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JP2020075972A - 無機繊維の回収方法 - Google Patents

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JP2020075972A JP2018208971A JP2018208971A JP2020075972A JP 2020075972 A JP2020075972 A JP 2020075972A JP 2018208971 A JP2018208971 A JP 2018208971A JP 2018208971 A JP2018208971 A JP 2018208971A JP 2020075972 A JP2020075972 A JP 2020075972A
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Abstract

【課題】強度や剛性を高めたFRPの廃材から無機繊維を回収する方法を提供する。【解決手段】下記工程[1]〜[3]を有する無機繊維の回収方法。[1]:第1無機繊維と、熱可塑性の第1樹脂とを含む第1樹脂層と、第1無機繊維とは異なる第2無機繊維と、熱可塑性の第2樹脂とを含む第2樹脂層と、が積層された成形体であって、成形体について、成形体の表面温度が、[Tp+30]℃以上[Tp+70]℃以下になるように、成形体を加熱する工程。[2]:加熱した第1樹脂層と第2樹脂層とを互いに引き剥がす工程。[3]:分離した少なくとも一方の樹脂層を、一方の樹脂層に含まれる樹脂の分解温度以上に加熱して樹脂を除去し、一方の無機繊維を回収する工程。【選択図】図1

Description

本発明は、無機繊維の回収方法に関する。
樹脂と繊維とを含む繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量であり、かつ強度や剛性が高いことが知られている。そのため、FRPは、スポーツ、レジャー用品の構成部品や、宇宙航空機の構成部品などの幅広い分野にわたって、用途開発が進められている。
最近、FRPの用途は、特殊品用途から汎用品用途に拡大している。また、環境に対する配慮が重要となることに伴い、FRPの廃材から無機繊維を回収する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の炭化物を酸化分解して炭素繊維を回収する方法が記載されている。また、特許文献2には、CFRPを超臨界流体または亜臨界液体で処理してCFRPに含まれる樹脂を除去し、炭素繊維を回収する方法が記載されている。
特開平07−033904号公報 特開2003−190759号公報
そのため、強度や剛性を向上させたFRPからも無機繊維を回収する方法が求められる。
本発明者らは上記実情に鑑み、強度や剛性を高めたFRPの廃材から無機繊維を回収する方法を提供する。
発明者らが検討した結果、第1無機繊維を含む第1樹脂層と、第1無機繊維とは異なる第2無機繊維を含む第2樹脂層と、が積層されたFRPを用いた成形体は、強度や剛性が高いことがわかった。
発明者らは、特許文献1や特許文献2に記載の無機繊維の回収方法を用いて、上記成形体から無機繊維を回収することを試みた。その結果、特許文献1や特許文献2に記載の方法を用いると、得られる無機繊維は第1無機繊維と第2無機繊維との混合物となり、第1無機繊維と第2無機繊維とを分離して回収することが困難であることがわかった。
発明者らの検討により、以下の態様を有する無機繊維の回収方法によれば第1無機繊維と第2無機繊維とを分離して回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様は以下の態様を有する。
[1]下記工程[1]〜[3]を有する無機繊維の回収方法。
[1]:第1無機繊維と、熱可塑性の第1樹脂とを含む第1樹脂層と、前記第1無機繊維とは異なる第2無機繊維と、熱可塑性の第2樹脂とを含む第2樹脂層と、が積層された成形体であって、下記条件を満たす前記成形体について、
前記成形体の表面温度が、[Tp+30]℃以上[Tp+70]℃以下になるように、前記成形体を加熱する工程。
(Tp(℃):前記第1樹脂の融点と前記第2樹脂の融点との低い方の融点)
[2]:加熱した前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを互いに引き剥がす工程。
[3]:分離した少なくとも一方の樹脂層を、前記一方の樹脂層に含まれる樹脂の分解温度以上に加熱して前記樹脂を除去し、前記一方の無機繊維を回収する工程。
