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JP2020124675A - 水処理システム - Google Patents

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JP2020124675A
JP2020124675A JP2019018276A JP2019018276A JP2020124675A JP 2020124675 A JP2020124675 A JP 2020124675A JP 2019018276 A JP2019018276 A JP 2019018276A JP 2019018276 A JP2019018276 A JP 2019018276A JP 2020124675 A JP2020124675 A JP 2020124675A
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健輔 岩本
Kensuke Iwamoto
健輔 岩本
伸司 松友
Shinji Matsutomo
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Abstract

【課題】バイオフィルムの抑制と過剰な塩素添加による膜劣化の防止との間でバランスを調整することが可能な、水処理システムを提供する。【解決手段】水処理システム1は、給水W11に安定化剤を薬注する安定化剤薬注手段6と、給水W11における全ハロゲン濃度と、濃縮排水W50における全ハロゲン濃度との差分であるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部31と、逆浸透膜モジュール14において濃縮水W30が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する差圧測定部32、又は逆浸透膜モジュール14における透過流束値を算出する透過流束値算出部34と、ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は透過流束値とに基づいて、給水W11への安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部33と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理システムに関する。
逆浸透膜を用いた膜ろ過プロセスを実行する水処理システムにおいて、微生物の繁茂に由来するバイオフィルムを抑制するため、微生物を除去する塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムが用いられることがある。
例えば、特許文献1は、逆浸透膜を用いた造水方法であって、バイオフィルムの発生によるバイオファウリングの抑制のため、次亜塩素酸ナトリウムを水処理システム中の逆浸透膜に流入させる造水方法を開示している。
特開2016−190214号公報
しかし、水処理システムへの次亜塩素酸ナトリウムの薬注により逆浸透膜は劣化する。一方で、逆浸透膜にバイオフィルムが発生することにより、次亜塩素酸ナトリウムが逆浸透膜に直接触れる度合いが下がることで、次亜塩素酸ナトリウムの酸化力による膜劣化の度合いは下がる。
本発明は、バイオフィルムの抑制と過剰な塩素添加による膜劣化の防止との間でバランスを調整することが可能な、水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する給水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、給水に安定化剤を薬注する安定化剤薬注手段と、給水における全ハロゲン濃度と、濃縮排水における全ハロゲン濃度との差分であるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部と、前記逆浸透膜モジュールにおいて濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧 を測定する差圧測定部、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出部と、前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、給水への安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部と、を備える、水処理システムに関する。
また、前記膜間差圧又は前記透過流束値に応じて、前記ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、前記ハロゲン消費量が前記許容上限値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記安定化剤の薬注量を増加させることが好ましい。
また、本発明に係る水処理システムは、給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段を更に備え、前記薬剤濃度調整部は、前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、更に、給水中の遊離塩素濃度を調整することが好ましい。
また、前記膜間差圧又は前記透過流束値に応じて、前記ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、前記ハロゲン消費量が前記許容上限値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記遊離塩素濃度を減少させることが好ましい。
また、本発明に係る水処理システムは、前記遊離塩素濃度調整手段として、給水に塩素系酸化剤を薬注する酸化剤薬注装置を更に備えることが好ましい。
また、本発明に係る水処理システムは、前記遊離塩素濃度調整手段として、給水に還元剤を薬注する還元剤薬注装置を更に備えることが好ましい。
