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JP2020504080A - α4β7インテグリンを標的とする環状ペプチド多量体 - Google Patents

α4β7インテグリンを標的とする環状ペプチド多量体 Download PDF

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JP2020504080A
JP2020504080A JP2019524203A JP2019524203A JP2020504080A JP 2020504080 A JP2020504080 A JP 2020504080A JP 2019524203 A JP2019524203 A JP 2019524203A JP 2019524203 A JP2019524203 A JP 2019524203A JP 2020504080 A JP2020504080 A JP 2020504080A
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Abstract

共に共有結合される複数の化合物を含み、それらの化合物は独立して式(I):【化1】である多量体を、本明細書に記載する。【選択図】図10

Description

関連出願
本出願は、2016年11月11日に出願され、その全体が本明細書に組み込まれる米国仮出願番号第62/421,117号に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、α4β7インテグリンのアンタゴニストに関し、より具体的には環状ペプチドアンタゴニストに関する。
インテグリンは、細胞間相互作用および細胞−細胞外マトリックス(ECM)相互作用のための架橋である膜貫通受容体である。誘発されると、インテグリンは、ECMの化学組成および機械的状態などの内部への化学経路(シグナル伝達)を誘発する。
インテグリンは、偏性ヘテロ二量体であり、2本の異なる鎖:α(アルファ)およびβ(ベータ)サブユニットを有する。
α4β7インテグリンは、リンパ球上で発現し、粘膜リンパ器官の高内皮細静脈に存在する粘膜アドレシン細胞接着分子(MAdCAM)へのその結合を介して腸管関連リンパ組織へのT細胞ホーミングに関与する。特異的インテグリン−リガンド相互作用の阻害剤は、種々の自己免疫疾患の処置のための抗炎症剤として有効であることが示されてきた。例えば、α4β7に対して高い結合親和性を示すモノクロナール抗体は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの胃腸の自己炎症疾患/自己免疫疾患に対する治療効果を示してきた。
炎症症状および/または自己免疫疾患を予防する、または処置するための改善されたα4β7アンタゴニストを開発する必要がある。
環状ペプチド(ナセリン)を製造するいくつかの方法が本出願人の国際公開第2010/105363号に記載されている。
一態様では、共に共有結合される複数の化合物を含む多量体が提供され、化合物は独立して式(I):
Figure 2020504080
[式中、
は、H;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;または複素環であり、これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、
およびRは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸鎖であるが、
ただし、RおよびRが互いに共有結合されて環を形成できることを条件とし、
およびRは各々独立してH;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;複合環;式−C(O)OHの酸;式−C(O)ORのエステル(式中、Rは、アルキルおよびアリールから選択される);式−C(O)NR*****のアミド(式中、R**およびR***は独立して、H、アルキルおよびアリールから選択される);−CHC(O)R(式中、Rは、−OH、低級アルキル、アリール、−低級アルキル−アリール、もしくは−NRaRbから選択され、RaおよびRbは独立して、H、低級アルキル、アリールもしくは−低級アルキル−アリールから選択される);または−C(O)Rc(式中、Rcは、低級アルキル、アリールもしくは−低級アルキル−アリールから選択される);または−低級アルキル−ORd(式中、Rdは、適切な保護基もしくはOH基である)であり;これらのすべては任意選択で1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換されるが、
ただし、RまたはRがRに共有結合されて環状二級アミンを形成でき、および/またはRもしくはRに共有結合されて環を形成でき、RおよびRも互いに共有結合されて環を形成できることを条件とし、
は、H;低級アルキル;ベンジル;アルケニル;低級アルキルオキシ;アリール;ヘテロアリール;複素環;−C(O)R****(式中、R****は独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミノアルキル、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシから選択される);−CHC(O)R;または−C(O)Rcであり;これらのすべては任意選択で1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、
またはRもしくはRと共に、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸の環側鎖であり、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸が適切な置換基と置換されてよく、
およびRは独立して、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸側鎖から選択され、またはRと環側鎖を形成でき、
立体中心1、2、および3は各々独立して、RおよびSから選択され、
nは、1、2、3、または4であり、nが2〜4の場合、各Rおよび各Rは互いに独立しており、および
Zは、アミノ酸のアミノ末端であり;Lに隣接する−C=O−は、アミノ酸のカルボキシ末端であり;およびZおよび−C=O−と共にLは、以下の式:
−X−X−X−X
を有するペプチドであり、
式中、XおよびXは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸であり、
は、ロイシンまたはtert−ブチル−Alaであり、
は、Aspであり、および
は、表1BのX列下に列挙されている任意のアミノ酸である]
である。
一態様では、薬学的に許容される担体と共に本明細書に記載の多量体を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、経口送達、局所送達および非経口送達のいずれか1つのために調製されてよい。
一態様では、患者において炎症または自己免疫疾患を処置する方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含む、方法が提供される。好ましくは、炎症または自己免疫疾患は、胃腸管系である。
一態様では、α4β7インテグリンの生物学的機能に関連する患者において状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含む、方法が提供される。
一態様では、患者において疾患または状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含み、疾患または状態がウイルスまたはレトロウイルスの局所感染症もしくは全身感染症である、方法が提供される。
一態様では、患者において疾患または状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含み、疾患がA型肝炎、B型肝炎もしくはC型肝炎、肝性脳症、非アルコール性脂肪性肝炎、硬変症、静脈瘤出血、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、チロシン血症、α1アンチトリプシン欠損症、糖原病、肝細胞癌、肝癌、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、原発性胆管硬化症、胆道疾患、自己免疫性肝炎、または移植片対宿主病である、方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態のこれらおよび他の特徴は、添付の図面および表が参照される以下の詳細な説明においてより明らかにされよう。
本出願の代表的な化合物、すなわち以下のクラス、18員環、21員環、(非標準的、すなわちδ−アミノ酸を有する)21員環、22員環、および24員環からの化合物を示す。 代表的な18員環の化合物を、ある特定の位置でなされた変異と、これらの変異に関連する対応するα4β7インテグリンELISA IC50結合値と共に示す。 代表的な21員環の化合物を、ある特定の位置でなされた変異と、これらの変異に関連する対応するα4β7インテグリンELISA IC50結合値と共に示す。 代表的な21員環(非標準的、すなわちδ−アミノ酸を有する)の化合物を、ある特定の位置でなされた変異と、これらの変異に関連する対応するα4β7インテグリンELISA IC50結合値と共に示す。 代表的な22員環の化合物を、ある特定の位置でなされた変異と、これらの変異に関連する対応するα4β7インテグリンELISA IC50結合値と共に示す。 25℃で記録されたH−HTOCSY NMRスペクトルでの、多量体分子、化合物番号390についての代表的なNMRデータを示す。 25℃で記録された1H−およびH−H TOCSY NMRスペクトルでの、多量体分子、化合物番号390についての代表的なNMRデータを示す。 以下についてヒト全血でのMADCAM−1競合アッセイとして測定されたα4β7インテグリンへの結合を示す:a)代表的な単量体化合物456(ET4062)、および化合物456に由来する多量体化合物番号534(ET4113)と535(ET4110)、ならびにb)代表的な単量体化合物340(ET2451)、および化合物340に由来する多量体化合物番号390(ET3755)と517(ET3764)。 DSS誘発大腸炎を患い化合物番号517(ET3764)またはビヒクルで4日間処置されたマウスでの、腸間膜リンパ節におけるα4β7+Thメモリー細胞輸送の検出を示す。 DSS刺激剤に曝され種々の濃度の化合物番号517(ET3764)または対照(SMEDDSビヒクル)で4日間処置されたマウスから採取された腸間膜リンパ節におけるα4β7+Thメモリーリンパ球含有量を示す。 ヒト全血でのMADCAM−1競合アッセイにおいて測定されたα4β7−陽性Tヘルパーメモリー細胞上での代表的な多量体化合物の受容体占有率を示す。 ヒト全血でのVCAM−1競合アッセイにおいて測定されたα4β7−陰性Thメモリー細胞上での代表的なナセリン二量体の受容体占有率を示す。
表1は、α4β7インテグリンの親和性、選択性および/または活性を呈する多量体化合物を示し、特にこれらの化合物に関して、(A)リンカー部分の構造;(B)ペプチド部分の構造;および(C)ならびに(C’)親和性、選択性および活性の値を示す。
表の解釈を補助するために、以下に留意されたい:
表1A:
R2がHであり、R3がCH3である場合、R2およびR3を有する炭素原子はS立体配置を有する。
R2がCH3であり、R3がHである場合、R2およびR3を有する炭素原子はR立体配置を有する。
R2がHであり、R3がCH2−S−Phである場合、R2およびR3を有する炭素原子はS立体配置を有する。
R4がHであり、R5がC(O)−NH−tert−ブチルである場合、R4およびR5を有する炭素原子はS立体配置を有する。
R4がC(O)−NH−tert−ブチルであり、R5がHである場合、R4およびR5を有する炭素原子はR立体配置を有する。
R1およびR2が両方ともPro−である場合、R1およびR2の置換基は共有結合され、Proのピロリジン環を形成する。
表1B
R6およびR7が両方ともProである場合、R6およびR7の置換基は共有結合され、Proのピロリジン環を形成する。
R6およびR8が両方ともdProである場合、R6およびR8の置換基は共有結合され、dProのピロリジン環を形成する。
R6およびR7が両方とも[(4S)−フルオロ−Pro]である場合、R6およびR7の置換基は共有結合され、[(4S)−フルオロ−Pro]のピロリジン環を形成する。
R7がNvaであり、R8がHである場合、R7およびR8を有する炭素原子はS立体配置を有する。
R6およびR7が両方ともHypである場合、R6およびR7の置換基は共有結合され、Hypのピロリジン環を形成する。
Xz列下に記入事項が存在しない場合、残基は存在しない。
表1Cおよび1C’
いずれの列にも記入事項が存在しない場合、データは収集されなかった。
表1Xは、本明細書に記載の方法および材料に概説される合成プロトコルと化合物を関連づける対応表である。
表2は、α4β7インテグリンの親和性、選択性および/または活性を呈する多量体化合物を示し、特にこれらの化合物に関して、(A)リンカー部分の構造;(B)ペプチド部分の構造;および(C)親和性、選択性および活性の値を示す。
表の解釈を補助するために、以下に留意されたい:
表2A
R2がHであり、R3がCH3である場合、R2およびR3を有する炭素原子はS立体配置を有する。
表2B
R6およびR7が両方ともProである場合、R6およびR7の置換基は共有結合され、Proのピロリジン環を形成する。
R6およびR7が両方ともHypである場合、R6およびR7の置換基は共有結合され、Hypのピロリジン環を形成する。
Xz列下に記入事項が存在しない場合、残基は存在しない。
