[go: up one dir, main page]

JP2020075289A - 金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法 - Google Patents

金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020075289A
JP2020075289A JP2019190945A JP2019190945A JP2020075289A JP 2020075289 A JP2020075289 A JP 2020075289A JP 2019190945 A JP2019190945 A JP 2019190945A JP 2019190945 A JP2019190945 A JP 2019190945A JP 2020075289 A JP2020075289 A JP 2020075289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
die
sheet metal
punch
product
residual material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019190945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7340410B2 (ja
Inventor
岡本 拓也
Takuya Okamoto
拓也 岡本
知里 宇田川
Chisato Utagawa
知里 宇田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amada Co Ltd
Original Assignee
Amada Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amada Holdings Co Ltd filed Critical Amada Holdings Co Ltd
Publication of JP2020075289A publication Critical patent/JP2020075289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7340410B2 publication Critical patent/JP7340410B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Punching Or Piercing (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】製品の一部が残材の下側に潜り込むことを防止して、製品搬出装置によって製品を安定的に搬出すること。
【解決手段】ダイ金型12は、ダイボディ30と、ダイボディ30の上面に設けられたダイチップ34と、ダイボディ34の上側に昇降可能に設けられかつダイチップ34を挿通させるためのダイ挿通孔36hが形成されたダイエジェクタ36と、を備える。ダイエジェクタ36の上面に、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Taを除く部分に切断加工を施した後に製品部Wmを残材部Wrに対して相対的に押上げるための押上げ部36pが設けられる。ダイチップ34の先端部に、押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な係止突起Wpを板金の残材部Wrの切断面Wrsに形成するための突起形成部34cが設けられる。
【選択図】図4C

Description

本発明は、金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法に関する。
レーザ加工機又は複合加工機が製品形状データに基づいて板金に切断加工を施すことにより、所定形状の製品を製作することができる。切断加工により製作された製品は、例えば特許文献1から特許文献3に示すような製品搬出装置における複数の吸着パッドよって吸着されて、所定の場所に搬送される。
なお、本発明に関連する先行技術として、特許文献1から特許文献3の他に、特許文献4から特許文献7に示すものがある。
特開2001−239391号公報 特開2001−105064号公報 特開平8−243964号公報 特開2018−79511号公報 特開2017−131915号公報 特開2007−75889号公報 特開2004−268101号公報
ところで、レーザ加工機等によって板金に切断加工を施した後に、製品搬出装置における複数の吸着パッドによって製品を吸着して搬出するときに、製品の一部が非製品である残材の下側に潜り込むことがある。製品が細長形状部又は切欠部を有する場合に、これらの部位が残材の下側に潜り込みやすい。板金の厚さが1.0mm以下である場合に製品の一部が残材の下側に潜り込みやすい。そして、製品の一部が残材の下側に潜り込んだ状態で製品搬出装置における複数の吸着パッドによって製品を吸着すると、製品の一部が残材に引っかかり、製品の搬出の妨げとなる。つまり、製品の一部が残材の下側に潜り込むことを防止して、製品搬出装置によって製品を安定的に搬出することを容易でないという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決するため、板金に切断加工を施した後に、製品を残材から押上げた状態で保持できる、金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法を提供することを目的とする。
第1実施態様に係る金型は、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部と、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部とを備える。
第1実施態様では、前記突起形成部は、前記残材部の裏面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部であってもよい。
第2実施態様に係るダイ金型は、ダイボディと、前記ダイボディの上面に設けられたダイチップと、前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられ、前記ダイチップを挿通させるためのダイ挿通孔が形成されたダイエジェクタと を備える。そして、前記ダイエジェクタの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部が設けられ、前記ダイチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が設けられている。
第3実施態様に係るダイ金型は、ダイボディと、前記ダイボディの上面に設けられたダイチップと、前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられ、前記ダイチップを挿通させるためのダイ挿通孔が形成されたダイエジェクタとを備える。そして、前記ダイボディの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部が設けられ、前記ダイエジェクタに前記押上げ部を挿通させるための切欠が形成され、前記ダイチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が設けられている。
第2実施態様及び第3実施態様では、前記突起形成部は、前記残材部の裏面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部であってもよい。
