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JP2020082898A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP2020082898A
JP2020082898A JP2018217387A JP2018217387A JP2020082898A JP 2020082898 A JP2020082898 A JP 2020082898A JP 2018217387 A JP2018217387 A JP 2018217387A JP 2018217387 A JP2018217387 A JP 2018217387A JP 2020082898 A JP2020082898 A JP 2020082898A
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進也 大場
Shinya Oba
進也 大場
伸哉 岩堀
Shinya Iwahori
伸哉 岩堀
智久 堤
Tomohisa Tsutsumi
智久 堤
雅明 松尾
Masaaki Matsuo
雅明 松尾
庸介 駒田
Yosuke Komada
庸介 駒田
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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置において、車両が前方衝突等の衝撃を受けた場合に、EPSモータを介して車室側が受ける衝撃を抑制することである。【解決手段】電動パワーステアリング装置40は、エンジン室18に配置されるエンジン部16と車室14との間に配置されている。電動パワーステアリング装置40は、ギヤボックス44、及び、ギヤボックス44と車両前後方向に沿った締結面で締結されているEPSモータ46を含む。エンジン部16の後端部に向かい合うギヤボックス44の前端部は、EPSモータ46の前端部の位置よりも車両前方側に突き出す突出部50を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、電動パワーステアリング装置に係り、特に、ギヤボックスとEPSモータとを含む電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵系では、外部動力源を用いて操舵アシストを行わせるパワーステアリング装置が広く用いられている。外部動力源として電動モータを用いるものが電動パワーステアリング装置(Electric Power Steering:EPS)であり、その場合の電動モータはEPSモータと呼ばれる。例えば、車前方の走行路を撮像するカメラとステアリングに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、電子制御装置とを用いる操舵支援装置を設け、これを電動パワーステアリング装置と組み合わせて、自動運転が行われる。
特許文献1には、電動パワーステアリング装置において、ラック・ピニオン機構、パワーアシスト機構を収納するギヤボックスと、ギヤボックスの前方側に配置されパワーアシスト機構の駆動に用いられるEPSモータとを含むことが述べられている。
特許文献2には、車両の衝突時の衝撃を効果的に吸収できるステアリングギヤボックスの支持装置として、ステアリングギヤボックスを車体フレームに固定するブラケットの後面側に、衝撃を受けると破断可能な取付バンドを設けることが開示されている。
特開2003−261042号公報 特開平8−183466号公報
車両の自動運転対応のために、電動パワーステアリング装置のEPSモータに内蔵される駆動用ECUの機能が拡大し、EPSモータが大型化する。EPSモータが大型化すると、車両の前方衝突の衝撃等によってエンジン部が後方側に移動した場合に、エンジン室と車室とを区画するダッシュパネルとエンジン部との間にEPSモータが挟まれることが生じ得る。挟まれた状態のEPSモータはダッシュパネルに負荷を与えるので、利用客が乗っている車室側の変形が生じ得る。車室側の変形を抑制するために構成部品を補強することが考えられるが、車両の質量が増加し、コストもかかる。そこで、車両が前方衝突等の衝撃を受けた場合に、EPSモータを介して車室側が受ける衝撃を抑制できる電動パワーステアリング装置が要望される。
