以下に添付図面を参照して、この発明にかかる超接合半導体装置および超接合半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。+および−を含めたnやpの表記が同じ場合は近い濃度であることを示し濃度が同等とは限らない。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
本発明にかかる超接合半導体装置は、ワイドバンドギャップ半導体を用いて構成される。実施の形態1においては、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いて作製(製造)された炭化珪素半導体装置について、超接合MOSFETを例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる超接合半導体装置の構造を示す図3のA−B断面図である。また、図2は、実施の形態1にかかる超接合半導体装置の構造を示す図3のC−D断面図である。また、図3は、実施の形態1にかかる超接合半導体装置の構造を示す平面図である。図1には、2つの単位セル(素子の機能単位)のみを示し、これらに隣接する他の単位セルを図示省略する。図1に示す超接合半導体装置40は、炭化珪素からなる半導体基体(炭化珪素基体:半導体チップ)のおもて面(p型ベース領域6側の面)側にMOS(Metal Oxide Semiconductor)ゲートを備えた超接合MOSFETである。以下の図中において、n1,n2,n3,n4,n5等は、層や領域がn型であることを意味し、不純物濃度はn1≦n2≦n3≦n4≦n5となっている。p1,p2,p3,p4,p5等も、同様に層や領域がp型であることを意味し、不純物濃度はp1≦p2≦p3≦p4≦p5となっている。
炭化珪素基体は、n++型半導体基板(第1導電型の半導体基板)1の第1主面(おもて面)上に低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。MOSゲートは、p型ベース領域(第2導電型の第3半導体領域)6と、n+型ソース領域(第1導電型の第5半導体領域)7、p+型コンタクト領域8、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10で構成される。ここで、低濃度n型ドリフト層21と、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23とを合わせてn型ドリフト層(第1導電型の第1半導体層)2が構成される。低濃度n型ドリフト層21は、中濃度n型ドリフト層22より低不純物濃度で設けられ、中濃度n型ドリフト層22は、高濃度n型ドリフト層23より低不純物濃度で設けられる。
n型ドリフト層2には、並列pn領域19が設けられている。並列pn領域19は、p型ピラー領域(第2導電型の第2半導体領域)3と、p型ピラー領域3に挟まれたn型領域(n型ピラー領域4)とが交互に繰り返し接合されてできている。p型ピラー領域3は、p型ベース領域6の底面(n++型半導体基板1側の面)から、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22を貫通して、低濃度n型ドリフト層21の表面に達し、n++型半導体基板1に達しないように設けられている。また、p型ピラー領域3は、低濃度n型ドリフト層21の表面に達しているが、低濃度n型ドリフト層21の内部深くまで達していない。このため、p型領域とn型領域のチャージバランスを考慮する際に、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度を考慮しなくてもよい。p型ピラー領域3およびn型ピラー領域4の平面形状は、例えば、矩形状、六方格子状または正方状である。
ここで、低濃度n型ドリフト層21は、素子の耐圧を分担する層であり、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度を低くして、低濃度n型ドリフト層21の膜厚を厚くすることにより、素子の高耐圧を実現できる。また、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22は素子のチャージバランスを分担する層である。また、高濃度n型ドリフト層23は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。高濃度n型ドリフト層23により、オン電流を増大化することができる。
素子の高耐圧を分担する低濃度n型ドリフト層21があるため、素子を高耐圧化した場合でも、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22の膜厚を薄くすることができる。このため、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22内に設けられたp型ピラー領域3の深さ(並列pn領域19の深さ)を浅くできる。このように、素子を高耐圧化した場合でも、p型ピラー領域3の深さは浅いため、p型ピラー領域3を均一の不純物濃度でエピタキシャル成長させることができる。このため、耐圧を高くした場合でもp型領域とn型領域のチャージバランスを保ち、低オン抵抗と高耐圧特性の超接合半導体装置40を実現することができる。
n型ドリフト層2のソース側(ソース電極12側)の表面層には、p型ベース領域6が設けられ、p型ピラー領域3とp型ベース領域6は同時に形成されているため、一体化されている。具体的には、n型ドリフト層2内に深さdbの第2トレンチ31と、第2トレンチ31より浅い位置に深さdaの第1トレンチ30が設けられている。第2トレンチ31は、n型ドリフト層2内に設けられ、第1トレンチ30は、底面が第2トレンチ31の開口部に連続し、n型ドリフト層2のおもて面において開口している。
第2トレンチ31をp型の不純物で埋めることによりp型ピラー領域3が形成され、第1トレンチ30をp型の不純物で埋めることによりp型ベース領域6が形成される。つまり、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6は、第1トレンチ30および第2トレンチ31に埋め込まれたエピタキシャル成長層である。このように、第1トレンチ30と第2トレンチ31とからなる2段トレンチを形成することで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6に相当する構造を作っておき、そこにp型の不純物を埋め込み、その層をp型ピラー領域3およびp型ベース領域6として利用している。
また、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23、後述するn+型ソース領域7の順で不純物濃度が高くなり、チャージバランスとして、p型ピラー領域3の不純物濃度p1とp型ピラー領域3の幅Wp1との積がn型ピラー領域4の不純物濃度n1とn型ピラー領域4の幅Wn1との積とほぼ等しい、つまり、
n1×Wn1≒p1×Wp1
が成り立つ。この際、p型ピラー領域3の不純物濃度p1をわずかに大きくして、p型の不純物をわずかに多くすることが好ましい。
炭化珪素基体の第1主面側(p型ベース領域6側)には、トレンチ構造が形成されている。具体的には、ゲートトレンチ18は、p型ベース領域6のn++型半導体基板1側に対して反対側(炭化珪素基体の第1主面側)の表面からp型ベース領域6を貫通して高濃度n型ドリフト層23に達する。ゲートトレンチ18の内壁に沿って、ゲートトレンチ18の底部および側壁にゲート絶縁膜9が形成されており、ゲートトレンチ18内のゲート絶縁膜9の内側にゲート電極10が形成されている。ゲート絶縁膜9によりゲート電極10が、高濃度n型ドリフト層23およびp型ベース領域6と絶縁されている。ゲート電極10の一部は、ゲートトレンチ18の上方(ソース電極12側)からソース電極12側に突出していてもよい。