第4実施態様に係る金型セットは、第2実施態様又は第3実施態様に係るダイ金型と、板金を上方向から押圧するパンチボディと、前記パンチボディの下端部に設けられたパンチチップとを備えるパンチ金型とからなる。そして、前記パンチチップの下面に、押上げられた前記製品部を逃がすための段部が形成されている。
第5実施態様に係る金型セットは、ダイボディと、前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられたダイエジェクタとを備えたダイ金型と、下端部にパンチ挿通孔が形成された筒状のパンチガイドと、前記パンチガイドの内側に昇降可能に設けられたパンチボディと、前記パンチボディの下端部に設けられかつ前記パンチ挿通孔に挿通可能なパンチチップとを備えたパンチ金型とからなる。そして、前記ダイボディの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を押上げるための押上げ部が設けられ、前記ダイエジェクタに前記押上げ部を挿通させるためのダイ挿通孔が形成され、前記パンチチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が形成されている。
第5実施態様では、前記押上げ部は、前記ダイエジェクタの下降動作によって前記ダイエジェクタの上面に対して突出し、前記パンチガイドの下面における前記パンチ挿通孔に隣接する位置に前記残材部を押圧するリム部(突出部)が設けられてもよい。この場合に、前記パンチガイドの下面に対する前記リム部の突出量が前記ダイエジェクタの上面に対する前記押上げ部の最大突出量よりも大きく設定されている。
第4実施態様及び第5実施態様では、前記突起形成部は、前記残材部の表面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部であってもよい。
第6実施態様に係る板金加工方法は、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施し、 前記製品部を押上げ、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成し、その後、前記製品部の前記輪郭の一部に切断加工を施す。
第6実施態様では、前記残材部の裏面又は表面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成してもよい。
本発明によれば、製品の一部が残材の下側に潜り込むことを防止して、製品搬出装置によって製品を安定的に搬出することができる。
図1は、第1実施形態に係る金型セットの断面図である。 図2は、複合加工機の模式的な側面図である。 図3Aは、第1実施形態に係るダイ金型の断面図である。 図3Bは、第1実施形態に係るダイ金型の拡大平面図である。 図4Aは、第1実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図4Bは、第1実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図4Cは、第1実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図4Dは、第1実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図5Aは、第1実施形態に係る板金加工方法の加工対象である板金の平面図である。 図5Bは、第1実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図5Cは、第1実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図5Dは、第1実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図5Eは、図5C及び図5DにおけるA−A線に沿った拡大断面図である。 図6は、第2実施形態に係る金型セットの断面図である。 図7Aは、第2実施形態に係るダイ金型の断面図である。 図7Bは、第2実施形態に係るダイ金型の拡大平面図である。 図8Aは、第2実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図8Bは、第2実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図8Cは、第2実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図8Dは、第2実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図8Eは、第2実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図9は、第3実施形態に係る金型セットの断面図である。 図10Aは、第3実施形態に係るダイ金型の断面図である。 図10Bは、第3実施形態に係るダイ金型の拡大平面図である。 図11Aは、第3実施形態に係るパンチ金型の断面図である。 図11Bは、第3実施形態に係るパンチ金型の拡大底面図である。 図12Aは、第3実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図12Bは、第3実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図12Cは、第3実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図12Dは、第3実施形態に係る金型セットの動作を説明する断面図である。 図13Aは、第4実施形態に係る板金加工方法の加工対象である板金の平面図である。 図13Bは、第4実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図13C(a)は、第4実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。図13C(b)は、図13C(a)におけるB−B線に沿った断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。 図13Dは、第4実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図13Eは、第4実施形態に係る板金加工方法を説明する板金の平面図である。 図13F(a)は、図13D及び図13EにおけるC−C線に沿った断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。図13F(b)は、図13D及び図13EにおけるD−D線に沿った断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。 図14Aは、第1実施形態及び第2実施形態に係るダイ金型におけるコイニング部の他の実施形態を示す断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。 図14Bは、第1実施形態及び第2実施形態に係るダイ金型におけるコイニング部の他の実施形態を示す断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。 図15(a)は、第4実施形態に係る板金加工方法に用いる規制突起の他の実施態様を示す側面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。図15(b)は、第4実施形態に係る板金加工方法に用いる規制突起の他の実施態様を示す断面図であり、板金の板厚を誇張して図示している。
