JP2021084298A - 画像処理装置、画像形成システム、画像処理方法、画像形成システムの制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出不良が発生したノズルが正常なノズルとして復帰できる機会を確保しつつ不吐補完処理を実現すること。【解決手段】複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置が使用するハーフトーン画像データを、多値の入力画像データから生成する画像処理装置であって、前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズルを特定可能な位置情報を取得する取得手段(S501)と、前記位置情報に基づき、前記入力画像データを前記ハーフトーン画像データに変換する変換手段(S503,S504)を有し、前記ハーフトーン画像データは、吐出不良が発生していないノズルの画素ラインの画素に分配され、一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素が濃度を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、不吐ノズルを補完する技術に関する。
従来、複数のインク吐出口(ノズル)が配列されたノズル列を有する記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ、個々のノズルからインク滴を吐出することで、記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置が用いられている。
インクジェット記録装置においては、画像を形成中にインクを吐出できなくなるノズル(以下、「不吐ノズル」と呼ぶ。)が突発的に発生することがある。また、着弾位置誤差が許容値を超えて大きくなるなどの異常が発生したノズルを強制的に使用できないようにして、不吐ノズルとして扱う場合がある。
上述のような突発的な吐出不良は、ノズル近傍の異物やノズル内部に混入した気泡などによって引き起こされることが多い。よって、殆どの場合、記録ヘッドに対するメンテナンス処理によって吐出不良は解消させることができる。
しかしながら、連続紙(ロール紙)に印刷する場合や、カット紙であっても連続印刷するような場合には、出力の高速性が重視されるので、比較的多くの時間を有するメンテナンス処理を頻繁に行うことは現実的ではない。この点、不吐ノズルによって吐出予定のインク滴を他のノズルで吐出するいわゆる不吐補完処理によって、不吐ノズルに起因する画像上のスジやムラなどの弊害を抑制することも行われている。例えば、特許文献1では、不吐ノズル以外の代替ノズルによって不吐ノズルの出力を補償するように修正された画像データを生成する方法が開示されている。この際には、吐出不良が発生したノズルについては、弊害を避けるため、画像形成に使用されないよう強制的に使用不可の状態にする不吐化処理が施される。
上記吐出不良は、特にメンテナンス処理を行わなくても、画像形成中に自然回復することがある。そうなると、上述したように吐出不良が発生したノズルを一切使用できないよう不吐化処理を行っていると、自然回復による正常ノズルとしての復帰の機会を失ってしまうことになる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吐出不良が発生したノズルが正常なノズルとして復帰できるような不吐補完処理を実現することにある。
本開示に係る画像処理装置は、複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置が使用するハーフトーン画像データを、多値の入力画像データから生成する画像処理装置であって、前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズルを特定可能な位置情報を取得する取得手段と、前記位置情報に基づき、前記入力画像データを前記ハーフトーン画像データに変換する変換手段を有し、前記ハーフトーン画像データは、前記異常ノズルの画素ラインが担う濃度の少なくとも一部が、前記異常ノズルの近傍に位置する吐出不良が発生していない近傍ノズルの画素ラインの画素に分配され、かつ、少なくとも一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素が濃度を有する、ことを特徴とする。
本開示の技術によれば、吐出不良が発生したノズルが正常ノズルとして復帰する機会を確保しつつ、インクの吐出不良による画質劣化を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
<第1実施形態>
(画像形成システムのハードウェア構成)
図1は、第1実施形態に係る画像処理装置を含む画像形成システムのハードウェア構成を示す図である。なお、本実施形態では、画像処理装置として、記録媒体上に記録材を用いて画像を形成する画像形成システム内に内蔵された画像処理コントローラをその一例として説明する。
(画像形成システムのハードウェア構成)
図1は、第1実施形態に係る画像処理装置を含む画像形成システムのハードウェア構成を示す図である。なお、本実施形態では、画像処理装置として、記録媒体上に記録材を用いて画像を形成する画像形成システム内に内蔵された画像処理コントローラをその一例として説明する。
画像形成システムは、CPU100、RAM101、ROM102、操作部103、表示部104、外部記憶装置105、画像処理部106、画像形成部107、不吐ノズル検出部108、I/F(インタフェース)部110、バス111を備える。
CPU(Central Processing Unit)100は、入力されたデータや後述のRAMやROMに格納されているコンピュータプログラムを用いて、画像形成システム全体の動作を制御する。なお、ここでは、CPU100が画像形成システム全体を制御する場合をその一例として説明するが、複数のハードウェアが処理を分担することにより、画像形成システム全体を制御するようにしてもよい。
RAM(Random Access Memory)101は、外部記憶装置105から読み取ったコンピュータプログラムやデータ、I/F部110を介して外部から受信したデータを一時的に記憶する。また、RAM101は、CPU100が各種の処理を実行するときに用いる記憶領域や画像処理部106が画像処理を実行するときに用いる記憶領域として使用される。即ち、RAM101は、各種の記憶領域を適宜提供することができる。ROM(Read Only Memory)102は、画像形成システムにおける各部に設定される設定パラメータやブートプログラム等を記憶する。
操作部103は、キーボードやマウス等の入力装置であり、操作者による操作(指示)を受け付ける。即ち、操作部103を介して操作者は、各種の指示をCPU100に対して入力することができる。表示部104は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、CPU100による処理結果を画像や文字等で表示することができる。なお、表示部104がタッチ操作を検知可能なタッチパネルである場合、表示部104が操作部103の一部として機能してもよい。
外部記憶装置105は、ハードディスクドライブに代表される大容量情報記憶装置である。外部記憶装置105には、OS(オペレーティングシステム)やCPU100に各種処理を実行させるためのコンピュータプログラムやデータ等が保存されている。また、外部記憶装置105は、各部の処理によって生成される一時的なデータ(例えば、入出力される画像データや画像処理部106で用いられる閾値マトリクス、不吐ノズルの位置情報、不吐ノズル及び代替ノズルの補正情報等)を保持している。外部記憶装置105に記憶されているコンピュータプログラムやデータは、CPU100による制御に従って適宜読み取られ、RAM101に記憶されてCPU100による処理対象となる。
画像処理部106は、コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサや専用の画像処理回路として実現され、印刷対象として入力された画像データを画像形成部107が出力可能な画像データに変換するため、各種画像処理を実行する。例えば、CPU100から画像処理を実行する指示を受け付けると、外部記憶装置105より入力されたN階調(N:自然数)のデジタル画像データを量子化処理し、M階調(M:自然数、N>M)に量子化後の画像データ(ハーフトーン画像データ)を出力する。
画像形成部107は、画像処理部106から受け取ったハーフトーン画像データに基づいて、記録媒体上に記録材としてのインクを用いて画像を形成する。画像形成部107は、インクをノズルから記録媒体上に吐出することにより画像を形成するインクジェット方式である。画像形成部107が備える記録ヘッドは、インクを吐出可能なノズル(記録素子)を複数配列した、インク色に応じた数のノズル列(記録素子列)を有する。図2は、記録ヘッドの構成例を示す図である。なお、カラー印刷に対応した画像形成システムの場合、記録ヘッドは典型的にはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インクに対応した4つのノズル列を搭載する。図2では、説明の簡易化のため、ブラック(K)のノズル列のみ図示されている。図2に示す記録ヘッドは、ノズル列平行方向(y方向)に、描画領域の全幅をカバーする長尺のラインヘッドである。画像形成部107は、ハーフトーン画像データに基づいて、記録ヘッドを制御するための駆動信号を生成する。記録ヘッドは駆動信号に基づき、記録媒体をノズル列平行方向と垂直なノズル列垂直方向(x方向)に相対移動させつつインク滴を吐出してドットを生成することにより、記録媒体上に画像を形成する。本実施形態では、ノズル位置番号が7番のノズルが不吐ノズルとなった場合の例を説明することとする。また、本実施形態では、7番のノズルに隣接する、ノズル位置番号が6番と8番の近傍ノズルを、7番の不吐ノズルが形成予定であったドット(当該ドット分の濃度)を補うための代替のノズル(以下、「代替ノズル」と呼ぶ)とする。
