JP2020032777A - 運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転支援制御の実行中におけるトラクション制御の実行頻度を小さくすることにより、運転支援制御の実行中に運転者が違和感を感じる可能性を低減させることが可能な運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置は、トラクション制御を実行するトラクション制御手段と、追従車間距離制御を実行する追従車間距離制御手段と、を備える。追従車間距離制御手段は、追従車間距離制御を実行している間、自車両が走行している道路の路面摩擦係数を推定する。更に、追従車間距離制御手段は、追従車間距離制御における目標加速度が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。追従車間距離制御手段は、目標加速度が所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、前記推定された路面摩擦係数に対応する加速度以下の加速度を目標加速度として設定して追従車間距離制御を実行する。
【選択図】図3
【解決手段】運転支援装置は、トラクション制御を実行するトラクション制御手段と、追従車間距離制御を実行する追従車間距離制御手段と、を備える。追従車間距離制御手段は、追従車間距離制御を実行している間、自車両が走行している道路の路面摩擦係数を推定する。更に、追従車間距離制御手段は、追従車間距離制御における目標加速度が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。追従車間距離制御手段は、目標加速度が所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、前記推定された路面摩擦係数に対応する加速度以下の加速度を目標加速度として設定して追従車間距離制御を実行する。
【選択図】図3
Description
本発明は、運転支援装置に関する。
従来から、車両(自車両)の周辺状況に関する情報及び自車両の位置の情報等を用いて、自車両の運転を支援する運転支援制御を実行する運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。例えば、このような運転支援制御の一つとして、自車両の直前を走行する他車両である追従対象車と自車両との車間距離を所定の目標車間距離に維持するように自車両を追従対象車に追従して走行させる追従車間距離制御が知られている。
他方、車輪に空転が生じた場合に、当該空転している車輪に対して制動力を付与することにより車輪の空転を抑制するように構成された車両の制御装置も知られている(例えば、特許文献2を参照。)。このような制御は、トラクション制御又は加速スリップ制御とも称呼される。
ところで、上述の運転支援制御を実行している間にトラクション制御が頻繁に実行されると、それに伴い車両の加速度も変化する。従って、運転者は、運転支援制御の実行中に加速度の変化に起因した違和感を感じる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、運転支援制御の実行中におけるトラクション制御の実行頻度を小さくすることにより、運転支援制御の実行中に運転者が違和感を感じる可能性を低減させることが可能な運転支援装置を提供することである。
本発明の運転支援装置(以下、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、
左前輪(Wfl)、右前輪(Wfr)、左後輪(Wrl)及び右後輪(Wrr)を駆動するための駆動力を発生する駆動装置(20、21、22)と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のそれぞれに対して制動力を付与することが可能な制動装置(30、31、32fl、32fr、32rl、32rr)と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のうち、空転が生じている車輪に対して前記制動装置によって制動力を付与するトラクション制御を実行するトラクション制御手段(30、31、32fl、32fr、32rl、32rr)と、
自車両の周囲の情報である車両周辺情報を取得する情報取得手段(16)と、
前記自車両の直前を走行する他車両である追従対象車と前記自車両との車間距離を所定の目標車間距離に維持するための目標加速度(Gtgt)を算出するとともに、前記自車両の実際の加速度が前記目標加速度に一致するように前記駆動装置及び前記制動装置の少なくとも一方を制御する追従車間距離制御を実行する追従車間距離制御手段(10)と、
を備える。
左前輪(Wfl)、右前輪(Wfr)、左後輪(Wrl)及び右後輪(Wrr)を駆動するための駆動力を発生する駆動装置(20、21、22)と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のそれぞれに対して制動力を付与することが可能な制動装置(30、31、32fl、32fr、32rl、32rr)と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のうち、空転が生じている車輪に対して前記制動装置によって制動力を付与するトラクション制御を実行するトラクション制御手段(30、31、32fl、32fr、32rl、32rr)と、
自車両の周囲の情報である車両周辺情報を取得する情報取得手段(16)と、
前記自車両の直前を走行する他車両である追従対象車と前記自車両との車間距離を所定の目標車間距離に維持するための目標加速度(Gtgt)を算出するとともに、前記自車両の実際の加速度が前記目標加速度に一致するように前記駆動装置及び前記制動装置の少なくとも一方を制御する追従車間距離制御を実行する追従車間距離制御手段(10)と、
を備える。
