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JP2020032629A - 繊維強化樹脂製部材 - Google Patents

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JP2020032629A
JP2020032629A JP2018161400A JP2018161400A JP2020032629A JP 2020032629 A JP2020032629 A JP 2020032629A JP 2018161400 A JP2018161400 A JP 2018161400A JP 2018161400 A JP2018161400 A JP 2018161400A JP 2020032629 A JP2020032629 A JP 2020032629A
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Okiya Nakagawa
興也 中川
清志 藤原
Kiyoshi Fujiwara
清志 藤原
和久 藤
Kazuhisa Fuji
和久 藤
力 田中
Tsutomu Tanaka
力 田中
渥美 貴弘
Takahiro Atsumi
貴弘 渥美
蘆田 浩規
Hironori Ashida
蘆田  浩規
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Mazda Motor Corp
Mizuno Technics Corp
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Abstract

【課題】組物技術を採用することにより曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる繊維強化樹脂製部材を提供する。【解決手段】炭素繊維強化樹脂製の補強部材は、軸芯Ax210に沿って一の方向に延びており、炭素繊維組物体210を有する。炭素繊維組物体210は、複数の中央糸211と、複数の組糸212と、複数の組糸213とが編み込まれた構造を有する。複数の組糸212,213は、軸芯Ax210に対して交差する組角度を以って周回するように配設されている。組糸212と組糸214とは、互いに交差している。補強部材では、長手方向の中程領域Ar1において、組糸212および組糸213の組角度θ2が、補強部材における長手方向の他の領域の組角度よりも大きい。【選択図】図6

Description

本発明は、繊維強化樹脂製部材に関し、特に組物技術を用いた繊維強化樹脂製部材に関する。
自動車や航空機、さらには産業機械の構造部材として、炭素繊維強化樹脂製の部材が用いられる場合がある(特許文献1,2)。
特許文献1には、自動車の車体下部の剛性を補強するために、炭素繊維強化樹脂製の帯板材が用いられた構成が開示されている。特許文献1に開示の構成では、車体の変形時において、上記帯板材に捩りモーメントが作用するようになっている。
特許文献2には、自動車のステアリングシャフトとして炭素繊維強化樹脂製のシャフトを採用する構成が開示されている。特許文献2に開示のシャフトでは、所定の組角度で炭素繊維を配向し、炭素繊維同士を編み込む組物技術を用いた炭素繊維強化樹脂が用いられている。
これら文献に開示のように、炭素繊維強化樹脂製の部材を採用することにより、軽量化と高剛性化とを図ることができる。
特開2017−61170号公報 特開2015−160551号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示の技術をはじめとする従来技術では、高い剛性と優れた減衰性能との両立を図ることが困難である。即ち、上記特許文献2に開示の技術では、組物技術を用いて炭素繊維強化樹脂製部材を構成することで高い剛性を得ることができるが、これを構造材に適用しようとする場合には、減衰性能を得ることが困難である。
例えば、組物技術を用いた炭素繊維強化樹脂製部材を、自動車の車体における補強部材として採用しようとする場合において、部材の長手方向全域に亘って炭素繊維の繊維方向を車幅方向に平行に延ばすように配向した場合には、当該部材に曲げ荷重がかかった際の減衰が得られ難い。
逆に、部材の長手方向全域に亘って炭素繊維の繊維方向を車幅方向に対して斜め方向に延ばすように配向した場合には、当該部材に曲げ荷重がかかった際の高い剛性が得られ難い。
なお、上記のような問題は、自動車等の車体に限らず種々の構造体において、同じである。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、組物技術を採用することにより曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる繊維強化樹脂製部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る繊維強化樹脂製部材は、繊維強化樹脂で構成され、一の方向に延びる部材であって、前記一の方向に対して交差する組角度を以って周回するように配設された第1組糸と、前記一の方向に対して交差する組角度を以って周回するように配設された第2組糸と、が互いに編み込まれてなる繊維組物体を備え、該部材の長手方向における両端部の間の所定領域において、前記第1組糸の前記組角度である第1組角度および前記第2組糸の前記組角度である第2組角度の少なくとも一方が他の領域の前記組角度よりも大きい。