不吐ノズル検出部108は、画像形成部107から出力された記録媒体を撮像して、記録媒体上に形成された画像情報を取得する。不吐ノズル検出部108は、撮像手段(画像読取手段)としてのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を備え、取得した撮像画像を解析して不吐ノズル位置を特定する機能を有する。イメージセンサは、画像形成システムが搭載する不図示のインラインスキャナや、オフラインスキャナなどを用いてもよい。
メンテナンス部109は、画像形成部107が備える記録ヘッドのノズル目詰まりを除去するクリーニング処理を行う。クリーニング処理には、例えば、記録ヘッドを廃インクの吸収体(スポンジなど)がある位置まで移動させて、ノズル列内の各ノズルから一定量のインクを強制的に吐出させるといった方法がある。また、インクタンク側からインクを加圧して強制的にインクを押し出す方法がある。あるいは、ノズルの外部から負圧を与えてインクを強制的に吸引して目詰まりを除去する方法がある。本実施形態のプリンタは、上記いずれかの方法による自動クリーニング機構を備えているものとする。
I/F部110は、画像形成システムと外部機器とを接続するためのインタフェースとして機能する。また、I/F部110は、赤外線通信や無線LAN(Local Area Network)等を用いて通信装置とデータのやりとりを行うためのインタフェースやインターネットに接続するためのインタフェースとしても機能する。なお、上述の各部は、いずれもバス111に接続され、バス111を介してデータの授受を行うことができる。
(画像処理部の機能構成)
次に、図3に示すブロック図を参照しつつ、本実施形態に係る画像処理部106の機能構成について説明する。画像処理部106は、入力されたデジタル画像データ(以下、「入力画像データ」と称する)に対して階調数を低減したハーフトーン画像データを生成する。
次に、図3に示すブロック図を参照しつつ、本実施形態に係る画像処理部106の機能構成について説明する。画像処理部106は、入力されたデジタル画像データ(以下、「入力画像データ」と称する)に対して階調数を低減したハーフトーン画像データを生成する。
画像処理部106は、図3に示されるように、変換部300と不吐ノズル位置取得部302を有する。変換部300はさらに、入力画像取得部301、不吐補完処理部303、ハーフトーン処理部304を有す、不吐ノズル位置情報に基づいて入力画像データをハーフトーン画像データに変換する。なお、画像処理部106は、図3に示されるブロック図を構成する専用の画像処理回路として実現される。
入力画像取得部301は、画像形成システムに入力された印刷対象の入力画像データを取得する。例えば、画像形成部107が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色インクを用いて出力解像度1200dpiを実現する仕様であるとする。この場合、入力画像データは、CMYKの各色それぞれ解像度1200dpi、階調数8bit(256階調)を持った画像データである。CMYKそれぞれの画像データにおける各画素は、表現したい濃度に応じた画素値が記録されている。なお、印刷対象となる入力画像データが、CMYKとは異なる色の組み合わせを持っていたり、1200dpi以外の画像解像度であったりすることもあり得る。この場合には、色変換や解像度変換などの前処理を行って、画像形成部17で取り扱い可能な形式に変換した後の画像データを、入力画像取得部301が取得するようにすればよい。
不吐ノズル情報取得部302は、RAM101や外部記憶装置105から、予め検出し保持しておいた、ノズル列内の不吐ノズルを特定可能な位置情報(以下、「不吐ノズル情報」と呼ぶ。)を取得する。ここで、「不吐ノズル」には、インクを吐出できなくなったノズルの他、着弾位置誤差が許容値を超えて大きくなるなどの異常が発生したノズルを含むものとする。すなわち、何らかの吐出不良が発生している非正常なノズル(異常ノズル)を指す用語として本明細書では「不吐ノズル」を使用するものとする。そして、不吐ノズル情報においては、ノズルの目詰まりや素子の故障等によりインクを正しく吐出できないノズルが、入力画像データのどの画素ライン(ノズル列垂直方向に延びる画素群)に対応しているかが、上述のノズル位置番号によって示される。この不吐ノズル情報により、画像形成部107においてドットを形成できない画素ラインの特定が可能となる。なお、不吐ノズル情報は、公知の方法によって予め得ておく。公知の方法には、例えば、予め不吐位置検出用のチャート画像を出力し、その出力結果を分析して、インクを吐出できないノズルの位置を特定するといった方法がある。
不吐補完処理部303は、不吐ノズル情報にて特定される不吐ノズルが担うべき濃度を他のノズルで補う不吐補完処理(「濃度補完処理」とも呼ばれる。)を行う。本実施形態の不吐補完処理では、不吐ノズルによる画質劣化を抑制しつつ、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会を確保するように制御される。具体的には、予め作成しておいた不吐ノズル及び代替ノズルに対する補正情報を用いて、不吐ノズル及び代替ノズルの位置に応じて入力画像データを補正する。補正情報は、入力画素値と出力画素値との関係を示したルックアップテーブル(LUT)形式や関数形式で予め作成しておき、RAM101や外部記憶装置105に保持しておく。補正情報の詳細については後述する。
ハーフトーン処理部304は、不吐補完処理後の入力画像データに対して、画像形成部107が表現可能な階調数への変換処理を行うことで、ハーフトーン画像データを生成する。この変換処理は、ノズル列内の各ノズルが形成するドットの配置を決定する処理とも言える。具体的には、1画素当たり8ビットの入力画像データを、画素毎に「0」か「1」のいずれかの値を有する1ビット2値のハーフトーン画像データに変換する。なお、ハーフトーン画像データにおいて、画素値(出力画素値)が「0」である画素はドットのオフを、画素値が「1」である画素はドットのオンを表す。そして、このようなハーフトーン画像データは、入力画像データの階調数よりも少ない階調数で、疑似的に入力画像データを再現しているものといえる。なお、本実施形態では、ハーフトーン処理として公知の方法である誤差拡散処理やディザ処理等を適用可能である。
(補正情報の詳細)
続いて、不吐補間処理部303にて使用される補正情報について詳しく説明する。図4の(a)〜(f)は、本実施形態に適用可能なLUT形式の補正情報の一例を示している。図4(a)〜(f)の各LUTにおいては、不吐ノズルに対応した入力画素値と出力画素値との関係を細実線T402a〜T402fで示し、代替ノズルに対応した入力画素値と出力画素値との関係を点線T401a〜T401fで示している。加えて、比較のために、補正対象外の正常ノズル(全ての正常ノズルのうち近傍ノズルを除いたノズル)に対応した入力画素値と出力画素値との関係を太実線T400a〜T400fで示している。なお本実施形態では、図4(a)を用いることとする。
続いて、不吐補間処理部303にて使用される補正情報について詳しく説明する。図4の(a)〜(f)は、本実施形態に適用可能なLUT形式の補正情報の一例を示している。図4(a)〜(f)の各LUTにおいては、不吐ノズルに対応した入力画素値と出力画素値との関係を細実線T402a〜T402fで示し、代替ノズルに対応した入力画素値と出力画素値との関係を点線T401a〜T401fで示している。加えて、比較のために、補正対象外の正常ノズル(全ての正常ノズルのうち近傍ノズルを除いたノズル)に対応した入力画素値と出力画素値との関係を太実線T400a〜T400fで示している。なお本実施形態では、図4(a)を用いることとする。
まず図4(a)に示すLUT形式の補正情報について詳細に説明する。図4(a)に示すような基本的なLUTの場合、点線401aと太実線T400aとの比較から明らかなように、代替ノズルについては正常ノズルの1.5 倍の濃度が得られるような補正特性となっている。また、細実線402aから、不吐ノズルについては、入力階調値が最大値(ここでは255)の1/1.5倍の階調値(ここでは170)となるまで出力を行わない補正特性を持っていることが分かる。つまり、図4(a)のLUTの場合、代替ノズルによるドット補完が可能な階調値(ここでは170未満)においては不吐ノズルを駆動させないよう、不吐ノズルに対応する画素ラインの画素値が補正されることになる。具体的には、不吐ノズルに対応する位置の画素の入力画素値が“0”〜“170”だった場合には、出力画素値を“0”とする補正を行う。一方、代替ノズルに対応する画素ラインの画素に対しては、補正前の不吐ノズルに対応する画素ラインの画素の画素値を按分して加算(ここでは2等分して加算)する補正がなされることになる。
以上のように、代替ノズルに対応する画素ラインの画素に対して、不吐ノズルに対応する画素ラインの画素が担う予定であった濃度が分配される。そして、この分配に伴い、代替ノズルの画素ラインの各画素においてはその入力画素値が所定値(ここでは“170”)のときに、出力画素値が最大値である“255”となる。このような補正により、不吐ノズルに隣接する2つの代替ノズルによって、不吐ノズルにて形成予定であったドット(当該ドット分の濃度)が補完される。また、代替ノズルに対応する画素ラインの各画素においてその入力画素値が“171”以上、かつ、“255”未満の場合には、その出力画素値を最大値である“255”とする補正を行う。そして、不吐ノズルの画素ライン上の各画素に対しては、代替ノズルの画素ラインに対して上記補正を行った場合の加算しきれない分(例えば加算後の値が“260”になる時の“255”を超える部分“5”)をその出力画素値とする補正を行う。つまり、代替ノズルに対応する画素ラインにおいては、不吐補間の結果、入力画素値が“170”の際に出力画素値が最大値を取るため、不吐ノズルについては入力画素値が“170”を超える範囲において出力画素値が“0〜255”の値を取るように補正される。すなわち、不吐ノズルの画素ラインの画素が高濃度(画素値171以上)である場合には、不吐ノズルに対応する画素ラインの画素であっても、濃度(画素値1以上)を有するように補正されることになる。これにより、代替ノズルで補完しきれない階調範囲(入力画素値:170以上)において、階調が連続するように不吐ノズルによる出力濃度を制御することができる。当然、不吐ノズルは上述の通り、インクの吐出不良が生じている。しかしながら図4(a)の補正情報を用いた不吐補完によれば、高濃度領域においては不吐ノズルに対しても出力画素値に応じた駆動が行われる。その結果例えば、不吐ノズルがインクを吐出できなくなっている場合であっても、駆動制御によりインクの吐出が自然回復することがある。さらに、不良ノズルによるインクの吐出を長期間停止していると、不吐ノズル内のインクの粘性が増加してしまうことがあり、メンテナンスをしても不吐が回復されない現象が生じることがある。これに対し、不吐ノズルを代替ノズルで補完しつつ不吐ノズルも制御することで、インクの粘性増加を抑制することができる。また、着弾位置誤差が大きいことで不吐ノズルとして検出されている場合であっても同様である。近傍の代替ノズルはインクをベタ打ちしているため、不吐ノズルにより着弾位置誤差の大きい位置にインクが吐出されても画質の劣化は目立たず、インクの粘性増加を抑制できる。
