JP2020093558A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、鞍乗り型車両の後輪の挙動を適切に安定化させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。【解決手段】本発明に係る制御装置及び制御方法では、鞍乗り型車両(100)の車輪のスリップ度が許容スリップ度以下になるように制御され、鞍乗り型車両(100)のスリップ角(θ1)に基づいて、鞍乗り型車両(100)の後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、後輪(4)の許容スリップ度を、後輪(4)の挙動が安定状態であると判定された場合の後輪(4)の許容スリップ度よりも小さくする安定化制御が実行される。【選択図】図3
Description
この開示は、鞍乗り型車両の後輪の挙動を適切に安定化させることができる制御装置及び制御方法に関する。
モータサイクル等の鞍乗り型車両では、他の車両と比較して、挙動が不安定となりやすい。ゆえに、鞍乗り型車両の挙動を安定化させることが重要である。例えば、鞍乗り型車両の挙動を安定化させるための技術として、特許文献1に開示されているように、後輪がスリップする場合等の後輪の挙動が不安定状態になった場合に後輪の挙動を安定化させる技術がある。後輪の挙動が不安定状態となっている場合は、具体的には、後輪が進行方向に対して左右に過度に振れている場合に相当する。
しかしながら、上述したように鞍乗り型車両の挙動を安定化させることは他の車両と比較して特に重要であるので、特許文献1に開示されている技術等の従来の技術の他に、鞍乗り型車両の後輪の挙動をより適切に安定化させる技術が提案されることが望まれている。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗り型車両の後輪の挙動を適切に安定化させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。
本発明に係る制御装置は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御装置であって、前記鞍乗り型車両の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御する制御部を備え、前記制御部は、前記鞍乗り型車両のスリップ角に基づいて、前記鞍乗り型車両の後輪の挙動が安定状態であるか否かを判定し、前記後輪の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記後輪の許容スリップ度を前記後輪の挙動が安定状態であると判定された場合の前記後輪の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行する。
本発明に係る制御方法は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御方法であって、前記鞍乗り型車両の車輪のスリップ度は、許容スリップ度以下になるように制御され、前記鞍乗り型車両のスリップ角に基づいて、前記鞍乗り型車両の後輪の挙動が安定状態であるか否かを判定するステップと、前記後輪の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記後輪の許容スリップ度を前記後輪の挙動が安定状態であると判定された場合の前記後輪の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行するステップと、を備える。
本発明に係る制御装置及び制御方法では、鞍乗り型車両の車輪のスリップ度が許容スリップ度以下になるように制御され、後輪の挙動が不安定状態であると判定された場合、後輪の許容スリップ度を後輪の挙動が安定状態であると判定された場合の後輪の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御が実行される。それにより、後輪がスリップしている場合に、後輪のスリップ度を低下させることができるので、後輪がスリップしている状態を適切に解消することができる。ゆえに、後輪がスリップすることに伴って進行方向に対して左右に過度に振れることを適切に抑制することができる。よって、鞍乗り型車両の後輪の挙動を適切に安定化させることができる。
以下に、本発明に係る制御装置について、図面を用いて説明する。なお、以下では、二輪のモータサイクルに用いられる制御装置について説明しているが、本発明に係る制御装置は、二輪のモータサイクル以外の鞍乗り型車両(例えば、三輪のモータサイクル、バギー車、自転車等)に用いられるものであってもよい。なお、鞍乗り型車両は、ドライバが跨って乗車する車両を意味する。
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
<モータサイクルの構成>
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60が搭載されるモータサイクル100の構成について説明する。
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60が搭載されるモータサイクル100の構成について説明する。
図1は、制御装置60が搭載されるモータサイクル100の概略構成を示す模式図である。図2は、ブレーキシステム10の概略構成を示す模式図である。図3は、スリップ角について説明するための説明図である。図4は、リーン角について説明するための説明図である。図5は、制御装置60の機能構成の一例を示すブロック図である。
