(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「はずれ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「はずれ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「はずれ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(本実施の形態の特徴部61AKに関する説明)
次に、パチンコ遊技機1が備える特徴的部分である、特徴部61AKについて説明する。
(設定値)
特徴部61AKでは、パチンコ遊技機1に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値(例えば、設定値に応じて大当りの当選確率が異なる)が用意され、そのうちの1つが当該パチンコ遊技機1に設定される。ここでは、設定値として、「1」〜「6」が用意されている。
このような設定値を設定(変更)するための構成として、特徴部61AKでは、図8−1に示すように、錠スイッチ61AK001と、設定切替スイッチ61AK002と、表示モニタ61AK003と、が設けられている。これらは、主基板11と電気的に接続されている。
錠スイッチ61AK001は、パチンコ遊技機1の状態を、設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替える際に操作される。錠スイッチ61AK001は、遊技場(遊技店を含む)の店員等(以下、単に店員等ともいう。)が所持する設定キー(鍵)が挿入される鍵穴を備える。錠スイッチ61AK001は、鍵穴に挿入した設定キーを回転させることができる構造を有する。錠スイッチ61AK001は、設定キーを鍵穴に抜き差しできる状態でオフであり、店員等が設定キーを鍵穴に挿入して回転させることでオンとなる。従って、設定キーをオンの回転位置に回転させた場合、当該設定キーを再度オフの回転位置に戻さないと、当該設定キーを錠スイッチ61AK001から抜くことができない。錠スイッチ61AK001がオンに基づき、パチンコ遊技機1は、設定値変更状態に移行する。
設定切替スイッチ61AK002は、押しボタンなどから構成されており、設定値を変更する際に操作される。設定切替スイッチは、各設定値に対して異なる回転位置が設定されたロータリスイッチなどにより構成されてもよい。
表示モニタ61AK003は、例えば、8の字に配置された7つのセグメントにより数字を表示可能な液晶表示装置から構成されており、設定値などを表示する。
錠スイッチ61AK001と、設定切替スイッチ61AK002と、表示モニタ61AK003と、は、パチンコ遊技機1の背面側に、主基板11、クリアスイッチ(RAMクリアスイッチ)、電源スイッチなどとともに配置されている。パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機1が設置される遊技場の島(パチンコ遊技機1が取り付けられる構造物)に対して、左右いずれかの端部に設けられた上下方向に延びる軸を中心に回動可能(開放可能)となっている。当該回動により、パチンコ遊技機1の背面が視認可能となり、錠スイッチ61AK001、設定切替スイッチ61AK002、表示モニタ61AK003、クリアスイッチなどが視認可能(スイッチに関しては操作可能)となる。パチンコ遊技機1を回動させるには、店員等が所持するキー(前記の設定キーと同じであってもよいし、当該設定キーとは別であってもよい)が必要である。従って、パチンコ遊技機1を回動させること、換言すると、前記錠スイッチ61AK001などを視認したり操作したりすることができる者は、通常、遊技者ではなく、店員等である。
例えば、錠スイッチ61AK001をオンにした状態(設定キーを鍵穴に挿入し、回転させた状態)で、クリアスイッチを押しながら電源スイッチをオンして電源を投入した場合、パチンコ遊技機1は、設定値を変更可能な設定値変更状態に移行する。パチンコ遊技機1は、設定値変更状態に移行すると、表示モニタ61AK003に現在設定されている設定値を表示する。店員等は、当該設定値を変更するために、設定切替スイッチ61AK002を操作する。設定切替スイッチ61AK002が操作されるたび、表示モニタ61AK003が表示する設定値は変更される。具体的に、設定切替スイッチ61AK002が操作されるたびに、「1」→「2」→・・・「5」→「6」→「1」→「2」→・・・と、設定値が順次増加し、「6」の次は「1」に変更される。なお、設定切替スイッチ61AK002が、ロータリスイッチなどである場合には、操作により指定された設定値が表示される。店員等は、表示モニタ61AK003に表示されている設定値が所望の値になったときに、錠スイッチ61AK001をオフする(設定キーをオフに回す)。これにより、そのときに表示モニタ61AK003に表示されていた設定値が新たにパチンコ遊技機1に設定される(設定値が変更される)。設定値の設定後、パチンコ遊技機1は、通常の動作のための処理(初期設定等)を開始し、その後、通常の動作状態(遊技が可能な状態)に移行する。
上記設定値の変更を実現するための処理は、主基板11にて行われる。例えば、主基板11のCPU103は、図3に示す遊技制御メイン処理において、電源投入時、クリアスイッチからオンの出力信号が出力されている場合(ステップS3;Yes)に、錠スイッチ61AK001がオン状態であるかを判定し、オン状態であるとき(錠スイッチ61AK001からオンの出力信号が出力されている場合)に、設定値変更処理を実行する。設定値変更処理は、図3に示す遊技制御メイン処理の初期化処理(ステップS8)の前に実行される。設定値変更処理の実行により、設定値変更状態が実現される。
設定値変更処理では、CPU103は、まず、現在設定されている設定値を表示モニタ61AK003に表示する。現在設定されている設定値は、RAM102の第1所定領域に格納されているものとする。当該第1所定領域は、パチンコ遊技機1の電源がオフとなっても記憶内容が保持されるバックアップRAMの領域である。その後、店員等により設定切替スイッチ61AK002が操作されるたび(設定切替スイッチ61AK002からオンの出力信号が供給されるたび)に、CPU103は、表示モニタ61AK003を制御して、表示モニタ61AK003が表示している設定値を変更していく。当該表示モニタ61AK003に表示中の設定値は、仮の設定値として、RAM102の第2所定領域に格納される。
設定値変更処理の実行中において、錠スイッチ61AK001がオフされたとき、例えば、錠スイッチ61AK001からのオンの出力信号の供給が停止したとき、又は、錠スイッチ61AK001からオフの出力信号の供給があったとき、CPU103は、前記第2所定領域に格納されている設定値を新たに設定される設定値として、前記第1所定領域に格納する(すでに第1所定領域に格納されている設定値に上書きされる)。このようにして、店員等による設定変更操作(設定切替スイッチ61AK002への操作等)に基づいて、新たな設定値がパチンコ遊技機1に設定される(設定値が変更される)。設定値変更処理のあとは、図3に示す遊技制御メイン処理の初期化処理(ステップS8)が実行される。この初期化処理(ステップS8)では、上記設定値についてはクリアされない(ステップS4又はS5でNoと判定されたあとのステップS8も同様。なお、このときには、設定値が後述の初期値にクリアされてもよい)。
前記初期化処理のあとに設定値変更処理を実行してもよく(ステップS4又はS5でNoの場合などには設定値変更処理を実行しない)、その場合には、RAM102の第1所定領域に格納された設定値を、当該初期化処理にて、初期値(例えば、「1」)にクリアしてもよい(この場合には第1所定領域は、バックアップRAMの記憶領域でなくてもよい)。この場合、当該クリアにより、初期値が新たな設定値として設定されことになり(設定値が初期値に変更されたことになり)、設定値変更処理の最初では、表示モニタ61AK003に初期値が現在の設定値として表示される。