表2Xは、本明細書に記載の方法および材料に概説される合成プロトコルと多量体を関連づける対応表であり、m/zは(M+2H/2)であり、追加情報はリンカーに関する。
詳細な説明
本発明の完全な理解のために、以下の説明において、多数の具体的な詳細を記載する。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細なしで実行されてよいことを理解されたい。
一態様では、共に共有結合された複数の化合物を含む多量体が提供され、化合物は独立して式(I):
Figure 2020504080
[式中、
は、H;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;または複素環であり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、
およびRは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸鎖であるが、
ただし、RおよびRが互いに共有結合して環を形成できることを条件とし、
およびRは各々独立して、H;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;複合環;式−C(O)OHの酸;式−C(O)ORのエステル(式中、Rは、アルキルおよびアリールから選択される);式−C(O)NR*****のアミド(式中、R**およびR***は独立して、H、アルキルおよびアリールから選択される);−CHC(O)R(式中、Rは、−OH、低級アルキル、アリール、−低級アルキル−アリール、もしくは−NRaRbから選択され、RaおよびRbは独立して、H、低級アルキル、アリール、または−低級アルキル−アリールから選択さる);または−C(O)Rc(式中、Rcは、低級アルキル、アリールもしくは−低級アルキル−アリール;または−低級アルキル−ORd(式中、Rdは、適切な保護基もしくはOH基である)であり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換されるが、
ただし、RまたはRがRに共有結合されて環状二級アミンを形成でき、および/またはRもしくはRに共有結合されて環を形成でき、RおよびRも互いに共有結合されて環を形成できることを条件とし、
は、H;低級アルキル;ベンジル;アルケニル;低級アルキルオキシ;アリール;ヘテロアリール;複素環;−C(O)R****(式中、R****は独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミノアルキル、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシから選択される);−CHC(O)R;または−C(O)Rcであり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、
またはRもしくはRと共に、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性アミノ酸の環側鎖であり、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸が適切な置換基と置換されてよく、
およびRは独立して、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸側鎖から選択され、またはRと環側鎖を形成でき、
立体中心1、2、および3は各々独立して、RおよびSから選択され、
nは、1、2、3、または4であり、nが2〜4の場合、各Rおよび各Rは互いに独立しており、および
Zは、アミノ酸のアミノ末端であり;Lに隣接する−C=O−は、アミノ酸のカルボキシ末端であり、およびZおよび−C=O−と共にLは、以下の式:
−X−X−X−X
を有するペプチドであり、
式中、XおよびXは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸であり、
は、ロイシンまたはtert−ブチル−Alaであり、
は、Aspであり、および
は、表1BのX列下に列挙されている任意のアミノ酸である]
である。
表1A、1B、および1C(ならびに1C’)に示す化合物は、α4β7インテグリンに対して拮抗活性を示し、α4β1インテグリンへの選択性を有する。異なる化合物に関して表1Aおよび1Bで概説される置換基R〜R、ならびにアミノ酸X、X、X、X、およびXは、任意の方法で組み合わされてよく、α4β7インテグリンの活性および選択性を示し得る化合物を生じる可能性があることを、当業者は予想するであろう。これらの化合物はさらに、国際公開第2017/079820号に記載され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載のいくつかの化合物の多量体化、特に二量体化のバージョンは、親和性、選択性および活性を示し、表2A、2B、および2Cに要約される。
本明細書で用いる場合、用語「アミノ酸」は、アミン基、カルボン酸基、および異なる側鎖を含む分子を指す。アミノ酸は、一般にタンパク質中に見いだされる20個のアミノ酸だけでなく、当業者には既知の非標準アミノ酸と非天然アミノ酸誘導体とを含むことを意味し、したがって、α−アミノ酸、β−アミノ酸、およびγ−アミノ酸を含むが、これらに限定されない。ペプチドは少なくとも2つのアミノ酸のポリマーであり、標準アミノ酸、非標準アミノ酸、および非天然アミノ酸を含んでよい。ペプチドは、2つ以上のアミノ酸のポリマーである。
以下の略称を本明細書で用いる。

Figure 2020504080
Figure 2020504080
Figure 2020504080
本発明と関連して用いる用語「適切な置換基」は、独立してH;ヒドロキシル;シアン;低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ヘキシルなど)などのアルキル;低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシなど)などのアルコキシ:アリールオキシ(例えばフェノキシなど);ビニル;アルケニル(例えばヘキセニルなど);アルキニル;ホルミル;ハロアルキル(例えば、CF、CClなどを含む低級ハロアルキル);ハライド;アリール(例えばフェニルおよびナフチル);ヘテロアリール(例えばチエニルおよびフラニルなど);C(O)NRなどのアミド(式中、RおよびRは独立して、低級アルキル、アリール、またはベンジルなどから選択される);アシル(例えばC(O)−Cなど);エステル(例えば−C(O)OCHなど);エーテルおよびチオエーテル(例えばO−Bnなど);チオアルコキシ;ホスフィノ;ならびに−NR(式中、RおよびRは独立して、低級アルキル、アリール、またはベンジルなどから選択される)を含むことを意味する。本発明と関連して用いる適切な置換基は、本発明のプロセスによる所望の生成物の形成を妨害しない置換基を示すことを意味すると理解すべきである。
本発明と関連して用いる場合、単独でまたは別の置換基との組み合わせで、本明細書で用いる「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素を含有する非環状鎖、直鎖、または分枝鎖のアルキル置換基を意味し、例えば、メチル、エチル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルなどが挙げられる。用語の同様の使用は、炭素原子の数に関し「低級アルコキシ」、「低級チオアルキル」、「低級アルケニル」などについて理解されるべきである。例えば、本明細書で用いる場合、「低級アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシを含む。
「アルキル」という用語は、低級アルキルを包含し、例えば、7〜10個の炭素原子を有する非環状鎖、直鎖、または分枝鎖のアルキル置換基など、6個以上の炭素原子を有するアルキル基も含む。
単独でまたは別の置換基との組み合わせで、本明細書で用いる「アリール」という用語は、芳香族単環系または芳香族多環系を意味する。
例えば、「アリール」という用語は、フェニルまたはナフチル環を含み、より大きな芳香族多環系、例えば蛍光標識(例えばアントラセン)または放射性標識およびそれらの誘導体も含んでよい。
単独でまたは別の置換基との組み合わせで、本明細書で用いる場合、「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択された1〜4個のヘテロ原子を含有しかつ、芳香族系を形成する5員環、6員環、または7員環の不飽和複素環を意味する。「ヘテロアリール」という用語はまた、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員環、6員環、または7員環の不飽和複素環を含む多環芳香族系も含む。
単独でまたは別の置換基との組み合わせで、本明細書で用いる場合、「シクロアルキル」という用語は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを含むがこれらに限定されないシクロアルキル置換基を意味する。
本明細書で用いる場合、「シクロアルキル−アルキル−」という用語は、それにシクロアルキルラジカルが直接結合されるアルキルラジカルを意味し、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、1−シクロペンチルエチル、2−シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、1−シクロヘキシルエチル、および2−シクロヘキシルエチルを含むがこれらに限定されない。「アルキル」または「低級アルキル」という用語の同様の使用は、本明細書で用いる場合アリール−アルキル−、アリール−低級アルキル−(例えばベンジル)、−低級アルキル−アルケニル(例えばアリル)、ヘテロアリール−アルキル−などについて理解されるべきである。例えば、「アリール−アルキル−」という用語は、アルキルラジカルを意味し、それにアリールが結合される。アリール−アルキル−例としては、ベンジル(フェニルメチル)、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、およびフェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
単独でまたは別のラジカルとの組み合わせで、本明細書で用いる場合、「複素環」という用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する3員環〜7員環の飽和または不飽和(芳香族を含む)環状化合物からの水素の除去により誘導される一価のラジカルを意味する。そのような複素環の例としては、アジリジン、エポキシド、アゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チアゾリジン、ピロール、チオフェン、ヒダントイン、ジアゼピン、イミダゾール、イソオキサゾール、チアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、1,4−ジオキサン、4−モルホリン、4−チオモルホリン、ピリジン、ピリジン−N−オキシド、またはピリミジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
単独でまたは別のラジカルとの組み合わせで、本明細書で用いる場合、「アルケニル」という用語は、2個以上の炭素原子を含有する不飽和非環状直鎖ラジカルを意味することを意図し、それらの炭素原子の少なくとも2個は二重結合によって互いに結合される。そのようなラジカルの例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、および1−ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、「アルキニル」という用語は、2個以上の炭素原子を含有する不飽和非環状直鎖ラジカルを意味することを意図し、それらの炭素原子の少なくとも2個は三重結合によって互いに結合される。そのようなラジカルの例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、および1−ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
単独でまたは別のラジカルとの組み合わせで、本明細書で用いる場合、「アルコキシ」という用語は、上記で定義されるようにアルキルが1または複数個の炭素原子を含有するラジカル−O−(Cl−n)アルキルを意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、および1,1−ジメチルエトキシを含む。式中、nは1〜6であり、上記のように、用語「低級アルコキシ」にあてはまるが、用語「アルコキシ」は、「低級アルコキシ」と同様に、nが6より大きい(例えば、n=7〜10)アルコキシ基を包含する。単独でまたは別のラジカルとの組み合わせで、本明細書で用いる場合、「アリールオキシ」という用語は、−O−アーリルを意味し、アーリルは上記のように定義される。