モータサイクル100は、図1に示されるように、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4と、ブレーキシステム10とを備える。本実施形態では、制御装置(ECU)60は、後述されるブレーキシステム10の液圧制御ユニット50に設けられている。さらに、モータサイクル100は、マスタシリンダ圧センサ41と、ホイールシリンダ圧センサ42と、前輪回転速度センサ43と、後輪回転速度センサ44と、慣性計測装置(IMU)45とを備える。
ブレーキシステム10は、図1及び図2に示されるように、第1ブレーキ操作部11と、少なくとも第1ブレーキ操作部11に連動して前輪3を制動する前輪制動機構12と、第2ブレーキ操作部13と、少なくとも第2ブレーキ操作部13に連動して後輪4を制動する後輪制動機構14とを備える。また、ブレーキシステム10は、液圧制御ユニット50を備え、前輪制動機構12の一部及び後輪制動機構14の一部は、当該液圧制御ユニット50に含まれる。液圧制御ユニット50は、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力を制御する機能を担うユニットである。
第1ブレーキ操作部11は、ハンドル2に設けられており、ドライバの手によって操作される。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ブレーキレバーである。第2ブレーキ操作部13は、胴体1の下部に設けられており、ドライバの足によって操作される。第2ブレーキ操作部13は、例えば、ブレーキペダルである。
前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれは、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23に設けられているホイールシリンダ24と、マスタシリンダ21のブレーキ液をホイールシリンダ24に流通させる主流路25と、ホイールシリンダ24のブレーキ液を逃がす副流路26とを備える。
主流路25には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路26は、主流路25のうちの、込め弁31に対するホイールシリンダ24側とマスタシリンダ21側との間をバイパスする。副流路26には、上流側から順に、弛め弁(AV)32と、アキュムレータ33と、ポンプ34とが設けられている。
込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
液圧制御ユニット50は、込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33及びポンプ34を含むブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントと、それらのコンポーネントが設けられ、主流路25及び副流路26を構成するための流路が内部に形成されている基体51と、制御装置60とを含む。
なお、基体51は、1つの部材によって形成されていてもよく、複数の部材によって形成されていてもよい。また、基体51が複数の部材によって形成されている場合、各コンポーネントは、異なる部材に分かれて設けられていてもよい。
液圧制御ユニット50の上記のコンポーネントの動作は、制御装置60によって制御される。それにより、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力が制御される。
例えば、通常時(つまり、ドライバによるブレーキ操作に応じた制動力を車輪に生じさせる時)には、制御装置60によって、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖される。その状態で、第1ブレーキ操作部11が操作されると、前輪制動機構12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3に制動力が生じる。また、第2ブレーキ操作部13が操作されると、後輪制動機構14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4に制動力が生じる。
マスタシリンダ圧センサ41は、マスタシリンダ21のブレーキ液の液圧を検出し、検出結果を出力する。マスタシリンダ圧センサ41が、マスタシリンダ21のブレーキ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。マスタシリンダ圧センサ41は、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれに設けられている。
ホイールシリンダ圧センサ42は、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を検出し、検出結果を出力する。ホイールシリンダ圧センサ42が、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。ホイールシリンダ圧センサ42は、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれに設けられている。
前輪回転速度センサ43は、前輪3の回転速度を検出し、検出結果を出力する。前輪回転速度センサ43が、前輪3の回転速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。前輪回転速度センサ43は、前輪3に設けられている。
後輪回転速度センサ44は、後輪4の回転速度を検出し、検出結果を出力する。後輪回転速度センサ44が、後輪4の回転速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。後輪回転速度センサ44は、後輪4に設けられている。