<条件>
前記成形体を50mm×50mmに切り出した試験片について、前記試験片の表面温度が、[Tp+30]℃になるように加熱したとき、加熱前の前記第1樹脂層の厚さXに対する加熱後の前記第1樹脂層の厚さYの比Y/X、および加熱前の前記第2樹脂層の厚さXに対する加熱後の前記第2樹脂層の厚さYの比Y/Xの少なくとも一方が2以上。
[2]前記工程[2]において、前記第1樹脂層は前記第2樹脂層よりも厚く、前記第1樹脂層を固定し、前記第2樹脂層を引き剥がす、[1]に記載の無機繊維の回収方法。
[3]前記成形体の表面温度が[Tp+70]℃であるとき、JIS L 1913に準拠して、100mm/分の引張速度にて測定される前記第2樹脂層の引張強度が、0.5N/cm以上である、[2]に記載の無機繊維の回収方法。
[4]前記工程[2]において、JIS K 6854−1に準拠して、100mm/分の剥離速度にて測定される前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との引き剥がし強度を1.0N/cm未満とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の無機繊維の回収方法。
[5]前記第1無機繊維が炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方であり、前記第2無機繊維が前記炭素繊維および前記ガラス繊維の他方である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の無機繊維の回収方法。
本発明の一態様によれば、強度や剛性を高めたFRPの廃材から無機繊維を回収する方法が提供される。
図1は、本実施形態の成形体10の層構成を示す断面図である。 図2は、工程[1]を示す模式断面図である。 図3は、工程[2]を示す模式断面図である。 図4は、工程[3]を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態に係る無機繊維の回収方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本実施形態に係る無機繊維の回収方法は、成形体から無機繊維を回収する方法である。以下、成形体について説明する。
<成形体>
図1は、本実施形態の成形体10の層構成を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の成形体10は、第1樹脂層1と、第2樹脂層5のみからなる。本実施形態の成形体10は、第1樹脂層1と、第1樹脂層1の片面のみに配置された第2樹脂層5とが積層された積層体である。
以下、本実施形態の第1樹脂層1および第2樹脂層5の構成材料の好適例を説明する。
[第1樹脂層]
本発明の本実施形態における第1樹脂層1は、第1無機繊維と、熱可塑性の第1樹脂とを含む。本実施形態の第1樹脂層1は、第1無機繊維に熱可塑性の第1樹脂を含浸させた樹脂層が好適である。
(第1無機繊維)
本実施形態の第1樹脂層1に含まれる第1無機繊維としては、例えば炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、ステンレス、鉄などの金属繊維などが挙げられる。
上記炭素繊維としては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、PITCH系炭素繊維などが挙げられる。上記炭素繊維は、ストランド引張強度が1.0GPa以上9.0GPa以下で、かつストランド引張弾性率が150GPa以上1000GPa以下であることが好ましい。上記炭素繊維は、ストランド引張強度が1.5GPa以上9.0GPa以下で、かつストランド引張弾性率が200GPa以上1000GPa以下であることがより好ましい。
本明細書において、炭素繊維のストランド引張強度およびストランド引張弾性率は、JIS R7601(1986)に準じて測定される値を採用する。
第1無機繊維としては、炭素繊維またはガラス繊維が好ましい。
(熱可塑性の第1樹脂)
本実施形態の第1樹脂層1において、熱可塑性の第1樹脂は、特に限定されず、例えばポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度:145℃)、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂などが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、例えばナイロン6(融点:215〜220℃)、ナイロン66(融点:260℃)、ナイロン12(融点:175℃)、ナイロンMXD6(融点:237℃)などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン(融点:95〜130℃)、高密度ポリエチレン(融点:120〜140℃)、ポリプロピレン(融点:165℃)などが挙げられる。
