JP2021059722A - 硬化性材料、硬化性組成物、硬化物、ポリカーボネート重合体の製造方法、及びポリカーボネート重合体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、硬化物の強度及び伸びが良好であるポリカーボネート重合体とその製造方法、前記ポリカーボネート重合体からなる硬化性材料、前記硬化性材料を含む硬化性組成物、及び前記硬化性組成物の硬化物を提供する。
[1] 1分子中に、下式1で表される反応性ケイ素基、カーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体からなる硬化性材料。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
[2] 前記アルキレンオキシドに基づく単位がプロピレンオキシドに基づく単位を含む、[1]の硬化性材料。
[3] 前記ポリカーボネート重合体の1分子あたりのカーボネート基の数が3.0個以上である、[1]又は[2]の硬化性材料。
[4] 前記アルキレンオキシドに基づく単位の含有量に対する、前記カーボネート基の含有量のモル比を表す、カーボネート基/アルキレンオキシド単位が0.01〜1である、[1]〜[3]のいずれかの硬化性材料。
[5] 前記ポリカーボネート重合体に存在する前記反応性ケイ素基の数が、1分子あたり平均して0.5個超である、[1]〜[4]のいずれかの硬化性材料。
[6] 分子量分布が1.0〜3.0である、[1]〜[5]のいずれかの硬化性材料。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかの硬化性材料と硬化触媒とを含む、硬化性組成物。
[8] 前記[7]の硬化性組成物の硬化物。
[9] シーリング材用である、[8]の硬化物。
[10] 接着剤用である、[8]の硬化物。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
[12] 前記前駆重合体を、ポリカーボネートポリオールの水酸基に、アルキレンオキシドを付加重合させて得る、[11]のポリカーボネート重合体の製造方法。
[13] 前記前駆重合体を、ポリカーボネートポリオールの水酸基に、アルキレンオキシド及び二酸化炭素を付加重合させて得る、[11]のポリカーボネート重合体の製造方法。
[14] 前記ポリカーボネートポリオールが、下式2で表されるジオール化合物と、下式3で表されるカーボネート化合物とが縮重合したポリカーボネートジオールである、[12]又は[13]のポリカーボネート重合体の製造方法。
HO−R2−OH 式2
式2中、R2は炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示す。
R3−O−C(O)−O−R4 式3
式3中、R3、R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基若しくはフェニル基であるか、又はR3とR4は互いに結合して環を形成している。
[15] 前記ジオール化合物が、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及びイソソルバイドからなる群より選ばれる1種以上である、[14]のポリカーボネート重合体の製造方法。
[16] 前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が250〜10,000である、[14]又は[15]のポリカーボネート重合体の製造方法。
[17] 前記前駆重合体を、カーボネート基を含まないポリオールに、アルキレンオキシド及び二酸化炭素を付加重合させて得る、[11]のポリカーボネート重合体の製造方法。
[18] 1分子中に、下式1で表される反応性ケイ素基、カーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
[19] 1分子中に、下式10で表される反応性ケイ素基、2個以上のカーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく繰り返し単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体。
−SiX10 aR10 3−a 式10
式10中、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基または炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。
[20] 1分子中に、1個以上の反応性ケイ素基、2個以上のカーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく繰り返し単位を有し、かつ、数平均分子量が4,000〜50,000である、下式11で表されるポリカーボネート重合体。
X10 aR10 3−aSi−Q−[(OR11)n(OR11−O−C(O))m(OR2−O−C(O))t]−O−R21−O−Q−SiX10 aR10 3−a 式11
式11中、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、Qは炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基、又は−NHC(O)−R31−を示し、R31は炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し一方の結合手はケイ素原子と結合しており、R11は炭素数2〜4の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、R2及びR21はそれぞれ独立して炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、nは1〜900の整数であり、tは0〜50の整数であり、mは0〜500の整数であり、かつn+t+mは3以上の整数である。aは1〜3の整数であり、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明の硬化性組成物は、強度及び伸びが良好な硬化物が得られる。
本発明の硬化物は、強度及び伸びが良好である。
本発明のポリカーボネート重合体は、該重合体を硬化させた硬化物の強度及び伸びが良好である。
重合体を構成する「単位」とは単量体の重合により形成された原子団を意味する。
数平均分子量(以下、「Mn」と記す。)及び重量平均分子量(以下、「Mw」と記す。)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用し、水酸基換算分子量既知のオキシアルキレン重合体を用いて検量線を作成して測定したオキシアルキレン重合体換算分子量である。分子量分布は、MwとMnより算出した値であり、Mnに対するMwの比率(以下、「Mw/Mn」と記す。)である。なお、「水酸基換算分子量」とは、アルキレンオキシド単量体に基づく繰り返し単位を含むオキシアルキレン重合体において、JIS K 1557(2007)に基づいて算出した水酸基価を、「56,100×(分子中の水酸基数)/(水酸基価)」の式に当てはめて得られる値を用いて算出される分子量である。
「前駆重合体の誘導体」とは、前駆重合体の末端に連結基を介して反応性末端基を導入した重合体を意味する。前記反応性末端基は後述のシリル化剤と反応し得る。
「反応性末端基」とは、前駆重合体又はその誘導体に反応性ケイ素基を導入する際にシリル化剤と反応する末端基を意味する。反応性末端基としては、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基、水酸基等が挙げられる。なお、重合体中に存在するアルケニルオキシ基の数は、JIS K 0070(1992)に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、不飽和基濃度を測定する方法で算出することができる。
「シリル化剤」とは、活性水素含有基又は前記反応性末端基と反応して反応性ケイ素基を有する末端基を形成しうる化合物を意味する。
「非反応性末端基」とは、シリル化剤と反応しない末端基を意味する。