以下、第1実施形態から第4実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「金型」とは、ダイ金型、パンチ金型、及びダイ金型とパンチ金型とからなる金型セットを含む意である。「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられること及び形成されることを含む意である。本願の明細書において、「X軸方向」とは、水平方向である左右方向のことであり、「Y軸方向」とは、X軸方向に直交する水平方向である前後方向のことである。「及び/又は」とは、2つのうちのいずれか一方と両方を含む意である。「軸心」とは、ダイ金型又はパンチ金型の軸心のことである。「直径方向」とは、ダイ金型又はパンチ金型の直径方向のことをいう。図面中、「U」は上方向、「D」は下方向をそれぞれ指している。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る金型セット(金型ユニット)10は、ダイ金型12とパンチ金型14とからなっている。ダイ金型12は、複合加工機16における下部装着ベースとしての下部タレット18に筒状の下部回転ホルダ(図示省略)を介して着脱可能に装着される。パンチ金型14は、複合加工機16における上部装着ベースとしての上部タレット20に筒状の上部回転ホルダ(図示省略)を介して着脱可能に装着される。
ここで、複合加工機16は、板金Wに対してパンチ加工(打ち抜き加工及び圧印加工等を含む)及びレーザ加工を行う。複合加工機16は、例えば特許文献4及び特許文献5に示すように公知の構成からなる。複合加工機16は、パンチ加工位置PPに割り出したパンチ金型14を押圧するストライカ22と、下方向に向かってレーザビーム(レーザ光)を照射するレーザ加工ヘッド24とを備える。レーザ加工ヘッド24は、Y軸方向へ移動可能であって、レーザビームを出力するファイバレーザ発振器等のレーザ発振器(図示省略)に光学的に接続されている。複合加工機16は、レーザ加工ヘッド24をY軸方向へ移動させるY軸移動機構26と、パンチ加工位置PP及びレーザ加工ヘッド24の照射位置BPに対して板金WをX軸方向及び/又はY軸方向へ移動させる板金移動機構28を備えている。レーザ加工ヘッド24の照射位置BPは、Y軸移動機構26及び板金移動機構28によって板金Wに対して相対的にX軸方向及びY軸方向へ移動する。
下部回転ホルダは、例えば特許文献6及び特許文献7に示す下部インデックス機構によって回転可能に構成されている。換言すれば、ダイ金型12は、下部インデックス機構によって軸心C回りに下部回転ホルダと一体的に回転する。同様に、上部回転ホルダは、例えば特許文献6及び特許文献7に示す上部インデックス機構によって回転可能に構成されている。換言すれば、パンチ金型14は、上部インデックス機構によって軸心C回りに下部回転ホルダと一体的に回転する。
続いて、ダイ金型12の具体的な構成について説明する。
図1、図3A、及び図3Bに示すように、ダイ金型12は、円柱状のダイボディ30を備えており、ダイボディ30は、下部タレット18に下部回転ホルダを介して着脱可能に装着される。ダイボディ30は、その外周面に設けたキー32と、下部回転ホルダの内周面に形成されたキー溝(図示省略)との嵌合作用によって、下部回転ホルダに対してダイボディ30を回転不能に構成されている。また、ダイボディ30には、複数(1つのみ図示)の段付き状の第1ガイド孔30hが形成されている。ダイボディ30における第1ガイド孔30hの間には、第2ガイド孔30bが形成されている。第1ガイド孔30h及び第2ガイド孔30bは、ダイボディ30の周方向に沿って交互に配置されている。
ダイボディ30の上面の中央部には、平板状のダイチップ34が形成されており、ダイチップ34は、直径方向に延びている。なお、ダイチップ34は、ダイボディ30に対して着脱可能に構成してもよい。
ダイボディ30の上側には、板金Wを支持する円板状のダイエジェクタ36が昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。また、ダイエジェクタ36の中央部には、ダイチップ34を挿通させるためのダイ挿通孔36hが形成されており、ダイ挿通孔36hは、直径方向に延びている。また、ダイボディ30の各第1ガイド孔30hには、連結ボルト38が昇降可能かつ離脱不能に設けられており、各連結ボルト38の上端部は、ダイエジェクタ36に固定されている。ダイボディ30の各第2ガイド孔30bには、スライドピン40が昇降可能に設けられており、各スライドピン40の上端部は、ダイエジェクタ36に固定されている。換言すれば、ダイボディ30の上側には、ダイエジェクタ36が複数(1つのみ図示)の連結ボルト38及び複数(1つのみ図示)のスライドピン40を介して昇降可能かつ離脱不能に設けられている。
ダイボディ30の下面の中央部には、取付ボルト42が設けられている。取付ボルト42には、複数のスライドピン40の下端部(下端面)を支持するサポートリング44が昇降可能に設けられている。取付ボルト42の下端部には、環状のスプリング座46が設けられている。取付ボルト42の外周面側におけるサポートリング44とスプリング座46との間には、サポートリング44及び複数のスライドピン40を介してダイエジェクタ36を上方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング48が設けられている。
続いて、パンチ金型14の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、パンチ金型14は、板金Wを上方向から押圧するパンチボディ50を備えており、パンチボディ50は、上部タレット20に上部回転ホルダを介して昇降可能かつ着脱可能に装着される。また、パンチボディ50は、上部タレット20の適宜位置に設けた複数のリフタースプリング(図示省略)に支持される。パンチボディ50は、上部回転ホルダの内周面に設けた上部キー(図示省略)と、パンチボディ50の外周面に形成されたキー溝50gとの嵌合作用によって、上部回転ホルダに対してパンチボディ50を回転不能に構成されている。
パンチボディ50の下端部には、パンチチップ52が着脱可能に設けられている。パンチチップ52の外周面には、キー溝52gが形成されており、キー溝52gは、パンチボディ50のキー溝50gに連続している。パンチチップ52のキー溝50gは、上部キーと嵌合可能である。また、パンチボディ50の上端部には、パンチヘッド54が設けられており、パンチヘッド54は、ストライカ22によって上方向から押圧される。なお、パンチチップ52をパンチボディ50の下端部に着脱可能に設ける代わりに、パンチボディ50の下端部に一体的に形成してもよい。
続いて、ダイ金型12及びパンチ金型14の特徴部分について説明する。
図1、図3Aから図4Bに示すように、ダイエジェクタ36の上面におけるダイ挿通孔36hに隣接する位置は、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Ta(図5A参照)を除く部分に切断加工を施した後に製品部Wmを残材部(非製品部)Wrに対して相対的に板金Wの板厚分だけ押上げるための押上げ部36pが形成されている。押上げ部36pは、ダイエジェクタ36の上面に対して突出しかつダイ挿通孔36hに平行な方向に延びている。製品部Wmは、板金Wの一部であって、製品M(図5D参照)になる部分のことである。残材部Wrは、板金Wの一部であって、残材R(図5D参照)になる部分のことである。また、パンチチップ52の下面には、押上げられた製品部Wmを逃がすための段部52sが形成されている。パンチチップ52の下面に対する段部52sの段差量βは、ダイエジェクタ36の上面に対する押上げ部36pの突出量αよりも大きく設定されている。