変性ポリオレフィン樹脂は、例えば、マレイン酸などの酸によりポリオレフィン樹脂を変性した樹脂である。変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば変性ポリプロピレン樹脂(融点:160〜165℃)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
上述した熱可塑性を有する樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の熱可塑性を有する樹脂を使用する場合、ポリマーアロイとして使用してもよい。ポリマーアロイとしては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの共重合体)、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体、ナイロン6とナイロン66との共重合体などが挙げられる。
熱可塑性の第1樹脂は、成形体10の強度や剛性などの観点から、第1無機繊維に対する接着性が高いことが好ましい。熱可塑性の第1樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[第2樹脂層]
本発明の本実施形態における第2樹脂層5は、第2無機繊維と、熱可塑性の第2樹脂とを含む。
(第2無機繊維)
本実施形態の第2樹脂層5に含まれる第2無機繊維としては、第1無機繊維とは異なれる繊維であればよく、第1無機繊維で例示した繊維を用いることができる。第1樹脂層1が炭素繊維である場合、第2樹脂層5がガラス繊維であることが好ましい。また、別の側面として、第1樹脂層1がガラス繊維である場合、第2樹脂層5が炭素繊維であることが好ましい。
(熱可塑性の第2樹脂)
本実施形態の第2樹脂層5に含まれる熱可塑性の第2樹脂として、熱可塑性の第1樹脂として例示する樹脂を使用することができる。
本発明の本実施形態の成形体10は、温風循環式オーブン内で加熱した第1樹脂基材21の片面に第2樹脂基材25を配置し積層体を得、加圧加熱可能なプレス機で積層体を加圧および加熱し、冷却固化させることにより得られる。このとき、第1無機繊維および第2無機繊維は、それぞれ厚さ方向に圧縮される。なお、第1樹脂基材21は成形体10としたときに第1樹脂層1を与える材料である。また、第2樹脂基材25は成形体10としたときに第2樹脂層5を与える材料である。
本実施形態の成形体10によれば、ガラス繊維を含む樹脂基材のみを有する成形体に比べて強度や剛性が高い。
<無機繊維の回収方法>
本実施形態に係る無機繊維の回収方法では、上述した成形体から無機繊維を回収する。なお、無機繊維を回収する成形体10は、後述の条件を満たすものである。本実施形態に係る無機繊維の回収方法は、下記工程[1]〜[3]を有する。
[1]:成形体10の表面温度が、[Tp+30]℃以上[Tp+70]℃以下になるように、成形体を加熱する工程。
[2]:加熱した第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに引き剥がす工程。
[3]:分離した樹脂層を、樹脂層に含まれる樹脂の分解温度以上に加熱して、樹脂を除去し、無機繊維を回収する工程。
上記Tp(℃)は、第1樹脂の融点と第2樹脂の融点との低い方の融点を表す。
[工程[1]]
図2は、工程[1]を示す模式断面図である。上記工程[1]において、成形体10の表面温度が[Tp+30]℃以上になると、融点の低い方の樹脂が溶け出す。融点の低い方の樹脂が溶け出すと、第1無機繊維および第2無機繊維が加圧成形前の状態に戻ろうとする力が開放される。これにより、第1無機繊維および第2無機繊維が厚さ方向に膨らんで加圧成形前の状態へと戻る現象(スプリングバック現象)が生じる。第1無機繊維と第2無機繊維とは互いに異なる繊維であるため、スプリングバック量に差が生じ、第1樹脂層1と第2樹脂層5との界面が顕在化しやすい。その結果、第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに引き剥がしやすい。