また、本発明は、給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する供給水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段と、給水に安定化剤を薬注する安定化剤薬注装置と、給水における酸化還元電位と、前記濃縮排水における酸化還元電位との差分から、遊離塩素又は安定化剤によるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部と、前記逆浸透膜モジュールにおける膜間差圧を測定する差圧測定部、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出部と、前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、給水中の遊離塩素濃度の調整量及び/又は安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部と、を備える、水処理システムに関する。
また、給水の水質を測定する水質測定手段を更に備え、前記薬剤濃度調整部は、前記水質測定手段により測定された水質に基づいて、運転開始時における給水中の遊離塩素濃度の調整量及び給水への安定化剤の薬注量を設定することが好ましい。
本発明によれば、バイオフィルムの抑制と過剰な塩素添加による膜劣化の防止との間でバランスを調整することが可能な、水処理システムを提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水処理システムの全体構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理システムに備わる制御部の第1の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る水処理システムに備わる制御部の第2の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る水処理システムの動作を説明するフローチャートである。 塩素濃度の測定値の差分と酸化還元電位の測定値の差分との各々から塩素消費量を求めた場合の、膜間差圧と塩素消費量との相関関係を示すグラフである。
〔全体構成〕
以下、本発明の実施形態である水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の水処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、水処理システム1は、第1薬剤添加装置5と、第2薬剤添加装置6と、水質センサ7と、第1ハロゲン濃度センサ8と、加圧ポンプ10と、インバータ11と、第1圧力センサ13と、逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)14と、第2圧力センサ15と、第1流量センサFM1と、第3圧力センサ17と、定流量弁18と、第2ハロゲン濃度センサ19と、第2流量センサFM2と、比例制御排水弁20と、制御部30と、を備える。なお、制御部30と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
水処理システム1は、ラインとして、給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、濃縮排水ラインL5と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、その由来(出所)やその水質によらず、給水ラインL1、濃縮水ラインL3又は循環水ラインL4を流通する水を、「給水」ともいい、濃縮水ラインL3、循環水ラインL4又は濃縮排水ラインL5を流通する水を、「濃縮水」ともいう。
給水ラインL1は、給水W11〜W12を逆浸透膜モジュール14に向けて供給するラインである。給水ラインL1は、上流側から下流側に向けて、第1給水ラインL11と、第2給水ラインL12とを有する。
第1給水ラインL11の上流側の端部は、給水W11の水源2に接続されている。第1給水ラインL11の下流側の端部は、接続部J1において、第2給水ラインL12及び循環水ラインL4に接続されている。第1給水ラインL11には、第1薬剤添加装置5、第2薬剤添加装置6、水質センサ7、及び第1ハロゲン濃度センサ8が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
第1薬剤添加装置5は、給水ラインL1に第1薬剤を添加する装置である。第1薬剤添加装置5は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、第1薬剤添加装置5は、逆浸透膜モジュール14におけるバイオフィルムの析出を抑制するために、第1薬剤として酸化剤を添加することにより、給水W11中の遊離塩素濃度を調整する。逆浸透膜モジュール14において、逆浸透膜の表面にバイオフィルムが付着することを効果的に抑制可能なことから、第1薬剤の例として、次亜塩素酸ソーダ等の塩素系酸化剤が挙げられる。なお、第1薬剤が次亜塩素酸ソーダの場合、次亜塩素酸ソーダの添加量は、給水W11中の有効塩素濃度が、0.01〜5mgCl2/L程度となることが好ましい。
以下では説明の簡略化のため、第1薬剤が次亜塩素酸ソーダである例について説明するが、本発明はこれには限られない。他の塩素系酸化剤として、例えば、液化塩素、さらし粉、塩素化イソシアヌル酸等を用いてもよい。
また、第1薬剤添加装置5は、塩素系酸化剤の代わりに、あるいは塩素系酸化剤と共に、臭化ナトリウム等の臭素化合物を添加してもよい。なお、臭素化合物の添加量は、例えば、給水W11中の有効塩素:臭素化合物のモル比が1:1〜10程度となることが好ましく、1:1〜2程度とするとなおよい。
第2薬剤添加装置6は、給水ラインL1に第2薬剤を添加する装置である。第2薬剤添加装置6は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、第2薬剤添加装置6は、逆浸透膜モジュール14に備わる逆浸透膜の劣化を防ぐために、第2薬剤として安定化剤を添加する。安定化剤の添加により、例えば給水W11に含まれる次亜塩素酸は、安定化次亜塩素酸になる。逆浸透膜モジュール14において、逆浸透膜の劣化を効果的に抑制可能なことから、第2薬剤の例としては、スルファミン酸等の安定化剤が挙げられる。なお、第2薬剤がスルファミン酸の場合、スルファミン酸の添加量は、給水W11中の次亜塩素酸に由来する有効塩素:スルファミン酸のモル比が、1:1〜20程度となることが好ましく、1:1.5〜10程度とするとなおよい。有効塩素1に対して、スルファミン酸が1を切ると、両者の反応効率が100%だと仮定しても、遊離塩素が生じるためである。
