔを有することができる。スリーブ５００は、血管内ナビゲーションの間の摩擦を更に最小限に抑えるために、親水性コーティングで更にコーティングすることができる。スリーブ５００は、コイル２００、近位ハイポチューブ１００及び／又は遠位ハイポチューブ３００に融合又は接着され得る。

耐伸張性部材６００は、血管内ナビゲーションの間にコイル２００が伸びるのを阻止するように位置決めすることができる。耐伸張性部材６００は、コイル２００の管腔２０８の内部に適合するように寸法決めされた管を含むことができる。耐伸張性チューブ６００はまた、コイル２００の長さの全体を通って延在するように寸法決めされてもよく、近位チューブ１００の管腔１０８と共に、遠位チューブ３００の管腔３０８内に延在するように寸法決めされ得る。耐伸張性部材６００は、接着接合部７０２、７０４又は他の適切な取り付けで、近位チューブ１００及び遠位チューブ３００に取り付けることができる。耐伸張性部材６００は、耐伸張性部材６００及びコイルセクション２００が、互いに独立してある程度移動することができるように、コイルセクション２００に取り付けられない状態を保ち得る。

送達部材１０は、治療部位への送達中の医療用装置１２に係合するための機械的係合システムを含むことができ、送達部材１０を機械的に作動させて治療用装置１２を配備することができる。機械的に作動される係合システムは、医療治療用装置を展開するために医師によって近位端で操作され得る送達部材を通って延在する１つ以上の内側細長部材又はプルワイヤを含むことができる。こうしたワイヤ又は内側細長部材は、本明細書では「プルワイヤ」と総称される。本明細書において係合システムを参照する場合、係合システムは、ループワイヤ４００とプルワイヤ１４０との組み合わせを含むことができる。

図２Ｄ〜２Ｈは、ループワイヤ４００を固定するために使用することができる例示的な遠位ハイポチューブ３００を示す。ループワイヤ４００は、インプラント又は他の医療処置装置を送達部材１０に固定するように配置することができ、インプラント又は他の医療処置装置から医療用装置１２を解放するように動くことができる。この従来手法を、図３Ａ〜３Ｄを参照して以下により詳細に説明する。要約すると、ループワイヤ４００は、医療用装置１２のロック部分１８上に延在することができる。次いで、プルワイヤ１４０を、ループワイヤ４００の遠位端４０４の開口部４０５を通じて摺動させることができる。これにより、プルワイヤ１４０を後退させて医療装置１２が解放されるまで医療用装置１２を定位置に保持することができる。

図２Ｄは、第１の取り付けスロット３１０及び第２の取り付けスロット３１６を有する遠位ハイポチューブ３００の側面図である（第２の取り付けスロット３１６は図の背後にある）。取り付けスロット３１０，３１６は、管腔３０８から外側表面３０９まで延在する遠位ハイポチューブ３００の外側表面３０９内の開口部とすることができる。取り付けスロット３１０，３１６は、遠位ハイポチューブ３００へのループワイヤ４００の取り付けを促すことができる。取り付けスロット３１０，３１６は、例えば、遠位ハイポチューブ３００の外側表面３０９にレーザー切断することができる。

第１の取り付けスロット３１０は、遠位端３１２及び近位端３１４を有することができる。図から分かるように、第１の取り付けスロット３１０の遠位端３１２の直径３１３を近位端３１４の直径３１５よりも小さくすることができる。このテーパ状設計は、遠位ハイポチューブ３００へのループワイヤ４００の取り付けを促すことができる。例えば、近位端３１４の直径がより大きい場合、ループワイヤ４００をより容易に送ることができる。ループワイヤ４００は、より大きな近位直径３１５に通されると第１の取り付けスロット（３１０）の遠位端（３１２）の方向に引っ張ることができる。いくつかの実施例では、近位端３１４と遠位端３１２との間の移行部はわずかにテーパ状とすることができ、これにより、ループワイヤ４００が遠位端３１２の方向に引かれる際にループワイヤ４００を第１の取り付けスロット内にくさび留めすることができる。第２の取り付けスロット３１６は、すべての点で第１の取り付けスロット３１０と同様とすることができる。例えば、第２の取り付けスロット３１６は、遠位端３２２及び近位端３２４を有することができ、遠位端３２２の直径３２３を第２の取り付けスロット３１６の近位端３２４の直径３２５よりも小さくすることができる。

