JP2020140082A - 波長変換シートおよびバックライトユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】熱シワが発生する虞が無く、且つ蛍光体層の初期照度が低下する虞も無く、且つ照度の劣化を抑制可能な波長変換シートを提供する。【解決手段】蛍光体層4と、蛍光体層の少なくとも一方の面に配置された保護フィルム10と、を備える波長変換シートであって、保護フィルムは、樹脂フィルムの一方の面に、少なくとも光拡散機能を備えた光学的機能層1を備え、もう一方の面には密着力を増強するプライマー層3を備えており、またガスバリア層は備えておらず、保護フィルムの厚さは、60μm以上、150μm以下であり、蛍光体層は、保護フィルムのプライマー層側に配置されており、プライマー層は、アミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなり、65℃、95%RHおよび85℃の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であることを特徴とする波長変換シート100。【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置のバックライトユニットに使用する波長変換シートに関する。
液晶表示装置のバックライトユニットには、青色発光ダイオードを光源として、その青色光を照射することにより白色光を発光する波長変換シートが使用されている。波長変換シートは、ナノサイズに微細化した蛍光体微粒子(量子ドット)を透明な樹脂シートの中に均一分散させたものである。
波長変換シートは、青色光を照射することにより、赤色蛍光体から赤色光が、緑色蛍光体から緑色光が、それぞれ発せられ、青色発光ダイオードの青色光と合せて、白色光となる様に調整されている。その様な波長変換シートの量子ドットは、酸素や水蒸気により劣化する性質があるため、それらを遮断するバリアフィルムにより保護する必要があった。
しかしながら、バリアフィルムはその製造工程で受ける加熱処理により、不均一な熱収縮を起こし、熱シワと呼ばれる光学的なムラが発生する問題がある。
例えば、特許文献1には、バリア性に優れた蛍光体用保護フィルムを用いて量子ドットの性能を最大限に発揮することが可能な波長変換シートを提供するため、量子ドットを用いた蛍光体を含む蛍光体層と、前記蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層される1以上の蛍光体用保護フィルムと、を備える波長変換シートが提案されている。しかしながら、この波長変換シート用の保護フィルムは、ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜を150℃以上で加熱する工程を実施するため、熱シワによる外観不良が発生する虞を払拭することはできない。
また、特許文献2には、シワの存在が低減されたバリアフィルムを提供することを課題として、150℃30分の加熱前後におけるTD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であるポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜と、を150℃以上で加熱することによって得られる、バリアフィルムが提案されている。しかしながら、この波長変換シート用のバリアフィルムは、ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜を150℃以上で加熱する工程を実施するため、熱シワによる外観不良が発生する虞を払拭することはできない。
そのため、バリアフィルムを使用しない構成で、量子ドットを含有した蛍光体層の特性を劣化させない保護フィルムが求められていた。その様な技術に対応する先行技術として、例えば特許文献3には、ガスバリア層を設けずに、蛍光体層の発光強度の経時変化を効果的に抑制することができる量子ドット含有部材を提供する事を課題として、特定の分子構造を備えた樹脂が提案されている。そのため、この樹脂を使用した量子ドット含有部材である蛍光体シートは、バリアフィルムを必要としないメリットがある。また、この蛍光体シート自身に光拡散性を備えさせるため、量子ドットの他に、光拡散剤や光拡散剤の分散状態を良好にする分散剤が添加されている。そのため、蛍光体シートにマット層を形成する必要がないため、構成が簡略化される。そのため、バックライトユニットを薄くすることが可能である。しかしながら、光拡散剤や分散剤が添加されているために、量子ドットの添加密度を低くせざるを得ないため、蛍光体層の初期照度が低下する虞がある。
上記の事情に鑑み、本発明は、熱シワが発生する虞が無く、且つ蛍光体層の初期照度が低下する虞も無く、且つ照度の劣化を抑制可能な波長変換シートを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、蛍光体層と、蛍光体層の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムと、を備える波長変換シートであって、
保護フィルムは、樹脂フィルムの一方の面に、少なくとも光拡散機能を備えた光学的機能層を備え、もう一方の面には密着力を増強するプライマー層を備えており、またガスバリア層は備えておらず、
保護フィルムの厚さは、60μm以上、150μm以下であり、
蛍光体層は、保護フィルムのプライマー層側に配置されており、
プライマー層は、アミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなり、
65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であることを特徴とする波長変換シートである。
保護フィルムは、樹脂フィルムの一方の面に、少なくとも光拡散機能を備えた光学的機能層を備え、もう一方の面には密着力を増強するプライマー層を備えており、またガスバリア層は備えておらず、