以下では説明の簡略化のため、第2薬剤がスルファミン酸である例について説明するが、本発明はこれには限られない。
水質センサ7は、給水W11の水質を測定する。水質センサ7は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、水質センサ7は、給水W11の水質として、TOC(Total Organic Carbon:全有機炭素量)、COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)、BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)、AOC(Assimilable Organic Carbon:同化可能有機炭素量)等の有機物量や、細菌数、ATP数等の微生物量のいずれか一つ以上を測定する。制御部30は、水質センサ7からこれらの測定値を受信し、受信した測定値を用いてバイオフィルムリスクを予測し、予測したバイオフィルムリスクに基づいて、水処理システム1の運転開始時における給水W11への第1薬剤及び第2薬剤の薬注量を設定する。
あるいは、水質センサ7は、給水W11の水質として給水W11に含まれる還元性物質の濃度を測定してもよい。具体的には、水質センサ7は、還元性物質である鉄イオン、マンガンイオン等の金属イオンや、亜硝酸イオン等のイオン濃度、アンモニア性窒素(アンモニアイオン中の窒素)の量、あるいはSBS(重亜硫酸ソーダ:NaHSO)等の濃度を測定する。制御部30は、水質センサ7からこれらの還元性物質濃度の測定値を受信し、受信した測定値を用いて給水W11中の遊離塩素濃度を調整するため、水処理システム1の運転開始時における給水W11への第1薬剤及び第2薬剤の薬注量を設定する。
第1ハロゲン濃度センサ8は、給水W11のハロゲン濃度を測定する。とりわけ、第1ハロゲン濃度センサ8は、ハロゲン濃度として、給水W11中の結合ハロゲンと遊離ハロゲンとの総量を測定する。また、第1ハロゲン濃度センサ8は、ハロゲン濃度として、給水W11中の残留塩素の濃度を測定してもよい。あるいは、第1ハロゲン濃度センサ8は、給水W11中の残留塩素の濃度と臭素の濃度の各々を測定し、双方の合計値をハロゲン濃度としてもよい。
また、第1ハロゲン濃度センサ8は、例えば特開2018−038942号公報で開示される塩素濃度センサと同様の構成を有することにより、ハロゲン濃度を測定することが可能である。
第2給水ラインL12の上流側の端部は、接続部J1に接続されている。第2給水ラインL12の下流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートに接続されている。第2給水ラインL12には、加圧ポンプ10及び第1圧力センサ13が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
加圧ポンプ10は、給水W11を吸入し、逆浸透膜モジュール14に向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ10には、インバータ11から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ10は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
インバータ11は、加圧ポンプ10に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。インバータ11は、制御部30と電気的に接続されている。インバータ11には、制御部30から指令信号が入力される。インバータ11は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ10に出力する。
給水W12は、加圧ポンプ10を介して逆浸透膜モジュール14に供給される。また、給水W12は、給水W11及び循環水W40(後述)からなる。
第1圧力センサ13は、逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力を検出する機器である。第1圧力センサ13は、加圧ポンプ10の吐出側に配置されている。第1圧力センサ13で検出された給水W12の圧力(以下、「第1検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
逆浸透膜モジュール14は、給水W12を透過水W20と濃縮水W30とに分離する設備である。詳細には、逆浸透膜モジュール14は、加圧ポンプ10から吐出された給水W12を、溶存塩類が除去された透過水W20と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W30とに膜分離処理する設備である。逆浸透膜モジュール14は、単一又は複数の逆浸透膜エレメント(図示せず)を備える。逆浸透膜モジュール14は、これら逆浸透膜エレメントにより給水W12を膜分離処理し、透過水W20と濃縮水W30とを製造する。
透過水ラインL2は、逆浸透膜モジュール14で分離された透過水W20を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、貯留タンク(図示せず)に接続されている。透過水ラインL2には、第2圧力センサ15、及び第1流量センサFM1が上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
第2圧力センサ15は、逆浸透膜モジュール14の二次側から排出される透過水W20の圧力を検出する機器である。第2圧力センサ15で検出された透過水W20の圧力(以下、「第2検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
第1流量センサFM1は、透過水ラインL2を流通する透過水W20の流量を検出する機器である。第1流量センサFM1は、制御部30と電気的に接続されている。第1流量センサFM1で検出された透過水W20の流量(以下、「第1検出流量値」ともいう)は、制御部30に検出信号として送信される。