上記構成の繊維強化樹脂製部材では、繊維が編み込まれてなる繊維組物体を備えるので、高い剛性を確保することができる。即ち、上記構成の繊維強化樹脂製部材では、第1組糸と第2組糸が編み込まれ、その上で樹脂で強化されているので、高い剛性を確保することができる。
また、上記構成の繊維強化樹脂製部材では、上記所定領域における第1組角度および第2組角度を、上記他の領域に比べて大きくしているので、該所定領域における弾性率を低く、振動減衰性を高くすることができる。よって、第1組角度および第2組角度の少なくとも一方の角度を他の領域に比べて大きくした上記所定領域を、本態様に係る部材の長手方向中程に設けることで、曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、前記第1組角度および前記第2組角度は、60°以上90°未満である、とすることもできる。
上記のように、第1組角度および第2組角度を60°以上90°未満の範囲内とすることにより、上記所定領域における優れた振動減衰性能をより確実に得ることができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、前記他の領域における前記第1組糸および前記第2組糸の前記組角度は、15°以上45°以下である、とすることもできる。
上記のように、上記所定領域以外の他の領域における第1組糸および第2組糸の組角度を、15°以上45°以下の範囲内とすることにより、上記他の領域における弾性率を高くすることができる。よって、上記構成を採用する場合には、繊維強化樹脂製部材に対して曲げ荷重がかかった場合に、上記他の領域で高い剛性を確保することができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、該部材の長手方向において、前記部材の全長に対する前記所定領域の長さの比は、0.001以上0.01以下である、とすることもできる。
上記のように、該部材の長手方向における上記所定領域に長さを、部材全長に対して0.001以上0.01以下の範囲内とすることで、曲げ荷重がかかった場合の高い剛性の確保と、優れた振動減衰性能の確保とを両立することができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、前記繊維組物体では、前記第1組糸および前記第2組糸に加えて、前記一の方向に延びるように配設された中央糸も編み込まれている、とすることもできる。
上記のように、繊維組物体において、一の方向に延びる中央糸も編み込むことにより、繊維強化樹脂製部材におけるさらに高い剛性を確保することができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、該部材の外径サイズは、前記長手方向の全域に亘り同径である、とすることもできる。
上記のように、該部材の外径サイズを長手方向の全域に亘って同径とすることにより、該部材に曲げ荷重がかかった際に外周面の一部に応力集中が生じ難く、高い剛性を確保する上で優れる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、該部材は、中空の筒状部材であって、該部材の内径サイズは、前記所定領域の方が前記他の領域よりも小径である、とすることもできる。
上記所定領域では、第1組角度および第2組角度の少なくとも一方が他の領域よりも大きいことから、組糸の密度が当該所定領域で高くなり(重なった部分が密に形成され)、上記のように、該部材の内径サイズを上記所定領域で小径となる。このため、内径サイズが上記他の部分よりも小さい上記所定領域において、弾性率を低く、振動減衰性を高くすることができる。
上記態様に係る繊維強化樹脂製部材において、前記第1組糸および前記第2組糸は、炭素繊維から構成されている、とすることもできる。
上記のように、第1組糸および第2組糸として炭素繊維を採用することにより、高い曲げ剛性を確保するのに優れる。
上記の繊維強化樹脂製部材では、組物技術を採用することにより曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる。