前記追従車間距離制御手段は、前記追従車間距離制御を実行している間、前記自車両が走行している道路の路面摩擦係数(μ)を推定するように構成されている(ステップ350)。
更に、前記追従車間距離制御手段は、
前記目標加速度が所定の閾値(μ)よりも大きいか否かを判定し(ステップ370)、
前記目標加速度が前記所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において(ステップ370:Yes)、前記推定された路面摩擦係数に対応する加速度(μ)以下の加速度を前記目標加速度として設定して前記追従車間距離制御を実行する(ステップ380及びステップ390)
ように構成されている。
更に、前記追従車間距離制御手段は、
前記目標加速度が所定の閾値(μ)よりも大きいか否かを判定し(ステップ370)、
前記目標加速度が前記所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において(ステップ370:Yes)、前記推定された路面摩擦係数に対応する加速度(μ)以下の加速度を前記目標加速度として設定して前記追従車間距離制御を実行する(ステップ380及びステップ390)
ように構成されている。
本発明装置は、自車両が走行している道路の路面摩擦係数(μ)に応じて追従車間距離制御における目標加速度を変更する。本発明装置は、目標加速度が所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、「推定された路面摩擦係数に対応する加速度以下の加速度」を目標加速度として設定する。このように、車輪の空転が生じ得るときに、目標加速度が制限される。従って、車輪の空転が生じる可能性が小さくなる。その結果、トラクション制御の実行頻度が小さくなる。これにより、追従車間距離制御の実行中に、トラクション制御の実行に起因して運転者が違和感を感じる可能性を低減させることができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
<構成>
本発明の実施形態に係る運転支援装置(以下、「本実施装置」とも称呼される。)は、車両(例えば、四輪駆動の車両)に適用される。運転支援装置が適用される車両は、他の車両と区別するために「自車両」と称呼される場合がある。運転支援装置は、図1に示したように、運転支援ECU10、エンジンECU20、ブレーキECU30、ステアリングECU40、及び、表示ECU50を備えている。なお、これらのECUのうちの2以上のECUが、1つのECUに統合されてもよい。
本発明の実施形態に係る運転支援装置(以下、「本実施装置」とも称呼される。)は、車両(例えば、四輪駆動の車両)に適用される。運転支援装置が適用される車両は、他の車両と区別するために「自車両」と称呼される場合がある。運転支援装置は、図1に示したように、運転支援ECU10、エンジンECU20、ブレーキECU30、ステアリングECU40、及び、表示ECU50を備えている。なお、これらのECUのうちの2以上のECUが、1つのECUに統合されてもよい。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ及びインターフェース(I/F)等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現する。
運転支援ECU10は、以下に列挙するセンサ(スイッチを含む。)と接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。なお、各センサは、運転支援ECU10以外のECUに接続されていてもよい。その場合、運転支援ECU10は、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。
アクセルペダル操作量センサ11は、アクセルペダル11aの操作量(即ち、アクセル開度)を検出し、アクセルペダル操作量APを表す信号を出力するようになっている。
ブレーキペダル操作量センサ12は、ブレーキペダル12aの操作量を検出し、ブレーキペダル操作量BPを表す信号を出力するようになっている。
ブレーキペダル操作量センサ12は、ブレーキペダル12aの操作量を検出し、ブレーキペダル操作量BPを表す信号を出力するようになっている。
操舵角センサ13は、自車両の操舵角を検出し、操舵角θを表す信号を出力するようになっている。
操舵トルクセンサ14は、操舵ハンドルSWの操作により自車両のステアリングシャフトUSに加わる操舵トルクを検出し、操舵トルクTraを表す信号を出力するようになっている。
操舵トルクセンサ14は、操舵ハンドルSWの操作により自車両のステアリングシャフトUSに加わる操舵トルクを検出し、操舵トルクTraを表す信号を出力するようになっている。
車輪速度センサ15(15fl、15fr、15rl及び15rr)は、左前輪Wfl、右前輪Wfr、左後輪Wrl及び右後輪Wrrのそれぞれの回転角速度を表す出力信号を発生するようになっている。なお、本明細書において、符号の末尾に付される英字の添字は、どの車輪に対応する構成要素かを表示している。「fl」が「左前輪」、「fr」が「右前輪」、「rl」が「左後輪」、「rr」が「右後輪」に対応する。更に、添字[**]が「fl、fr、rl又はrr」についての総称を表している。
周囲センサ16は、自車両の周囲の状態を検出するセンサである。周囲センサ16は、自車両の周囲の道路(例えば、自車両が走行している走行レーン)に関する情報、及び、その道路に存在する立体物に関する情報を取得するようになっている。立体物は、例えば、自動車、歩行者及び自転車などの移動物、並びに、ガードレール及びフェンスなどの固定物を表す。以下、これらの立体物は「物標」と称呼される場合がある。周囲センサ16は、レーダセンサ16a及びカメラセンサ16bを備えている。