本開示に係る電動パワーステアリング装置は、エンジン室に配置されるエンジン部と車室との間に配置されている電動パワーステアリング装置であって、ギヤボックスと、ギヤボックスと車両前後方向に沿った締結面で締結されているEPSモータと、を含み、エンジン部の後端部に向かい合うギヤボックスの前端部は、EPSモータの前端部の位置よりも車両前方側に突き出す突出部を有する。
上記構成によれば、車両が前方衝突等の衝撃を受けてエンジン部が後方側に移動すると、ギヤボックスに設けられた突出部にエンジン部がまず接触する。EPSモータがエンジン室の車室側の部材で後方側の移動が止められていると、ギヤボックスとEPSモータとの間の締結部材に車両前後方向の剪断力が増大し、これによってギヤボックスに対しEPSモータが離脱する。EPSモータが離脱することで、EPSモータによる車室側の変形が抑制される。
上記構成の電動パワーステアリング装置によれば、車両が前方衝突等の衝撃を受けた場合に、EPSモータを介して車室側が受ける衝撃を抑制できる。
実施の形態の電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車両前部構造における各要素の配置図である。 図1のII部の詳細図である。 図2のIII方向から見た側面図を用いて、車両前部構造における衝撃エネルギ吸収領域を示す側面図である。 実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の斜視図である。 図4に対し反対側から見た斜視図である。 ギヤボックスとEPSモータの締結関係を示す上面図である。 図6のVII−VII線から見た側面図である。 他の実施例について図6に対応する図である。 別の実施例について図7に対応する図である。 比較例として、従来技術の電動パワーステアリング装置が前方衝突等の衝撃を受ける場合を示す図である。 実施の形態の電動パワーステアリング装置の作用効果を示す図である。 実施の形態の電動パワーステアリング装置の作用効果を時系列的にまとめて示す図である。
以下に図面を用いて本開示に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、電動パワーステアリング装置が搭載される車両として、左ハンドル車を述べるが、これは説明のための例示であり、右ハンドル車についても同様に実施できる。
以下に述べる形状、材質等は、説明のための例示であって、電動パワーステアリング装置の仕様等により、適宜変更が可能である。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両10の車両前部構造12において電動パワーステアリング装置40に関連する各要素の配置図である。図2は、図1のII部について車両10の上方側から見た図である。
以下の各図において、車両前後方向、車両上下方向、車両幅方向を示す。車両前後方向については、FRと示す方向が車両前方側の方向で、RRと示す方向が車両後方側の方向である。車両上下方向については、UPと示す方向が路面に対して上側の車両上方側の方向であり、反対方向が路面に向かう車両下方側の方向である。車両幅方向については、RHと示す方向が車両の右側の方向で、LHと示す方向が車両の左側の方向である。車両の右側、左側は、車両前方側を向いて右側が車両の右側、左側が車両の左側である。なお、車両に設けられる各部材は、車両の前後方向に沿った車両中心線に対し左右対称に配置されることが多いので、車両幅方向については、車両の右側、左側に関わらず、車室内側の方向をINと呼び、車両外側の方向をOUTと呼ぶ。
車両10の車両前部構造12は、利用客が乗っている車室14よりも車両前方側における構造で、エンジン部16が配置されるエンジン室18を含む。ダッシュパネル20は、エンジン室18と車室14との間に設けられる隔壁部材である。
一対のフロントサイドメンバ22,23は、略矩形筒状の部材で、車両10の右側及び左側において、それぞれ車両前後方向に延伸し、車両前部構造12の骨格部材の1つである。以下では特に断らない限り、フロントサイドメンバ22,23をサイドメンバ22,23と呼び、この2つを区別する場合には、車両左側に配置される方を左サイドメンバ22と呼び、車両右側に配置される側を右サイドメンバ23と呼ぶ。