実施形態に係る車体の下面構成を示す模式下面図である。 車体の下面の一部構成を示す模式下面図である。 車体における車室内の構成を示す模式斜視図である。 補強部材の構成を示す模式斜視図である。 図4のA部における、補強部材の炭素繊維組物体の構成を示す模式図である。 図4のB部における、補強部材の炭素繊維組物体の構成を示す模式図である。 炭素繊維組物体の製造方法を示す模式斜視図である。 補強部材の横断面を示す図であって、(a)は、図4のA部の横断面、(b)は、図4のB部の横断面をそれぞれ示す。 補強部材における高減衰部が奏する効果を評価するための閾値ラインを示す特性グラフである。 組角度θが15°の場合の特性グラフであって、(a)は、L/L=0.01の場合、(b)は、L/L=0.004の場合、(c)は、L/L=0.002の場合、(d)は、L/L=0.001の場合をそれぞれ示す。 組角度θが30°の場合の特性グラフであって、(a)は、L/L=0.01の場合、(b)は、L/L=0.004の場合、(c)は、L/L=0.002の場合、(d)は、L/L=0.001の場合をそれぞれ示す。 組角度θが45°の場合の特性グラフであって、L/L=0.001の場合を示す。 変形例に係る補強部材における、長手方向中央部での炭素繊維組物体の構成を示す模式図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
なお、以下の説明で用いる図面のうち、図1から図3における「Fr」は車体前方、「Re」は車体後方、「Le」は車体右方、「Ri」は車体左方を示し、完成車体を想定した場合の車両の前進方向を基準にした方向である。
[実施形態]
1.車体1の下面および車室内の構成
本実施形態に係る車体1の下面および車室1b内の構成について、図1から図3を用いて説明する。図1は、車体1の下面構成を示す模式下面図であり、図2は、車体1の下面の一部構成を示す模式下面図であり、図3は、車体1における車室1b内の構成を示す模式斜視図である。
本実施形態に係る車両の車体1は、モノコック式の車体である。図1から図3に示すように、車体1は、車室1bの下面(底面)を構成するフロアパネル2と、エンジンルーム1aと車室1bとを仕切るダッシュパネル3と、ダッシュパネル3から前方に向けて延びるように設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4と、フロアパネル2の後側端部分から後方に向けて延びるように設けられた左右一対のリヤサイドフレーム5と、を備える。
なお、ダッシュパネル3は、フロアパネル2の前端部分から上方に向けて延びるように設けられている。
さらに、車体1は、フロアパネル2の左右両端部分に配設された左右一対のサイドシル6と、左右一対のサイドシル6の各前端部分から上方に向けて延びるように設けられた左右一対のヒンジピラー7と、左右一対のサイドシル6の各中間部分から上方に向けて延びるように設けられた左右一対のセンターピラー8と、左右一対のヒンジピラー7の各上端部分から斜め後ろに向けて延びるように設けられた左右一対のフロントピラー9と、左右一対のフロントピラー9の各後端部分から後方に向けて延びるように設けられた左右一対のルーフサイドレール10と、を備える。
なお、左右一対のルーフサイドレール10は、センターピラー8に対して、その上端部分であって後端部分にそれぞれ接合されている。
図1から図3に示すように、車体1のフロアパネル2は、下方からの平面視で略矩形状に構成されたトンネル部11を備える。トンネル部11は、車幅方向(Le−Ri方向)の中央部分において、前後方向(Fr−Re方向)に延び、車室1bに対して突出した状態で設けられている。
また、トンネル部11の左右両端部分には、それぞれが前後方向(Fr−Re方向)に延びる左右一対のトンネルフレーム部12が設けられている。左右一対のトンネルフレーム部12のそれぞれは、断面形状が略ハット状であり、フロアパネル2の下面と協働して前後方向(Fr−Re方向)に略並行した状態で延びる略矩形状の閉断面を構成している。
左右一対のサイドシル6のそれぞれと左右一対のトンネルフレーム部12のそれぞれとの各間の部分には、前後方向(Fr−Re方向)に延び、断面形状が略ハット状のフロアフレーム13がそれぞれ設けられている。フロアフレーム13のそれぞれは、車体1の後側(Re側)に行くに従って車体1の外側となるように配設されており、フロアパネル2の下面と協働して前後方向(Fr−Re方向)に略並行した状態で延びる略矩形状の閉断面を構成している。
それぞれのフロアフレーム13の前端部分は、フロントサイドフレーム4の後端部分に接合されている。
フロアパネル2は、車室1b内にトンネル部11を跨ぐ状態で左右方向(Le−Ri方向)に延びるように設けられたクロスメンバ14,15を備えている。クロスメンバ14,15のそれぞれは、断面形状が略ハット状に設けられている。そして、クロスメンバ14,15のそれぞれは、トンネル部11の側壁部分からサイドシル6の側壁部分に亘りフロアパネル2の上面と協働して左右方向(Le−Ri方向)に延びる略矩形状の閉断面を構成している。
クロスメンバ14は、ヒンジピラー7とセンターピラー8との中間部分に対応する位置に配設され、クロスメンバ14の前側壁部には、フロアフレーム13の前端側部分にフロアパネル2を挟んで接合された上側フレーム16の後端部分が接合されている。
クロスメンバ15は、クロスメンバ14と略並行する状態で配設されており、センターピラー8に対応する位置に配設されている。
車室1b内には、左右一対の前席シート(図示を省略。)が配設されている。各シートは、当該シートの強度および剛性を確保するためのシートフレーム(図示を省略。)をそれぞれ備え、左右一対のシートレール17に対して摺動できるようになっている。