図1、図3A、図3B、図4C、及び図4Dに示すように、ダイチップ34の先端部には、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面近傍に直接状でかつ断面V字状の凹部Wdをコイニング(圧印)するコイニング部34cが形成されている。コイニング部34cは、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs(図5E参照)近傍に凹部Wdを形成することにより、板金Wの一部の流れ込み(膨張)によって残材部Wrの切断面Wrsに直線状の係止突起Wpを形成する。係止突起Wpは、凹部Wdと同じ方向に延びており、押上げ部36pによって押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能である。コイニング部34cは、残材部Wrの切断面Wrsに直線状の係止突起Wpを形成するための突起形成部に相当する。また、コイニング部34cは、ダイ金型12の軸心C上に位置し、直径方向(押上げ部36pに平行な方向)に延びている。コイニング部34cは、ダイエジェクタ36がコイルスプリング48の付勢力に抗しながら下降すると、ダイエジェクタ36の上面に対して突出する。
なお、押上げ部36p及びコイニング部34cの向きは、平行に保った状態で、下部インデックス機構及び上部インデックス機構によって任意の方向に変更可能である。
続いて、第1実施形態に係る金型セット10の動作を含む、第1実施形態に係る金型セット10の作用効果について図1、図2、図4Aから図4Dを参照しながら説明する。
板金移動機構28によってパンチ加工位置PPに対して板金WをX軸方向及び/又はY軸方向へ移動させる。これにより、図4Aに示すように、製品部Wmが押上げ部36pの上側に位置しかつ残材部Wrがコイニング部34cの上側に位置するように、板金Wの位置決めを行う。
板金Wの位置決めを行った後に、ストライカ22によってパンチヘッド54を上方向から押圧して、パンチボディ50を複数のリフタースプリングの付勢力に抗しながら下降させる。すると、図4Bに示すように、パンチチップ52が板金Wの残材部Wrを上方向から押圧し、押上げ部36pが板金Wの製品部Wmを残材部Wrに対して相対的に板金Wの板厚分だけ押上げる。
更に、パンチチップ52が板金Wの残材部Wrを上方向から押圧した状態で、パンチボディ50の下降動作によってダイエジェクタ36をコイルスプリング48の付勢力に抗しながら下降させる。すると、図4Cに示すように、コイニング部34cがダイエジェクタ36の上面に対して上方向へ突出して、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs(図5E参照)近傍に凹部Wdを形成する。その結果、板金Wの一部の流れ込みによって、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、(押上げ部36pによって)板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。
その後、ストライカ22によるパンチヘッド54の押圧状態を解除する。すると、図4Dに示すように、パンチボディ50が複数のリフタースプリングの付勢力によって上昇して、パンチ金型14が元の状態に復帰する。また、ダイエジェクタ36がコイルスプリング48の付勢力によって上昇して、ダイ金型12が元の状態に復帰する。
つまり、第1実施形態に係る金型セット10の構成によると、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Ta(図5A参照)を除く部分に切断加工を施した後に、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。そのため、板金Wに切断加工を施した後に、製品Mを残材Rから板金Wの板厚分だけ押上げた状態(浮かせた状態)で保持することができる。
従って、第1実施形態に係る金型セット10によれば、製品Mの一部が残材Rの下側に潜り込むことを防止して、製品搬出装置(特許文献1から特許文献3参照)によって製品Mを安定的に搬出することができる。
続いて、第1実施形態に係る板金加工方法について図1、図2、図5Aから図5Eを参照しながら説明する。
図2及び図5Aに示すように、レーザ加工ヘッド24から下方向に向かってレーザビームを照射しながら、Y軸移動機構26及び板金移動機構28によってレーザ加工ヘッド24の照射位置BPを板金Wの製品部Wmの輪郭Tに沿って移動させる。すると、図5Bに示すように、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部(最終切断部)Taを除く部分に切断加工を施して、板金Wに製品部Wmに輪郭Tに沿ったスリットSを形成することができる。
板金Wの製品部Wmの輪郭Tの最終切断部Taを除く部分に切断加工を施した後に、板金移動機構28によって板金Wの位置決め、及び押上げ部36pとコイニング部34cの向きの変更を行いながら、金型セット10を前述のように動作させる。すると、図5C及び図5Eに示すように、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsの複数箇所に直線状の係止突起Wpを形成することができる。
その後、レーザ加工ヘッド24から下方向に向かってレーザビームを照射しながら、Y軸移動機構26によってレーザ加工ヘッド24の照射位置BPを板金Wの製品部Wmの輪郭Taの最終切断部Taに沿って移動させる。すると、図5D及び図5Eに示すように、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの最終切断部Taに切断加工を施して、板金Wに製品部Wmに輪郭Tの最終切断部Taに沿ったスリットSを形成する。これにより、板金Wから細長形状部Mt及び切欠部Mnを有した製品Mを製作することができる。
つまり、第1実施形態に係る板金加工方法によれば、前述のように、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Taを除く部分に切断加工を施した後に、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsの複数箇所に直線状の係止突起Wpを形成することができる。そのため、板金Wに切断加工を施した後に、製品Mを残材Rから板金Wの板厚分だけ押上げた状態(浮かせた状態)で保持することができる。
従って、第1実施形態に係る板金加工方法によれば、第1実施形態に係る金型セット10と同様の効果を奏する。
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態に係る金型セット56は、ダイ金型58と、第1実施形態に係るパンチ金型14とからなっている。換言すれば、第2実施形態に係る金型セット56は、第1実施形態に係るダイ金型12(図1参照)に代えて、ダイ金型58を用いている。ダイ金型58は、複合加工機16(図2参照)における下部装着ベースとしての下部タレット18に筒状の下部回転ホルダ(図示省略)を介して着脱可能に装着される。ダイ金型58は、ダイ金型12と同様の構成を有しており、以下、ダイ金型58のうち、ダイ金型12と異なる構成についてのみ説明する。なお、ダイ金型58における複数の構成要素のうち、ダイ金型12における構成要素と対応するものについては、図面中に同一符号を付してある。