p型ベース領域6の内部には、基体第1主面側にn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8が選択的に設けられている。n+型ソース領域7は高濃度n型ドリフト層23に接している。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8は互いに接する。p+型コンタクト領域8の深さは、例えばn+型ソース領域7と同じ深さでもよいし、より深くてもよい。また、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z軸方向)にp+型コンタクト領域8とn+型ソース領域7とが並んで設けられている(図8参照)。
層間絶縁膜(不図示)は、炭化珪素基体の第1主面側の全面に、ゲートトレンチ18に埋め込まれたゲート電極10を覆うように設けられている。ソース電極12は、層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8に接する。p+型コンタクト領域8が設けられない場合、ソース電極12は、n+型ソース領域7およびp型ベース領域6に接する。ソース電極12は、層間絶縁膜によって、ゲート電極10と電気的に絶縁されている。ソース電極12上には、ソース電極パッド(不図示)が設けられている。ソース電極12と層間絶縁膜との間に、例えばソース電極12からゲート電極10側への金属原子の拡散を防止するバリアメタル(不図示)が設けられていてもよい。
n++型半導体基板1の第2主面(裏面、すなわち半導体基体の裏面)には、裏面電極(第2電極)13が設けられている。裏面電極13は、ドレイン電極を構成する。裏面電極13の表面には、ドレイン電極パッド(不図示)が設けられている。
また、図1〜図3の超接合半導体装置40において、深さdaのp型ベース領域6が、主電流が流れる活性領域となる。また、p型ベース領域6は、活性領域の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ終端領域の接合終端(JTE:Junction Termination Extension)構造(不図示)と接する。並列pn領域19は、活性領域の外にもz軸方向に伸び、x軸方向に等間隔で配置され、ウエハ全面に広がる場合とチップ端部までの場合がある。
(実施の形態1にかかる超接合半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態1にかかる超接合半導体装置40の製造方法について説明する。図4〜図8は、実施の形態1にかかる超接合半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。まず、炭化珪素からなるn++型半導体基板1を用意する。次に、n++型半導体基板1のおもて面に、n++型半導体基板1より不純物濃度の低い低濃度n型ドリフト層21をエピタキシャル成長させる。このとき、例えば、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度n4が2.5×1015/cm3、膜厚tn4が40μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。
次に、低濃度n型ドリフト層21の表面に、低濃度n型ドリフト層21より不純物濃度の高い中濃度n型ドリフト層22を、エピタキシャル成長させる。このとき、例えば、中濃度n型ドリフト層22の不純物濃度n1が1.5×1016/cm3、膜厚tn1が20μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。
次に、中濃度n型ドリフト層22の表面に、中濃度n型ドリフト層22より不純物濃度の高い高濃度n型ドリフト層23を、エピタキシャル成長させる。このとき、例えば、高濃度n型ドリフト層23の不純物濃度n5が1.7×1016/cm3、膜厚tn5が2.5μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。低濃度n型ドリフト層21と中濃度n型ドリフト層22と高濃度n型ドリフト層23とを合わせてn型ドリフト層2となる。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23を貫通して、低濃度n型ドリフト層21に達し、n++型半導体基板1に達しない第1トレンチ30と第2トレンチ31を形成する。第1トレンチ30は、底部が第2トレンチ31と連続し、第2トレンチ31より幅が広くなるように形成する。このとき、例えば、第2トレンチ31の深さdbを20.1μm、幅Wp1を2.5μm、第2トレンチ31間の間隔Wn1を2.5μmに形成し、第1トレンチ30の深さdaを2μmに形成してもよい。ここまでの状態が図4に記載される。
次に、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6をエピタキシャル成長させる。p型ピラー領域3の不純物濃度は、p型領域とn型領域のチャージバランスを保つように決定される。例えば、p型ピラー領域3の不純物濃度p1を1.9×1016/cm3にする。p型ベース領域6は、p型ピラー領域3と同様の不純物濃度でよい。
このように、実施の形態1では、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体をエピタキシャル成長させることで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6を同時に形成している。このため、p型ベース領域6をイオン注入により形成する工程を省略することができる。次に、p型ベース領域6を、高濃度n型ドリフト層23の表面と同じ高さになるまで、表面を研磨する。ここまでの状態が図5に示されている。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有するマスクを、例えばレジストで形成する。そして、このレジストマスクをマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物をイオン注入する。それによって、p型ベース領域6の表面領域の一部に、n+型ソース領域7が形成される。次に、n+型ソース領域7を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。このイオン注入用マスクをマスクとして、p型不純物のイオン注入を行い、p型ベース領域6の表面領域の一部に、p型ベース領域6より不純物濃度の高いp+型コンタクト領域8を形成する。次に、p+型コンタクト領域8を形成するためのイオン注入用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を活性化させるための熱処理(アニール)を行う。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を形成する順序は種々変更可能である。ここまでの状態が図6に示されている。図6は、n+型ソース領域7が形成された領域の断面を示し、p+型コンタクト領域8が形成された領域の断面の記載は省略する。また、図3に示すように、n+型ソース領域7とp+型コンタクト領域8とは、第1トレンチ30の長手方向(z軸方向)に交互に配置される。