ポリカーボネート重合体の全末端基の数は、前駆重合体又はその誘導体の反応性末端基と非反応性末端基の数の合計と同じである。例えば、前駆重合体に、反応性末端基として不飽和基を導入した誘導体を用いる場合、前駆重合体に不飽和基(例えばアリル基)を導入する際に、不飽和基の異性化が生じて生成した非反応性末端基(例えば、1−プロペニル基)が存在しうる。
本実施形態のポリカーボネート重合体は、1分子中に、下式1で表される反応性ケイ素基、カーボネート基、及びアルキレンオキシド単位を有する。
−SiXaR1 3−a 式1
R1は、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロ炭化水素基及びトリオルガノシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、及び炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、炭素数1〜3の1価の炭化水素基、及び炭素数1〜3のハロ炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、スルファニル基、アルケニルオキシ基が例示できる。これらの基中に存在しうるアルキル基またはアルケニル基の炭素数は1〜6が好ましく、特に1〜3が好ましい。
加水分解性が穏やかで取扱いやすい点からアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成し硬化物中に架橋構造を形成しやすく、硬化物の物性値がより良好となる。
aは1又は2が好ましく、aは2がより好ましい。
前記式1で表される反応性ケイ素基としては、下式10で表される基が好ましい。
−SiX10 aR10 3−a 式10
式10中、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基または炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。
R10は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、1−クロロアルキル基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基又はトリフェニルシロキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の1−クロロアルキル基が特に好ましい。反応性ケイ素基を有する重合体の硬化性と硬化性組成物の安定性が良い点からは、メチル基又はエチル基が好ましい。硬化物の硬化速度が速い点からは、1−クロロメチル基が好ましい。容易に入手できる点からは、メチル基が特に好ましい。
X10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成し硬化物中に架橋構造を形成しやすく、硬化物の物性値がより良好となる。
aは1又は2が好ましく、aは2がより好ましい。
前記式10で表される反応性ケイ素基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基又はメチルジエトキシシリル基が好ましく、ジメトキシメチルシリル基又はトリメトキシシリル基がより好ましい。
本実施形態のポリカーボネート重合体のMw/Mnは、硬化性組成物がより低粘度となる点から、1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
ポリカーボネート重合体の1分子あたりのカーボネート基の数は、NMR分析により算出できる。
シリル化率は50モル%超100モル%以下が好ましく、55〜99モル%がより好ましく、60〜98モル%がさらに好ましい。
本実施形態のポリカーボネート重合体は、カーボネート基と、アルキレンオキシド単位を有し、かつ末端に活性水素含有基を有する前駆重合体又は該前駆重合体の誘導体と、反応性ケイ素基を有するシリル化剤とを反応させる方法で製造できる。
活性水素含有基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基、ヒドラジド基及びスルファニル基が例示できる。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、第一級アミンにおける窒素原子に結合する水素原子を1個除去した1価の官能基が好ましく、水酸基がより好ましい。
前駆重合体のMw/Mnは、硬化物の伸びがさらに良好となる点から、1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
前駆重合体の25℃における粘度は100〜100,000mPa・sが好ましく、1,000〜80,000mPa・sがより好ましく、2,800〜60,000mPa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物が取り扱いやすい点で好ましく、上限値以下であると硬化物の強度がより良好になる点で好ましい。
前駆重合体の誘導体は、前駆重合体の末端に反応性末端基を1個以上導入して得られる。前駆重合体又はその誘導体に存在する反応性末端基の数は、1〜4個が好ましく、1〜2個がより好ましい。
例えば、前駆重合体の末端に不飽和基を1個以上導入した誘導体と、不飽和基と反応する官能基を有するシリル化剤とを反応させる方法が好ましい。
又は、活性水素含有基と反応する官能基であるイソシアネート基を有するシリル化剤を用い、前駆重合体の活性水素含有基とシリル化剤とをウレタン化反応させる方法が好ましい。
イソシアネート基を有するシリル化剤としては、例えば、特開2011−178955号に記載される、イソシアネートシラン化合物が例示でき、具体的には、1−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、1−イソシアネートメチルジエトキシエチルシラン、1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシランが例示できる。1−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
前駆重合体の1つの末端に対して不飽和基を2個導入する方法としては、前駆重合体に、アルカリ金属塩を作用させた後、不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させ、次いで不飽和基を有するハロゲン化炭化水素化合物を反応させる方法が好ましい。
[態様1]
態様1では、開始剤としてポリカーボネートポリオールを用いる。
ポリカーボネートポリオールの水酸基の数は2以上であり、2〜5が好ましく、2.0〜3.5がより好ましい。
ポリカーボネートポリオールとして、下式4で表されるポリカーボネートジオールが好ましい。また、ポリカーボネートポリオールとしては、ポリオールにアルキレンオキシド及び二酸化炭素が付加したオリゴマー(ポリカーボネートポリオール)も使用できる。
式2中、R2は炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示す。
R3−O−C(O)−O−R4 式3
式3中、R3、R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基若しくはフェニル基であるか、又はR3とR4は互いに結合して環を形成している。
H−[O−R2−O−C(O)]a−O−R2−OH 式4
式4中、R2は、式2中のR2と同じである。aは1.0以上の整数であり、3.0以上が好ましい。
前記鎖式炭化水素基は、炭素数3〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記環式炭化水素基は、例えば−R5−R6−R5−で表される基である。R5は単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R6は、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3〜9の脂環式炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4〜16の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記脂環式炭化水素基において環を構成する1個以上の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。ただし隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。