図6から図8Dに示すように、ダイボディ30の上面におけるダイチップ34に隣接する位置には、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Ta(図5A参照)を除く部分に切断加工を施した後に製品部Wmを残材部Wrに対して板金Wの板厚分だけ押上げるための押上げ部としての押上げピン60が設けられている。押上げピン60は、ダイボディ30に対して着脱可能であって、ダイチップ34に平行な方向に延びている。また、ダイエジェクタ36のダイ挿通孔36hの内壁面には、押上げピン60を挿通させるための切欠36nが形成されている(図7A及び図7B参照)。押上げピン60の先端は、ダイチップ34の先端よりも上側に位置している。押上げピン60は、ダイエジェクタ36がコイルスプリング48の付勢力に抗しながら下降すると、ダイエジェクタ36の上面に対して突出する。製品部Wmを押上げる際におけるダイエジェクタ36の上面に対する押上げピン60の突出量δ(図8D参照)は、パンチチップ52の下面に対する段部52sの段差量β(図8D参照)よりも小さく設定されている。
なお、押上げピン60及びコイニング部34cの向きは、平行に保った状態で、下部インデックス機構及び上部インデックス機構によって任意の方向に変更可能である。
続いて、第2実施形態に係る金型セット56の動作を含む、第2実施形態に係る金型セット56の作用効果について図2、図6、図8Aから図8Eを参照しながら説明する。
説明する。
板金移動機構28によってパンチ加工位置PPに対して板金WをX軸方向及び/又はY軸方向へ移動させる。これにより、図8Aに示すように、製品部Wmが押上げピン60の上側に位置しかつ残材部Wrがコイニング部34cの上側に位置するように、板金Wの位置決めを行う。
板金Wの位置決めを行った後に、ストライカ22によってパンチヘッド54を上方向から押圧して、パンチボディ50を複数のリフタースプリングの付勢力に抗しながら下降させる。すると、図8B及び図8Cに示すように、パンチチップ52が板金Wの残材部Wrを上方向から押圧し、押上げピン60が板金Wの製品部Wmを残材部Wrに対して相対的に押上げる。
更に、パンチチップ52が板金Wの残材部Wrを上方向から押圧した状態で、パンチボディ50の下降動作によってダイエジェクタ36をコイルスプリング48の付勢力に抗しながら下降させる。すると、図8Dに示すように、板金Wの製品部Wmが残材部Wrに対して相対的に板金Wの板厚分だけ押上げられると共に、コイニング部34cがダイエジェクタ36の上面に対して上方向へ突出して、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs近傍に凹部Wdを形成する。その結果、板金Wの一部の流れ込みによって、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。
その後、ストライカ22によるパンチヘッド54の押圧状態を解除する。すると、図8Eに示すように、パンチボディ50が複数のリフタースプリングの付勢力によって上昇して、パンチ金型14が元の状態に復帰する。また、ダイエジェクタ36がコイルスプリング48の付勢力によって上昇して、ダイ金型58が元の状態に復帰する。
つまり、第2実施形態に係る金型セット56の構成によると、板金Wの製品部Wmの輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。そのため、板金Wに切断加工を施した後に、製品Mを残材Rから押上げた状態(浮かせた状態)で保持できる。
従って、第2実施形態に係る金型セット56によれば、第1実施形態に係る金型セット10と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
図9に示すように、第3実施形態に係る金型セット62は、ダイ金型64とパンチ金型66とからなっている。ダイ金型64は、複合加工機16(図2参照)における下部装着ベースとしての下部タレット18に筒状の下部回転ホルダ(図示省略)を介して着脱可能に装着される。パンチ金型66は、複合加工機16における上部装着ベースとしての上部タレット20に筒状の上部回転ホルダ(図示省略)を介して着脱可能に装着される。
まず、ダイ金型64の具体的な構成について説明する。
図9、図10A、及び図10Bに示すように、ダイ金型64は、円柱状のダイボディ68を備えており、ダイボディ68は、下部タレット18に下部回転ホルダを介して着脱可能に装着される。ダイボディ68の外周面の適宜位置には、下部回転ホルダに対してダイボディ30を回転不能にするためのキー70が設けられている。キー70は、下部回転ホルダの内周面に形成されたキー溝(図示省略)に嵌合する。また、ダイボディ68の上面の中央部には、円形のボス部68sが形成されている。ダイボディ68には、複数(1つのみ図示)の段付き状の第1ガイド孔68hが形成されている。ダイボディ68における第1ガイド孔68hの間には、第2ガイド孔68bが形成されている。第1ガイド孔68h及び第2ガイド孔68bは、ダイボディ68の周方向に沿って交互に配置されている。
ダイボディ68の上側には、板金Wを支持する円板状のダイエジェクタ72が昇降可能に設けられている。また、ダイボディ68の各第1ガイド孔68hには、連結ボルト74が昇降可能かつ離脱不能に設けられており、各連結ボルト74の上端部は、ダイエジェクタ72に固定されている。ダイボディ68の各第2ガイド孔68bには、スライドピン76が昇降可能に設けられており、各スライドピン76の上端部は、ダイエジェクタ72に固定されている。換言すれば、ダイボディ68の上側には、ダイエジェクタ72が複数(1つのみ図示)の連結ボルト74及び複数(1つのみ図示)のスライドピン76を介して昇降可能かつ離脱不能に設けられている。
ダイボディ68の下面の中央部には、取付ボルト78が設けられている。取付ボルト78には、複数のスライドピン76の下端部(下端面)を支持するサポートリング80が昇降可能に設けられている。取付ボルト78の下端部には、環状のスプリング座82が設けられている。取付ボルト78の外周面側におけるサポートリング80とスプリング座82との間には、サポートリング80及び複数のスライドピン76を介してダイエジェクタ72を上方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング84が設けられている。
続いて、パンチ金型66の具体的な構成について説明する。
図9、図11A、及び図11Bに示すように、パンチ金型66は、筒状のパンチガイド86を備えており、パンチガイド86は、上部タレット20に上部回転ホルダを介して着脱可能に装着される。また、パンチガイド86は、上部タレット20の適宜位置に設けた複数のリフタースプリング(図示省略)に支持される。パンチガイド86の外周面には、上部回転ホルダに対してパンチガイド86を回転不能にするためのキー溝86gが形成されており、キー溝86gは、上下方向に延びている。パンチガイド86のキー溝86gは、上部回転ホルダの内周面に設けた上部キー(図示省略)と嵌合可能である。更に、パンチガイド86の下端部には、パンチ挿通孔86hが形成されている。
パンチガイド86の内側には、パンチボディ88が昇降可能に設けられている。パンチボディ88は、キー(図示省略)とキー溝(図示省略)の嵌合作用によってパンチガイド86に対してパンチ金型66の軸心C回りに回転不能に構成されている。また、パンチボディ88の下端部には、パンチチップ90が着脱可能に設けられており、パンチチップ90は、パンチガイド86のパンチ挿通孔86hに挿通可能である。パンチボディ88の上端部には、パンチヘッド92が設けられており、パンチヘッド92は、ストライカ22によって上方向から押圧される。なお、パンチチップ90をパンチボディ88の下端部に着脱可能に設ける代わりに、パンチボディ88の下端部に一体的に形成してもよい。