ループワイヤ４００が取り付けスロット３１０，３１６を通じて送られ、遠位端３１２，３２２の方向に引かれる際にループワイヤ４００をアタッチメント４０９，４０９によって遠位ハイポチューブ３００に取り付けることができる。図２Ｅは、例示的な第１のアタッチメント４０８（第２のアタッチメント４０９はこの図の背後にある）を示す。第１の取り付けスロット３１０を例として用いる（第２の取り付けスロット３１６は同様であってよい）と、ループワイヤ４００を遠位端３１２の方向に引き、第１の取り付けスロット３１０の長さの範囲内の所望の位置で第１の取り付けスロット３１０内に配置することができる。次いで、ループワイヤ４００を第１のアタッチメント４０８で第１の取り付けスロット３１０に取り付けることができる。第１のアタッチメント４０８及び／又は第２のアタッチメント４０９は、それらの対応する取り付けスロット３１０，３１６の遠位端に配置することができる。しかしながら、第１のアタッチメント４０８及び／又は第２のアタッチメント４０９はスロットの最も遠位端に配置する必要はなく、第１のアタッチメント４０８及び／又は第２のアタッチメント４０９は、図２Ｅに示されるように、スロットの中間部分（すなわち、より近位側）に配置することができる。

第１のアタッチメント４０８は、ループワイヤ４００を第１の取り付けスロット３１０に保持する溶接部とすることができる。いくつかの例では、ループワイヤ４００は、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、チタン、ニッケルチタン合金（ニチノール）などの金属材料を含むことができる。同様に、遠位ハイポチューブは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、チタン、ニチノールなどの金属材料を含むことができる。これにより、第１のアタッチメント４０８を、ループワイヤ４００を第１の取り付けスロット３１０に取り付ける金属溶接部とすることができる。いくつかの実施例では、ループワイヤ４００は、ナイロン、ポリプロピレン、絹、ポリエステルなどのポリマー材料を含むことができる。ループワイヤは、編組又はモノフィラメントワイヤを含むことができる。第１のアタッチメント４０８は、第１の取り付けスロット３１０の熱可塑性溶接部とすることもできる。

上記に加えて、又は上記に代えて、第１のアタッチメント４０８は、ループワイヤ４００の端部を第１の取り付けスロット４０８に対して保持するエポキシとすることもできる。上述のように、第２の取り付けスロット３１６は、ループワイヤ４００を第２の取り付けスロット３１６に取り付けるための第２のアタッチメント４０９を含むことができる。第２のアタッチメント４０９は、第１のアタッチメント４０８と同様のものとすることができる。

いくつかの実施例では、第１のアタッチメント４０８は、ループワイヤ４００の結び目とすることができる。上記に述べたように、第１の取り付けスロット３１０は、遠位端３１２よりも大きな直径を有する近位端３１４を有することができる。ループワイヤ４００を、第１の取り付けスロット３１０を通じて引き、結び目に結んでから、遠位端３１２の方向に引っ張ることができる。結び目は、ループワイヤ４００を結び目に結んだ後、第１の取り付けスロット３１０を通じてループワイヤ４００を引き戻すことができないように遠位直径３１３よりも大きくすることができる。他の例では、ループワイヤ４００を最初に結び目に結んでから結び目を第１の取り付けスロット３１０の近位端３１４を通じて送り、次いで、ループワイヤ４００を遠位端３１２の方向に引っ張ることができる。これらの例では、結び目の直径は、第１の取り付けスロット３１０の第１の直径３１５とほぼ等しくすることができる。これにより、ループワイヤ４００を近位端３１４を通じて送ることができるが、ループワイヤ４００を第１の取り付けスロット３１０の遠位端３１２を通じて引っ張ることはできなくなる。第２のアタッチメント４０９は同様に、ループワイヤ４００の反対側の端部の結び目とすることができる。

図２Ｆは、例示的な遠位ハイポチューブ３００の側面図である。第１の取り付けスロット３１０は、この図の前面にあり、第２の取り付けスロット３１６は、背後にある。上記に述べたように、遠位ハイポチューブ３００は、可撓性及び／又は圧縮性部分３０６を有することができる。圧縮可能部分３０６は、遠位ハイポチューブ３００の螺旋状の切れ目３０７、巻回ワイヤ、螺旋状リボン、又は本発明による軸方向の調節を可能にする他の構成から形成することができる。いくつかの例では、第１の取り付けスロット３１０及び／又は第２の取り付けスロット３１６の配置は、螺旋状の切り込み３０７のピッチに基づいて選択することができる。遠位ハイポチューブ３００の可撓性を高めるため、例えば、スロットオフセット３２０によって示されるように、螺旋状の切り込み３０７のピッチの比によって第１の取り付けスロット３１０を第２の取り付けスロット３１６からオフセットさせることができる。図に示されるように、このスロットオフセット３２０の例では、第１の取り付けスロット３１０を第２の取り付けスロット３１６の反対側に配置することができ、第１の取り付けスロット３１０を、螺旋状の切り込み３０７のピッチ３１８の半分に概ね等しい距離だけ、第２の取り付けスロット３１６の近位側にオフセットさせることができる。しかしながら、第１の取り付けスロット３１０は第２の取り付けスロット３１６の反対側に配置される必要はない。第１の取り付けスロット３１０は、螺旋状の切り込み３０７の２つの隣接する切り込みから等距離の第１の位置に配置することができ、第２の取り付けスロット３１６は、螺旋状の切り込み３０７の２つの隣接する切り込みから等距離の第２の位置に配置することができる。これは、取り付けスロット３１０，３１６同士が外側表面３０９上で互いに反対にあるか否かにかかわらず、遠位ハイポチューブ３００上の任意の位置について当てはまる。