また、電源投入時に限らず、任意のタイミングで、錠スイッチ61AK001がオンになったことに基づいて、設定値変更状態に移行してもよい。また、錠スイッチ61AK001を設けず、設定切替スイッチ61AK002への操作がなされるたびに、順次設定値が変更されてもよい。設定切替スイッチ61AK002などは、パチンコ遊技機1の前面側に設けられてもよい。
特徴部61AKでは、設定されている設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる。具体的に、図5の特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理(ステップS110)において決定される、「大当り」または「小当り」とするか否かの決定割合のうち、「大当り」と決定する決定割合である「大当り」の当選確率が、設定値に応じて異なる。この点を、図8−2に示す表示結果判定テーブルを参照して説明する。
表示結果判定テーブルは、「大当り」または「小当り」とするか否かの決定(表示結果の決定)でCPU103により参照される。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、前記表示結果の決定の際に表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値が可変表示の表示結果に割り当てられているテーブルである。図8−2(A)は、第1特図ゲームの実行時に参照される表示結果判定テーブルの例を示す。図8−2(B)は、第2特図ゲームの実行時に参照される表示結果判定テーブルの例を示す。各テーブルでは、当り判定値が、遊技状態(確変状態であるか否か)や設定値に応じて、異なる範囲で、可変表示の表示結果に割り当てられている。例えば、第1特図ゲーム実行時において、遊技状態が通常状態または時短状態(つまり、非確変状態)である場合、設定値が1であれば、当り判定値0〜65535(乱数値MR1の数値範囲と同じ範囲)のうち、1020〜1237が「大当り」に割り当てられ、32767〜33094が「小当り」に割り当てられ、その他の数値が「はずれ」に割り当てられたテーブルが参照される(図8−2(A))。なお、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームで、同じテーブルが参照されてもよい(つまり、各表示結果に割り当てられている当り判定値の範囲は第1特図ゲームと第2特図ゲームとで同じであってもよい)。
上記「大当り」または「小当り」とするか否かの決定では、表示結果判定テーブルにおいて、当該決定時に抽出された乱数値MR1に遊技状態や設定値に応じて合致する当り判定値に割り当てられている表示結果(決定結果)、つまり、大当り、小当り、ハズレのいずれかが、その後に実行される可変表示の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として決定される。
図8−2に示すように、「大当り」に割り当てられた当り判定値の数値範囲は、同じ特図ゲーム及び遊技状態において、設定値が大きいほど広い。具体的に、当該数値範囲は、連続した数値の範囲であって、下限値が共通で上限値が設定値が増えるほど、大きな値となっている範囲となっている。つまり、設定値1〜6のうち6が最も大当りの当選確率(出玉率)が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど当該当選確率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
なお、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームの両者において、「大当り」に割り当てられた当り判定値の範囲は、遊技状態が通常状態又は時短状態(非確変状態)のときよりも確変状態のときの方が広い。つまり、確変状態の方が、大当りの当選確率が高い。また、各設定値に応じて、通常状態や時短状態(非確変状態)における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(例えば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)。当該倍率は、設定値によらず一定であってもよい(例えば、5倍で一定)。
また、第2特図ゲームの方が、第1特図ゲームよりも、「小当り」に割り当てられた当り判定値の範囲が広い(つまり、小当りの当選確率が高い)。特図表示結果を「小当り」と決定する割合は、図8−2では各特図ゲームで一定だが、設定値に応じて異ならせてもよい。図8−2では共通であるが、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで、「大当り」に割り当てられた当り判定値の範囲を異ならせてもよい。
なお、図8−2に示すように、設定値「6」において「大当り」に割り当てられた当り判定値の数値範囲(設定値「1」〜「6」のうち、最も広い数値範囲であって、設定値「1」〜「5」における各数値範囲を包含する数値範囲)が、「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲と重複しない数値範囲となっている(特に、同じ特図ゲームかつ遊技状態のとき)。これにより、例えば、パチンコ遊技機1の設計段階などにおいて、「大当り」に割り当てられた当り判定値の数値範囲のうち、設定値「1」〜「5」の当り判定値の数値範囲を、「小当り」に割り当てられた当り判定値の数値範囲を変更せずに調整できる。
上記大当りの当選確率を設定値に応じて異ならせる構成に加えて又は代えて、図5の特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理(ステップS110)において決定される大当り種別の決定割合を、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、大当り種別として、大当りA〜Cを用意する。
大当りAは、大当り遊技状態のラウンド数(大入賞口を開放回数)が5回で、大当り遊技状態後、確変状態に制御されないが時短状態に制御される(低確高ベースに制御される)大当り種別である。時短状態は、可変表示が100回実行されるまで継続する(ただし、次の大当りが発生した場合は、その時点で終了する)。
大当りBは、大当り遊技状態のラウンド数が10回で、大当り遊技状態後、確変状態及び時短状態に制御される(高確高ベースに制御される)大当り種別である。確変状態及び時短状態は、次回の大当りまで継続する。
大当りCは、大当り遊技状態のラウンド数が15回で、大当り遊技状態後、確変状態及び時短状態に制御される(高確高ベースに制御される)大当り種別である。確変状態及び時短状態は、次回の大当りまで継続する。
大当り種別の決定では、例えば、図8−3に示す大当り種別判定テーブルが参照される。当該テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、大当り種別の決定の際に大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される種別判定値が大当り種別に割り当てられているテーブルである。図8−3(A)は、第1特図ゲームを実行するとき(第1特図ゲームの表示結果が「大当り」となるとき)に参照される大当り種別判定テーブルであり、図8−3(B)は、第2特図ゲームを実行するとき(第2特図ゲームの表示結果が「大当り」となるとき)に参照される大当り種別判定テーブルである。大当り種別の決定では、大当り種別判定テーブルにおいて、当該決定時に抽出された乱数値MR2に合致する種別判定値に割り当てられている大当り種別(決定結果)が、その後に実行される可変表示の大当りの大当り種別として決定される。