パンチガイド86の上側には、環状のリテーナカラー94が設けられており、リテーナカラー94は、パンチボディ88の外周面を囲んでいる。また、パンチボディ88の上部側におけるパンチヘッド92とリテーナカラー94との間には、パンチボディ88をパンチガイド86に対して上方向へ付勢する付勢部材としてのストリッピングスプリング96が設けられている。
続いて、ダイ金型64及びパンチ金型66の特徴部分について説明する。
図9から図10Bに示すように、ダイボディ68のボス部68sには、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Ta(図5A参照)を除く部分に切断加工を施した後に製品部Wmを残材部Wrに対して相対的に板金Wの板厚分だけ押上げる円柱状の押上げ部68pが形成されている。換言すれば、ダイボディ68の上面には、押上げ部68pがボス部68sを介して設けられている。押上げ部68pは、ダイ金型64の軸心Cに対して偏心している。押上げ部68pは、ダイエジェクタ72の下降動作によってダイエジェクタ72の上面に対して突出する。
図9、図11A、図11Bに示すように、パンチガイド86の下面におけるパンチ挿通孔86hに隣接する位置には、残材部Wrを押圧するリム部(突出部)86rが形成されており、リム部86rは、パンチガイド86の下面に対して下方向に突出している。パンチガイド86の下面に対するリム部86rの突出量λ(図12B参照)は、ダイエジェクタ36の上面に対する押上げ部68pの最大突出量μ(図12B参照)よりも大きく設定されている。
図9、図11A、図11B、図12Cに示すように、パンチチップ90の先端部には、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面近傍に直接状でかつ断面V字状の凹部Wdをコイニングするコイニング部90cが形成されている。コイニング部90cは、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面近傍に凹部Wdを形成することにより、板金Wの一部の流れ込み(膨張)によって残材部Wrの切断面Wrsに直線状の係止突起Wpを形成する。係止突起Wpは、凹部Wdと同じ方向に延びており、押上げ部68pによって押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能である。コイニング部90cは、残材部Wrの切断面に直線状の係止突起Wpを形成するための突起形成部に相当する。また、コイニング部90cは、パンチ金型66の軸心C上に位置し、直径方向に延びている。コイニング部34cは、パンチボディ88がストリッピングスプリング96の付勢力に抗しながらパンチガイド86に対して下降すると、パンチガイド86のリム部86rの下面に対して下方向に突出する。更に、パンチガイド86のリム部86rには、コイニング部90cを挿通させるための切欠86nが形成されている。
なお、押上げ部68p及びコイニング部90cの向きは、上部インデックス機構及び下部インデックス機構によって任意の方向に変更可能である。
続いて、第3実施形態に係る金型セット62の動作を含む、第3実施形態に係る金型セット62の作用効果について図2、図9、図12Aから図12Dを参照して説明する。
板金移動機構28によってパンチ加工位置PPに対して板金WをX軸方向及び/又はY軸方向へ移動させる。これにより、図12Aに示すように、製品部Wmが押上げ部68pの上側に位置するように、板金Wの位置決めを行う。
板金Wの位置決めを行った後に、ストライカ22によってパンチヘッド92を上方向から押圧して、パンチボディ88を下降させる。すると、パンチガイド86が複数のリフタースプリングの付勢力に抗しながらパンチボディ88と一体的に下降して、パンチガイド86のリム部86rが板金Wの残材部Wrを上方向から押圧する。更に、その状態で、パンチガイド86の下降動作によってダイエジェクタ72をコイルスプリング84の付勢力に抗しながら下降させて、ダイエジェクタ72の下面をダイボディ68の上面に圧接させる。すると、図12Bに示すように、押上げ部68pがダイエジェクタ72の上面に対して突出し、板金Wの製品部Wmを残材部Wrに対して相対的に板金Wの板厚分だけ押上げる。
更に、パンチガイド86のリム部86rが板金Wの残材部Wrを上方向から押圧した状態で、パンチボディ88がストリッピングスプリング96の付勢力に抗しながらパンチガイド86に対して下降する。すると、図12Cに示すように、コイニング部90cがパンチガイド86のリム部86rの下面に対して下方向へ突出して、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs近傍に凹部Wdを形成する。その結果、板金Wの一部の流れ込みによって、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。
その後、ストライカ22によるパンチヘッド92の押圧状態を解除する。すると、図9及び図12Dに示すように、パンチボディ88がストリッピングスプリング96の付勢力によってパンチガイド86に対して上昇し、パンチガイド86が複数のリフタースプリングの付勢力によって上昇して、パンチ金型14が元の状態に復帰する。また、ダイエジェクタ72がコイルスプリング84の付勢力によって上昇して、ダイ金型64が元の状態に復帰する。
つまり、第3実施形態に係る金型セット62の構成によると、板金Wの製品部Wmの輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsに、板金Wの板厚分だけ押上げられた製品部Wmの裏面に係止可能な直線状の係止突起Wpを形成することができる。そのため、板金Wに切断加工を施した後に、製品Mを残材Rから押上げた状態(浮かせた状態)で保持できる。
従って、第3実施形態に係る金型セット62によれば、第1実施形態に係る金型セット10と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る板金加工方法について図2、図13Aから図13Eを参照しながら説明する。
図2及び図13Aに示すように、レーザ加工ヘッド24から下方向に向かってレーザビームを照射しながら、Y軸移動機構26及び板金移動機構28によってレーザ加工ヘッド24の照射位置BPを板金Wの製品部Wmの輪郭Tに沿って移動させる。すると、図13Bに示すように、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部(最終切断部)Taを除く部分に切断加工を施して、板金Wに製品部Wmに輪郭に沿ったスリットSを形成することができる。
板金Wの製品部Wmの輪郭Tの最終切断部Taを除く部分に切断加工を施した後に、板金移動機構28によって板金Wの位置決めを行いながら、成形加工の1つであるハーフシャーを行う。すると、図13Cに示すように、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs近傍の複数箇所に段部Wcを形成して、板金Wの残材部Wrの表面の切断面Wrs近傍の複数箇所に製品M(図13F参照)の位置ずれを規制可能なピン状の規制突起Wbを形成する。なお、成形加工としてハーフシャーを用いる代わりに、ルーバー又はランス等を用いてもよい。