一方、成形体10の表面温度が[Tp+70]℃を超えると、少なくとも融点が低い方の樹脂の分解温度に達し、樹脂が除去されてしまうことがある。樹脂が除去された場合、第1樹脂層1と第2樹脂層5との界面で第1無機繊維と第2無機繊維とが絡み合い、第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに引き剥がせなくなる。したがって、成形体10の表面温度が[Tp+70]℃以下になるように、成形体10を加熱する。
本明細書において、第1樹脂および第2樹脂の融点は、JIS K 7122に準拠して測定される値を採用する。
本明細書において、成形体10の表面温度は、放射温度計で測定される値を採用する。
上記工程[1]における成形体10の加熱方法としては、特に限定されないが、例えばオーブンなどの公知の加熱装置を用いて成形体10を加熱する方法が挙げられる。オーブンとしては、熱風循環加熱装置または遠赤外線加熱装置などが挙げられる。また、オーブンは、中赤外線加熱装置であってもよい。
上記工程[1]における加熱時間は、用いる加熱装置の種類により適宜調整するとよい。上述の熱風循環加熱装置を用いる場合、成形体10の加熱時間は、例えば10分以上20分以下であることが好ましい。また、上述の遠赤外線加熱装置を用いる場合、成形体10の加熱時間は、例えば5分以上10分以下であることが好ましい。加熱時間が上述の範囲内であると、第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに引き剥がしやすい。
本実施形態の無機繊維の回収方法において、上記工程[1]で用いる成形体10が下記条件を満たすことを予め確認する。
<条件>
成形体10について、下記評価方法で求められる厚さ比Y/Xと厚さ比Y/Xとの少なくとも一方が2以上である。
<評価方法>
(i):成形体10を50mm×50mmに切り出し、試験片とする。
(ii):試験片の第1樹脂層1の厚さXおよび第2樹脂層5の厚さXを測定する。
(iii):試験片の表面温度が融点Tpを基点として[Tp+30]℃になるように、試験片を加熱する。
(iv):加熱後の試験片における第1樹脂層1の厚さYおよび第2樹脂層5の厚さYを測定する。
(v)厚さ比Y/Xと厚さ比Y/Xとの少なくとも一方を求める。
成形体10と同様に、成形体10から得られる試験片の表面温度が[Tp+30]℃になると、試験片のスプリングバック現象が生じる。上記条件において、「厚さ比Y/Xと厚さ比Y/Xとの少なくとも一方が2以上である」とは、試験片の少なくとも一方の樹脂層において、加熱による樹脂層のスプリングバックによって、加熱前の樹脂層の厚さに対して加熱後の樹脂層の厚さが2倍以上になることを意味する。
本明細書において、第1樹脂層1の厚さXおよびY、第2樹脂層5の厚さXおよびYはノギスを用いて0.1mm単位で測定される値を採用する。
以下、第1無機繊維がガラス繊維であり、第2無機繊維が炭素繊維であると仮定して、本実施形態の無機繊維の回収方法に好適な構成について説明する。
本実施形態の第1樹脂層1の総質量に対するガラス繊維の質量含有率は、15%以上であることが好ましい。ガラス繊維の質量含有率が15%以上であると、加熱による第1樹脂層1のスプリングバックが起こりやすく、厚さ比Y/Xが2以上となりやすい。また、成形体10の製造時に第1樹脂基材21を含む積層体を成形して成形体10を得やすいことから、ガラス繊維の質量含有率が60%以下であるとよい。
本実施形態の第2樹脂層5の総質量に対する炭素繊維の質量含有率は、30%以上であることが好ましい。炭素繊維の質量含有率が30%以上であると、加熱による第2樹脂層5のスプリングバックが起こりやすく、厚さ比Y/Xが2以上となりやすい。また、成形体10の製造時に第2樹脂基材25を含む積層体を成形して成形体10を得やすいことから、炭素繊維の質量含有率が80%以下であるとよい。
本明細書において、ガラス繊維の質量含有率は、JIS K 7052に準拠して測定される値を採用する。また、炭素繊維の質量含有率は、JIS K 7075に準拠して測定される値を採用する。
なお、ガラス繊維のように大気雰囲気中での燃焼により表面の酸化減耗が起こりにくい無機繊維の場合、当該無機繊維の質量含有率は、ガラス繊維の場合と同様に、JIS K 7052に準拠して測定される値を採用する。また、炭素繊維のように大気雰囲気中での燃焼により表面の酸化減耗が起こりやすい無機繊維の場合、当該無機繊維の質量含有率は、炭素繊維の場合と同様に、JIS K 7075に準拠して測定される値を採用する。
ガラス繊維の数平均繊維長は、10mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、30mm以上がさらに好ましく、50mm以上がとりわけ好ましく、100mm以上が特に好ましい。ガラス繊維が10mm以上であると、加熱による第1樹脂層1のスプリングバックが起こりやすく、厚さ比Y/Xが2以上となりやすい。ガラス繊維の数平均繊維長は、300mm以下であってもよい。