図8−3に示すように、第1特図ゲーム、第2特図ゲームのいずれについても、大当りAを決定する割合が同一(種別判定値が0〜99で共通)である一方で、大当りBと大当りCのうち、大当りCを決定する割合が設定値6、5、4、3、2、1の順に低くなる。これにより、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合が最も出玉率が高く、設定値が5、4,3、2、1の順に小さくなるほど出玉率が低くなっている(大当りCの方がラウンド回数が多いため)。なお、第2特図ゲームを実行するときの大当り種別の決定では、設定値が6である場合に大当り種別を大当りBに決定しない。つまり、設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)ことを含む。
特徴部61AKでは、設定値に応じて、大当り確率や大当り種別の決定割合(総称すると出玉率)が異なっているので、遊技興趣を向上している。
(設定値の演出制御基板12への通知)
上記のようにして、新たな設定値が設定されたとき、つまり、設定値が変更されたときには、主基板11から演出制御基板12に、新たに設定された設定値(変更後の設定値)を通知する。
例えば、主基板11(CPU103)は、上記の演出制御コマンドとして、設定中の設定値(特に、変更があった場合の変更後の設定値)を指定する設定値指定コマンドを演出制御基板12(演出制御用CPU120)に送信することで、新たに設定された設定値を通知する。演出制御用CPU120は、設定値指定コマンドを受信すると、当該コマンドが指定する設定値のデータを現在設定されている設定値としてRAM122に保持する。このようにすることで、主基板11と演出制御基板12とで、現在の設定値として、同じ値を共有することができる。
設定値指定コマンドは、電源投入時の設定値変更処理(設定値の変更時)に送信される。ここで、演出制御基板12のRAM122の記憶内容がパチンコ遊技機1の電源オフにより失われる場合、電源投入後、何らかの通知がない限り演出制御基板12は設定値を認識できない。そこで、設定値指定コマンドは、電源投入時において、設定値変更処理の実行の有無によらず、送信されてもよい。設定値が電源投入時以外でも変更可能なとき、設定値指定コマンドは、設定値変更後の任意のタイミングで送信されるとよい。さらに、設定値指定コマンドは、電源投入時に限らず、定期的に演出制御基板12に送信されてもよい。例えば、図4の遊技制御用タイマ割込み処理を実行するたびに、CPU103が、RAM102の第1所定領域に格納された設定値を読み出し、当該読み出した設定値を指定する設定値指定コマンドを演出制御基板12に送信してもよい。
(変動パターン)
特徴部61AKでは、図8−4に示すように、可変表示結果が「非リーチはずれ」の変動パターンPA1−1〜PA1−4が用意されている。また、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、又は、スーパーリーチβの実行を指定する、可変表示結果が「リーチはずれ」の変動パターンPA2−1〜PA2−3及び可変表示結果が「大当り」の変動パターンPB1−1〜PB1−3が用意されている。また、可変表示結果が「小当り」の変動パターンPC1−1が用意されている。
変動パターンPA1−2〜PA1−3は、合計保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計)が1つのときには決定(選択)されず、複数のときに決定(選択)され得る。変動パターンPA1−4は、時短制御でない非時短制御のとき(通常状態のとき)には、決定(選択)されず、時短制御のとき(時短状態又は確変状態のとき)に決定(選択)され得る。変動パターンPA1−2〜PA1−4は、可変表示の実行時間(特図変動時間)が変動パターンPA1−1よりも短く設定されており(以下、これらを短縮の変動パターンともいう)、これにより、合計保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数のうち、実行される方の特図ゲームの保留記憶数であってもよい。以下、合計保留記憶数について同じ)が複数のときや、時短制御のときの特図変動時間の平均が、合計保留記憶数が1つのときかつ非時短制御のとき(通常状態のとき)よりも、短くなっている。なお、短縮の変動パターンは、合計保留記憶数が多くなるほど(第1保留記憶数又は第2保留記憶数が多くなるほど)選択(決定)されやすくしてもよい。なお、「小当り」の変動パターンPC1−1の特図変動時間も比較的短くなっている(「小当り」のときは、リーチとならない)。
ノーマルリーチ、スーパーリーチα、又は、スーパーリーチβの変動パターンは、各リーチ演出を実行できるよう、比較的長い特図変動時間が設定されている。ここでは、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されており、特図変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
(特徴部61AKで実行される主な演出)
(セリフ予告)
特徴部61AKでは、可変表示に関連して実行され、可変表示結果が「大当り」となることを示唆する、ないし、可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度を予告する予告演出の一種として、セリフ予告が実行される。セリフ予告の演出画面例を図8−5に示す。
図8−5(A)は、セリフ予告実行前の演出画面である。図8−5(A)では、画面中央の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれで、飾り図柄が変動(ここでは、スクロール表示)しており(下向き矢印で当該変動を表している)している。また、可変表示対応表示として、保留表示H(例えば、通常状態では、保留中の第1特図ゲームを示し、時短状態では、保留中の第2特図ゲームを示す表示など)が表示されている。さらに、画面の隅(右下隅)の表示領域61AK101において、飾り図柄を縮小させた小図柄が、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに対応する「左」、「中」、「右」(飾り図柄の可変表示と同じ数である3つの領域それぞれ)において可変表示される。小図柄の可変表示は、飾り図柄の可変表示と同期して実行される(例えば、「左」、「中」、「右」での図柄の停止タイミングなどが同期している)。小図柄の可変表示は、飾り図柄の可変表示と並行して実行される。セリフ予告は、「左」、「中」、「右」それぞれで、飾り図柄及び小図柄が変動しているときに実行される。
セリフ予告では、まず、第1キャラ61AK102が登場して(画像表示装置5に表示され)、「チャンスかな?」とのセリフをしゃべる(図8−5(B))。なお、セリフをしゃべるとは、当該セリフが画像表示装置5に吹き出しで表示されるとともに音声出力(スピーカ8L、8Rからの出力。以下、音声出力について同じ)されることを含み、セリフの表示は、セリフの音声出力期間よりも長く、セリフの音声出力後、所定期間継続される(以下、セリフについて同じ)。
その後、第2キャラ61AK103が登場して(第1キャラ61AK102のセリフは消去される)、セリフ予告の種類に応じたセリフをしゃべる(図8−5(C))。ここでは、セリフ予告として、セリフ予告A〜Cが用意されており、セリフ予告Aのセリフは例えば「チャンスかも」であり、セリフ予告Bのセリフは例えば「チャンスだ!」であり、セリフ予告Cのセリフは例えば「激熱だ!!」(図8−5(C))である。なお、大当り期待度は、セリフ予告C>セリフ予告B>セリフ予告Aの順に高い。
