JP2021051869A - 透明導電膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性および透明性に優れた、カーボンナノチューブ含有の透明導電膜を、従来よりも安価な製造コストで提供すること。【解決手段】膜厚方向に可視光透過性を有するように構成された透明導電膜(3)は、カーボンナノチューブ網状体(30)とナノカーボン微粒子(32)とを有する。カーボンナノチューブ網状体は、糸状に形成されたカーボンナノチューブであるカーボンナノチューブ糸状体(31)を膜厚方向と直交する面内方向に多数配列することによって網状に形成されている。ナノカーボン微粒子は、球状構造とは異なる一次元的または二次元的構造を有する微粒子であって、カーボンナノチューブ網状体の表面に付着した状態で面内方向に多数配列されている。【選択図】図2
Description
本発明は、透明導電膜およびその製造方法に関する。
例えば、特許文献1は、透明導電膜およびその製造方法の一例を開示する。特許文献1に記載の透明導電膜は、カーボンナノチューブ/グラフェン複合材料を含む。このカーボンナノチューブ/グラフェン複合材料は、硫黄原子が鎖状に連なる硫黄鎖が内包されてなるカーボンナノチューブが、グラフェンと複合化されてなる。具体的には、硫黄原子が鎖状に連なる硫黄鎖が内包されてなるカーボンナノチューブの分散液をグラフェン上に塗布し、ついで分散媒を除去することで、カーボンナノチューブ/グラフェン複合材料が製造される。
特許文献1に記載の透明導電膜は、あらかじめ形成されたグラフェン膜上に、カーボンナノチューブ含有膜を形成した構造を有している。このため、カーボンナノチューブ含有膜を形成する前に、基板上に、比較的大面積のグラフェン膜を形成しなければならない。基板上にグラフェン膜を大面積で形成することは困難である。また、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いたグラフェン膜の形成に際し、多くの廃棄物が発生する。したがって、特許文献1に記載の透明導電膜およびその製造方法によっては、透明導電膜の製造コストを下げることが困難であった。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、導電性および透明性に優れた、カーボンナノチューブ含有の透明導電膜を、従来よりも安価な製造コストで提供する。
請求項1に記載の透明導電膜(3)は、膜厚方向に可視光透過性を有するように構成されている。
この透明導電膜は、
糸状に形成されたカーボンナノチューブであるカーボンナノチューブ糸状体(31)を前記膜厚方向と直交する面内方向に多数配列することによって網状に形成された、カーボンナノチューブ網状体(30)と、
球状構造とは異なる一次元的または二次元的構造を有する微粒子であって、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着した状態で前記面内方向に多数配列された、ナノカーボン微粒子(32)と、
を有する。
請求項4に記載の、透明導電膜の製造方法は、少なくとも以下の工程あるいは処理を含む:
基材(2)上に、前記カーボンナノチューブ糸状体を前記面内方向に多数配列することによって網状に形成された前記カーボンナノチューブ網状体を製膜し、
前記ナノカーボン微粒子を、前記面内方向に多数配列させた状態で、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着させる。
この透明導電膜は、
糸状に形成されたカーボンナノチューブであるカーボンナノチューブ糸状体(31)を前記膜厚方向と直交する面内方向に多数配列することによって網状に形成された、カーボンナノチューブ網状体(30)と、
球状構造とは異なる一次元的または二次元的構造を有する微粒子であって、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着した状態で前記面内方向に多数配列された、ナノカーボン微粒子(32)と、
を有する。
請求項4に記載の、透明導電膜の製造方法は、少なくとも以下の工程あるいは処理を含む:
基材(2)上に、前記カーボンナノチューブ糸状体を前記面内方向に多数配列することによって網状に形成された前記カーボンナノチューブ網状体を製膜し、
前記ナノカーボン微粒子を、前記面内方向に多数配列させた状態で、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着させる。
かかる構成および製造方法によれば、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に、前記ナノカーボン微粒子が付着する。具体的には、例えば、前記ナノカーボン微粒子は、複数の前記カーボンナノチューブ糸状体が互いに交差する位置に配置された状態で、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に固着する。これにより、複数の前記カーボンナノチューブ糸状体間の電気的接触状態が良好に改善され得る。したがって、前記透明導電膜において、高い可視光透過性を維持しつつ膜抵抗を良好に低減することが可能となる。