バンパリインフォースメント24は、サイドメンバ22,23の車両前方側の端部に接続され、車両幅方向に延び、車両前部構造12の骨格部材の1つであり、車両10のフロントバンパが取り付けられる。バンパリインフォースメント24は、車両10が前方側からの衝突の衝撃を受けた場合に衝撃を受け止め、サイドメンバ22,23に衝撃を伝達する。
一対の前輪26,27は、サイドメンバ22,23のそれぞれのOUT側に配置される車輪である。一対のサスペンション装置30,31は、それぞれ、前輪26,27に接続される車軸を回転可能に支持しつつ前輪26,27の操舵を可能にして、前輪26,27が路面等から受ける振動等を吸収する装置である。サスペンション装置30,31の構成は周知であるので、詳細な説明を省略する。
ステアリングホイール28は、車室14の左側に配置され、利用客である運転者が車両10を走行運転中に車両10の進行方向を変更する場合に操作する操舵操作子である。運転者がステアリングホイール28を回転操舵すると、電動パワーステアリング装置40の機能によって、前輪26,27が路面に垂直な軸周りに回転し、車両10の旋回走行等の操舵が行われる。
スタビライザ32は、車両10が旋回すると遠心力によって発生するロールを抑制するために設けられる走行安定化装置である。スタビライザ32は車両幅方向に延伸するスタビライザバーを含み、スタビライザバーの両端部は、サスペンション装置30,31における前輪26,27の左右支持部材に連結される。車両10が旋回すると、左右支持部材の上下方向変異が異なるのでスタビライザバーにねじれが生じ、このねじれがロールモーメントに抗して、ロールが抑制される。スタビライザブラケット34は、スタビライザ32を車両前部構造12の図示しない骨格部材に取り付ける部材である。
電動パワーステアリング装置40は、運転者によるステアリングホイール28の操舵に対し、外部動力源としてモータを用いて操舵アシストを行わせるパワーステアリング装置である。電動パワーステアリング装置40は、前輪26,27にそれぞれ連結されるタイロッド42、及び、ラック・ピニオン機構とパワーアシスト機構とを内蔵するギヤボックス44を含む。さらに、パワーアシスト機構を駆動するEPSモータ46、及び、ギヤボックス44とEPSモータ46を一体化して締結する締結部48を含む。ステアリングホイール28とギヤボックス44とはステアリングシャフト29で接続される。
ここまでは、一般的なパワーステアリング装置の構造である。本開示の電動パワーステアリング装置40においては、締結部48におけるギヤボックス44の締結面とEPSモータ46の締結面とが車両前後方向に平行であり、さらに、エンジン部16の後端部に向かい合うギヤボックス44の前端部に突出部50を備える。突出部50は、EPSモータ46の前端部の位置よりも車両前方側に突き出し、車両10が前方衝突等の衝撃を受けた場合に、衝撃で後退するエンジン部16の後端部をEPSモータ46より先に受け止める働きをする。突出部50に関する詳細な内容、及びその作用効果については後述する。
運転者がステアリングホイール28を回転操舵すると、その回転操舵は、ステアリングシャフト29を介してギヤボックス44に伝達され、ギヤボックス44のラック・ピニオン機構によって回転運動が直進運動に変換されてタイロッド42に伝達される。タイロッド42の両端部は、一対のサスペンション装置30,31のそれぞれに連結され、前輪26,27が路面に垂直な軸周りに回転し、車両10の旋回走行等の操舵が行われる。
運転者がステアリングホイール28を回転操舵すると、ステアリングホイール28の操舵トルクは、図示しないトルクセンサによって検出され、検出された操舵トルクに応じ、EPSモータ46が前輪26,27を操舵するためのアシスト力を発生する。これによって、ステアリングホイール28の操舵性が向上する。
車両10は、電動パワーステアリング装置40の他に、図示しない撮像カメラと車速センサとを備える。そして、撮像カメラの撮像画像および車速センサの検出値に基づいて車両10が道路の車線に沿って走行するようなアシストトルクを求め、求められたアシストトルクをEPSモータ46に発生させる制御を行う。これによって、車両10の自動運転が可能になる。
図2は、車両前部構造12について図1のII部の詳細図である。図2に示されるように、電動パワーステアリング装置40は、エンジン室18内において、車両前後方向に沿って、エンジン部16と車室14との間に配置される。図2では、スタビライザ32は、ダッシュパネル20の上下方向の湾曲によって一部が隠されている。