図２Ｇは、第１の取り付けスロット３１０と第２の取り付けスロット３１６との例示的なオフセット状態を示す遠位ハイポチューブ３００の斜視図である。螺旋状の切り込み３０７のピッチに対して第１の取り付けスロット３１０と第２の取り付けスロット３１６とをオフセットさせることにより、螺旋状の切れ目３０７を中心としたハイポチューブの屈曲を妨げないことにより、遠位ハイポチューブ３００の可撓性を増大させることができる。

図２Ｈは、例示的なハイポチューブ３００の側面断面図である。いくつかの例では、第１の取り付けスロット３１０及び第２の取り付けスロット３１６は、遠位ハイポチューブ３００の管腔３０８を通る長手方向平面３２６ｂに対して垂直に、遠位ハイポチューブ３００に形成することができる（例えば、レーザー切断、ドリル加工などにより）。長手方向平面３２６ｂは、管腔３０８を通る長手方向軸３２６ｂの三次元でみたものである。垂直方向の切り込みは、ループワイヤ４００の第１の取り付けスロット３１０及び第２の取り付けスロット３１６への取り付けを容易にする助けとなる。例えば、ループワイヤ４００が第１の取り付けスロット３１０及び第２の取り付けスロット３１６を通じて送られると、垂直方向の切り込みはループワイヤ４００と取り付けスロット３１０，３１６の外側壁との間の均一な表面接触を確実とする助けとなり得る。

図２Ｈはまた、第１の取り付けスロット３１０と第２の取り付けスロット３１６との間の例示的なスロットオフセット３２０をみえやすく示している。上記に述べたように、第１の取り付けスロット３１０は、遠位ハイポチューブ３００上の、第２の取り付けスロット３１６の反対側の位置に、長手方向軸３２６ａを通る直径線に沿って配置することができる。第１の取り付けスロット３１０と第２の取り付けスロット３１６とは、螺旋状の切り込み３０７のピッチに基づいてオフセットさせることができる。

図３Ａ〜３Ｄは、プルワイヤ１４０と、インプラント又は他の医療治療用装置を送達部材１０に固定するように位置決めされ得、送達部材１０から医療治療用装置を解放するように移動され得るループワイヤ４００とを含む機械的係合システムを含む送達部材１０を示す。ループワイヤ４００は、第１のアタッチメント４０８及び第２のアタッチメント４０９を用いて遠位チューブ３００に固定することができる。耐伸張性部材６００は、プルワイヤ１４０が近位チューブ１００、コイルセクション２００、及び遠位チューブ３００の管腔１０８、２０８、３０８を通過できるように寸法決めされ得る。例えば、耐伸張性部材６００は、管状でそれを通る管腔を有するのでもよく、プルワイヤ１４０は、管状耐伸張性部材６００の管腔を通って延在することができる。耐伸張性部材６００の製造中、耐伸張性部材６００は、プルワイヤ１４０の上に押出成形され得る。

コイル２００、スリーブ５００、及び耐伸張性部材６００の組み合わせは、神経血管を含む蛇行性の解剖学的構造を誘導するのに好適な送達部材１０の高度に可撓性の遠位部分を設けることができる。耐伸張性部材６００は、コイル２００を支持して、血管のナビゲーション中にコイル２００が著しいほどに延在するのを防ぐことができ、それによって、それを通って延在するプルワイヤ１４０の張力を低減し、取り付けられた医療治療用装置が早期に展開する可能性を低減することができる。

近位チューブ１００は、可撓性セクション１０６の可撓性を増加するために材料が除去された可撓性セクション１０６を含むことができる。可撓性セクション１０６は、螺旋パターンで切断することができる。可撓性セクション１０６の螺旋パターンは、螺旋内に巻線を接続する干渉的な切断を欠くことができる。耐伸張性部材６００は、可撓性セクション１０６を通って延在し、可撓性セクション１０６から近位方向に近位チューブ１００に取り付けられ得る。これにより、耐伸張性部材６００は、近位チューブ１００及びコイルセクション２００の可撓性セクション１０６が伸びるのを阻止することができる。スリーブ５００は、可撓性セクション１０６の少なくとも一部分を覆って、血管内ナビゲーション中に可撓性セクションの変形を阻止し、かつ／又は血管構造及び可撓性セクション１０６との摩擦を低減することができる。いくつかの例では、スリーブ５００は、近位チューブ１００の遠位端１０４に接近する及び／又は含む近位チューブ１００の約１０ｃｍを覆うことができる。