その後、第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103、及び、第2キャラ61AK103のセリフが消去され、セリフ予告は終了する。
セリフ予告で表示される、第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103、及び、各キャラのセリフ(吹き出し)は、例えば上下に揺れるなどのループ動作を行う。
なお、セリフ予告のうち、第1キャラ61AK102が登場してから(セリフ予告の開始から)、第2キャラ61AK103が登場するまでの演出(第1キャラ61AK102の表示→セリフの表示及び音声出力→セリフの消去の演出)を第1セリフ演出ともいう。第2キャラ61AK103が登場してから、セリフ予告が終了するまでの演出(第2キャラ61AK103の表示→セリフの表示及び音声出力→第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103などの消去)を第2セリフ演出ともいう。
(設定示唆演出)
特徴部61AKでは、上記セリフ予告の加え、設定値の設定に関連した設定示唆演出も実行される。設定示唆演出は、ここでは、現在設定されている設定値を示唆する。設定示唆演出の演出画面例を図8−6に示す。
図8−6(A)は、設定示唆演出実行前の演出画面である。設定示唆演出は、セリフ予告と同様に、「左」、「中」、「右」それぞれで、飾り図柄及び小図柄が変動しているときに実行される。
設定示唆演出では、まず、当該設定示唆演出の種類に応じて異なるミニキャラ61AK105が登場して(画像表示装置5に表示され)、登場したミニキャラ61AK105に応じたセリフをしゃべる(表示及び音声出力される)(図8−6(B))。
ここでは、設定示唆演出として、設定示唆演出A〜Dが用意されている。
設定示唆演出Aでは、ミニキャラ61AK105としてミニキャラAが登場し、当該ミニキャラAが「低いかも」とのセリフをしゃべる。設定示唆演出Aは、現在の設定値が低いことを示唆する。
設定示唆演出Bでは、ミニキャラ61AK105としてミニキャラBが登場し、当該ミニキャラBが「高いかも」とのセリフをしゃべる。設定示唆演出Bは、現在の設定値が高いことを示唆する。
設定示唆演出Cでは、ミニキャラ61AK105としてミニキャラCが登場し、当該ミニキャラCが「4以上だね」とのセリフをしゃべる。設定示唆演出Cは、現在の設定値が4以上であることを示唆しており、当該設定示唆演出Cの実行により現在の設定値が4以上で確定であることを示す。
設定示唆演出Dでは、ミニキャラ61AK105としてミニキャラDが登場し、当該ミニキャラDが「6だね」とのセリフをしゃべる(図8−6(B))。設定示唆演出Dは、現在の設定値が6であることを示唆しており、当該設定示唆演出Dの実行により現在の設定値が6以上で確定であることを示す。
設定示唆演出で表示されるミニキャラ61AK105は、設定示唆演出A〜Dで共通のキャラであってもよい(セリフにより設定示唆演出を種類分けしてもよい)。また、セリフはなくてもよく、ミニキャラの種類のみで設定値を示唆してもよい。
(セリフ予告及び設定示唆演出の実行について)
セリフ予告と設定示唆演出とは、後述のように別々にその実行の有無が決定されるので、セリフ予告と設定示唆演出とが1回の可変表示にて実行されることもある。セリフ予告と設定示唆演出とは、上述のように、「左」、「中」、「右」それぞれで、飾り図柄及び小図柄が変動しているときに実行され、両者が実行される場合には、その実行期間が重複する。特徴部61AKでは、セリフ予告と設定示唆演出との両者が実行される場合、セリフ予告が、設定示唆演出が実行されないときとは異なる態様で実行される。以下、この点を図8−7を参照して説明する。
設定示唆演出は、セリフ予告における第1セリフ演出の実行中(図8−7(A))に実行される。具体的に、設定示唆演出は、セリフ予告の第1セリフ演出のセリフの音声出力が終了したあと、セリフの表示が継続しているときに実行される。このときは、まず、ミニキャラ61AK105(設定示唆演出の種類に応じたキャラ)が登場し(表示され)、「モヤ(靄)」を表すモヤ画像が画像表示装置5全体に表示されるとともにセリフ予告及び変動している飾り図柄がフリーズ(一時停止)し(図8−7(B))、その後、ミニキャラ61AK105がセリフをしゃべる(図8−7(C))。
モヤ画像は、セリフ予告や飾り図柄に「モヤ」がかかったような視覚効果を与える半透明の画像(図8−7(B)及び(C)では、ハッチングで表現されている)である。ここで、特徴部61AKでは、演出画像は、所定の順序で重ねられた、それぞれが画像を表示する複数のレイヤーにより構成されている(図8−8)。複数のレイヤーは、後側(遊技者側とは反対側であって、表示の優先度が低い側)から前側(遊技者側であって、表示の優先度が高い側)に向かって順に配置された、背景画像や保留表示を表示する第1レイヤー(画像の非表示時は透明であり、画像表示時であっても画像(特に言及がない限り非透明)が表示されていない領域は透明である。以下、レイヤーについて同じ)、飾り図柄を表示する第2レイヤー、セリフ予告の画像を表示する第3レイヤー、モヤ画像を表示する第4レイヤー、設定示唆演出の画像を表示する第5レイヤー、小図柄(表示領域61AK101)を表示する第6レイヤーを含む(図8−8)。このようなレイヤーの順序により、モヤ画像は、背景画像、保留表示、飾り図柄、セリフ予告の画像よりも前面側(遊技者側)に配置され、これら各画像に重ねられて表示されている(各画像を覆っている)。このようなモヤ画像により、背景画像、保留表示、飾り図柄、セリフ予告の画像(第1キャラ61AK102及びセリフ)にモヤがかかったような視覚効果(視認性を低下させる視覚効果)が得られる。なお、設定示唆演出の画像や小図柄は、モヤ画像よりも前面側に配置され、これらには、モヤがかかっていない(図8−7(B)及び(C))。従って、設定示唆演出の画像(ミニキャラ61AK105やセリフ)や小図柄については、モヤ画像が表示されても、視認性が低下しない。
設定示唆演出の実行に伴って行われる上記フリーズでは、セリフ予告が、第1キャラ61AK102がセリフとともに表示された状態でフリーズする。具体的には、第1キャラ61AK102及びセリフのループ動作(上下の揺れなど)が一時停止する。
さらに、上記フリーズにより、変動中の飾り図柄も一時停止するが、一時停止した飾り図柄は、確定飾り図柄と誤認されないように、確定飾り図柄のように左右方向に一列に表示されるのではなく、上下方向においてずらして表示される。なお、フリーズがあっても、小図柄の変動は一時停止しない。これにより、フリーズ中でも可変表示が継続していることを遊技者は容易に認識できる。
その後、設定示唆演出の終了(ミニキャラ61AK105やセリフの消去)と同時に、フリーズしているセリフ予告及び飾り図柄の変動が再開し、第2セリフ演出が実行される(図8−7(D))。
設定示唆演出の画像は、セリフ予告の画像(第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103、それぞれのセリフ(吹き出しを含む))が表示される第1表示領域に比べて小さく、かつ、第1表示領域とは重複しない第2表示領域にて表示される。
(セリフ予告及び設定示唆演出の実行タイミングなど)
セリフ予告及び設定示唆演出の実行タイミング(開始タイミング、終了タイミング、実行期間など)を、図8−9を参照しながら説明する。図8−9(A)に示すように、セリフ予告では、第1セリフ演出の実行後に第2セリフ演出が実行される。図8−9(B)に示すように、設定示唆演出では、ミニキャラ61AK105が登場したあと、一定時間経過後にセリフが表示される(音声も出力される)。第1セリフ演出の実行後に第2セリフ演出が実行される。
