JP2021083366A - 加熱調理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の加熱調理用組成物は、加熱調理食品の具材周辺部の衣の内層のぬめりを抑制するための加熱調理用組成物であって、難水溶性マグネシウム化合物を0.2〜5.0質量%含有することを特徴とする。本発明において、「マグネシウム化合物」はマグネシウム塩、酸化物又は水酸化物のことを意味する。また、「難水溶性マグネシウム化合物」とは、20℃の水100gに0.1g投入した後10分間撹拌し、溶け残りが目視観察されるマグネシウム化合物であることを意味する。これまでも加熱調理食品(特に揚げ物)の食感を改善するためにマグネシウム塩等のマグネシウム化合物をその他の材料と組合せて加熱調理用組成物(特に揚げ物用組成物)に配合する技術は知られていた(例えば、特開平7−303457号公報、特開2015−167479号公報、国際公開2014/087730号)。しかしながら、マグネシウム化合物を加熱調理用組成物に添加することで、加熱調理食品の具材周辺部の衣の内層のぬめりを抑制できることは一切知られていなかった。本発明においては、マグネシウム化合物の内、難水溶性を示すマグネシウム化合物を加熱調理用組成物に上記の範囲で含有させることで、具材周辺部の衣の内層のぬめりが抑制された良好な加熱調理食品を製造できることが見出された。後述する実施例に示す通り、マグネシウム化合物であっても、上記条件で水に可溶である塩化マグネシウム等では、上記効果が認められず、難水溶性を示しても、ステアリン酸カルシウム等のカルシウム塩では、上記効果は認められない。また、難水溶性マグネシウム化合物の含有量が上記範囲を外れても効果が認められない。本発明において、前記難水溶性マグネシウム化合物の含有量は、前記加熱調理用組成物の質量に基づいて、0.25〜2.5質量%が好ましく、0.3〜1.0質量%がより好ましく、0.35〜0.8質量%がさらに好ましく、0.4〜0.6質量%が特に好ましい。
本発明の加熱調理食品の製造方法は、具材周辺部の衣の内層のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法であって、加熱調理用組成物、及び/又は加熱調理用組成物に加水してなるバッターを具材に付着させて加熱調理する工程を含み、前記加熱調理用組成物が、難水溶性マグネシウム化合物を、前記加熱調理用組成物の質量に基づいて、0.2〜5.0質量%含有することを特徴とする。前記加熱調理用組成物に、難水溶性マグネシウム化合物を上記範囲で含有させることで、具材周辺部の衣の内層のぬめりが抑制された良好な加熱調理食品を製造できることができる。本発明の加熱調理食品の製造方法において、加熱調理用組成物は、常法に従って用いることができる。例えば、魚介類及び水産加工品類、畜肉類及び畜肉加工品類、野菜類を必要に応じて加工成形した具材、又はさらに必要に応じて調味液に浸漬した前記具材に、前記加熱調理用組成物を打ち粉として付着させてもよく、ブレッダーとしてまぶして付着させてもよい。また、前記加熱調理用組成物を、適切な加水率で、水やその他の液体(ビール、炭酸水、調味液等)と混合してバッターを調製し、前記バッターに前記具材を浸漬する、又は前記バッターを前記具材に塗布する等により前記バッターを前記具材に付着させてもよい。また、前記打ち粉や前記ブレッダーを付着させた後、バッターを付着させてもよく、前記バッターを付着させた後に、前記ブレッダーやパン粉をまぶしてもよい。本発明においては、上述のように具材に付着させる打ち粉、ブレッダー、及びバッターに用いる加熱調理用組成物の少なくとも1種が、前記難水溶性マグネシウム化合物を上記の範囲で含有していればよく、全ての加熱調理用組成物が前記難水溶性マグネシウム化合物を上記の範囲で含有していてもよい。前記バッターを調製する際、加水率は、加熱調理食品の種類に応じて、適宜調整することができる。例えば加熱調理食品が、天ぷらの場合は、加熱調理用組成物100質量部に対して、80〜180質量部が好ましく、から揚げであれば80〜120質量部が好ましく、パン粉付けフライであれば150〜1000質量部が好ましく、焼き物用であれば100〜300質量部が好ましい。その後、前記加熱調理用組成物が付着した具材を、油ちょう、焼成、蒸し、電子レンジ調理等の適切な加熱調理方法で加熱調理し、加熱調理食品を製造する。加熱調理方法は、油ちょうした後にオーブンにて焼成する等、2種以上の加熱調理方法を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、前記加熱調理用組成物を具材に付着させた後、加熱調理する前に冷凍保存してもよい。ただし、前記加熱調理用組成物を具材に付着させた後、生の状態(冷凍状態は除く(以下同じ))での時間が長過ぎると、具材やその他の材料との相互作用により、前記加熱調理用組成物に含有される難溶性マグネシウム化合物の状態が変化する場合があるため、常温や冷蔵で長時間保存しないことが好ましい。前記加熱調理用組成物を具材に付着させた後、生の状態での時間は、5時間以下が好ましく、3時間以下がさらに好ましく、1時間以下がさらに好ましい。本発明においては、加熱調理後の加熱調理食品を冷蔵・冷凍保存して、さらに加熱調理して製造してもよい。本発明の製造方法によって製造された加熱調理食品は、上述の通り、具材周辺部の衣の内層のぬめりが抑制された良好な加熱調理食品である。
1.マグネシウム化合物の溶解性
各マグネシウム化合物が難水溶性を示すかどうかについて調べた。具体的には、各マグネシウム化合物を20℃の水100gに0.1g投入した後スターラーを用いて10分間撹拌(100rpm)し、溶け残りが目視観察されるか否かで判定した。各マグネシウム化合物の溶解性を表1に示した。完全に溶けたものを「可溶」、溶け残りが目視で観察されたものを「不溶」として示した。