慣性計測装置45は、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備えており、モータサイクル100の姿勢を検出する。慣性計測装置45は、例えば、胴体1に設けられている。
具体的には、慣性計測装置45は、モータサイクル100のスリップ角を検出し、検出結果を出力する。慣性計測装置45が、モータサイクル100のスリップ角に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。スリップ角は、図3に示される角度θ1(つまり、進行方向D1に対するモータサイクル100の車体のヨー方向の傾きを表す角度)に相当する。具体的には、慣性計測装置45の各センサの検出結果に基づいてモータサイクル100の進行方向D1及びモータサイクル100の姿勢を算出することができるので、慣性計測装置45は、モータサイクル100のスリップ角を検出することができる。
また、慣性計測装置45は、モータサイクル100のリーン角を検出し、検出結果を出力する。慣性計測装置45が、モータサイクル100のリーン角に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。リーン角は、図4に示される角度θ2(つまり、鉛直上方向D2に対するモータサイクル100の車体のロール方向の傾きを表す角度)に相当する。
なお、モータサイクル100では、スリップ角を検出する機能のみを有する装置又はリーン角を検出する機能のみを有する装置が慣性計測装置45に替えて用いられてもよい。また、モータサイクル100では、スリップ角を検出する装置として、慣性計測装置45以外の他の装置が用いられてもよい。例えば、そのような装置として、モータサイクル100の前方を撮像し、撮像された画像に対して画像処理を施すことによりスリップ角を算出可能な装置が用いられてもよい。
制御装置60は、モータサイクル100の挙動を制御する。
例えば、制御装置60の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置60の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置60は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
制御装置60は、図5に示されるように、例えば、取得部61と、制御部62とを備える。
取得部61は、モータサイクル100に搭載されている各装置から出力される情報を取得し、制御部62へ出力する。例えば、取得部61は、マスタシリンダ圧センサ41、ホイールシリンダ圧センサ42、前輪回転速度センサ43、後輪回転速度センサ44及び慣性計測装置45から出力される情報を取得する。
制御部62は、モータサイクル100の挙動を制御するために、モータサイクル100に生じる制動力を制御する。特に、制御部62は、モータサイクル100の後輪4の挙動を安定化するための安定化制御を実行する。
なお、本明細書では、モータサイクル100に生じる制動力の制御によって安定化制御が実現される例を主に説明するが、モータサイクル100に生じる駆動力の制御によって安定化制御が実現されてもよい。
制御部62は、例えば、安定状態判定部62aと、制動制御部62bとを含む。
安定状態判定部62aは、モータサイクル100のスリップ角に基づいて、モータサイクル100の後輪4の挙動が安定状態であるか否かを判定する。後輪4の挙動が不安定状態となっている場合は、具体的には、後輪4が進行方向に対して左右に過度に振れている場合に相当する。
制動制御部62bは、ブレーキシステム10の液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御することによって、モータサイクル100の車輪に生じる制動力を制御する。
通常時には、制動制御部62bは、上述したように、ドライバのブレーキ操作に応じた制動力が車輪に生じるように、液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御する。一方、制動制御部62bは、特定の状況下において、車輪に生じる制動力をドライバのブレーキ操作に応じた制動力から調整する制御を行う。
例えば、制動制御部62bは、込め弁31が閉鎖され、弛め弁32が開放された状態にし、その状態で、ポンプ34を駆動することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を減少させて車輪に生じる制動力を減少させることができる。また、例えば、制動制御部62bは、上記の状態から込め弁31及び弛め弁32の双方を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を保持し車輪に生じる制動力を保持することができる。また、例えば、制動制御部62bは、上記の状態から込め弁31を開放し、弛め弁32を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増大させて車輪に生じる制動力を増大させることができる。なお、制動制御部62bは、前輪制動機構12及び後輪制動機構14の各々の動作を個別に制御することによって、前輪3に生じる制動力と後輪4に生じる制動力とを個別に制御することができる。
具体的には、制動制御部62bは、モータサイクル100の減速中に、車輪のスリップ度が許容スリップ度を超えている場合に、当該車輪に生じる制動力を減少させることによって、モータサイクル100の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御する。この制御は、車輪のロックを抑制するために当該車輪に生じる制動力を調整するアンチロックブレーキ制御と呼ばれる制御である。