セリフ予告及び設定示唆演出は、上述のように、「左」、「中」、「右」それぞれで、飾り図柄及び小図柄が変動しているとき(つまり、可変表示の開始から、飾り図柄のいずれかが停止する前まで)に実行される。これら2つの演出の実行タイミングは、変動パターンとの関係で予め決まっている。同じ変動パターンであれば、セリフ予告及び設定示唆演出が実行される場合(図8−9(C))の実行タイミングは、セリフ予告及び設定示唆演出がそれぞれ単独で実行される場合(図8−9(A)及び(B))と同じである。
設定示唆演出は、セリフ演出とともに実行される場合、第1セリフ演出の実行中に実行される(実行態様は、セリフ予告が実行されていないときと同じである)。モヤ画像の表示や、セリフ予告及び飾り図柄のフリーズは、設定示唆演出においてミニキャラ登場後、セリフが表示されるまでの前記一定期間中に開始される。なお、同タイミングで、モヤ画像の表示及びフリーズを開始する他、いずれか一方を先に開始してもよい。
設定示唆演出の実行に伴ってセリフ予告の上記フリーズが生じても、セリフ予告の終了タイミングは変化しない。具体的に、フリーズがあっても、第1セリフ演出の終了タイミングは変化しない(フリーズ分、第1セリフ演出の演出画像(第1キャラ61AK102など)の動作が短くなるが、第1セリフ演出の演出画像を、動作しないかループ動作する態様とすることで、フリーズが生じた際の終了タイミングにおける演出の違和感などを軽減できる)。前記フリーズは、第1セリフ演出におけるセリフの音声出力が終了したあとに発生し、一時停止されるのは第1キャラ61AK102などの表示のみとするとよい。これにより、演出をスムーズに実行、一時停止できる。
設定示唆演出の実行に伴って飾り図柄の可変表示の上記フリーズが生じても、可変表示における飾り図柄、小図柄の停止開始タイミング(「左」の図柄の停止タイミング)、可変表示の終了タイミング(可変表示結果の導出タイミング)も変化しない。
上記フリーズにより飾り図柄が一時停止されても、小図柄の変動は一時停止しない。これにより、フリーズ中でも可変表示が継続していることを遊技者は容易に認識できる。
設定示唆演出の終了に同期して、モヤ画像は消去され、フリーズも解除される(セリフ予告や飾り図柄の変動が再開する)。フリーズ解除後、一定期間が経過すると、第1セリフ演出が終了し(設定示唆演出が実行されない場合と同じタイミングで終了し)、第2セリフ演出が開始される。
(特徴部55AKで実行される処理)
以下、特徴部55AKで実行される処理(上記各演出の実行を実現するための処理)を説明する。なお、以下の処理で行われる各種決定は、例えば抽選により決定される。抽選による決定は、ランダムな決定であればよく、例えば、「大当り」または「小当り」とするか否かの決定や、大当り種別の決定(これらも抽選による決定である)などと同様に、各種の演出用乱数(複数種類のいずれかの乱数)に基づき、ROM121に格納されているテーブル(乱数値と比較される判定値が決定結果に割り当てられているテーブル)を参照して行う。
(可変表示開始設定処理(ステップS171))
特徴部61AKで実行される可変表示開始設定処理(ステップS171)の一例を図8−4に示す。当該処理において、演出制御用CPU120は、まず、今回実行される飾り図柄の可変表示の変動パターン(以下、今回の変動パターンともいう。)が、短縮の変動パターンPA1−2〜PA1−4、小当り用の変動パターンPC1−1のいずれであるかを判定する(ステップ61AKS001)。今回の変動パターンは、特図ゲームの開始時に主基板11から送信されてくる演出制御コマンドのうちの変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)により特定される。
今回の変動パターンが、前記変動パターンPA1−2〜PA1−4、PC1−1のいずれでもなければ(ステップ61AKS001;NO)、特図変動時間がある程度長く、セリフ予告や設定示唆演出を実行する期間を確保できるので、これら演出の実行の有無などを決定する。具体的に、演出制御用CPU120は、まず、今回実行される可変表示の可変表示結果(以下、今回の可変表示結果ともいう。)が「はずれ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で、セリフ予告の実行の有無などを決定する(ステップ61AKS002)。今回の可変表示結果は、特図ゲームの開始時に主基板11から送信されてくる演出制御コマンドのうちの表示結果指定コマンド(可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるか、「大当り」の場合の大当り種別など)を指定するコマンド)により特定される。
セリフ予告の実行の有無などの決定例を図8−11に示す。図8−11に示すように、今回の可変表示結果が「はずれ」のときは、セリフ予告を実行しない>セリフ予告Aを実行する>セリフ予告Bを実行する>セリフ予告Cを実行する、の順で決定割合が高い。一方、大当りのときの決定割合の順序は、「はずれ」のときと逆になっている。従って、セリフ予告C(「激熱だ!!」)の大当り期待度が最も高く、セリフ予告B(「チャンスだ!」)の大当り期待度が次に高く、セリフ予告A(「チャンスかも」)の大当り期待度が次に高く、セリフ予告が実行されないときが最も大当り期待度が低い。
ステップ61AKS002のあと、演出制御用CPU120は、設定示唆演出の実行の有無を決定する(ステップ61AKS003)。当該決定例を図8−12に示す。図8−12に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果等によらず一定割合で、設定示唆演出を実行する/実行しないと決定する。ここでは、1/100の割合で、設定示唆演出が実行される。
ステップ61AKS003のあと、演出制御用CPU120は、設定示唆演出を実行すると決定したかを判定し(ステップ61AKS004)、実行する場合(ステップ61AKS004;YES)、今回実行する設定示唆演出の種類を決定する(ステップ61AKS005)。当該種類の決定割合は、現在設定されている設定値に応じて異なる。設定値は、上述のように、主基板11から伝送される設定値指定コマンドに基づき特定され、RAM122の所定領域に格納されており、今回の決定のときに参照される。
設定示唆演出の種類の決定例を図8−13に示す。図8−13に示すように、設定値「1」〜「6」全てのときにおいて、設定示唆演出A及びBを今回実行する設定示唆演出の種類として決定可能である。設定示唆演出A(ミニキャラA+「低いかも」のセリフ)は、設定値の値が低いほど(「1」に近いほど)、今回実行する設定示唆演出の種類として決定されやすい。従って、設定示唆演出Aが実行される場合は、設定値が低い可能性が高く、当該設定示唆演出Aは、現在設定されている設定値が低いことを示唆する。設定示唆演出B(ミニキャラB+「高いかも」のセリフ)は、設定値の値が高いほど(「6」に近いほど)、今回実行する設定示唆演出の種類として決定されやすい。従って、設定示唆演出Bが実行される場合は、設定値が高い可能性が高く、当該設定示唆演出Bは、現在設定されている設定値が高いことを示唆する。
設定示唆演出C(ミニキャラC+「4以上だね」のセリフ)は、設定値の値が「4」以上のときに今回実行する設定示唆演出の種類として決定される。従って、設定示唆演出Cが実行される場合は、設定値が「4」以上で確定し、当該設定示唆演出Cは、現在設定されている設定値が「4」以上であることを示唆する。また、設定示唆演出Cは、設定値が「4」に近いほど、決定割合が高い(設定値「4」のときの35%、設定値「5」のときの30%、設定値「6」のときの25%)。従って、設定示唆演出Cが実行されたときには、設定値は「4」である可能性が最も高く、次に「5」である可能性が高く、「6」である可能性が最も低い。