R5の炭素数1〜6のアルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。R5が炭素数1〜6のアルキレン基である場合、炭素数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。R5としては、単結合、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、tーブチレン基が例示され、単結合、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基及びt−ブチレン基が好ましく、単結合、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
R6が非置換の単環構造を有する炭素数3〜9の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、R6の炭素数は、熱及び光に対する安定性がより優れるため、4〜8が好ましく、5〜8がより好ましく、5又は6がさらに好ましい。R6の非置換の単環構造を有する炭素数3〜9の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基が例示され、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
R6が非置換の多環構造を有する炭素数4〜16の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、R6の炭素数は、硬化物の硬度や耐薬品性がより優れるため、4〜15が好ましく、6〜12がさらに好ましい。R6は、2個または3個の環構造を有する基が好ましく、2個の環構造を有する基がより好ましい。
R6が非置換の炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である場合、硬化物の硬度や耐薬品性がより優れるため、R6の炭素数は、6〜14が好ましく、6〜12がさらに好ましい。非置換の炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ビフェニレン基が例示され、硬化物の硬度や耐薬品性がより優れるため、フェニレン基が好ましい。
R6が置換基を有する単環構造を有する炭素数3〜9の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、上記単環構造は、上述の非置換の単環構造を有する炭素数3〜9の2価の脂環式飽和炭化水素基と同様である。
R6が置換基を有する多環構造を有する炭素数4〜16の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、上記多環構造は、上述の非置換の多環構造を有する炭素数4〜16の2価の脂環式飽和炭化水素基と同様である。
R6が置換基を有する炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である場合、上記芳香族炭化水素基としては、上述の非置換の炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基の場合と同様である。
R6の炭素数は、環を構成する炭素原子の数のみを示し、置換基の炭素数は含まない。前記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が例示される。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、が例示される。置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子が好ましく、メチル基、エチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子がより好ましい。置換基の数は、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましい。
R6が単環構造又は多環構造を有する脂環式飽和炭化水素基であり、環を構成する1個以上の炭素原子が、酸素原子で置換されていている場合、環を構成する全原子数に対する、酸素原子数の割合は5〜50%が好ましく、10〜30%がさらに好ましい。
これらのうち、硬化性組成物の粘度がより低くなり、硬化物の強度がより良好となる点で1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン及びイソソルバイドが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,10−デカンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及びイソソルバイドがより好ましく、1,4−ブタンジオール、1,10−デカンジオール及びイソソルバイドがさらに好ましい。
式3で表されるカーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ネオペンチレンカーボネートが例示できる。
これらのうち硬化性組成物の粘度がより低くなり、硬化物の強度がより良好となる点で、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート及びエチレンカーボネートが好ましい。反応時に脱離する化合物の沸点が低いため、平衡反応が目的化合物に傾きやすいという点においては、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートが好ましく、反応して脱離する化合物と目的化合物との沸点差が大きく目的化合物を分離しやすいという点においては、ジフェニルカーボネートが好ましい。
式2で表されるジオール化合物と、式3で表されるカーボネート化合物を縮重合して、式4で表されるポリカーボネートジオールを製造する方法は、例えば特開2012−77280号公報、特開2014−080590号公報、特開2015−91937号公報、特許第3724561号、特許第5532592号、特許第1822688号、特開平4−2390234号公報等に記載の方法を用いることができる。
式4で表されるポリカーボネートジオールのMw/Mnは3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましい。上限値以下であると、硬化性組成物がより低粘度となるため、取り扱いやすい。
−[AO−C(O)O]− 式5
前記オリゴマー(ポリカーボネートポリオール)は、ジオール化合物に、アルキレンオキシド及び二酸化炭素が付加したオリゴマー(ポリカーボネートジオール)が好ましい。
前記オリゴマー(ポリカーボネートジオール)において、ジオール化合物は前記式2で表されるジオール化合物が好ましい。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドが挙げられる。特に、プロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドに基づく単位と二酸化炭素に基づく単位の配列はランダムでもよく、ブロックでもよく、両者の組み合わせでもよい。
ジオール化合物の水酸基に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシドと二酸化炭素を付加重合させる方法は、例えば特開2009−544801号公報、米国特許出願公開第2012/0289732号明細書、国際公開第2013/034750号、特表2011−522091号公報、特表2012−500867号公報に記載の方法を用いることができる。
前記オリゴマー(ポリカーボネートジオール)のMnは、オリゴマーを形成する際のアルキレンオキシドとの反応性が良好である点から、100〜5,000が好ましく、150〜3,000がより好ましい。
前記オリゴマー(ポリカーボネートジオール)のMw/Mnは、硬化物の伸びがより良好となる点から、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましい。
