[go: up one dir, main page]

JP2019179225A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019179225A
JP2019179225A JP2018070177A JP2018070177A JP2019179225A JP 2019179225 A JP2019179225 A JP 2019179225A JP 2018070177 A JP2018070177 A JP 2018070177A JP 2018070177 A JP2018070177 A JP 2018070177A JP 2019179225 A JP2019179225 A JP 2019179225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
decurling
nip portion
fixing
toner image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018070177A
Other languages
English (en)
Inventor
宗人 倉田
Munehito Kurata
宗人 倉田
橋口 伸治
Shinji Hashiguchi
伸治 橋口
聡 村▲崎▼
Satoshi Murazaki
聡 村▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2018070177A priority Critical patent/JP2019179225A/ja
Priority to US16/295,237 priority patent/US10712692B2/en
Publication of JP2019179225A publication Critical patent/JP2019179225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2028Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with means for handling the copy material in the fixing nip, e.g. introduction guides, stripping means
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/65Apparatus which relate to the handling of copy material
    • G03G15/6555Handling of sheet copy material taking place in a specific part of the copy material feeding path
    • G03G15/6573Feeding path after the fixing point and up to the discharge tray or the finisher, e.g. special treatment of copy material to compensate for effects from the fixing
    • G03G15/6576Decurling of sheet material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2045Variable fixing speed

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)
  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着部よりもシート搬送方向下流におけるシート搬送をより安定させて、画像不良の発生を低減する画像形成装置を提供することを目的とする。【解決手段】プリンタは、トナー像を担持する中間転写ベルト29と、中間転写ベルト29によって担持されるトナー像をシートに転写する二次転写ニップ部N1と、二次転写ニップ部N1によってシートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着装置72と、定着装置72よりも、シート搬送方向における下流に配設されるデカール装置73と、トナー像が転写される印刷面に設定される所定範囲における画像形成可能な面積に対する、実際にトナー像が形成される面積の比である面積比に基づいて、デカールモータM3の回転速度を制御するデカール駆動制御部S3と、を備える。【選択図】 図4

Description

本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式のプリンタ等の画像形成装置には、加圧ローラ及び定着フィルムによってシートに転写されたトナー像を熱及び圧力によって定着させる定着装置が搭載されている。加圧ローラは、外周面が弾性体によって構成される回転体であり、温度の上昇に伴って熱膨張することがある。加圧ローラが熱膨張した場合には、モータにより一定の角速度で加圧ローラを回転駆動したとしても、熱膨張する前と後とでは、加圧ローラ表面における速度、すなわちシート搬送速度は変動してしまう。
転写部及び定着装置間で発生するシートの引っ張り合い発生を防止する観点から、転写部及び定着装置間におけるシートのたるみ量(以下、「ループ量」とする)が所定範囲に収まるように加圧ローラの回転速度を制御する技術がある(特許文献1参照)。以下、ループ量を所定範囲に収まるように加圧ローラの回転速度を制御する技術をループ制御と呼称する。ループ制御が行われた場合、加圧ローラの回転速度は、シートのループ量が一定になるように制御される。換言すれば、ループ制御を行うことによって、定着装置のシート搬送速度は、転写部のシート搬送速度である、画像形成装置のプロセス速度とほぼ同一の速度に制御可能である。定着装置のシート搬送速度が転写部のシート搬送速度とほぼ同一の速度に制御されることによって、転写部及び定着装置間のシート搬送速度差を生じさせずに安定してシートを搬送することができる。
特開2001−106380号公報
画像形成装置におけるシート搬送速度の変化は、加圧ローラの熱膨張等が原因となる場合の他にも、シートに印刷される画像やシートの表面状態等に起因してシートと転写部材との摩擦力が変化する場合にも起こり得る。これは、シートと転写部材との摩擦力が変化した際にシートと転写部材との間でスリップが発生する場合があるためである。シートと転写部材の間でスリップが発生すると、転写部におけるシート搬送速度が低下する。転写部におけるシート搬送速度が低下した場合、特許文献1に示される画像形成装置では、ループ制御が行われ、低下した転写部のシート搬送速度とほぼ同一の速度になるように定着部におけるシート搬送速度が制御される。
しかしながら、特許文献1に示される画像形成装置では、定着部に対して、シート搬送方向における下流(以下、「シート搬送方向下流」とする)に配設される回転体対(以下、「下流回転体対」とする)におけるシート搬送速度は制御されていない。従って、このため、シートと転写部材の間でスリップが発生すると、下流回転体対が定着部から排出されるシートを強く引っ張ってしまい、画像不良が発生する虞があった。
そこで、本発明は、転写部と下流回転体対とに跨ってシートが搬送されている状態で、転写部におけるシート搬送速度が低下した場合においても、画像不良の発生を低減する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置において、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体によって担持されるトナー像をシートに転写する転写部と、前記転写部によってシートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、前記定着部よりも、シート搬送方向における下流に配設される回転体対と、トナー像が転写されるシートの印刷面に設定される所定範囲に対する、前記転写部によって前記印刷面にトナー像が形成される面積の比である面積比に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する制御部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、転写部でシート搬送速度の低下が生じた場合であっても、画像不良の発生を低減することができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置を示す全体概略図。 定着部及び回転体対を示す断面図。 定着ニップ部を示す拡大図。 シート搬送制御について示す説明図。 (a)はループセンサが「切」の場合におけるループ検出部の構成を示す概略図、(b)はループセンサが「入」の場合におけるループ検出部の構成を示す概略図。 (a)はループセンサの出力信号を示す説明図、(b)は定着駆動制御部により制御される定着モータの回転速度を示す説明図。 印字率の算出例を説明する説明図。
<第1の実施形態>
〔全体構成〕
第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1に示されるプリンタ100は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であって、感光ドラム1を複数備えた電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタである。画像形成装置としてのプリンタ100は、主な構成として、画像形成ステーション7Y、7M、7C及び7K、中間転写ベルト29、二次転写ローラ63、定着装置72及びカール矯正装置(以下、「デカール装置」とする)73を備えている。ここで、画像形成ステーション7Y、7M、7C及び7Kは、それぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色に対応する画像形成ステーションである。以下、色毎の区別を特に要しない場合、何れかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に付した添え字であるY、M、C及びKを省略して説明する。