設定示唆演出D(ミニキャラD+「6だね」のセリフ)は、設定値の値が「6」のときにのみ、今回実行する設定示唆演出の種類として決定される。従って、設定示唆演出Dが実行される場合は、設定値が「6」で確定し、当該設定示唆演出Dは、現在設定されている設定値が6であることを示唆する。
ステップ61AKS005のあと、演出制御用CPU120は、今回、セリフ予告と設定示唆演出との両者を実行すると決定したかを判定し(ステップ61AKS006)、両者を実行すると決定している場合(ステップ61AKS006;YES)、上記のモヤ画像の表示及びセリフ予告や飾り図柄の変動のフリーズを実行することを決定する(ステップ61AKS007)。
ステップステップ61AKS007のあと、ステップステップ61AKS001、S004、S006で「NO」と判定された場合、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン及び表示結果に基づいてリーチ演出等の他の演出の実行の決定、飾り図柄の確定飾り図柄の決定などを行う(ステップ61AKS008)。
その後、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示の実行指示及び上記で決定した内容の演出の実行の指示を表示制御部123に指示する(ステップ61AKS008)。
具体的に、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンや今回の表示結果に応じた飾り図柄の可変表示の開始を表示制御部123に指示する。表示制御部123は、当該指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始する。
演出制御用CPU120は、セリフ予告又は設定示唆演出を実行すると決定している場合、当該セリフ予告又は設定示唆演出を、今回の変動パターンとの関係で予め定められたタイミングで実行するよう表示制御部123に指示する。このような指示を受けた表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の開始後の所定タイミングから、セリフ予告又は設定示唆演出を実行開始する。演出制御用CPU120は、セリフ予告及び設定示唆演出の両者を実行すると決定している場合、セリフ予告及び設定示唆演出の実行の指示に合わせて、モヤ画像の表示やフリーズを実行することも表示制御部123に指示する。このような指示を受けた表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の開始後の所定タイミングからセリフ予告を開始し、その後、図8−5に示すような、設定示唆演出、モヤ画像の表示、セリフ予告及び飾り図柄の変動のフリーズなどを今回の変動パターンとの関係で予め定められた各タイミングで実行する。
演出制御用CPU120は、リーチ演出等、他の演出を実行すると決定している場合には、実行すると決定している演出を、今回の変動パターンとの関係で予め定められたタイミングで実行するよう表示制御部123に指示する。表示制御部123は、当該指示を受け、前記のタイミングで前記の各種演出を実行する。さらに、演出制御用CPU120は、適宜、保留表示Hの更新表示を表示制御部123に指示する。
ステップ61AKS009において、演出制御用CPU120は、表示制御部123に実行させる各演出(上記で実行すると決定した各演出)に関する演出制御パターンを設定し、可変表示中演出処理(ステップS172)において、当該演出制御パターンに従って、各演出の開始タイミング時に、各演出の実行を指示してもよい。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグを「2」に更新し(ステップ61AKS009)、可変表示開始設定処理を終了する。
(特徴部61AKの作用効果)
特徴部61AKでは、セリフ予告の態様を、同時期に実行される設定示唆演出が実行されるときと、設定示唆演出が実行されないときとで異ならせる。特に、モヤ画像やフリーズにより、設定示唆演出が目立つようになっており、視認ないし確認が容易となっている。これにより、設定示唆演出を見逃すことなどが防止され、遊技の興趣が向上する。
設定示唆演出は、上記のように、実行割合が1/100であるので、出現率が低い。遊技者は、このような設定示唆演出をスマートフォンなどで撮影して、SNS(Social Networking Service)などにアップロードして共有することが想定される。しかし、設定示唆演出の画像はセリフ予告の画像よりも小さく表示される(これにより、飾り図柄の可変表示を邪魔せず、さりげないものとすることができる)ので(図8−7など)、当該設定示唆演出を見逃してしまう(例えば撮影チャンスを逃してしまう)おそれがある。そこで、モヤ画像の表示やフリーズにより、設定示唆演出を目立たせることで、当該見逃しを防止し、見逃しによる遊技の興趣の低下を防止できる。
セリフ予告や、飾り図柄の可変表示をフリーズさせ、各演出の演出表示(第1キャラ61AK102やセリフ、変動中の飾り図柄)の動作(ループ動作、変動)を一時停止させる一方、設定示唆演出については、演出表示の動作(ミニキャラ61AK105がセリフをいう動作)が停止しないので、設定示唆演出を強調でき、設定示唆演出を見逃すことなどが防止され、遊技の興趣が向上する。
また、セリフ予告や飾り図柄の可変表示にモヤ画像を重畳表示することで、これら各演出をモヤがかかった態様にすることができ、これらの視認性を低下させる。当該視認性の低下により、設定示唆演出が強調されるので、設定示唆演出の演出効果を高めることができ、遊技の興趣が向上する。
また、設定示唆演出の画像(ミニキャラ61AK105及びセリフ)は、セリフ予告の画像(第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103、及び、各キャラのセリフ(吹き出し))よりも小さく表示され、設定示唆演出の画像(ミニキャラ61AK105及びセリフ)とセリフ予告の画像とが、互いに被らないよう異なる表示領域で表示されるので、設定示唆演出とセリフ予告とのうち一方が他方を妨げないので、遊技の興趣の低下を防止できる(特に、両画像が互いに被らないことによりこの効果がいえる)。
また、設定示唆演出の終了により、フリーズが解除され、セリフ予告の演出動作(ループ動作など)及び飾り図柄の変動が再開し、モヤ画像の表示も終了する。これにより、セリフ予告や飾り図柄の変動が途中で終わることなく、視認性が確保された状態で最後まで実行されるので、セリフ予告の実行が確保され、遊技の興趣の低下を防止できる。
特徴部61AKでは、小図柄の変動は、飾り図柄の変動の一時停止の有無にかかわらず継続されるので、遊技者は、小図柄により可変表示が継続していることを認識できる。従って、フリーズにより可変表示が終了したとの誤解が生じることを防止できる。さらに、小図柄(表示領域61AK101)を表示するレイヤーは、各種演出の画像を表示するレイヤーよりも遊技者側にあるので、例えば、画像が小図柄の表示領域61AK101に進出するような態様の演出(特にセリフ予告や設定示唆演出)を採用したとしても、小図柄の視認性が確保される。さらに、モヤ画像が表示されても、小図柄の視認性が確保される。これらにより、演出の進行を認識できるので、遊技の進行(特に可変表示の進行)を確認できずに遊技の興趣が低下するといった不都合は生じ難くなる。