保護基または保護的な基は、以降の化学反応で化学選択性を求めるために分子に導入される置換基である。多くの保護基が当技術分野で既知であり、当業者は、本明細書に記載の方法と関連して組み込み、用いることができる保護基の種類を理解できる。「保護基に基づくペプチド合成」、一般的に固相ペプチド合成において、所望のペプチドは、構築中のペプチド鎖にアミノ酸部分を段階的に加えることによって調製される。固相合成において、2種の最も広く使われるプロトコルは、アミノ保護基としてtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)または9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)を使用する。アミノ保護基は一般的に、合成手順時に好ましくない反応からアミノ基を保護し、後でアミンを暴露するために除去できる。一般的に用いられるアミノ保護基は、Greene, T.W.ら, Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons(1999)に開示されている。アミノ保護基としては、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなど);スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなど);(保護されたアミンと共にウレタンを形成する)アルコキシカルボニル基またはアリールオキシ−カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニルイル)−1−メチルエトキシカルボニル、α−α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチロキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル(Teoc)、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど);アラルキル基(例えば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど);ならびにシリル基(例えば、トリメチルシリルなど)が挙げられる。アミン保護基は、アミノ態窒素を複素環に組み込むフタロイルおよびジチオスクシンイミジルなどの環状アミノ保護基も含む。一般的に、アミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、フェニルスルホニル、Alloc、Teoc、ベンジル、Fmoc、Boc、およびCbzが挙げられる。手元の合成作業課題のために適切なアミノ保護基を選択し使用することは、十分に当業者の技術範囲内である。
いくつかの実施形態において、RはHである。
いくつかの実施形態において、RまたはRは、Rに共有結合されて、N末端としてNRを有するプロリンを形成する。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、両方ともHでない。
いくつかの実施形態において、RおよびRは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸の諸アミノ酸鎖からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれHおよびCHであるか、またはその逆である。
いくつかの実施形態において、RまたはRは、−CH2−S−R(式中、Rは低級アルキル、低級アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、または複素環から選択される)であり、これらのすべては任意選択で1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、好ましくはRは、フェニル、もしくは低級アルキルで置換されたフェニル、ハロゲン、または低級アミノアルキルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、両方ともHでない。
いくつかの実施形態において、R**およびR***は、両方ともHでない。
いくつかの実施形態において、RおよびRは各々独立して、HまたはC(O)−NHRであり、RはHまたは低級アルキルである。好ましくは、Rはtert−ブチルまたはHである。
いくつかの実施形態において、RはHである。
いくつかの実施形態において、Rおよび、RまたはRのいずれかは、そのN末端としてN−Rを有するプロリン残基をもたらす環を形成する。
いくつかの実施形態において、nは1である。
いくつかの実施形態において、Lおよび−C=Oと共にZは、配列番号1〜380のいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、XはLeuである。
いくつかの実施形態において、XはAspである。
いくつかの実施形態において、XはThrである。
いくつかの実施形態において、XはValである。
いくつかの実施形態において、XはIleである。
いくつかの実施形態において、XおよびXは各々独立して、タンパク質原性または非タンパク質原性のα−アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、Xは、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のβ−アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、Xは、β−HomoLysまたはメチル−β−HomoLysである。
いくつかの実施形態において、XおよびXは各々、一次アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、XおよびXは各々、表1BのX列およびX列下にそれぞれ列挙されている任意のアミノ酸である。
種々の実施形態において、化合物は、化合物1〜389および456のいずれか1つであり、または多量体は、化合物390〜397および457〜538のいずれか1つである。
種々の実施形態において、多量体は、二量体、三量体、四量体、または5量体である。
いくつかの実施形態において、単量体化合物は、リンカーによって結合される。
いくつかの実施形態において、化合物は、R、R、R、R、R、R/R、X、またはXに関連した炭素、窒素、酸素、硫黄、または他の原子において共に結合される。
本明細書に記載の大環状分子を多量体化するために、エステル、アミド、アミン、または混合アミド/アミンを含む、種々のリンカーを用いることができることを当業者は理解する。さらなる結合としては、エーテル、チオエーテル、チオエステル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホンアミド、スルファメート、スルファミド、カルバメート、尿素、カルボナート、ホスホジエステル、ホスホンアミド、ホスホロアミダート、複素環(例えばアジド−アルキン環化付加(「クリック」ケミストリー)からのトリアゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、単量体大環状分子は、炭素−炭素単結合連結、炭素−炭素二重結合連結、または炭素−炭素三重結合連結を介してリンカーに共有結合できる。あるいは、単量体大環状分子は、上記結合のいずれかを介して第2、第3、または第4の単量体大環状分子に直接結合できる。この場合、正式なリンカー部分は存在しない。
いくつかの実施形態において、多量体はホモ多量体である。
いくつかの実施形態において、多量体はヘテロ多量体である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩が提供される。本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、過度の毒性、刺激、およびアレルギー反応を伴わずに疾患の処置に適する、水溶性もしくは油溶性もしくは油分散性であり、適切なベネフィット/リスク比に相応し、かつそれらの意図される用途のために効果的である、本発明の化合物の塩または双性イオン形態を表す。塩は、アミノ基の適切な酸での処理によって、化合物の最終的分離および精製時に、または別々に調製できる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p‐トルエンスルホン酸、およびウンデカン酸塩が挙げられる。また、本発明の化合物中のアミノ基は、メチル、エチル、プロピルとブチルクロリド、臭化物、およびヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルスフフェート;デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステリルクロリド、臭化物、およびヨウ化物;ならびにベンジルおよび臭化フェネチルで四級化できる。治療的に許容される付加塩を形成するために用いられる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸と、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などの有機酸が挙げられる。特定の実施形態において、本明細書に記載のペプチド化合物のいずれかは、塩の形態、例えば酢酸塩である。
一態様では、薬学的に許容される担体と共に本明細書に記載の多量体を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、経口送達、局所送達、および非経口送達のいずれか一つのために調製されてよい。
本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤と抗真菌剤、等張剤、および吸収遅延剤などを意味する。薬学的に許容される担体の例としては、水、生理食塩水、リン酸塩緩衝生理的食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどのうちの1または複数種、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。多くの場合、医薬組成物に等張剤、例えば、糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトールなど)、または塩化ナトリウムを組み入れることが好ましい。薬学的に許容される担体は、薬剤の有効期間または有効性を向上させる少量の補助剤、例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、保存剤、または緩衝剤をさらに含んでよい。
一態様では、患者において炎症または自己免疫疾患を処置する方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含む、方法が提供される。好ましくは、炎症または自己免疫疾患は胃腸系である。
一態様では、α4β7インテグリンの生物学的機能に関連する患者において状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、状態または疾患は、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック疾患(非熱帯性スプルー)、血清反応陰性関節症に関連する腸疾患、顕微鏡的大腸炎、膠原線維性大腸炎、好酸球性胃腸炎、放射線療法、化学療法、直腸結腸切除と回腸肛門吻合の後に生じる回腸嚢炎、胃腸癌、膵臓炎、インスリン依存生糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、原発性硬化性胆管炎、胃腸管におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、好酸性喘息、好酸性食道炎、胃炎、大腸炎、顕微鏡的大腸炎、移植片対宿主病、放射線療法もしくは化学療法に伴う大腸炎、白血球粘着不全症1型でのような自然免疫障害に伴う大腸炎、慢性肉芽腫症、糖尿病1b型、ヘルマンスキー・パドラック症候群、チェディアック・東症候群、およびウィスコット・アルドリッチ症候群、または直腸結腸切除と回腸肛門吻合の後に生じる回腸嚢炎および胃腸癌の種々の形態、骨粗鬆症、関節炎、多発性硬化症、慢性疼痛、体重増加、およびうつ病である。別の実施形態において、状態は膵臓炎、インスリン依存生糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、または移植片対宿主病である。
好ましい実施形態において、炎症性腸疾患は、例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病である。
一態様では、患者において疾患または状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含み、疾患または状態がウイルスまたはレトロウイルスの局所感染症もしくは全身感染症である、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、ウイルスまたはレトロウイルスは、エコーウイルス1型と8型、エコーウイルス9型/Barty株、ヒトパピローマウイルス、ハンタウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、口蹄疫ウイルス、コクサッキーウイルスA9型、ヒトパレコウイルス1型、またはヒト免疫不全ウイルス1型である。
一態様では、患者において疾患または状態を処置するための方法であって、本明細書に記載の多量体の治療有効量を患者に投与することを含み、疾患がA型肝炎、B型肝炎もしくはC型肝炎、肝性脳症、非アルコール性脂肪性肝炎、硬変症、静脈瘤出血、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、チロシン血症、α1アンチトリプシン欠損症、糖原病、肝細胞癌、肝癌、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、原発性胆管硬化症、胆道疾患、自己免疫性肝炎、または移植片対宿主病である、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、多量体はα4β7インテグリンのMAdCAMへの結合を阻害する。好ましくは、化合物はα4β7インテグリンのMAdCAMへの結合を選択的に阻害する。
いずれの実施形態において、患者は、好ましくはヒトである。
本明細書で用いる場合、「疾患」、「障害」、および「状態」という用語は、同じ意味で用いられてよい。