レーダセンサ16aは、例えば、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を少なくとも自車両の前方領域を含む自車両の周辺領域に放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。更に、レーダセンサ16aは、送信したミリ波と受信した反射波との関係を用いて、物標の有無について判定し、且つ、自車両と物標との相対関係を示すパラメータを演算し、判定結果及び演算結果を出力するようになっている。自車両と物標との相対関係を示すパラメータは、自車両に対する物標の方位(又は位置)、自車両と物標との距離、及び、自車両と物標との相対速度等を含む。
より具体的に述べると、レーダセンサ16aはミリ波送受信部及び処理部を備えている。その処理部は、ミリ波送受信部から送信したミリ波とミリ波送受信部が受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基いて、自車両と物標との相対関係を示すパラメータを所定時間の経過毎に取得する。このパラメータは、前述したように、検出した各物標(n)に対する「距離(縦距離)Dfx(n)、相対速度Vfx(n)、横距離Dfy(n)及び相対横速度Vfy(n)等」を含む。
車間距離Dfx(n)は、自車両と物標(n)(例えば、先行車)との間の自車両の中心軸(前後方向に延びる中心軸)に沿った距離である。
相対速度Vfx(n)は、物標(n)(例えば、先行車)の速度Vsと自車両の速度Vjとの差(=Vs−Vj)である。物標(n)の速度Vsは自車両の進行方向における物標(n)の速度である。
横距離Dfy(n)は、「物標(n)の中心位置(例えば、先行車の車幅中心位置)」の、自車両の中心軸と直交する方向における同中心軸からの距離である。横距離Dfy(n)は「横位置」とも称呼される。
相対横速度Vfy(n)は、物標(n)の中心位置(例えば、先行車の車幅中心位置)の、自車両の中心軸と直交する方向における速度である。
相対速度Vfx(n)は、物標(n)(例えば、先行車)の速度Vsと自車両の速度Vjとの差(=Vs−Vj)である。物標(n)の速度Vsは自車両の進行方向における物標(n)の速度である。
横距離Dfy(n)は、「物標(n)の中心位置(例えば、先行車の車幅中心位置)」の、自車両の中心軸と直交する方向における同中心軸からの距離である。横距離Dfy(n)は「横位置」とも称呼される。
相対横速度Vfy(n)は、物標(n)の中心位置(例えば、先行車の車幅中心位置)の、自車両の中心軸と直交する方向における速度である。
カメラセンサ16bは、ステレオカメラ及び画像処理部を備え、車両前方の左側領域及び右側領域の風景を撮影して左右一対の画像データを取得する。カメラセンサ16bは、その撮影した左右一対の画像データに基いて、物標の有無について判定し、且つ、自車両と物標との相対関係を示すパラメータを演算し、判定結果及び演算結果を出力するようになっている。この場合、運転支援ECU10は、レーダセンサ16aによって得られた自車両と物標との相対関係を示すパラメータと、カメラセンサ16bによって得られた自車両と物標との相対関係を示すパラメータと、を合成することにより、自車両と物標との相対関係を示すパラメータを決定する。
更に、カメラセンサ16bは、その撮影した左右一対の画像データに基いて、道路(自車両が走行している走行レーン)の左及び右の区画線を認識し、道路の形状(例えば、道路の曲率)、及び、道路と自車両との位置関係(例えば、走行レーンの左端又は右端から自車両の車幅方向の中心位置までの距離)を算出する。道路の形状及び道路と自車両との位置関係等を含む車線に関する情報は「車線情報」と称呼される。
周囲センサ16によって取得された物標に関する情報(自車両と物標との相対関係を示すパラメータを含む。)は「物標情報」と称呼される。運転支援ECU10は、「物標情報」及び「車線情報」を含む車両の周辺状況に関する情報を、「車両周辺情報」として取得する。なお、周囲センサ16は「車両周辺情報を取得する情報取得手段(情報取得部)」と称呼される場合がある。
なお、周囲センサ16は、必ずしも、レーダセンサ及びカメラセンサの両方を備える必要はなく、例えば、レーダセンサのみ又はカメラセンサのみを含んでいてもよい。
車速センサ17は、自車両の走行速度(車速)を検出し、車速SPDを表す信号を出力するようになっている。
操作スイッチ18は、運転者により操作されるスイッチである。運転者は、操作スイッチ18を操作することにより、後述する追従車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)を実行するか否かを選択することができる。
エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21に接続されている。エンジンアクチュエータ21は、ガソリン燃料噴射・火花点火式・内燃機関22のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を駆動することによって、内燃機関22が発生する駆動力(トルク)を変更することができる。内燃機関22が発生する駆動力(トルク)は、図示しない駆動力伝達機構を介して左前輪Wfl、右前輪Wfr、左後輪Wrl及び右後輪Wrrに伝達されるようになっている。従って、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を制御することによって、自車両の駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。なお、内燃機関22に代えて又は加えて、車両駆動源として電動機が使用されてもよい。
ブレーキECU30は、油圧回路31に接続されている。油圧回路31はブレーキアクチュエータとして機能する。油圧回路31は、制動液が流れる流路、複数の弁、ポンプ及びポンプを駆動するモータ等を含む。左前輪Wfl、右前輪Wfr、左後輪Wrl及び右後輪Wrrの制動力(制動トルク)は、油圧回路31により、対応するホイールシリンダ32[**]の制動圧が制御されることによって制御される。各ホイールシリンダ32[**]の制動圧は、通常時には運転者によるブレーキペダル12aの踏込み操作に応じて駆動される図示しないマスタシリンダの圧力に基いて制御される。更に、後述する追従車間距離制御及びトラクション制御において、ブレーキECU30は、油圧回路31を制御することによって、左前輪Wfl、右前輪Wfr、左後輪Wrl及び右後輪Wrrの制動力を個別に(独立して)制御して、自車両の加速状態(減速度、即ち、負の加速度)を変更することができる。