図3に示すように、左右一対のシートレール17のうち、車幅方向の外側のシートレール17は、前端部分(前側シート取付部)がクロスメンバ14の車幅方向の外側部分に固定され、後端部分(後側シート取付部)がクロスメンバ15の車幅方向の外側部分に固定されている。
左右一対のシートレール17のうち、車幅方向の内側のシートレール17は、前端部分(前側シート取付部)がクロスメンバ14の車幅方向の内側部分に固定され、後端部分(後側シート取付部)がクロスメンバ15の車幅方向の内側部分に固定されている。
また、フロアパネル2の下側には、複数の補強部材21〜27が配設されている。
2.補強部材21〜27の構成と車体1の部材への取付構成
補強部材21〜27の構成と車体1の部材への取付構成について、図2および図4を用いて説明する。図4は、補強部材21(補強部材21〜27の一例)の構成を示す模式斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係る車体1では、複数の補強部材21〜27が左右対称の形態を以って配設されている。そして、補強部材21は、車体1の右側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材22は、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材23は、車体1の左側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材24は、補強部材23よりも車体1の前方側において、車体1の左側のサイドシル6とトンネルフレーム部12との間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材25は、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12同士の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。
補強部材26は、補強部材25よりも車体1の後方側において、トンネル部11を跨ぐ状態で左右のトンネルフレーム部12同士の間に架け渡され、それぞれに固定箇所Pで固定されている。補強部材27は、補強部材26の後端部分と、補強部材22および補強部材21の各一端とを繋ぎ、且つ、トンネルフレーム部12に対して固定箇所Pで固定されている。
図4に示すように、補強部材21は、一の方向に沿って延びるように設けられた長尺筒部21aと、長尺筒部21aの各端部に設けられた固定部21b,21cとを有する。各固定部21b,21cには、ボルトの挿通(矢印C,D)を許す孔21d,21eが設けられている。補強部材21の固定部21b,21cは、車体1の各部に対してボルトの締結を以って固定する場合の部分である。
なお、図4では、図示を省略しているが、補強部材22〜27についても、補強部材21と同様の構成を有する。ただし、車体1に対して用いる場所に応じて長尺筒部の長さは適宜設定されている。
ここで、本実施形態に係る補強部材21〜27では、長尺筒部21aが炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を用いて構成されている。具体的な構成については、後述するが、より具体的には、所謂、組物技術を用いて構成され、炭素繊維組物体と樹脂部とを有する炭素繊維強化樹脂を用いて構成されている。
本実施形態に係る補強部材21は、長尺筒部21aの長さがLである。そして、長尺筒部21aの端から長さLだけ離間した部分、即ち、長尺筒部21aの長手方向中央部とその周辺の領域(矢印Bで指し示す領域)が、低弾性率で高振動減衰性の部分である。
一方、補強部材21では、矢印Bで指し示す領域を除く領域(例えば、矢印Aで指し示す領域)が、高弾性率の部分であり、補強部材21に曲げ荷重がかかった際に高い剛性を確保するための部分である。
3.炭素繊維組物体210の構成
補強部材21〜27における炭素繊維組物体210の構成について、図5および図6を用いて説明する。図5は、図4のA部における、補強部材21〜27における長尺筒部21aの炭素繊維組物体210の構成を示す模式図であり、図6は、図4のB部における、補強部材21〜27における長尺筒部21aの炭素繊維組物体210の構成を示す模式図である。
先ず、図5に示すように、炭素繊維組物体210では、複数の中央糸211と複数の組糸212と複数の組糸213とが、互いに編み込まれた構成を有する。本実施形態に係る複数の組糸212および複数の組糸213の一方が、第1組糸に相当し、他方が、第2組糸に相当する。
図5に示すように、複数の中央糸211のそれぞれは、炭素繊維組物体210の軸芯Ax210と略並行するように配設されている。即ち、複数の中央糸211のそれぞれは、長尺筒部21aが延びる方向に対して略並行するように配設されている。隣り合う中央糸211同士は、互いに周方向に間隔を空けて配設されている。
一方、複数の組糸212のそれぞれは、軸芯Ax210に対して組角度θを以って周回するように配設されている。隣り合う組糸212同士についても、互い周方向に間隔を空けて配設されている。