前駆重合体a1、又は前駆重合体a1の末端に反応性末端基を1個以上導入した誘導体と、シリル化剤とを反応させてポリカーボネート重合体A1を得る。
複合金属シアン化物錯体触媒は、特に制限はなく、従来公知の化合物を用いることができ、複合金属シアン化物錯体を用いた重合体の製造方法も添加量などを含めて、公知の方法を採用できる。例えば、国際公開公報第2003/062301号、国際公開公報第2004/067633号、特開2004−269776号公報、特開2005−15786号公報、国際公開公報第2013/065802号、特開2015−010162号公報に開示される化合物及び製造方法を用いることができる。
前駆重合体a1のMw/Mnは1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
前駆重合体a1は固体であってもよく、固体である場合は90℃までの加熱により液状となるものが好ましい。前駆重合体a1が25℃において液体である場合の前駆重合体a1の25℃における粘度は、100〜100,000mPa・sが好ましく、1,000〜80,000mPa・sがより好ましく、2,800〜60,000mPa・sがより好ましい。上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物が取り扱いやすい点で好ましく、上限値以下であると硬化物の強度がより良好となる点で好ましい。
ポリカーボネート重合体A1のMnは、硬化物の伸びと強度がより良好となる点から4,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、6,000〜25,000がさらに好ましい。
ポリカーボネート重合体A1のMw/Mnは、硬化物の伸びが良好となる点から1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
ポリカーボネート重合体A1の、1分子あたりのカーボネート基の数は、硬化物の強度がより良好となる点から平均して2〜50個が好ましく、3〜30個がより好ましい。
態様2では、態様1と同様に、開始剤として前述のポリカーボネートポリオールを用いる。
態様2では、開始剤である前記ポリカーボネートポリオールの水酸基(活性水素含有基)に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシド及び二酸化炭素を付加重合させる。これにより、アルキレンオキシドに基づく単位及び二酸化炭素に基づく単位からなる共重合鎖(ポリカーボネートジオール鎖)を有し、末端が水酸基である前駆重合体(以下、「前駆重合体a2」ともいう)を得る。ポリカーボネートポリオールの水酸基の数と、前駆重合体a2の活性水素含有基の数は同じである。
前駆重合体a2、又は前駆重合体a2の末端に反応性末端基を1個以上導入した誘導体と、シリル化剤とを反応させてポリカーボネート重合体A2を得る。
態様2において、開始剤の水酸基に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシドと二酸化炭素を付加重合させる方法は、例えば特開2009−544801号公報、米国特許出願公開第2012/0289732号明細書、国際公開第2013/034750号、特表2011−522091号公報、特表2012−500867号公報に記載の方法を用いることができる。
−[AO−C(O)O]− 式5
態様2において、前記アルキレンオキシド単位は1種類でもよく2種以上でもよい。
前駆重合体a2のMw/Mnは1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
前駆重合体a2は固体であってもよく、固体である場合は90℃までの加熱により液状となるものが好ましい。前駆重合体a2が25℃において液体である場合の前駆重合体a2の25℃における粘度は100〜100,000mPa・sが好ましく、1,000〜60,000mPa・sがより好ましく、2,800〜60,000mPa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬化性組成物が取り扱いやすい点で好ましく、上限値以下であると硬化物の強度がより良好となる点で好ましい。
ポリカーボネート重合体A2のMnは、硬化物の伸びと強度がより良好となる点から4,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、6,000〜25,000がさらに好ましい。
ポリカーボネート重合体A2のMw/Mnは、硬化物の伸びがより良好となる点から1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
ポリカーボネート重合体A2の、1分子あたりのカーボネート基の数は平均して2〜50個が好ましく、3〜30個がより好ましい。
態様3では、開始剤として、カーボネート基を含まないポリオールを用いる。
カーボネート基を含まないポリオールの水酸基の数は、2以上であり、2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2〜3個がさらに好ましく、2個が特に好ましい。前記ポリオールとして、ポリオールにアルキレンオキシドが付加したオリゴマー(ポリエーテルポリオール)も使用できる。
ポリオールは2種類以上でもよい。ポリオールを2種類以上併用する場合は、1分子あたりの平均の水酸基数を、ポリオールの水酸基の数とする。
水酸基を2個有するポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、低分子量のポリオキシプロピレングリコールが例示できる。
水酸基を3個有するポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、低分子量のポリオキシプロピレントリオールが例示できる。
水酸基を4個以上有するポリオールとしては、ソルビトール、ペンタエリスリトールが例示できる。
前記カーボネート基を含まないポリオールのMnはアルキレンオキシドとの反応性が良好である点から、300未満が好ましく、62〜250がより好ましく、70〜200がさらに好ましい。
前記オリゴマー(ポリエーテルポリオール)のMnはオリゴマーを形成する際のアルキレンオキシドとの反応性が良好である点から、100〜5,000が好ましく、150〜3,000がより好ましく、300〜3,000がさらに好ましい。
前記オリゴマー(ポリエーテルポリオール)のMw/Mnは、得られる硬化性組成物がより低粘度となるため、1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
前駆重合体a3、又は前駆重合体a3の末端に反応性末端基を1個以上導入した誘導体と、シリル化剤とを反応させてポリカーボネート重合体A3を得る。
態様3において、開始剤であるポリオールの水酸基に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシドと二酸化炭素を付加重合させる方法は、態様2と同様である。
前駆重合体a3のMw/Mnは1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
前駆重合体a3は25℃において液体であることが好ましく、前駆重合体a3の25℃における粘度は100〜100,000mPa・sが好ましく、1,000〜80,000mPa・sがより好ましく、2,800〜60,000mPa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物が取り扱いやすい点で好ましく、上限値以下であると硬化物の強度がより良好となる点で好ましい。
ポリカーボネート重合体A3のMnは、硬化物の伸びと強度がより良好となる点から4,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、6,000〜25,000がさらに好ましい。
ポリカーボネート重合体A3の硬化物の伸びがより良好となる点から、Mw/Mnは1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
ポリカーボネート重合体A3の、1分子あたりのカーボネート基の数は、硬化物の伸びがより良好となる点から平均して2〜50個が好ましく、3〜30個がより好ましい。