図3は、図2のIII方向から見た側面図で、車両前部構造12の主な骨格部材を示す図である。車室14の車両前方側壁の下側部分を構成するダッシュパネル20の車両前方側の左側面に左サイドメンバ22の傾斜部21が固定される。左サイドメンバ22の車両前方側の端部には、車両前後方向の衝撃を吸収するためのクラッシュボックスを介してバンパリインフォースメント24が固定される。車両10が前方衝突等の衝撃を受ける場合は、図3のフロントエンド領域60に衝撃が入力され、エンジン室領域62を介して車室領域64に衝撃が伝達される。車両前部構造12においては、バンパリインフォースメント24やクラッシュボックスの変形、左サイドメンバ22の屈折変形等で、フロントエンド領域60とエンジン室領域62において衝撃を吸収し、車室領域64に伝達される衝撃を緩和する構造をとる。このように、車両前部構造12の骨格部材は、フロントエンド領域60とエンジン室領域62とが衝突エネルギ吸収領域66として働き、前方衝突等の衝撃による車室14の変形量を抑制する。
図4から図7は、車両10が前方衝突等の衝撃を受けてエンジン部16が後方側に移動する場合に、電動パワーステアリング装置40がEPSモータ46を介して車室領域64側に与える衝撃を抑制するための突出部50に関連する詳細な構成を示す図である。
図4は、図2のIV部をOUT側から見た斜視図であり、図5は、IV部をIN側から見た斜視図である。
ギヤボックス44は、ラック・ピニオン機構等を収納する円筒状のギヤボックス本体部45を有し、ギヤボックス本体部45の下方側には、車両前部構造12の骨格部材へのギヤボックス取付部44a,44bが設けられる。タイロッド42は、ギヤボックス本体部45の幅方向の両端部からIN方向及びOUT方向に延伸する。
EPSモータ46は、電動モータと、電動モータを駆動する駆動用ECUとを収容するモータ本体部47を有する。自動運転対応の車両10においては、駆動用ECUの機能が拡大する。さらに、電源線の断線等の故障時においても運転者による回避操舵を可能にするためには駆動用ECUを二系統化することが好ましく、これらのために、自動運転対応のEPSモータ46は大型化する。かかるEPSモータ46は、ギヤボックス本体部45の上方側であってOUT側に配置される。
ギヤボックス44において、ギヤボックス本体部45から上方側に張り出して締結用のギヤボックスフランジ部48GBが設けられる。これに対応して、EPSモータ46において、モータ本体部47のIN側端部に締結用のモータフランジ部48PMが設けられる。ギヤボックスフランジ部48GBとモータフランジ部48PMには、図示しない締結ボルトを通す締結穴49がそれぞれ設けられる。ギヤボックスフランジ部48GBとモータフランジ部48PMとが向かい合う面は、車両前後方向に平行な面である。ギヤボックスフランジ部48GB、モータフランジ部48PM、及び締結ボルトは、締結部48を構成する。突出部50は、ギヤボックスフランジ部48GBにおいて、車両前方側に突き出して設けられる。
図6と図7は、ギヤボックス44とEPSモータ46の締結関係と突出部50とについての詳細図である。図6は、電動パワーステアリング装置40を、車両上方側から見た上面図であり、図7は図6のVII−VII線からIN側を見た側面図である。
図6、図7において、位置Aは、ギヤボックス本体部45の車両前後方向におけるFR側の前端部の位置である。図6、図7の例では、モータフランジ部48PMのFR側の前端部の位置は位置Aとほぼ同じ位置で、ギヤボックスフランジ部48GBのFR側の前端部の位置Cは、位置AよりもRR側の位置である。この例の場合は、車両10が前方衝突等の衝撃を受けてエンジン部16が白抜矢印で示すようにRR側に移動すると、エンジン部16のRR側の後端部は、電動パワーステアリング装置40の位置Aに負荷を与える。
電動パワーステアリング装置40の車両後方側は、図6、図7の例では、ギヤボックス本体部45よりもモータ本体部47の方が車両後方側に突出している。EPSモータ46が小型の場合には、車両後方側においてEPSモータ46がギヤボックス本体部45から張り出さないようにできるが、車両10の自動運転対応が進むと、EPSモータ46が大型化し、図6、図7と同様な配置関係となる。