本明細書で用いる場合、「阻害」、「処置」、「処置する」、および「寛解させる」は、同じ意味で用いられ、対象、例えば哺乳動物における、例えば、症状の停止、生存率の延長、症状の部分的もしくは完全な寛解、ならびに状態、疾患、または障害の部分的もしくは完全な根絶を指す。
本明細書で用いる場合、「予防する」または「予防」は、(i)対象、例えば哺乳動物において、特に、そのような対象が状態になりやすい素因を有するがそれを患っているとまだ診断されていない場合、疾患、損傷、もしくは状態が起こることを予防する、もしくは阻止すること;または(ii)対象において、疾患、損傷、または状態が起こる可能性を減少させることを含む。
本明細書で用いる場合、「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するのに必要な、投与量でかつ特定の期間にわたって、有効な量を指す。薬剤の治療有効量は、諸要因、例えば、個体の病状、年齢、性別、および体重に応じて、ならびに個体において所望の反応を誘発するための薬剤の性能によって変化し得る。治療有効量はまた、薬剤のあらゆる毒作用または有害効果が治療的に有益な効果によって凌駕される量でもある。
いくつかの実施形態において、化合物は、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、くも膜下腔内投与、吸入投与、気化投与、噴霧化投与、舌下投与、頬側投与、非経口投与、経直腸投与、経腟投与、および局所投与からなる群から選択される投与形態で投与される。
いくつかの実施形態において、化合物は、初回投与に続いて1また複数回の後続投与として投与され、任意の2回の投与間の最小間隔は1日未満の期間であり、および各投与は化合物の有効量を含む。
いくつかの実施形態において、化合物の有効量は、以下からなる群から選択される少なくとも1つを達成するのに十分な量である:a)α4β7インテグリン分子上のMAdCAM結合部位の約50%以上の飽和;b)細胞表面でのα4β7インテグリン発現の約50%以上の阻害;ならびにc)α4β7インテグリン分子上のMAdCAM結合部位の約50%以上の飽和および細胞表面でのα4β7インテグリン発現の約50%以上の阻害、ただし、i)飽和は、1日2回を超えない投与頻度に矛盾しない期間中維持される、ii)阻害は、1日2回を超えない投与頻度に矛盾しない期間中維持される、またはiii)飽和および阻害は各々、1日2回を超えない投与頻度に矛盾しない期間中、維持される。
いくつかの実施形態において、化合物は、24時間中、1時間ごと、4時間ごと、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、隔日、週1回、隔週、および毎月からなる群から選択される間隔で投与される。
本明細書に記載の化合物は、当業者には既知の方法、例えば、国際公開第2016/054411号に記載の方法およびリンカーを用いて多量体化されることができる。
本発明の利点を以下の実施例によってさらに説明する。本明細書に記載の実施例およびそれらの特定の詳細は、説明のためのみ示されており、本発明の特許請求の範囲の限定として解釈されるべきではない。
実施例
方法および材料
合成
本明細書に記載の環状ペプチドを作製するための適用可能な方法は全体的に、本出願人のPCT国際公開第WO2010/105363号と、本出願同日に提出された「環状ペプチドのフラグメント合成」(代理人整理番号55813832−6PCT)と題され、2015年11月11日出願の米国仮出願第62/254003号に対して一般優先権を主張する出願に見出すことができる。
より具体的には、表1Xに示される化合物の各々を合成するために、以下のプロトコルを用いた。化合物の多量体も、表2Xに示されているように合成した。
プロトコルA:一般的なナセリン合成
1.樹脂の調製:Fmocアミノ酸(樹脂に対して1.1当量)をCHCI(10mL/g樹脂)に溶解した。アミノ酸が完全に溶解しなかった場合は、均一混合物が撹拌/超音波処理時に持続するまで、DMFをゆっくりと滴下した。2−クロロトリチル樹脂をCHCI(5mL/g樹脂)中で15分間膨潤させた。CHCIを次いで排出し、2−Cl Fmocアミノ酸溶液を、Trt樹脂が入っている容器に加えた。DIPEAを加え(アミノ酸に対して2当量)、容器を5分間撹拌した。新たにDIPEAを次いで2当量加え、容器をさらに60分間撹拌させておいた。樹脂を次いで、何らかの残存する反応性2−Cl Trt基をエンドキャップするためにメタノール(1mL/g樹脂)で処理した。溶液を15分間混合し、排出し、CHCI(3回)、DMF(3回)、CHCI(2回)、およびMeOH(3回)ですすいだ。樹脂を次いで真空下で乾燥し秤量して、Fmocアミノ酸の推定負荷を決定した。
2.手動合成または自動合成による直鎖ペプチド配列の調製:完全に保護された樹脂結合ペプチドを、標準Fmoc固相ペプチド化学によって手動で、または自動ペプチド合成機を用いて合成した。すべてN−Fmocアミノ酸を使用した。
a.Fmoc脱保護:樹脂をNMPまたはDMF中20%ピペリジンで2回、それぞれ5分間と10分間、処理し、各添加後にDMFおよびNMPを連続して洗浄した。
b.Fmocアミノ酸カップリング:樹脂をNMP中3当量のFmocアミノ酸、3当量のHATU、および6当量のDIPEAで60分間、処理した。カップリングが困難な場合、NMP中3当量のFmocアミノ酸、3当量のHATUおよび6当量のDIPEAでの2回目の処理を、40分間行った。
3.保護基の保持による一般的な切断:所望の直鎖配列を合成したら、樹脂を1.)1:3のHFIP:CHClまたは2.)CHClに溶解した5%TFAのいずれかで2回、それぞれ30分間処理して、固体支持体から切断した。溶媒を次いで取り除き、冷却したtert−ブチルメチルエーテル(またはジエチルエーテル/ヘキサン)で2回トリチュレートして、所望の生成物を得た。純度を次いで、逆相LCMSによって分析した。
プロトコルB:N−アルキル化Fmocアミノ酸ビルディングブロックの調製
1.樹脂調製:プロトコルA、ステップ1を参照されたい
2.Fmoc脱保護:プロトコルA、ステップ2aを参照されたい
3.ノシル保護:脱保護した樹脂をCHCI(5mL/mmol樹脂)およびDIPEA(6.5当量)中で撹拌した。塩化ノシル溶液(4.0当量)を、急速な発熱反応をふせぐために、ゆっくりと30分間かけて滴下した。添加が完了した後、撹拌を室温で3時間続けた。得られたノシル保護樹脂を濾過し、CHCI、MeOH、CHCI、およびTHFで洗浄した。
4.N−メチル化:THF(10mL/mmol樹脂)中樹脂の懸濁液に、THF(2M)とMeOH(10当量)中のトリフェニルホスフィン(5当量)の溶液を加えた。懸濁液を撹拌しながら氷浴中で冷却した。THF(1M)中のDIAD(5当量)の溶液を添加漏斗で滴下した。添加が完了した後、氷浴を取り除き、反応物を室温でさらに90分間撹拌した。樹脂を濾過し、THF(4回)、CHCl(3回)、次いでTHF(2回)で洗浄した。
5.ノシル脱保護:NMP(10mL/mmol樹脂)中の樹脂の懸濁液に、2−メルカプトエタノール(10.1当量)およびDBU(5.0当量)を加えた。溶液の色が濃緑色になった。5分後、樹脂を濾過し、洗浄液が無色になるまで、DMFで洗浄した。この方法を再度繰り返し、樹脂を次いで最後にCHClで洗浄した。
6.Fmoc保護:CHCI(7mL/mmol樹脂)中の樹脂の懸濁液に、CHCl(7mL)およびDIPEA(6.1当量)中のFmoc−Cl(4当量)の溶液を加えた。懸濁液を室温で4時間撹拌し、次いで濾過し、CHCI(2回)、MeOH(2回)、CHCI(2回)、次いでEtO(2回)で洗浄した。
7.樹脂からの切断:プロトコルA、ステップ3を参照されたい。
プロトコルC:還元的アミノ化
1.Fmocワインレブアミド形成:CHCl(6.5mL)中のFmocアミノ酸(1mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン−HCl(1.2当量)、およびHCTU(1.2当量)の混合物を0℃に冷却した。DIPEA(3当量)を次いで、この混合物に撹拌しながらゆっくりと滴下した。冷却浴を取り除き、反応物を室温で16時間撹拌した。HCl(4mL)の10%溶液を加えると、沈殿物が形成され、これを濾過して取り除いた。濾液を10%HCl(4mLで3回)で、次いで塩水(4mLで2回)で洗浄した。有機相を次いで、NaSO上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、粗Fmocワインレブアミドを得、これを精製せずに次の反応で使用した。
2.a)Fmocアミノアルデヒド形成:水素化アルミニウムリチウム粉末(1.5当量)を乾燥したフラスコに入れた。THF(Sigma−Aldrich、BHT250ppm、ACS試薬>99.0%、6.5mL)を加え、生じたスラリーを撹拌しながら−78℃に冷却した。このスラリーに、THF中のFmocワインレブアミド溶液(10mL)を加えた。反応器を氷/水浴へ移し、0℃で1時間維持した。0℃で反応物に、アセトン(1.5mL)、続いてHO(0.25mL)を滴下し、次いで反応物を室温でさらに1時間撹拌させておいた。混合物を、セライトを通して濾過し、EtOAc(10mL)およびMeOH(10mL)で洗浄し、濾液を濃縮した。粗材料をCHCI(6.5mL)に溶解し、塩水(3mLで2回)で洗浄し、有機相を次いでNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、Fmocアミノアルデヒドを得た。
あるいは、b)アルゴン雰囲気下で、THF(Sigma−Aldrich、157.81mL、157.82mmmol、1当量)中の水素化アルミニウムリチウム1.0M溶液を0℃で、THF(Sigma−Aldrich、BHT250ppm、ACS試薬、>99.0%、1L)中のワインレブアミド(157.82mmol)溶液に徐々に加え、次いで1時間撹拌した。0℃で反応物をEtO(500mL)で希釈し、得られた溶液を10%NaHSO(300mLで10回)、10%KHSO(300mLで10回)およびHCl(300mLで10回)で洗浄した。有機相を次いでNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗Fmocアミノアルデヒドを得た。
3.樹脂上での還元的アミノ化:樹脂上の直鎖ペプチドを固相ペプチド合成反応器に入れ、DMF(22mL/g樹脂)で希釈した。Fmocアルデヒド(4.0当量)を加え、反応物を終夜振盪させておいた。溶液を次いで排出し、樹脂をCHCl(3回)およびDMF(3回)で洗浄した。樹脂を次いでMeOH/CHCl(22mL/g樹脂、1:3比)の混合液で希釈し、続いてNaBH(7当量)を加えた。混合物を、4時間振盪させておき、次いで溶液を排出し、樹脂をCHCl(3回)およびDMF(3回)で洗浄した。
プロトコルD:フラグメントベースの大環状化
a)2ドラムバイアル中で、直鎖ペプチド0.1mmolとDEPBT(1.5当量)を蒸留直後のTHF(0.02M)5mLに溶解した。DIPEA(3当量)を次いで加え、反応混合物を室温で終夜撹拌させた(16時間)。テトラアルキルアンモニウム炭酸樹脂(Biotage(登録商標)、6当量)を次いで反応混合物に加え、さらに24時間、撹拌し続けた。反応物を次いで、固相抽出容器を介して濾過し、CHCI2(2mL)ですすいだ。濾液と洗浄液を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。
あるいは、b)2ドラムバイアル中で、直鎖ペプチド0.1mmolとHATU(2当量)をCHCl(1.25mM)80mLに溶解した。DIPEA(6当量)を次いで加え、反応混合物を室温で終夜撹拌させた(16時間)。溶媒を減圧下で除去した。
プロトコルE:アジリジンアルデヒドベースの大環状化
直鎖ペプチドをTFEに溶解した(溶解性の問題が発生した場合、TFE:CHClの50:60混合物を環化のために使用した)。次いで、TFE保存液(0.2M)として0.6当量の(S)−アジリジン−2−カルボキシアルデヒド−二量体(文献のプロトコル:J. Am. Chem. Soc. 2006, 128(46), 14772−14773およびNat Protoc. 2010, 5(11), 1813−1822に従って調製した)を加え、0.1Mの最終反応混合物濃度を得た。tert−ブチルイソシアニド(1.2当量)を次いで加え、反応混合物を4時間撹拌した。進行を、LC−MSにより途中で分析した。
プロトコルF:大環状化後、アシルアジリジンの求核的開環
a)チオ酢酸/チオ安息香酸:対応するチオ酸(4当量)を粗反応混合物に加えた。反応の進行は、LC−MSでモニターし、1〜2時間後に大体完了した。
あるいは、b)チオフェノール:チオフェノール(4当量)およびDIPEA(4当量)を粗環化混合物に加えた。
反応の進行は、LC−MSでモニターし、1〜2時間後に大体完了した。溶媒を減圧下で除去し、真空下で乾燥した。粗材料をEtO/ヘキサンまたはTBMEのいずれかでトリチュレートし、またはあるいは、HOで希釈し、凍結乾燥した。
プロトコルG:大環状化後、スズキカップリング
a)一般的な一例として、大環状分子を含有するヨード−phe(0.1mmol)、NaCO(2当量)、置換ボロン酸(1.1当量)、および水:アセトニトリル(1:1比)4mLをマイクロ波バイアル中で合わせた。混合物をNガス流で10分間処理した。N下の間、ケイ素系Pd触媒(Siliacat−DPP Pd不均一系触媒、0.05当量)を加えた。反応バイアルを密封し、電子レンジ中に120℃で10分間(基質に応じて、反応時間および温度を30分間、および150℃に上げた)置くか、または90℃で1時間熱により加熱した。反応の進行をLCMSでモニターした。完了すると、反応物をセライトプラグにより濾過し、溶媒を減圧下で除去した。