炭素繊維の数平均繊維長は、20mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、50mm以上が特に好ましい。炭素繊維の数平均繊維長が20mm以上であると、加熱による第2樹脂層5のスプリングバックが起こりやすく、厚さ比Y/Xが2以上となりやすい。炭素繊維の数平均繊維長は、100mm以下であってもよい。
ガラス繊維の数平均繊維直径は、1μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。
本実施形態の炭素繊維の数平均繊維直径は、1μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。
ガラス繊維および炭素繊維の数平均繊維直径が1μm以上であると、成形体10の耐衝撃性や高強度が得られやすい。また、上述の数平均繊維直径が1μm以上であると、加熱による第1樹脂層1のスプリングバックが起こりやすく、厚さ比Y/Xが2以上となりやすい。
ガラス繊維および炭素繊維の数平均繊維直径が50μm以下であると、ガラス繊維の柔軟性が十分となり、成形体10の成形時にガラス繊維が折れにくい。その結果、成形体10の耐衝撃性や高強度が得られやすい。なお、成形体10に含まれるガラス繊維および炭素繊維の数平均繊維直径は、成形体10の製造時に用いる原料とほとんど変わらないことが分かっている。
本明細書において、数平均繊維長および数平均繊維直径は、上述の質量含有率の測定方法で得られた繊維について、ノギスおよびマイクロメーター、または顕微鏡観察により測定される値を採用する。
[工程[2]]
図3は、工程[2]を示す模式断面図である。上記工程[2]において、第1樹脂層1の厚さが第2樹脂層5の厚さよりも大きい場合、第1樹脂層1を固定し、第2樹脂層5を引き剥がすことが好ましい。これにより、第1樹脂層1から第2樹脂層5を引き剥がしやすく、作業効率が高くなる。
さらに、第1樹脂層1の厚さが第2樹脂層5の厚さよりも大きい場合、成形体10の表面温度が[Tp+70]℃であるときの第2樹脂層5の引張強度が、0.5N/cm以上であることが好ましく、1.0N/cm以上であることがより好ましい。これにより、第1樹脂層1から第2樹脂層5を引き剥がす際に、第2樹脂層5が破断しにくく、作業効率が高くなる。
本明細書において、第2樹脂層5の引張強度は、JIS L 1913に準拠して、100mm/分の引張速度にて測定される値を採用する。
上記工程[2]において、第1樹脂層1と第2樹脂層5との引き剥がし強度を0.1N/cm以上1.0N/cm未満とすることが好ましく、0.1N/cm以上0.5N/cm未満であることがより好ましい。第1樹脂層1の厚さが第2樹脂層5の厚さよりも大きい場合、第1樹脂層1と第2樹脂層5との引き剥がし強度が、第2樹脂層5の引張強度よりも低いことが好ましい。これにより、第1樹脂層1から第2樹脂層5を引き剥がす際に、第2樹脂層5が破断しにくく、作業効率が高くなる。
本明細書において、第1樹脂層1と第2樹脂層5との引き剥がし強度は、JIS K 6854−1に準拠して、100mm/分の剥離速度にて測定される値を採用する。
本実施形態の第1樹脂層1を構成する熱可塑性の第1樹脂は、第2樹脂層5を構成する熱可塑性の第2樹脂と、同一でも異なっていてもよい。熱可塑性の第1樹脂と、熱可塑性の第2樹脂とで、溶融粘度が互いに異なる場合、スプリングバック量に差が生じ、第1樹脂層1と第2樹脂層5との界面が顕在化しやすい。その結果、第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに引き剥がしやすい。
上記工程[1]と上記工程[2]との間の成形体10の保持時間は、成形体10の周辺環境にもよるが、0分以上1分以下であることが好ましい。成形体10の保持時間が0分以上1分以下であると、成形体10が加熱された状態を維持しやすい。そのため、上記工程[2]において、第1樹脂層1と第2樹脂層5とを互いに剥離しやすい。
[工程[3]]
図4は、工程[3]を示す模式断面図である。上記工程[3]においては、公知の熱分解法などにより、分離した樹脂層から樹脂を除去して無機繊維を回収する。
本実施形態の無機繊維の回収方法によれば、強度や剛性を高めた成形体10から無機繊維を回収することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記工程[3]において、分離した樹脂層は、第1樹脂層1と第2樹脂層5とのいずれか一方または両方であってもよい。