本発明のカーボネート重合体は、1分子中に、1個以上の反応性ケイ素基、2個以上のカーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく繰り返し単位を有し、かつ、Mnが4,000〜50,000である、下式11で表されるポリカーボネート重合体が好ましい。
X10 aR10 3−aSi−Q−[(OR11)n(OR11−O−C(O))m(OR2−O−C(O))t]−O−R21−O−Q−SiX10 aR10 3−a 式11
式11中、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、Qは炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基、又は−NHC(O)−R31−を示し、R31は炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し一方の結合手はケイ素原子と結合しており、R11は炭素数2〜4の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、R2及びR21はそれぞれ独立して炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、nは1〜900の整数であり、tは0〜50の整数であり、mは0〜500の整数であり、かつn+t+mは3以上の整数である。aは1〜3の整数であり、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。
X10及びR10は上記式10におけるX10及びR10と同様であり、好ましい態様も同様である。
Qは、炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基、又は−NHC(O)−R31−を示す。炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の鎖式炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4の非置換の2価の鎖式炭化水素基がより好ましい。
R31は、炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、一方の結合手はケイ素原子と結合している。炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の鎖式炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4の非置換の2価の鎖式炭化水素基がより好ましい。
(OR11)はアルキレンオキシドが開環した単位を表す。上記アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4の環状エーテルが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドが挙げられる。特に、プロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドに基づく単位と二酸化炭素に基づく単位の配列はランダムでもよく、ブロックでもよく、両者の組み合わせでもよい。
R2及びR21は上記式2におけるR2と同様であり、好ましい態様も同様である。
[(OR11)n(OR11−O−C(O))m(OR2−O−C(O))t]で表される単位は、(OR11)で表される繰り返し単位、(OR11−O−C(O))で表される繰り返し単位及び(OR2−O−C(O))で表される繰り返し単位からなることを表し、各繰り返し単位の結合の順番は特に限定されず、各繰り返し単位はランダム状に配列されていても、ブロック状に配列されていてもよい。
nは1〜900の整数であり、tは0〜50の整数であり、mは0〜500の整数である。n+t+mは3〜900が好ましく、20〜800がより好ましく、50〜600がさらに好ましく、60〜500が特に好ましい。
aは1〜3の整数であり、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。aは1又は2が好ましく、2がより好ましい。
式11で表される重合体のMnは、硬化物の伸びと強度がより良好となる点から4,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、6,000〜25,000がさらに好ましい。
式11で表される重合体の硬化物の伸びがより良好となる点から、Mw/Mnは1.0〜3.0が好ましく、1.01〜2.50がより好ましく、1.02〜2.20がさらに好ましく、1.03〜2.00が特に好ましい。
式11で表される重合体の、1分子あたりのカーボネート基の数は、硬化物の伸びがより良好となる点から平均して2〜50個が好ましく、3〜30個がより好ましい。
本発明のポリカーボネート重合体は、硬化性材料として有用な重合体である。硬化性材料としては、シーリング材用または接着剤用が挙げられる。本発明のポリカーボネート重合体を硬化性材料として用いる場合は、通常の場合、硬化性組成物として用いることが好ましい。
硬化性組成物は、本実施形態のポリカーボネート重合体を含む。上記硬化性組成物は、通常の場合、ポリカーボネート重合体および後述の硬化触媒を含む組成物である。
硬化性組成物の総質量に対するポリカーボネート重合体の含有割合は、3〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。ポリカーボネート重合体の含有割合が上記範囲内であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
硬化性組成物は、前記硬化触媒を1種類以上含んでもよい。硬化性組成物が前記硬化触媒を含む場合の含有量は、ポリカーボネート重合体の100質量部に対して、0.01〜15.0質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。0.1質量部以上であると、硬化反応が充分に進行しやすくなり、20質量部以下であると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じず、良好な硬化物が得られやすい。
硬化性組成物は、前記ポリカーボネート重合体以外のその他の成分を含む。その他の成分としては、硬化性組成物の用途に応じた添加剤が挙げられ、上記式1で表される反応性ケイ素基を有さない有機重合体、充填材、可塑剤、チクソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着性付与剤、アミン化合物、酸素硬化性化合物、光硬化性化合物、硬化触媒(シラノール縮合触媒)が例示できる。
その他の成分は、国際公開第2013/180203号、国際公開第2014/192842号、国際公開第2016/002907号、特開2014−88481号公報、特開2015−10162号公報、特開2015−105293号公報、特開2017−039728号公報、特開2017−214541号公報などに記載される従来公知のものを、制限なく組み合わせて用いることができる。
各成分は2種類以上を併用してもよい。
2液型の硬化性組成物において、硬化剤組成物は水を含んでもよい。主剤組成物は少量の水分を含んでもゲル化し難いが、貯蔵安定性の点からは配合成分を予め脱水乾燥することが好ましい。
貯蔵安定性を向上させるために、1液型の硬化性組成物又は2液型の主剤組成物に脱水剤を添加してもよい。
特に、優れた強度と伸びが要求される用途に好適であり、例えば屋外に施工されるシーリング材及び接着剤が好適である。
硬化性組成物から得られる硬化物は、硬化物の疎水性により水の浸漬に起因するクラックを抑制しやすいため、後述の実施例に示される耐候性試験により測定した耐候性は、400時間以上となりやすく、さらには500時間以上となりやすい。前記下限値以上であると、耐候性が良好であり、シーリング材及び接着剤として好適であり、特に屋外で用いられるシーリング材や、建物や車輛用の接着剤に好適である。
<測定方法・評価方法>
[Mn及び分子量分布(Mw/Mn)]