あるいは、b)具体例として、3−(((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)メチル)−4−ブロモ安息香酸を用いて調製した大環状分子と共にスズキカップリングを以下の通りに行った:Asp残基のβーtert−ブチルエステルおよびThr残基のtert−ブチルエテル(200mg、0.22mmol)として直交保護された粗大環状化合物340と、4−(4−Boc−ピペラジノ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(171mg、0.44mmol)との混合物を室温で1,2−ジメトキシエタン(5.4mL)およびエタノール(1.2mL)に溶解した。この溶液に、水(1.2mL)に続いてNaCO(35mg、0.33mmol)を加えた。反応フラスコを窒素ガス下で少なくとも5〜10分間フラッシュし、次いで触媒SiliaCat−DPP Pd(88mg、10mol%、0.25mmol/gm)を加えた。反応混合物を窒素下で撹拌しながら90℃で1時間加熱した。1時間後LCMSは基質および約5%の脱臭素化化合物の完全消化を示し、所望のスズキクロスカップリング生成物は、UVによる過剰ボロン酸エステルを考慮すると、約84%収率を示した。反応混合物を室温に冷却し、セライトパッド上で濾過して、触媒SiliaCat−DPP Pdを除去した。セライトパッドを少量のDCMで洗浄し、真空下で溶媒を除去して、スズキカップリング生成物として淡黄色の粗固体を得た。試薬3−(((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)メチル)−4−ブロモ安息香酸をそれ自体、次の通り、メチルエステルのけん化およびFmocカルバメートとしてアミンの保護によってメチル3−(アミノメチル)−4−ブロモベンゾエート(米国特許出願公開第2011251247号)から調製した:ジオキサン(33mL)および水(9mL)中のメチル3−(アミノメチル)−4−ブロモベンゾエート(1.36g、5.57mmol)の溶液に水酸化リチウム(6.13mL、6.13mmol)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。TLCは、加水分解反応が完了したことを示した。ジオキサン(16mL)を加えた。混合物を、1N HCI(水溶液)(6.17mL)の添加により中和した。炭酸水素ナトリウム(0.468g、5.57mmol)を加え、続いて(9H−フルオレン−9−イル)メチルカルボノクロリダート(2.162g、8.36mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、1N HCI(水溶液)(6.2mL)を加えることによってpH3に酸性化した。水(40mL)を加え、AcOEt(4回、150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を約50mLに留去した。沈殿が起こり始め、それを室温で終夜ゆっくりと続けさせた。白色固体を次いで濾過により収集し、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥して、3−(((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)メチル)−4−ブロモ安息香酸(2.0g、4.42mmol、79%収率)を得た。
プロトコルH:一般的なウルマンカップリング、大環状化後
不活性雰囲気下でペプチド大環状分子(0.018mmol)を、乾燥CHCl2mLを含有する2ドラムバイアルに入れ、Cu(OAc)(1当量)、ベンゼンボロン酸(2当量)、および4Å(オーブン乾燥)モレキュラーシーブを次いでバイアルに加え、続いてDIPEA(4当量)を加えた。バイアルの内容物を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLCMSで評価した。反応が完了したと判断されたら、混合物をセライトプラグにより濾過し、溶媒を減圧下で除去した。
プロトコルI:一般的な全体的脱保護および切断
側鎖保護基の脱保護を、TFA:HO:TIS(95:2.5:2.5)からなる切断混合物2mLにペプチドを2時間溶解することによって達成した(高感度ペプチドの場合、TFA:HO:TIS(95:2.5:2.5)混合物をTFA:CHCl(50:50)の混合物に代えてもよい)。続いて、切断混合物を減圧下で留去し、ペプチドを冷却ジエチルエーテル/ヘキサン(またはtert−ブチルメチルエーテル)から2回沈殿させた。
プロトコルJ:還元的に不安定な保護基の一般的切断
a)Pd/Cおよびギ酸による脱ベンジル化:ベンジル保護大環状分子(0.35mmol)を、10%ギ酸、10重量%Pd/C(Sigma−Aldrich、37mg、0.1当量)を含むMeOH(8mL)に溶解し、55℃に1〜4時間加熱した。反応が完了したと判断されたら、混合物をセライトプラグにより濾過し、MeOHで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。
またはあるいは、b)ラネーニッケル脱硫/脱ベンジル化:ラネーニッケル・スラリー(1〜2mL)を環化反応混合物に直接加え、終夜勢いよく撹拌した。バイアルを次いで遠心分離し、液体を、風袋計量したバイアルにピペットを使用して移した。MeOHを、ラネーニッケルを含有するバイアルに加えた。バイアルを次いで超音波処理し、ボルテックスし、遠心分離した。再び、液体を、風袋計量したバイアルに移した。このプロセスをEtOAcで繰り返し、次いで最後にMeOHで繰り返した。合わせた洗浄液を次いで減圧下で除去し、残留物を真空下で乾燥した。
プロトコルK:大環状化後、側鎖のアミド化
大環状分子(0.021mmol)をCHCN1mLに溶解した。KCO(5当量)および対応する酸塩化物(2当量)を次いで加え、反応混合物を室温で終夜撹拌させておいた。午前中に反応の進行をLC−MSで確認した。完了すると、溶媒を減圧によって除去した。
プロトコルL:蛍光色素の付着
大環状分子(4μmol)をDMSO(200μL)に溶解した。DIPEA(5当量)を次いで加えた。別のバイアル中で、NHSエステルとして5mgの蛍光色素を200μLのDMSOに溶解した。大環状分子溶液を次いで蛍光標識溶液に加えた。反応混合物を終夜撹拌した。午前中に反応の進行をLC−MSで確認し、次いで溶媒を凍結乾燥によって除去した。
プロトコルM:精製方法
すべての大環状分子を30gのRediSep C18 Goldカラムを用いる逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。勾配は、35mL/分の流速で、溶離液A(再蒸留水中の0.1%ギ酸)と溶離液B(HPLCグレードのアセトニトリル中の0.1%ギ酸)からなった。
多量体化プロトコル
プロトコルN:多量体化のためのリンカー合成
a)塩化アシルリンカーの調製:
ジカルボン酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸(1当量)と、CHCl(0.114M濃度)とを2−ドラムバイアルに加えた。SOCl(カルボン酸に対して15当量)を次いで加え、反応混合物を室温で4時間、撹拌させておいた(いくつかの基質は完全溶液および/または変換のために70℃で終夜加熱する必要があった)。溶媒をN流で除去した。残留物を3mLの乾燥CHClに溶解し、これを次いでN流下で除去した。試料からいずれの遊離HClを除去するためにこのプロセスをさらに2回行った。得られた残留物を次いで、精製せずに二量体化で使用した。
b)ベンゾトリアゾールリンカーの調製、方法A:ジクロロメタン(開始リンカー1mmolあたり20mL)中のベンゾトリアゾール溶液(カルボン酸に対して10当量)に塩化チオニル(カルボン酸に対して2当量)を加え、この溶液を室温で20分間撹拌した。ジカルボン酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸(1当量)を各混合物に加え、次いで室温で24時間撹拌した(追加順の変更は結果を物質的に変えなかった)。反応をNaHCO(10%、100mL)でクエンチし、層を分離した。有機層をHCl(10%、100mLで2回)およびNaHCO(10%、100mLで2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で留去して、所望のベンゾトリアゾール活性化カルボン酸を得た。
c)ベンゾトリアゾールリンカーの調製、方法B:ジクロロメタン(開始リンカー1mmolあたり20mL)中のHATU(カルボン酸に対して1.5当量)、ベンゾトリアゾール(カルボン酸に対して2当量)およびジカルボン酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸(1当量)の懸濁液にDIPEA(カルボン酸に対して3当量)を加え、得られた黄色溶液を室温で16時間撹拌した。反応をNaHCO(10%、100mL)でクエンチし、層を分離した。有機層をHCl(10%、100mLで2回)およびNaHCO(10%、100mLで2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で留去して、所望のベンゾトリアゾール活性化カルボン酸を得た。
d)Lys(CBz)−ピメリン酸−Lys(CBz)リンカーの調製:ピメリン酸を、プロトコルNbを用いてビス−ベンゾトリアゾール活性化部分に変換した。市販のNα−Z−L−リジンメチルエステル塩酸塩(2当量;Chemlmpex)を、DIPEA(10当量)を含有するCHCN(0.011M)中のビス−ベンゾトリアゾール活性化ピメリン酸(1当量)で処理した。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。溶媒をロートエバポレーションによって除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、中間体としてLys(CBZ)−ピメリン酸−Lys(CBZ)の精製ビス−メチルエステルを得た。THF(10mL)中のビス−メチルエステル溶液(1.5mmol、1.0当量)にLiCl(3.0mmol、2.0当量)およびLiOH−HO(3.0mmol、2.0当量)を加え、続いてHO(250μL)を加えて、塩の可溶化を促進した。反応物を室温で終夜撹拌した。LC−MSモニタリングで評価し、加水分解が完了すると、ギ酸を滴下して、塩基性溶液を中和した。溶媒をロートエバポレーションによって除去し、粗材料を逆相クロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製二酸リンカーを得た。
e)PEG2−ジグリコール酸−PEG2リンカーの調製:無水CHCI(5mL)中の塩化ジグリコール酸(0.35mmol;1当量;Sigma Aldrichカタログ番号378151)を、NH−PEG2−CHCHCOOtBu(2当量;Biochempegカタログ番号MD005067−2)で処理し、続いてDIPEA(3.5mmol、10.0当量)を滴下した。特に留意されたい−この追加順番は極めて重要であることが判明した。反応をLC−MSでモニターした。30分後に、反応が完了し、より長い撹拌時間は生成物比に影響を及ぼさなかった。溶媒を真空下で除去し、粗材料を逆相クロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製ジ−tert−ブチルエステル中間体を得た。tert−ブチルエステル基の除去を、プロトコルIによって行った。二酸リンカーを粗材料として単離し、さらに処理をせずに多量体化反応などで使用した。
f)PEG2−ジフェン酸−PEG2リンカーの調製:ジフェン酸を、プロトコルNbを用いてビス−ベンゾトリアゾール活性化部分に変換した。市販のNH−PEG2−CHCHCOOtBu(2当量;Biochempegカタログ番号MD005067−2)を、DIPEA(10当量)を含有するCHCN(0.011M)中のビス−ベンゾトリアゾール活性化ジフェン酸(1当量)で処理した。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。溶媒をロートエバポレーションで除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製ジ−tert−ブチルエステル中間体を得た。tert−ブチルエステル基の除去を、プロトコルIによって行った。二酸リンカーを粗材料として単離し、さらに処理をせずに多量体化反応などで使用した。
g)PEG2−ピメリン酸−PEG2リンカーの調製:ピメリン酸を、プロトコルNbを用いてビス−ベンゾトリアゾール活性化部分に変換した。市販のNH−PEG2−CHCHCOOtBu(2当量;Biochempegカタログ番号MD005067−2)を、DIPEA(10当量)を含有するCHCN(0.011M)中のビス−ベンゾトリアゾール活性化ピメリン酸(1当量)で処理した。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。溶媒をロートエバポレーションで除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製ジ−tert−ブチルエステル中間体を得た。tert−ブチルエステル基の除去を、プロトコルIによって行った。二酸リンカーを粗材料として単離し、さらに処理をせずにこれを多量体化反応などで使用した。
プロトコルO:ナセリン多量体化
a)ビスアシルクロリド活性化リンカーまたはトリアシルクロリド活性化リンカーを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の多量体化:アルゴン雰囲気下で新たに調製した、対応する塩化アシル(0.35mmol、1.0当量)を無水CHCl(5mL;規模の大きい反応では高収率の二量体化をもたらすためにより高い濃度の溶液が必要であることを留意されたい)に溶解した。反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された、単量体大環状分子(ビスアシルクロリド、トリスアシルクロリド、またはテトラアシルクロリドの場合、2当量、3当量、または4当量)をフラスコに入れ、続いてDIPEAを滴下した(3.5mmol、10.0当量);特に留意されたい−この追加順番は極めて重要であることが判明した。反応をLC−MSでモニターした。30分後に、反応が完了し、より長い撹拌時間は生成物比に影響を及ぼさなかった。溶媒を真空下で除去し、粗材料を逆相クロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製生成物を得た。