なお、ブレーキECU30は、車輪速度センサ15からの出力信号を受け取り、下記の(1)式に基いて車輪速度Vwを算出するようになっている。(1)式において、rは車輪(タイヤ)の動半径、ωは車輪の角速度である。以降、左前輪Wfl、右前輪Wfr、左後輪Wrl及び右後輪Wrrの車輪速度を、それぞれ、車輪速度Vwfl、Vwfr、Vwrl及びVwrrと称呼する。
Vw=r・ω …(1)
Vw=r・ω …(1)
ステアリングECU40は、周知の電動パワーステアリングシステムの制御装置であって、モータドライバ41に接続されている。モータドライバ41は、転舵用モータ42に接続されている。転舵用モータ42は、「操舵ハンドルSW、操舵ハンドルSWに連結されたステアリングシャフトUS及び操舵用ギア機構等を含む、図示しないステアリング機構」に組み込まれている。転舵用モータ42は、モータドライバ41から供給される電力によってトルクを発生し、このトルクによって操舵アシストトルクを加えたり、左右の操舵輪を転舵したりすることができる。即ち、転舵用モータ42は、自車両の舵角(操舵角)を変更することができる。
表示ECU50は、表示器51に接続されている。表示器51は、運転席の正面に設けられたマルチインフォーメーションディスプレイである。表示器51は、車速及びエンジン回転速度等の計測値の表示に加えて、各種の情報を表示する。表示器51は、マルチインフォーメーションディスプレイに限定されない。表示器51として、ヘッドアップディスプレイが採用されてもよい。
<トラクション制御の概要>
本実施装置は、車両の加速時(車両の発進時を含む)に車輪の空転が生じたと判定した場合に、周知のトラクション制御を実施するようになっている。これにより、車輪の空転を抑制して、路面状況に応じた駆動力を確保することができる。なお、「車輪の空転」とは、車輪が路面から浮いた場合、及び、路面上で車輪がスリップ状態になる場合、を含む。
本実施装置は、車両の加速時(車両の発進時を含む)に車輪の空転が生じたと判定した場合に、周知のトラクション制御を実施するようになっている。これにより、車輪の空転を抑制して、路面状況に応じた駆動力を確保することができる。なお、「車輪の空転」とは、車輪が路面から浮いた場合、及び、路面上で車輪がスリップ状態になる場合、を含む。
トラクション制御としては、(i)駆動装置(内燃機関22)が発生する駆動力(トルク)を抑える方式、(ii)空転している車輪に対して制動力を付与する方式、及び、(iii)これらを組み合わせる方式がある。本実施装置は、上記のトラクション制御の1つとして、上記(ii)の「空転している車輪に対して制動力を付与する制御」を実行するようになっている(以下、この制御を単に「トラクション制御」と称呼する。)。
ブレーキECU30は、車輪速度センサ15からの信号に基いて車輪速度Vw[**]を算出する。ブレーキECU30は、算出された車輪速度Vw[**]に基いて基準速度Vw_refを決定する。基準速度Vw_refは、通常、車輪速度Vw[**]のうち、最も低速の車輪速度である第1低速車輪速度Vwminである。ブレーキECU30は、車輪速度Vw[**]と基準速度Vw_refとの差分である車輪速度差ΔVw[**](=Vw[**]−Vw_ref)を算出する。車輪速度差ΔVw[**]は、車輪W[**]の空転の程度を表す指標値であり、「車輪空転指標値」とも称呼される。
ブレーキECU30は、車輪速度差ΔVw[**]が所定の制御開始閾値Th0以上である場合、その車輪W[**]をトラクション制御の対象となる車輪(以下、単に「対象輪」と称呼する。)として決定する。ブレーキECU30は、対象輪に対して制動力を付与し始めることによって、対象輪に対するトラクション制御を開始する。例えば、ブレーキECU30は、車輪速度差ΔVw[**]と付与すべき制動力との関係を予め規定したルックアップテーブル(マップ)に基いて目標制動力Fb[**]を求める。
更に、ブレーキECU30は、制動力と指示制動圧との関係を予め規定したルックアップテーブル(マップ)に基いて、目標制動力Fb[**]に対応する指示制動圧を求める。指示制動圧は、ホイールシリンダ32[**]の制動圧の目標値である。ブレーキECU30は、ホイールシリンダ32[**]の制動圧が指示制動圧になるようにホイールシリンダ32[**]の制動圧を増加させる。ブレーキECU30は、対象輪の車輪速度差ΔVw[**]を所定時間が経過するごとに演算する。対象輪の車輪速度差ΔVw[**]が所定の第1閾値Th1(Th0>Th1)以下になった場合、ブレーキECU30は、指示制動圧の値を所定の量だけ下げる。その後、対象輪の車輪速度差ΔVw[**]が所定の第2閾値Th2(Th0>Th2>Th1)以上となった場合、ブレーキECU30は、指示制動圧の値を所定の量だけ上げる。ブレーキECU30は、このような制動圧の増加及び減少を繰り返し実行することにより、車輪の空転を抑制するようになっている。
なお、トラクション制御を開始するために使用される車輪空転指標値は、上記の例に限定されない。例えば、車輪空転指標値は、例えば、車体速度と車輪速度Vw[**]との偏差を車体速度で除した値(スリップ率)でもよい。
<追従車間距離制御(ACC)の概要>
次に、運転支援ECU10が運転支援制御の一つとして実行する追従車間距離制御(ACC)について説明する。追従車間距離制御は、物標情報に基いて、自車両の前方領域であって自車両の直前を走行している先行車(後述するACC追従対象車)と自車両との車間距離を所定の距離に維持しながら、自車両を先行車に追従させる制御である。追従車間距離制御自体は周知である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報及び特許第4172434号明細書等を参照。)。以降、追従車間距離制御を単に「ACC」と称呼する。