保護フィルムの厚さは、60μm以上、150μm以下であり、
蛍光体層は、保護フィルムのプライマー層側に配置されており、
プライマー層は、アミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなり、
65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であることを特徴とする波長変換シートである。
また、請求項2に記載の発明は、前記光学的機能層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された光拡散粒子と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の波長変換シートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記蛍光体層と隣接する前記プライマー層の密着性が、JIS Z0237に準拠した300mm/minでの剥離試験において3N/25mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換シートである。
また、請求項4に記載の発明は、LED光源と、導光板と、請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換シートと、を備えていることを特徴とするバックライトユニットである。
本発明の波長変換シートは、ガスバリア層を備えていない保護フィルムを蛍光体層に積層した層構成にしているため、熱シワが発生する事がない。また、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上である蛍光体層を備えており、且つガスバリア性を有するプライマー層を備えているため、波長変換シートの劣化を抑制することが可能である。
<波長変換シート>
本発明の波長変換シートについて、図1および図2を参照しながら説明する。
本発明の波長変換シート100は、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上である蛍光体層4と、蛍光体層4の少なくとも一方の面に配置された保護フィルム10と、を備える波長変換シートである。
本発明の波長変換シートについて、図1および図2を参照しながら説明する。
本発明の波長変換シート100は、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上である蛍光体層4と、蛍光体層4の少なくとも一方の面に配置された保護フィルム10と、を備える波長変換シートである。
本発明の波長変換シート100の保護フィルム10は、樹脂フィルム2の一方の面に、少なくとも光拡散機能を備えた光学的機能層1を備え、もう一方の面には密着力を増強し、且つガスバリア性を有するプライマー層3を備えており、保護フィルム10のプライマー層3側に蛍光体層4が配置されていることが特徴である。
プライマー層3がガスバリア性を有するのは、プライマー層3がアミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなるためである。
プライマー層3がガスバリア性を有するのは、プライマー層3がアミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなるためである。
波長変換シートの例としては、例えば、バインダー樹脂として、ポリエステル、アクリル、アクリルウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンアクリレート、ウレタン、エポキシ、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、メラミン、フェノールなどの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線樹脂などを使用し、量子ドットの材料として、セレン化カドミウム(CdSe)、量子ドットのコアシェル構造として、硫化亜鉛(ZnS)、量子ドットの平均粒子径として、1〜20nm、である様な量子ドットを挙げることができる。
蛍光体層4は、バインダー樹脂と、その中に均一に分散した量子ドットからなる数十〜数百μmの薄膜である。バインダー樹脂には、例えば感光性樹脂を使用することができる。感光性樹脂としては、例えば、アクリルウレタン系樹脂やエポキシアミン系樹脂などを挙げることができる。
バインダー樹脂の内部には量子ドットからなる蛍光体の微粒子が2種混合された状態で封止されている。蛍光体の材料としては、蛍光体材料はセレン化カドミウム(CdSe)を挙げることができる。
また、蛍光体層4は、1種類の蛍光体のみが封止された蛍光体層が2層積層されたものであってもよい。それらの蛍光体は、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、LED光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。各蛍光色は、赤色、緑色である。各蛍光の波長、及びLED光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば赤色が610nm、緑色が550nmである。
また、蛍光体層4は、1種類の蛍光体のみが封止された蛍光体層が2層積層されたものであってもよい。それらの蛍光体は、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、LED光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。各蛍光色は、赤色、緑色である。各蛍光の波長、及びLED光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば赤色が610nm、緑色が550nmである。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体は、発光部としてのコアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。コアにはCdSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用可能である。