上記フリーズにより一時停止する飾り図柄は、確定飾り図柄のように左右方向に一列に表示されるのではなく、上下方向においてずらして表示される。これにより、飾り図柄の可変表示結果が導出されたとの誤認を防止できる。なお、一時停止する飾り図柄は、一列に表示されてもよい。
一時停止する飾り図柄は、「大当り」や「小当り」時の確定飾り図柄(一列の揃った飾り図柄(有利状態である大当り遊技状態に移行する出目)やチャンス目の飾り図柄)や、擬似連などにおけるチャンス目や、異なる演出状態に移行することを示す出目、などとは異なる組み合わせとするとよい。これにより、「大当り」などが発生したとの遊技者の誤認を防止できる。
(変形例)
本発明は、上記構成に限られない。特徴部61AKについて種々の変形が可能である。以下、変形例を例示する。
(変形例1)
上記では、セリフ予告の実行中に設定示唆演出を実行する場合に、設定示唆演出が実行されないときに対して、セリフ予告や飾り図柄の可変表示の態様を変更する(フリーズやモヤによる変更)ことで、設定示唆演出の視認性を向上させているが(モヤやフリーズにより、設定示唆演出が目立つようになり、視認性が向上している。)、セリフ予告や飾り図柄の可変表示の態様を変更せずに、設定示唆演出の画像をセリフ予告が実行されていない場合に比べて強調表示するようにしてもよい。例えば、図8−14のように、ミニキャラ61AK105及び又はセリフの吹き出しを強調表示(図では、太線表示及び吹き出し内の白黒の反転)して、これらの視認性を向上させる(セリフ予告が実行されないときは、このような強調表示は行われない)。強調表示は、例えば、ミニキャラ61AK105やセリフの点滅表示、ミニキャラ61AK105やセリフにエフェクトを掛けた表示(例えば、雷や電流等が走ったような画像)、ミニキャラ61AK105やセリフを発光させるなどであってもよい。
(変形例2)
設定示唆演出の画像(ミニキャラ61AK105やセリフ)は、セリフ予告の画像(第1キャラ61AK102、第2キャラ61AK103、及び、各キャラのセリフ(吹き出し))が表示される領域と少なくとも一部が重複する領域で表示されてもよい。このような場合、両画像が同時に表示されても(両者が被る場合であっても)、設定示唆演出の画像を表示するレイヤーが、セリフ予告の画像を表示するレイヤーよりも前面にあるので、設定示唆演出の画像が、セリフ予告の画像に隠れることなく、設定示唆演出の視認性を確保できる。設定示唆演出の画像を、セリフ予告の画像が表示され得る領域に、当該画像が表示されていないときに表示するようにしてもよい(例えば、図8−14のように、第2キャラ61AK103のセリフが将来表示される領域に、ミニキャラ61AK105やセリフを表示する)。これにより、設定示唆演出の画像とセリフ予告の画像との視認性を効果的に確保できる。
(変形例3)
セリフ予告の画像を表示するレイヤーを、大当り期待度が低いセリフ予告A及びBの画像を表示する第1レイヤーと、大当り期待度が高いセリフ予告Cの画像を表示する第2レイヤーとに分けてもよい。この場合、第2レイヤーを、第1レイヤー及び設定示唆演出の画像を表示するレイヤーよりも前面側(遊技者側)に配置するとよい。これにより、基本的には、設定示唆演出の表示をセリフ予告の表示よりも優先しつつ、大当り期待度が高いセリフ予告Cについては設定示唆演出よりも優先することができ、セリフ予告Cについて視認性を確保できる(特に、設定示唆演出の画像と、セリフ予告Cの画像とが被る位置に表示される場合、設定示唆演出の画像によりセリフ予告Cの画像が隠れてしまうことを防止できる)。また、第2レイヤーをモヤ画像を表示するレイヤーの前に配置してもよい。これにより、セリフ予告Cについては、モヤがかからず、視認性を確保できる。
(変形例4)
特徴部61AKでは、演出制御基板12が、例えば、設定示唆演出と、可変表示に関連する特定演出(上記ではセリフ予告。セリフ予告は、以下で説明される特定演出に拡張して考えることができる)と、が同一期間中に実行される場合、特定演出を、設定示唆演出が同一期間中に実行されないときとは異なる態様で実行可能であればよい。
設定示唆演出の態様は、他の態様であってもよい。例えば、設定示唆演出の態様は、ミニキャラ以外の他の画像を表示する態様であってもよい。設定示唆演出は、設定値が変更されたこと、設定値が変更されていないこと(例えば、初期値から変更されていないこと)などを示唆するものであってもよい。
特定演出は、上記ではセリフ予告であるが、飾り図柄の可変表示(特図ゲームという可変表示に関連する演出)を含んでもよい。例えば、セリフ予告などの、設定示唆演出と同時期に実行される可変表示以外の演出とともに、飾り図柄の可変表示についてもモヤを表示したり、フリーズさせたりして態様を変更することで、設定示唆演出をより目立たせることができる。特定演出の態様は、他の態様であってもよい。特定演出は、リーチ演出やリーチ後の予告演出などであってもよい(この場合、設定示唆演出の実行タイミングは、リーチ後などである)。特定演出は、実行中の可変表示に関する有利度を示唆する演出(セリフ予告、リーチ演出、予告演出など)であるとよい。特定演出は、大当り(小当りでもよい。以下同じ)遊技状態中に実行される大当り中演出(このような演出も特図ゲームの可変表示結果に基づいて実行される演出であり、可変表示に関連しているといえる)であってもよい(この場合、設定示唆演出の実行タイミングは、大当り遊技状態中などである)。特定演出は、先読み判定に基づいて実行される先読み予告などであってもよい。
前記の同一期間中とは、特定演出の実行期間(第1期間)の少なくとも一部と、設定示唆演出の実行期間(第2期間)の少なくとも一部とが、重複すればよい表現である。例えば、第1期間と第2期間とが一致する態様、第1期間内において第2期間が開始及び終了する態様、第1期間内に第2期間が開始するが、第1期間終了後に第2期間が終了する態様、又は、第2期間内において第1期間が開始及び終了する態様も、同一期間中に含まれる。設定示唆演出と特定演出それぞれの実行タイミングを抽選で決定し、両者が同一期間中に実行される場合に、特定演出の態様を変化させてもよい。
上記の異なる態様とは、例えば、モヤを表示した態様の他、特定演出の画像を一時消去した態様、半透明にした態様、暗くした態様、縮小した態様、モザイクを掛けた態様など、特定演出の視認性を低下させる態様などであるとよい。これにより、特定演出が、異なる態様となっているときに実行される設定示唆演出を目立たせることができる。また、異なる態様とは、特定演出の画像の動作の停止(フリーズ)の他、動作をスローにするなどの態様であってもよい。これによっても、動作スピードの比較により、設定示唆演出を目立たせることができる。異なる態様として、上記では、モヤの表示及びフリーズを例示しているが、どちらか一方を行わないようにしてもよい。なお、飾り図柄の可変表示についても特定演出と同じ手法で態様を異ならせることで、より設定示唆演出を目立たせることができる。なお、異なる態様は、特定演出の画像を強調表示するなどして、特定演出の視認性を向上させる態様であってもよい(特に、特定演出の大当り期待度が高いときにこのようにすることで遊技の興趣が向上する)。異なる態様は、上記モヤの表示やフリーズのように、特定演出の一部の態様が異なる場合(特定演出の一部を変化させる場合)の他、特定演出全体が異なる態様となっている場合(特定演出自体が異なる場合)も含む。
変形例4のような構成によれば、設定示唆演出と特定演出とを同時期に実行可能で、かつ、特定演出の態様を設定示唆演出の実行状況に応じて変更可能なので、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。
(変形例5)