b)ベンゾトリアゾール活性化リンカーを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の多量体化:CHCN(1mL)中の、反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された、単量体大環状分子(2、3または4当量)と、多量体化前の1週間以内に、前もって調製された、対応するベンゾトリアゾール活性化リンカー(0.011mmol、1当量)の溶液にDIPEA(0.02mL、0.114mmol、10当量)の存在下で。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。溶媒をロートエバポレーションで除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製生成物を得た。
c)2−クロロアセチルクロリドを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の二量体化:蒸留THF(1.0mL)中の、反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された単量体大環状分子(0.0571mmol、2当量)の溶液に、2−クロロアセチルクロリド(3.19mg、0.029mmol、1当量)に続いてDIPEA(25uL、0.17mmol、6.0当量)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。Nal(8.5mg、0.05708mmol、2当量)を次いで加え、反応混合物を50℃で2時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製生成物を得た。
d)アクリロイルクロリドを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の二量体化:蒸留THF(1.0mL)中の、反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された単量体大環状分子(0.0571mmol、2当量)の溶液に、アクリロイルクロリド(2.6mg、0.029mmol、1当量)に続いてDIPEA(25uL、0.17mmol、6.0当量)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。DBU(8.5uL、0.057mmol、2当量)を次いで加え、反応物を50℃で5時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製生成物を得た。
e)ヒドロキシル含有単量体大環状分子の多量体化:ジカルボン酸リンカー、トリカルボン酸リンカー、またはテトラカルボン酸リンカー(4.3μmol)、単量体大環状分子(2、3、または4当量)、DMAP(2、3、または4当量)、およびEDC−HCl(4、8、または12当量)をDCM(500〜1000μL)に溶解した。反応混合物を室温で終夜撹拌させておいた。反応の進行をLC−MSで評価した。完了すると、溶媒を減圧下で除去し、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、精製生成物を得た。
f)2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジンを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の二量体化:1−ドラムバイアル中で、クロロホルム(1mL)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(2.0mg、0.010mmol、1.0当量)および、反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された単量体大環状分子(0.021mmol、2.1当量)の溶液に、DIPEA(0.02mL、0.11mmol、11.0当量)を加え、反応混合物は直ちに黄色に変わった。撹拌を室温で終夜し続け、その時点でLC−MS分析は所望の二量体へのほぼ完全な変換を示した。追加の24時間の反応時間は、それ以上の変換をもたらさなかった。溶媒をロートエバポレートして乾燥させ、粗残留物を逆相クロマトグラフィーにかけて、76%の単離収率で精製物を得た。
g)HATU活性化リンカーを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の多量体化:1mLの無水DCM中の、反応性アミン中心の遊離塩基/非加塩形態として最適に補充された、単量体大環状分子(2、3、または4当量)の溶液に、室温にて不活性雰囲気下でジ置換カルボン酸、トリ置換カルボン酸、またはテトラ置換カルボン酸(1当量)を加えた。HATU(3、6、または9当量)を溶液に加え、続いてDIPEA(3、6、または9当量)を加えた。反応混合物を終夜撹拌させておいた。14時間後のLC−MSによる反応の進行評価は完了を示した。反応混合物をロートエバポレートしてほぼ乾燥し、次いで高真空下に置いた。直交保護基が除去を必要としない場合(例えば、CBzカルバメートとして保護されているアミン)、粗材料を逆相シリカクロマトグラフィーにかけて、精製物を得た。
h)ハライド活性化リンカーを使用することによるアミン含有単量体大環状分子の多量体化:CHCN(2mL)中の単量体大環状分子(ジハライドと共に使用した場合は3.0当量、トリハライドと共に使用した場合は4.5当量)および対応するジハライドリンカー(1.0当量)の溶液にDIPEA(約30当量)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した(LC−MSでモニターした)。溶媒を除去し、粗材料を逆相クロマトグラフィーにかけて、精製物を得た。
インテグリンα4β7−MAdCAM−1 ELISA競合アッセイ
96ウェルMicrolonプレート(Greiner、655001)の各ウェルを、炭酸緩衝液(50mM、pH9.6)中の1μg/mL組換えインテグリンα4β7(R&D Systems、5397−A3−050)の溶液100μLでコーティングした。プレートを4℃で終夜インキュベートした。溶液を除去し、250μLのブロッキング緩衝液(50mMのTris、150mMのNaCI、1mMのMnCl、1%BSA、0.05%Tween)を各ウェルに加えた。プレートを次いで室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液(50mMのTris、100mMのNaCI、1mMのMnCI、0.05%Tween)で、3回洗浄した。各ウェルに、アッセイ緩衝液で希釈した50μLの化合物を化合物段階希釈プレートから移して加えた。アッセイ緩衝液(50mMのTris、150mMのNaCl、1mMのMnCl、0.1%BSA、0.05%Tween)中0.1μg/mLの濃度の組換えMAdCAM−Fc(R&D systems、6056−MC−050)50μLを各ウェルに加えた。結合平衡に達するように、プレートを振盪(300rpm)させながら、室温で2時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、アッセイ緩衝液で1:2000に希釈した抗ヒトIgG Fc特異的HRP(Abcam、Ab97225)100μLを各ウェルに加えた。プレートを室温で撹拌しながら1時間、インキュベートした。プレートを次いで3回洗浄し、続いて1,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB、KPL5120−0083)100μLを各ウェルに加えた。反応を、2分間のインキュベーションの後、50μLの1M HSOを加えることにより停止させ、光学吸光度を450nMで読み取った。
インテグリンα4β1−VCAM−1競合ELISA
96ウェルMicrolonプレート(Greiner、655001)の各ウェルを、炭酸緩衝液(50mM、pH9.6)中の0.5μg/mL組換えインテグリンα4β1(R&D Systems、5397−A3−050)の溶液100μLでコーティングした。プレートを4℃で終夜インキュベートした。溶液を除去し、250μLのブロッキング緩衝液(50mMのTris、150mMのNaCI、1mMのMnCl、1%BSA、0.05%Tween)を各ウェルに加えた。プレートを次いで室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液(50mMのTris、100mMのNaCI、1mMのMnCI、0.05%Tween)で、3回洗浄した。各ウェルに、アッセイ緩衝液で希釈した50μLの化合物を化合物段階希釈プレートから移して加えた。アッセイ緩衝液(50mMのTris、150mMのNaCl、1mMのMnCl、0.1%BSA、0.05%Tween)中0.1μg/mLの濃度の組換えVCA−Fc(R&D systems、862−VC−100)50μLを各ウェルに加えた。結合平衡に達するように、プレートを振盪(300rpm)させながら、室温で2時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、アッセイ緩衝液で1:2000に希釈した抗ヒトIgG Fc特異的HRP(Abcam、Ab97225)100μLを各ウェルに加えた。プレートを撹拌しながら室温で1時間インキュベートした。プレートを次いで3回洗浄し、続いて1,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB,(TMB、KPL5120−0083)100μLを各ウェルに加えた。反応を、2分間のインキュベーションの後、50μLの1M HSOを加えることにより停止させ、光学吸光度を450nMで読み取った。
インテグリンα4β7−MAdCAM細胞接着アッセイ
RPMI8866ヒト細胞(Sigma#95041316)を、10%FBS(Seradigm)と1%ペニシリン−ストレプトマイシンとを補充したRPMI1640培地(HyClone SH30027.1)中で培養した。96ウェルプレート(Costar、3603)の各ウェルを、コーティング緩衝液(50mMの炭酸ナトリウム、pH9.6)中の0.25μg/mLのヒト組換えMAdCAM−1Fc Chimera(R&D Systems,6056−MC−050)の溶液100mLでコーティングした。プレートを4℃で終夜インキュベートし、1ウェルあたり150μLの洗浄緩衝液(PBS中の0.05%Tween20)で2回洗浄し、1ウェルあたり250μLのブロッキング緩衝液(PBS中の1%脱脂粉乳)でブロックし、室温で2時間インキュベートした。RPMI8866細胞を、5mMカルセイン含有PBSに10百万細胞/mLで再懸濁し、50mLチューブ中で37℃にて30分間インキュベートした。PBSをチューブに満たし、細胞を沈降させRPMI1640培地中で2百万/mLに再懸濁した。化合物を、結合緩衝液(1.5mMのCaCl、0.5mMのMnCI、50mMのTris−HCl、pH7.5)での段階希釈によって2×濃度で1ウェルあたり50μLの最終量に希釈した。プレートを300μLのPBSで1回洗浄し、50μLの化合物と50μLの細胞(100,000細胞)とを各ウェルに移し、プレートを37℃にて、5%COの暗所で45分間インキュベートして、細胞接着させた。プレートを、紙タオルの上で反転させ拭き取ることにより空にし、PBSを用いて2回手動で洗浄した。100μLのPBSを次いで各ウェルに加えた。蛍光を、プレートリーダー(Tecan Infinite 1000)を使用して読み取った(Ex495/Em515)。用量反応を算出するために、細胞を含まない対照ウェルの蛍光値を各テストウェルから引いた。
インテグリンα4β1−VCAM細胞接着アッセイ
RAMOSヒト細胞(ATCC CRL−1596)を、10%FBS(Seradigm)と1%ペニシリン−ストレプトマイシンとを補充したRPMI1640培地(HyClone SH30027.1)中で培養した。96ウェルプレート(Costar、3603)の各ウェルを、コーティング緩衝液(50mMの炭酸ナトリウム、pH9.6)中の0.25μg/mLの組換えヒトVCAM−1Fc Chimera(R&D Systems、862−VC−100)の溶液100mLでコーティングした。プレートを4℃で終夜インキュベートし、1ウェルあたり150μLの洗浄緩衝液(PBS中の0.05%Tween20)で2回洗浄し、1ウェルあたり250μLのブロッキング緩衝液(PBS中の1%脱脂粉乳)でブロックし、室温で1時間インキュベートした。ブロッキングステップの間、RAMOS細胞を、5mMカルセイン含有PBSに10百万細胞/mLで再懸濁し、50mLチューブ中で37℃にて30分間インキュベートした。チューブにPBSを満たし、細胞を沈降させ、次いでRPMI1640培地中で2百万/mLに再懸濁した。化合物を、結合緩衝液(1.5mMのCaCl、0.5mMのMnCI、50mMのTris−HCl、pH7.5)での段階希釈によって2×濃度で1ウェルあたり50μLの最終量に希釈した。プレートを300μLのPBSで1回洗浄し、50μLの化合物と50μLの細胞(100,000細胞)とを各ウェルに移し、プレートを37℃にて、5%COの暗所で45分間インキュベートして、細胞接着させた。プレートを、紙タオルの上で反転させ拭き取ることにより空にし、PBSを用いて2回手動で洗浄した。最終洗浄の後、100μLのPBSをウェルに加え、蛍光を、プレートリーダー(Tecan Infinite 1000)を使用して読み取った(Ex495/Em515)。用量反応を算出するために、細胞を含まない対照ウェルの蛍光値を各テストウェルから引いた。