詳細には、制動制御部62bは、前輪3及び後輪4の回転速度に基づいてモータサイクル100の車速を算出し、車輪の回転速度と車速との比較結果に基づいて車輪のスリップ度を算出する。スリップ度は、車輪が路面に対して滑っている度合いを示す指標であり、スリップ度としては、例えば、車速と車輪の回転速度との差を車速で除して得られるスリップ率が用いられる。そして、制動制御部62bは、スリップ度が許容スリップ度を超えている車輪がある場合に、当該車輪にロック又はロックの可能性が生じていると判断し、当該車輪に生じる制動力を減少させる。それにより、当該車輪のスリップ度を許容スリップ度以下にすることができる。許容スリップ度は、車輪にロック又はロックの可能性が生じているか否かを適切に判断し得るように設定される値であり、車両の仕様に応じて適宜設定され得る。
また、制動制御部62bは、モータサイクル100の減速中に、減速度が許容減速度を超えている場合に、各車輪に生じる制動力を減少させることによって、モータサイクル100の減速度を許容減速度以下になるように制御する。この制御は、モータサイクル100に過度に大きな減速度が生じる急ブレーキを抑制するための制御である。
詳細には、制動制御部62bは、前輪3及び後輪4の回転速度に基づいてモータサイクル100の車速を算出し、車速の推移に基づいてモータサイクル100の減速度を算出する。そして、制動制御部62bは、減速度が許容減速度を超えている場合に、モータサイクル100に過度に大きな減速度が生じていると判断し、各車輪に生じる制動力を減少させる。それにより、減速度を許容減速度以下にすることができる。許容減速度は、モータサイクル100に過度に大きな減速度が生じているか否かを適切に判断し得るように設定される値であり、車両の仕様に応じて適宜設定され得る。
上記のように、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御する。ここで、制御部62は、後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、後輪4の許容スリップ度を後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合の後輪4の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行する。それにより、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることが実現される。このような制御装置60が行う安定化制御に関する処理については、後述にて詳細に説明する。
<制御装置の動作>
図6を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60の動作について説明する。
図6を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60の動作について説明する。
図6は、制御装置60が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。具体的には、図6に示される制御フローは、制御装置60の制御部62により行われる制動力の制御による安定化制御に関する処理の流れに相当し、モータサイクル100の減速中に後輪4が安定状態となっている時に開始される。また、図6におけるステップS510及びステップS590は、図6に示される制御フローの開始及び終了にそれぞれ対応する。
図6に示される制御フローが開始されると、ステップS511において、制御部62の安定状態判定部62aは、後輪4の挙動が安定状態であるか否かを判定する。後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合(ステップS511/YES)、ステップS511の判定処理が繰り返される。一方、後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合(ステップS511/NO)、ステップS513に進む。
ステップS511では、安定状態判定部62aは、上述したように、モータサイクル100のスリップ角に基づいて、後輪4の挙動が安定状態であるか否かを判定する。
後輪4の挙動が不安定状態となっている場合は、上述したように、後輪4が進行方向に対して左右に過度に振れている場合であり、具体的には、後輪4の左右方向への振れ幅が過度に大きい場合と、後輪4の左右方向への振れ速度が過度に高い場合とを含む。
例えば、安定状態判定部62aは、スリップ角の絶対値が絶対値閾値より大きい場合、後輪4の挙動が不安定状態であると判定する。絶対値閾値は、後輪4の左右方向への振れ幅が過度に大きいか否かを適切に判断し得る値に設定される。
ここで、後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合(つまり、ステップS511でNOと判定された場合)には、後述するように、安定化制御(具体的には、第1安定化制御又は第2安定化制御)が実行される。ゆえに、絶対値閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。安定状態判定部62aは、安定化制御を適切なタイミングで実行する観点では、モータサイクル100の車速が大きいほど絶対値閾値を小さくすることが好ましい。また、安定状態判定部62aは、同様の観点では、モータサイクル100のリーン角が大きいほど絶対値閾値を小さくすることが好ましい。
また、例えば、安定状態判定部62aは、スリップ角の変化速度(つまり、単位時間あたりの変化量)が変化速度閾値より大きい場合、後輪4の挙動が不安定状態であると判定する。変化速度閾値は、後輪4の左右方向への振れ速度が過度に高いか否かを適切に判断し得る値に設定される。