遠位チューブ３００は、圧縮可能部分３０６を有することができる。圧縮可能部分３０６は、細長い状態と圧縮状態との間で軸方向に調節可能であり得る。遠位ハイポチューブ３００も可撓性とすることで、遠位ハイポチューブ３００が神経血管の解剖学的構造内に医療用装置を送達するための安定したシステムを与えることができる。遠位ハイポチューブ３００は、例えば、レーザー切断操作によって形成された螺旋状の切れ目３０７を有することで圧縮性かつ／又は可撓性の構造を作製することができる。上記に加えて、又は上記に代えて、圧縮可能部分３０６は、巻線、螺旋状のリボン、又は本発明による軸方向の調節を可能にする他の構成で形成することができる。好ましくは、圧縮可能部分３０６は静止時に細長い状態にあり、他に拘束がない限り、圧縮状態から細長い状態に自動的又は弾性的に戻る。

図３Ａ〜３Ｄは、機械的係合／展開システムを使用した医療装置１２の取り外しを示す。図３Ａは、医療装置１２の係止部分１８に係止された係合システム１４０、４００を示す。遠位チューブ３００の圧縮可能部分３０６は圧縮され得、ループワイヤ４００の遠位端４０４にあるループワイヤ４００の開口部４０５は、係止部分１８を通って配置され得る。プルワイヤ１４０が開口部４０５に通されると、その時点で医療装置１２は固定されている。図３Ｂは、医療装置１２の解放シーケンスを開始するために、近位側に引っ張られているプルワイヤ１４０を示す。図３Ｃは、プルワイヤ１４０が開口部４０５から出て、ループワイヤ４００から引きほどかれた瞬間を例示している。ループワイヤ４００の遠位端４０４は離れ、係止部分１８から出る。図から分かるように、この時点で医療装置１２を送達部材１０に保持しているものは何もない（例えば、遠位ハイポチューブ３００）。図３Ｄは、解放シーケンスの終了時を示す。ここで、圧縮可能部分３０６は元の形状に拡張し／戻り、前方に「弾ける」。遠位チューブ３００の遠位端３０４により弾性力Ｅが医療装置１２に付与されて、これを「押し出し」、医療装置１２の完全な分離及び送達を確実に行う。

上述の図面の説明は、本発明による略中空又は略管状構造体１００、２００、３００、５００、６００を示す。本明細書で使用されるとき、用語「管状」及び「管」は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造や、断面が厳密に円形である構造、長さにわたって均一な断面である構造に制限されるものではない。例えば、管状構造又は管状システムは、一般に、実質的に直円柱構造として図示される。しかしながら、管状システムは、本発明の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外側表面を有し得る。

図４は、本明細書に記載される例示的な送達部材などの送達部材を構築又は設計するための方法工程を含むフローチャートである。図４に概説される方法８００を参照すると、工程８１０において、第１ハイポチューブ、第２ハイポチューブ、可撓性スリーブ、ワイヤコイル、及び耐伸張性部材を選択することができる。第１ハイポチューブは、本明細書に記載されるような近位ハイポチューブ１００であってもよく、ないしは別様で当業者に公知のものであってもよい。第２ハイポチューブは、本明細書に記載されるような遠位ハイポチューブ３００であってもよく、ないしは別様で当業者に公知のものであってもよい。可撓性スリーブは、本明細書に記載されるスリーブ又は溶融ジャケット５００であってもよく、又は当業者には別様に公知のものであってもよい。ワイヤコイルは、本明細書に記載されるような支持コイル、コイルセクション２００、又は当業者に公知のものを含むことができる。耐伸張性部材は、本明細書に記載されるような、又は別様に当業者に公知のような、耐伸張性部材６００であり得る。

工程８２０では、耐伸張性部材は、ワイヤコイルの管腔に位置決めされ得る。工程８２０では、位置決めされた耐伸張性部材は、実質的に管状であり得る。工程８３０では、第１ハイポチューブ、ワイヤコイル、及び第２ハイポチューブを互いに取り付けることができる。工程８４０において、耐伸張性部材は、第１ハイポチューブ及び第２ハイポチューブに取り付けられる。第１ハイポチューブ、ワイヤコイル、及び第２ハイポチューブは、本明細書に図示及び記載されるように、又は当業者に理解されるような他の手段によって取り付けることができる。工程８２０、８３０、及び８４０は、その順序で実行される必要はなく、同時に実行することができる。例えば、耐伸張性部材は、工程８４０に示されるように、第１ハイポチューブ及び第２ハイポチューブのうちの１つに取り付けられてもよく、その後、耐伸張性部材が取り付けられるハイポチューブは、工程８３０に示されるようにワイヤコイルに取り付けられ得、次に、工程８２０に示されるように、耐伸張性部材をワイヤコイルを通って位置決めすることができ、次いで、工程８３０に示されるように、ハイポチューブの他方をワイヤコイルに取り付けることができ、次いで、工程８４０に示されるように、耐伸張性部材をその他のハイポチューブに取り付けることができる。