また、前記カーボンナノチューブ網状体上への前記ナノカーボン微粒子の配置は、CVDによる大面積製膜のような高価な工法を用いなくても、安価な湿式塗布工法で行うことが可能である。したがって、導電性および透明性に優れた、カーボンナノチューブ含有の前記透明導電膜を、従来よりも安価な製造コストで提供することが可能となる。
なお、出願書類において、各要素に括弧付きの参照符号が付される場合がある。しかしながら、この場合であっても、かかる参照符号は、各要素と後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の単なる一例を示すものにすぎない。よって、本発明は、上記の参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中ではなく、その後にまとめて説明する。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中ではなく、その後にまとめて説明する。
(構成)
まず、図1および図2を参照しつつ、本実施形態が適用された透明導電デバイス1の概略的な全体構成について説明する。なお、図1および図2は、本実施形態に係る一構成例を簡略に説明する便宜上、概略的且つ模式的な図示となっている。このため、実際に製造された装置が、細部において、図1および図2にて図示された形状あるいは構造と一致しない部分が存在する可能性があることは、いうまでもない。また、説明の便宜上、図示の通りに右手系XYZ直交座標系を設定する。
まず、図1および図2を参照しつつ、本実施形態が適用された透明導電デバイス1の概略的な全体構成について説明する。なお、図1および図2は、本実施形態に係る一構成例を簡略に説明する便宜上、概略的且つ模式的な図示となっている。このため、実際に製造された装置が、細部において、図1および図2にて図示された形状あるいは構造と一致しない部分が存在する可能性があることは、いうまでもない。また、説明の便宜上、図示の通りに右手系XYZ直交座標系を設定する。
図1を参照すると、透明導電デバイス1は、図中Z軸方向に厚さ方向を有する薄板状またはフィルム状に形成されている。透明導電デバイス1は、可視光透過性が高い基材2上に透明導電膜3を膜形成することにより、全体として、厚さ方向に良好な可視光透過性、例えば、波長550nmにて80%以上の光透過率を示すように構成されている。
基材2は、透明性の高い、合成樹脂材料(例えばPET等)または無機材料(例えばガラス等)によって、薄板状またはフィルム状に形成されている。PETはpolyethylene terephthalateの略である。基材2は、透明導電デバイス1における厚さ方向と同一の、図中Z軸方向に厚さ方向を有している。屈曲可能な可撓性を有する基材2としては、例えば、JIS K7105あるいはJIS K7361による光透過率が90%以上の合成樹脂フィルムが好適に用いられ得る。
透明導電膜3は、図中Z軸方向である膜厚方向に可視光透過性を有するように構成されている。透明導電膜3は、カーボンナノチューブを含むナノカーボン材料によって、シート抵抗値が1000Ω/sq未満となるように形成されている。透明導電膜3は、透明導電デバイス1における厚さ方向と同一の、図中Z軸方向に膜厚方向を有している。
図2を参照すると、透明導電膜3は、カーボンナノチューブ網状体30を主体として構成されている。カーボンナノチューブ網状体30は、カーボンナノチューブ糸状体31を膜厚方向と直交する面内方向に多数配列することによって、膜厚方向に沿って開口し面内方向に拡がる網状に形成されている。「面内方向」は、図中、XY平面内における任意の方向である。
カーボンナノチューブ糸状体31は、面内方向に沿って延びる糸状に形成されている。具体的には、カーボンナノチューブ糸状体31は、長さが1mm以下の繊維状のカーボンナノチューブ単位粒子を複数含むバンドル状に形成されている。
透明導電膜3は、カーボンナノチューブ網状体30に加えて、ナノカーボン微粒子32を有している。ナノカーボン微粒子32は、球状構造を有するフラーレンとは異なる、一次元的または二次元的構造を有する微粒子であって、カーボンナノチューブ網状体30の表面に付着した状態で面内方向に多数配列されている。「一次元的構造」とは、糸状あるいは棒状の構造のように、所定の長手方向に沿って延設された構造である。「一次元的構造」は、らせん構造も含む。「二次元的構造」は、互いに交差する任意の二方向に沿って延設された構造であって、板状構造あるいは面状構造とも称され得る。透明導電膜3に含まれる多数のナノカーボン微粒子32における、少なくとも一部は、カーボンナノチューブ網状体30における、複数のカーボンナノチューブ糸状体31が互いに交差する位置に配置されている。