濃縮水ラインL3は、逆浸透膜モジュール14で分離された濃縮水W30が流通するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の二次側ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J2において、循環水ラインL4及び濃縮排水ラインL5に分岐している。濃縮水ラインL3には、第3圧力センサ17が設けられる。
第3圧力センサ17は、逆浸透膜モジュール14の二次側から排出される濃縮水W30の圧力を検出する機器である。第3圧力センサ17で検出された濃縮水W30の圧力(以下、「第3検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3に接続され、給水としての濃縮水(循環水W40)を給水ラインL1に返送するラインである。本実施形態においては、循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W30を循環水W40として、給水ラインL1における加圧ポンプ10よりも上流側に返送(循環)させるラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、接続部J1において、給水ラインL1に接続されている。循環水ラインL4には、定流量弁18が設けられる。
定流量弁18は、循環水ラインL4を流通する循環水W40の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。定流量弁18において保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、定流量弁における目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。定流量弁18は、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、定流量弁18は、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
濃縮排水ラインL5は、濃縮水ラインL3に接続され、濃縮排水W50としての濃縮水を系外へ排出するラインである。本実施形態においては、濃縮排水ラインL5は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続され、逆浸透膜モジュール14で分離された濃縮水W30を、濃縮排水W50として装置外(系外)に排出するラインである。濃縮排水ラインL5には、第2ハロゲン濃度センサ19と、比例制御排水弁20と、第2流量センサFM2と、が設けられる。
第2ハロゲン濃度センサ19は、濃縮排水W50のハロゲン濃度を測定する。第2ハロゲン濃度センサ19は、第1ハロゲン濃度センサ8と同様に、ハロゲン濃度として、給水W11中の結合ハロゲンと遊離ハロゲンとの総量を測定する。また、第2ハロゲン濃度センサ19は、ハロゲン濃度として、濃縮排水W50中の残留塩素の濃度を測定してもよい。あるいは、第2ハロゲン濃度センサ19は、濃縮排水W50中の残留塩素の濃度と臭素の濃度の各々を測定し、双方の合計値をハロゲン濃度としてもよい。
また、第2ハロゲン濃度センサ19は、例えば特開2018−038942号公報で開示される塩素濃度センサと同様の構成を有することにより、ハロゲン濃度を測定することが可能である。
比例制御排水弁20は、濃縮排水ラインL5から装置外に排出される濃縮排水W50の流量を調節する弁である。比例制御排水弁20は、制御部30と電気的に接続されている。比例制御排水弁20の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御排水弁20に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮排水W50の排水流量を調節することができる。
第2流量センサFM2は、濃縮排水ラインL5から排出される濃縮排水W50の流量を検出する機器である。第2流量センサFM2は、制御部30と電気的に接続されている。第2流量センサFM2で検出された濃縮排水W50の流量(以下、「第2検出流量値」ともいう)は、制御部30に検出信号として送信される。
制御部30は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(図示せず)により構成される。制御部30において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って、水処理システム1に係る各種の制御を実行する。以下、制御部30の機能の一部について説明する。
図2Aは、制御部30の第1の機能ブロック図である。制御部30は、ハロゲン消費量算出部31と、差圧測定部32と、薬剤濃度調整部33とを備える。
ハロゲン消費量算出部31は、給水W11と濃縮排水W50とでのハロゲン濃度の収支から、主として逆浸透膜モジュール14でのハロゲン消費量を算出する。
より詳細には、ハロゲン消費量算出部31は、最初に、第1流量センサFM1で検出される第1検出流量値と、第2流量センサFM2で検出される第2検出流量値とを用いて、逆浸透膜モジュール14での濃縮倍率を算出する。
次に、算出した濃縮倍率と、第1ハロゲン濃度センサ8によって測定される給水W11のハロゲン濃度と、第2ハロゲン濃度センサ19によって測定される濃縮排水W50のハロゲン濃度とを、以下の式(1)に代入することにより、ハロゲン消費量を算出する。
ハロゲン消費量=給水W11のハロゲン濃度×濃縮倍率−濃縮排水W50でのハロゲン濃度 (1)
なお、この式(1)はあくまで一例であって、これには限定されない。例えば、式(1)中の濃縮倍率は、流量ベースではなく水質ベースで確認してもよい。具体的には、給水W11と濃縮排水W50とで、電気伝導率を測定し、「濃縮排水W50の伝導率/給水W11の伝導率」から算出してもよく、特定の成分やイオン種の濃度を測定し、濃縮排水W50中の濃度/給水W11中の濃度」から算出してもよい。また、これらの値を乗じ確認するのではなく、設定値を代表値として用いてもよい。
差圧測定部32は、第1圧力センサ13によって測定された逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力、及び、第3圧力センサ17によって測定された逆浸透膜モジュール14の二次側での濃縮水W30の圧力に基づいて、逆浸透膜モジュール14における濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する。