次に、運転支援ECU10が運転支援制御の一つとして実行する追従車間距離制御(ACC)について説明する。追従車間距離制御は、物標情報に基いて、自車両の前方領域であって自車両の直前を走行している先行車(後述するACC追従対象車)と自車両との車間距離を所定の距離に維持しながら、自車両を先行車に追従させる制御である。追従車間距離制御自体は周知である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報及び特許第4172434号明細書等を参照。)。以降、追従車間距離制御を単に「ACC」と称呼する。
運転支援ECU10は、操作スイッチ18の操作によって追従車間距離制御が要求されている場合、追従車間距離制御を実行する。
より具体的に述べると、運転支援ECU10は、追従車間距離制御が要求されている場合、周囲センサ16により取得した物標情報に基いてACC追従対象車を選択する。例えば、運転支援ECU10は、検出した物標(n)の横距離Dfy(n)と車間距離Dfx(n)とから特定される物標(n)の相対位置が追従対象車両エリア内に存在するか否かを判定する。追従対象車両エリアは、自車両の車速及び自車両のヨーレートに基いて推定される自車両の進行方向における距離が長くなるほど、その進行方向に対する横方向の距離の絶対値が小さくなるように予め定められたエリアである。そして、運転支援ECU10は、物標(n)の相対位置が追従対象車両エリア内に所定時間以上に渡って存在する場合、その物標(n)をACC追従対象車として選択する。なお、相対位置が追従対象車両エリア内に所定時間以上に渡って存在する物標が複数存在する場合、運転支援ECU10は、それらの物標の中から車間距離Dfx(n)が最小の物標をACC追従対象車として選択する。
更に、運転支援ECU10は、目標加速度Gtgtを下記(2)式及び(3)式の何れかに従って算出する。(2)式及び(3)式において、Vfx(a)はACC追従対象車(a)の相対速度であり、k1及びk2は所定の正のゲイン(係数)であり、ΔD1は「ACC追従対象車(a)の車間距離Dfx(a)」から「目標車間距離Dtgt」を減じることにより得られる車間偏差(=Dfx(a)−Dtgt)である。なお、目標車間距離Dtgtは、運転者により操作スイッチ18を用いて設定される目標車間時間Ttgtに自車両の車速SPDを乗じることにより算出される(即ち、Dtgt=Ttgt・SPD)。
運転支援ECU10は、値(k1・ΔD1+k2・Vfx(a))が正又は「0」の場合に下記(2)式を使用して目標加速度Gtgtを決定する。ka1は、加速用の正のゲイン(係数)であり、「1」以下の値に設定されている。
運転支援ECU10は、値(k1・ΔD1+k2・Vfx(a))が負の場合に下記(3)式を使用して目標加速度Gtgtを決定する。kd1は、減速用の正のゲイン(係数)であり、本例においては「1」に設定されている。
Gtgt(加速用)=ka1・(k1・ΔD1+k2・Vfx(a)) …(2)
Gtgt(減速用)=kd1・(k1・ΔD1+k2・Vfx(a)) …(3)
なお、目標加速度Gtgtの単位は[G]である。
運転支援ECU10は、値(k1・ΔD1+k2・Vfx(a))が負の場合に下記(3)式を使用して目標加速度Gtgtを決定する。kd1は、減速用の正のゲイン(係数)であり、本例においては「1」に設定されている。
Gtgt(加速用)=ka1・(k1・ΔD1+k2・Vfx(a)) …(2)
Gtgt(減速用)=kd1・(k1・ΔD1+k2・Vfx(a)) …(3)
なお、目標加速度Gtgtの単位は[G]である。
追従対象車両エリアに物標が存在しない場合、運転支援ECU10は、自車両の車速SPDが「目標車間時間Ttgtに応じて設定される目標速度」に一致するように、目標速度と車速SPDに基いて目標加速度Gtgtを決定する。
運転支援ECU10は、自車両の実際の加速度が目標加速度Gtgtに一致するように、エンジンECU20を用いてエンジンアクチュエータ21を制御するとともに、必要に応じてブレーキECU30を用いて油圧回路(ブレーキアクチュエータ)31を制御する。
<本実施装置の作動の概要>
本実施装置の運転支援ECU10は、ACCを実行している間、所定時間が経過するごとに、自車両が走行している道路の路面摩擦係数μを推定する。そして、運転支援ECU10は、目標加速度Gtgt(加速用)が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。所定の閾値は、車輪の空転が生じ得るかどうかを判定するための閾値である。運転支援ECU10は、目標加速度Gtgt(加速用)が所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、「推定された路面摩擦係数μに対応する加速度以下の加速度」を目標加速度Gtgt(加速用)として設定してACCを実行するようになっている。このように、目標加速度Gtgt(加速用)は、「推定された路面摩擦係数μに応じて決定される加速度であって、その特定時点にて上述の(2)に基いて算出された目標加速度Gtgt(加速用)に比べて車輪の空転が生じる可能性が小さくなる加速度」へと制限される。
本実施装置の運転支援ECU10は、ACCを実行している間、所定時間が経過するごとに、自車両が走行している道路の路面摩擦係数μを推定する。そして、運転支援ECU10は、目標加速度Gtgt(加速用)が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。所定の閾値は、車輪の空転が生じ得るかどうかを判定するための閾値である。運転支援ECU10は、目標加速度Gtgt(加速用)が所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、「推定された路面摩擦係数μに対応する加速度以下の加速度」を目標加速度Gtgt(加速用)として設定してACCを実行するようになっている。このように、目標加速度Gtgt(加速用)は、「推定された路面摩擦係数μに応じて決定される加速度であって、その特定時点にて上述の(2)に基いて算出された目標加速度Gtgt(加速用)に比べて車輪の空転が生じる可能性が小さくなる加速度」へと制限される。