ナノカーボン微粒子32は、例えば、グラフェン微粒子である。あるいは、ナノカーボン微粒子32は、例えば、カーボンナノホーン微粒子である。あるいは、ナノカーボン微粒子32は、例えば、カーボンナノチューブ糸状体31よりも長さが短いカーボンナノチューブ微粒子である。ナノカーボン微粒子32は、単位粒子あるいはその凝集体によって形成されている。
(製造方法の概要)
上記構成を有する透明導電デバイス1は、下記の工程を有する製造方法によって製造され得る。なお、「工程」は、「手順」あるいは「処理」とも称され得る。
上記構成を有する透明導電デバイス1は、下記の工程を有する製造方法によって製造され得る。なお、「工程」は、「手順」あるいは「処理」とも称され得る。
まず、可視光透過性が高い基材2を用意する。なお、基材2に対しては、透明導電膜3との接合性を良好にするための前処理があらかじめ行われてもよい。前処理は、例えば、コーティング、表面処理、等であって、基材2における透明性に悪影響を与えないものが用いられ得る。表面処理は、例えば、プラズマ処理、薬剤処理、等である。例えば、コーティング等の前処理があらかじめ行われた、市販の透明基材を用いることも可能である。
次に、基材2上に、カーボンナノチューブ糸状体31を面内方向に多数配列することによって網状に形成された、カーボンナノチューブ網状体30を製膜する。カーボンナノチューブ網状体30の製膜は、例えば、基材2上にカーボンナノチューブ分散液を塗布して乾燥することによって、容易に行われ得る。カーボンナノチューブ分散液の塗布は、例えば、スピンコート、バーコート、スプレーコート、浸漬、滴下、等の、安価な湿式塗布工法で行うことが可能である。カーボンナノチューブ分散液に対しては、塗布の前に、超音波の印加等による分散処理が行われ得る。カーボンナノチューブ分散液は、自製しなくても、市販のものが利用可能である。また、例えば、基材2とは異なる他の支持体上にあらかじめ成膜されたカーボンナノチューブ網状体30が、基材2上に転写され得る。他の支持体上へのカーボンナノチューブ網状体30の膜形成も、上記と同様の工法で行われ得る。
続いて、ナノカーボン微粒子32を、面内方向に多数配列させた状態で、カーボンナノチューブ網状体30の表面に付着させる。具体的には、例えば、ナノカーボン微粒子32の分散液をカーボンナノチューブ網状体30上に塗布して乾燥することによって、ナノカーボン微粒子32による「コーティング」が行われる。ナノカーボン微粒子32の分散液の塗布も、例えば、スピンコート、バーコート、スプレーコート、浸漬、等の、安価な湿式塗布工法で行うことが可能である。ナノカーボン微粒子32の分散液に対しては、塗布の前に、超音波の印加等による分散処理が行われ得る。ナノカーボン微粒子32の分散液についても、自製しなくても、市販のものが利用可能である。
(効果)
上記の構成および製造方法によれば、基材2上に形成されたカーボンナノチューブ網状体30の表面に、ナノカーボン微粒子32が付着する。具体的には、ナノカーボン微粒子32は、例えば、複数のカーボンナノチューブ糸状体31が互いに交差する位置に固着する。これにより、複数のカーボンナノチューブ糸状体31間の電気的接触状態が良好に改善され、以て、高い可視光透過性を維持しつつ膜抵抗を良好に低減することが可能となる。また、熱的安定性が懸念されるドーパントを用いなくても膜抵抗の低減が実現可能である。このため、ドーパントを省略することで、透明導電膜3の熱的安定性が向上するとともに、ドーピング工程の省略による製造コスト低減が図られる。
上記の構成および製造方法によれば、基材2上に形成されたカーボンナノチューブ網状体30の表面に、ナノカーボン微粒子32が付着する。具体的には、ナノカーボン微粒子32は、例えば、複数のカーボンナノチューブ糸状体31が互いに交差する位置に固着する。これにより、複数のカーボンナノチューブ糸状体31間の電気的接触状態が良好に改善され、以て、高い可視光透過性を維持しつつ膜抵抗を良好に低減することが可能となる。また、熱的安定性が懸念されるドーパントを用いなくても膜抵抗の低減が実現可能である。このため、ドーパントを省略することで、透明導電膜3の熱的安定性が向上するとともに、ドーピング工程の省略による製造コスト低減が図られる。
基材2上へのカーボンナノチューブ網状体30の製膜も、カーボンナノチューブ網状体30上へのナノカーボン微粒子32の配置も、CVDによる大面積製膜のような高価な工法を用いなくても、上記のような安価な湿式塗布工法で行うことが可能である。したがって、導電性および透明性に優れた、カーボンナノチューブ含有の透明導電膜3を、従来よりも安価な製造コストで提供することが可能となる。
(実施例)