複数の組糸213のそれぞれは、軸芯Ax210に対して組角度θを以って周回し、複数の組糸212に対して交差するように配設されている。隣り合う組糸213同士についても、互いに周方向に間隔を空けて配設されている。
組角度θは、例えば、15°以上45°以下の範囲内に設定されている。
次に、図6に示すように、長尺筒部21aの中程の領域Arにおいては、組糸212の組角度がθであり、組糸213の組角度もθである。即ち、本実施形態では、第1組角度および第2組角度の両方をθとしている。
組角度θは、例えば、60°以上90°未満の範囲内に設定されている。
ここで、図6に示すように、本実施形態に係る炭素繊維組物体210では、領域Arを、長尺筒部21aの長手方向中央Cを中心に幅Lとした。幅Lは、例えば、長尺筒部21aの長さLに対して0.001以上0.01以下の範囲内の比を以って規定されている。
4.炭素繊維組物体210の製造方法
上述したように、本実施形態に係る炭素繊維組物体210では、中央の領域Arにおける組角度が、他の領域(例えば、図4の矢印Aで指し示す領域)における組角度よりも大きいこととしているが、当該構成を有する炭素繊維組物体210の製造方法について、図7を用いて説明する。図7は、炭素繊維組物体210の製造に用いる製造装置の一部構成を示す模式斜視図である。
図7に示すように、炭素繊維組物体210に製造には、組物作成装置500を用いる。組物作成装置500は、複数のボビン501と、トラック502と、キャリヤ503と、を備える。複数のボビン501は、互いの相対的な位置関係を維持しながら周回しながら、炭素繊維(中央糸211、組糸212,213)を繰り出して行き、図示を省略しているマンドレルの外周に巻回して行く。
マンドレルと複数のボビン501などとは、相対速度V1で走査される。そして、本実施形態では、炭素繊維組物体210における領域Arに相当する部分の組糸212,213の巻回を行う期間だけ、操作速度V1を遅くする。あるいは、炭素繊維組物体210における領域Arに相当する部分の組糸212,213の巻回を行う期間だけ、複数のボビン501の公転速度および自転速度を大きくする。
5.長尺筒部21aの内径D,Dおよび外径D,D
長尺筒部21aの内径D,Dおよび外径D,Dについて、図8を用いて説明する。図8は、補強部材21の横断面を示す図であって、(a)は、図4のA部の横断面、(b)は、図4のB部の横断面をそれぞれ示す。
図8(a)に示すように、図4のA部においては、長尺筒部21aの内径がDであり、外径がDである。
一方、図8(b)に示すように、図4のB部(領域Ar)においては、長尺筒部21aの内径がDであり、外径がDである。本実施形態に係る長尺筒部21aでは、内径D,Dの関係および外径D,Dの関係は次の通りである。
>D ・・(数1)
=D ・・(数2)
上記の数1の関係は、組糸212,213の組角度θと組角度θとの関係に起因する。即ち、上述のように、θ>θの関係より、組糸212と組糸213との重なりが周方向に広くなり、これにより上記製造方法にてマンドレルを抜き去って焼成したときに、領域Arの内周面が径方向内側へと縮径されることで、上記の数1の関係を満たすこととなる。
6.領域Arの長さLの設定と組角度θの設定
領域Arの長さLの設定と組角度θの設定について、図9から図12を用いて説明する。図9は、補強部材21〜27における領域Arが高減衰部として効果を奏するための閾値ラインを示す特性グラフである。図10は、組角度θが15°の場合の特性グラフであって、(a)は、L/L=0.01の場合、(b)は、L/L=0.004の場合、(c)は、L/L=0.002の場合、(d)は、L/L=0.001の場合をそれぞれ示す。図11は、組角度θが30°の場合の特性グラフであって、(a)は、L/L=0.01の場合、(b)は、L/L=0.004の場合、(c)は、L/L=0.002の場合、(d)は、L/L=0.001の場合をそれぞれ示す。図12は、組角度θが45°の場合の特性グラフであって、L/L=0.001の場合を示す。
(1)閾値ラインの設定
図9に示すように、横軸に長尺筒部21aの剛性、縦軸に減衰性を表す特性図を規定する。但し、横軸と縦軸の絶対値は、テストピースの形状および材質によって異なる。
図9において実線で示すラインは、一様な組角度を以って組糸を巻回し、長尺筒部を形成した場合の特性ラインである。
本実施形態では、図9の破線で示すように、一様な組角度を以って組糸を巻回した場合に比べて、同じ剛性を維持しながら、減衰性を50%向上することができるラインを想定し、これを閾値ラインと規定した。本実施形態では、図9に示すグラフにおいて、閾値ラインよりも右上の領域となるように、領域Arの長さLの設定と組角度θの設定を行った。
なお、図9において、減衰性が0.00125で横軸に沿って延びる破線は、減衰率の下限値を示すラインである。
(2)θ=15°の場合
図10は、図4のA部における組糸212,213の組角度θが15°の場合の剛性と減衰率との関係を示したグラフである。