蛍光体層4は、例えば、以下の手順で保護フィルム10に積層することができる。まず、蛍光体をバインダー樹脂と混合する。次に、蛍光体がバインダー樹脂と混合された混合液を、保護フィルム10の表面に塗布する。バインダー樹脂としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、及び化学硬化性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂が紫外線照射又は加熱により(UV)硬化されることで、蛍光体層4が形成される。また、バインダー樹脂として、感光性樹脂及び熱硬化性樹脂を併用してもよい。この場合、バインダー樹脂をUV硬化の後に熱硬化させることで、蛍光体層4を形成することができる。その結果、保護フィルム10上に、例えば、約50μmの蛍光体層4が形成される。
感光性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、アミノ基及びエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
<保護フィルム>
保護フィルム10は、樹脂フィルム2の一方の面に少なくとも光拡散性を含む光学的機能層1を備えており、もう一方の面には、蛍光体層4との密着性を増強するプライマー層3を備えている。本発明の波長変換シート100に使用する保護フィルム10には、ガスバリア層(樹脂フィルム上に形成された金属酸化物薄膜と、その上に形成されたコーティング層からなる積層構造)が使用されていないため、熱シワが発生する虞がない。
保護フィルム10は、樹脂フィルム2の一方の面に少なくとも光拡散性を含む光学的機能層1を備えており、もう一方の面には、蛍光体層4との密着性を増強するプライマー層3を備えている。本発明の波長変換シート100に使用する保護フィルム10には、ガスバリア層(樹脂フィルム上に形成された金属酸化物薄膜と、その上に形成されたコーティング層からなる積層構造)が使用されていないため、熱シワが発生する虞がない。
また、本発明の保護フィルム10では、ガスバリア層を設けないことを特徴とする。ガスバリア層は、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物層や、ポリビニルアルコールなどのバリアコート層を単層又は多層で積層したものである。このようなガスバリア層は、保護フィルムとしてのガスバリア性を持たせる機能を有するが、一方で加工時にフィルムを変形させ、熱シワを生じる要因となる。したがって、波長変換フィルムとして前述の初期輝度差E1/E0が0.6以上となる場合には、波長変換フィルムとしての性能を維持できることから、ガスバリア層を設けないことで、熱シワを抑制し、波長変換フィルムとしての品質を向上することができる。
また、保護フィルム10の厚さは、60μm以上、150μm以下であることが好ましい。60μm以上であると、波長変換フィルム硬化時の加熱等によるシワの発生を生じにくい。また150μm以下であると、基材フィルムでの光学損失や散乱によって、保護フィルムでの光透過率が低下や波長変換フィルムのエネルギー効率の低下を抑える事ができる。
また、光学的機能層1が、バインダー樹脂と、そのバインダー樹脂中に分散された粒子と、を含む層であっても良い。
また、蛍光体層4とプライマー層3との密着性が、JIS Z0237に準拠した300mm/minでの剥離試験において3N/25mm以上であることが好ましい。
以下に本発明の波長変換シートの各構成要素について説明する。
(蛍光体層)
本発明の波長変換シート100で使用する蛍光体層4は、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であるものを使用する。
本発明の波長変換シート100で使用する蛍光体層4は、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であるものを使用する。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム2としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを好適に使用することができるが、これに限定する必要は無い。PETと同程度の透明性や機械的な強度を備えている樹脂フィルムであれば使用することができる。
樹脂フィルム2としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを好適に使用することができるが、これに限定する必要は無い。PETと同程度の透明性や機械的な強度を備えている樹脂フィルムであれば使用することができる。
(光学的機能層)
光学的機能層1は少なくとも光拡散性を含む光学的機能を備えている。ここでは光学的機能層1が光拡散層である場合を例に取り説明するが、これに限定することを意味するものではない。光学的機能層1としては、例えば表面形態として凹凸形状を備えていても良いし、平坦な表面を備えていても良い。また、光学的機能として、少なくとも、光拡散機能を備えている必要はあるが、その他の光学的な機能を備えていても良い。
光学的機能層1は少なくとも光拡散性を含む光学的機能を備えている。ここでは光学的機能層1が光拡散層である場合を例に取り説明するが、これに限定することを意味するものではない。光学的機能層1としては、例えば表面形態として凹凸形状を備えていても良いし、平坦な表面を備えていても良い。また、光学的機能として、少なくとも、光拡散機能を備えている必要はあるが、その他の光学的な機能を備えていても良い。