また、不吐ノズルについての細実線T402aと代替ノズルについて点線401aとを平均したものが、正常ノズルについてT400aと同等となっている。これにより、補正の前後で不吐ノズル及び代替ノズルが形成するドットの合計数が同等となる。このため、突然に不吐ノズルが自然回復した場合でも、階調性の良好な不吐補完画像を得ることができる。
ここで上述の図4(a)に示す基本的なLUTの一部を改変したものが図4(b)〜(f)に示すLUTである。まず、図4(b)及び(c)に示すLUTは、代替ノズルによって補完しきれない濃度に達する前の濃度域においても不吐ノズルの駆動を試みるような特性を持つLUTである。図4(b)に示すLUTでは、図4(a)のLUTに対して、不吐ノズルと代替ノズルについての補正特性を示す線分の傾きの変化が滑らかになっている。図4(b)に示すLUTを用いると、不吐ノズルが自然回復した場合に、図4(a)のLUTを用いたときと比較して階調の連続性がより滑らかな不吐補完画像を得ることができる。また、図4(c)に示すLUTは、不吐ノズルで再現予定の濃度の一部について、階調値が“170”以下の濃度域においても不吐ノズルでの吐出を試みるようにしたものである。この場合、図4(a)のLUTと比較して、不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの補正効果は低減することになるが、不吐ノズルが自然回復する機会をより多く確保することができる。
また、図4(d)に示すLUTは、代替ノズルについて、より高い濃度が得られるような補正特性を持つLUTである。不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの弊害はドット径や紙種によって異なることから、代替ノズルに対する補正比率は、その弊害が低減されるように設定すればよい。図4(d)に示すLUTでは、点線T401dが示す通り、代替ノズルについて正常ノズルの場合の1.6 倍の濃度が得られるようになっている。そして、細実線T402dが示す通り、不吐ノズルについては入力階調値が最大値(ここでは255)の1/1.6倍の階調値(ここでは160)となるまでインク吐出動作を行わないよう画素値が補正される。なお、階調毎に適切な補正量が異なる場合は、上記弊害が低減されるように、階調毎に適切な補正比率を設定すればよい。
ここまで説明した図4の(a)〜(d)に示すLUTを使用した不吐補完処理を行った場合、代替ノズルについては正常時よりもノズルの駆動回数が増加し、不吐ノズルについては正常時よりもノズルの駆動回数が低減することになる。そして、少なくとも一部の濃度域では不吐ノズルを駆動するように、不吐ノズルに対応する画素ラインの画素値が補正される。なお、入力画像データ内の最暗部(入力画素値:255)においては、代替ノズルによるドット形成で不吐ノズル分を補うことができない。そのため、入力画像データ内の最暗部に対しては、不吐ノズルについても正常ノズルと略同等の駆動が行われるよう、出力画素値をノズルに依らず最大値(ここでは255)とするのが望ましい。
以上のとおり、図4の(a)〜(d)に示すLUTの場合、明部階調から中間階調の入力画素値に対しては、不吐ノズルに対応する画素が担う予定の濃度の一部を、代替ノズルに対応する画素によって代わりに担わせる。これにより、不吐ノズルによるスジやムラを低減することができる。そして、代替ノズルで代替しきれない暗部階調の入力画素値に対しては、不吐ノズルによる濃度再現を試みるように補正がなされる。これにより、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会が確保される。
また、図4(e)や(f)に示すLUTを用いて、画像上に悪影響が出ない程度に不吐ノズルについても駆動を行わせるような画素値の補正を行うようにしてもよい。このような補正を行う場合、不吐ノズルの自然回復の機会をより増やすことができる。図4(e)に示すLUTの場合、細実線T402eが示す通り、正常ノズルの場合に対して1/6倍の濃度が得られるような補正を不吐ノズルについて行う。そして、代替ノズルについては、点線T401eが示す通り、不吐ノズルで低減された分の濃度を代替するように正常ノズルの場合の17/12倍の濃度が得られるように補正する。また、図4(f)に示すLUTでは、細実線T402fが示す通り、所定の階調値以降は一律の濃度が得られるように不吐ノズルに対応する画素の画素値が補正される。ここでの所定の階調値は、不吐が生じても目立たないハイライト(明部)に対応する階調値である。そして、代替ノズルについては、点線T401fが示す通り、不吐ノズルで低減された分の濃度を代替するように補正する。不吐補完処理において図4の(e)や(f)に示すLUTを用いた場合、図4(a)と比較すれば不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの補正効果は小さくなるものの、不吐ノズルが自然回復する機会をより多く確保することができる。
(画像処理部の詳細)
次に、本実施形態に係る、画像処理部106における処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。なお、フローチャートの説明における記号「S」は、ステップを表すものとする。この点、第2実施形態以降のフローチャートの説明においても同様とする。
次に、本実施形態に係る、画像処理部106における処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。なお、フローチャートの説明における記号「S」は、ステップを表すものとする。この点、第2実施形態以降のフローチャートの説明においても同様とする。
まず、S501では、入力画像取得301が入力画像データを取得し、不吐ノズル情報取得部302が不吐ノズル情報を取得する。図6(a)に、画像サイズが16画素×16画素の入力画像データの一例を示す。図6(a)に示す入力画像データ内の各画素の数値は階調値を示している。入力画像データの上部に付された“0”〜“15”の数字は、ノズル列垂直方向に延びる画素ラインそれぞれに対応するノズル位置番号であり、前述の図2に示した記録ヘッドにおけるノズル位置番号と一致するものとする。また、ここでは、7番のノズル位置を不吐ノズル位置とする情報が不吐ノズル情報取得部302によって取得されたものとして、以降の説明を行う。
次に、S502では、不吐補完処理部303が、S501にて取得された不吐ノズル情報を基に、対象ノズル列内の全不吐ノズルのうち注目する不吐ノズル及びその代替ノズルに対応する入力画像データ内の画素ラインをそれぞれ特定する。いま、不吐ノズルはノズル位置番号が7番のノズルだけであるので、当該7番のノズルが注目不吐ノズルとなる。そして、図6(a)に示す入力画像データにおける、ノズル位置番号が7番の画素ラインが注目不吐ノズルに対応する画素ラインとして特定されることになる。また、7番の画素ラインに隣接する2本の画素ライン、すなわち、ノズル位置番号が6番と8番の両画素ラインが、代替ノズルに対応する画素ラインとして特定されることになる。
次に、S503では、不吐補完処理部303が、S502にて特定された注目不吐ノズルに対応する画素ラインの画素値を補正情報に基づき補正する。補正情報として例えば上述の図4(a)に示すLUTを用いる場合は、不吐ノズルに対応する細実線T402aに基づき画素値が補正されることになる。
次に、S504では、不吐補完処理部303が、S502にて特定された代替ノズルに対応する画素ラインの画素値を補正情報に基づき補正する。S503において補正情報として例えば上述の図4(a)に示すLUTを用いた場合は、代替ノズルに対応する点線T401aに基づき画素値が補正されることになる。
次に、S505では、S501にて取得された不吐ノズル情報が示す全ての不吐ノズルについて、上述のS502〜S504の処理が完了したか否かが判定される。未処理の不吐ノズルがあればS502に戻って、次の注目する不吐ノズルを決定し、画素値の補正処理を続行する。一方、全ての不吐ノズルについて処理が完了していれば、S506に進む。この際、不吐補完処理後の入力画像データがハーフトーン処理部304に送られる。図6(b)は、上述の図6(a)に示す入力画像データに対して、図4(a)のLUTを用いて不吐補完処理を行った後の画像データを示している。図6(b)の画像データでは、ノズル位置番号が6番と8番の代替ノズルに対応する画素ラインの各画素の濃度が、不吐補完処理前と比較して増加している。そして、ノズル位置番号が7番の不吐ノズルに対応する画素ラインの各画素の濃度が、不吐補完処理前と比較して低くなっている。これにより、不吐ノズルに起因する画像上のスジやムラなどの弊害を抑制している。そして、不吐ノズルに対応する画素ラインにおいても階調値が一定以上(ここでは170以上)の画素については、元の画素値に応じて“18”〜“255”までの値が付与されている。これにより、不吐ノズルの影響が出にくい高濃度域において不吐ノズルが駆動することになり、不吐ノズルが自然回復する機会が確保される。