イエローY、マゼンタM、シアンC及びブラックKの各色に対応する各画像形成ステーション7には、各色に対応した、感光ドラム1、帯電装置2、現像装置4、クリーニングブレード6、一次転写ローラ8が設けられている。例えば、画像形成ステーション7Yでは、帯電装置2Yが、感光ドラム1Yの表面を一様に帯電させる。帯電した感光ドラム1Yの表面にレーザースキャナ3Yによって画像情報に基づいたレーザービームが照射されることによって、感光ドラム1Yの表面上に静電潜像が形成される。現像装置4Yは、感光ドラム1Y上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像ローラ5Yを有している。一次転写ローラ8Yは、感光ドラム1Y上に形成されたトナー像を像担持体としての中間転写ベルト29上に一次転写する。なお、図1に示される実線矢印D1は、中間転写ベルト29の回転方向を表している。中間転写ベルト29は、図1において図示が省略されているメインモータによって回転駆動される駆動ローラ68が一定速度で回転することによって回転する。クリーニングブレード6Yは、一次転写されずに感光ドラム1Y上に残留したトナーを除去する。
なお、画像形成ステーション7Y以外の画像形成ステーション7M、7C及び7Kについては、画像形成ステーション7Yと同様である。すなわち、画像形成ステーション7M、7C及び7Kに関する説明は、上述した画像形成ステーション7Yに関する説明において、それぞれ、添え字YをM、C及びKに読み替えた内容となる。
このようにして、各感光ドラム1Y、1M、1C及び1Kの表面上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト29の回転移動方向における上流側から、画像形成ステーション7の配置に合わせて、順次、中間転写ベルト29上に一次転写される。図1に例示されるプリンタ100では、各感光ドラム1Y、1M、1C及び1Kの表面上に形成されたトナー像が、イエローY、マゼンタM、シアンC及びブラックKの順に、中間転写ベルト29上に一次転写される。
また、図1に例示するように、プリンタ100の下部には、カセット61が引き出し可能に収納されている。カセット61には紙等のシートPが積載収容される。シートPはピックアップローラ62によりカセット61から給送され、分離ローラ対14により1枚毎に分離され、レジストレーションローラ対15に給送される。レジストレーションローラ対15に給送されたシートPは、シート搬送路R0を、シート搬送方向D2に搬送される。
レジストレーションローラ対15に給送されたシートPは、シート搬送路R0を通って、転写部としての二次転写ニップ部N1、定着部としての定着装置72、回転体対としてのデカール装置73及び排出ローラ対64に順次搬送される。中間転写ベルト29上のトナー像は、対向ローラ67及び二次転写ローラ63によって形成される転写部としての二次転写ニップ部N1でシートPに二次転写される。二次転写ニップ部N1でシートPに転写されずに中間転写ベルト29上に残った二次転写残トナーは、図示が省略されているベルトクリーニング装置によって除去されて回収される。
トナー像が二次転写されたシートPは、二次転写ニップ部N1に続いて、定着装置72に搬送される。定着装置72では、搬送されたシートPが加圧及び加温されて、二次転写されたトナー像をシートP上に定着させる。トナー像が定着したシートPは、定着装置72に続いて回転体対としてのデカール装置73に搬送される。デカール装置73では、搬送されたシートPのカールが矯正される。カールが矯正されたシートPは、デカール装置73に続いて排出ローラ対64に搬送され、排出ローラ対64からシート積載部65に排出される。
なお、シート搬送路R0における二次転写ニップ部N1と定着装置72との間には、ループ検出部16が設けられている。プリンタ100では、ループ検出部16によって検出されるシートPのループ量が適正範囲であるか否かに基づくループ制御が行われることによって、定着装置72におけるシート搬送速度が制御される。なお、シート搬送速度の制御の詳細については後述する。
シートPの両面に画像を形成する場合、排出ローラ対64が反転することにより、二次転写ニップ部N1において第1面に印刷されたシートPはシート搬送方向D2とは逆方向である破線矢印D3の方向に搬送され、反転搬送路R1に案内される。反転搬送路R1に搬送されたシートPは、搬送ローラ対66等によって再びレジストレーションローラ対15に搬送される。反転搬送路R1を経てレジストレーションローラ対15に搬送されたシートPは、第1面とは反対側の未だ印刷されていない第2面が中間転写ベルト29側を向いた状態で二次転写ニップ部N1に搬送される。以降は、シートPの第1面の画像形成と同様にして第2面の画像形成が行われる。具体的に説明すればシートPは、二次転写ニップ部N1において、シートPの第2面にトナー像が二次転写される。続いて、定着装置72で第2面に転写されたトナー像を定着させる。続いて、デカール装置73でシートPのカールが矯正される。続いて、カールが矯正されたシートPが排出ローラ対64からシート積載部65に排出される。
また、シート搬送路R0におけるレジストレーションローラ対15と二次転写ニップ部N1との間には、シート搬送路R0を搬送されるシートPの表面性や坪量等のシート属性を検出可能なメディアセンサ77が設けられている。ここで、坪量とは、シートPの単位面積当たりの質量であり、単位は[g/m]である。図1に例示されるメディアセンサ77は、シートPの坪量を検出する超音波センサを有している。この超音波センサは、超音波を送信する送信部78a及び超音波を受信する受信部78bを有している。受信部78bは、送信部78aから送信され、シートPを介して減衰した超音波を受信する。超音波センサは、受信部78bで受信される超音波に基づいてシートPの坪量を検出する。さらに、メディアセンサ77は、シートPの表面性を検出する光学センサ79を有している。この光学センサ79は、シートPへ照射した光の反射光を受光し、受光した反射光に基づいて、シートPの表面性を検出する。
〔定着装置〕
図2に例示される定着装置72は、加圧ローラ42と、可撓性部材である定着スリーブ41と、ハロゲンヒータ等からなるヒータ30とを備えている。また、定着装置72には、定着スリーブ41に内接するスリーブサーミスタ33と、ヒータ30に当接するヒータサーミスタ34と、が配設されている。スリーブサーミスタ33は、定着スリーブ41の温度を検出し、ヒータサーミスタ34は、ヒータ30の温度を検出する。
定着装置72における加圧ローラ42は、芯軸部42aと、芯軸部42aの外周面上に設けられている少なくとも1層以上の耐熱性弾性層42bと、耐熱性弾性層42bの外周面上に設けられる離型層42cと、を有して構成されている。芯軸部42aは、例えば、鉄等の金属材料で構成される。耐熱性弾性層42bは、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等、一般的な耐熱性ゴム弾性材料で構成される。離型層42cは、フッ素樹脂を単品若しくはブレンドしてコーティングする、又は上記フッ素樹脂の単品若しくはブレンド品のチューブを耐熱性弾性層42bに被覆する、ことによって形成される。離型層42cに適用可能なフッ素樹脂としては、例えば、PFA、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等がある。
定着装置72における定着スリーブ41は、図3に例示するように、エンドレス状に形成した基層41aの外周に弾性層41bを形成し、弾性層41bの外周に離型性層41cをさらに形成して構成される。基層41aには、例えば、ポリイミド等の樹脂系材料、又はステンレス鋼(SUS)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)等の金属材料若しくはこれらの合金部材が用いられる。弾性層41bは、熱伝導率が高い材料によって構成される。離型性層41cは、例えば、PTFE、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の材料によって構成される。離型性層41cは、定着スリーブ41の表面に一旦付着したトナーが再びシートPに移動することで発生するオフセット現象を防止する。
ヒータ30は、図3に例示するように、基板30aと、抵抗発熱体層30bと、絶縁ガラス層30cと、摺動層30dと、を有している。基板30aは、加圧ローラ42の軸線方向と平行な方向である長手方向(図3において、紙面に対して垂直方向)に細長い、窒化アルミ(AlN)やアルミナ(Al)等のセラミックから成る良熱伝導性の絶縁性基板である。抵抗発熱体層30bは、AgPd合金、NiSn合金、RuO合金等を主成分とする抵抗発熱体の層であり、図示が省略された電源部によって、上記長手方向における両端部から通電されている。上記両端部から通電されることによって、抵抗発熱体層30bは、発熱している。絶縁ガラス層30cは、抵抗発熱体層30bをオーバーコートしている。絶縁ガラス層30cは、外部導電性部材との絶縁性を確保する他、抵抗発熱体層30bについて酸化等による抵抗値変化を防ぐための耐食機能、さらに機械的な損傷を防止する。摺動層30dは、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等のイミド系樹脂を成分とする摺動層であり、耐熱性、潤滑性、耐摩耗性に優れた機能を有する。摺動層30dは、基板30aにおいて、定着スリーブ41の内周面と摺動する面に設けられ、定着スリーブ41の内周面に対して滑らかな摺動性を付与する。
このように構成される定着装置72では、図2に示したように、加圧ローラ42は、定着モータM2によって回転駆動される。加圧ローラ42の回転に伴い、定着スリーブ41も加圧ローラ42の表面によって摩擦駆動される。すなわち、定着スリーブ41は、加圧ローラ42に従動回転する。加圧ローラ42をヒータ30に加圧することによって、定着装置72に定着ニップ部N2が形成される。また、ヒータ30は、スリーブサーミスタ33及びヒータサーミスタ34が検出する温度情報に基づいて所定温度に調温されている。トナー像が未定着のシートPが定着ニップ部N2を挟持搬送されることによって、トナー像に熱及び圧力が付加され、未定着のトナー像はシートP上に定着される。
〔デカール装置〕