図10(a)に示すように、L/L=0.01の場合には、θ=60°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=60°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
図10(b)に示すように、L/L=0.004の場合には、θ=83.5°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=83.5°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
図10(c)に示すように、L/L=0.002の場合には、θ=85°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=85°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
図10(d)に示すように、L/L=0.001の場合には、θ=87°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=87°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
(3)θ=30°の場合
図11は、図4のA部における組糸212,213の組角度θが30°の場合の剛性と減衰率との関係を示したグラフである。
図11(a)に示すように、L/L=0.01の場合には、実測ラインが閾値ラインよりもグラフの右上となることはなく、減衰性を50%向上することができないことが分かる。
図11(b)に示すように、L/L=0.004の場合には、θ=89°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=89°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
図11(c)に示すように、L/L=0.002の場合にも、θ=89°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=89°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
図11(d)に示すように、L/L=0.001の場合に、θ=89°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=89°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
(4)θ=45°の場合
図12は、図4のA部における組糸212,213の組角度θが45°であって、L/L=0.001の場合の剛性と減衰率との関係を示したグラフである。なお、図12では特性グラフを省略しているが、図4のA部における組糸212,213の組角度θが45°の場合においては、L/L=0.01、L/L=0.004、L/L=0.002の場合には、実測ラインが閾値ラインよりもグラフの右上となることはなく、減衰性を50%向上することができないことを確認している。
図12に示すように、L/L=0.001の場合に、θ=89.9°の場合に、減衰率が下限値となっている。そして、θ=15°でθ=89.9°とすることにより、減衰性を50%向上することができることが分かる。
(5)まとめ
以上の結果を次表にまとめて示す。
表1において、“NG”と表しているのは、実測ラインが閾値ラインよりもグラフの右上となることはなく、減衰性を50%向上することができない箇所である。
表1に示すように、長尺筒部21aにおける剛性を高く維持しながら、振動減衰率を50%以上向上させるには、L/Lの比と、θおよびθと、の関係が関連していることが分かる。具体的には、L/Lの比が小さくなればなるほど、θがある程度大きい場合でも(表1では、45°)、減衰率を50%以上向上させることができるθを設定することができる。
また、θが小さいほど、θをある程度小さく設定しても(表1では、60°)、減衰率を50%以上向上させることができるθを設定することができる。
7.効果
本実施形態に係る補強部材21〜27の長尺筒部21aでは、炭素繊維からなる中央糸211および組糸212,213が編み込まれてなる炭素繊維組物体210を備えるので、高い剛性を確保することができる。即ち、本実施形態に係る長尺筒部21aでは、組糸212と組糸213が編み込まれ、その上で樹脂で強化されているので、高い剛性を確保することができる。