逆浸透膜モジュール14の膜間差圧は、下記の式(2)にて表現できる。
膜間差圧[MPa]=逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートの圧力−逆浸透膜モジュール14の二次側ポートの圧力 (2)
本実施形態においては、「逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートの圧力」は、第1圧力センサ13で測定された第1検出圧力値[MPa]により取得し、「逆浸透膜モジュール14の二次側ポートの圧力」は、第3圧力センサ17で測定された第3検出圧力値[MPa]により取得する。
薬剤濃度調整部33は、ハロゲン消費量算出部31によって算出されたハロゲン濃度と、差圧測定部32によって測定された膜間差圧とに基づいて、給水W11への塩素系酸化剤及び/又は安定化剤の薬注量を制御する。
とりわけ本実施形態においては、膜間差圧の値の領域を、低圧の領域から高圧の領域へと順に、第1領域、第2領域、第3領域に分割した場合、膜間差圧の値が第1領域にある場合における、許容されるハロゲン消費量である許容ハロゲン消費量をCとし、膜間差圧の値が第2領域にある場合における許容ハロゲン消費量をCとし、膜間差圧の値が第3領域にある場合における許容ハロゲン消費量をCとすると、C<C<Cの関係が成立する。これは、膜間差圧が高いほど逆浸透膜モジュール14の逆浸透膜に、多くのバイオフィルムが付着することを前提とするためである。
なお、これらC,C,Cは、配管や逆浸透膜によるハロゲン消費量とバイオフィルムによるハロゲン消費量の想定値との合計を用いて設定してもよい。
ここで、膜間差圧の値が第1領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合には、膜劣化を防止するため、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。また、膜間差圧の値が第1領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下にある場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び安定化剤の薬注量を維持する。
同様に、膜間差圧の値が第2領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合に、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。膜間差圧の値が第2領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下の場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び安定化剤の薬注量を維持する。
膜間差圧の値が第3領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合に、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。膜間差圧の値が第3領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下の場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び安定化剤の薬注量を維持する。
また、薬剤濃度調整部33は、水質センサ7により測定された水質に基づいて、水処理システム1の運転開始時における、給水ラインL1への塩素系酸化剤の薬注量、安定化剤の薬注量、及び臭素化合物の薬注量を初期設定することにより、給水W11中の塩素系酸化剤の含有量、安定化剤の含有量、及び臭素化合物の含有量のバランスを調整してもよい。
図2Bは、制御部30の第2の機能ブロック図である。制御部30は、第1の機能ブロック図における差圧測定部32の代わりに、第2の機能ブロック図における透過流束値算出部34を備えてもよい。
透過流束値算出部34は、第3圧力センサ17によって測定された逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力、第2圧力センサ15によって測定された逆浸透膜モジュール14の二次側での透過水W20の圧力、流量センサFM1によって測定された、透過水ラインL2を流通する透過水W20の流量に基づいて、逆浸透膜モジュール14における透過流束値を算出する。
ここで透過流束とは、逆浸透膜モジュール14の膜の詰まり状態を示す指標であり、単位時間当たり、単位膜面積を通過する水の量を単位膜差圧当たりとして標準温度条件下に換算したものである。これを数式にて表現すると、例えば特開2008−55336号公報に記載のように、下記の式(3)にて表現できる。
透過流束[L/m・h・MPa]=処理水瞬間流量/[{入口運転圧力−(装置差圧÷2)−出口背圧−浸透圧}×温度補正係数×膜面積] (3)
本実施形態では、透過流束の演算に用いられる各値について、「処理水瞬間流量」は、流量センサFM1で測定された検出流量値[L/h]により取得し、「入口運転圧力」は、第1圧力センサ13で測定された第1検出圧力値[MPa]により取得する。また、「装置差圧」は、設定値[MPa]であり、「出口背圧」は、第2圧力センサ15で測定された第2検出圧力値[MPa]により取得する。「浸透圧」は、設定値[MPa]とし、温度補正係数は、水温センサ(不図示)で検出される温度の関数とし、「膜面積」は、設定値[m]である。
透過流束値の領域を、低い値の領域から高い値の領域へと順に、第4領域、第5領域、第6領域に分割した場合、透過流束値が第6領域にある場合における、許容ハロゲン消費量はCとなり、透過流束値が第5領域にある場合における許容ハロゲン消費量はCとなり、透過流束値が第4領域にある場合における許容ハロゲン消費量はCとなる。
ここで、透過流束値が第6領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合には、膜劣化を防止するため、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。また、透過流束値が第6領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下にある場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び安定化剤の薬注量を維持する。