また、例えば、本実施形態の成形体10は、第1樹脂層1と、第1樹脂層1の「片面」に第2樹脂層5とが積層された積層体であるとしたが、本発明に係る無機繊維の回収方法を適用できる成形体は、これに限定されない。上記成形体は、第1樹脂層1と、第1樹脂層1の「両面」に配置された第2樹脂層5とが積層された積層体であってもよい。
また、例えば、本実施形態の成形体10は、第1樹脂層1と第2樹脂層5のみからなるとしたが、本発明に係る無機繊維の回収方法を適用できる成形体は、これに限定されない。上記成形体は、互いに異なる3以上の樹脂層を有していてもよい。この場合、第1樹脂層および第2樹脂層以外の樹脂層は、第1無機繊維および第2無機繊維以外の無機繊維を含む。
上記成形体が互いに異なる3以上の樹脂層を有する場合、上記工程[1]では、3以上の樹脂層がそれぞれ含む樹脂の融点うち最も低い融点を融点Tpとする。
上記成形体が互いに異なる3以上の樹脂層を有する場合、上記工程[1]では、各樹脂層の融点および分解温度を考慮して成形体を加熱することが好ましい。そして、上記工程[2]では、加熱によってスプリングバックした樹脂層と、当該樹脂層に隣接した他の樹脂層との界面で樹脂層を剥離する。上記成形体が互いに異なる3以上の樹脂層を有する場合、必要に応じて、上記工程[1]および上記工程[2]を繰り返すことにより段階的に樹脂層を剥離していくことが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<成形体の第2樹脂層の引張強度>
成形体の第2樹脂層の引張強度は、JIS L 1913に準拠して、100mm/分の引張速度にて測定される値とした。
なお、本測定では、最大荷重100Nのロードセルを用いた。そのため、試験片に最大荷重を加えても試験片が切断しなかった場合、最大荷重とサンプル幅5cmとに基づいて、引張強度を「20N/cm以上」とした。
<成形体の第1樹脂層と第2樹脂層との引き剥がし強度>
成形体の第1樹脂層と第2樹脂層との引き剥がし強度は、JIS K 6854−1に準拠して、100mm/分の剥離速度にて測定される値とした。なお、引き剥がすことができなかった場合、「不可」とした。
<成形体の評価方法>
(i):成形体を50mm×50mmに切り出し、試験片とした。
(ii):試験片の第1樹脂層の厚さXおよび第2樹脂層の厚さXを測定した。
(iii):試験片の表面温度が融点Tpを基点として[Tp+30]℃になるように、試験片を加熱した。
(iv):加熱後の試験片における第1樹脂層の厚さYおよび第2樹脂層の厚さYを測定した。
(v)厚さ比Y/Xと厚さ比Y/Xとの少なくとも一方を求めた。
<成形体の製造>
[製造例1]
第1樹脂基材として、ガラス繊維からなるマットにポリプロピレンを含浸したGFマット/PP板(厚さ:3.8mm、Wf:40%、連続繊維、数平均繊維直径:15μm、使用したガラス繊維からなるマットの坪量:900g/m×2枚)を用いた。なお、以下の説明では、第1樹脂基材のWfは、第1樹脂基材の総質量に対するガラス繊維の質量含有率を表す。第1樹脂基材に含まれるポリプロピレンの融点は、165℃(メーカー公称値)であった。
第2樹脂基材として、PAN系炭素繊維と、ポリプロピレン繊維とが混抄したCF/PPマット(Wf:70%、炭素繊維の数平均繊維長:60mm、炭素繊維の数平均繊維直径:7μm、ポリプロピレン繊維の数平均繊維長:60mm、ポリプロピレン繊維の数平均繊維直径:50μm、坪量:250g/m)を用いた。なお、以下の説明では、第2樹脂基材のWfは、第2樹脂基材の総質量に対する炭素繊維の質量含有率を表す。第2樹脂基材に含まれるポリプロピレン繊維の融点は、165℃(メーカー公称値)であった。
第1樹脂基材の両面に第2樹脂基材を重ねて配置し、温度200℃の熱盤内で5MPaで5分間加圧し、両面積層板を得た。
得られた両面積層板を所定のサイズに裁断した後、材料が200℃になるように220℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、80℃に加熱された金型に切断した両面積層板を配置して10MPaの圧力で5分間保持した後、金型から成形体を取り出した。
[製造例2]
製造例1と同様の第1樹脂基材および第2樹脂基材を用い、第1樹脂基材を220℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、160℃に加熱された金型に、加熱された第1樹脂基材を第2樹脂基材で挟むように配置し、5MPaの圧力で5分間保持した。その後、金型を冷却して、金型から成形体を取り出した。
[製造例3]