工程８５０では、ワイヤコイルを可撓性スリーブで覆うことができる。可撓性スリーブは、ワイヤコイルの外側表面の一部又は全部を覆うことができる。工程８５０はまた、可撓性スリーブをワイヤコイルに融合させる工程、及び／又は別の方法で可撓性スリーブを送達部材に付着させる工程を含むことができる。第２ハイポチューブが可撓性セクションを有する場合、工程８５０において、可撓性スリーブはまた、可撓性セクションの少なくとも一部分を覆うように位置決めされ得る。

工程８６０では、インプラントを第１ハイポチューブの遠位端に取り外し可能に取り付けることができる。工程８６０では、第１ハイポチューブ内にループワイヤを位置決めすることによってインプラントを取り付けることができ、プルワイヤを第１ハイポチューブ、コイルワイヤ、及び第２ハイポチューブを通って延在させ、インプラントをループワイヤ及びプルワイヤで固定することによって位置決めすることができる。プルワイヤは、第２ハイポチューブの近位端から延在することができる。第１ハイポチューブが圧縮可能部分を有する場合、工程８６０で圧縮可能部分を圧縮することができ、圧縮可能部分が圧縮されている間にインプラントを送達部材に取り付けることができる。

図５は、本明細書に記載される送達部材の例などの送達部材を含むシステムを使用して血管内処置を投与するための方法工程を含むフローチャートである。図５に概説される方法９００を参照すると、工程９１０では、遠位ハイポチューブ、近位ハイポチューブ、ハイポチューブの間に同軸に位置決めされたコイルセクション、コイルセクションを覆う可撓性スリーブ、コイルセクションの内部に位置決めされた耐伸張性部材、及び遠位ハイポチューブに又はその近くに取り付けられた医療治療用装置を有するシステムを選択することができる。本システムは、本明細書に記載及び例示されるような血管内処置、又は当業者には別様に公知であるような血管内処置に好適であり得る。

工程９２０では、システムはカテーテルを通して、動脈瘤の部位又は血管内の他の異常などの治療部位へと移動させることができる。工程９３０では、システムは、カテーテルを通って移動するときに屈曲させることができる。工程９４０において、システムのコイルセクションは、可撓性スリーブ及び耐伸張性部材によって変形することを防止することができ、コイルが長手方向に延在することを耐伸張性部材が阻止することができる一方で、可撓性スリーブは、コイルセクションコイルが半径方向に変形することを阻止することができる。

工程９５０では、医療治療用装置が展開され得る。医療治療用装置がインプラントである場合、工程９５０では、インプラントを取り外すことができる。工程９６０では、遠位チューブは、医療治療用装置を遠位チューブから押し出すように延在し得る。医療治療用装置が工程９５０で取り外されたインプラントである場合、工程９６０では、遠位チューブの拡張に応答して、取り外したインプラントを遠位チューブから放出することができる。

図６は、埋め込み式医療用装置を送達部材に取り付けるための方法工程を含むフロー図である。図６に概説する方法１０００を参照すると、工程１０１０において、送達部材を提供することができる。送達部材は、本明細書に記載されるような可撓性遠位ハイポチューブを含むことができる。工程１０２０において、ループワイヤの第１の端部を、遠位ハイポチューブの第１の取り付けスロットの近位端に通すことができる。工程１０３０において、ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットの近位端から遠位端の方向に引くことができる。上記に述べたように、第１の取り付けスロットの遠位端は、近位端よりも小さい直径を有することができる。

工程１０４０において、ループワイヤを第１の取り付けスロットに取り付けることができる。この取り付けは、本明細書で上記に述べたように様々な形で行うことができる。ループワイヤは、第１の取り付けスロットに溶接することができる。他の例では、ループワイヤは、エポキシを介して第１の取り付けスロットに固定することができる。他の例では、ループワイヤは、ループワイヤの第１の端部に結ばれた結び目を有することができる。結び目は、ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットの近位端に通して引っ張る前に結ぶことができる。この場合、結び目は、第１の取り付けスロットの近位端の直径とほぼ同じサイズとすることができる。これにより、結び目を近位端に通して送り込むことはできるが、結び目が遠位端を通って引き戻されることは防止することができる。結び目は、ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットの近位端に通して引っ張った後で結ぶこともできる。結び目は、ループワイヤを第１の取り付けスロットを通じて引き戻すことができないように、第１の取り付けスロットの近位端及び遠位端の一方又は両方よりも大きくすることができる。ループワイヤの第１の端部を第１の取り付けスロットの遠位端に取り付けるか、又はループワイヤの第１の端部を近位端よりも狭い第１の取り付けスロット内の任意の他の位置に取り付けることができる（例えば、図２Ｅを参照）。工程１０５０〜工程１０７０において、工程１０２０〜１０４０で上記に概説した方法工程を、第２の取り付けスロットについて繰り返すことができる。例えば、ループワイヤの第２の端部を、ループワイヤの第１の端部及び第１の取り付けスロットに関して上記に述べたプロセスと同様の第２の取り付けスロット内に配置することができる。