S506では、ハーフトーン処理部304が、上述した不吐補完処理後の入力画像データに対してハーフトーン処理を行って、ハーフトーン画像データを生成する。
以上が、本実施形態に係る、画像処理部106における処理の内容である。
<変形例>
なお、本実施形態では、不吐補完処理部303が、不吐ノズル及び代替ノズルに対する補正情報(LUT)に基づいて、不吐ノズルと代替ノズルの画素ライン上の画素の画素値を補正した。しかしながら、不吐ノズルの画素ライン上の画素の画素値を、その代替ノズルの画素ライン上の画素の画素値に直接分配してもよい。この場合、代替ノズルに分配しきれない分(最大値255を超えた分)を演算によって求め、当該超えた分の画素値を、不吐ノズルの画素ライン上の画素の画素値とする。このように超過分の画素値を直接分配する手法によっても、上述の不吐補完処理と同様の結果を得ることができる。
なお、本実施形態では、不吐補完処理部303が、不吐ノズル及び代替ノズルに対する補正情報(LUT)に基づいて、不吐ノズルと代替ノズルの画素ライン上の画素の画素値を補正した。しかしながら、不吐ノズルの画素ライン上の画素の画素値を、その代替ノズルの画素ライン上の画素の画素値に直接分配してもよい。この場合、代替ノズルに分配しきれない分(最大値255を超えた分)を演算によって求め、当該超えた分の画素値を、不吐ノズルの画素ライン上の画素の画素値とする。このように超過分の画素値を直接分配する手法によっても、上述の不吐補完処理と同様の結果を得ることができる。
また、本実施形態では、代替ノズルは、不吐ノズルの両隣に位置する2つのノズルとしているがこれに限定されない。不吐ノズルに対してノズル列平行方向の近くに位置するより多くの近傍ノズルを代替ノズルとしてもよい。この場合、不吐ノズルからの距離が離れるほど正常ノズルが担う濃度と近い濃度を担うような画素値の補正がなされるようにLUTを設計すればよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、不吐補完処理として、入力画像データにおける画素値を補正する態様を説明した。次に、ハーフトーン処理としてディザ処理を行うことを前提とし、不吐補完処理として、不吐ノズル情報に基づきディザ処理用の閾値マトリクスを補正する態様を、第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
第1実施形態では、不吐補完処理として、入力画像データにおける画素値を補正する態様を説明した。次に、ハーフトーン処理としてディザ処理を行うことを前提とし、不吐補完処理として、不吐ノズル情報に基づきディザ処理用の閾値マトリクスを補正する態様を、第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
(画像処理部106の機能構成)
図7は、本実施形態に係る画像処理部106’の詳細な構成を示すブロック図である。画像処理部106’は、変換部300’、不吐ノズル情報取得部302を有する。本実施形態における変換部300’はさらに、入力画像取得部301、閾値マトリクス取得部701、不吐補完処理部303’、ハーフトーン処理部304’を備える。
図7は、本実施形態に係る画像処理部106’の詳細な構成を示すブロック図である。画像処理部106’は、変換部300’、不吐ノズル情報取得部302を有する。本実施形態における変換部300’はさらに、入力画像取得部301、閾値マトリクス取得部701、不吐補完処理部303’、ハーフトーン処理部304’を備える。
閾値マトリクス取得部701は、予め用意されたディザ処理用の閾値マトリクスをRAM101や外部記憶装置105から取得する。ここで、ディザ処理とは、中間調を再現するために、入力画像データにおける各画素の画素値とそれに対応する閾値とを比較することによりドットのオン或いはオフを決定する処理を意味するものとする。そして、本実施形態では、画素値が閾値以上の場合は出力画素値を“1”としてドットのオンを表すこととし、画素値が閾値未満である場合は出力画素値を“0”としてドットのオフを表すこととする。
不吐補完処理部303’は、第1実施形態の不吐補完処理部303と同様、不吐ノズル及び代替ノズルに対する補正情報を用いて、不吐ノズルによる画質劣化を抑制しつつ、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会を確保するための不吐補完処理を行う。第1実施形態との違いは、補正の対象であり、入力画像データ内の画素値ではなく、閾値マトリクス内の閾値を補正する点である。本実施形態の補正情報も、入力閾値と出力閾値との関係を示したルックアップテーブル(LUT)形式や関数形式で予め作成しておき、RAM101や外部記憶装置105に保持しておく。補正情報の詳細については後述する。
ハーフトーン処理部304’は、入力画像取得部301が取得した多値の入力画像データに対して、不吐補完処理部303’によって補正が施された閾値マトリクスを用いてディザ処理を行い、ハーフトーン画像データを生成する。
(補正情報の詳細)
続いて、不吐補間処理部303’にて使用される補正情報について詳しく説明する。図8の(a)〜(f)は、LUT形式の補正情報の一例を示している。図8(a)〜(f)の各LUTにおいては、不吐ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を細実線T802a〜T802fで示し、代替ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を点線T801a〜T801fで示している。加えて、比較のために、補正対象外である正常ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を太実線T800a〜T800fで示している。
続いて、不吐補間処理部303’にて使用される補正情報について詳しく説明する。図8の(a)〜(f)は、LUT形式の補正情報の一例を示している。図8(a)〜(f)の各LUTにおいては、不吐ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を細実線T802a〜T802fで示し、代替ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を点線T801a〜T801fで示している。加えて、比較のために、補正対象外である正常ノズルに対応した入力閾値と出力閾値との関係を太実線T800a〜T800fで示している。
図8(a)に示す基本的なLUTの場合、点線801aと太実線T800aとの比較から、代替ノズルについては、正常ノズルの1/1.5 倍の閾値が得られるような補正特性となっている。つまり、図8(a)のLUTを用いた補正後の閾値と入力階調値との比較によって得られるハーフトーン画像において、代替ノズルでは正常ノズルの1.5倍のインク吐出量が得られることになる。これにより、不吐ノズルの両隣に位置する2つの代替ノズルによって、不吐ノズルにて形成予定であったドット(当該ドット分の濃度)が補われる。また、点線802aと太実線T800aとの比較から、不吐ノズルについては、正常ノズルの1.5 倍の閾値が得られるような補正特性となっている。この場合、補正後の閾値と入力階調値との比較によって得られるハーフトーン画像では、入力階調値が最大値(ここでは“255”)の1/1.5倍の階調値(ここでは“170”)となるまでは、不吐ノズルの駆動は行われないことになる。そして、代替ノズルに対応する画素の濃度が最大濃度となった後、不吐ノズルの駆動が開始される。
以上のとおり、図8(a)に示すLUTを用いて閾値を補正した場合、代替ノズルについては正常時よりもノズルの駆動回数が増加し、不吐ノズルについては正常時よりもノズルの駆動回数が低減するように、閾値マトリクス内の閾値が補正されることになる。そして、少なくとも一部の濃度域では不吐ノズルを駆動するように、不吐ノズルの画素ラインに対応する閾値が補正される。図8(a)のLUTに基づく補正後の閾値マトリクスを用いたディザ処理を行ってハーフトーン画像を生成した場合、第1実施形態と同様、不吐ノズルによるスジやムラを低減しつつ、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会が確保される。図8(b)〜(f)の各LUTは、第1実施形態の図4(b)〜(f)に示す各LUTにそれぞれ相当する。つまり、図8(b)〜(f)に示す入力閾値と出力閾値との関係を規定する各LUTを用いて閾値マトリクス内の閾値の補正を行うことで、図4(b)〜(f)の各LUTを用いて入力画像データ内の画素値の補正を行う場合と同等の効果が得られる。
(画像処理部の詳細)
次に、本実施形態における画像処理部106’における処理について、図9に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
次に、本実施形態における画像処理部106’における処理について、図9に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
まず、S901では、入力画像取得部301が入力画像データを取得し、不吐ノズル情報取得部302が不吐ノズル情報を取得し、閾値マトリクス取得部701が閾値マトリクスを取得する。図10(a)は、前述の図6(a)に示す16画素×16画素の入力画像データと同サイズの閾値マトリクスの一例を示す。閾値マトリクス内の各数値が、入力画像データにおける各画素値と比較される閾値を示している。なお、閾値マトリクスの横幅がノズル幅よりも小さい場合、閾値マトリクスをタイル状に順次展開することで、ノズル幅全体をカバーする。また、ここでは、7番のノズルを不吐ノズルとする情報が不吐ノズル情報取得部302によって取得されたものとして、以降の説明を行う。