HLC−8320GPC(東ソー社製品名)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として、ポリオキシプロピレンジオール換算の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
[重合体の共重合組成比]
後述の合成例で得られた重合体を10wt%となるように重クロロホルムに溶解し、分解能400MHz(JNM−ECZ400SJNM、日本電子社製品名)で1H−NMRを測定した。得られた結果から、ポリカーボネートジオールに存在するジオール単位に基づくピーク、アルキレンオキシド単位に基づくピークを特定し、その面積から重合体中の共重合組成比を算出した。
後述の合成例で得られた前駆重合体について、25℃における粘度を、E型粘度計VISCOMETER TV−22(東機産業製品名)にて測定した。
[重合体における反応性ケイ素の数(シリル化率)]
前駆重合体の末端の水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて反応性ケイ素基を導入する方法において、前駆重合体の水酸基の量に対する1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランの仕込み量のモル比率をシリル化率とした。
[1分子あたりのカーボネート基の数]
後述の合成例で得られた重合体を、内部標準物質を添加した重クロロホルムに溶解させて、1H−NMR測定を実施した。カーボネート基に隣接した炭素原子に結合するプロトンの面積とカーボネート基に隣接した炭素原子に結合するメチル基のプロトンの面積との総和と、内部標準物質のプロトンの面積比から、単位重量あたりのカーボネート基数を算出し、さらにGPCより求めたMnを乗じて、1分子あたりのカーボネート基の数を算出した。
[カーボネート基/アルキレンオキシド単位のモル比]
後述の合成例で得られた重合体を、重クロロホルムに溶解させて、1H−NMRを測定した。カーボネート基に隣接した炭素原子に結合するプロトンの面積(Yc)とカーボネート基に隣接した炭素原子に結合するメチル基のプロトンの面積(Ycm)との総和と、アルキレンオキシドのエーテル性酸素に隣接する炭素原子に結合するメチル基のプロトンの面積(Yem)とカーボネート基に隣接した炭素原子に結合するメチル基のプロトンの面積(Ycm)との総和との比率((Yc+Ycm)/(Yem+Ycm))から、カーボネート基/アルキレンオキシド単位のモル比を算出した。
後述の実施例で得られた硬化性組成物の30gを、縦300mm、横25mm、厚さ2mmである型枠に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生し、更に温度50℃、湿度65%で4日間養生した。得られた硬化物における気泡の存在状態を確認し、下記の基準で評価した。硬化物中に気泡が多く存在すると、後述の引張試験において正しい値が得られない。
〇:硬化物中に気泡がない。
△:硬化物中に気泡があり、気泡の体積は硬化物の体積の10%未満である。
×:硬化物中に気泡があり、気泡の体積は硬化物の体積の10%以上である。
[引張試験]
後述の実施例で得られた硬化性組成物を縦300mm、横25mm、厚さ2mmの型枠に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生し、更に温度50℃、湿度65%で4日間養生した。得られた厚さ2mmの硬化物をダンベル型枠で打ち抜いて、試験片を得た。この試験片を用いて、引張速度500mm/分で引張試験を行い、50%伸張した時の応力(M50、単位:N/mm2)、最大点凝集力(単位:N/mm2)、最大点伸び(単位:%)の引張特性を測定した。
[耐候性試験]
後述の実施例で得られた硬化性組成物を縦25mm、横25mm、厚さ5mmの型枠に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生し、更に温度50℃、湿度65%で4日間養生した。得られた厚さ2mm硬化物をサンプルとし、JIS A1439の評価基準に準じて試験を実施した。サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製品名)にて、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、120分毎に2分間散水する条件で試験し、サンプルに亀裂が発生するまでの時間を測定した。
(合成例1:重合体A1−1)
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応器に、1,4−ブタンジオール(以下、「1,4−BD」という。)の450g、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)(以下、「NPG」という。)の620g、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」という。)の2140g、酢酸マグネシウム4水和物の50mgを入れ、反応管中を窒素で置換した。200℃に設定したオイルバス中で上記原料を加熱溶解し、30分間反応させた。
次いで、5時間30分かけて圧力を0.4KPaまで下げつつ、留出してきたフェノール及び未反応のジオールを除去した。次いで、ポリカーボネートジオールの分子量を増大させるために、200℃、0.4KPaに保持して30分間反応させ、副生物を留出させた。得られたポリカーボネートジオールのMnは1,700であった。1H−NMRにより、カーボネート基に隣接した1,4−BDのメチレン基に結合した2個のプロトンに基づく4.10−4.20ppmのピーク面積と、カーボネート基に隣接したNPGのメチレン基に結合した2個のプロトンに基づく3.90−4.00ppmのピーク面積とを算出し、これらの比から1,4−BD/NPGの共重合組成比は54/46(モル比)であった。
得られたポリカーボネートジオールに、配位子がt−ブチルアルコールの亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体(以下、「TBA−DMC触媒」と記す。)を触媒として使用してプロピレンオキシド(以下、「PO」という。)を付加重合し、前駆重合体a1−1を得た。
前駆重合体a1−1の末端基である水酸基の量(モル)に対して97モル%の1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランと、前駆重合体a1−1に対して50質量ppmの有機スズ化合物(U−860 日東化成社製品名)とを添加した。80℃で3時間加熱して、前記水酸基と1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを、イソシアネート基に基づくピークの消失がFT−IR(ATR法、SPECTRUM100、パーキンエルマー社製品名)で確認できるまで反応させて、重合体A1−1を得た。
上記の方法にしたがって、1分子あたりのカーボネート基の数及びカーボネート基/アルキレンオキシド単位のモル比を算出した。前駆重合体のMn、Mw/Mn、及び粘度、並びに重合体の全末端基の数、Mn、Mw/Mn、シリル化率、1分子あたりのカーボネート基の数及びカーボネート基/アルキレンオキシド単位のモル比を表1に示す。以下の合成例についても同様に各値を算出し、結果を表1に示す。
合成例1と同様にして、Mnが11,200である前駆合成体a1−2を得た。合成例1と同様にして、前駆重合体a1−2の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A1−2を得た。
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応器に、1,4−BDの637g、イソソルバイド(以下、「iSB」という。)の1033g、DPCの2331g、酢酸マグネシウム4水和物の61mgを入れ、反応器中を窒素で置換した後、内温を160℃まで昇温して内容物を加熱溶解させた。次いで、5分間かけて圧力を23kPaまで下げた後、フェノールを留出させ除去しながら90分間反応させた。次いで、90分間かけて圧力を9.3kPaまで下げ、さらに30分間かけて0.7kPaまで下げた後に、温度を170℃まで上げて、フェノール及び未反応のジオールを留出させて除きながら60分間反応させて、ポリカーボネートジオールを得た。