図2に示したように、デカール装置73は、デカールローラ対を構成する、デカールローラ80及びデカール対向ローラ81を備えている。デカール対向ローラ81は、デカールローラ80に圧接しており、デカールローラ80とデカール対向ローラ81とによって、デカール装置73にデカールニップ部N3が形成されている。デカールローラ80は、芯軸部80aと、芯軸部80aの外周面上に設けられている弾性層80bと、弾性層80bの外周面上に設けられている離型層80cと、を有している。また、デカール対向ローラ81は、芯軸部81aと、芯軸部81aの外周面上に設けられている離型層81bとを有している。
このように構成されるデカール装置73では、デカールモータM3がデカール対向ローラ81に回転駆動力を付与して、デカール対向ローラ81を回転駆動する。デカールローラ80は、デカール対向ローラ81から加圧されており、デカール対向ローラ81に従動回転する。また、硬度の低い弾性層80bを被覆したデカールローラ80が、弾性層が無く硬度の高いデカール対向ローラ81によって加圧されることによって、デカール対向ローラ81の外径に沿うデカールニップ部N3が、デカール装置73に形成される。定着装置72からデカール装置73にシートPが搬送される際、定着装置72に形成される定着ニップ部N2でトナー像を定着する際に生じたカールは、デカール装置73に形成されるデカールニップ部N3によって矯正される。
〔シート搬送速度の制御〕
次に、プリンタ100におけるシート搬送速度の制御について説明する。プリンタ100は、図4に例示するように、制御部としての画像形成制御部Sと、定着駆動制御部S2と、デカール駆動制御部S3とを備えている。プリンタ100において、画像形成制御部Sは、シートPに画像を形成する画像形成処理を制御すると共に、デカール駆動制御部S3に指示を出す。定着駆動制御部S2は、定着モータM2の回転速度を増減してループ制御を行う。デカール駆動制御部S3は、デカールモータM3の回転速度を増減して、デカール装置73におけるシート搬送速度を調整する。プリンタ100では、シートPが、シート搬送方向D2に搬送されて、二次転写ニップ部N1、定着装置72に形成される定着ニップ部N2及びデカール装置73に形成されるデカールニップ部N3を順次通過する。
二次転写ニップ部N1におけるシート搬送速度は、中間転写ベルト29の回転速度を制御することによって制御される。中間転写ベルト29は、メインモータM1が駆動ローラ68を回転駆動することによって、回転する。対向ローラ67と共に二次転写ニップ部N1を形成する二次転写ローラ63は、中間転写ベルト29に従動回転する。中間転写ベルト29の回転速度は、図1に示される感光ドラム1の周速度と等しい画像形成ステーション7のプロセス速度(以下、単に「プロセス速度」とする)と一致するように設定される。換言すれば、上記プロセス速度と一致するように、二次転写ニップ部N1におけるシート搬送速度は設定される。
定着ニップ部N2におけるシート搬送速度は、定着駆動制御部S2が加圧ローラ42の回転速度を制御することによって制御される。加圧ローラ42は、定着モータM2が回転駆動することによって、回転する。定着スリーブ41は、加圧ローラ42に従動回転する。定着駆動制御部S2は、ループ検出部16の検出結果に基づいて、定着モータM2の回転速度を制御し、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間におけるシートPのループ量を調整するループ制御を行う。定着駆動制御部S2によるループ制御は、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間のループ量を適正に維持するため、定着ニップ部N2におけるシート搬送速度がほぼ一定となるように、定着モータM2の回転速度を制御することによって行われる。換言すれば、定着ニップ部N2におけるシート搬送速度は、定着駆動制御部S2によって、二次転写ニップ部N1におけるシート搬送速度とほぼ同一速度となるように制御される。
図4において、定着ニップ部N2に次いでシートPが通過するデカールニップ部N3におけるシート搬送速度は、デカール駆動制御部S3がデカール対向ローラ81の回転速度を制御することによって制御される。デカール対向ローラ81は、デカールモータM3が回転駆動することによって、回転する。デカールローラ80は、デカール対向ローラ81に従動回転する。デカール駆動制御部S3は、画像形成制御部Sから送られる印刷画像情報に基づいて、デカール対向ローラ81の回転速度を増減することによって、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を制御する。定着装置72及びデカール装置73間では、カールしたシートPが搬送されるため、シートPにたるみを生じさせると、シートPがさらに変形し、紙詰まり等の搬送不良が発生しやすくなる。このような搬送不良の発生を抑制する観点から、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度は、定着ニップ部N2におけるシート搬送速度に対して、引っ張りすぎとならない程度に大きく設定する場合が多い。デカールニップ部N3におけるシート搬送速度は、例えば、プロセス速度+数%の速度等、ループ制御によってプロセス速度とほぼ同一の速度に制御可能な定着装置のシート搬送速度に対して数%程度速い速度に設定される。
定着駆動制御部S2が定着ニップ部N2におけるシート搬送速度をほぼ一定に制御するためには、加圧ローラ42の熱膨張又は熱収縮を考慮して定着モータM2の回転速度を制御する必要がある。具体的には、加圧ローラ42の外径が高温により大きくなっている場合、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間におけるシートPのループ量は減少するので、定着駆動制御部S2は、定着モータM2の回転速度を遅くする必要がある。一方、加圧ローラ42の外径が低温により小さくなっている場合、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間におけるシートPのループ量は増大するので、定着モータM2の回転速度を速くする必要がある。ここで、定着駆動制御部S2により行われるループ制御の内容について、図5及び図6を参照して、より具体的に説明する。なお、図5に示す符号P0、P1及びP2は、それぞれ、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間におけるシートPのループ量が、通常の場合、通常よりも小さい場合及び通常よりも大きい場合におけるシートPの姿勢を示している。
まず、ループ検出部16及びループ検出部16の動作について説明する。ループ検出部16は、図5(a)及び図5(b)に示すように、ループセンサ120とループセンサフラグ121とを有している。ループセンサ120には、図示が省略されている発光部及び受光部と、発光部から発せられた光が通過可能なスリット120aとが設けられている。ループセンサフラグ121は、シートPに接触する接触部121aと、軸部121bと、スリット120aを遮蔽又は開放可能なフラグ部121cとを備える。ループセンサフラグ121は、接触部121aがシートPに接触して摺動することによって軸部121bを中心に回動し、ループセンサフラグ121の回動に伴ってフラグ部121cも回動する。フラグ部121cの回動量は、シートPのループ量が小さい場合には小さくなり、シートPのループ量が大きい場合には大きくなる。
図5(a)に示すように、シートPのループ量が小さく、フラグ部121cの回動量が小さい場合、フラグ部121cによってスリット120aが遮られているため、発光部からの照射光は受光部で受光されない。一方、図5(b)に示したように、シートPのループ量が大きく、フラグ部121cの回動量が大きい場合、フラグ部121cがスリット120aから外れるため、発光部からの照射光はループセンサフラグ121に遮光されずに受光部で受光される。ループセンサ120は、受光部での受光の有無を検出することによって、シートPのループ量が許容範囲にあるか否かを検出し、検出結果を示す信号を定着駆動制御部S2へ出力する。検出結果を示すループセンサ120の出力信号は、図6(a)に例示するように、信号出力が図6(a)に示されるOnの位置となるオン信号及び図6(a)に示されるOffの位置となるオフ信号の何れか一方である。例えば、図5(a)に示されるループ量が小さく発光部からの照射光を受光部で受光しない場合、ループセンサ120は、オフ信号を定着駆動制御部S2へ出力する。一方、図5(b)に示されるループ量が大きく発光部からの照射光を受光部で受光した場合、ループセンサ120は、オン信号を定着駆動制御部S2へ出力する。
続いて、定着駆動制御部S2による定着モータM2の回転速度の制御について、図6(a)及び図6(b)を参照して説明する。図6(b)に示される定着モータM2の回転速度は、同図に示される、Highの回転速度となる高速度及びLowの回転速度となる低速度の2つの速度とが切り替えられることによって、増大又は減少する。定着駆動制御部S2による、定着モータM2の回転速度の高速度及び低速度の切り替えは、図6(a)に示されるループセンサ120の出力信号のオン信号及びオフ信号の切り替えと対応して行われる。
具体的には、ループセンサ120からオフ信号が出力されているタイミング、すなわち図5(a)に示される状態では、定着モータM2の回転速度は、定着駆動制御部S2によって、低速度に制御される。つまり、定着モータM2の回転速度は、シートPのループ量を大きくする方向に制御される。一方、ループセンサ120からオン信号が出力されているタイミング、すなわち図5(b)に示される状態では、定着モータM2の回転速度は、定着駆動制御部S2によって、高速度に制御される。つまり、定着モータM2の回転速度は、シートPのループ量を小さくする方向に制御される。図6(b)に示されるLowの値、すなわち定着モータM2の低速側の回転速度は、加圧ローラ42の外径が想定され得る最大の場合において、シート搬送速度がプロセス速度以下になるように設定される。また、図6(b)に示されるHighの値、すなわち定着モータM2の高速側の回転速度は、加圧ローラ42の外径が想定されうる最小の場合において、シート搬送速度がプロセス速度以上になるように設定されている。このように、定着駆動制御部S2は、ループ検出部16の検出結果に応じて、定着モータM2の回転速度を増大又は減少することによって、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間のループ量を適正に維持する。