本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、代替的な構成要素の構成、代替材料、代替的な医療治療用装置、医療治療用装置を展開するための代替的な手段、個々の構成要素の代替的な幾何学的形状、構成部品を取り付けるための代替的な手段などを含む、送達システム、送達部材、及び係合システムの多くの変形及び修正を企図している。これらの修正は、本発明が関連する当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。

〔実施の態様〕
（１） 埋め込み式医療用装置を身体の血管の標的位置に送達するための送達部材であって、前記送達部材は、
近位ハイポチューブと、
前記近位ハイポチューブの遠位端に取り付けられた支持コイルセクションと、
遠位ハイポチューブであって、
前記埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端と、
前記遠位ハイポチューブの管腔から前記遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットと、
前記管腔から前記外側表面まで延在する第２の取り付けスロットと、を備えた、遠位ハイポチューブと、
前記遠位ハイポチューブの前記遠位端に係合された前記埋め込み式医療用装置と係合して前記埋め込み式医療用装置を配備するように動くことができる係合システムと、を備え、前記係合システムは、
前記埋め込み式医療用装置の開口部を通って延在することにより、前記係合システムを前記埋め込み式医療用装置と係合させるループワイヤであって、前記ループワイヤの第１の端部が、前記第１の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在し、前記ループワイヤの第２の端部が、前記第２の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在する、ループワイヤと、
前記管腔を通って延在し、前記ループワイヤに係合することによって前記係合システムを前記埋め込み式医療用装置と係合させるプルワイヤであって、近位方向に後退することで前記ループワイヤを外して前記埋め込み式医療用装置を配備するように動くことができる、プルワイヤと、を備える、送達部材。
（２） 前記第１の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有し、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第１の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
前記第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を備え、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第２の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きい、実施態様１に記載の送達部材。
（３） 前記ループワイヤの前記第１の端部を前記第１の取り付けスロットに接続する第１のアタッチメントと、
前記ループワイヤの前記第２の端部を前記第２の取り付けスロットに接続する第２のアタッチメントと、を更に備える、実施態様２に記載の送達部材。
（４） 前記ループワイヤは金属材料を含み、
前記第１のアタッチメントは溶接部であり、
前記第２のアタッチメントは溶接部である、実施態様３に記載の送達部材。
（５） 前記第１のアタッチメントはエポキシを含み、
前記第２のアタッチメントはエポキシを含む、実施態様３に記載の送達部材。

（６） 前記第１のアタッチメントは、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい結び目直径を有する、前記ループワイヤの第１の結び目であり、
前記第２のアタッチメントは、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい直径を有する、前記ループワイヤの第２の結び目である、実施態様３に記載の送達部材。
（７） 前記ループワイヤは、ポリマー材料を含む、実施態様６に記載の送達部材。
（８） 前記遠位ハイポチューブは、前記管腔を通る長手方向軸に沿った螺旋状の切り込みを更に有する、実施態様１に記載の送達部材。
（９） 前記第１の取り付けスロットは、前記遠位ハイポチューブ上の、前記第２の取り付けスロットの反対側の位置に、前記長手方向軸を通る直径線に沿って配置されており、
前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、前記第２の取り付けスロットの近位側に配置されている、実施態様８に記載の送達部材。
（１０） 前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みの２つの隣接する切り込みから等距離の第１の位置に配置されており、
前記第２の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みの２つの隣接する切り込みから等距離の第２の位置に配置されている、実施態様８に記載の送達部材。

（１１） 前記第１の取り付けスロット及び前記第２の取り付けスロットは、前記長手方向軸に対して垂直に配置されている、実施態様１０に記載の送達部材。
（１２） 送達部材用の遠位ハイポチューブであって、
埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端と、
前記遠位ハイポチューブを通って延在する管腔と、
前記管腔から前記遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットと、
前記管腔から前記外側表面まで延在する第２の取り付けスロットと、
第１の端部で前記第１の取り付けスロットに取り付けられ、第２の端部で前記第２の取り付けスロットに取り付けられるループワイヤと、
前記管腔を通る長手方向軸に沿って切り込まれた、前記外側表面における螺旋状の切り込みと、を備える、遠位ハイポチューブ。
（１３） 前記第１の取り付けスロットは遠位端及び近位端を有し、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第１の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
前記第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を備え、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第２の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
前記ループワイヤは、第１のアタッチメントによって前記第１の取り付けスロットに取り付けられており、
前記ループワイヤは、第２のアタッチメントによって前記第２の取り付けスロットに取り付けられている、実施態様１２に記載の遠位ハイポチューブ。
（１４） 前記ループワイヤは金属材料を含み、
前記第１のアタッチメントは溶接部であり、
前記第２のアタッチメントは溶接部である、実施態様１３に記載の遠位ハイポチューブ。
（１５） 前記第１のアタッチメントはエポキシを含み、
前記第２のアタッチメントはエポキシを含む、実施態様１３に記載の遠位ハイポチューブ。