この場合に、車両10が前方衝突等の衝撃を受けてエンジン部16が白抜矢印で示すようにRR側に移動し、電動パワーステアリング装置40の位置Aに負荷を与えると、ギヤボックス44と共にEPSモータ46が車両後方側に移動する。そして、EPSモータ46の車両後方側において、スタビライザ32やスタビライザブラケット34に支持されることが生じ得る。つまり、EPSモータ46は、エンジン部16と車室14側との間に挟まれた状態になる。そのままでは、エンジン部16による負荷が車室14側に伝達され、図3で述べた車両前部構造12の衝突エネルギ吸収領域66による車室14の変形量抑制よりも大きな変形量となる可能性がある。
ギヤボックス44において、ギヤボックスフランジ部48GBは、位置Aよりも車両前方側へ位置Bまで突出する突出部50を備える。突出部50を設けることで、エンジン部16が後退した場合に、早期に突出部50に衝撃が伝達され、EPSモータ46が後方側に移動して車室14側に支持された場合に、車両前後方向に平行な締結面を有する締結部48に剪断力を与えることができる。この剪断力によって締結部48が破断し、EPSモータ46がギヤボックス44から分離するので、それ以後は、EPSモータ46が車室14に衝撃を与えず、車室14はEPSモータ46によって変形しない。突出部50の作用効果の詳細については後述する。
突出部50の位置Aからの突出量は、ΔBAである。図6、図7の例では、ギヤボックスフランジ部48GBにおいて突出部50が設けられる位置Cは、位置Aよりも車両後方側にある。したがって、位置Aと位置Cの差をΔACとすると、ギヤボックスフランジ部48GBから測った突出部50の突出量ΔBCは、ΔBC=(ΔBA+ΔAC)である。ΔBA、ΔBCの寸法の一例を挙げると、ΔBAは、約5mm以上10mm以下、ΔBCは、ΔACの設定によるが、ΔBAよりも数mm程度大きい。これは、説明のための例示であって、車両10の耐衝突性仕様、電動パワーステアリング装置40の仕様等によって適宜変更が可能である。
上記では、EPSモータ46に対してギヤボックス44を車両前方側に突出させる手段として、ギヤボックスフランジ部48GBを車両前方側に延長し、その延長部分を突出部50とした。EPSモータ46に対してギヤボックス44を車両前方側に突出させる手段としては、別部材を付加してもよく、あるいは、ギヤボックス44よりも車両後方側にEPSモータ46を退避させてもよい。
図8は、図6に対応する図で、EPSモータ46に対してギヤボックス44を車両前方側に突出させる手段として、ギヤボックス44の前方側に付加部材52を追加する例を示す図である。付加部材52は、溶接や接着等の適当な固定手段でギヤボックス44の前方側面に固定される。付加部材52の位置Aからの車両前方側への突出量Δ52は、図6で述べたΔBAと同程度に設定する。
図9は、図7に対応する図で、EPSモータ46に対してギヤボックス44を車両前方側に突出させる手段として、図7におけるモータフランジ部48PMの車両前面側を縮小してモータフランジ部54PMとする例を示す図である。モータフランジ部54PMの車両前方側の前端部の位置は、EPSモータ46のモータ本体部47の外形よりも車両後方側に設定する。これにより、モータフランジ部54PMを含むEPSモータ46の車両前方側の前端部の位置は、モータ本体部47の外形となる。この方法は、位置Aから測ったモータ本体部47の外形の位置の車両後方側への退避量Δ47が、図6で述べたΔBA以上である場合に効果的な方法である。
上記構成の作用効果について、図10と図11を用いてさらに詳細に説明する。ここでは、EPSモータ46に対してギヤボックス44を車両前方側に突出させる手段として、図6、図7で述べた突出部50を用いて述べる。図10、図11は、図6に対応し、さらにエンジン部16の状態を示す図である。
図10は、比較例として、突出部50が設けられない電動パワーステアリング装置39が搭載される車両10が前方衝突等の衝撃Fを受けて、エンジン部16が車両後方側に移動した場合を示す図である。この場合は、エンジン部16の後方側の部分が、電動パワーステアリング装置39におけるギヤボックス44の車両前方側の位置Aに対し、衝撃Fに対応する負荷を与える。これによって、ギヤボックス44と共にEPSモータ46が車両後方側に移動し、EPSモータ46はスタビライザブラケット34に支持された状態となる。