このようなシートPの搬送過程において、シートPと中間転写ベルト29との間でスリップが発生する場合がある。シートPと中間転写ベルト29との間でのスリップは、二次転写ニップ部N1において作用している力が、中間転写ベルト29とシートPとの摩擦力を上回った場合に発生する。シートPの搬送過程において、二次転写ニップ部N1において作用している力は、シートPがシート搬送方向上流に向かって移動しようとする力である。シートPの搬送過程において、定着ニップ部N2及び二次転写ニップ部N1間では、ループ制御が行われているため、シートPには一定のループが形成されている。定着ニップ部N2及び二次転写ニップ部N1の両方にシートPが挟持されている場合、シートPには、自身のコシによって、ループ状態を解消しようとする力が作用している。ループ状態を解消しようとする力が作用する結果、二次転写ニップ部N1では、シートPがシート搬送方向上流に向かって移動しようとする力が作用する。なお、シートPのコシによるループを解消しようとする力は、定着ニップ部N2においても作用する。しかしながら、定着ニップ部N2のニップ圧は、例えば約30kgfであり、二次転写ニップ部N1と比べてかなり大きい。従って、二次転写ニップ部N1で先にスリップが生じたとしても、定着ニップ部N2ではスリップが発生しないと考えられる。
一方、中間転写ベルト29とシートPとの摩擦力は、未定着トナー像が未形成で白紙となっている領域よりも未定着トナー像が形成される領域の方が小さくなることが知られている。以下、シートPの印刷面に設定した、例えば、印刷面全体等の所定範囲に対する、二次転写ニップ部N1によって印刷面にトナー像が形成される面積の面積比を「印字率」と呼称する。つまり、印刷面上の所定範囲においてトナー画像が形成される範囲が存在しない場合、印字率は0%となる。一方、所定範囲の全てにトナー画像が形成される場合、印字率は100%になる。印字率を用いて説明すれば、印字率が大きい程、中間転写ベルト29とシートPとの摩擦力が小さくなるため、シートPと中間転写ベルト29との間でスリップが発生しやすくなる。また、中間転写ベルト29とシートPとの摩擦力は、シートP自体の表面性が平滑な程、小さくなることが知られているため、シートP自体の表面性が平滑な程、シートPと中間転写ベルト29との間でスリップが発生しやすくなる。
シートPの搬送過程において、シートPと中間転写ベルト29との間でスリップが発生した場合、二次転写ニップ部N1のシート搬送速度が一定となるように制御されていたとしても、実際のシート搬送速度は低下してしまう。シートPが二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2の両方に挟持されている期間は、二次転写ニップ部N1でのシートPの速度が低下した場合においても、定着駆動制御部S2はシートPのループ量が一定となるように定着モータM2の回転速度を制御する。この場合、定着ニップ部N2におけるシート搬送速度は、二次転写ニップ部N1における実際のシート搬送速度、すなわち低下後のシート搬送速度と一致するように、定着駆動制御部S2によって制御される。この結果、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2の実際のシート搬送速度は、何れもプロセス速度よりも低下する。
定着ニップ部N2でのシート搬送速度が低下した結果、定着ニップ部N2及びデカールニップ部N3の両方に挟持されている期間における、デカールニップ部N3でのシート搬送速度は、定着ニップ部N2でのシート搬送速度に対して速くなってしまう。すなわち、シートPの搬送過程で、シートPと中間転写ベルト29との間でスリップが発生すると、シートPは、定着ニップ部N2及びデカールニップ部N3間で、デカールニップ部N3によって強く引っ張られる状態となる。定着ニップ部N2及びデカールニップ部N3間で、デカールニップ部N3によって強く引っ張られているシートPは、定着ニップ部N2から排出される際に、シートPが幅方向に波打ってしまう。定着ニップ部N2から排出される際に、シートPが幅方向に波打った場合、シートPでは、定着後のトナー像の表面性にムラが生じ、光沢性にムラが発生する。すなわち、シートPにおいて画像不良が発生してしまう。そこで、本実施形態では、定着装置72におけるシート搬送速度が低下した場合、定着装置72の下流に配設されているデカール装置73におけるシート搬送速度についても、定着装置72におけるシート搬送速度に合わせて調整している。すなわち、定着ニップ部N2でシート搬送速度が低下した場合、デカール駆動制御部S3がデカールモータM3の回転速度を制御することによって、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を調整している。
続いて、プリンタ100のデカール装置73におけるシート搬送速度の制御について説明する。本実施形態では、デカール駆動制御部S3が、シートPと中間転写ベルト29との間のスリップの発生しやすさに応じてデカールモータM3の回転速度を制御することにより、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を増加又は減少させる。シートPと中間転写ベルト29との間のスリップの発生しやすさは、シートPと中間転写ベルト29との間に生じる摩擦力の大きさによって決まる。そこで、本実施形態では、デカール駆動制御部S3が、デカール装置73でのシート搬送速度を、シートPと中間転写ベルト29との間に生じる摩擦力の大きさに応じて、例えば、3段階等の複数段階に調整している。シートPと中間転写ベルト29との間に生じる摩擦力が、小さい場合にはデカールニップ部N3でのシート搬送速度を遅くし、摩擦力が大きい場合にはデカールニップ部N3でのシート搬送速度を速くしている。
なお、本実施形態では、デカール駆動制御部S3が、シートPと中間転写ベルト29との間の摩擦力の大小を、シートPの印刷面における印字率の高低に基づいて判断している。シートPの印刷面における印字率は、画像形成制御部Sによって計算される。画像形成制御部Sが算出した印字率は、図4に示したように、画像形成制御部Sからデカール駆動制御部S3へ伝送される。デカール駆動制御部S3は、受け取った印字率に基づき、シートPと中間転写ベルト29との間の摩擦力の大きさを判断し、判断した摩擦力の大きさに応じて、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を調整している。
(実施例)
次に、デカールローラ80及びデカール対向ローラ81の回転速度が制御されるプリンタ100における印刷結果を、デカール装置73の回転駆動が制御されていない従前のプリンタと比較して説明する。本実施例において、プリンタ100は、A3サイズのシートPを通紙可能であり、プロセス速度は214mm/secである。また、定着装置72における、加圧ローラ42、定着スリーブ41及びヒータ30、並びにデカール装置73における、デカールローラ80及びデカール対向ローラ81の仕様は、それぞれ、次の通りである。
加圧ローラ42については、芯軸部42aとしてφ17.5mmの鉄製芯金を用い、耐熱性弾性層42bとして、厚さ4.45mmのシリコーンゴムを用いた。離型層42cは、耐熱性弾性層42bにPFAのチューブを50μm被覆することによって形成した。定着スリーブ41については、外径が24mmの円筒形状に構成した。また、定着スリーブ41において、基層41aとしては、強度との兼ね合いから厚さ30μmでエンドレス状に形成したSUSスリーブを用いた。弾性層41bとしては、クイックスタートの観点から、極力熱伝導率の高い材質を用いることが望ましいことを考慮して、熱伝導率が約1.0×10−3cal/sec・cm・K、厚さが約270μmのシリコーンゴムを用いた。離型性層41cとしては、厚さ約20μmのPFAチューブを用いた。離型性層41cは、弾性層41bであるシリコーンゴムの外周面に上記PFAチューブを被覆することによって形成されている。ヒータ30については、基板30aとして、熱容量と強度との兼ね合いから厚さ0.6mm、幅9mm、長手サイズ390mmの長方形に形成した窒化アルミを用いた。抵抗発熱体層30bは、厚さ約10μm、長さ310mm、幅5mmに成型されている。絶縁ガラス層30cは、厚さ80μmに形成される。摺動層30dは、厚さ6μmに形成される。
デカールローラ80において、芯軸部80aは、φ10mmの鉄製芯金である。弾性層80bは、アスカーC硬度約30度の発泡シリコーンゴムを用いて厚さ2mmに形成されている。離型層80cは、PFAのチューブを70μm被覆させることによって、形成されている。デカール対向ローラ81において、芯軸部81aは、φ9.5mmの鉄製芯金である。離型層81bは、PFAのチューブを100μm被覆させることによって、形成される。
さらに、本実施例では、シートPの印刷面における印字率0%以上100%以下の範囲を、高い方から、それぞれ、印字率が「高段階」、「中段階」及び「低段階」と3段階に分けている。そして、シートPの印刷面における印字率の段階毎にデカールローラ80及びデカール対向ローラ81によってデカール装置73に形成されるデカールニップ部N3でのシート搬送速度が設定されている。すなわち、デカールニップ部N3でのシート搬送速度は、速い方から、「高速」、「中速」及び「低速」の3段階に設定されている。印字率の段階が高い程、シートPの印刷面における印字率が高くシートPと中間転写ベルト29との間に生じる摩擦力が小さくなるため、シートPと中間転写ベルト29との間のスリップの発生しやすさが高まる。そこで、本実施例では、印字率が「高段階」、「中段階」及び「低段階」の場合、それぞれ、デカールニップ部N3でのシート搬送速度が「低速」、「中速」及び「高速」となるように設定した。
本実施例における、シートPの印刷面の印字率とデカールニップ部N3でのシート搬送速度との関係を下記表1に示す。表1では、表の記載を簡略化する観点から、プロセス速度を「PS」と省略して示している。なお、プロセス速度を「PS」と省略して示している点は、後述する表3及び表4においても同様である。
Figure 2019179225
本実施例におけるシートPの印刷面の印字率については、表1に示したように、印字率の「高段階」、「中段階」及び「低段階」を、それぞれ、印字率が「60%未満」、「60%以上80%未満」及び「80%以上」としている。また、デカールニップ部N3でのシート搬送速度は、上述したように、定着ニップ部N2でのシート搬送速度に対して、引っ張りすぎとならない程度に大きく設定されるのが好ましい。そこで、本実施例では、デカールニップ部N3でのシート搬送速度の段階である、「低速」、「中速」及び「高速」を、それぞれ、「PS(プロセス速度)+1%」、「PS+2%」及び「PS+3%」に設定した。