次に、p型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するトレンチ形成用マスクを例えば酸化膜で形成する。次に、ドライエッチングによってp型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を貫通し、高濃度n型ドリフト層23に達するゲートトレンチ18を形成する。例えば、ゲートトレンチ18間の間隔Ln3、Lp3を4μm、ゲートトレンチ18の幅Wtを1μmとする。次に、トレンチ形成用マスクを除去する。ここまでの状態が図7に示されている。図7は、n+型ソース領域7が形成された領域の断面を示し、p+型コンタクト領域8が形成された領域の断面の記載は省略する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面と、ゲートトレンチ18の底部および側壁と、に沿ってゲート絶縁膜9を形成する。このゲート絶縁膜9は、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱処理によって熱酸化によって形成してもよい。また、このゲート絶縁膜9は高温酸化(High Temperature Oxide:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。ここまでの状態が図8に示されている。図8は、n+型ソース領域7が形成された領域の断面を示し、p+型コンタクト領域8が形成された領域の断面の記載は省略する。
次に、ゲート絶縁膜9上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を設ける。この多結晶シリコン層はゲートトレンチ18内を埋めるように形成してもよい。この多結晶シリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングし、ゲートトレンチ18内部に残すことによって、ゲート電極10を設ける。ゲート電極10の一部はゲートトレンチ18外部に突出していてもよい。
次に、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜(不図示)を設ける。次に、層間絶縁膜を覆うように、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)からなるバリアメタル(不図示)を形成してもよい。層間絶縁膜およびゲート絶縁膜9をフォトリソグラフィによりパターニングしn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を露出させたコンタクトホールを形成する。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜を平坦化する。
次に、コンタクトホール内および層間絶縁膜の上にソース電極12となるニッケル(Ni)等の導電性の膜を設ける。この導電性の膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、コンタクトホール内にのみソース電極12を残す。例えば、ソース電極12の幅Lsを2μmとする。
次に、n++型半導体基板1の第2主面上に、ニッケル等の裏面電極(不図示)を設ける。この後、1000℃程度の不活性ガス雰囲気で熱処理を行って、n+型ソース領域7、p+型コンタクト領域8およびn++型半導体基板1とオーミック接合するソース電極12および裏面電極13を形成する。
次に、n++型半導体基板1の第1主面上に、スパッタ法によって5μm程度の厚さのアルミニウム膜を堆積し、フォトリソグラフィによりソース電極12および層間絶縁膜を覆うようにアルミニウムを除去し、ソース電極パッド(不図示)を形成する。
次に、裏面電極の表面に、例えばチタン(Ti)、ニッケルおよび金(Au)を順に積層することによって、ドレイン電極パッド(不図示)を形成する。
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。以上のようにして、図1および図2に示す炭化珪素半導体装置が完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、第1トレンチと第2トレンチを形成し、第1トレンチと第2トレンチ内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域およびp型ベース領域を同時に形成している。これにより、p型ベース領域をイオン注入により形成する工程を省略することができる。このため、超接合半導体装置40を作成するためのコストを低減することができる。また、高濃度n型ドリフト層、中濃度n型ドリフト層によりオン電流を増大させることができ、n型ドリフト層の濃度調整により、チャネル長、トレンチ幅、メサ幅を自由に設計できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる超接合半導体装置41について説明する。図9は、実施の形態2にかかる超接合半導体装置の構造を示す図13のA−B断面図である。また、図10は、実施の形態2にかかる超接合半導体装置の構造を示す図13のC−D断面図である。また、図11は、実施の形態2にかかる超接合半導体装置の構造を示す図13のE−F断面図である。また、図12は、実施の形態2にかかる超接合半導体装置の構造を示す図13のG−H断面図である。また、図13は、実施の形態2にかかる超接合半導体装置の構造を示す平面図である。
図9〜図13に示すように、p型ピラー領域3は、z軸方向に延びる矩形の形状を有し、p型ベース領域6は、x軸方向に延びる矩形の形状を有する。p型ピラー領域3の長手方向(z軸方向)は、ゲートトレンチ18の奥行き方向(x軸方向)と直交し、p型ベース領域6の長手方向(x軸方向)と直交している。図11に示すように、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z軸方向)にp+型コンタクト領域8とn+型ソース領域7とが並んで設けられている。
また、実施の形態1と同様に、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23、n+型ソース領域7の順で不純物濃度が高くなり、チャージバランスとして、p型ピラー領域3の不純物濃度p1とp型ピラー領域3の幅Wp1との積がn型ピラー領域4の不純物濃度n1とn型ピラー領域4の幅Wn1との積とほぼ等しい、つまり、
n1×Wn1≒p1×Wp1
が成り立つ。この際、p型ピラー領域3の不純物濃度p1をわずかに大きくして、p型の不純物をわずかに多くすることが好ましい。
このように、実施の形態2では、p型ピラー領域3の長手方向とゲートトレンチ18の奥行き方向とを直交させているため、チャネル長、トレンチ幅Wp1、メサ幅Wn1を自由に設計することができる。
(実施の形態2にかかる超接合半導体装置の製造方法)
実施の形態2にかかる超接合半導体装置41の製造方法は、実施の形態1にかかる超接合半導体装置41の製造方法において、p型ピラー領域3が形成される第2トレンチ31を、p型ベース領域6が形成される第1トレンチ30と直交させることで形成される。