光拡散層は、バインダー樹脂の中に光拡散粒子が均一に分散したものを好適に使用することができる。例えば、表面から光拡散粒子の一部が露出するようにバインダー樹脂の中に埋め込まれている事により、表面に微細な凹凸形状が形成されているものであっても良い。この様に表面に凹凸形状が備えられていることにより、ニュートンリングなどの干渉縞の発生を確実に防ぐ事が可能となる。
バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、光学的透明性に優れた樹脂を使用することができる。例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いる事ができる。また、有機樹脂以外に、シリカバインダーを用いる事もできる。これらの中でも、材料の幅広さからアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂を用いることが望ましく、耐光性や光学特性に優れていることからアクリル系樹脂を使用することがより望ましい。これらは1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
光拡散粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなど無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの有機微粒子を用いる事ができる。これらの中でも、光拡散粒子としては、シリカ、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などからなる屈折率1.40〜1.55の微粒子を用いることが透過率の点で好ましい。屈折率が低い微粒子は高価であり、一方、屈折率が高過ぎる微粒子は透過率を損ねる傾向がある。これらは1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による体積基準の平均粒子径で0.1〜30.0μmである事が好ましく、0.5〜10.0μmである事がより好ましい。微粒子の平均粒子径が0.1μm以上であると、優れた干渉縞防止効果が得られる傾向があり、30.0μm以下では、透明性がより向上する傾向がある。
光拡散層における光拡散粒子の含有量は、光拡散層全量を基準として、0.5〜30.0質量%であることが好ましく、3.0〜10.0質量%であることがより好ましい。光拡散粒子の含有量が0.5質量%以上であると、光拡散機能と干渉縞を抑制する効果がより向上する傾向があり、30.0質量%以下であると、輝度を低下させることがない。
光拡散層は、上述したバインダー樹脂と光拡散粒子を含む塗布液を樹脂フィルム2上に塗布し、乾燥・硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、およびダイコーターなどを挙げることができる。
(プライマー層)
本発明の波長変換シート100における保護フィルム10で使用するプライマー層3は、アミノ酸基を有するシランカプリング剤を含む硬化性樹脂組成物を、樹脂フィルム2の表面に塗布・乾燥することによって硬化させたものである。このプライマー層3を介して保護フィルム10と蛍光体層4を積層することにより、優れた密着性を得ることができる。
本発明の波長変換シート100における保護フィルム10で使用するプライマー層3は、アミノ酸基を有するシランカプリング剤を含む硬化性樹脂組成物を、樹脂フィルム2の表面に塗布・乾燥することによって硬化させたものである。このプライマー層3を介して保護フィルム10と蛍光体層4を積層することにより、優れた密着性を得ることができる。
優れた密着性が発現するのは、蛍光体層4のバインダー樹脂にエポキシ樹脂が含まれている場合には、その蛍光体層4中に存在するエポキシ樹脂と、プライマー層3中に存在す
るアミノ基と、が化学反応し結び付くことが原因であると考えられる。
るアミノ基と、が化学反応し結び付くことが原因であると考えられる。
また、アミノ基を有するシランカプリング剤は加水分解縮合により、プライマー層3中でシロキサン結合を形成することが優れた密着性の発現に寄与すると同時に、耐湿性の向上とガスバリア性低下抑制にも寄与している。
アミノ基を有するシランカプリング剤としては特に限定されないが、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、などを挙げることができる。
硬化性樹脂組成物としては、特に限定はされないが、各種の紫外線硬化型樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物を使用することができる。
紫外線硬化型樹脂組成物としては、(重合性多官能)モノマー・オリゴマーと、光重合開始剤と、フィラー、顔料、紫外線吸収剤などの添加剤と、を含んでいるのが通常である。
熱硬化性樹脂組成物としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、などの熱硬化性樹脂と、それらに対応した硬化剤と、添加剤・希釈剤など、を混合して作製した熱硬化性樹脂配合物を指す。この熱硬化性樹脂配合物を加熱し、重合や架橋飯能を起こさせて三次元構造を形成する事によって硬化させることができる。
<バックライトユニット>
次に、本発明の波長変換シート100を使用したバックライトユニットについて説明する。
本発明のバックライトユニットは、LED光源と、導光板と、本発明の波長変換シート100を備えている。
次に、本発明の波長変換シート100を使用したバックライトユニットについて説明する。
本発明のバックライトユニットは、LED光源と、導光板と、本発明の波長変換シート100を備えている。
本発明のバックライトユニットは、本発明の波長変換シート100を備えているため、熱シワが発生する事が無い。また、波長変換シート100に使用する量子ドットを使用した蛍光体層4は、65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であるため、波長変換シート100の照度の劣化を抑制することができる。