(比較例)
一方、比較例のプリンタについては、デカール装置に形成されるデカールニップ部でのシート搬送速度がシートPの印刷面の印字率によらず一定である点を除いて実施例と同様である。なお、比較例のプリンタにおけるデカールニップ部でのシート搬送速度は、実施例における印字率が低段階となる、印字率60%未満の場合のシート搬送速度(高速)と同じプロセス速度+3%に設定した。
(印刷結果)
実施例及び比較例の各々について、シートPの印刷面の印字率が、5%、20%、50%、75%、100%となる画像を、それぞれ5枚印刷してデカールニップ部でのシート搬送速度に起因する画像不良の発生状況を確認した。実施例及び比較例の何れについても、印刷には、同じシート、具体的には、坪量80g/mのA3サイズの平滑紙を通紙して用いた。実施例及び比較例における、印刷後のシートPにおける画像不良の発生状況の確認結果を表2に示す。なお、表2に示される「○」(丸印)及び「×」(バツ印)の記号は、画像不良の発生状況の確認結果を示している。具体的には、記号「○」は、画像印刷した全てのシートについて、光沢ムラ等の画像不良が発生しなかったことを示している。記号「×」は、画像印刷した何れかのシートに光沢ムラ等の画像不良が発生したことを示している。
Figure 2019179225
表2に示したように、本実施例では、印字率が5%、20%、50%、75%及び100%の何れの場合においても、印刷した全てのシートについて、光沢ムラ等の画像不良は確認されなかった。一方、比較例では、印字率が75%及び100%の場合において、印刷したシートの何れかに光沢ムラが発生しており、画像不良が確認された。このように、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を、シートPの印刷面における印字率の高低に基づいて調整することによって、デカールニップ部N3でのシート搬送速度に起因する画像不良の発生を低減可能なことが確認できた。
以上、本実施形態によれば、プリンタ100において、シートPにおける印字率に基づいて、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を調整することができる。この結果、プリンタ100では、二次転写ニップ部N1でシート搬送速度が低下した場合においても、デカールニップ部N3でのシート搬送速度が定着ニップ部N2でのシート搬送速度に対して速くなり過ぎないように調整される。従って、プリンタ100において、定着ニップ部N2とデカールニップ部N3との間のシート搬送速度の速度差に起因するシートPの過度の引っ張り合い等の発生を防止することができる。この結果、プリンタ100では、転写部でシート搬送速度の低下が生じた場合であっても、画像不良の発生を低減することができる。
なお、上述した内容は、本実施形態に係る画像形成装置について、本実施形態に係る画像形成装置がプリンタ100の場合を例示して説明した内容であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、像担持体としての感光ドラムを1つ備えたモノクロの複写機又はプリンタでもよい。また、本実施形態において、メディアセンサ77は、プリンタ100に必ずしも設けられている必要はない。さらに、ループ検出部16におけるループセンサ120は、接触式のセンサに限らず、光学センサ等の、シートPの搬送状態を非接触状態で検出可能な非接触式のセンサでもよい。なお、印字率を計算する際に基準となる、シートPの印刷面に設定する所定範囲は、必ずしも印刷面全体である必要はなく、外縁から所定長さをオフセットする等した印刷面の一部領域でもよい。
なお、定着ニップ部N2とデカールニップ部N3との間でシートPが強く引っ張られることを防ぐためには、ループ検出部16の検出結果、すなわち定着モータM2の回転速度の変化に応じて、デカールモータM3の回転速度を変化させる方法も考えられる。つまり、二次転写ニップ部N1においてスリップが発生し、シートPのループ量が小さくなったことがループ検出部16によって検出されると、定着駆動制御部S2は定着モータM2の回転速度を遅くする。これに伴い、デカール駆動制御部S3がデカールモータM3の回転速度も遅くするという方法である。しかし、このような方法では、本発明の課題を解決できない。理由について説明する。
まず、ループ検出部16は二次転写ニップ部N1と定着ニップ部N2の間のループ量を検出しているだけで、実際のシートPの搬送速度を検出することはできない。つまり、ループ検出部16によってシートPのループ量が小さくなったことを検出しても、それが二次転写ニップ部N1におけるスリップが原因なのか、加圧ローラ42の外径が高温のため大きくなったことが原因なのかは判別できない。二次転写ニップ部N1におけるスリップが原因の場合、定着モータM2の回転速度を遅くすると、定着ニップ部N2におけるシートPの搬送速度はプロセス速度よりも遅くなる。そのため、デカールモータM3の回転速度も遅くする必要がある。しかし、加圧ローラ42の外径が高温のため大きくなったことが原因の場合、定着モータM2の回転速度を遅くすると、定着ニップ部N2におけるシートPの搬送速度はプロセス速度に対してほぼ変化しない。そのため、デカールモータM3の回転速度を遅くしてしまうと、定着ニップ部N2とデカールニップ部N3の間でシートPが必要以上にたるんでしまう。シートPが必要以上にたるむと、上述した通り、紙詰まり等の搬送不良、ひいては画像不良の発生につながる。以上の理由から、本実施形態に記載した通り、予めシートPの印刷面における印字率に基づいて、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を調整しておく必要がある。
<第2の実施形態>
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る画像形成装置は、第1の実施形態に係る画像形成装置に対して、デカール装置73を制御する制御部の構成が異なる。すなわち、第2の実施形態と第1の実施形態とでは、デカール駆動制御部S3(図4参照)が有するデカール装置73の制御機能が相違し、デカール装置73に対して行う制御処理内容が相違する。より具体的には、デカール駆動制御部S3が、シートPがシート搬送方向に対して複数の分割された領域を有する場合に、分割された複数の領域の単位でデカールニップ部N3でのシート搬送速度を制御する点で第1の実施形態と相違する。しかしながら、第2の実施形態に係る画像形成装置は、デカール駆動制御部S3以外の構成は第1の実施形態に係る画像形成装置と実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、第1の実施形態と実質的に相違しない構成要素については、図に同一符号を付す、又は図示を省略し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100では、シートPがシート搬送方向に対して複数の分割された領域を有する場合に、複数の分割された領域毎の印字率に基づき、デカールニップ部N3でのシート搬送速度が制御される。より具体的には、図4に示されるデカール駆動制御部S3が、シート搬送方向に複数に分割された領域毎の印字率に基づいてデカールモータM3の回転速度を変更可能に構成されている。つまり、第2の実施形態におけるデカール駆動制御部S3は、第1の実施形態におけるデカール駆動制御部S3に対して、シート搬送方向に複数に分割された領域単位でデカールモータM3の回転速度を制御する機能をさらに有している。
上述した図4と共に図7を参照して、シートPの印刷面に設定する所定範囲が、シート搬送方向に対して複数の領域を有する場合における、デカールニップ部N3でのシート搬送速度の制御の一例を説明する。なお、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度は、表1で示した関係に制御されるものとする。また、図7において、紙面における上下方向、すなわち縦方向が、シート搬送方向であり、図4に示されるシート搬送方向D2に相当している。図7に例示したシートPには、シート搬送方向に分割された4個の領域Ra〜Rdが設定されている。領域Rb、Rc及びRdの各領域における印字率は、それぞれ、100%、60%及び30%である。また、領域Raのシート搬送方向の長さL1は、二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間の長さに相当する(図4参照)。
図4において、図7に例示したシートPがシート搬送方向D2へ搬送される場合、二次転写ニップ部N1、定着ニップ部N2及びデカールニップ部N3において、領域Ra、領域Rb、領域Rc及び領域Rdの順に通過する。シート搬送方向の先端側に位置する領域Raが、二次転写ニップ部N1を搬送されている期間では、シートPの先端は定着ニップ部N2に到着していない。従って、上述したような二次転写ニップ部N1及び定着ニップ部N2間で、シートPが引っ張り合いになることはない。つまり、シートPの先端が定着ニップ部N2に到着するまでの期間においては、デカールニップ部N3でのシート搬送速度の制御は必須ではない。従って、領域Raの印字率については、必ずしも計算を要するものではない。シートPの先端が定着ニップ部N2に到着するまでの期間においては、基準の速度に保たれる。
領域Raに続く領域である、領域Rb、Rc及びRdが、二次転写ニップ部N1を搬送されている期間では、ループ制御が行われているため、二次転写ニップ部N1でスリップが発生し得る。従って、領域Rb、Rc及びRdが二次転写ニップ部N1を搬送されている期間では、デカール駆動制御部S3が、領域Rb、Rc及びRdの各領域における印字率に基づいて、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を制御する。図7に示される領域Rb、Rc及びRdの印字率は、それぞれ、100%、60%及び30%である。デカール駆動制御部S3がデカールモータM3の回転速度を制御することによって、領域Rbが二次転写ニップ部N1を搬送されている期間では、デカールニップ部N3でのシート搬送速度がPS(プロセス速度)+1%に調整される。また、領域Rc及びRdが二次転写ニップ部N1を搬送されている期間では、デカールニップ部N3でのシート搬送速度が、それぞれ、PS+2%及びPS+1%に調整される。