例えば、まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。n型ドリフト層2は、低濃度n型ドリフト層21と中濃度n型ドリフト層22と高濃度n型ドリフト層23とからなり、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23の膜厚、不純物濃度は、実施の形態1と同様である。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22に達しない第1トレンチ30を形成する。例えば、第1トレンチ30の深さdaを2μmに形成してもよい。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23を貫通して、低濃度n型ドリフト層21に達し、n++型半導体基板1に達しない第2トレンチ31を形成する。第2トレンチ31は、第1トレンチ30と直交する方向に形成し、第1トレンチ30の底部が、第2トレンチ31と連続し、第1トレンチ30より幅が狭くなるように形成する。例えば、第2トレンチ31の、第1トレンチ30の底部からの深さdbを20.1μm、幅Wp1を2.5μmに形成してもよい。また、例えば、第2トレンチ31間の距離Wn1を2.5μmにしてもよい。
次に、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6をエピタキシャル成長させる。p型ピラー領域3の不純物濃度は、p型領域とn型領域のチャージバランスを保つように決定される。例えば、p型ピラー領域3の不純物濃度p1を1.9×1016/cm3にする。p型ベース領域6は、p型ピラー領域3と同様の不純物濃度でよい。次に、p型ベース領域6を、高濃度n型ドリフト層23の表面と同じ高さになるまで、表面を研磨する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有するマスクを、例えばレジストで形成する。そして、このレジストマスクをマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物をイオン注入する。それによって、p型ベース領域6の表面領域の一部に、n+型ソース領域7が形成される。次に、n+型ソース領域7を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。このイオン注入用マスクをマスクとして、p型不純物のイオン注入を行い、p型ベース領域6の表面領域の一部に、p型ベース領域6より不純物濃度の高いp+型コンタクト領域8を形成する。次に、p+型コンタクト領域8を形成するためのイオン注入用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を活性化させるための熱処理(アニール)を行う。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を形成する順序は種々変更可能である。
次に、p型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するトレンチ形成用マスクを例えば酸化膜で形成する。次に、ドライエッチングによってp型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を貫通し、高濃度n型ドリフト層23に達するゲートトレンチ18を形成する。例えば、ゲートトレンチ18間の間隔Ln3、Lp3を4μm、ゲートトレンチ18の幅Wtを1μmとする。次に、トレンチ形成用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面と、ゲートトレンチ18の底部および側壁と、に沿ってゲート絶縁膜9を形成する。このゲート絶縁膜9は、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱酸化によって形成してもよい。また、このゲート絶縁膜9は高温酸化(High Temperature Oxidation:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。
次に、ゲート絶縁膜9上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を設ける。この多結晶シリコン層はゲートトレンチ18内を埋めるように形成してもよい。この多結晶シリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングし、ゲートトレンチ18内部に残すことによって、ゲート電極10を設ける。ゲート電極10の一部はゲートトレンチ18外部に突出していてもよい。
次に、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜(不図示)を設ける。次に、層間絶縁膜を覆うように、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)からなるバリアメタル(不図示)を形成してもよい。層間絶縁膜およびゲート絶縁膜9をフォトリソグラフィによりパターニングしn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を露出させたコンタクトホールを形成する。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜を平坦化する。
次に、コンタクトホール内および層間絶縁膜の上にソース電極12となるニッケル(Ni)等の導電性の膜を設ける。この導電性の膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、コンタクトホール内にのみソース電極12を残す。例えば、ソース電極12の幅Lsを1μmとする。
次に、n++型半導体基板1の第2主面上に、ニッケル等の裏面電極(不図示)を設ける。この後、1000℃程度の不活性ガス雰囲気で熱処理を行って、n+型ソース領域7、p+型コンタクト領域8およびn++型半導体基板1とオーミック接合するソース電極12および裏面電極13を形成する。
次に、n++型半導体基板1の第1主面上に、スパッタ法によって5μm程度の厚さのアルミニウム膜を堆積し、フォトリソグラフィによりソース電極12および層間絶縁膜を覆うようにアルミニウムを除去し、ソース電極パッド(不図示)を形成する。
次に、裏面電極の表面に、例えばチタン(Ti)、ニッケルおよび金(Au)を順に積層することによって、ドレイン電極パッド(不図示)を形成する。
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。以上のようにして、図9〜図13に示した超接合半導体装置41が完成する。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、p型ピラー領域およびp型ベース領域を同時に形成しているため実施の形態1と同様の効果を有する。また、実施の形態2では、p型ピラー領域の長手方向とゲートトレンチの奥行き方向とを直交させているため、チャネル長、トレンチ幅、メサ幅を自由に設計することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる超接合半導体装置42について説明する。実施の形態3においては、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いて作製(製造)された炭化珪素半導体装置について、超接合MOSFETを例に説明する。図14は、実施の形態3にかかる超接合半導体装置の構造を示す図16のA−B断面図である。また、図15は、実施の形態3にかかる超接合半導体装置の構造を示す図16のC−D断面図である。また、図16は、実施の形態3にかかる超接合半導体装置の構造を示す平面図である。図14には、2つの単位セル(素子の機能単位)を内蔵する超接合半導体装置を示しているが、実際の超接合半導体装置で2つより多くの単位セルを内蔵している。図14に示す超接合半導体装置42は、炭化珪素からなる半導体基体(炭化珪素基体:半導体チップ)のおもて面(p型ベース領域6側の面)側にMOS(Metal Oxide Semiconductor)ゲートを備えた超接合MOSFETである。