（１６） 前記第１のアタッチメントは、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい第１の結び目直径を有する、前記ループワイヤの第１の結び目であり、
前記第２のアタッチメントは、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい第２の結び目直径を有する、前記ループワイヤの第２の結び目である、実施態様１３に記載の遠位ハイポチューブ。
（１７） 前記第１の取り付けスロットは、前記遠位ハイポチューブ上の、前記第２の取り付けスロットの反対側の位置に、前記長手方向軸を通る直径線に沿って配置されており、
前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、前記第２の取り付けスロットの近位側に配置されている、実施態様１２に記載の遠位ハイポチューブ。
（１８） 埋め込み式医療用装置を送達部材に取り付ける方法であって、
可撓性遠位ハイポチューブを備えた前記送達部材を提供することと、
ループワイヤの第１の端部を、前記可撓性遠位ハイポチューブの第１の取り付けスロットの近位端に通すことと、
前記ループワイヤの前記第１の端部を、前記第１の取り付けスロットの前記近位端から、前記近位端よりも小さい直径を有する、前記第１の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることと、
前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロットに取り付けることと、
前記ループワイヤの第２の端部を、前記可撓性遠位ハイポチューブの第２の取り付けスロットの近位端に通すことと、
前記ループワイヤの前記第２の端部を、前記第２の取り付けスロットの前記近位端から、前記近位端よりも小さい直径を有する、前記第２の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることと、
前記ループワイヤを前記第２の取り付けスロットに取り付けることと、を含む、方法。
（１９） 前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロットに取り付けることは、前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロット内に溶接することを含む、実施態様１８に記載の方法。
（２０） 前記ループワイヤの前記第１の端部を前記第１の取り付けスロットの前記近位端から前記第１の取り付けスロットの前記遠位端の方向に引っ張る前に、前記ループワイヤの前記第１の端部に第１の結び目を結ぶことと、
前記ループワイヤの前記第２の端部を前記第２の取り付けスロットの前記近位端から前記第２の取り付けスロットの前記遠位端の方向に引っ張る前に、前記ループワイヤの前記第２の端部に第２の結び目を結ぶことと、を更に含む、実施態様１８に記載の方法。

Claims (20)