上記変形例1に関連し、演出制御基板12が、例えば、設定示唆演出と、可変表示に関連する特定演出(上記ではセリフ予告)と、が同一期間中に実行される場合、設定示唆演出を、特定演出が同一期間中に実行されないときとは異なる態様で実行可能であればよい(変形例1は、当該構成の一例である)。異なる態様は、設定示唆演出の一部が異なる態様の他、全部が異なる態様であってもよい。異なる態様としては、上記強調表示(視認性を向上させた態様)の他、設定示唆演出の画像を変更する、設定示唆演出の画像の動作スピードを変化させる(停止を含む)などを含む。異なる態様は、設定示唆演出を半透明等とすることで、視認性を低下させる態様であってもよい(これにより、特定演出を目立たせることができる)。その他の説明は、変形例5の説明に準じる。
変形例5のような構成によれば、示唆演出と特定演出とを同時期に実行可能で、かつ、設定示唆演出の態様を特定演出の実行状況に応じて変更可能なので、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。
(変形例6)
上記では、セリフ予告の実行中に設定示唆演出を実行する場合に、必ず、モヤ画像の表示及びフリーズを実行しているが、セリフ予告の種類や、設定示唆演出の種類に応じてモヤ画像の表示及びフリーズの実行の有無を決定してもよい。当該決定は、例えば、ステップ61AKS007で行われる。
例えば、図8−15(A)に示すように、演出制御用CPU120は、ステップ61AKS002で決定したセリフ予告の種類が大当り期待度の比較的低いセリフ予告A又はBのときは、モヤ画像の表示及びフリーズを実行すると決定する。他方で、演出制御用CPU120は、ステップ61AKS002で決定したセリフ予告の種類が大当り期待度の比較的高いセリフ予告Cのときは、モヤ画像の表示及びフリーズを実行しないと決定する。これにより、大当り期待度が高いセリフ予告Cが実行されるときには、視認性の低下などが防止され、大当り期待度が高いセリフ予告Cの視認性が低下することによる遊技の興趣の低下を防止できる。
例えば、図8−15(B)に示すように、演出制御用CPU120は、ステップ61AKS005で決定した設定示唆演出の種類が、設定値が「1」〜「3」であるときに設定値が「4」〜「6」であるときよりも実行されやすい設定示唆演出Aであるときには、モヤ画像の表示及びフリーズを実行しないと決定する。一方で、ステップ61AKS005で決定した設定示唆演出の種類が、設定値が「4」〜「6」であるとき(「1」〜「3」よりも有利のとき)に設定値が「1」〜「3」であるときよりも実行されやすい設定示唆演出B〜Dであるときには、モヤ画像の表示及びフリーズを実行すると決定する。このようにすることで、有利度(出玉率)が高い設定値が設定されている可能性が高い設定示唆演出B〜Dについては目立つように実行することができる一方で、有利度(出玉率)が低い設定値が設定されている可能性が高い設定示唆演出Aについては過度に目立たせることなく実行できる。これにより、目立つ態様で設定示唆演出が実行されたにもかかわらず、その設定示唆演出では有利度(出玉率)が低い設定値が設定されている可能性が高いことによる遊技の興趣の低下を防止できる。
以上のように、特定演出や設定示唆演出の種類に応じて、特定演出を異なる態様で実行する/しないを分けることで、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。
なお、変形例1に関連して、特定演出や設定示唆演出の種類に応じて、設定示唆演出を異なる態様で実行する/しないを分けてもよく、これにより、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。なお、例えば、大当り期待度が低い特定演出が実行される場合に、設定示唆演出の視認性を強調表示等により向上させ、大当り期待度が高い特定演出が実行される場合には、強調表示等しないことにより、大当り期待度が高い特定演出への注目度が設定示唆演出により低下してしまうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。また、例えば、大当り期待度が低い特定演出が実行される場合に、設定示唆演出の視認性を強調表示等により向上させ、大当り期待度が高い特定演出が実行される場合には、強調表示等しないことにより、大当り期待度が高い特定演出への注目度が設定示唆演出により低下してしまうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。また、設定示唆演出の種類が、設定値が「1」〜「3」であるときに設定値が「4」〜「6」であるときよりも実行されやすい設定示唆演出Aであるときには、設定示唆演出を強調表示等しないようにしてもよい。これにより、目立つ態様で設定示唆演出が実行されたにもかかわらず、その設定示唆演出では有利度(出玉率)が低い設定値が設定されている可能性が高いことによる遊技の興趣の低下を防止できる。
(変形例7)
大当り期待度が高い特定演出(例えば、セリフ予告Cなど、一定以上の大当り期待度の特定演出)と、示唆する設定値の有利度が高い(示唆する設定値の有利度が高いときに低いときよりも実行されやすい)設定示唆演出B〜Cとで、スピーカ8L、8Rからの音声(例えば、効果音)や、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体の点灯動作とを共通化してもよい。なお、特定演出を、大当り遊技状態中に実行される演出であって、そのときに、先読み判定によって大当りの判定がなされた保留が存在する場合に実行される保留連チャン報知演出としてもよい。これら演出について、前記共通化をすることで、効率的な演出が実行される。
(変形例8)
上記では、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が該所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1〜3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4〜6のいずれかである場合)を設けてもよい。
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1〜3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4〜6の場合は、該所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(変形例9)
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1〜6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。設定値は、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
(変形例10)
前記では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。この場合、大当り遊技状態などの遊技者にとって有利な状態に相当する状態として、小役の当選確率が高まるビッグボーナスボーナスやレギュラーボーナスや、遊技者にとって有利な操作態様が報知される状態(例えば、AT(アシストタイム)状態)や、遊技者にとって有利な操作態様が報知され、かつ、リプレイ役の当選確率が高まる状態(例えば、ART(アシストリプレイタイム)状態)等が用意される。
また、スロットマシンにおける前記特定演出は、ビッグボーナスボーナスやレギュラーボーナス等の特別役が内部当選したが図柄の組合せが揃わずに持ち越されている状態等において、特別役に対応する図柄の組合せが導出表示される可能性を示唆する示唆演出などであればよい。設定示唆演出は、スロットマシンに設定されている設定値を示唆する設定示唆演出などあればよい。設定示唆演出は、複数ゲーム(複数回の可変表示)に渡って実行されてもよい。