炭化珪素基体は、n++型半導体基板(第1導電型の半導体基板)1の第1主面(おもて面)上に低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。MOSゲートは、p型ベース領域(第2導電型の第3半導体領域)6と、n+型ソース領域(第1導電型の第5半導体領域)7、p+型コンタクト領域8、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10で構成される。ここで、低濃度n型ドリフト層21と、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23とを合わせてn型ドリフト層(第1導電型の第1半導体層)2が構成される。低濃度n型ドリフト層21は、中濃度n型ドリフト層22より低不純物濃度で設けられ、中濃度n型ドリフト層22は、高濃度n型ドリフト層23より低不純物濃度で設けられる。
n型ドリフト層2には、並列pn領域19が設けられている。並列pn領域19は、p型ピラー領域(第2導電型の第2半導体領域)3と、p型ピラー領域3に挟まれたn型領域(n型ピラー領域4)とが交互に繰り返し接合されてできている。p型ピラー領域3は、p型ベース領域6の底面(n++型半導体基板1側の面)から、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22を貫通して、低濃度n型ドリフト層21の表面に達し、n++型半導体基板1に達しないように設けられている。また、p型ピラー領域3は、低濃度n型ドリフト層21の表面に達しているが、低濃度n型ドリフト層21の内部深くまで達していない。このため、p型領域とn型領域のチャージバランスを考慮する際に、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度を考慮しなくてもよい。p型ピラー領域3およびn型ピラー領域4の平面形状は、例えば、矩形状、六角形状または正方形状である。
ここで、低濃度n型ドリフト層21は、素子の耐圧を分担する層であり、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度を低くして、低濃度n型ドリフト層21の膜厚を厚くすることにより、素子の高耐圧を実現できる。また、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22は素子のチャージバランスを分担する層である。また、高濃度n型ドリフト層23は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。高濃度n型ドリフト層23により、オン電流を増大化することができる。
素子の高耐圧を分担する低濃度n型ドリフト層21があるため、素子を高耐圧化した場合でも、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22の膜厚を薄くすることができる。このため、高濃度n型ドリフト層23、中濃度n型ドリフト層22内に設けられたp型ピラー領域3の深さ(並列pn領域19の深さ)を浅くできる。このように、素子を高耐圧化した場合でも、p型ピラー領域3の深さは浅いため、p型ピラー領域3を均一の不純物濃度でエピタキシャル成長させることができる。このため、耐圧を高くした場合でもp型領域とn型領域のチャージバランスを保ち、低オン抵抗と高耐圧特性の超接合半導体装置42を実現することができる。
n型ドリフト層2のソース側(ソース電極12側)の表面層には、p型ベース領域6が設けられ、p型ピラー領域3とp型ベース領域6は同時に形成されているため、一体化されている。具体的には、n型ドリフト層2内に深さdbの第2トレンチ31と、第2トレンチ31より浅い位置に深さdaの第1トレンチ30が設けられている。第2トレンチ31は、n型ドリフト層2内に設けられ、第1トレンチ30は、底面が第2トレンチ31の開口部に連続し、n型ドリフト層2のおもて面において開口している。
第2トレンチ31をp型の不純物で埋めることによりp型ピラー領域3が形成され、第1トレンチ30をp型の不純物で埋めることによりp型ベース領域6が形成される。つまり、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6は、第1トレンチ30および第2トレンチ31に埋め込まれたエピタキシャル成長層である。このように、第1トレンチ30と第2トレンチ31とからなる2段トレンチを形成することで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6に相当する構造を作っておき、そこにp型の不純物を埋め込み、その層をp型ピラー領域3およびp型ベース領域6として利用している。
また、第1トレンチ30の端部は、高濃度n型ドリフト層23上(図14の領域S1上)に位置してもよい。p型ベース領域6の端部がn型ピラー領域4の上部にあった場合は、p型ベース領域6の端部とn型ピラー領域4とのpn界面に電界が集中してしまう。第1トレンチ30の端部を、高濃度n型ドリフト層23上に位置させることで、p型ベース領域6の端部をp型ピラー領域3の上部にすることができ、電界の集中を避けることができる。
また、第1トレンチ30の端部は、超接合半導体装置42の最も外側の第2トレンチ31の外側の辺上に位置してもよい。例えば、図16に示すように、第1トレンチ30の、ゲートトレンチ18の幅方向(x方向)の端部は、超接合半導体装置42の最も外側の第2トレンチ31A,31Bの外側の辺上に位置している。ここで、外側とは、MOS構造が設けられた側と反対側であり、外側の辺は、例えば図16のToであり、内側の辺は例えば図16のTiである。このようにすることで、第1トレンチ30と第2トレンチ31との間で段差が無くなり、第2トレンチ31内にp型の不純物を埋め込む作業の難易度を低下させることができる。ゲートトレンチ18の幅方向とは、上面から見て距離の短い方向(短手方向)のことであり、ゲートトレンチ18の奥行きとは、上面から見て距離の長い方向(長手方向)のことである。
また、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23、後述するn+型ソース領域7の順で不純物濃度が高くなり、チャージバランスとして、p型ピラー領域3の不純物濃度p1とp型ピラー領域3の幅Wp1との積がn型ピラー領域4の不純物濃度n1とn型ピラー領域4の幅Wn1との積とほぼ等しい、つまり、
n1×Wn1≒p1×Wp1
が成り立つ。この際、p型ピラー領域3の不純物濃度p1をわずかに大きくして、p型の不純物をわずかに多くすることが好ましい。
炭化珪素基体の第1主面側(p型ベース領域6側)には、トレンチ構造が形成されている。具体的には、ゲートトレンチ18は、p型ベース領域6のn++型半導体基板1側に対して反対側(炭化珪素基体の第1主面側)の表面からp型ベース領域6を貫通して高濃度n型ドリフト層23に達する。ゲートトレンチ18の内壁に沿って、ゲートトレンチ18の底部および側壁にゲート絶縁膜9が形成されており、ゲートトレンチ18内のゲート絶縁膜9の内側にゲート電極10が形成されている。ゲート絶縁膜9によりゲート電極10が、高濃度n型ドリフト層23およびp型ベース領域6と絶縁されている。ゲート電極10の一部は、ゲートトレンチ18の上方(ソース電極12側)からソース電極12側に突出していてもよい。