第1樹脂基材として、ガラス繊維からなるマットにナイロン6を含浸したGFマット/PA6板(厚さ:3.8mm、Wf:35%、連続繊維、数平均繊維直径:15μm、使用したガラス繊維からなるマットの坪量:900g/m×2枚)を用いた。第1樹脂基材に含まれるナイロン6の融点は、215℃であった。
第2樹脂基材として、PAN系炭素繊維と、ナイロン6繊維とが混抄したCF/PA6マット(Wf:65%、炭素繊維の数平均繊維長:60mm、炭素繊維の数平均繊維直径:7μm、ナイロン6繊維の数平均繊維長:60mm、ナイロン6繊維の数平均繊維直径:50μm、坪量:250g/m)を用いた。第2樹脂基材に含まれるナイロン6繊維の融点は、215℃であった。
第1樹脂基材の両面に第2樹脂基材を重ねて配置し、温度260℃の熱盤内で5MPaで5分間加圧し、両面積層板を得た。
得られた両面積層板を所定のサイズに裁断した後、280℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、100℃に加熱された金型に切断した両面積層板を配置して10MPaの圧力で5分間保持した後、金型から成形体を取り出した。
[製造例4]
第1樹脂基材として、製造例1で用いた第1樹脂基材と同様の基材を用いた。
第2樹脂基材として、ポリプロピレンをマトリックス樹脂とし、数平均径7μmのPAN系炭素繊維を含む単層の基材を含むプリプレグを用いた。第2樹脂基材に含まれるポリプロピレンの融点は、165℃であった。
第1樹脂基材を220℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、180℃に加熱された金型に、加熱された第1樹脂基材を第2樹脂基材で挟むように配置し、5MPaの圧力で5分間保持した。その後、金型を冷却して金型から成形体を取り出した。
[製造例5]
第1樹脂基材として、製造例1で用いた第1樹脂基材と同様の基材を用いた。
第2樹脂基材として、ポリプロピレンをマトリックス樹脂とし、数平均径7μm、数平均長さ1mmのPAN系炭素繊維を含むプリプレグを用いた。第2樹脂基材に含まれるポリプロピレンの融点は、165℃であった。
第1樹脂基材を220℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、180℃に加温された金型に、加熱された第1樹脂基材を第2樹脂基材で挟むように配置し、5MPaの圧力で5分間保持した。その後、金型を冷却して、金型から成形体を取り出した。
[製造例6]
第1樹脂基材として、製造例1で用いた第1樹脂基材と同様の基材を用いた。
第2樹脂基材として、数平均径7μm、数平均長さ60mmのPAN系炭素繊維と、径15μm、長さ60mmのガラス繊維と、径50μmの長さ60mmのポリプロピレン繊維とが混抄したCF/GF/PPマット(Wf(CF):30%、Wf(GF):20%)を用いた。なお、第2樹脂基材のWf(CF)は、第2樹脂基材の総質量に対する炭素繊維の質量含有率を表す。また、第2樹脂基材のWf(GF)は、第2樹脂基材の総質量に対するガラス繊維の質量含有率を表す。第2樹脂基材に含まれるポリプロピレン繊維の融点は、165℃であった。
第1樹脂基材を220℃に設定された熱風循環加熱装置内に10分間放置して加熱した。次に、160℃に加温された金型に、加熱された第1樹脂基材を第2樹脂基材で挟むように配置し、5MPaの圧力で5分間保持した。その後、金型を冷却して、金型から成形体を取り出した。
製造例1〜6の成形体について、上述の<成形体の評価方法>を用いて得られる厚さX、Y、X、Y、および厚さ比Y/X、Y/Xを表1に示す。
Figure 2020075972
<分離評価>
[実施例1]
まず、製造例1の成形体の表面温度が200℃となるように成形体を加熱した。なお、200℃の表面温度は、第1樹脂および第2樹脂の融点に対して35℃高い温度である。
次に、加熱した第1樹脂層および第2樹脂層を用い、第2樹脂層よりも厚い第1樹脂層を固定し、第2樹脂層を掴んで、第1樹脂層から第2樹脂層を引き剥がした。その結果、第1樹脂層と第2樹脂層とを分離することができた。
[実施例2]
製造例1の成形体の代わりに製造例2の成形体を用いたこと以外は実施例1と同様にした。その結果、第1樹脂層と第2樹脂層とを分離することができた。
[実施例3]
製造例1の成形体の代わりに製造例3の成形体を用い、成形体の表面温度が260℃としたこと以外は実施例1と同様にした。なお、260℃の表面温度は、第1樹脂および第2樹脂の融点に対して45℃高い温度である。
上述の操作の結果、第1樹脂層と第2樹脂層とを分離することができた。
[比較例1]