より具体的には、運転支援ECU10は、様々な既知の方法の一つにより、路面摩擦係数μを推定する。例えば、運転支援ECU10は、路面摩擦係数μと車輪のスリップ率Sとの関係を表すS−μ特性に基いて、路面摩擦係数μを推定してもよい。別の例として、運転支援ECU10は、カメラセンサ16bによって検出された路面情報(路面の凹凸の大きさ)から路面摩擦係数μを推定してもよい。その他、運転支援ECU10は、セルフアライニングトルクを利用して路面摩擦係数μを推定してもよい(例えば、特開2004−074842号を参照。)。更に、図示しないナビゲーションシステムの地図情報に路面摩擦係数μの情報が含まれる場合、運転支援ECU10は、ナビゲーションシステムから路面摩擦係数μの情報を取得してもよい。
ここで、ある時点tで自車両が走行している道路の路面摩擦係数をμとし、自車両の重量をmとすると、この時点tで自車両が出せる摩擦力は、以下の(4)式により表される。
F = μmg …(4)
更に、自車両の加速度をaとすると、以下の(5)式が成立する。
ma = μmg …(5)
従って、以下の(6)式が成立する。
a = μmg …(6)
gは重力加速度であり、9.8[m/s2]である。[G]表記にすると、以下の(7)式になる。
a = μ[G] …(7)
従って、時点tにて自車両に与えられる最大の加速度は、μ[G]である。
F = μmg …(4)
更に、自車両の加速度をaとすると、以下の(5)式が成立する。
ma = μmg …(5)
従って、以下の(6)式が成立する。
a = μmg …(6)
gは重力加速度であり、9.8[m/s2]である。[G]表記にすると、以下の(7)式になる。
a = μ[G] …(7)
従って、時点tにて自車両に与えられる最大の加速度は、μ[G]である。
目標加速度Gtgt(加速用)が路面摩擦係数μよりも大きい場合、車輪の空転が生じる可能性が高くなる。従って、運転支援ECU10は、上述の閾値として、「推定された路面摩擦係数μ」を採用する。運転支援ECU10は、目標加速度Gtgt(加速用)が「推定された路面摩擦係数μ」より大きいか否かを判定する。目標加速度Gtgt(加速用)が「推定された路面摩擦係数μ」より大きいとき、運転支援ECU10は、「推定された路面摩擦係数μ」を目標加速度Gtgtとして設定する。このように、車輪の空転が生じる可能性が高いと考えらえるときに、目標加速度Gtgtが制限される。従って、車輪の空転が生じる可能性が小さくなる。車輪空転指標値が所定の制御開始閾値Th0以上になりにくくなるので、ACCの実行中におけるトラクション制御の実行頻度が小さくなる。これにより、ACCの実行中に運転者が違和感を感じる可能性を低減させることができる。更に、目標加速度Gtgtが「推定された路面摩擦係数μ」に設定されるので、その時点での路面状態(路面摩擦係数μ)で得られる最大の加速度を自車両に発生させることができる。
<本実施装置の具体的作動>
次に、運転支援ECU10のCPU(単に「CPU」と称呼する場合がある。)の具体的作動について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎に図2にフローチャートにより示した「ACC開始/終了判定ルーチン」を実行するようになっている。なお、CPUは、図示しないルーチンを所定時間が経過する毎に実行することにより、周囲センサ16から車両周辺情報を取得して、当該車両周辺情報をRAMに格納している。
次に、運転支援ECU10のCPU(単に「CPU」と称呼する場合がある。)の具体的作動について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎に図2にフローチャートにより示した「ACC開始/終了判定ルーチン」を実行するようになっている。なお、CPUは、図示しないルーチンを所定時間が経過する毎に実行することにより、周囲センサ16から車両周辺情報を取得して、当該車両周辺情報をRAMに格納している。
従って、所定のタイミングになると、CPUは、ステップ200から図2のルーチンを開始してステップ210に進み、ACC実行フラグF1が「0」であるか否かを判定する。ACC実行フラグF1は、その値が「1」であるときACCが実行されていることを示し、その値が「0」であるときACCが実行されていないことを示す。ACC実行フラグF1の値は、図示しないイグニッションスイッチがOFF位置からON位置へと変更されたときにCPUにより実行されるイニシャライズルーチンにおいて「0」に設定される。更に、ACC実行フラグF1の値は、後述するステップ250においても「0」に設定される。
いま、ACC実行フラグF1の値が「0」である(ACCが実行されていない)と仮定すると、CPUはステップ210にて「Yes」と判定してステップ220に進み、所定のACC実行条件(追従車間距離制御の実行条件)が成立しているか否かを判定する。
ACC実行条件は、以下の条件1及び条件2が共に成立したときに成立する。但し、更に別の条件(例えば、車速SPDがACC許可車速以上であること)が、ACC実行条件が成立するために満足されるべき条件の一つとして追加されてもよい。なお、本明細書に記述される他の条件についても同様である。
(条件1):操作スイッチ18の操作によりACCの実行が要求されている。
(条件2):周囲センサ16によって追従対象車両エリア内に先行車(物標)が検出されている。
(条件1):操作スイッチ18の操作によりACCの実行が要求されている。
(条件2):周囲センサ16によって追従対象車両エリア内に先行車(物標)が検出されている。