p型ベース領域6の内部には、基体第1主面側にn+型ソース領域7が選択的に設けられている。また、p+型コンタクト領域8が選択的に設けられていてもよい。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8は互いに接する。p+型コンタクト領域8の深さは、例えばn+型ソース領域7と同じ深さでもよいし、より深くてもよい。また、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z軸方向)にp+型コンタクト領域8とn+型ソース領域7とが並んで設けられている(図16参照)。
層間絶縁膜(不図示)は、炭化珪素基体の第1主面側の全面に、ゲートトレンチ18に埋め込まれたゲート電極10を覆うように設けられている。ソース電極12は、層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、n+型ソース領域7およびp型ベース領域6に接する。p+型コンタクト領域8が設けられた場合は、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8に接する。ソース電極12は、層間絶縁膜によって、ゲート電極10と電気的に絶縁されている。ソース電極12上には、ソース電極パッド(不図示)が設けられている。ソース電極12と層間絶縁膜との間に、例えばソース電極12からゲート電極10側への金属原子の拡散を防止するバリアメタル(不図示)が設けられていてもよい。
n++型半導体基板1の第2主面(裏面、すなわち半導体基体の裏面)には、裏面電極(第2電極)13が設けられている。裏面電極13は、ドレイン電極を構成する。裏面電極13の表面には、ドレイン電極パッド(不図示)が設けられている。
また、図14〜図16の超接合半導体装置42において、深さdaのp型ベース領域6が、主電流が流れる活性領域となる。また、p型ベース領域6は、活性領域の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ終端領域の接合終端(JTE:Junction Termination Extension)構造(不図示)と接する。並列pn領域19は、活性領域の外にもz軸方向に伸び、x軸方向に等間隔で配置され、ウエハ全面に広がる場合とチップ端部までの場合がある。
(実施の形態3にかかる超接合半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態3にかかる超接合半導体装置42の製造方法について説明する。まず、炭化珪素からなるn++型半導体基板1を用意する。次に、n++型半導体基板1のおもて面に、n++型半導体基板1より不純物濃度の低い低濃度n型ドリフト層21をエピタキシャル成長させる。このとき、例えば、低濃度n型ドリフト層21の不純物濃度n4が2.5×1015/cm3、膜厚tn4が40μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。
次に、低濃度n型ドリフト層21の表面に、低濃度n型ドリフト層21より不純物濃度の高い中濃度n型ドリフト層22を、エピタキシャル成長させる。このとき、例えば、中濃度n型ドリフト層22の不純物濃度n1が1.5×1016/cm3、膜厚tn1が20μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。
次に、中濃度n型ドリフト層22の表面に、中濃度n型ドリフト層22より不純物濃度の高い高濃度n型ドリフト層23を、エピタキシャル成長させる。このとき、例えば、高濃度n型ドリフト層23の不純物濃度n5が1.7×1016/cm3、膜厚tn5が2.5μmとなるようにn型不純物をドーピングさせてエピタキシャル成長させてもよい。低濃度n型ドリフト層21と中濃度n型ドリフト層22と高濃度n型ドリフト層23とを合わせてn型ドリフト層2となる。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23を貫通して、低濃度n型ドリフト層21に達し、n++型半導体基板1に達しない第1トレンチ30と第2トレンチ31を形成する。第1トレンチ30は、底部が第2トレンチ31と連続し、第2トレンチ31より幅が広くなるように形成する。
この際、第1トレンチ30の端部を、高濃度n型ドリフト層23上に位置するように形成することが好ましい。また、第1トレンチ30を、超接合半導体装置42の最も外側の第2トレンチ31の外側の辺上に位置するように形成することがより好ましい。このとき、例えば、第2トレンチ31の深さdbを20.1μm、幅Wp1を2.5μm、第2トレンチ31間の間隔Wn1を2.5μmに形成し、第1トレンチ30の深さdaを2μmに形成してもよい。
次に、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6をエピタキシャル成長させる。p型ピラー領域3の不純物濃度は、p型領域とn型領域のチャージバランスを保つように決定される。例えば、p型ピラー領域3の不純物濃度p1を1.9×1016/cm3にする。p型ベース領域6は、p型ピラー領域3と同様の不純物濃度でよい。
このように、実施の形態3では、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体をエピタキシャル成長させることで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6を同時に形成している。このため、p型ベース領域6をイオン注入により形成する工程を省略することができる。次に、p型ベース領域6を、高濃度n型ドリフト層23の表面と同じ高さになるまで、表面を研磨する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有するマスクを、例えばレジストで形成する。そして、このレジストマスクをマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物をイオン注入する。それによって、p型ベース領域6の表面領域の一部に、n+型ソース領域7が形成される。次に、n+型ソース領域7を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。このイオン注入用マスクをマスクとして、p型不純物のイオン注入を行い、p型ベース領域6の表面領域の一部に、p型ベース領域6より不純物濃度の高いp+型コンタクト領域8を形成してもよい。次に、p+型コンタクト領域8を形成するためのイオン注入用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を活性化させるための熱処理(アニール)を行う。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を形成する順序は種々変更可能である。
次に、p型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するトレンチ形成用マスクを例えば酸化膜で形成する。次に、ドライエッチングによってp型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を貫通し、高濃度n型ドリフト層23に達するゲートトレンチ18を形成する。例えば、ゲートトレンチ18間の間隔Ln3、Lp3を4μm、ゲートトレンチ18の幅Wtを1μmとする。次に、トレンチ形成用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面と、ゲートトレンチ18の底部および側壁と、に沿ってゲート絶縁膜9を形成する。このゲート絶縁膜9は、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱処理によって熱酸化によって形成してもよい。また、このゲート絶縁膜9は高温酸化(High Temperature Oxide:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。