ここで、変化速度閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。安定状態判定部62aは、安定化制御を適切なタイミングで実行する観点では、モータサイクル100の車速が大きいほど変化速度閾値を小さくすることが好ましい。また、安定状態判定部62aは、同様の観点では、モータサイクル100のリーン角が大きいほど変化速度閾値を小さくすることが好ましい。
ステップS511でNOと判定された場合、ステップS513において、制御部62は、モータサイクル100のリーン角がリーン角閾値より大きいか否かを判定する。リーン角がリーン角閾値より大きいと判定された場合(ステップS513/YES)、ステップS517に進み、第1安定化制御が実行される。一方、リーン角がリーン角閾値以下であると判定された場合(ステップS513/NO)、ステップS515に進む。
リーン角閾値は、モータサイクル100がカーブ路を走行中(つまり、コーナリング中)であるか否かを適切に判断し得る値に設定される。
ステップS513でNOと判定された場合、ステップS515において、制御部62は、モータサイクル100の減速度が減速度閾値以下であるか否かを判定する。減速度が減速度閾値以下であると判定された場合(ステップS515/YES)、ステップS517に進み、第1安定化制御が実行される。一方、減速度が減速度閾値より大きいと判定された場合(ステップS515/NO)、ステップS519に進み、第2安定化制御が実行される。
減速度閾値は、モータサイクル100に過度に大きな減速度が生じる急ブレーキが行われているか否かを適切に判断し得る値に設定される。
ステップS513又はステップS515のいずれかでYESと判定された場合、ステップS517において、制御部62の制動制御部62bは、第1安定化制御を実行する。第1安定化制御は、後輪4の許容スリップ度を後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合の後輪4の許容スリップ度よりも小さくする安定化制御である。
ここで、後輪4の挙動が不安定状態になる状況として、後輪4がスリップしている状況があり、第1安定化制御はこのような状況下で実行される。具体的には、第1安定化制御は、上述したように、ステップS513又はステップS515のいずれかでYESと判定された場合に実行される。ここで、ステップS513でYESと判定された場合、モータサイクル100がコーナリング中であるので、後輪4のスリップが発生しやすいと考えられる。また、ステップS515でYESと判定された場合、モータサイクル100の直進路の走行中に減速度が比較的小さい状態で後輪4の挙動が不安定状態になっていることから、摩擦係数が比較的低い低μ路の走行中に後輪4のスリップが発生した可能性が高いと考えられる。
上記のように、第1安定化制御は、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になっている状況下で実行される。なお、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になる場合には、後輪4の左右方向への振れ幅は比較的小さくなり、後輪4の左右方向への振れ速度は比較的高くなる傾向がある。
具体的には、第1安定化制御では、制動制御部62bは、後輪4の許容スリップ度を低下させるとともに後輪4に生じる制動力を減少させることによって、後輪4のスリップ度を低下後の許容スリップ度以下になるように制御する。それにより、後輪4がスリップしている場合に、後輪4がスリップしている状態を適切に解消することができる。ゆえに、後輪4がスリップすることに伴って進行方向に対して左右に過度に振れることを適切に抑制することができる。よって、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
ステップS513及びステップS515の双方でNOと判定された場合、ステップS519において、制御部62の制動制御部62bは、第2安定化制御を実行する。第2安定化制御は、モータサイクル100の許容減速度を後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合の許容減速度よりも小さくする安定化制御である。
ここで、後輪4の挙動が不安定状態になる状況として、急ブレーキが行われることによりモータサイクル100の重心が前側に移動することによって、後輪4を地面に押し付ける力が過度に小さくなっている状況があり、第2安定化制御はこのような状況下で実行される。具体的には、第2安定化制御は、上述したように、ステップS513及びステップS515の双方でNOと判定された場合に実行される。ここで、ステップS513及びステップS515の双方でNOと判定された場合、モータサイクル100の直進路の走行中に減速度が比較的大きい状態で後輪4の挙動が不安定状態になっていることから、摩擦係数が比較的高い高μ路の走行中に急ブレーキが行われた可能性が高いと考えられる。
上記のように、第2安定化制御は、急ブレーキが行われることによって後輪4の挙動が不安定状態になっている状況下で実行される。なお、急ブレーキが行われることによって後輪4の挙動が不安定状態になる場合には、後輪4の左右方向への振れ幅は比較的大きくなり、後輪4の左右方向への振れ速度は比較的低くなる傾向がある。
具体的には、第2安定化制御では、制動制御部62bは、許容減速度を低下させるとともに各車輪に生じる制動力を減少させることによって、モータサイクル100の減速度を低下後の許容減速度以下になるように制御する。それにより、急ブレーキが行われている場合に、前輪3に過度に大きな制動力が生じている状態を適切に解消することができる。ゆえに、モータサイクル100の重心が前側に移動することにより後輪4を地面に押し付ける力が不足することを適切に抑制することができる。よって、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