ACC実行条件が成立していない場合、CPUは、そのステップ220にて「No」と判定し、ステップ295に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、ACC実行条件が成立している場合、CPUは、そのステップ220にて「Yes」と判定して、ステップ230に進む。CPUは、ステップ230にて、ACC実行フラグF1を「1」に設定して、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、ACCが実行される(図3のステップ310での「Yes」との判定を参照。)。
一方、CPUがステップ210の処理を実行する時点において、ACC実行フラグF1の値が「1」である(ACCが実行されている)場合、CPUは、そのステップ210にて「No」と判定して、ステップ240に進み、所定のACC終了条件(追従車間距離制御の終了条件)が成立しているか否かを判定する。
ACC終了条件は、以下の条件3及び条件4の少なくとも一つが成立したときに成立する。
(条件3):操作スイッチ18の操作によりACCの終了が要求されている。
(条件4):周囲センサ16によって追従対象車両エリア内に先行車(物標)が検出されていない。
(条件3):操作スイッチ18の操作によりACCの終了が要求されている。
(条件4):周囲センサ16によって追従対象車両エリア内に先行車(物標)が検出されていない。
ACC終了条件が成立している場合、CPUは、そのステップ240にて「Yes」と判定してステップ250に進み、ACC実行フラグF1を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、ACCが停止される(図3のステップ310での「No」との判定を参照。)。
これに対し、CPUがステップ240の処理を実行する時点において、ACC終了条件が成立していない場合、CPUは、そのステップ240にて「No」と判定してステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、ACCの実行が継続される。
更に、CPUは、所定時間が経過する毎に、図3にフローチャートにより示した「ACC実行ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図3のステップ300から処理を開始してステップ310に進み、ACC実行フラグF1の値が「1」であるか否かを判定する。
ACC実行フラグF1の値が「1」でない場合、CPUは、そのステップ310にて「No」と判定し、ステップ395に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、ACCは実行されない。
これに対し、ACC実行フラグF1の値が「1」である場合、CPUは、そのステップ310にて「Yes」と判定して、以下に述べる「ステップ320乃至ステップ350」を順に行い、その後、ステップ360に進む。
ステップ320:CPUは、追従対象車両エリア内に存在する先行車をACC対象車として特定する。なお、追従対象車両エリア内に複数の先行車が存在する場合、CPUは、それら複数の先行車の中から、車間距離Dfx(n)が最小の先行車をACC対象車として特定する。
ステップ330:CPUは、ステップ320にて特定したACC対象車(a)の車間距離Dfx(a)から目標車間距離Dtgtを減じることにより車間偏差ΔD1を算出する。
ステップ340:CPUは、(2)式及び(3)式の何れかに従って目標加速度Gtgtを算出する。
ステップ350:CPUは、上述したように、自車両が走行している道路の路面摩擦係数μを推定する。
ステップ330:CPUは、ステップ320にて特定したACC対象車(a)の車間距離Dfx(a)から目標車間距離Dtgtを減じることにより車間偏差ΔD1を算出する。
ステップ340:CPUは、(2)式及び(3)式の何れかに従って目標加速度Gtgtを算出する。
ステップ350:CPUは、上述したように、自車両が走行している道路の路面摩擦係数μを推定する。
CPUはステップ360に進むと、ステップ340にて算出された目標加速度Gtgtが加速用の値であるか否かを判定する。目標加速度Gtgtが加速用の値である場合、CPUは、そのステップ360にて「Yes」と判定してステップ370に進み、目標加速度Gtgt(加速用)が路面摩擦係数μよりも大きいか否かを判定する。
目標加速度Gtgt(加速用)が路面摩擦係数μよりも大きい場合、CPUは、そのステップ370にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ380及びステップ390の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ380:CPUは、ステップ350にて推定された路面摩擦係数μを、目標加速度Gtgt(加速用)として設定する(Gtgt(加速用)←μ[G])。
ステップ390:CPUは、自車両の実際の加速度が目標加速度Gtgtに一致するように、エンジンECU20及びブレーキECU30に目標加速度Gtgtを送信する。エンジンECU20は、目標加速度Gtgt及び自車の実際の加速度に応じて、エンジンアクチュエータ21を制御する。必要に応じて、ブレーキECU30は、目標加速度Gtgt及び自車両の実際の加速度に応じて、油圧回路(ブレーキアクチュエータ)31を制御する。この結果、自車の実際の加速度が目標加速度Gtgtに一致させられる。
ステップ390:CPUは、自車両の実際の加速度が目標加速度Gtgtに一致するように、エンジンECU20及びブレーキECU30に目標加速度Gtgtを送信する。エンジンECU20は、目標加速度Gtgt及び自車の実際の加速度に応じて、エンジンアクチュエータ21を制御する。必要に応じて、ブレーキECU30は、目標加速度Gtgt及び自車両の実際の加速度に応じて、油圧回路(ブレーキアクチュエータ)31を制御する。この結果、自車の実際の加速度が目標加速度Gtgtに一致させられる。