CD4+インテグリンα+β−loメモリーT細胞における分析物競合アッセイ
一次細胞における受容体占有率を、フローサイトメトリーを用いて選択した細胞集団に結合したビオチン化ヒト組換えMAdCAM−1−FCまたはヒト組換えVCAM−1−Fcの量を測定することによって決定した。ヒト組換えMAdCAM−1−FCまたはヒト組換えVCAM−1−FC(R&D systems)を、市販の試薬およびプロトコル(Pierce)を使用してビオチン化した。
全血を、ヒトドナーからナトリウムヘパリンチューブに採取した。100μL量の血液を化合物および4mMのMnClと室温で1時間インキュベートした。細胞を、1mLのカルシウム・マグネシウムを含まない(CMF)DPBS(ThermoFisher Scientific)で2回洗浄し、100μLのDPBS CMFに再懸濁した。
ビオチン化ヒト組換えMAdCAM−1−FcまたはVCAM−1−Fcを飽和濃度で加え、室温で1時間インキュベートした。2mL量の1XBD FACS Lyse(BD Biosciences)を次いで加え、混合物を暗所で室温にて8〜12分間インキュベートして、赤血球を溶解した。細胞を1mLの染色緩衝液FBS(BD Biosciences)で洗浄し、4mMのMnClを含有する100μLの染色緩衝液−FBS(BD Biosciences)に再懸濁した。ビオチン化−rhMAdCAM−1を、試験物と結合を競合するために1200の飽和濃度で適用し、室温で1時間インキュベートした。細胞を次いで1mLの染色緩衝液−FBSで洗浄し、100μLの染色緩衝液−FBSに再懸濁した。細胞を、1uLのストレプトアビジンAPC(Biolegend 0.2mg/mL)およびメモリーTヘルパーα4β7−陽性細胞サブセットの検出用抗体のパネルと暗所で室温にて30分間インキュベートした。および以下の抗体を各5.0μLの量で用いた;CD45 FITC(BioLegend 200μg/mL)、CD29 APC Cy7(BioLegend 100μg/mL)、Integrin beta7 PE(BioLegend 濃度50μg/mL)、CD49d V421(BioLegend 50μg/mL)、CD3 V510(BioLegend 30μg/mL)、CD4 PECy7(BioLegend 100μg/mL)、CD45RO PerCP(BioLegend 200μg/mL)。細胞を次いで、フローサイトメーター(BD FACSCanto(商標)フローサイトメーターおよびBDFACSDiva(商標)ソフトウェア)でのデータ取得のために染色緩衝液−FBSで洗浄し、150μLの染色緩衝液−FBSに再懸濁した。FACSデータを、前方散乱対側方散乱に基づく電子ゲーティングによって取得した。サイトメーターを、各チューブ内で20,000イベントを収集するように設定した。細胞集団を、次のマーカー(CD45+、CD3+、CD4+、CD45RO+、CD49d+、インテグリンb7、ビオチン化リガンド)を用いて、決定した。
化合物受容体占有率を、ビオチン化rhMAdCAM−1またはrhVCAM−1にそれぞれ結合するインテグリンβ+細胞またはインテグリンβ−lo細胞の数の減少として定義した。
受容体占有率を、以下の式で算出した:100−((%リガンド−化合物を含む陽性細胞/%リガンド−陽性細胞DMSO)×100)。
大腸炎のマウスモデルにおけるin vivoのTリンパ球輸送の分析
動物の飼育:使用した動物飼育施設は、Canadian Council on Animal Care(CCAC)によって認定されている。本研究は、認定されたAnimal Care Committeeによって認可され、研究のための動物の使用を管理するCACC基準および規則を遵守した。動物を、標準化された環境条件下で飼育した。標準認定された市販の齧歯動物用飼料を自由摂取させた。水道水を常に自由摂取させた。
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を、飲料水に3%を添加することによって5日間、C57B1/6雌マウスに投与した。投与前にDSS−処置動物を均一の群に割り当てるために、5日目に体重および疾患活動指数(「DAI」)を測定した。DAIを、大腸炎に関連する次の3つの特定症状の重症度に基づいてスコア化した:1−血便(ヘモカルト陰性、ヘモカルト陽性、便中に目に見える血痕、直腸出血);2−便粘度(正常、柔らかいが依然として形成される、非常に柔らかい、下痢);3−体重減少。
6日目〜9日目に、化合物番号517(ET03764)またはビヒクルを5mL/kgで毎日経口投与した。9日目に、投与の4時間後、動物を全身麻酔下で心臓穿刺によって安楽死させた。腸間膜リンパ節(MLN)を採取し、すりつぶし、HBSS−FCSで洗浄した。細胞をBDマウスFcBlock中で15分間インキュベートし、続いて特異抗体と30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、BD固定溶液を用いて固定したか、細胞表面マーカー染色のために即時処理した。使用した抗体は、以下の通りであった:CD4 PE(BD Bioscience)、CD44 FITC(BD Biosciences)、CD45RB PerCy 5.5(BD Biosciences)、a4b7 PE(eBiosciences)。細胞集団を次いで、FACSCantoサイトメーターを使用しCD4+、CD44hi、CD45RBlow、α4β7+のゲーティングによって分析した。
統計分析を、GraphPad Prismを使用して行った。群間の差を、95%信頼区間で二元配置分散分析によって評価した。
結果および考察
化合物を上述の方法に従って合成した。選択した化合物を、NMRを使用して特徴づけた(すべてのデータが示されているわけではない)。NMRデータのサブセットを、化合物番号390に関して図6に示す。
インテグリンα4β7およびα4β1に対する化合物の結合親和性と選択性
単量体化合物および二量体化合物のα4β7への結合効力を、一連の生化学的アッセイ、細胞ベースアッセイおよびex−vivoアッセイを用いて測定した。多量体化合物は、細胞アッセイにおいて全般的に効力が高かった。
インテグリンα4β7を発現するRPMI8866細胞のMAdCAM−1でコーティングされたプレートへの接着を阻止する、試験物の能力を測定した。多量体化合物は、細胞接着を阻害するその能力において、それらの構成単量体よりも全般的に効力が高かった。例えば、化合物番号340(ET2451)および化合物番号456(ET4062)は、RPMI8866細胞接着アッセイにおいてそれぞれ175nMおよび199nMのIC50を有した(表1Cおよび1C’)。その構成単量体化合物よりも10倍を超える高い効力を有する多量体化合物が生成された。例えば、化合物番号340(ET2451)のホモ二量体である化合物番号517(ET3764)は、RPMI8866細胞接着アッセイにおいて9.9nMのIC50を有した。単量体化合物456(ET4062)から生成された化合物多量体も、より高い結合親和性を示した(表2C)。
同様の結果が、ヒト全血におけるインテグリンα4β7への結合についてのリガンド競合アッセイにおいて得られた。ナセリンの受容体占有率を、フローサイトメトリーを使用して、ビオチン化rhMAdCAM−1を結合できるα4β7+メモリーTヘルパー細胞の比率を測定することにより決定した(図7)。多量体化合物は、単量体化合物よりも高い効力で、α4β7−陽性一次細胞上でMadCAM−1と競合できた。2つの一般的な単量体化学型は、種々のリンカーを用いて多量体化されると、インテグリンα4β7への結合の増大した効力を有し、より効果的に競合することを示した。例えば、二量体化合物番号534(ET4113)および535(ET4110)はそれぞれ38nMと76nMのIC50を示したが、対応する親単量体化合物番号456(ET4062)は1000nMの最大濃度で15%の受容体占有率に達しただけであった。同様に、二量体化合物番号517(ET3764)および390(ET3755)は、飽和量のMAdCAMと競合し、同じ試験内でそれぞれ38nMと90nMのEC50を有した。対応する単量体化合物340(ET2451)は低濃度で50%の受容体占有率に達したが、濃度−反応曲線を得られなかった。これは、細胞への単量体化合物の非特異的結合の結果であり得る。
興味深いことに、単量体化合物と多量体化合物の間の結合親和性の相違は、ELISA結合アッセイにおいて顕著でなかった。結合活性が細胞において多量体化合物の結合効力を高める可能性がある。
多量体化合物は、インテグリンα4β1よりもインテグリンα4β7に対し向上された選択性を示した。細胞アッセイにおいて化合物の選択性を決定するために、インテグリンα4β1を発現するRamos細胞のVCAMコーティングプレートへの接着を測定した。多量体化合物は全般的に、その単量体構成物よりも、インテグリンα4β1よりインテグリンα4β7に対しより高い選択性を有した。例えば、単量体化合物番号340(ET2451)および456(ET4062)は、α4β7対α4β1で細胞接着アッセイを比較すると、それぞれ16倍と45倍の選択性を示した。対照的に、単量体化合物番号340(ET2451)に基づく多量体化合物は、α4β7を優先する20倍〜100倍の選択性を示し、単量体化合物番号456(ET4062)に基づく多量体化合物は、Ramos細胞を発現するα4β1のVCAMへの接着に対して測定可能な効果を示さなかった(表2C)。
in vivoのTリンパ球輸送の分析
Tリンパ球を発現するインテグリンα4β7の輸送を軽減するいくつかのインテグリンα4β7阻害化合物の能力を、DSS処置マウスでのin vivo薬力学試験において示した。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)は、実験動物において、飲料水中で5日間、経口投与し、続いてDSSを含まない飲料水を摂取させると、慢性大腸炎を誘発する。慢性炎症は、血液から腸組織への白血球の浸潤を伴う。腸の内皮上でのインテグリンα4β7とMAdCAM−1の間の相互作用は、接着と腸へのT細胞の輸送を可能にする。Tリンパ球を発現するインテグリンα4β7の輸送を軽減するいくつかのインテグリンα4β7阻害ナセリンの能力を、DSS処置マウスでのin vivo薬力学試験において示した。
試験は、飲料水中の硫酸デキストランにマウスを5日間曝すことで行った。6日目〜9日目に、化合物またはビヒクルを毎日経口投与した。腸間膜リンパ節を最後の投与の4時間後に採取し、評価した。図8に示すように、化合物番号517(ET3764)は、腸間膜リンパ節(MLN)におけるインテグリンα4β7+Tヘルパーメモリーリンパ球の検出を減少させた。80mg/kgの用量で投与された化合物番号517は、α4β7+陽性リンパ球の数を60%減少させた。
DSS処置マウスの腸間膜リンパ節で検出されたα4β7+Tヘルパーメモリーリンパ球の減少レベルは、投与された化合物番号517の用量に依存したことを決定した。図9は、腸間膜リンパ節に存在するα4β7+T細胞の用量依存的減少を示す。
標識ヒト組換えMADCAM−1またはVCAMのそれぞれα4β7−陽性またはα4β7−陰性Thメモリー細胞への結合を阻害する化合物の能力を比較した。単一ドナー由来の全血を、化合物および飽和量の組換えリガンドとインキュベートした。MAdCAMまたはVCAM結合の阻害を、FACS分析を使用してT細胞サブセット上で測定した。図10に示すように、代表的な多量体化合物番号517、482、530および534は、一次細胞へのMAdCAM−1の結合を87nM〜141nMの範囲のIC50値で阻害した。同じ代表的な化合物は、600nM〜4000nMでの検出不可能な結合の範囲のIC50値で、低親和性にてVCAMに結合した(図11)。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記述されているが、本発明の趣旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく変更がなされ得ることを当業者には理解されよう。以下の参照リストに記載のものを含み、本明細書に開示されるすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。

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Claims (53)

  1. 共に共有結合される複数の化合物を含む多量体であって、前記化合物が独立して式(I):
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    [式中、
    は、H;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;または複素環であり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され;
    およびRは各々が独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸鎖であり、
    ただしRおよびRが互いに共有結合されて環を形成してよいことを条件とし;
    およびRは各々が独立して、H;低級アルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;複合環;式−C(O)OHの酸;式−C(O)ORのエステル(式中、Rは、アルキルおよびアリールから選択される);式−C(O)NR*****のアミド(式中、R**およびR***は独立して、H、アルキルおよびアリールから選択される);−CHC(O)R(式中、Rは、−OH、低級アルキル、アリール、−低級アルキル−アリール、もしくは−NRaRbから選択され、RaおよびRbは独立して、H、低級アルキル、アリールもしくは−低級アルキル−アリールから選択される);または−C(O)Rc(式中、Rcは、低級アルキル、アリールもしくは−低級アルキル−アリールから選択される);または−低級アルキル−ORd(式中、Rdは、適切な保護基もしくはOH基である)であり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され;