この状態は、一点鎖線で囲んで示すように、EPSモータ46に圧縮荷重が生じ、ギヤボックス44とEPSモータ46との間の締結部48に剪断力が生じる。EPSモータ46は、エンジン部16と車室14側との間に挟まれた状態となっているので、ギヤボックス44とEPSモータ46との間の締結部48に剪断力が生じても分離することができず、EPSモータ46は、車室14側に衝撃Fによる負荷を伝達する。これによって、車室14は、図3で述べた車両前部構造12の衝突エネルギ吸収領域66によって抑制された衝撃負荷よりも大きな衝撃負荷を受ける可能性が生じる。
図11は、突出部50が設けられる電動パワーステアリング装置40が搭載される車両10が前方衝突等の衝撃Fを受けて、エンジン部16が車両後方側に移動した場合を示す図である。この場合は、エンジン部16の後方側の部分が、電動パワーステアリング装置40における突出部50に対して、衝撃Fに対応する負荷を与える。これによって、ギヤボックス44と共にEPSモータ46が車両後方側に移動する。ここで、EPSモータ46はエンジン部16に対して接触していないので、スタビライザブラケット34等の車室14側の要素に支持されても、エンジン部16と車室14側との間に挟まれた状態にはならない。したがって、太い矢印で示すように、ギヤボックス44とEPSモータ46との間の締結部48に、図10の場合に比べて大きな剪断力Sが生じる。これによって、EPSモータ46はギヤボックス44から分離し離脱し、それ以後は、EPSモータ46が車室14に衝撃を与えず、車室14はEPSモータ46によって変形しない。
図12は、電動パワーステアリング装置40の作用効果を時系列的にまとめた図である。ここでは、バリアに車両10が前方から衝突する(S10)。バリアとは、衝撃試験等で用いる障壁である。これによって、車両10は前方衝突等による衝撃を受ける。その衝撃によって、最初に、図3で述べたフロントエンド領域60の骨格部材が変形する(S12)。具体的には、バンパリインフォースメント24やクラッシュボックス等が変形する。次に、図3で述べたエンジン室領域62の骨格部材が変形する(S14)。具体的には、一対のサイドメンバ22,23や、一対のサスペンション装置30,31を上下から支持するサスペンションメンバやアッパメンバ等が変形する。これに伴い、エンジン部16が車室14側に向かって車両後方側に後退する(S16)。この場合に、EPSモータ46をギヤボックス44から離脱させ、エンジン部16の後退による車室14側が受ける衝撃負荷を軽減させる(S18)。その詳細は、図11で述べた内容である。これによって、図3で述べた車室領域64においてEPSモータ46を介した変形量が抑制される(S20)。
上記のように、電動パワーステアリング装置40によれば、車両10が自動運転対応等によってEPSモータ46が大型化しても、車両10が前方衝突等の衝撃を受けた場合に、EPSモータ46を介して車室14側が受ける衝撃を抑制できる。
10 車両、12 車両前部構造、14 車室、16 エンジン部、18 エンジン室、20 ダッシュパネル、21 傾斜部、22 (フロント)左サイドメンバ、23 (フロント)右サイドメンバ、24 バンパリインフォースメント、26,27 前輪、28 ステアリングホイール、29 ステアリングシャフト、30,31 サスペンション装置、32 スタビライザ、34 スタビライザブラケット、39,40 電動パワーステアリング装置、42 タイロッド、44 ギヤボックス、44a,44b ギヤボックス取付部、45 ギヤボックス本体部、46 EPSモータ、47 モータ本体部、48 締結部、48GB ギヤボックスフランジ部、48PM,54PM モータフランジ部、49 締結穴、50 突出部、52 付加部材、60 フロントエンド領域、62 エンジン室領域、64 車室領域、66 衝突エネルギ吸収領域。

Claims (1)

  1. エンジン室に配置されるエンジン部と車室との間に配置されている電動パワーステアリング装置であって、
    ギヤボックスと、
    前記ギヤボックスと車両前後方向に沿った締結面で締結されているEPSモータと、
    を含み、
    前記エンジン部の後端部に向かい合う前記ギヤボックスの前端部は、前記EPSモータの前端部の位置よりも車両前方側に突き出す突出部を有する、電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2025009099A1 (ja) * 2023-07-05 2025-01-09 日産自動車株式会社 自動車のフロントボディ構造

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