一方、CPUがステップ360に進んだ時点にて、目標加速度Gtgtが加速用の値ではない(即ち、減速用の値である)場合、そのステップ360にて「No」と判定してステップ390に進む。更に、CPUがステップ370に進んだ時点にて、目標加速度Gtgt(加速用)が路面摩擦係数μ以下である場合、CPUは、そのステップ370にて「No」と判定してステップ390に進む。そして、CPUは、前述したステップ390の処理を行う。その後、CPUは、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上の本実施装置は、目標加速度Gtgt(加速用)が「推定された路面摩擦係数μ」より大きいとき、「推定された路面摩擦係数μ」を目標加速度Gtgt(加速用)として設定する。このように、車輪の空転が生じる可能性が高いと考えらえるときに、目標加速度Gtgtが制限される。従って、車輪の空転が生じる可能性が小さくなる。その結果、ACCを実行している間のトラクション制御の実行頻度が小さくなる。これにより、ACCの実行中に、トラクション制御の実行に起因して運転者が違和感を感じる可能性を低減させることができる。更に、目標加速度Gtgtが「推定された路面摩擦係数μ(G換算値)」に設定されるので、その時点での路面状態(路面摩擦係数μ)で得られる最大の加速度を自車両に発生させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
CPUは、ステップ370にて、「推定された路面摩擦係数μ」以外の値を所定の閾値として採用してもよい。例えば、車輪の空転が生じる可能性がより高い場合を判定するために、CPUは、「推定された路面摩擦係数μよりも所定の値だけ大きい値」を所定の閾値として採用してもよい。
CPUは、ステップ380にて、「推定された路面摩擦係数μ以下の任意の加速度」を目標加速度Gtgt(加速用)として設定してもよい。このように、目標加速度Gtgt(加速用)を「推定された路面摩擦係数μ(G換算値)」以下に制限する場合でも、ACCの実行中におけるトラクション制御の実行頻度を小さくすることができる。
10…運転支援ECU、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、40…ステアリングECU、50…表示ECU、Wfl…左前輪、Wfr…右前輪、Wrl…左後輪、Wrr…右後輪。
Claims (1)
- 左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪を駆動するための駆動力を発生する駆動装置と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のそれぞれに対して制動力を付与することが可能な制動装置と、
前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪のうち、空転が生じている車輪に対して前記制動装置によって制動力を付与するトラクション制御を実行するトラクション制御手段と、
自車両の周囲の情報である車両周辺情報を取得する情報取得手段と、
前記自車両の直前を走行する他車両である追従対象車と前記自車両との車間距離を所定の目標車間距離に維持するための目標加速度を算出するとともに、前記自車両の実際の加速度が前記目標加速度に一致するように前記駆動装置及び前記制動装置の少なくとも一方を制御する追従車間距離制御を実行する追従車間距離制御手段と、
を備え、
前記追従車間距離制御手段は、前記追従車間距離制御を実行している間、前記自車両が走行している道路の路面摩擦係数を推定するように構成され、
更に、前記追従車間距離制御手段は、
前記目標加速度が所定の閾値よりも大きいか否かを判定し、
前記目標加速度が前記所定の閾値よりも大きいとの判定がなされた特定時点において、前記推定された路面摩擦係数に対応する加速度以下の加速度を前記目標加速度として設定して前記追従車間距離制御を実行する
ように構成された
運転支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018158990A JP2020032777A (ja) | 2018-08-28 | 2018-08-28 | 運転支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=69666753
Family Applications (1)
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JP2018158990A Pending JP2020032777A (ja) | 2018-08-28 | 2018-08-28 | 運転支援装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113071489A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-07-06 | 宝能(广州)汽车研究院有限公司 | 车辆行驶控制方法、装置、车载电子设备及可读存储介质 |
WO2023159043A1 (en) * | 2022-02-18 | 2023-08-24 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Estimation of a coefficient of friction for a surface relative to one or more tires in contact with the surface |
-
2018
- 2018-08-28 JP JP2018158990A patent/JP2020032777A/ja active Pending
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