製造例1の成形体の代わりに製造例4の成形体を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
しかしながら、掴んだ一部の第2樹脂層が第1樹脂層から分離されるが、第2樹脂層の全てを一回で第1樹脂層から分離することは困難であった。
[比較例2]
製造例1の成形体の代わりに製造例5の成形体を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
しかしながら、掴んだ一部の第2樹脂層が第1樹脂層から分離されるが、第2樹脂層の全てを一回で第1樹脂層から分離することは困難であった。
実施例1〜3および比較例1〜2の成形体の第2樹脂層の引張強度、第1樹脂層と第2樹脂層との引き剥がし強度、第1樹脂層と第2樹脂層の分離評価の結果を表2に示す。なお、表2に示す分離評価では、第1樹脂層と第2樹脂層とを分離することができた場合を「○」とし、第2樹脂層の全てを一回で第1樹脂層から分離することは困難であった場合を「×」とした。
Figure 2020075972
表2に示すように、本発明を適用した実施例1〜3では、第1樹脂層と第2樹脂層とが積層された成形体について、第1樹脂層と第2樹脂層とを分離することができることが示された。これは、成形体の第1樹脂および第2樹脂が熱分解により除去されることなく、第1無機繊維および第2無機繊維が十分にスプリングバックし、第1樹脂層と第2樹脂層との界面が顕在化しやすくなったためであると考えられる。
実施例1〜3では、分離した第1樹脂層および第2樹脂層を、それぞれの樹脂層に含まれる樹脂の分解温度以上に加熱して樹脂を除去することにより、ガラス繊維および炭素繊維を回収することができると考えられる。
したがって、実施例1〜3では、第1樹脂層と第2樹脂層とが積層された成形体から無機繊維を回収することが可能であるといえる。
以上のことから、本発明が有用であることが示された。
1…第1樹脂層、5…第2樹脂層、10…成形体

Claims (5)

  1. 下記工程[1]〜[3]を有する無機繊維の回収方法。
    [1]:第1無機繊維と、熱可塑性の第1樹脂とを含む第1樹脂層と、前記第1無機繊維とは異なる第2無機繊維と、熱可塑性の第2樹脂とを含む第2樹脂層と、が積層された成形体であって、下記条件を満たす前記成形体について、
    前記成形体の表面温度が、[Tp+30]℃以上[Tp+70]℃以下になるように、前記成形体を加熱する工程。
    (Tp(℃):前記第1樹脂の融点と前記第2樹脂の融点との低い方の融点)
    [2]:加熱した前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを互いに引き剥がす工程。
    [3]:分離した少なくとも一方の樹脂層を、前記一方の樹脂層に含まれる樹脂の分解温度以上に加熱して前記樹脂を除去し、前記一方の無機繊維を回収する工程。
    <条件>
    前記成形体を50mm×50mmに切り出した試験片について、前記試験片の表面温度が、[Tp+30]℃になるように加熱したとき、加熱前の前記第1樹脂層の厚さXに対する加熱後の前記第1樹脂層の厚さYの比Y/X、および加熱前の前記第2樹脂層の厚さXに対する加熱後の前記第2樹脂層の厚さYの比Y/Xの少なくとも一方が2以上。
  2. 前記工程[2]において、前記第1樹脂層は前記第2樹脂層よりも厚く、前記第1樹脂層を固定し、前記第2樹脂層を引き剥がす、請求項1に記載の無機繊維の回収方法。
  3. 前記成形体の表面温度が[Tp+70]℃であるとき、JIS L 1913に準拠して、100mm/分の引張速度にて測定される前記第2樹脂層の引張強度が、0.5N/cm以上である、請求項2に記載の無機繊維の回収方法。
  4. 前記工程[2]において、JIS K 6854−1に準拠して、100mm/分の剥離速度にて測定される前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との引き剥がし強度を1.0N/cm未満とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機繊維の回収方法。
  5. 前記第1無機繊維が炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方であり、前記第2無機繊維が前記炭素繊維および前記ガラス繊維の他方である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機繊維の回収方法。
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