次に、ゲート絶縁膜9上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を設ける。この多結晶シリコン層はゲートトレンチ18内を埋めるように形成してもよい。この多結晶シリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングし、ゲートトレンチ18内部に残すことによって、ゲート電極10を設ける。ゲート電極10の一部はゲートトレンチ18外部に突出していてもよい。
次に、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜(不図示)を設ける。次に、層間絶縁膜を覆うように、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)からなるバリアメタル(不図示)を形成してもよい。層間絶縁膜およびゲート絶縁膜9をフォトリソグラフィによりパターニングしn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を露出させたコンタクトホールを形成する。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜を平坦化する。
次に、コンタクトホール内および層間絶縁膜の上にソース電極12となるニッケル(Ni)等の導電性の膜を設ける。この導電性の膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、コンタクトホール内にのみソース電極12を残す。例えば、ソース電極12の幅Lsを2μmとする。
次に、n++型半導体基板1の第2主面上に、ニッケル等の裏面電極(不図示)を設ける。この後、1000℃程度の不活性ガス雰囲気で熱処理を行って、n+型ソース領域7、p+型コンタクト領域8およびn++型半導体基板1とオーミック接合するソース電極12および裏面電極13を形成する。
次に、n++型半導体基板1の第1主面上に、スパッタ法によって5μm程度の厚さのアルミニウム膜を堆積し、フォトリソグラフィによりソース電極12および層間絶縁膜を覆うようにアルミニウムを除去し、ソース電極パッド(不図示)を形成する。
次に、裏面電極の表面に、例えばチタン(Ti)、ニッケルおよび金(Au)を順に積層することによって、ドレイン電極パッド(不図示)を形成する。
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。以上のようにして、図14および図15に示す炭化珪素半導体装置が完成する。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、第1トレンチと第2トレンチを形成し、第1トレンチと第2トレンチ内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域およびp型ベース領域を同時に形成している。これにより、p型ベース領域をイオン注入により形成する工程(イオン注入工程)を省略することができる。このため、超接合半導体装置を作成するためのコストを低減することができる。また、高濃度n型ドリフト層、中濃度n型ドリフト層によりオン電流を増大させることができ、n型ドリフト層の濃度調整により、チャネル長、トレンチ幅、メサ幅を自由に設計できる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる超接合半導体装置43について説明する。図17は、実施の形態4にかかる超接合半導体装置の構造を示す図21のA−B断面図である。また、図18は、実施の形態4にかかる超接合半導体装置の構造を示す図21のC−D断面図である。また、図19は、実施の形態4にかかる超接合半導体装置の構造を示す図21のE−F断面図である。また、図20は、実施の形態4にかかる超接合半導体装置の構造を示す図21のG−H断面図である。また、図21は、実施の形態4にかかる超接合半導体装置の構造を示す平面図である。
図17〜図21に示すように、p型ピラー領域3は、x軸方向に延びる矩形の形状を有し、p型ベース領域6は、z軸方向に延びる矩形の形状を有する。p型ピラー領域3の長手方向(x軸方向)は、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z軸方向)と直交し、p型ベース領域6の長手方向(z軸方向)と直交している。図19に示すように、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z軸方向)にp+型コンタクト領域8とn+型ソース領域7とが並んで設けられている。
また、実施の形態3と同様に、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23、n+型ソース領域7の順で不純物濃度が高くなり、チャージバランスとして、p型ピラー領域3の不純物濃度p1とp型ピラー領域3の幅Wp1との積がn型ピラー領域4の不純物濃度n1とn型ピラー領域4の幅Wn1との積とがほぼ等しい、つまり、
n1×Wn1≒p1×Wp1
が成り立つ。この際、p型ピラー領域3の不純物濃度p1をわずかに大きくして、p型の不純物をわずかに多くすることが好ましい。
このように、実施の形態4では、p型ピラー領域3の長手方向とゲートトレンチ18の奥行き方向とを直交させているため、チャネル長、トレンチ幅Wp1、メサ幅Wn1を自由に設計することができる。
また、実施の形態3と同様に、第1トレンチ30の端部Tは、高濃度n型ドリフト層23上に位置してもよい。例えば、図17に示すように、第1トレンチ30の、ゲートトレンチ18の幅方向(x方向)の端部Tが、高濃度n型ドリフト層23上に位置している。また、実施の形態3と同様に、第1トレンチ30の端部Tは、超接合半導体装置43の最も外側の第2トレンチ31の外側の辺T2上に位置してもよい。例えば、図21に示すように、第1トレンチ30の、ゲートトレンチ18の奥行き方向(z方向)の端部Tが、超接合半導体装置43の最も外側の第2トレンチ31の外側の辺T2上に位置している。
(実施の形態4にかかる超接合半導体装置の製造方法)
実施の形態4にかかる超接合半導体装置43の製造方法は、実施の形態3にかかる超接合半導体装置42の製造方法において、p型ピラー領域3が形成される第2トレンチ31を、ゲートトレンチ18と直交させることで形成される。
例えば、まず、実施の形態3と同様に、n型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。n型ドリフト層2は、低濃度n型ドリフト層21と中濃度n型ドリフト層22と高濃度n型ドリフト層23とからなり、低濃度n型ドリフト層21、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23の膜厚、不純物濃度は、実施の形態3と同様である。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22に達しない第1トレンチ30を形成する。例えば、第1トレンチ30の深さdaを2μmに形成してもよい。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、中濃度n型ドリフト層22、高濃度n型ドリフト層23を貫通して、低濃度n型ドリフト層21に達し、n++型半導体基板1に達しない第2トレンチ31を形成する。第2トレンチ31は、第1トレンチ30と直交する方向に形成し、第1トレンチ30の底部が、第2トレンチ31と連続し、第1トレンチ30より幅が狭くなるように形成する。