更に、板金移動機構28によって板金Wの位置決め、及び押上げ部36p(図1参照)とコイニング部34c(図1参照)の向きの変更を行いながら、金型セット10(図1参照)を前述のように動作させる。すると、図13D及び図13Fに示すように、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsの複数箇所に直線状の係止突起Wpを形成することができる。
その後、レーザ加工ヘッド24から下方向に向かってレーザビームを照射しながら、Y軸移動機構26によってレーザ加工ヘッド24の照射位置BPを板金Wの製品部Wmの輪郭Tの最終切断部Taに沿って移動させる。すると、図13E及び図13Fに示すように、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの最終切断部Taに切断加工を施して、板金Wに製品部Wmに輪郭Tの最終切断部Taに沿ったスリットSを形成する。これにより、板金Wから製品Mを製作することができる。
つまり、第4実施形態に係る板金加工方法によれば、板金Wの製品部Wmの輪郭Tの一部Taを除く部分に切断加工を施した後に、板金Wの残材部Wrの表面の切断面Wrs近傍の複数箇所にピン状の規制突起Wbを形成して、板金Wの残材部Wrの切断面Wrsの複数箇所に直線状の係止突起Wpを形成することができる。そのため、板金Wに切断加工を施した後に、製品Mを残材Rから押上げた状態(浮かせた状態)で保持し、製品Mの位置ずれを規制することができる。
従って、第4実施形態に係る板金加工方法によれば、製品Mと残材Rを連結するためのミクロジョイントを板金Wに形成しなくても、複合加工機16から製品Mを搬出することができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、次のように、種々の態様で実施可能である。
金型セット10(56)におけるコイニング部34cが板金Wの残材部Wrの裏面の切断面近傍に断面V字状の凹部Wdを形成する代わりに、図14A及び図14Bに示す断面形状の凹部Wdを形成してもよい。また、第1実施形態に係る板金加工方法において、板金Wの残材部Wrの裏面の切断面Wrs近傍に凹部Wdをコイニングする代わりに、金型セット62の動作に示すように、板金Wの残材部Wrの表面の切断面Wrs近傍に凹部Wdをコイニングしてもよい。
第4実施形態に係る板金加工方法において、板金Wの残材部Wrの表面の切断面Wrs近傍の複数箇所にピン状の規制突起Wbを形成する代わりに、図15に示すブリッジ状の規制突起Wbを形成してもよい。
そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。
10 金型セット
12 ダイ金型
14 パンチ金型
16 複合加工機
18 下部タレット(下部装着ベース)
20 上部タレット(上部装着ベース)
22 ストライカ
24 レーザ加工ヘッド
26 Y軸移動機構
28 板金移動機構
30 ダイボディ
30h 第1ガイド孔
30b 第2ガイド孔
32 キー
34 ダイチップ
34c コイニング部(突起形成部)
36 ダイエジェクタ
36h ダイ挿通孔
36p 押上げ部
36n 切欠
38 連結ボルト
40 スライドピン
42 取付ボルト
44 サポートリング
46 スプリング座
48 コイルスプリング(付勢部材)
50 パンチボディ
50g キー溝
52 パンチチップ
52g キー溝
52s 段部
54 パンチヘッド
56 金型セット
58 ダイ金型
60 押上げピン(押上げ部)
62 金型セット
64 ダイ金型
66 パンチ金型
68 ダイボディ
68h 第1ガイド孔
68b 第2ガイド孔
68s ボス部
68p 押上げ部
70 キー
72 ダイエジェクタ
74 連結ボルト
76 スライドピン
78 取付ボルト
80 サポートリング
82 スプリング座
84 コイルスプリング(付勢部材)
86 パンチガイド
86g キー溝
86h パンチ挿通孔
86r リム部(突出部)
86n 切欠
88 パンチボディ
90 パンチチップ
90c コイニング部(突起形成部)
92 パンチヘッド
94 リテーナカラー
96 ストリッピングスプリング
PP パンチ加工位置
BP レーザ加工ヘッドの照射位置
W 板金
Wm 製品部
Wr 残材部(非製品部)
Wrs 切断面
Wd 凹部
Wp 係止突起
Wc 段部
Wb 規制突起
M 製品
R 残材
S スリット

Claims (11)

  1. 板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部と、
    押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部と、を備える、金型。
  2. 前記突起形成部は、前記残材部の裏面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部である、請求項1に記載の金型。
  3. ダイボディと、
    前記ダイボディの上面に設けられたダイチップと、
    前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられ、前記ダイチップを挿通させるためのダイ挿通孔が形成されたダイエジェクタと、を備え、
    前記ダイエジェクタの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部が設けられ、
    前記ダイチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が設けられている、ダイ金型。
  4. ダイボディと、
    前記ダイボディの上面に設けられたダイチップと、
    前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられ、前記ダイチップを挿通させるためのダイ挿通孔が形成されたダイエジェクタと、を備え、
    前記ダイボディの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部が設けられ、前記ダイエジェクタに前記押上げ部を挿通させるための切欠が形成され、
    前記ダイチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が設けられている、ダイ金型。
  5. 前記突起形成部は、前記残材部の裏面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部である、請求項3又は請求項4に記載のダイ金型。
  6. 請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載のダイ金型と、
    板金を上方向から押圧するパンチボディと、前記パンチボディの下端部に設けられたパンチチップとを備えるパンチ金型とからなり、
    前記パンチチップの下面に、押上げられた前記製品部を逃がすための段部が形成されている、金型セット。
  7. ダイボディと、前記ダイボディの上側に昇降可能に設けられたダイエジェクタとを備えたダイ金型と、
    下端部にパンチ挿通孔が形成された筒状のパンチガイドと、前記パンチガイドの内側に昇降可能に設けられたパンチボディと、前記パンチボディの下端部に設けられかつ前記パンチ挿通孔に挿通可能なパンチチップとを備えたパンチ金型とからなり、
    前記ダイボディの上面に、板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施した後に前記製品部を残材部に対して相対的に押上げるための押上げ部が設けられ、前記ダイエジェクタに前記押上げ部を挿通させるためのダイ挿通孔が形成され、
    前記パンチチップの先端部に、押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成するための突起形成部が形成されている、金型セット。