同様に、透過流束値が第5領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合に、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。透過流束値が第5領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下の場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び/又は、安定化剤の薬注量を維持する。
透過流束値が第4領域にあると共に、ハロゲン消費量がCを超えた場合に、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5による塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6による安定化剤の薬注量を増加させる。透過流束値が第4領域にあると共に、ハロゲン消費量がC以下の場合には、薬剤濃度調整部33は、塩素系酸化剤の薬注量、及び安定化剤の薬注量を維持する。
水処理システム1は、上記の構成を有することにより、バイオフィルムの抑制と過剰な塩素添加による膜劣化の防止との間でバランスを調整することが可能となる。
〔発明の動作〕
以下、本発明の実施形態である水処理システム1の動作について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の水処理システム1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下では、上記の第1領域を膜間差圧がP1未満の領域とし、上記の第2領域を膜間差圧がP以上P未満の領域とし、上記の第3領域を膜間差圧がP以上の領域とする。これらP、P、Pは、0.03〜0.1MPaの間で任意に設定される数値とすると好適である。
同様に、上記の第4領域を透過流束値がF以下の領域とし、上記の第5領域を透過流束値がFを超えF以下の領域とし、上記の第6領域を透過流束値がFを超える領域とする。これらF、F、Fは、透過流束の初期比として70〜100%の間で任意に設定される数値とすると好適である。
ステップS1において、差圧測定部32によって測定される膜間差圧がP未満であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がFを超える場合(S1:YES)には、処理はステップS2に移行する。差圧測定部32によって測定される膜間差圧がP以上であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がF以下である場合(S1:NO)には、処理はステップS4に移行する。
ステップS2において、ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、Cを超える場合(S2:YES)には、処理はステップS3に移行する。ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、C以下の場合(S2:NO)には、処理はステップS1に移行する(リターン)。
ステップS3において、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5により添加される塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6により添加される安定化剤の薬注量を増加させる。
ステップS4において、差圧測定部32によって測定される膜間差圧がP以上P未満であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がFを超えF以下である場合(S4:YES)には、には、処理はステップS5に移行する。差圧測定部32によって測定される膜間差圧がP以上であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がF以下である場合(S4:NO)には、処理はステップS6に移行する。
ステップS5において、ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、Cを超える場合(S5:YES)には、処理はステップS7に移行する。ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、C以下の場合(S5:NO)には、処理はステップS1に移行する(リターン)。
ステップS6において、ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、Cを超える場合(S6:YES)には、処理はステップS8に移行する。ハロゲン消費量算出部31によって算出されるハロゲン消費量が、C以下の場合(S6:NO)には、処理はステップS1に移行する(リターン)。
ステップS7において、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5により添加される塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6により添加される安定化剤の薬注量を増加させる。
ステップS8において、薬剤濃度調整部33は、第1薬剤添加装置5により添加される塩素系酸化剤の薬注量を減少させるか、第2薬剤添加装置6により添加される安定化剤の薬注量を増加させる。
〔本実施形態の効果〕
上述した本実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本発明の水処理システム1は、給水W11に安定化剤を薬注する第2薬剤添加装置6と、給水W11における全ハロゲン濃度と、濃縮排水W50における全ハロゲン濃度との差分であるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部31と、逆浸透膜モジュール14において濃縮水W30が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する差圧測定部32、又は逆浸透膜モジュール14における透過流束値を算出する透過流束値算出部34と、ハロゲン消費量と膜間差圧又は透過流束値とに基づいて、給水W11への安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部33と、を備える。