次に、S902では、不吐補完処理部303’が、S901にて取得された不吐ノズル情報を基に、閾値マトリクス内の注目する不吐ノズル及びその代替ノズルに対応するマトリクスライン(入力画像データの「画素ライン」に相当)をそれぞれ特定する。いま、不吐ノズルはノズル位置番号が7番のノズルだけであるので、当該7番のノズルが注目する不吐ノズルとなる。そして、図10(a)に示す閾値マトリクスにおける、ノズル位置番号が7番のマトリクスラインが不吐ノズルに対応するマトリクスラインとして特定されることになる。また、7番のマトリクスラインに隣接する2本のマトリクスライン、すなわち、ノズル位置番号が6番と8番のマトリクスラインが、代替ノズルに対応するマトリクスラインとして特定されることになる。
次に、S903では、不吐補完処理部303’が、S902にて特定された注目不吐ノズルに対応するマトリクスラインの閾値を補正情報に基づき補正する。補正情報として例えば上述の図8(a)に示すLUTを用いる場合は、不吐ノズルに対応する細実線T802aに基づき閾値が補正されることになる。
次に、S904では、不吐補完処理部303’が、S902にて特定された代替ノズルに対応するマトリクスラインの閾値を補正情報に基づき補正する。S903において補正情報として例えば上述の図8(a)に示すLUTを用いた場合は、代替ノズルに対応する点線T801aに基づき閾値が補正されることになる。
次に、S905では、S901にて取得された不吐ノズル情報が示す全ての不吐ノズルについて、上述のS902〜S904の処理が完了したか否かが判定される。未処理の不吐ノズルがあればS902に戻って、次の注目する不吐ノズルを決定し、閾値の補正処理を続行する。一方、全ての不吐ノズルについて処理が完了していれば、S906に進む。この際、不吐補完処理後の閾値マトリクスがハーフトーン処理部304’に送られる。図10(b)は、上述の図10(a)に示す閾値マトリクスに対して、図8(a)のLUTを用いて不吐補完処理を行った後の閾値マトリクスを示している。図10(b)の閾値マトリクスでは、6番と8番の代替ノズルに対応するマトリクスラインの閾値が、不吐補完処理前と比較して小さくなっている。そして、ノズル位置番号が7番の不吐ノズルに対応するマトリクスラインの閾値が、不吐補完処理前と比較して大きくなっている。つまり、不吐ノズルが再現する濃度が不吐補完処理前と比較して低減するように、低減した分の濃度を代替ノズルが補完するように、閾値マトリクスが補正されていることが分かる。
<変形例>
なお、上述した図9のフローでは、不吐補完処理としての閾値マトリクス内の閾値補正を印刷処理の度に実行することになる。上記の構成に代えて、予め不吐補完処理を適用して得られたノズル幅の閾値マトリクスを、RAM101や外部記憶装置105に保持しておき、印刷処理時に保持しておいた閾値マトリクスを読み出してディザ処理を行うような構成であってもよい。この場合、入力画像データを印刷処理する毎に不吐補完処理を実施する必要が無くなる。
なお、上述した図9のフローでは、不吐補完処理としての閾値マトリクス内の閾値補正を印刷処理の度に実行することになる。上記の構成に代えて、予め不吐補完処理を適用して得られたノズル幅の閾値マトリクスを、RAM101や外部記憶装置105に保持しておき、印刷処理時に保持しておいた閾値マトリクスを読み出してディザ処理を行うような構成であってもよい。この場合、入力画像データを印刷処理する毎に不吐補完処理を実施する必要が無くなる。
また、第1実施形態と同様、代替ノズルを不吐ノズルの両隣に位置する2つのノズルとした例を説明したが、より多くの代替ノズルを設けてもよい。この場合、不吐ノズルからの距離が離れるほど正常ノズルが担う濃度と近い濃度を担うような閾値の補正がなされるようなLUTを設計すればよい。
<第3実施形態>
次に、同一の入力画像データを用いて大量(例えば1000枚分)の印刷処理を行うケースにおいて、比較的時間の掛かるメンテナンス処理の実行頻度を抑えつつ、不吐補完処理を適切なタイミングで実行できる画像形成システムを、第3実施形態として説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
次に、同一の入力画像データを用いて大量(例えば1000枚分)の印刷処理を行うケースにおいて、比較的時間の掛かるメンテナンス処理の実行頻度を抑えつつ、不吐補完処理を適切なタイミングで実行できる画像形成システムを、第3実施形態として説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
図11は、本実施形態に係る、メンテナンス処理の実行頻度を抑えつつ不吐補完処理を適切なタイミングで実行するための、画像形成システムにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。図11のフローが示す一連の処理は、印刷対象となる入力画像データの画像形成システムへの投入に応答して、所定の印刷制御プログラムをCPU100が実行することで実現されるものとする。
まず、S1101では、メンテナンス部109が、CPU100の指示に従って、画像形成部107が備える記録ヘッドのメンテナンス処理を実行する。
次に、S1102では、不吐ノズル検出部108が、RAM101や外部記憶装置105に記憶された不吐ノズル情報をリセットする。続くS1103では、不吐ノズル検出部108が、不吐ノズル検出処理を行う。具体的には、まず、画像形成部107に対して不吐ノズル検出用チャート画像(以下、「検出用チャート画像」と表記)の出力を各ノズル列の単位で指示する。そして、ノズル列毎の出力結果を取得・解析して、各ノズル列における不吐ノズルの位置を特定する。図12(a)は、検出用チャート画像の一例を示す図であり、各画素の数値は階調値を示している。検出用チャート画像の上部に付された“0”〜“15”の数字は画素ラインそれぞれに対応するノズル位置番号であり、前述の図2に示した記録ヘッドにおけるノズル位置番号と一致するものとする。図12(a)から明らかなように、検出用チャート画像は、各ノズルについてインク吐出の有無が判別可能なように、ライン状のマークが各ノズルと対応付けて配置されている。図12(b)は、ノズル位置番号が7番のノズルが不吐ノズルである場合の、検出用チャート画像の出力結果のイメージ図である。図12(b)に示すように、不吐ノズルである7番のノズル位置番号に対応する破線で囲まれた部分には、本来は形成されるはずのライン状のマークが形成されていない。このような出力結果をスキャンし、ライン状のマークが形成されなかった位置とノズル位置番号との対応を取ることで、不吐ノズルの検出が可能となる。
次に、S1104では、CPU100が、S1103にて得られた検出結果、すなわち、検出されたノズル列当たりの不吐ノズルの数に基づき、メンテナンス処理の実行の要否を判定する。具体的には、検出された不吐ノズルの数が所定数N以上であればメンテナンス処理が必要と判定し、所定数N未満であれば不要と判定する。一方、検出された不吐ノズルの数が所定数N未満である場合にはメンテナンス処理は不要と判定する。ここで、所定数Nは、各ノズル列を構成するノズルの総数や要求される印刷品質などを考慮して決定される。例えば、各ノズル列の長さが10インチで1200dpiの解像度に対応している場合、1つのノズル列には約12000個のノズルが並んでいることになる。この場合において、例えば全ノズル数の0.5%までは不吐ノズルを許容するのであれば所定数N=60となる。検出された不吐ノズルの数が所定数N未満である場合は、S1105に進む。一方、検出された不吐ノズルの数が所定数N以上である場合はS1101に戻り、メンテナンス処理が実行される。ここまで処理により、1つのノズル列当たり一定数以上の不吐ノズルが生じた場合にだけ、メンテナンス処理が実施されるように制御される。なお、本実施形態では、検出された不吐ノズルの数が所定数以上かどうかを判定条件とし、所定数未満であれば不吐補完処理を実行するようにしているが、これに限定されない。例えば、不吐ノズルの連続数が所定数以上かどうかを基準に判定を行うようにしてもよい。この場合、複数のノズルが連続して不吐状態となった場合にメンテナンス処理が実施されるように制御されることになる。
次に、S1105では、画像処理部106が、前述の不吐補完処理を実行する。ここでの不吐補完処理の内容は、第1実施形態で説明した入力画像データ内の画素値を補正する内容でもよいし、第2実施形態で説明したディザ処理で用いる閾値マトリクス内の閾値を補正する内容でもよい。本ステップにおいて、新たに不吐ノズルとなったノズルに対しては不吐補完処理が適用されることになる。その一方で、不吐ノズルから回復したノズルに関しては、上述のS1103にて不吐ノズルとして検出されないので、以降は正常ノズルとして扱われることになる。
次に、S1106では、画像処理部106が、印刷対象の入力画像データについて、画像形成部107で処理可能なハーフトーン画像データを生成する。この際、不吐補完処理として第1実施形態の内容を適用した場合には、画素値が補正された入力画像データに対して所定のハーフトーン処理を行ってハーフトーン画像データが生成されることになる。また、不吐補完処理として第2実施形態の内容を適用した場合には、閾値が補正された閾値マトリクスを用いたディザ処理を入力画像データに対して行ってハーフトーン画像データが生成されることになる。
次に、S1107では、CPU100が、印刷処理の実行回数(印刷枚数)を係数するカウンタをリセットする。続くS1108では、画像形成部107が、S1106にて生成されたハーフトーン画像データに基づいて記録ヘッドを駆動し、1枚分の画像形成を記録媒体上に行う。そして、S1109では、CPU100が、カウンタのカウント値をインクリメント(+1)する。
次に、S1110では、CPU100が、印刷枚数が入力画像データに対する設定枚数(目標印刷枚数)に到達したか否かを判定する。例えば、設定枚数が1000枚であった場合、上述のカウンタのカウント値が“1000”に達したか否かが判定されることになる。カウント値が設定枚数に達していれば、入力画像データに対する印刷処理の終了となって本処理を抜ける。一方、カウント値が設定枚数に達していなければ、印刷処理を続行するべくS1111に進む。