ポリカーボネートジオールのMnは800であり、1H−NMRにより、カーボネート基に隣接した1,4−BDのメチレン基に結合した2個のプロトンに基づく4.10−4.20ppmのピーク面積と、カーボネート基に隣接したiSBのメチル基に結合した1個のプロトンに基づく4.90−5.05ppmのピーク面積とを算出した。これらの比から、1,4−BD/iSBの共重合組成比は55/45(モル比)であった。
合成例1と同様にして得られたポリカーボネートジオールにPOを付加重合し、前駆重合体a1−3を得た。
合成例1と同様にして、前駆重合体a1−3の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A1−3を得た。
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応器に、1,10−デカンジオール(以下、「1,10−DD」という。)の433g、1,4−BDの773g、DPCの1794g、酢酸マグネシウム4水和物水溶液の4.7mL(濃度:8.4g/L、酢酸マグネシウム4水和物:40mg)を入れた以外は、合成例1と同様の方法で反応して、ポリカーボネートジオールを得た。
ポリカーボネートジオールのMnは2,000であった。1H−NMRにより、カーボネート基に隣接した1,4−BDのメチレン基に結合した2個のプロトンに基づく4.10−4.20ppmのピーク面積と、カーボネート基に隣接した1,10−DDのメチル基に結合した2個のプロトンに基づく4.00−4.05ppmのピーク面積とを算出し、これらの面積の比から、1,4−BD/1,10−DDの共重合組成比は47/53(モル比)であった。
合成例1と同様にして得られたポリカーボネートジオールにPOを付加重合し、前駆重合体a1−4を得た。
合成例1と同様にして、前駆重合体a1−4の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A1−4を得た。
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応器に、1、6−ヘキサンジオール(以下、「1,6−HD」という。)の830g、ジエチルカーボネートの771g、テトラブトキシチタンの0.05gを入れ、反応器内を窒素で置換した。窒素気流下にて徐々に190℃まで昇温し、蒸留塔の塔頂温度が50℃以下となった時点で、反応温度は190℃のまま、1.3KPaまで徐々に減圧して反応させて、1,6−HDからなるポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカ−ボネートジオールのMnは2,000であった。
合成例1と同様にして得られたポリカーボネートジオールにPOを付加重合し、前駆重合体a1−5を得た。
前駆重合体a1−5を80℃で3時間加熱して液状にした後、合成例1と同様にして、前駆重合体a1−5の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A1−5を得た。
Mn1,000のポリプロピレングリコール(以下、「PPG」という。)を反応器に入れ、二酸化炭素ボンベと反応器内を接続した状態で、反応器内の気相を二酸化炭素で置換した。次いで、常に二酸化炭素で反応器内が2.0MPaとなるように加圧したまま、特開2015−28182号公報の段落[0434]〜[0436]に記載のコバルト錯体を使用してPO及び二酸化炭素を付加重合した。得られたポリカーボネートジオールのMnは2,100であった。TBA−DMC触媒を使用して、得られたポリカーボネートジオールにPOを付加重合し、前駆重合体a1−6を得た。
次いで、合成例1と同様にして、前駆重合体a1−6の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A1−6を得た。
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応器に、1,4−BDの637g、iSBの1033g、DPCの2331g、酢酸マグネシウム4水和物の61mgを入れ、反応器内を窒素で置換した後、内温を160℃まで昇温して内容物を加熱溶解させた。次いで、5分間かけて圧力を23kPaまで下げた後、フェノールを留出させ除去しながら90分間反応させた。次いで、90分間かけて圧力を9.3kPaまで下げ、さらに30分間かけて0.7kPaまで下げた後に、温度を170℃まで上げて、フェノール及び未反応のジオールを留出させて除きながら60分間反応させて、ポリカーボネートジオールを得た。
ポリカーボネートジオールのMnは800であり、合成例3と同様の手法により算出した1,4−BD/iSBの共重合組成比は55/45(モル比)であった。
上記ポリカーボネートジオールを反応器に入れ、二酸化炭素ボンベと反応器内を接続した状態で、反応器内の気相を二酸化炭素にて置換した。次いで、常に二酸化炭素で反応器内が1.5MPaとなるように加圧したまま、TBA−DMC触媒を使用して、テロラヒドロフランを溶媒として用いた状態でPO及び二酸化炭素を付加重合し、重合後テトラヒドロフランを脱気除去して前駆重合体a2−1であるポリカーボネートジオールを得た。
合成例1と同様にして、前駆重合体a2−1の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A2−1を得た。
反応器に、Mn1,000のPPGを入れて、二酸化炭素ボンベと反応器内を接続した状態で、反応器内の気相を二酸化炭素にて置換した。次いで、常に二酸化炭素で反応器内が1.5MPaとなるように加圧したまま、TBA−DMC触媒を使用してPO及び二酸化炭素を付加重合し、前駆重合体a3−1であるポリカーボネートジオールを得た。
合成例1と同様にして、前駆重合体a3−1の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体A3−1を得た。
合成例1におけるMnが1,700のポリカーボネートジオールをMn1,000のPPGとする他は、合成例1で前駆重合体a1−1を得た場合と同様にして、前記PPGにPOを付加重合し、前駆重合体c1を得た。合成例1における前駆重合体a1−1を前駆重合体c1とする他は合成例1と同様にして、前駆重合体c1の末端基である水酸基に1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体C1を得た。
(合成例10:重合体C2)
合成例1で前駆重合体a1−1の原料として製造されたMnが1,700のポリカーボネートジオールの水酸基に、合成例1と同様にして、1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランを反応させて、重合体C2を得た。
(例1〜8)
例1〜6は実施例、例7、8は比較例である。
合成例1、3〜6、8〜10で得られた重合体A1−1、A1−3、A1−4、A1−5、A1−6、A3−1、C1及びC2と、表2に示す配合(単位:質量部)の添加剤1を用い、表3に示す配合でこれらを混合して硬化性組成物を調製した。
得られた硬化性組成物の硬化物について、上記の方法で、M50、最大点凝集力、最大点伸びを測定した。また上記の方法で成形性及び耐候性を評価した。結果を表3に示す。
表2に記載の添加剤は以下の通りである。
DINP:ジイソノニルフタレート、サンソサイザーDINP、新日本理化社製品名。
ホワイトンSB:重質炭酸カルシウム、白石工業社製品名。
CCR:膠質炭酸カルシウム、白艶化CCR、白石工業社製品名。
ディスパロン♯6500:水添ひまし油系チクソ性付与剤、楠本化成社製品名。
KBM−1003:ビニルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM−403:3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM−603:3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
TINUVIN326:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製品名。
IRGANOX1010:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製品名。