ハロゲン消費量が膜劣化の度合いを反映し、逆浸透膜モジュールでの差圧がバイオフィルムの生成量を反映するため、ハロゲン消費量と逆浸透膜モジュールでの差圧の双方に基づくことにより、バイオフィルムの生成を抑えつつ膜劣化の度合いも抑えられるようなバランスで、薬注を制御することが可能となる。また、ハロゲン濃度の絶対値ではなく、ハロゲン消費量に基づいて制御することで、膜劣化をより高精度に考慮した管理が可能となる。
また、膜間差圧又は透過流束値に応じて、ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、ハロゲン消費量が許容上限値を超えた場合に、薬剤濃度調整部33は、安定化剤の薬注量を増加させる。
これにより、とりわけ膜間差圧が高いために、塩素系酸化剤の添加量を増やしたいが、逆浸透膜へのダメージを考慮すると、塩素系酸化剤の添加量を増やせない場合に、安定化剤の薬注量を増加させることで、膜へのダメージの度合いを下げながら、バイオフィルムを抑制することが可能となる。
また、本発明の水処理システム1は、給水W11中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段を更に備え、薬剤濃度調整部33は、ハロゲン消費量と膜間差圧又は透過流束値とに基づいて、更に、給水W11中の遊離塩素濃度を調整する。
これにより、とりわけ膜間差圧が高い場合に、給水W11中の遊離塩素濃度を調整することで、バイオフィルムを抑制することが可能となる。
また、膜間差圧又は透過流束値に応じて、ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、ハロゲン消費量が許容上限値を超えた場合に、薬剤濃度調整部は、遊離塩素濃度を減少させる。
これにより、とりわけ膜間差圧が高い場合に、給水W11中の遊離塩素濃度を減少させることで、バイオフィルムを抑制することが可能となる。
また、本発明の水処理システム1は、遊離塩素濃度調整手段として、給水W11に塩素系酸化剤を薬注する第2薬剤添加装置5を更に備える。
これにより、とりわけ膜間差圧が高い場合に、塩素系酸化剤の添加量を増やすことで、バイオフィルムを抑制することが可能となる。
また、水処理システム1は、給水W11の水質を測定する水質センサ7を更に備え、薬剤濃度調整部33は、水質センサ7により測定された水質に基づいて、運転開始時における給水W11中の遊離塩素濃度の調整量及び給水W11への安定化剤の薬注量を設定する。
事前に給水W11の水分析をすることにより、バイオフィルムリスクを確認した上で、バイオフィルムリスクに応じた薬注の初期条件を設定することが可能となる。
〔変形例〕
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
〔変形例1〕
例えば、第1薬剤添加装置5は、第1薬剤として塩素系酸化剤を添加することにより、給水W11中の遊離塩素濃度を調整するとしたが、これには限定されない。第1薬剤添加装置5は、第1薬剤として還元剤を添加してもよく、この場合、給水W11に前段のろ過処理工程等により元々含まれている遊離塩素濃度を低下させる。この還元剤としては、例えばSBS(NaHSO3:重亜硫酸ソーダ)を用いてもよい。
また、水処理システム1が、そもそも第1薬剤添加装置5を備えず、遊離塩素濃度を調整しない構成としてもよい。
〔変形例2〕
上記の実施形態では、給水W11の全ハロゲン濃度と、濃縮排水W50の全ハロゲン濃度との収支からハロゲン消費量を算出し、ハロゲン消費量と、膜間差圧又は透過流束値とに基づいて、バイオフィルムの生成や膜劣化の可能性を判定していたが、これには限定されない。例えば、給水における酸化還元電位と、濃縮排水における酸化還元電位との差分と、膜間差圧又は透過流束値とに基づいて、バイオフィルムの生成や膜劣化の可能性を判定してもよい。
図4は、給水W11の全ハロゲン濃度の測定値と、濃縮排水W50の全ハロゲン濃度の測定値との収支からハロゲン消費量を算出した場合の、膜間差圧とハロゲン消費量との関係(点線)、及び、給水W11における酸化還元電位と濃縮排水W50における酸化還元電位との差分からハロゲン消費量を推定した場合の、膜間差圧とハロゲン消費量との関係(実線)を示すグラフの例である。
酸化還元電位を用いる場合は、ハロゲン濃度の場合に比較して、一般に酸化性物質や還元性物質との共存状態の影響を受け易く、また、塩素濃度によっては感度が得られ難い点や、応答性が低い特性があるため、グラフの形状は水質条件によって変動し得る。
また、上記の通り、酸化性物質、還元性物質の総量の影響を反映し易い特性があるため、ハロゲン濃度で確認する場合と使い分けるのが好ましい。
給水W11における酸化還元電位と濃縮排水W50における酸化還元電位との差分は、遊離塩素又は安定化剤によるハロゲン消費量に対応するが、ハロゲン消費量が逆浸透膜のバイオフィルムを酸化した度合いを反映し、逆浸透膜モジュール14での差圧又は透過流束値がバイオフィルムの生成量を反映するため、ハロゲン消費量と逆浸透膜モジュールでの差圧又は透過流束値の双方に基づくことにより、バイオフィルムの生成を抑えつつ膜劣化の度合いも抑えられるようなバランスで、薬注を制御することが可能となる。
〔変形例3〕
上記の実施形態では、とりわけ〔発明の動作〕で参照される図3のフローにおいて、最初に膜間差圧又は透過流束値と所定値とを比較し、次に、ハロゲン消費量を所定値と比較することにより場合分けした上で、動作内容を変更していたが、これには限定されない。例えば、最初にハロゲン消費量を所定値と比較し、次に膜間差圧又は透過流束値を所定値と比較することにより場合分けした上で、動作内容を変更してもよい。
〔変形例4〕
上記の実施形態では、ハロゲン消費量として、第1ハロゲン濃度センサ8によって測定される給水W11の全ハロゲン濃度と濃縮倍率の積から、第2ハロゲン濃度センサ19によって測定される濃縮排水W50の全ハロゲン濃度を差し引いた値を用いたが、これには限定されない。例えば、給水W11への次亜塩素酸ソーダ等の塩素系酸化剤の実際の注入量と、濃縮排水W50の全ハロゲン濃度に基づいて、ハロゲン消費量を算出しても良い。