次に、S1111では、CPU100が、上述のカウンタのカウント値が所定数M未満であるか否かを判定する。ここでの所定数Mは、新たな不吐ノズルの発生や、不吐ノズルが自然回復したかどうかを確認する頻度を決定するための数値であり、上述の設定枚数以下の任意の数値、例えば“100”といった値が設定される。カウント値が所定数M未満である場合は、S1108に戻って印刷処理を続行する。一方、カウント値が所定数M以上である場合は、S1103に戻って不吐ノズルの検出処理が実行される。これにより、一定枚数以上の印刷処理が実行される毎に不吐ノズル検出処理が実施されるので、不吐ノズルの状態変化に応じた適切な不吐補完処理の実行が担保される。
以上が、メンテナンス処理の実行頻度を抑えつつ不吐補完処理を適切なタイミングで実行するための、画像形成システムの制御処理の内容である。上記のような制御を行う場合、ノズル列内の不吐ノズルが所定数N以上となった場合にだけ、メンテナンス処理が実施されるようになる。また、前述の通り、第1実施形態又は第2実施形態で説明した不吐補完処理においては、不吐ノズルが正常なノズルとして自然回復する機会が確保される。そのため、印刷処理中における不吐ノズルの自然回復が期待でき、不吐ノズルの数が所定数N以上となってしまう状態の発生を抑制することができる。その結果、従来の不吐補完処理の場合と比較して、メンテナンス処理の頻度も抑制されることになる。
<第4実施形態>
先の各実施形態では、予め用意した補正情報に基づいて、不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの弊害を抑制しつつ、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会を確保可能な不吐補完処理を行う態様について説明した。次に、テスト印刷を行ってその読み取り結果に基づいて不吐ノズル及び代替ノズルに対する好適な補正量を決定して、より精度の高い補正情報を生成する態様を、第4実施形態として説明する。
先の各実施形態では、予め用意した補正情報に基づいて、不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの弊害を抑制しつつ、不吐ノズルが正常ノズルとして自然回復する機会を確保可能な不吐補完処理を行う態様について説明した。次に、テスト印刷を行ってその読み取り結果に基づいて不吐ノズル及び代替ノズルに対する好適な補正量を決定して、より精度の高い補正情報を生成する態様を、第4実施形態として説明する。
(テスト印刷用チャート画像の説明)
図13の(a)は、本実施形態で使用する、テスト印刷用チャート画像(以下、「テストチャート画像」と表記)の一例を示す図である。図13(a)のテストチャート画像は、それぞれ階調の異なる横長のパッチがノズル列垂直方向に16個並ぶ構成となっている。そして、各パッチには、他の画素ラインとは異なる濃度を持つ領域(異なる画素値が与えられた画素ライン)が存在している。この異なる濃度を持つ領域は、不吐ノズルに対応させたものである。つまり、不吐ノズルに対応させた領域(画素ライン)と、その他のノズル(代替ノズル、正常ノズル)に対応させた領域とで、異なる画素値が与えられている。図13(b)の表は、上記領域別の画素値を、パッチ番号i(=1〜16)と対応付けて示したものである。図13(b)の表から明らかなように、不吐ノズルに対応させた領域については、その他のノズルに対応させた領域の画素値が最大値(ここでは“255”)となった場合にだけ、有意な画素値(0よりも大きな値)が与えられている。これにより、代替ノズルで優先的にドットを形成し、代替ノズルが補完しきれない最大階調値となった時点で不吐ノズルでのドット形成を試みるような濃度特性を取得することができる。ここで、各パッチ内における「不吐ノズルに対応させた領域」は、補正情報を生成するために模擬的に設定した不吐ノズルのノズル位置(画素ライン)に設けられている。以下、この模擬的に設定した不吐ノズルを、実際に吐出不良が発生している不吐ノズルと区別する意味で「模擬不吐ノズル」と呼ぶこととする。なお、図13(a)では説明の便宜上、1つの模擬不吐ノズルしか示していないが、実際のテストチャート画像においては、複数の模擬不吐ノズルに対応させた領域が設けられる。例えば、長さが10インチのノズル列の場合、5個〜10個の模擬不吐ノズルを設定すればよい。また、記録ヘッドが、CMYK4色に対応した4つのノズル列を備えている場合には、ノズル列毎にテストチャート画像が用意される。
図13の(a)は、本実施形態で使用する、テスト印刷用チャート画像(以下、「テストチャート画像」と表記)の一例を示す図である。図13(a)のテストチャート画像は、それぞれ階調の異なる横長のパッチがノズル列垂直方向に16個並ぶ構成となっている。そして、各パッチには、他の画素ラインとは異なる濃度を持つ領域(異なる画素値が与えられた画素ライン)が存在している。この異なる濃度を持つ領域は、不吐ノズルに対応させたものである。つまり、不吐ノズルに対応させた領域(画素ライン)と、その他のノズル(代替ノズル、正常ノズル)に対応させた領域とで、異なる画素値が与えられている。図13(b)の表は、上記領域別の画素値を、パッチ番号i(=1〜16)と対応付けて示したものである。図13(b)の表から明らかなように、不吐ノズルに対応させた領域については、その他のノズルに対応させた領域の画素値が最大値(ここでは“255”)となった場合にだけ、有意な画素値(0よりも大きな値)が与えられている。これにより、代替ノズルで優先的にドットを形成し、代替ノズルが補完しきれない最大階調値となった時点で不吐ノズルでのドット形成を試みるような濃度特性を取得することができる。ここで、各パッチ内における「不吐ノズルに対応させた領域」は、補正情報を生成するために模擬的に設定した不吐ノズルのノズル位置(画素ライン)に設けられている。以下、この模擬的に設定した不吐ノズルを、実際に吐出不良が発生している不吐ノズルと区別する意味で「模擬不吐ノズル」と呼ぶこととする。なお、図13(a)では説明の便宜上、1つの模擬不吐ノズルしか示していないが、実際のテストチャート画像においては、複数の模擬不吐ノズルに対応させた領域が設けられる。例えば、長さが10インチのノズル列の場合、5個〜10個の模擬不吐ノズルを設定すればよい。また、記録ヘッドが、CMYK4色に対応した4つのノズル列を備えている場合には、ノズル列毎にテストチャート画像が用意される。
(テストチャート画像の読み取り結果)
本実施形態において、不吐ノズル検出部108は、画像形成部107から出力されたテストチャート画像の印刷結果を撮像し、撮像画像を解析して、パッチ毎の記録濃度(濃度値)を取得する。図14のグラフは、横軸に模擬不吐ノズルを中心としたノズル位置を取り、縦軸に不吐ノズル検出部108によって取得されたパッチ毎の濃度値を取ったグラフである。パッチ毎の各ノズル位置の濃度値は、撮像画像における各パッチの画像領域から得られる信号値をノズル位置毎に平均することで求められる。本実施形態では、イメージセンサが取得した信号値を、光学濃度相当の信号値に変換した値を使用する。例えば、イメージセンサが輝度リニア相当の信号値Sを8ビットで取得できるとすると、濃度値相当の信号値Dは、D=−LOG((S+1)/256)を求めることで得ることができる。図14のグラフにおいて、濃度値の最大値が“2.0”となっているのは、イメージセンサで取得する信号値Sが、階調レンジ内(0〜255)に収まるように撮像条件を調整して取得するためであり、最大画素値“255”を含むパッチ(パッチ番号i=16)であっても、輝度を示す信号値Sが僅かながら検出される(信号値S=0とはならない)ためである。同様に、濃度値の最小値が“0.5”となっているのは、最小画素値“0”を含むパッチ(パッチ番号i=1)において検出される最大輝度を示す信号値Sを“230”程度に収めたためである。なお、不吐ノズル検出部108が備えるイメージセンサのノズル列方向の解像度が、画像形成部107内の記録ヘッドが備える各ノズル列の解像度と異なる場合は、既知の解像度変換処理を行って、ノズル列の解像度に対応する濃度値を求めればよい。
本実施形態において、不吐ノズル検出部108は、画像形成部107から出力されたテストチャート画像の印刷結果を撮像し、撮像画像を解析して、パッチ毎の記録濃度(濃度値)を取得する。図14のグラフは、横軸に模擬不吐ノズルを中心としたノズル位置を取り、縦軸に不吐ノズル検出部108によって取得されたパッチ毎の濃度値を取ったグラフである。パッチ毎の各ノズル位置の濃度値は、撮像画像における各パッチの画像領域から得られる信号値をノズル位置毎に平均することで求められる。本実施形態では、イメージセンサが取得した信号値を、光学濃度相当の信号値に変換した値を使用する。例えば、イメージセンサが輝度リニア相当の信号値Sを8ビットで取得できるとすると、濃度値相当の信号値Dは、D=−LOG((S+1)/256)を求めることで得ることができる。図14のグラフにおいて、濃度値の最大値が“2.0”となっているのは、イメージセンサで取得する信号値Sが、階調レンジ内(0〜255)に収まるように撮像条件を調整して取得するためであり、最大画素値“255”を含むパッチ(パッチ番号i=16)であっても、輝度を示す信号値Sが僅かながら検出される(信号値S=0とはならない)ためである。同様に、濃度値の最小値が“0.5”となっているのは、最小画素値“0”を含むパッチ(パッチ番号i=1)において検出される最大輝度を示す信号値Sを“230”程度に収めたためである。なお、不吐ノズル検出部108が備えるイメージセンサのノズル列方向の解像度が、画像形成部107内の記録ヘッドが備える各ノズル列の解像度と異なる場合は、既知の解像度変換処理を行って、ノズル列の解像度に対応する濃度値を求めればよい。