以上、本実施形態によれば、図7に示したような、シートPの印刷面がシート搬送方向に分割された複数の領域を有し、各領域で印字率が異なる場合にも、領域単位でデカールニップ部N3でのシート搬送速度を調整することができる。すなわち、シートPの印字率がシート搬送方向で一様でない場合にも、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を、シート搬送方向に分割された複数の領域毎に適した速度に調整することができ、画像不良の発生を抑えることができる。
<第3の実施形態>
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る画像形成装置は、第1の実施形態に係る画像形成装置に対して、デカール装置73を制御する制御部の構成が異なる。すなわち、第3の実施形態と第1の実施形態とでは、デカール駆動制御部S3(図4参照)が有するデカール装置73の制御機能が相違し、デカール装置73に対して行う制御処理内容が相違する。より具体的には、両面印刷の場合であって、シートPの第1面に続いて第2面を印刷する場合に、印刷面とは反対の面の印字率もデカールモータM3の回転速度を制御するための条件としてさらに考慮する点で、第1の実施形態と相違する。しかしながら、第3の実施形態に係る画像形成装置は、デカール駆動制御部S3以外の構成は第1の実施形態に係る画像形成装置と実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、第1の実施形態と実質的に相違しない構成要素については、図に同一符号を付す、又は図示を省略し、重複する説明を省略する。
第3の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100では、両面印刷の場合であって、シートPの第1面に続いて第2面を印刷する場合に、印刷面とは反対の面(以下、「印刷反対面」とする)の印字率も考慮してシートPが搬送される。より具体的には、図4に示されるデカール駆動制御部S3が、印刷面の印字率と共に印刷反対面の印字率にも基づいてデカールモータM3の回転速度を変更可能に構成されている。つまり、第3の実施形態におけるデカール駆動制御部S3は、第1の実施形態におけるデカール駆動制御部S3に対して、両面印刷におけるシートPの第2面印刷時にデカールモータM3の回転速度を制御する機能をさらに有している。
ここで、両面印刷する場合の第1面の印字率及び第2面の印字率を区別するため、第1面の印字率を「第1面印字率」と呼称し、第2面の印字率を「第2面印字率」と呼称する。すなわち、第1面積比としての第1面印字率は、第1所定範囲としての、第1面に設定した所定範囲における画像形成可能な面積に対する実際にトナー像が形成される面積の面積比である。第2面積比としての第2面印字率は、第2所定範囲としての、第2面に設定した所定範囲における画像形成可能な面積に対する実際にトナー像が形成される面積の面積比である。
両面印刷におけるシートPの第2面印刷時に、印刷反対面である第1面の印字率にも基づいて、デカールモータM3の回転速度を変更するのは、第1面の印字率がシートPのコシの強さに影響を及ぼす点を考慮したものである。既述のように、二次転写ニップ部N1で発生するスリップは、シートPのコシの強さと関係している。印刷済みの第1面の印字率が高い場合、シートPの第1面に定着されたトナー像の影響でシートPのコシは、第1面にトナー像が定着される前、すなわち第1面印刷時よりも強くなっている。従って、第2面印刷時に、二次転写ニップ部N1においてシートPを搬送している場合、二次転写ニップ部N1では、第1面印刷時よりも大きな力がシート搬送方向上流に向かって作用する。この結果、シートPの印刷面である第2面に転写された未定着のトナー像による、シートPの第2面と中間転写ベルト29との摩擦力の低下も相まって第1面印刷時よりも二次転写ニップ部N1におけるスリップが発生しやすい状況となる。
故に、第3の実施形態では、二次転写ニップ部N1におけるスリップ発生をより効果的に低減するため、第2面印刷時において、第2面印字率のみならず第1面印字率にも基づいてデカールモータM3の回転速度が制御される。両面印刷する場合の第2面印刷時における、第1面印字率及び第2面の印字率は、画像形成制御部Sによって、それぞれ、計算される。第1面印字率及び第2面印字率に基づいて制御されるデカール装置73でのシート搬送速度の一例を表3に示す。
Figure 2019179225
このように、両面印刷におけるシートPの第2面印刷時に、第2面印字率のみならず第1面印字率にも基づいて、デカールモータM3の回転速度を制御することによって、第1面に形成される画像による影響を抑えることができる。以上、本実施形態によれば、両面印刷におけるシートPの第2面印刷時に、定着部よりもシート搬送方向下流において、より安定的にシートPを搬送することができる。なお、表3に示した、第1面印字率、第2面印字率及びシート搬送速度の各値は、一例であって、これに限定されるものではなく、プリンタ100に用いられる各部材等の諸条件を考慮して適宜設定される。
<第4の実施形態>
次いで、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る画像形成装置は、第1の実施形態に係る画像形成装置に対して、デカール装置73を制御する制御部の構成が異なる。すなわち、第4の実施形態と第1の実施形態とでは、デカール駆動制御部S3(図4参照)が有するデカール装置73の制御機能が相違し、デカール装置73に対して行う制御処理内容が相違する。より具体的に説明すれば、第4の実施形態は、デカール駆動制御部S3がシートの表面性及び坪量の何れか一方を含むシート属性をデカールモータM3の回転速度を制御するための条件としてさらに考慮する点で、第1の実施形態と相違する。しかしながら、第4の実施形態に係る画像形成装置は、デカール駆動制御部S3以外の構成は第1の実施形態に係る画像形成装置と実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、第1の実施形態と実質的に相違しない構成要素については、図に同一符号を付す、又は図示を省略し、重複する説明を省略する。
第4の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100は、図4に示されるデカール駆動制御部S3が、印字率及びシート属性に基づいてデカールモータM3の回転速度を変更可能に構成されている。つまり、第4の実施形態におけるデカール駆動制御部S3は、第1の実施形態におけるデカール駆動制御部S3に対して、印字率に加えてさらにシート属性についても考慮してデカールモータM3の回転速度を制御する機能をさらに有している。ここで、シート属性は、例えば、シートの表面性、坪量、名称及びサイズ等である。シート属性の情報は、例えば、図1に示されるメディアセンサ77から検出結果を受け取ったり、図示が省略されている入力インターフェイスとしての液晶パネルからユーザが入力したりすることによって、画像形成制御部Sに入力される。
なお、図1に示されるプリンタ100のように、メディアセンサ77を設けた場合、メディアセンサ77の検出結果に基づいてシートPのシート属性を検出することもできる。上述した通り、本実施形態においてメディアセンサ77は超音波センサと光学センサ79を有している。超音波センサにおいて送受信される超音波のピーク値に基づいてシートPの坪量を検出することができる。シートPの坪量に関しては、坪量が小さい程、送信部78aから送信され、シートPを透過し、受信部78bで受信される超音波のピーク値が大きくなる。従って、受信部78bで受信される超音波のピーク値、すなわち送信部78aから送信する超音波のピーク値と受信部78bで受信される超音波のピーク値との減衰比を利用してシートPの坪量を検出する。光学センサ79においてシートPからの反射光を撮像して得られる表面画像の影の割合に基づいてシートPの表面性を検出することができる。シートPの表面性に関しては、シートPの表面が粗い程、光学センサ79において得られる画像の影の割合が多くなることを利用してシートPの表面性を検出する。
なお、このようなメディアセンサ77の検出結果に基づいてシートPのシート属性を検出可能なプリンタ100では、メディアセンサ77の検出結果が示すシート属性とユーザが入力するシート属性とが異なる場合も生じ得る。この場合には、例えば、メディアセンサ77の検出結果及びユーザの入力のうちどちらを優先させるのかを、事前に設定で決めておき、決めておいた設定に従う方を優先させるようにすればよい。優先させる一方を事前に決めておくことで、メディアセンサ77の検出結果が示すシート属性とユーザが入力するシート属性とが異なっていたとしても、決めておいた優先させる一方が示すシート属性が適切に画像形成制御部Sに入力される。また、他の例として、メディアセンサ77の検出結果が示すシート属性とユーザが入力するシート属性とが異なるので、優先させる一方を決定するようユーザに促す旨を出力インターフェイスとしての液晶パネルに表示するようにしてもよい。この例では、ユーザから選択される、検出結果及びユーザの入力のうち優先させる何れか一方が示すシート属性が画像形成制御部Sに入力される。
本実施形態では、シートPを搬送する際に、少なくともシートの表面性及び坪量の何れか一方がシート属性として考慮される。シートPの印刷時に、シート属性にも基づいて、デカールモータM3の回転速度を変更するのは、二次転写ニップ部N1において生じ得るシートPのスリップが、シートP自体の表面性や坪量にも影響されるためである。
シートPの表面性の影響については、シートPの表面粗さが平滑なほど二次転写ニップ部N1においてスリップが生じやすい。従って、シートPが平滑紙や光沢紙(グロス紙)のように、非常に平滑な表面性を有する場合、二次転写ニップ部N1においてスリップが生じやすい。一方、シートPがラフ紙のように、粗い表面性を有する場合、二次転写ニップ部N1においてスリップが生じにくい。また、シートPがラフ紙のように粗い表面性を有する場合には、シートPが未定着トナー像を介した状態であったとしても、中間転写ベルト29との摩擦力はある程度大きくなる。従って、シートPが粗い表面性を有する場合、シートPの印字率が例えば80%以上になる等、印字率が高い画像が形成されるとしても、二次転写ニップ部N1においてスリップが生じにくい。そこで、本実施形態では、シートPの印字率が高い場合であってもシートPが粗い表面性を有する場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度が、過度に遅くならない速度に設定している。これは、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度が遅くなりすぎた場合、定着ニップ部N2とデカールニップ部N3との間において、シートPが過剰にたるむ等、画像不良の原因となる、不安定なシート搬送が生じるのを防ぐためである。