〔変形例5〕
また、水処理システム1は、上記の実施形態とは異なる構成を有してもよい。例えば、上記では循環水ラインL4を備えるとしたが、これには限定されず、循環水ラインL4を有さない構成としてもよい。
〔変形例6〕
また、水処理システム1は、更に、耐塩素膜を使用すると、膜劣化の影響をより受け難くなるのでより好適である。上述の薬注調整手法と併用することで、より劣化影響を低減することができる。耐塩素膜としては、例えばポリアミド系の材料を用いて製造されるものがある。
〔変形例7〕
また、水処理システム1において、膜洗浄工程にも前記薬剤を添加した給水を用いて行うのが好ましい。膜洗浄工程としては、フラッシング等が有るが、濃縮水ラインに給水ラインを接続して通水しても良い。
1 水処理システム、
5 第1薬剤添加装置(遊離塩素濃度調整手段)
6 第2薬剤添加装置(薬注手段)
7 水質センサ(水質測定手段)
10 加圧ポンプ
13 第1圧力センサ、15 第2圧力センサ、17 第3圧力センサ
14 逆浸透膜モジュール
30 制御部
31 ハロゲン消費量算出部、32 差圧測定部
33 薬剤濃度調整部、34 透過流束値算出部
FM1 第1流量センサ、FM2 第2流量センサ
L1 給水ライン、L2 透過水ライン、L3 濃縮水ライン、
L4 循環水ライン、L5 濃縮排水ライン、
L11 第1給水ライン、L12 第2給水ライン

Claims (8)

  1. 給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、
    給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する給水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、
    前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、
    給水に安定化剤を薬注する安定化剤薬注手段と、
    給水における全ハロゲン濃度と、濃縮排水における全ハロゲン濃度との差分であるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部と、
    前記逆浸透膜モジュールにおいて濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する差圧測定部、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出部と、
    前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、給水への安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部と、を備える、水処理システム。
  2. 前記膜間差圧又は前記透過流束値に応じて、前記ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、
    前記ハロゲン消費量が前記許容上限値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記安定化剤の薬注量を増加させる、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段を更に備え、
    前記薬剤濃度調整部は、前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、更に、給水中の遊離塩素濃度を調整する、請求項1に記載の水処理システム。
  4. 前記膜間差圧又は前記透過流束値に応じて、前記ハロゲン消費量の許容上限値が規定されると共に、
    前記ハロゲン消費量が前記許容上限値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記遊離塩素濃度を減少させる、請求項3に記載の水処理システム。
  5. 前記遊離塩素濃度調整手段として、給水に塩素系酸化剤を薬注する酸化剤薬注装置を更に備える、請求項3又は4に記載の水処理システム。
  6. 前記遊離塩素濃度調整手段として、給水に還元剤を薬注する還元剤薬注装置を更に備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、
    給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する供給水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、
    前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、
    給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段と、
    給水に安定化剤を薬注する安定化剤薬注装置と、
    給水における酸化還元電位と、前記濃縮排水における酸化還元電位との差分から、遊離塩素又は安定化剤によるハロゲン消費量を算出するハロゲン消費量算出部と、
    前記逆浸透膜モジュールにおける膜間差圧を測定する差圧測定部、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出部と、
    前記ハロゲン消費量と前記膜間差圧又は前記透過流束値とに基づいて、給水中の遊離塩素濃度の調整量及び/又は安定化剤の薬注量を制御する薬剤濃度調整部と、を備える、水処理システム。
  8. 給水の水質を測定する水質測定手段を更に備え、
    前記薬剤濃度調整部は、前記水質測定手段により測定された水質に基づいて、運転開始時における給水中の遊離塩素濃度の調整量及び給水への安定化剤の薬注量を設定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の水処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023149310A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 オルガノ株式会社 水処理方法および水処理装置

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