以下、実施例と比較例とを対比することにより、本発明による効果をさらに詳しく説明する。但し、本発明が、かかる実施例に何ら限定されるものではないことは、いうまでもない。
以下、実施例と比較例とを対比することにより、本発明による効果をさらに詳しく説明する。但し、本発明が、かかる実施例に何ら限定されるものではないことは、いうまでもない。
(実施例1)
基材2としてのPETフィルム上に、市販のカーボンナノチューブ分散液をスプレーコーティングにより塗布した後、自然乾燥することで、カーボンナノチューブ網状体30としてのカーボンナノチューブ膜を形成した。PETフィルムは、東レ株式会社製 ルミラー(登録商標):品番#38−U48を用いた。このPETフィルムは、厚さ38μm、JIS K7105による全光透過率93%である。カーボンナノチューブ分散液は、株式会社名城ナノカーボン製 eDISP INK:品番EC−DL(低濃度品:カーボンナノチューブ濃度0.05wt%)を用いた。乾燥後の光透過率(波長550nm)は88%であり、シート抵抗は1000Ω/sqであった。
基材2としてのPETフィルム上に、市販のカーボンナノチューブ分散液をスプレーコーティングにより塗布した後、自然乾燥することで、カーボンナノチューブ網状体30としてのカーボンナノチューブ膜を形成した。PETフィルムは、東レ株式会社製 ルミラー(登録商標):品番#38−U48を用いた。このPETフィルムは、厚さ38μm、JIS K7105による全光透過率93%である。カーボンナノチューブ分散液は、株式会社名城ナノカーボン製 eDISP INK:品番EC−DL(低濃度品:カーボンナノチューブ濃度0.05wt%)を用いた。乾燥後の光透過率(波長550nm)は88%であり、シート抵抗は1000Ω/sqであった。
次に、市販のグラフェン溶液、具体的には、株式会社アライアンスバイオシステムズにて販売されているグラフェン/エタノール分散溶液(型番:PGF−1−50)を、超音波バスの中で24時間分散処理した。この分散処理後の溶液を、乾燥後のカーボンナノチューブ膜上に滴下し、2時間放置した後、超音波バスにて水洗し、110℃で10分乾燥した。これにより、透明導電デバイス1に対応する、PETフィルム/ナノカーボン膜接合体が得られた。
得られたPETフィルム/ナノカーボン膜接合体において、光透過率(波長550nm)は88%であり、シート抵抗は772Ω/sqであった。得られたナノカーボン膜を電子顕微鏡観察した結果を図3に示す。カーボンナノチューブバンドルによる網状体に小さなプレート状のグラフェンが付着しており、その一部が、丸印にて示されているように、カーボンナノチューブバンドルの交差部を跨ぐように付着していることが確認できる。付着しているグラフェンの平均層数は、1層以上、5層以下である。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で、PETフィルム上にカーボンナノチューブ膜を形成した。次に、スピンコーターを用いて、上記のグラフェン/エタノール分散溶液のカーボンナノチューブ膜上へのスピンコートを10回繰り返した。その後、110℃で10分乾燥した。得られたPETフィルム/ナノカーボン膜接合体において、光透過率(波長550nm)は88%であり、シート抵抗は800Ω/sqであった。
実施例1と同じ方法で、PETフィルム上にカーボンナノチューブ膜を形成した。次に、スピンコーターを用いて、上記のグラフェン/エタノール分散溶液のカーボンナノチューブ膜上へのスピンコートを10回繰り返した。その後、110℃で10分乾燥した。得られたPETフィルム/ナノカーボン膜接合体において、光透過率(波長550nm)は88%であり、シート抵抗は800Ω/sqであった。
(比較例)
実施例1と同じ条件で、カーボンナノチューブ塗布とグラフェン塗布との順序を逆にした。すなわち、まず、PETフィルム上に上記のグラフェン/エタノール分散溶液を塗布および乾燥した後、上記のカーボンナノチューブ分散液をスプレーコーティングにより塗布した。得られたPETフィルム/ナノカーボン膜接合体において、光透過率(波長550nm)は83%であり、シート抵抗は1000Ω/sqであった。すなわち、比較例においては、カーボンナノチューブ塗布とグラフェン塗布との双方を行ったにもかかわらず、実施例1における、PETフィルム上にカーボンナノチューブ膜を形成した一方でグラフェン塗布前のものからの、シート抵抗改善効果はなかった。
実施例1と同じ条件で、カーボンナノチューブ塗布とグラフェン塗布との順序を逆にした。すなわち、まず、PETフィルム上に上記のグラフェン/エタノール分散溶液を塗布および乾燥した後、上記のカーボンナノチューブ分散液をスプレーコーティングにより塗布した。得られたPETフィルム/ナノカーボン膜接合体において、光透過率(波長550nm)は83%であり、シート抵抗は1000Ω/sqであった。すなわち、比較例においては、カーボンナノチューブ塗布とグラフェン塗布との双方を行ったにもかかわらず、実施例1における、PETフィルム上にカーボンナノチューブ膜を形成した一方でグラフェン塗布前のものからの、シート抵抗改善効果はなかった。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