シートPの坪量の影響については、坪量が大きいほどコシが強い。既述のように、シートPのコシが強いほど、シートPがループを形成した際に、ループを解消しようとする力が大きくなる。この結果、シートPの坪量が大きいほど、二次転写ニップ部N1において、シートPがシート搬送方向上流に向かって押し返す力の作用が大きくなる。従って、同じ印字率の画像が印刷される場合であっても、シートPの坪量の大小によって、二次転写ニップ部N1におけるスリップの発生のしやすさは変化する。そこで、本実施形態では、二次転写ニップ部N1におけるスリップ発生をより効果的に低減するため、シートPの印字率が低い場合であっても坪量が大きい場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を遅い速度に設定している。
なお、本実施形態では、シートPの表面性及び坪量の何れか一方に限らず、シートPの表面性及び坪量の両方をシート属性として考慮して、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を設定することができる。具体的には、シートPの印字率、表面性及び坪量を、それぞれ、複数段階に分け、分けた個々の段階に応じた、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を設定する。このようなデカールニップ部N3におけるシート搬送速度の設定により、シートPの印字率、表面性及び坪量がそれぞれ何れの段階に該当しているかに応じた、適切なデカールニップ部N3におけるシート搬送速度を設定することができる。シート属性として表面性及び坪量の両方を考慮した場合のデカールニップ部N3におけるシート搬送速度の設定例を表4に示す。
Figure 2019179225
また、表4における、坪量及び表面性の各枠に振り分けられるシートの具体例を、表5に示す。
Figure 2019179225
表4に示したデカールニップ部N3におけるシート搬送速度の設定例は、シートPの印字率、表面性及び坪量を、それぞれ、3段階、3段階及び2段階に分けたものである。表4に示した例では、シートPの印字率、表面性及び坪量が採り得る段階のパターンは全18通りである。デカールニップ部N3におけるシート搬送速度は、上記18通りのパターン毎に、PS(プロセス速度)+3%、PS+2%、PS+1%及びPS+0%の4段階のうち何れかの速度段階に設定される。上述したように、印字率が低い程、表面性が粗い程、坪量が小さい程、二次転写ニップ部N1におけるスリップは発生しにくくなると考えられる。この点を考慮して、表4に示した例では、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を設定している。デカールニップ部N3におけるシート搬送速度の具体的な設定例は、次の(1)及び(2)で述べる通りである。
(1)坪量が120g/m未満の場合
印字率が60%未満の場合には、表面性が平滑、通常及び粗いの何れの場合においても、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を、上記4段階のうち最も速い速度段階であるPS+3%に設定した。また、印字率が60%以上80%未満であって表面性が通常又は粗い場合、及び印字率が80%以上であって表面性が粗い場合についても、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を、PS+3%に設定した。さらに、印字率が60%以上80%未満であって表面性が平滑の場合、及び印字率が80%以上であって表面性が通常の場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を、上記4段階のうち2番目に速い速度段階であるPS+2%に設定した。また、印字率が80%以上であって表面性が平滑の場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を、上記4段階のうち3番目に速い速度段階にあるPS+1%に設定した。
(2)坪量が120g/m以上の場合
印字率が60%未満であって表面性が粗い場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度をPS+3%に設定した。また、印字率が60%未満であって表面性が通常又は平滑の場合、及び印字率が60%以上80%未満であって表面性が通常又は粗い場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度をPS+2%に設定した。さらに、印字率が60%以上80%未満であって表面性が平滑の場合、及び印字率が80%以上であって表面性が通常又は粗い場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度をPS+1%に設定した。また、印字率が80%以上であって表面性が平滑の場合には、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を、上記4段階のうち最も遅い速度段階にあるPS+0%に設定した。
本実施形態では、シートPの印字率、表面性及び坪量を、それぞれ、複数段階に分け、分けた個々の段階に応じた、デカールニップ部N3におけるシート搬送速度を設定している。この結果、様々な印字率、表面性及び坪量を有するシートPに対して、二次転写ニップ部N1におけるスリップ発生をより効果的に低減することができる。
なお、表4に示した例は、シートPの印刷面が第1面である場合における、デカールニップ部N3でのシート搬送速度の一例である。すなわち、表4に示した例は、片面印刷時及び両面印刷の第1面印刷時に相当する場合に適用される例である。両面印刷時における第2面印刷時には、シート自身のコシの強さ及び第2面よりも先に印刷した第1面の印字率を考慮する必要がある。シート自身のコシが強い場合、第1面に印刷された画像の影響は小さくなる。従って、デカール駆動制御部S3は、シートP自身のコシの強弱に応じて、第1面印字率を考慮するか無視するかを判断して、デカールニップ部N3でのシート搬送速度を制御すればよい。シートPの坪量が第1の坪量としての所定坪量よりも大きく、シートP自身のコシが強い場合、デカール駆動制御部S3は、第1面印字率を無視して第2面印字率に基づいてデカールニップ部N3でのシート搬送速度を制御すればよい。一方、シートPの坪量が第1の坪量よりも小さい第2の坪量を有し、上記所定坪量よりも小さいことから、シートP自身のコシが弱い場合には、第2面印字率と共に第1面印字率も考慮する。すなわち、シートP自身のコシが弱い場合、デカール駆動制御部S3は、第2の実施形態で前述したように、第2面印字率と共に第1面印字率にも基づいてデカールニップ部N3でのシート搬送速度を制御すればよい。
なお、図1に例示したメディアセンサ77は、レジストレーションローラ対15と二次転写ニップ部N1との間に設けられているが、メディアセンサ77は、二次転写ニップ部N1よりもシート搬送方向上流に設けられていればよい。また、本実施形態においてはシートPの表面性及び坪量の両方の属性を検出する構成を前提に説明を行ったが、いずれか一方のみの属性を検出する構成であってもよい。また、シートPの表面性や坪量とは異なる属性を検出する構成であってもよい。例えば、圧電素子でシートPの厚さに関連する情報を取得する接触式のセンサなどを使用してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、上述した例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。例えば、構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置等は、装置の構成や各種条件に応じて、適宜変更等して本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態では、実施形態に係る画像形成装置の一例としてデカール装置73を備えるプリンタ100を説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、排出ローラ対64等、定着装置72よりもシート搬送方向下流に配設される各種の回転体対のシート搬送速度を、デカール装置73の代わりに速度制御してもよい。また、既述のいずれの形態においても、印刷面の印字率に応じてデカール装置73におけるシート搬送速度を制御したが、印字率に加えて、画像濃度を考慮してシート搬送速度を決定してもよい。
1:感光ドラム/2:帯電装置/3:レーザースキャナ/4:現像装置/5:現像ローラ/6:クリーニングブレード/7:画像形成ステーション/8:一次転写ローラ/14:分離ローラ対/15:レジストレーションローラ対/16:ループ検出部/29:中間転写ベルト(像担持体)/30:ヒータ/33:スリーブサーミスタ/34:ヒータサーミスタ/41:定着スリーブ/41a:基層/41b:弾性層/41c:離型性層/42:加圧ローラ/42a:芯軸部/42b:耐熱性弾性層/42c:離型層/61:カセット/62:ピックアップローラ/63:二次転写ローラ/64:排出ローラ対/65:シート積載部/66:搬送ローラ対/67:対向ローラ/68:駆動ローラ/72:定着装置/73:デカール装置(回転体対、デカールローラ対)/77:メディアセンサ/80a:芯軸部/80b:弾性層/80c:離型層/81a:芯軸部/81b:離型層/100:プリンタ(画像形成装置)/120:ループセンサ/121:ループセンサフラグ/121a:接触部/121b:軸部/121c:フラグ部/N1:二次転写ニップ部(転写部)/N2:定着ニップ部(定着部)/N3:デカールニップ部/S:画像形成制御部(制御部)/S2:定着駆動制御部/S3:デカール駆動制御部(制御部)