U−220H:ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、日東化成社製品名。
カーボネート基を含む重合体を用いた例1は、カーボネート基を含まない重合体を用いた例7と比べて、最大点凝集力及び最大点伸びが向上した。耐候性は同等であった。カーボネート基を含む重合体を用いた例2は、例7と比べて、最大点凝集力は同等であり、最大点伸びが向上した。耐候性も向上した。カーボネート基を含む重合体を用いた例5は、例7と比べて、最大点伸びが向上した。カーボネート基を含む重合体を用いた例6は、例7と比べて、最大点凝集力及び最大点伸びが向上した。
カーボネート基を含む重合体を用いた例3及び例4は、例7と比べて、硬化物のM50、最大点凝集力及び最大点伸びが向上した。
アルキレンオキシドに基づく単位を含まない重合体を用いた例8は、硬化性組成物の成形性が悪く、硬化物の評価をしなかった。
Claims (20)
- 1分子中に、下式1で表される反応性ケイ素基、カーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体からなる硬化性材料。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。 - 前記アルキレンオキシドに基づく単位がプロピレンオキシドに基づく単位を含む、請求項1に記載の硬化性材料。
- 前記ポリカーボネート重合体の1分子あたりのカーボネート基の数が3.0個以上である、請求項1又は2に記載の硬化性材料。
- 前記アルキレンオキシドに基づく単位の含有量に対する、前記カーボネート基の含有量のモル比を表す、カーボネート基/アルキレンオキシド単位が0.01〜1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性材料。
- 前記ポリカーボネート重合体に存在する前記反応性ケイ素基の数が、1分子あたり平均して0.5個超である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性材料。
- 分子量分布が1.0〜3.0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性材料。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性材料と硬化触媒とを含む、硬化性組成物。
- 請求項7に記載の硬化性組成物の硬化物。
- シーリング材用である、請求項8に記載の硬化物。
- 接着剤用である、請求項8に記載の硬化物。
- 2個以上のカーボネート基、アルキレンオキシドに基づく単位、及び、末端にシリル化剤と反応し得る活性水素含有基が存在し、かつ数平均分子量が4,000〜50,000である前駆重合体又は前記前駆重合体の末端にシリル化剤と反応し得る反応性末端基が導入された誘導体と、下式1で表される反応性ケイ素基を有し、かつ前記活性水素含有基又は前記反応性末端基と反応し得る基を有するシリル化剤とを反応させる、ポリカーボネート重合体の製造方法。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。 - 前記前駆重合体を、ポリカーボネートポリオールの水酸基に、アルキレンオキシドを付加重合させて得る、請求項11に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
- 前記前駆重合体を、ポリカーボネートポリオールの水酸基に、アルキレンオキシド及び二酸化炭素を付加重合させて得る、請求項11に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
- 前記ポリカーボネートポリオールが、下式2で表されるジオール化合物と、下式3で表されるカーボネート化合物とが縮重合したポリカーボネートジオールである、請求項12又は13に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
HO−R2−OH 式2
式2中、R2は炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示す。
R3−O−C(O)−O−R4 式3
式3中、R3、R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基若しくはフェニル基であるか、又はR3とR4は互いに結合して環を形成している。 - 前記ジオール化合物が、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及びイソソルバイドからなる群より選ばれる1種以上である、請求項14に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
- 前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が250〜10,000である、請求項14又は15に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
- 前記前駆重合体を、カーボネート基を含まないポリオールに、アルキレンオキシド及び二酸化炭素を付加重合させて得る、請求項11に記載のポリカーボネート重合体の製造方法。
- 1分子中に、下式1で表される反応性ケイ素基、カーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体。
−SiXaR1 3−a 式1
式1中、R1は炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。 - 1分子中に、下式10で表される反応性ケイ素基、2個以上のカーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく繰り返し単位を有し、数平均分子量が4,000〜50,000である、ポリカーボネート重合体。
−SiX10 aR10 3−a 式10
式10中、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基または炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、aは1〜3の整数を示し、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。 - 1分子中に、1個以上の反応性ケイ素基、2個以上のカーボネート基、及びアルキレンオキシドに基づく繰り返し単位を有し、かつ、数平均分子量が4,000〜50,000である、下式11で表されるポリカーボネート重合体。
X10 aR10 3−aSi−Q−[(OR11)n(OR11−O−C(O))m(OR2−O−C(O))t]−O−R21−O−Q−SiX10 aR10 3−a 式11
式11中、X10は水酸基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R10は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロ炭化水素基を示し、Qは炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基、又は−NHC(O)−R31−を示し、R31は炭素数1〜6の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し一方の結合手はケイ素原子と結合しており、R11は炭素数2〜4の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、R2及びR21はそれぞれ独立して炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の炭化水素基を示し、nは1〜900の整数であり、tは0〜50の整数であり、mは0〜500の整数であり、かつn+t+mは3以上の整数である。aは1〜3の整数であり、aが1の場合、R10は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、X10は互いに同一でも異なっていてもよい。
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