また、本実施形態に係る長尺筒部21aでは、長手方向の中央の領域Arにおける組糸212,213の組角度θを、他の領域(長尺筒部21aの端部であって、例えば、図4のA部)の組角度θに比べて大きくしているので、該領域Arにおける弾性率を低く、振動減衰性を高くすることができる。よって、組角度θを組角度θに比べて大きくした領域Arを、長尺筒部21aの長手方向中程に設けることで、曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、図9から図12および表1を用いて説明したように、組角度θを60°以上90°未満の範囲内とすることにより、領域Arにおける優れた振動減衰性能をより確実に得ることができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、図9から図12および表1を用いて説明したように、組角度θを、15°以上45°以下の範囲内とすることにより、長尺筒部21aの中央部分以外の領域での弾性率を高くすることができる。よって、本実施形態に係る長尺筒部21aでは、曲げ荷重がかかった場合に、中央部分以外の領域で高い剛性を確保することができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、長手方向における領域Arに長さLを、全長Lに対して0.001以上0.01以下の範囲内とすることで、曲げ荷重がかかった場合の高い剛性の確保と、優れた振動減衰性能の確保とを両立することができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、炭素繊維組物体210において、軸芯Ax210に沿って延びる中央糸211も編み込むことにより、長尺筒部21aにおけるさらに高い剛性を確保することができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、図8を用いて説明したように、外径Dと外径Dとを同径とすることにより、長尺筒部21aに曲げ荷重がかかった際に外周面の一部に応力集中が生じ難く、高い剛性を確保する上で優れる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、領域Arにおける組角度θを組角度θ1よりも大きくしているので、領域Arにおける組糸212,213の密度が他の領域(端部領域など)に比べて高くなり(重なった部分が密に形成され)、上記のように、内径Dが内径Dよりも小径となる。このため、外径Dと外径Dとを同径として外管品質を高め、且つ局所的な応力集中を回避しながら、領域Arにおいて、弾性率を低く、振動減衰性を高くすることができる。
本実施形態に係る長尺筒部21aでは、中央糸211および組糸212,213を、炭素繊維から構成することとしているので、高い曲げ剛性を確保するのに優れる。
以上のように、本実施形態に係る補強部材21〜27は、炭素繊維強化樹脂製部材である長尺筒部21aを備えることにより、組物技術を採用することにより曲げ荷重がかかった場合の高い剛性を得ることができるとともに、優れた振動減衰性能を得ることができる。
[変形例]
変形例に係る炭素繊維組物体310の構成について、図13を用いて説明する。図13は、変形例に係る補強部材における、長手方向中央の領域Ar1およびその周辺領域での炭素繊維組物体310の構成を示す模式図である。なお、本変形例に係る炭素繊維強化樹脂製部材においては、炭素繊維組物体310の構成を除き、上記実施形態と同じであるので、重ねての説明を省略する。
図13に示すように、本変形例に係る炭素繊維組物体310も、複数の中央糸311と、複数の組糸312,313とが編み込まれて構成されている。中央糸311は、上記実施形態に係る中央糸211と同様に、炭素繊維組物体310の軸芯Ax310に沿って直線状に延びるように配設されている。
組糸312,313は、長手方向中央の領域Arにおいて、軸芯Ax310に対して組角度θで周回するように巻回され、長手方向の端部の領域において、軸芯Ax310に対して組角度θで周回するように巻回されている。これらについては、図13では、図示を省略しているが、上記実施形態と同じである。
本変形例が上記実施形態と異なるのは、炭素繊維組物体310の長手方向において、領域Arの両脇部分に組糸312,313の組角度がθで周回するように巻回された領域Ar,Arが設けられている点にある。組角度θは、次の関係を満たすように設定されている。
θ>θ>θ ・・(数3)
本変形例に係る炭素繊維組物体310では、上記のような領域Ar,Arを設けることにより、炭素繊維組物体310の長手方向中央の領域Arと、長手方向端部の領域との間で組糸312,313の組角度が急激に変化するのを抑え、組角度の変化に伴う応力集中を抑制することができる。
なお、本変形例に係る炭素繊維組物体310を有する補強部材についても、炭素繊維組物体310の構成を除き上記実施形態に係る補強部材21〜27と同じ構成を備えているので、上記の効果をそのまま奏することができる。
[その他の変形例]
上記実施形態および上記変形例では、繊維強化樹脂製の部材の一例として、車体1の下面の補強に用いられる補強部材21〜27を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ストラットタワーバーとして採用することも可能である。
また、本発明では、ある部位を補強するための部材だけでなく、構造部材そのものとして、上記のような構成の部材を採用することでも、上記同様の効果を得ることができる。例えば、車体であれば、ルーフサイドレールやセンターピラー、さらにはフロントピラーなどに適用することも可能である。
また、上記構成の部材については、自動車等の車体に限らず種々の構造体(例えば、産業機器など)に適用することも可能である。