Claims (6)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体によって担持されるトナー像をシートに転写する転写部と、
    前記転写部によってシートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、
    前記定着部よりも、シート搬送方向における下流に配設される回転体対と、
    トナー像が転写されるシートの印刷面に設定される所定範囲に対する、前記転写部によって前記印刷面にトナー像が形成される面積の比である面積比に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する制御部と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記所定範囲は、前記シート搬送方向に分割された複数の領域を有し、
    前記制御部は、前記転写部の位置における、搬送されるシートの、前記複数の領域毎の前記面積比に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. シートの第1面に続いて前記第1面とは反対の第2面にも印刷する際に、
    前記制御部は、トナー像が転写された前記第1面に設定される第1所定範囲に対する、前記転写部によって前記第1面にトナー像が形成される面積の比である第1面積比と、前記トナー像が転写される前記第2面に設定される第2所定範囲に対する、前記第2面に実際にトナー像が形成される面積の比である第2面積比と、に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、搬送されるシートの表面性及び坪量の何れか一方を含むシート属性に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. シートの第1面に続いて前記第1面とは反対の第2面にも印刷する際に、
    前記制御部は、第1の坪量を有するシートを搬送する場合、トナー像が転写された前記第1面に設定される第1所定範囲に対する、前記転写部によって前記第1面にトナー像が形成される面積の比である第1面積比と、前記トナー像が転写される前記第2面に設定される第2所定範囲に対する、前記転写部によって前記第2面にトナー像が形成される面積の比である第2面積比と、に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御し、
    前記制御部は、前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量を有するシートを搬送する場合、前記第2面積比に基づいて、前記回転体対の回転速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記回転体対は、前記定着部によってトナー像が定着したシートのカールを矯正するデカールローラ対である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
JP2018070177A 2018-03-30 2018-03-30 画像形成装置 Pending JP2019179225A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018070177A JP2019179225A (ja) 2018-03-30 2018-03-30 画像形成装置
US16/295,237 US10712692B2 (en) 2018-03-30 2019-03-07 Image forming apparatus having sheet loop control

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018070177A JP2019179225A (ja) 2018-03-30 2018-03-30 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019179225A true JP2019179225A (ja) 2019-10-17

Family

ID=68056099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018070177A Pending JP2019179225A (ja) 2018-03-30 2018-03-30 画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10712692B2 (ja)
JP (1) JP2019179225A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7513512B2 (ja) 2020-11-26 2024-07-09 シャープ株式会社 画像形成装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022054846A (ja) * 2020-09-28 2022-04-07 キヤノン株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001106380A (ja) 1999-10-05 2001-04-17 Canon Inc シート材搬送装置及び画像形成装置
JP4095406B2 (ja) 2002-11-06 2008-06-04 キヤノン株式会社 加熱定着装置
JP2009113929A (ja) 2007-11-07 2009-05-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 用紙のカール矯正装置、画像形成装置及び後処理装置
JP5173464B2 (ja) 2008-02-08 2013-04-03 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP5501009B2 (ja) * 2009-01-30 2014-05-21 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2010253726A (ja) 2009-04-22 2010-11-11 Riso Kagaku Corp 画像形成装置
JP5383424B2 (ja) * 2009-10-20 2014-01-08 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP5538866B2 (ja) 2009-12-22 2014-07-02 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2011133524A (ja) 2009-12-22 2011-07-07 Canon Inc 画像形成装置
JP5303526B2 (ja) 2010-08-31 2013-10-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP5865872B2 (ja) * 2013-06-28 2016-02-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7513512B2 (ja) 2020-11-26 2024-07-09 シャープ株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20190302659A1 (en) 2019-10-03
US10712692B2 (en) 2020-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8630572B2 (en) Fixing device and image forming apparatus including same
JP5852332B2 (ja) 画像加熱装置
US8526871B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
US8346146B2 (en) Belt driving device, fixing device, and image forming apparatus
JP2016142987A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6395488B2 (ja) 定着装置
US7263305B2 (en) Image heating apparatus and fixing apparatus
JP4706395B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2019179225A (ja) 画像形成装置
JP2017021173A (ja) 加熱定着装置および画像形成装置
JP2019056814A (ja) 画像形成装置および定着装置
JP2010204510A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2007272031A (ja) 画像形成装置
JP4696846B2 (ja) 定着装置
JP2008040314A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7358069B2 (ja) 加圧装置及び定着装置
JP4857708B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2019045808A (ja) 画像加熱装置
JP7229660B2 (ja) 画像形成装置
JP6494590B2 (ja) 画像形成装置
JP7267726B2 (ja) 画像形成装置
JP2017026811A (ja) 画像形成装置
US10890867B2 (en) Image forming apparatus capable of increasing gloss of an image
JP2020118936A (ja) 画像形成装置
US11281136B2 (en) Image forming apparatus having a delayed image forming mode

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20200207