(1)加熱調理用組成物の調製
各材料を表2〜5に示した通りの配合量で混合し、各加熱調理用組成物(すなわち、天ぷら粉又は打ち粉)を調製した。なお、コントロール1〜3では化合物を混合しない加熱調理用組成物を調製した。
(2)天ぷらの作製
前記各天ぷら粉100質量部に、160質量部の水を混合し、バッターを調製した。約20g/尾のえび(サイズ:21−25)に、表2及び表3では、各天ぷら粉を打ち粉としてまぶした後、表4では各打ち粉をまぶした後、各バッターを付着させた。その後、175℃で2分間油ちょうして天ぷらを得た。また、表5では、加熱調理方法として油ちょうと焼成を組み合せた場合の影響を調べるため、各天ぷら粉を打ち粉としてまぶした後、各バッターを付着させて175℃で2分間油ちょうした天ぷらを30分間放冷し、冷蔵庫で1日間保存した後、オーブンにて170℃で4分間焼成した。
(3)天ぷらの評価
油ちょうした各天ぷら(表2〜4)、又は油ちょう後オーブン加熱(焼成)した天ぷら(表5)を、油ちょう又はオーブン加熱直後にぬめり、歯切れ、かたさを評価し、3時間後に歯切れとかたさを評価した。なお、ぬめりは、より顕著に感じられる油ちょう又は再加熱直後のみに評価した。評価は、専門パネル10名にてコントロール1(表2及び表3)、コントロール2(表4)又はコントロール3(表5)を3点として以下の評価基準で行い、評価結果は、評価点の平均値で示した。
(i)ぬめり
5:コントロールと比較して、ぬめりがなく、非常に良好
4:コントロールと比較して、ぬめりを感じ難く、良好
3:コントロールと同等のぬめりがある
2:コントロールと比較して、ぬめりがやや強く感じられ、悪い
1:コントロールと比較して、ぬめりが強く、非常に悪い
(ii)歯切れ
5:コントロールと比較して、衣の歯切れが良い
4:コントロールと比較して、やや衣の歯切れが良い
3:コントロールと同等
2:コントロールと比較して、やや衣の歯切れ悪い
1:コントロールと比較して、衣の歯切れが悪い
(iii)かたさ
5:コントロールと比較して、衣に適度なかたさがあり、非常に良好
4:コントロールと比較して、衣にやや適度なかたさがあり、良好
3:コントロールと同等
2:コントロールと比較して、衣のかたさがやや硬すぎたり、やや軟らかすぎたりする
1:コントロールと比較して、衣のかたさが硬すぎたり、軟らかすぎたりする
評価結果を表2〜5に示す。
(1)から揚げの作製
各材料を表6に示した通りの配合量で混合し、各加熱調理用組成物を調製した。なお、コントロール4では化合物を混合しない加熱調理用組成物を調製した。各加熱調理用組成物55質量部に50質量部の水を混合してバッターを調製した。次に、鶏もも肉350g(10切れ)に対して、105gの各バッターを揉み込んで付着させた。その後、170℃で4分間油ちょうしてから揚げを得た。
(2)から揚げの評価
油ちょうした各から揚げを、2.(3)の天ぷらの評価と同様に評価した。評価結果を表6に示す。
(1)白身魚の衣焼きの作製
各材料を表7に示した通りの配合量で混合し、各加熱調理用組成物を調製した。なお、コントロール5では化合物を混合しない加熱調理用組成物を調製した。各加熱調理用組成物100質量部に160質量部の水を混合してバッターを調製した。次に、タラの切り身の両面に各バッターを付着させた後、フライパンで両面を各6分間ずつ焼成して白身魚の衣焼きを得た。
(2)白身魚の衣焼きの評価
焼成した各白身魚の衣焼きを、焼成直後にぬめり、歯切れを評価し、3時間後に歯切れを評価した。評価基準及び評価条件は2.(3)の天ぷらの評価と同様である。評価結果を表7に示す。
Claims (6)
- 加熱調理食品の具材周辺部の衣の内層のぬめりを抑制するための加熱調理用組成物であって、
難水溶性マグネシウム化合物を0.2〜5.0質量%含有することを特徴とする加熱調理用組成物。 - 前記難水溶性マグネシウム化合物が、20℃の水に対する溶解度が0.1g/100g−H2O以下のマグネシウム化合物である請求項1に記載の加熱調理用組成物。
- 前記マグネシウム化合物が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、第三リン酸マグネシウム、及びステアリン酸マグネシウムから選択される1種以上の化合物である請求項1又は2に記載の加熱調理用組成物。
- 具材周辺部の衣の内層のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法であって、
加熱調理用組成物、及び/又は加熱調理用組成物に加水してなるバッターを具材に付着させて加熱調理する工程を含み、
前記加熱調理用組成物が、難水溶性マグネシウム化合物を、前記加熱調理用組成物の質量に基づいて、0.2〜5.0質量%含有することを特徴とする加熱調理食品の製造方法。 - 前記加熱調理用組成物として、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理用組成物を用いる請求項4に記載の加熱調理食品の製造方法。
- 難水溶性マグネシウム化合物を0.2〜5.0質量%含有する加熱調理用組成物を用いることを特徴とする加熱調理食品の具材周辺部の衣の内層のぬめりを抑制する方法。
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JP2019195292A (ja) * | 2018-05-09 | 2019-11-14 | 日清フーズ株式会社 | 揚げ物衣用ミックス |
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