次に、本発明の波長変換シートに関する実施例について説明する。
<実施例1>
(保護フィルムの作製)
まず、図1に例示した様な保護フィルムを作製した。保護フィルムの作製のため、まず厚さx(μm)のPETフィルムを用意した。ここでx=75とした。
(保護フィルムの作製)
まず、図1に例示した様な保護フィルムを作製した。保護フィルムの作製のため、まず厚さx(μm)のPETフィルムを用意した。ここでx=75とした。
そのPETフィルムの片面に、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を使用し、レーザー回折・散乱法による体積基準の平均粒子径が1.0μmのシリカ粒子を、固形分として5.0質量%含有させた塗布液を調整し、ダイコーターを使用して乾燥後の厚さが3μmとなる様に塗布した。その後、温風乾燥を行うことにより、光拡散層(マット層)を得た。
次に、PETフィルムのもう一方の面に、プライマー層を形成した。プライマー層の塗布液として、アミノ酸基を有するシランカプリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを0.01質量%含むアクリル樹脂アクリレートを主たる成分として含む紫外線硬化性樹脂組成物を、ダイコーターを使用して、乾燥後の厚さ1.0μmとなる条件にて塗布・乾燥後、紫外線照射を行うことにより硬化させ、プライマー層を形成した。以上の様にして、保護フィルムを得た。
次に、保護フィルムのプライマー層側に、蛍光体層塗布液をダイコーターにより塗布・乾燥することにより蛍光体層を形成した。蛍光体層塗布液としては、バインダー樹脂に蛍光体として量子ドットを均一分散したものを使用した。アセチルセルロースと蛍光体を混合し、塗布に適する粘度に調整するための溶剤を添加して混合することにより塗布液を作製した。
バインダー樹脂として、熱可塑性樹脂であるアセチルセルロースを使用した。
蛍光体として、量子ドットを使用した。量子ドットとしては、コアとなるセレン化カドミウムの微粒子が硫化亜鉛によって被覆されたものを使用した。蛍光体は、レーザー回折・散乱法による体積基準の平均粒子径が10nmであるものを使用した。蛍光体層における蛍光体の添加濃度は、蛍光体層全量を基準として、5質量%とした。
その塗布液をダイコーターによって塗布・乾燥することにより厚さ100μmの蛍光体層を形成した。
その塗布液をダイコーターによって塗布・乾燥することにより厚さ100μmの蛍光体層を形成した。
この様にして、保護フィルムのプライマー層の上に蛍光体層を形成した後、その蛍光体層の上に、もう1枚の保護フィルムのプライマー層側を面してラミネートした後、表裏面側のプライマー層に紫外線を照射することにより、プライマー層を硬化させ、2枚の保護フィルムに蛍光体層を挟み込まれた積層体を形成した。以上により、実施例1の厚さ100μmの波長変換シートを5枚作製した。
この様にして作製した5枚のサンプルについて、全光線透過率測定、保護フィルムの外観(熱シワ)検査、初期輝度差測定、蛍光体層と保護フィルムの密着性、波長変換フィルムの外観検査、を実施した。
全光線透過率は、分光ヘーズメーターSH 7000(日本電色工業(株)製)を使用して測定した。
初期輝度差測定は、波長変換シートの初期輝度E0と、環境試験(65℃、95%RH、500時間および85℃、500時間)後の輝度E1と、の比である初期輝度差E1/E0をそれぞれ測定して算出し、最低値と最高値を示した。
蛍光体層と保護フィルムの密着性の測定は、JIS Z0237に準拠した300mm/minでの剥離試験によって実施した。
保護フィルムの外観(熱シワ)検査は、目視にて実施し、熱シワが認められないものを〇(良好)、容易に目視可能であるものを×(不良)、軽微な熱シワがかろうじて目視可能であるものを△(不良)、とした。
波長変換フィルムの外観検査についても目視で実施し、外観不良が認められないものを〇(良好)、僅かでも認められるものを×(不良)、とした。
波長変換フィルムの外観検査についても目視で実施し、外観不良が認められないものを〇(良好)、僅かでも認められるものを×(不良)、とした。
<実施例2>
x=100とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは104μmとなった。
x=100とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは104μmとなった。
<比較例1>
x=50とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは54μmとなった。
x=50とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは54μmとなった。
<比較例2>
x=150とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは154μmとなった。
x=150とした以外は、実施例1と同等とした。その結果、波長変換シートの厚さは154μmとなった。
<比較例2>
従来のガスバリア層を備えた保護フィルムを使用して作製した波長変換シート(厚さ106μm)について評価した。
従来のガスバリア層を備えた保護フィルムを使用して作製した波長変換シート(厚さ106μm)について評価した。
以上の評価結果をまとめて表1に示した。
実施例1で作製した波長変換シートのサンプルについては、厚さが79μm、全光線透過率88.7%と88.0%以上であるため良好(〇)、保護フィルムには熱シワが無く良好(〇)、初期輝度差は0.70と0.60以上であるため良好、波長変換フィルムとしての外観検査は、シワが見られなかったため良好(〇)となった。また、全てのサンプルで、蛍光体層と保護フィルムとの密着性は、85℃、500時間後および65℃、500時間後で3.0〜3.5N/25mmとなり、3.0N/25mm以上の良好な評価結果となった。なお、これらの数値は、5つのサンプルの平均値またはレンジとして示したものである。