本発明は、上記実施形態にて示された具体的構成に限定されない。すなわち、例えば、基材2の材質については、透明導電デバイス1全体としての良好な可視光透過性、および、透明導電膜3との良好な接合性が得られれば、特段の限定はない。
透明導電膜3は、基材2の表面上に一様に設けられてもよいし、所定の電極パターン状にパターン形成されてもよい。透明導電膜3は、基材2の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。透明導電膜3は、カーボン材料以外の添加物を含有していてもよい。添加物としては、例えば、バインダ材料、導電性を向上するためのドーパント、等が用いられ得る。添加物は、一種以上添加され得る。
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な製造方法すなわち実施例に限定されない。すなわち、例えば、上記実施例における原材料および処理条件は、適宜変更され得る。具体的には、例えば、特許文献1に記載の、硫黄原子が鎖状に連なる硫黄鎖が内包されてなるカーボンナノチューブは、本発明にも適用可能である。
カーボンナノチューブとグラフェンとの混合分散液を用いることで、1回の塗布工程で上記構成が実現され得る。この場合、カーボンナノチューブとグラフェンとの凝集を良好に抑制するように、分散剤等が適宜添加され得る。また、基材2の表面上に沈降したカーボンナノチューブバンドルのさらにその上にグラフェンが沈降するように、混合分散液におけるレオロジー特性が適宜調整され得る。この場合、カーボンナノチューブ網状体30を製膜する工程と、ナノカーボン微粒子32をカーボンナノチューブ網状体30の表面に付着した状態で面内方向に多数配列させる工程とは、例えば、1回の混合分散液塗布工程およびその後の乾燥工程により実現され得る。
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。使用される材料についても、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の材料に限定される場合等を除き、特段の限定はない。
変形例も、上記の例示に限定されない。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。更に、上記実施形態の全部または一部と、変形例の全部または一部とが、互いに組み合わされ得る。
1 透明導電デバイス
2 基板
3 透明導電膜
30 カーボンナノチューブ網状体
31 カーボンナノチューブ糸状体
32 ナノカーボン微粒子
2 基板
3 透明導電膜
30 カーボンナノチューブ網状体
31 カーボンナノチューブ糸状体
32 ナノカーボン微粒子
Claims (4)
- 膜厚方向に可視光透過性を有するように構成された透明導電膜(3)であって、
糸状に形成されたカーボンナノチューブであるカーボンナノチューブ糸状体(31)を前記膜厚方向と直交する面内方向に多数配列することによって網状に形成された、カーボンナノチューブ網状体(30)と、
球状構造とは異なる一次元的または二次元的構造を有する微粒子であって、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着した状態で前記面内方向に多数配列された、ナノカーボン微粒子(32)と、
を有する透明導電膜。 - 前記ナノカーボン微粒子は、複数の前記カーボンナノチューブ糸状体が互いに交差する位置に配置された、
請求項1に記載の透明導電膜。 - 前記ナノカーボン微粒子は、グラフェン微粒子である、
請求項1または2に記載の透明導電膜。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の透明導電膜(3)の製造方法であって、
基材(2)上に、前記カーボンナノチューブ糸状体を前記面内方向に多数配列することによって網状に形成された前記カーボンナノチューブ網状体を製膜し、
前記ナノカーボン微粒子を、前記面内方向に多数配列させた状態で、前記カーボンナノチューブ網状体の表面に付着させる、
透明導電膜の製造方法。
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WO2022249647A1 (ja) * | 2021-05-24 | 2022-12-01 | パナソニックホールディングス株式会社 | 電子デバイス |
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