ステップS517又はステップS519の後、図6に示される制御フローは終了する。
上記のように、図6に示される制御フローでは、制御部62は、モータサイクル100の減速中に後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えて実行する。それにより、後輪4の挙動が不安定状態となる状況に応じて後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。ここで、後輪4の挙動が不安定状態となる状況に応じて後輪4の挙動をより適切に安定化させる観点では、図6に示される制御フローのように、制御部62は、モータサイクル100の減速度に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えることがより好ましい。また、同様の観点では、図6に示される制御フローのように、制御部62は、モータサイクル100のリーン角に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えることがより好ましい。
なお、上記では、図6に示される制御フローを参照して、制御部62がモータサイクル100に生じる制動力を制御することによって安定化制御を実行する例を主に説明したが、制御部62は、上述したように、モータサイクル100に生じる駆動力を制御することによって安定化制御を実行してもよい。
例えば、制御部62は、モータサイクル100の動力源(例えば、エンジン又は駆動用モータ)の動作を制御することによって、モータサイクル100に生じる駆動力を制御する。この場合、制御部62は、モータサイクル100の加速中に、車輪のスリップ度が許容スリップ度を超えている場合に、当該車輪に生じる駆動力を減少させることによって、モータサイクル100の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御することができる。
ここで、モータサイクル100の加速中において、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になる場合がある。このような場合に、制御部62は、後輪4の挙動が不安定状態であると判定し、後輪4の許容スリップ度を低下させるとともに後輪4に生じる駆動力を減少させることによって、後輪4のスリップ度を低下後の許容スリップ度以下になるように制御することができる。このように、制御部62は、モータサイクル100の加速中に後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、モータサイクル100に生じる駆動力を制御することによって、第1安定化制御を実行する。それにより、モータサイクル100の加速中においても、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置60の効果について説明する。
本発明の実施形態に係る制御装置60の効果について説明する。
制御装置60は、モータサイクル100の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御する制御部62を備える。また、制御部62は、モータサイクル100のスリップ角に基づいて、モータサイクル100の後輪4の挙動が安定状態であるか否かを判定し、後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、後輪4の許容スリップ度を後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合の後輪4の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行する。それにより、後輪4がスリップしている場合に、後輪4がスリップしている状態を適切に解消することができる。ゆえに、後輪4がスリップすることに伴って進行方向に対して左右に過度に振れることを適切に抑制することができる。よって、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、スリップ角の絶対値が絶対値閾値より大きい場合、後輪4の挙動が不安定状態であると判定する。それにより、後輪4の左右方向への振れ幅が過度に大きくなるような後輪4の挙動の不安定状態を適切に検知することができる。例えば、急ブレーキが行われることによって後輪4の挙動が不安定状態になった場合に、後輪4の挙動の不安定状態を適切に検知することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の車速が大きいほど絶対値閾値を小さくする。ここで、モータサイクル100の車速が大きい場合には、車速が小さい場合よりも、後輪4がスリップしている状態を適切に解消することの困難性が高まるので、安定化制御を実行する必要性が高くなる。また、絶対値閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。ゆえに、モータサイクル100の車速が大きいほど絶対値閾値を小さくすることによって、安定化制御を実行する必要性が高いほど安定化制御を実行されやすくすることができる。よって、安定化制御を適切なタイミングで実行することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100のリーン角が大きいほど絶対値閾値を小さくする。ここで、モータサイクル100のリーン角が大きいほど、モータサイクル100の姿勢は不安定になりやすくなるので、安定化制御を実行する必要性が高くなる。また、絶対値閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。