この際、第1トレンチ30の端部Tを、高濃度n型ドリフト層23上に位置するように形成することが好ましい。また、第1トレンチ30の端部Tを、超接合半導体装置43の最も外側の第2トレンチ31の外側の辺T2上に位置するように形成することがより好ましい。例えば、第2トレンチ31の、第1トレンチ30の底部からの深さdbを20.1μm、幅Wp1を2.5μmに形成してもよい。また、例えば、第2トレンチ31間の距離Wn1を2.5μmにしてもよい。
次に、第1トレンチ30と第2トレンチ31内にp型の不純物を含む半導体を埋め込むことで、p型ピラー領域3およびp型ベース領域6をエピタキシャル成長させる。p型ピラー領域3の不純物濃度は、p型領域とn型領域のチャージバランスを保つように決定される。例えば、p型ピラー領域3の不純物濃度p1を1.9×1016/cm3にする。p型ベース領域6は、p型ピラー領域3と同様の不純物濃度でよい。次に、p型ベース領域6を、高濃度n型ドリフト層23の表面と同じ高さになるまで、表面を研磨する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有するマスクを、例えばレジストで形成する。そして、このレジストマスクをマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物をイオン注入する。それによって、p型ベース領域6の表面領域の一部に、n+型ソース領域7が形成される。次に、n+型ソース領域7を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。
次に、p型ベース領域6の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。このイオン注入用マスクをマスクとして、p型不純物のイオン注入を行い、p型ベース領域6の表面領域の一部に、p型ベース領域6より不純物濃度の高いp+型コンタクト領域8を形成する。次に、p+型コンタクト領域8を形成するためのイオン注入用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を活性化させるための熱処理(アニール)を行う。また、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を形成する順序は種々変更可能である。
次に、p型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するトレンチ形成用マスクを例えば酸化膜で形成する。次に、ドライエッチングによってp型ベース領域6、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を貫通し、高濃度n型ドリフト層23に達するゲートトレンチ18を形成する。例えば、ゲートトレンチ18間の間隔Ln3、Lp3を4μm、ゲートトレンチ18の幅Wtを1μmとする。次に、トレンチ形成用マスクを除去する。
次に、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8の表面と、ゲートトレンチ18の底部および側壁と、に沿ってゲート絶縁膜9を形成する。このゲート絶縁膜9は、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱処理によって熱酸化によって形成してもよい。また、このゲート絶縁膜9は高温酸化(High Temperature Oxidation:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。
次に、ゲート絶縁膜9上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を設ける。この多結晶シリコン層はゲートトレンチ18内を埋めるように形成してもよい。この多結晶シリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングし、ゲートトレンチ18内部に残すことによって、ゲート電極10を設ける。ゲート電極10の一部はゲートトレンチ18外部に突出していてもよい。
次に、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜(不図示)を設ける。次に、層間絶縁膜を覆うように、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)からなるバリアメタル(不図示)を形成してもよい。層間絶縁膜およびゲート絶縁膜9をフォトリソグラフィによりパターニングしn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を露出させたコンタクトホールを形成する。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜を平坦化する。
次に、コンタクトホール内および層間絶縁膜の上にソース電極12となるニッケル(Ni)等の導電性の膜を設ける。この導電性の膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、コンタクトホール内にのみソース電極12を残す。例えば、ソース電極12の幅Lsを1μmとする。
次に、n++型半導体基板1の第2主面上に、ニッケル等の裏面電極(不図示)を設ける。この後、1000℃程度の不活性ガス雰囲気で熱処理を行って、n+型ソース領域7、p+型コンタクト領域8およびn++型半導体基板1とオーミック接合するソース電極12および裏面電極13を形成する。
次に、n++型半導体基板1の第1主面上に、スパッタ法によって5μm程度の厚さのアルミニウム膜を堆積し、フォトリソグラフィによりソース電極12および層間絶縁膜を覆うようにアルミニウムを除去し、ソース電極パッド(不図示)を形成する。
次に、裏面電極の表面に、例えばチタン(Ti)、ニッケルおよび金(Au)を順に積層することによって、ドレイン電極パッド(不図示)を形成する。
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。以上のようにして、図17〜図21に示した超接合半導体装置43が完成する。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、p型ピラー領域およびp型ベース領域を同時に形成しているため実施の形態3と同様の効果を有する。また、実施の形態4では、p型ピラー領域の長手方向とゲートトレンチの奥行き方向とを直交させているため、チャネル長、トレンチ幅、メサ幅を自由に設計することができる。
以上において本発明では、炭化珪素でできた炭化珪素基板の第1主面上にMOSゲート構造を構成した場合を例に説明したが、これに限らず、基板主面の面方位などを種々変更可能である。また、本発明では、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。また、以上の説明では、MOSFETを例に説明してきたが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)で適用することも可能である。この場合、n++型半導体基板をp型コレクタ層にすればよい。また、本発明は、チャネルが基板表面に対して垂直に形成されるトレンチ構造の半導体装置だけでなく、チャネルが基板表面に対して平行に形成されるプレーナー構造にも適用可能である。