さらに、不吐ノズル検出部108は、上述のようにして取得したパッチ毎の濃度値を基に、正常ノズル、代替ノズル、模擬不吐ノズルの相対的な関係を表すデータ(以下、「代表データ」と呼ぶ。)を生成する。具体的には、上記3種類のノズルそれぞれについて、同様のパッチ群が複数のノズル分形成されるので、正常ノズル、代替ノズル、不吐ノズルそれぞれにおける複数ノズル分の濃度値の合計を求め、それぞれの平均を算出する。こうして、正常ノズル、代替ノズル、模擬不吐ノズルそれぞれの代表値としての濃度値を得る。図15に、図14のグラフに基づき生成した、正常ノズル、代替ノズル、模擬不吐ノズルの相対的な関係を表す代表データとしてのグラフの一例を示す。図15のグラフでは、横軸にはパッチ番号iを取り、縦軸にはノズル種毎の代表値としての濃度値を取っている。ここで、パッチ番号i=0は、記録媒体の紙白部の濃度値を示している。実際に紙白部の濃度を測定した値を入れてもよいし、紙白部は一律一定であるとの仮定の下、常に濃度値を“0”としてもよい。なお、ここで取得する濃度値は、光学濃度でなくてもよい。イメージセンサが取得した信号値そのものでもよいし、信号値を輝度や明度を表す値に変換後の値であってもよい。正常ノズル、代替ノズル、模擬不吐ノズルの相対的な関係を表す代表データが取得できればよい。
(第1実施形態で用いる補正情報の生成)
続いて、図15に示す代表データに基づき、第1実施形態で使用する補正情報(入力画像データにおける画素値を補正する際に用いるLUT)を生成する場合の手順を説明する。第1実施形態の補正情報を生成する場合は、図15に示すグラフに基づき、正常ノズルと同一の濃度を実現するための、代替ノズル及び不吐ノズルでの画素ライン毎の画素値を求めることになる。以下、詳しく説明する。
続いて、図15に示す代表データに基づき、第1実施形態で使用する補正情報(入力画像データにおける画素値を補正する際に用いるLUT)を生成する場合の手順を説明する。第1実施形態の補正情報を生成する場合は、図15に示すグラフに基づき、正常ノズルと同一の濃度を実現するための、代替ノズル及び不吐ノズルでの画素ライン毎の画素値を求めることになる。以下、詳しく説明する。
例えば、濃度値“1”及び“1.4”を実現する際に必要とされるパッチの画素値は、図15のグラフと図13(b)の表からそれぞれ以下のようになる。
<濃度値“1”の場合>
正常ノズル:パッチ番号i=2に対応する画素値“64”
代替ノズル:パッチ番号i=3に対応する画素値“96”
模擬不吐ノズル:パッチ番号i=4に対応する画素値“0”
正常ノズル:パッチ番号i=2に対応する画素値“64”
代替ノズル:パッチ番号i=3に対応する画素値“96”
模擬不吐ノズル:パッチ番号i=4に対応する画素値“0”
<濃度値“1.4”の場合>
正常ノズル:パッチ番号i=4に対応する画素値“128”
代替ノズル:パッチ番号i=6に対応する画素値“192”
模擬不吐ノズル:パッチ番号i=8に対応する画素値“0”
正常ノズル:パッチ番号i=4に対応する画素値“128”
代替ノズル:パッチ番号i=6に対応する画素値“192”
模擬不吐ノズル:パッチ番号i=8に対応する画素値“0”
なお、パッチの存在しない濃度部分を実現する画素ライン毎の画素値は、当該濃度部分に隣接するパッチから得られた各画素ラインの画素値を用いた補間演算によって求めればよい。このような離散的なデータから補間演算によって中間データを求める際には公知の方法を適宜適用すればよく、本発明の主眼ではないので説明を省く。
そして、上記のような作業を各段階の濃度値について行った結果を用いて、図16に示すような補正情報としてのLUTを生成する。図16に示すLUTには、低濃度域から高濃度域までの様々な濃度を実現する際の、正常ノズル、代替ノズル、不吐ノズルの画素値相互の関係が示されている。図16に示すLUTにおいて、横軸は正常ノズルの画素ラインの画素値、縦軸は不吐ノズル/代替ノズルの画素ラインの画素値である。こうして得られたLUTは、補正情報としてRAM101または外部記憶装置105に記憶される。
(第2実施形態で用いる補正情報の生成)
続いて、図15に示す代表データに基づき、第2実施形態で使用する補正情報(閾値マトリクスにおける閾値を補正する際に用いるLUT)を生成する場合の手順を説明する。第2実施形態の補正情報を生成する場合は、図15のグラフに代えて、図17に示すような横軸及び縦軸を取り直したグラフを用いる。具体的には、パッチ番号iに対応する画素ラインの入力画素値(ここでは“0〜255”)を横軸に取り、最大濃度値(ここでは“2”)が最大閾値(ここでは“255”)となるように正規化した正規化濃度値を縦軸に取ったグラフを用いる。図13(b)の表が示すパッチ番号iと画素値との関係から、正常ノズル及び代替ノズルに関しては、図15におけるパッチ番号i=0〜8の部分に対応し、不吐ノズルに関してはパッチ番号i=8〜16の部分に対応するグラフとなっている。
続いて、図15に示す代表データに基づき、第2実施形態で使用する補正情報(閾値マトリクスにおける閾値を補正する際に用いるLUT)を生成する場合の手順を説明する。第2実施形態の補正情報を生成する場合は、図15のグラフに代えて、図17に示すような横軸及び縦軸を取り直したグラフを用いる。具体的には、パッチ番号iに対応する画素ラインの入力画素値(ここでは“0〜255”)を横軸に取り、最大濃度値(ここでは“2”)が最大閾値(ここでは“255”)となるように正規化した正規化濃度値を縦軸に取ったグラフを用いる。図13(b)の表が示すパッチ番号iと画素値との関係から、正常ノズル及び代替ノズルに関しては、図15におけるパッチ番号i=0〜8の部分に対応し、不吐ノズルに関してはパッチ番号i=8〜16の部分に対応するグラフとなっている。
そして、図18に示すような、横軸に正常ノズルの画素ラインにおける正規化濃度値、縦軸に不吐ノズル/代替ノズルの画素ラインにおける正規化濃度値を取った、補正情報としてのLUTを生成する。図18のLUTは、図13(a)のテストチャート画像を印刷出力した場合の、正常ノズルの濃度値に対する不吐ノズル及び代替ノズルの濃度値を示すものである。このLUTに基づき、閾値マトリクス内の閾値が補正されることになる。具体的には、正規化濃度値が正常ノズルのそれに対して低い場合(すなわち、代替ノズルの場合)は、その乖離の程度に応じて、代替ノズルによる出力濃度が濃くなるように閾値を小さくする補正がなされることになる。一方、正規化濃度値が正常ノズルのそれに対して高い場合(すなわち、不吐ノズルの場合)は、その乖離の程度に応じて、不吐ノズルによる出力濃度が薄くなるように閾値を大きくする補正がなされることになる。こうして得られたLUTは、補正情報としてRAM101または外部記憶装置105に記憶される。
以上のとおり、テストチャートを用いた実測値に基づいて補正情報を生成することで、より高精度の不吐補完処理が可能となり、不吐ノズルによる画像上のスジやムラなどの弊害をより適切に抑制することができる。
<その他の実施形態>
第1実施形態〜第4実施形態では、画像形成部107が同一画素ラインを描くノズルを一つ備えるヘッドを搭載した場合を例に説明を行った。しかしながら、各実施形態で述べた内容は、同一画素ラインを描くノズルを複数備える多列ヘッドを搭載した画像形成部にも同様に適用可能である。すなわち、ノズル列上において隣接ノズルを代替ノズルとする実施形態以外にも、不吐ノズルと同一画素ラインを描く他のノズル列における対応する位置のノズルを代替ノズルとして不吐補完処理を行う場合にも同様に適用することができる。
第1実施形態〜第4実施形態では、画像形成部107が同一画素ラインを描くノズルを一つ備えるヘッドを搭載した場合を例に説明を行った。しかしながら、各実施形態で述べた内容は、同一画素ラインを描くノズルを複数備える多列ヘッドを搭載した画像形成部にも同様に適用可能である。すなわち、ノズル列上において隣接ノズルを代替ノズルとする実施形態以外にも、不吐ノズルと同一画素ラインを描く他のノズル列における対応する位置のノズルを代替ノズルとして不吐補完処理を行う場合にも同様に適用することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
106 画像処理部
300 変換部
301 入力画像取得部
302 不吐ノズル情報取得部
303 不吐補完処理部
304 ハーフトーン処理部
300 変換部
301 入力画像取得部
302 不吐ノズル情報取得部
303 不吐補完処理部
304 ハーフトーン処理部
Claims (19)
- 複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置が使用するハーフトーン画像データを、多値の入力画像データから生成する画像処理装置であって、
前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズルを特定可能な位置情報を取得する取得手段と、
前記位置情報に基づき、前記入力画像データを前記ハーフトーン画像データに変換する変換手段を有し、
前記ハーフトーン画像データは、前記異常ノズルの画素ラインが担う濃度の少なくとも一部が、前記異常ノズルの近傍に位置する吐出不良が発生していない近傍ノズルの画素ラインの画素に分配され、かつ、少なくとも一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素が濃度を有する、
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記変換手段は、前記入力画像データにおける前記異常ノズルの画素ラインに対応する画素が高濃度である場合には、前記ハーフトーン画像データにおける前記異常ノズルの画素ラインに対応する画素が濃度を持ち、前記入力画像データにおける前記異常ノズルの画素ラインに対応する画素が低濃度である場合には、前記ハーフトーン画像データにおける前記異常ノズルの画素ラインに対応する画素が濃度を持たないように、前記ハーフトーン画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記変換手段は、前記異常ノズルに隣接するノズルおよび隣接しないノズルを含む複数のノズルを前記近傍ノズルとし、前記複数の近傍ノズルの画素ラインのうち前記異常ノズルの画素ラインからの距離が遠いものほど、前記近傍ノズルとは異なるノズルであって吐出不良が発生していない他のノズルが担う濃度と近い濃度を担うように、前記近傍ノズルの画素ラインに濃度を分配することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記変換手段は、