実施例2で作製したサンプルについては、厚さが104μm、全光線透過率88.4%で良好(〇)、保護フィルムには熱シワが無く良好(〇)、初期輝度差は0.80で良好(〇)、波長変換フィルムとしての外観検査は、シワが見られなかったため良好(〇)となった。
比較例1で作製したサンプルについては、厚さが54μm、全光線透過率89.6%で良好(〇)、保護フィルムには熱シワが無く良好(〇)、初期輝度差は0.65で良好(〇)、波長変換フィルムとしての外観検査は、シワが見られたため不良(×)となった。
比較例2で作製したサンプルについては、厚さが154μm、全光線透過率87.5%で不良(×)、保護フィルムには熱シワが無く良好(〇)、初期輝度差は0.85で良好(〇)、波長変換フィルムとしての外観検査は、シワが見られなかったため良好(〇)となった。
比較例3のサンプルについては、厚さが106μm、全光線透過率88.5%で良好(〇)、保護フィルムには熱シワがあるサンプル(×)およびかすかに熱シワが確認できるサンプル(△)もあるため不良、初期輝度差は0.85〜0.99で良好(〇)、波長変換フィルムとしての外観検査は、シワが見られなかったもの(〇)と見られたもの不良(×)があった。これは、保護フィルムにガスバリア層を使用しているために、熱シワが発生する場合があるためである。
なお、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2ではガスバリア層無し、比較例3のみ
ガスバリア層有りとした。
ガスバリア層有りとした。
以上の結果、厚さ79μm〜104μmの実施例1と実施例2においては全ての評価項目について良好となったが、比較例1〜比較例3においては、いずれかの項目で不良が発生したため、総合的な評価としては不良となった。具体的には、厚さが79μmの実施例1については全て良好であったが、厚さが54μmの比較例1では波長変換シートの外観検査でシワが見られ、不良となった。そのため、波長変換シートの厚さが54μm以下においては、シワが発生する虞があると考えられるため、厚さは60μm以上とするのが良いと考えられる。また、厚さが154μmの比較例2では、全光線透過率が88.0%を僅かに下回ったため、良好とは言えなかった。そのため、厚さは150μm以下とするのが良いと考えられる。
1・・・光学的機能層
2・・・樹脂フィルム
3・・・プライマー層
4・・・蛍光体層
10・・・保護フィルム
100・・・波長変換シート
2・・・樹脂フィルム
3・・・プライマー層
4・・・蛍光体層
10・・・保護フィルム
100・・・波長変換シート
Claims (4)
- 蛍光体層と、蛍光体層の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムと、を備える波長変換シートであって、
保護フィルムは、樹脂フィルムの一方の面に、少なくとも光拡散機能を備えた光学的機能層を備え、もう一方の面には密着力を増強するプライマー層を備えており、またガスバリア層は備えておらず、
保護フィルムの厚さは、60μm以上、150μm以下であり、
蛍光体層は、保護フィルムのプライマー層側に配置されており、
プライマー層は、アミノ基を有するシランカプリング剤を含むプライマー組成物の硬化物からなり、
65℃95%RH500時間、および85℃500時間の環境下で、初期照度E0と500時間経過後の照度E1の比E1/E0が0.6以上であることを特徴とする波長変換シート。 - 前記光学的機能層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された光拡散粒子と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の波長変換シート。
- 前記蛍光体層と隣接する前記プライマー層の密着性が、JIS Z0237に準拠した300mm/minでの剥離試験において3N/25mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換シート。
- LED光源と、導光板と、請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換シートと、を備えていることを特徴とするバックライトユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019035787A JP2020140082A (ja) | 2019-02-28 | 2019-02-28 | 波長変換シートおよびバックライトユニット |
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ID=72264913
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KR20220092349A (ko) * | 2020-12-24 | 2022-07-01 | 주식회사 티온테크 | 색변환 시트 및 이를 포함한 표시 장치 |
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2019
- 2019-02-28 JP JP2019035787A patent/JP2020140082A/ja active Pending
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KR102649594B1 (ko) * | 2020-12-24 | 2024-03-20 | 주식회사 티온테크 | 색변환 시트 및 이를 포함한 표시 장치 |
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