ゆえに、モータサイクル100のリーン角が大きいほど絶対値閾値を小さくすることによって、安定化制御を実行する必要性が高いほど安定化制御を実行されやすくすることができる。よって、安定化制御を適切なタイミングで実行することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、スリップ角の変化速度が変化速度閾値より大きい場合、後輪4の挙動が不安定状態であると判定する。それにより、後輪4の左右方向への振れ速度が過度に高くなるような後輪4の挙動の不安定状態を適切に検知することができる。例えば、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になった場合に、後輪4の挙動の不安定状態を適切に検知することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の車速が大きいほど変化速度閾値を小さくする。ここで、モータサイクル100の車速が大きい場合には、車速が小さい場合よりも、後輪4がスリップしている状態を適切に解消することの困難性が高まるので、安定化制御を実行する必要性が高くなる。また、変化速度閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。ゆえに、モータサイクル100の車速が大きいほど変化速度閾値を小さくすることによって、安定化制御を実行する必要性が高いほど安定化制御を実行されやすくすることができる。よって、安定化制御を適切なタイミングで実行することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100のリーン角が大きいほど変化速度閾値を小さくする。ここで、モータサイクル100のリーン角が大きいほど、モータサイクル100の姿勢は不安定になりやすくなるので、安定化制御を実行する必要性が高くなる。また、変化速度閾値を小さくするほど、安定化制御を実行されやすくすることができる。ゆえに、モータサイクル100のリーン角が大きいほど変化速度閾値を小さくすることによって、安定化制御を実行する必要性が高いほど安定化制御を実行されやすくすることができる。よって、安定化制御を適切なタイミングで実行することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の減速度を許容減速度以下になるように制御し、モータサイクル100の減速中に後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、第1安定化制御と、許容減速度を後輪4の挙動が安定状態であると判定された場合の許容減速度よりも小さくする第2安定化制御とを切り替えて実行する。このような第2安定化制御によれば、急ブレーキが行われている場合に、前輪3に過度に大きな制動力が生じている状態を適切に解消することができる。ゆえに、モータサイクル100の重心が前側に移動することにより後輪4を地面に押し付ける力が不足することを適切に抑制することができる。ゆえに、第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えて実行することによって、後輪4の挙動が不安定状態となる状況に応じて(つまり、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になっているのか、急ブレーキが行われることによって後輪4の挙動が不安定状態になっているのかに応じて)後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の減速中に後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、モータサイクル100の減速度に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替える。ここで、モータサイクル100の直進路の走行中に減速度が比較的小さい状態で後輪4の挙動が不安定状態になっている場合、摩擦係数が比較的低い低μ路の走行中に後輪4のスリップが発生した可能性が高いと考えられる。一方、モータサイクル100の直進路の走行中に減速度が比較的大きい状態で後輪4の挙動が不安定状態になっている場合、摩擦係数が比較的高い高μ路の走行中に急ブレーキが行われた可能性が高いと考えられる。ゆえに、モータサイクル100の減速度に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えることによって、後輪4の挙動が不安定状態となる状況に応じて後輪4の挙動をより適切に安定化させることができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、モータサイクル100の減速中に後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合、モータサイクル100のリーン角に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替える。ここで、モータサイクル100がコーナリング中である場合には、後輪4のスリップが発生しやすいと考えられる。ゆえに、モータサイクル100がコーナリング中であると判断し得る程度にリーン角が大きい場合に、第1安定化制御を実行することによって、後輪4がスリップすることによって後輪4の挙動が不安定状態になっている状況下でモータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。よって、モータサイクル100のリーン角に応じて第1安定化制御と第2安定化制御とを切り替えることによって、後輪4の挙動が不安定状態となる状況に応じて後輪4の挙動をより適切に安定化させることができる。