前記位置情報に基づいて、ディザ処理で用いる閾値マトリクスの閾値のうち、前記異常ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値及び前記近傍ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値を補正し、
前記入力画像データに対し、前記補正後の閾値マトリクスを用いて前記ディザ処理を行って、前記ハーフトーン画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記変換手段は、前記異常ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値をより大きい閾値に補正し、前記近傍ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値をより小さい閾値に補正する、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記変換手段は、
前記位置情報に基づいて、前記入力画像データの、前記異常ノズルの画素ラインにおける画素の画素値及び前記近傍ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を補正し、
前記補正後の入力画像データに対しハーフトーン処理を行って、前記ハーフトーン画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記変換手段は、前記異常ノズルの画素ラインの画素の画素値を、前記近傍ノズルの画素ラインにおける画素の画素値に按分して加算する補正を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記変換手段は、前記加算を行った後の前記近傍ノズルの画素ラインにおける画素の画素値が所定の値以上となる場合、前記異常ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を0より大きい値に補正する、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記異常ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を補正するための入力画素値と出力画素値とを対応付ける第1の補正情報、及び、前記近傍ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を補正するための入力画素値と出力画素値とを対応付ける第2の補正情報を保持する記憶手段をさらに備え、
前記変換手段は、
前記第1の補正情報を用いて、前記入力画像データ内の、前記異常ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を補正し、
前記第2の補正情報を用いて、前記入力画像データ内の、前記近傍ノズルの画素ラインにおける画素の画素値を補正する、
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第1の補正情報は、前記異常ノズルの駆動回数が、中間階調においては前記近傍ノズルとは異なるノズルであって吐出不良が発生していない他のノズルの駆動回数よりも少なくなるように、暗部階調においては前記他のノズルの駆動回数と略同等となるように、前記入力画素値が補正されるような特性を有する情報であり、
前記第2の補正情報は、前記近傍ノズルの駆動回数が、中間階調においては前記近傍ノズルとは異なるノズルであって吐出不良が発生していない他のノズルの駆動回数よりも多くなるように、暗部階調においては前記他の駆動回数と略同等となるように、前記入力画素値が補正されるような特性を有する情報である、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記異常ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値を補正するための入力閾値と出力閾値とを対応付ける第1の補正情報、及び、前記近傍ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値を補正するための入力閾値と出力閾値とを対応付ける第2の補正情報を保持する記憶手段をさらに備え、
前記変換手段は、
前記第1の補正情報を用いて、前記閾値マトリクス内の、前記異常ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値を補正し、
前記第2の補正情報を用いて、前記閾値マトリクス内の、前記近傍ノズルに対応するマトリクスラインにおける閾値を補正する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。 - 前記第1の補正情報は、前記異常ノズルの駆動回数が、中間階調においては前記近傍ノズルとは異なるノズルであって吐出不良が発生していない他のノズルの駆動回数よりも少なくなるように、暗部階調においては前記他のノズルの駆動回数と略同等となるように、前記入力閾値が補正されるような特性を有する情報であり、
前記第2の補正情報は、前記他のノズルの駆動回数が、中間階調においては前記近傍ノズルとは異なるノズルであって吐出不良が発生していない他のノズルの駆動回数よりも多くなるように、暗部階調においては前記他のノズルの駆動回数と略同等となるように、前記入力閾値が補正されるような特性を有する情報である、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 - 前記画像形成装置から出力された前記第1の補正情報及び前記第2の補正情報を生成するためのテストチャート画像の出力結果を読み取る読取手段と、
前記読み取り手段にて読み取られた画像データに基づき、前記第1の補正情報及び前記第2の補正情報を生成する生成手段と、
をさらに備え、
前記テストチャート画像は、
階調の異なる複数のパッチがノズル列垂直方向に並び、
各パッチには、模擬的な異常ノズルに対応させた領域が存在し、
前記模擬的な異常ノズルに対応させた領域の階調値は、パッチ内の他の領域が最大階調値を持つ場合にだけ0よりも大きな値を持つ、
ことを特徴とする請求項10又は12に記載の画像処理装置。 - 複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成システムであって、
前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズルを検出する検出手段と、
前記異常ノズルの検出結果が所定の条件を満たさない場合に、前記ノズル列に対するメンテナンス処理を実行するメンテナンス手段と、
前記異常ノズルの検出結果が前記所定の条件を満たす場合に、前記異常ノズルの画素ラインの画素が担う濃度の少なくとも一部を、前記異常ノズルの近傍に位置する吐出不良が発生していない近傍ノズルの画素ラインに分配し、かつ、少なくとも一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素に濃度を持たせたハーフトーン画像データを生成する画像処理手段と、
前記ハーフトーン画像データを用いて前記記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。 - 前記所定の条件は、前記検出手段にて検出された異常ノズルの数が所定数未満であることであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成システム。
- 前記所定の条件は、前記検出手段にて検出された異常ノズルの連続数が所定数未満であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成システム。
- 複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成装置が使用するハーフトーン画像データを、多値の入力画像データから生成する画像処理方法であって、
前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズル を特定可能な位置情報を取得するステップと、
取得した前記位置情報に基づき、前記入力画像データを前記ハーフトーン画像データに変換する変換ステップと、
を含み、
前記ハーフトーン画像データは、前記異常ノズルの画素ラインが担う濃度の少なくとも一部が、前記異常ノズルの近傍に位置する吐出不良が発生していない近傍ノズルの画素ラインの画素に分配され、かつ、少なくとも一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素が濃度を有する、
ことを特徴とする画像処理方法。 - 複数のノズルが配列されたノズル列を搭載した記録ヘッドを前記ノズル列と垂直な方向に記録媒体を相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体上に画像を形成する画像形成システムの制御方法であって、
前記ノズル列に配列された前記複数のノズルのうち吐出不良が発生している異常ノズルを検出するステップと、
前記異常ノズルの検出結果が所定の条件を満たさない場合に、前記ノズル列に対するメンテナンス処理を実行するステップと、
前記異常ノズルの検出結果が前記所定の条件を満たす場合に、前記異常ノズルの画素ラインの画素が担う濃度の少なくとも一部を、前記異常ノズルの近傍に位置する吐出不良が発生していない近傍ノズルの画素ラインに分配し、かつ、少なくとも一部の階調では前記異常ノズルの画素ラインの画素に濃度を持たせたハーフトーン画像データを生成するステップと、
前記ハーフトーン画像データを用いて前記記録媒体上に画像を形成するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。 - コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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