    ただしRまたはRがRに共有結合されて環状二級アミンを形成でき、および/またはRもしくはRに共有結合して環を形成でき、RおよびRもまた互いに共有結合されて環を形成してよいことを条件とし;
    は、H;低級アルキル;ベンジル;アルケニル;低級アルキルオキシ;アリール;ヘテロアリール;複素環;−C(O)R****(式中、R****は独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミノアルキル、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシから選択される);−CHC(O)R;または−C(O)Rcであり;これらのすべては任意選択で、1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され、
    またはRもしくはRと共に、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸の環側鎖であり、前記タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸は、適切な置換基と置換されてよく、
    およびRは独立して、そのN末端がN−RであるN末端を有するタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸側鎖から選択され、またはRと環側鎖を形成でき;
    立体中心1、2および3は各々独立して、RおよびSから選択され;
    nは、1、2、3、または4でありかつnが2〜4である場合、各Rおよび各Rは、互いに独立しており;および
    Zは、アミノ酸のアミノ末端であり;Lに隣接する−C=O−は、アミノ酸のカルボキシ末端であり;かつZおよび−C=O−と共にLは、以下の式:
    −X−X−X−X
    を有するペプチドであり、
    式中、XおよびXは各々独立して、タンパク質原性もしくは非タンパク質原性のアミノ酸であり;
    は、ロイシンまたはtert−ブチル−Alaであり;
    は、Aspであり;および
    は、表1BのX列下に列挙される任意のアミノ酸である]
    である、多量体。
  2. がHである、請求項1に記載の多量体。
  3. またはRがRに共有結合されてN末端としてNRを有するプロリンを形成する、請求項1に記載の多量体。
  4. およびRが両方ともHでない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多量体。
  5. およびRが各々独立してタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸のアミノ酸鎖からなる群から選択される、請求項1または2に記載の多量体。
  6. およびRがそれぞれHおよびCHであるまたはその逆である、請求項1または2に記載の多量体。
  7. またはRが−CH2−S−Rであり、Rが低級アルキル;低級アミノアルキル;アリール;ヘテロアリール;アルケニル;またはヘテロ環から選択され;これらのすべては任意選択で1または複数の置換可能な位置で1または複数の適切な置換基と置換され;好ましくはRはフェニルまたは低級アルキル、ハロゲン、もしくは低級アミノアルキルで置換されたフェニルである、請求項1または2に記載の多量体。
  8. およびRが両方ともHでない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多量体。
  9. **およびR***が両方ともHでない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多量体。
  10. およびRが各々独立してH、またはC(O)−NHRであり、RがHまたは低級アルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多量体。
  11. がtert−ブチルである、請求項10に記載の多量体。
  12. がHである、請求項10に記載の多量体。
  13. がHである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の多量体。
  14. およびRまたはRのいずれかがそのN−末端としてN−Rを有するプロリン残基をもたらす環を形成する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の多量体。
  15. nが1である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の多量体。
  16. Lおよび−C=Oと共にZが配列番号1〜380のいずれか1つである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の多量体。
  17. がLeuである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多量体。
  18. がAspである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多量体。
  19. がThrである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多量体。
  20. がValである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多量体。
  21. がIleである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多量体。
  22. およびXが各々独立してタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のα−アミノ酸である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多量体。
  23. がタンパク質原性もしくは非タンパク質原性のβ−アミノ酸である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多量体。
  24. がβ−HomoLysまたはメチル−β−HomoLysである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多量体。
  25. およびXが各々一次アミノ酸である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多量体。
  26. およびXが各々表1BのX列およびX列下にそれぞれ列挙される任意のアミノ酸である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多量体。
  27. 前記化合物が化合物1〜389および456の任意の1つであるまたは前記多量体が化合物390〜397および457〜538の任意の1つである、請求項1に記載の多量体。
  28. 二量体である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の多量体。
  29. 三量体である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の多量体。
  30. 四量体である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の多量体。
  31. 五量体である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の多量体。
  32. 前記化合物がリンカーにより共に結合される、請求項1〜31のいずれか1項に記載の多量体。
  33. 前記化合物がR、R、R、R、R、R/R、X、またはXに関連した炭素、窒素、酸素、硫酸または他の原子において共に結合される、請求項1〜32のいずれか1項に記載の多量体。
  34. 前記リンカーがエステル、アミド、アミンもしくは混合アミド/アミン、エーテル、チオエーテル、チオエステル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホンアミド、スルファメート、スルファミド、カルバメート、尿素、カルボナート、ホスホジエステル、ホスホンアミド、ホスホロアミダート、複素環、アジド−アルキン環化付加(「クリック」ケミストリー)からのトリアゾールなど、炭素−炭素単結合連結、炭素−炭素二重結合連結または炭素−炭素三重結合連結を含む群から選択される、請求項32または33に記載の多量体。
  35. ホモ多量体である、請求項1〜34のいずれか1項に記載の多量体。
  36. ヘテロ多量体である、請求項1〜34のいずれか1項に記載の多量体。
  37. 薬学的に許容される担体と共に請求項1〜36のいずれか1項に記載の多量体を含む医薬組成物。
  38. 経口送達のために調製される、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. 局所送達のために調製される、請求項37に記載の医薬組成物。
  40. 非経口送達のために調製される、請求項37に記載の医薬組成物。
  41. 患者において炎症または自己免疫疾患を処置する方法であって、請求項1〜36のいずれか1項に記載の多量体の治療有効量を前記患者に投与することを含む、方法。
  42. 前記炎症または自己免疫疾患が胃腸管系である、請求項41に記載の方法。
  43. α4β7インテグリンの生物学的機能に関連した患者において状態を処置するための方法であって、請求項1〜36のいずれか1項に記載の前記多量体の治療有効量を前記患者に投与することを含む、方法。
  44. 前記状態または疾患が炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック疾患(非熱帯性スプルー)、血清反応陰性関節症に関連する腸疾患、顕微鏡的大腸炎、膠原線維性大腸炎、好酸球性胃腸炎、放射線療法、化学療法、直腸結腸切除と回腸肛門吻合の後に生じる回腸嚢炎、胃腸癌、膵臓炎、インスリン依存生糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、原発性硬化性胆管炎、胃腸管におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、好酸性喘息、好酸性食道炎、胃炎、大腸炎、顕微鏡的大腸炎、移植片対宿主病、放射線療法もしくは化学療法に伴う大腸炎、白血球粘着不全症1型でのような自然免疫障害に伴う大腸炎、慢性肉芽腫症、糖尿病1b型、ヘルマンスキー・パドラック症候群、チェディアック・東症候群、およびウィスコット・アルドリッチ症候群、または直腸結腸切除と回腸肛門吻合の後に生じる回腸嚢炎および胃腸癌の種々の形態、骨粗鬆症、関節炎、多発性硬化症、慢性疼痛、体重増加、およびうつ病であり、別の実施形態において、状態が膵臓炎、インスリン依存生糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息または移植片対宿主病である、請求項41および43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記状態が炎症性腸疾患である、請求項44に記載の方法。
  46. 前記炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記炎症性腸疾患がクローン病である、請求項45に記載の方法。
  48. 患者において疾患または状態を処置するための方法であって、請求項1〜36のいずれか1項に記載の前記多量体の治療有効量を前記患者に投与することを含み、前記疾患または状態がウイルスまたはレトロウイルスの局所感染症もしくは全身感染症である、方法。
  49. 前記ウイルスまたはレトロウイルスがエコーウイルス1型および8型、エコーウイルス9型/Barty株、ヒトパピローマウイルス、ハンタウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、口蹄疫ウイルス、コクサッキーウイルスA9型、ヒトパレコウイルス1型またはヒト免疫不全ウイルス1型である、請求項48に記載の方法。
  50. 患者において疾患または状態を処置するための方法であって、請求項1〜36のいずれか1項に記載の前記多量体の治療有効量を前記患者に投与することを含み、前記疾患または状態がA型肝炎、B型肝炎もしくはC型肝炎、肝性脳症、非アルコール性脂肪性肝炎、硬変症、静脈瘤出血、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、チロシン血症、α1アンチトリプシン欠損症、糖原病、肝細胞癌、肝癌、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、原発性胆管硬化症、胆道疾患、自己免疫性肝炎、または移植片対宿主病である、方法。
  51. 前記化合物がMAdCAMへのα4β7インテグリンの結合を阻害する、請求項40〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記化合物がMAdCAMへのα4β7インテグリンの結合を選択的に阻害する、請求項50に記載の方法。
  53. 前記患者がヒトである、請求項40〜52のいずれか1項に記載の方法。
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