1. 埋め込み式医療用装置を身体の血管の標的位置に送達するための送達部材であって、前記送達部材は、
   近位ハイポチューブと、
   前記近位ハイポチューブの遠位端に取り付けられた支持コイルセクションと、
   遠位ハイポチューブであって、
   前記埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端と、
   前記遠位ハイポチューブの管腔から前記遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットと、
   前記管腔から前記外側表面まで延在する第２の取り付けスロットと、を備えた、遠位ハイポチューブと、
   前記遠位ハイポチューブの前記遠位端に係合された前記埋め込み式医療用装置と係合して前記埋め込み式医療用装置を配備するように動くことができる係合システムと、を備え、前記係合システムは、
   前記埋め込み式医療用装置の開口部を通って延在することにより、前記係合システムを前記埋め込み式医療用装置と係合させるループワイヤであって、前記ループワイヤの第１の端部が、前記第１の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在し、前記ループワイヤの第２の端部が、前記第２の取り付けスロットを少なくとも部分的に通って延在する、ループワイヤと、
   前記管腔を通って延在し、前記ループワイヤに係合することによって前記係合システムを前記埋め込み式医療用装置と係合させるプルワイヤであって、近位方向に後退することで前記ループワイヤを外して前記埋め込み式医療用装置を配備するように動くことができる、プルワイヤと、を備える、送達部材。
2. 前記第１の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を有し、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第１の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
   前記第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を備え、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第２の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きい、請求項１に記載の送達部材。
3. 前記ループワイヤの前記第１の端部を前記第１の取り付けスロットに接続する第１のアタッチメントと、
   前記ループワイヤの前記第２の端部を前記第２の取り付けスロットに接続する第２のアタッチメントと、を更に備える、請求項２に記載の送達部材。
4. 前記ループワイヤは金属材料を含み、
   前記第１のアタッチメントは溶接部であり、
   前記第２のアタッチメントは溶接部である、請求項３に記載の送達部材。
5. 前記第１のアタッチメントはエポキシを含み、
   前記第２のアタッチメントはエポキシを含む、請求項３に記載の送達部材。
6. 前記第１のアタッチメントは、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい結び目直径を有する、前記ループワイヤの第１の結び目であり、
   前記第２のアタッチメントは、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい直径を有する、前記ループワイヤの第２の結び目である、請求項３に記載の送達部材。
7. 前記ループワイヤは、ポリマー材料を含む、請求項６に記載の送達部材。
8. 前記遠位ハイポチューブは、前記管腔を通る長手方向軸に沿った螺旋状の切り込みを更に有する、請求項１に記載の送達部材。
9. 前記第１の取り付けスロットは、前記遠位ハイポチューブ上の、前記第２の取り付けスロットの反対側の位置に、前記長手方向軸を通る直径線に沿って配置されており、
   前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、前記第２の取り付けスロットの近位側に配置されている、請求項８に記載の送達部材。
10. 前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みの２つの隣接する切り込みから等距離の第１の位置に配置されており、
    前記第２の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みの２つの隣接する切り込みから等距離の第２の位置に配置されている、請求項８に記載の送達部材。
11. 前記第１の取り付けスロット及び前記第２の取り付けスロットは、前記長手方向軸に対して垂直に配置されている、請求項１０に記載の送達部材。
12. 送達部材用の遠位ハイポチューブであって、
    埋め込み式医療用装置を受容する形状に形成された遠位端と、
    前記遠位ハイポチューブを通って延在する管腔と、
    前記管腔から前記遠位ハイポチューブの外側表面まで延在する第１の取り付けスロットと、
    前記管腔から前記外側表面まで延在する第２の取り付けスロットと、
    第１の端部で前記第１の取り付けスロットに取り付けられ、第２の端部で前記第２の取り付けスロットに取り付けられるループワイヤと、
    前記管腔を通る長手方向軸に沿って切り込まれた、前記外側表面における螺旋状の切り込みと、を備える、遠位ハイポチューブ。
13. 前記第１の取り付けスロットは遠位端及び近位端を有し、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第１の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
    前記第２の取り付けスロットは、遠位端及び近位端を備え、前記近位端は第１の直径を有し、前記遠位端は第２の直径を有し、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径は、前記第２の取り付けスロットの前記第２の直径よりも大きく、
    前記ループワイヤは、第１のアタッチメントによって前記第１の取り付けスロットに取り付けられており、
    前記ループワイヤは、第２のアタッチメントによって前記第２の取り付けスロットに取り付けられている、請求項１２に記載の遠位ハイポチューブ。
14. 前記ループワイヤは金属材料を含み、
    前記第１のアタッチメントは溶接部であり、
    前記第２のアタッチメントは溶接部である、請求項１３に記載の遠位ハイポチューブ。
15. 前記第１のアタッチメントはエポキシを含み、
    前記第２のアタッチメントはエポキシを含む、請求項１３に記載の遠位ハイポチューブ。
16. 前記第１のアタッチメントは、前記第１の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい第１の結び目直径を有する、前記ループワイヤの第１の結び目であり、
    前記第２のアタッチメントは、前記第２の取り付けスロットの前記第１の直径にほぼ等しい第２の結び目直径を有する、前記ループワイヤの第２の結び目である、請求項１３に記載の遠位ハイポチューブ。
17. 前記第１の取り付けスロットは、前記遠位ハイポチューブ上の、前記第２の取り付けスロットの反対側の位置に、前記長手方向軸を通る直径線に沿って配置されており、
    前記第１の取り付けスロットは、前記螺旋状の切り込みのピッチの半分に等しい距離だけ、前記第２の取り付けスロットの近位側に配置されている、請求項１２に記載の遠位ハイポチューブ。
18. 埋め込み式医療用装置を送達部材に取り付ける方法であって、
    可撓性遠位ハイポチューブを備えた前記送達部材を提供することと、
    ループワイヤの第１の端部を、前記可撓性遠位ハイポチューブの第１の取り付けスロットの近位端に通すことと、
    前記ループワイヤの前記第１の端部を、前記第１の取り付けスロットの前記近位端から、前記近位端よりも小さい直径を有する、前記第１の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることと、
    前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロットに取り付けることと、
    前記ループワイヤの第２の端部を、前記可撓性遠位ハイポチューブの第２の取り付けスロットの近位端に通すことと、
    前記ループワイヤの前記第２の端部を、前記第２の取り付けスロットの前記近位端から、前記近位端よりも小さい直径を有する、前記第２の取り付けスロットの遠位端の方向に引っ張ることと、
    前記ループワイヤを前記第２の取り付けスロットに取り付けることと、を含む、方法。
19. 前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロットに取り付けることは、前記ループワイヤを前記第１の取り付けスロット内に溶接することを含む、請求項１８に記載の方法。
20. 前記ループワイヤの前記第１の端部を前記第１の取り付けスロットの前記近位端から前記第１の取り付けスロットの前記遠位端の方向に引っ張る前に、前記ループワイヤの前記第１の端部に第１の結び目を結ぶことと、
    前記ループワイヤの前記第２の端部を前記第２の取り付けスロットの前記近位端から前記第２の取り付けスロットの前記遠位端の方向に引っ張る前に、前記ループワイヤの前記第２の端部に第２の結び目を結ぶことと、を更に含む、請求項１８に記載の方法。

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