  8. 前記押上げ部は、前記ダイエジェクタの下降動作によって前記ダイエジェクタの上面に対して突出し、
    前記パンチガイドの下面における前記パンチ挿通孔に隣接する位置に前記残材部を押圧するリム部が設けられ、前記パンチガイドの下面に対する前記リム部の突出量が前記ダイエジェクタの上面に対する前記押上げ部の最大突出量よりも大きく設定されている、請求項7に記載の金型セット。
  9. 前記突起形成部は、前記残材部の表面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成するコイニング部である、請求項7又は請求項8に記載の金型セット。
  10. 板金の製品部の輪郭の一部を除く部分に切断加工を施し、
    前記製品部を残材部に対して相対的に押上げ、
    押上げられた前記製品部の裏面に係止可能な係止突起を板金の残材部の切断面に形成し、
    その後、前記製品部の前記輪郭の一部に切断加工を施す、板金加工方法。
  11. 前記残材部の裏面又は表面の切断面近傍に凹部をコイニングすることにより、板金の一部の流れ込みによって前記残材部の切断面に前記係止突起を形成する、請求項10に記載の板金加工方法。
JP2019190945A 2018-10-19 2019-10-18 金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法 Active JP7340410B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018197364 2018-10-19
JP2018197364 2018-10-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020075289A true JP2020075289A (ja) 2020-05-21
JP7340410B2 JP7340410B2 (ja) 2023-09-07

Family

ID=70723195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019190945A Active JP7340410B2 (ja) 2018-10-19 2019-10-18 金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7340410B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024117020A1 (ja) 2022-11-28 2024-06-06 株式会社アマダ 加工位置割付方法及び板金加工方法
WO2024135314A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 株式会社アマダ 金型、位置決め凹部の加工方法、及び位置決め構造

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5228787A (en) * 1975-08-28 1977-03-03 Schuler Gmbh L Means for carrying away punched piece
JPH0475728A (ja) * 1990-07-13 1992-03-10 Toshiba Corp 順送プレス型装置における製品排出方法
JP2011182619A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Kuroda Precision Ind Ltd 積層鉄心の製造方法および製造装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5228787A (en) * 1975-08-28 1977-03-03 Schuler Gmbh L Means for carrying away punched piece
JPH0475728A (ja) * 1990-07-13 1992-03-10 Toshiba Corp 順送プレス型装置における製品排出方法
JP2011182619A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Kuroda Precision Ind Ltd 積層鉄心の製造方法および製造装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024117020A1 (ja) 2022-11-28 2024-06-06 株式会社アマダ 加工位置割付方法及び板金加工方法
WO2024135314A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 株式会社アマダ 金型、位置決め凹部の加工方法、及び位置決め構造
JP7550204B2 (ja) 2022-12-19 2024-09-12 株式会社アマダ 金型,位置決め凹部の加工方法,及び位置決め構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP7340410B2 (ja) 2023-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4279532B2 (ja) 成形製品の加工方法に使用する金型装置及び下金型
KR101550023B1 (ko) 프레스 금형장치
JP2020075289A (ja) 金型、ダイ金型、金型セット、及び板金加工方法
JP2007313522A (ja) プレス型およびプレス加工方法
US20140182437A1 (en) Trimming die and punch thereof
JP2010260078A (ja) バーリング加工方法及び金型
PL234006B1 (pl) Urządzenie kuźnicze i sposób kucia
JP2014144464A (ja) カム装置および加工装置
JP2014172079A (ja) プレス加工方法及び打ち抜きプレス加工品
KR101833402B1 (ko) 펀치 높낮이 조절이 가능한 펀칭금형
JP7390222B2 (ja) 金型、ダイ金型、金型セット、パンチ金型、及び板金加工方法
JP5371177B2 (ja) パンチプレスにおける曲げ金型及びその曲げ金型を使用する加工方法
JP2013099767A (ja) バーリング金型装置
JP7149085B2 (ja) 穴抜き加工方法及び金型
JP4812307B2 (ja) バーリング金型及びバーリング加工方法
JP6739319B2 (ja) 突起形成用のダイ金型、金型セット、及びパンチ金型
JP2007260756A (ja) 鍛造用金型装置
JP4871609B2 (ja) ストリッパープレート装着装置
US20040255746A1 (en) Shearing device for peripheral wall of tube
WO2012005057A1 (ja) ダイホルダ装置
JP2011073053A (ja) パンチ金型
JP2002282963A (ja) パンチ金型
JP4873601B2 (ja) パンチプレス用成形金型
WO2007004601A1 (ja) 上型装置及びパンチ
JP4825089B2 (ja) マルチパンチ金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7340410

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150