ここで、後輪4の挙動が不安定状態になることを抑制する方法として、モータサイクル100に生じる制動力又は駆動力の上限値を、車両の走行状態によらず後輪4の挙動が不安定状態にならない程度に小さな値に予め(つまり、後輪4の挙動が不安定状態であるか否かにかかわらず)設定しておく方法が考えられる。しかしながら、その方法を用いる場合、モータサイクル100の制動性能又は駆動性能が過度に制限されてしまう。一方、制御装置60によれば、上記で説明したように、後輪4の挙動が不安定状態であると判定された場合に安定化制御が実行されるので、モータサイクル100の制動性能又は駆動性能が過度に制限されてしまうことを抑制しつつ、モータサイクル100の後輪4の挙動を適切に安定化させることができる。
本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態の全て又は一部が組み合わされてもよく、また、各実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、10 ブレーキシステム、11 第1ブレーキ操作部、12 前輪制動機構、13 第2ブレーキ操作部、14 後輪制動機構、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25 主流路、26 副流路、31 込め弁、32 弛め弁、33 アキュムレータ、34 ポンプ、41 マスタシリンダ圧センサ、42 ホイールシリンダ圧センサ、43 前輪回転速度センサ、44 後輪回転速度センサ、45 慣性計測装置(IMU)、50 液圧制御ユニット、51 基体、60 制御装置、61 取得部、62 制御部、62a 安定状態判定部、62b 制動制御部、100 モータサイクル。
Claims (11)
- 鞍乗り型車両(100)の挙動を制御する制御装置(60)であって、
前記鞍乗り型車両(100)の車輪のスリップ度を許容スリップ度以下になるように制御する制御部(62)を備え、
前記制御部(62)は、
前記鞍乗り型車両(100)のスリップ角に基づいて、前記鞍乗り型車両(100)の後輪(4)の挙動が安定状態であるか否かを判定し、
前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記後輪(4)の許容スリップ度を前記後輪(4)の挙動が安定状態であると判定された場合の前記後輪(4)の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行する、
制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記スリップ角の絶対値が絶対値閾値より大きい場合、前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定する、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)の車速が大きいほど前記絶対値閾値を小さくする、
請求項2に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)のリーン角が大きいほど前記絶対値閾値を小さくする、
請求項2又は3に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記スリップ角の変化速度が変化速度閾値より大きい場合、前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)の車速が大きいほど前記変化速度閾値を小さくする、
請求項5に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)のリーン角が大きいほど前記変化速度閾値を小さくする、
請求項5又は6に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、
前記鞍乗り型車両(100)の減速度を許容減速度以下になるように制御し、
前記鞍乗り型車両(100)の減速中に前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記第1安定化制御と、前記許容減速度を前記後輪(4)の挙動が安定状態であると判定された場合の前記許容減速度よりも小さくする第2安定化制御とを切り替えて実行する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)の減速中に前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記鞍乗り型車両(100)の減速度に応じて前記第1安定化制御と前記第2安定化制御とを切り替える、
請求項8に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記鞍乗り型車両(100)の減速中に前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記鞍乗り型車両(100)のリーン角に応じて前記第1安定化制御と前記第2安定化制御とを切り替える、
請求項8又は9に記載の制御装置。 - 鞍乗り型車両(100)の挙動を制御する制御方法であって、
前記鞍乗り型車両(100)の車輪のスリップ度は、許容スリップ度以下になるように制御され、
前記鞍乗り型車両(100)のスリップ角に基づいて、前記鞍乗り型車両(100)の後輪(4)の挙動が安定状態であるか否かを判定するステップ(S511)と、
前記後輪(4)の挙動が不安定状態であると判定された場合、前記後輪(4)の許容スリップ度を前記後輪(4)の挙動が安定状態であると判定された場合の前記後輪(4)の許容スリップ度よりも小さくする第1安定化制御を実行するステップ(S517)と、
を備える、
制御方法。
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