また、上記実施形態および上記変形例では、繊維強化樹脂製部材の一例として、中空円筒形状の長尺筒部21aを採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、中実の部材への適用も可能であるし、横断面形状についても、円形に限らず楕円形や長円形、さらには多角形断面などを採用することも可能である。
また、上記実施形態および上記変形例では、複数の中央糸211,311が長尺筒部の長手方向の全域に配設された構成を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、長手方向中央の領域Arにおいて、複数の中央糸の一部あるいは全部を省略することも可能である。これにより、中央の領域における剛性と振動減衰性とのバランスをとることが容易となる。
また、上記実施形態および上記変形例では、組糸212,312および組糸213,313の両方共が、長手方向中央の領域Arで組角度θが他の領域の組角度θよりも大きくなる構成を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、一方の組糸だけが長手方向中央の領域で他の領域よりも組角度が大きくなる構成を採用することもできる。
また、上記実施形態および上記変形例では、長手方向中央の領域Arで組糸212,312および組糸213,313の組角度θが他の領域の組角度θよりも大きくなる構成を採用したが、組糸の組角度を他の領域よりも大きくする所定領域については、該部材の長手方向中央に限定されるものではない。例えば、繊維強化樹脂製部材の長手方向中央から一方端側にオフセットした領域において、組糸の組角度を他の領域よりも大きくすることも可能である。また、組糸の組角度を大きくする所定領域は、繊維強化樹脂製部材の長手方向の1つの領域に限定されるものはなく、複数の領域とすることも可能である。
また、上記実施形態および上記変形例では、繊維強化樹脂の一例として炭素繊維強化樹脂を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)や、アラミド繊維強化樹脂(ArFRP)や、炭化ケイ素繊維強化樹脂(SiCFRP)や、非鉄金属などの金属繊維を用いた繊維強化樹脂などを採用することも可能である。
2 フロアパネル
21〜27 補強部材(繊維強化樹脂製部材)
210,310 炭素繊維組物体(繊維組物体)
211,311 中央糸
212,312 組糸(第1組糸)
213,313 組糸(第2組糸)

Claims (8)

  1. 繊維強化樹脂で構成され、一の方向に延びる部材であって、
    前記一の方向に対して交差する組角度を以って周回するように配設された第1組糸と、
    前記一の方向に対して交差する組角度を以って周回するように配設された第2組糸と、
    が互いに編み込まれてなる繊維組物体を備え、
    該部材の長手方向における両端部の間の所定領域において、前記第1組糸の前記組角度である第1組角度および前記第2組糸の前記組角度である第2組角度の少なくとも一方が他の領域の前記組角度よりも大きい、
    繊維強化樹脂製部材。
  2. 請求項1に記載の繊維強化樹脂製部材において、
    前記第1組角度および前記第2組角度は、60°以上90°未満である、
    繊維強化樹脂製部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の繊維強化樹脂製部材において、
    前記他の領域における前記第1組糸および前記第2組糸の前記組角度は、15°以上45°以下である、
    繊維強化樹脂製部材。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の繊維強化樹脂製部材において、
    該部材の長手方向において、前記部材の全長に対する前記所定領域の長さの比は、0.001以上0.01以下である、
    繊維強化樹脂製部材。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の繊維強化樹脂製部材において、
    前記繊維組物体では、前記第1組糸および前記第2組糸に加えて、前記一の方向に延びるように配設された中央糸も編み込まれている、
    繊維強化樹脂製部材。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の繊維強化樹脂製部材において、
    該部材の外径サイズは、前記長手方向の全域に亘り同径である、
    繊維強化樹脂製部材。
  7. 請求項1から請求項6の何れかに記載の繊維強化樹脂製部材において、
    該部材は、中空の筒状部材であって、
    該部材の内径サイズは、前記所定領域の方が前記他の領域よりも小径である、
    繊維強化樹脂製部材。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載の繊維強化樹脂製部材において、
    前記第1組糸および前記第2組糸は、炭素繊維から構成されている、
    繊維強化樹脂製部材。
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