JP2019172961A - 接着性樹脂組成物、フッ素系樹脂接着用フィルム、積層体、及び積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、ブテン含有エチレン系重合体を含むポリエチレン系樹脂(A)、スチレン系エラストマー(B)及びエポキシ化ポリブタジエン(C)を含む接着性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
特許文献3には、エチレン系重合体と25℃で液状であるエポキシ変性ジエン共重合体とからなる押出ラミネート用樹脂組成物が記載されている。
特許文献4には、オレフィン系樹脂とゴム状重合体とアクリルグラフト共重合体からなるオレフィン系樹脂とフッ素系樹脂の接着性を有する共押出成形に好適な樹脂組成物を用いた積層体が記載されている。
上記に加えて、特許文献1〜3に記載の接着性樹脂は、すべてフッ素系樹脂との接着性が不十分であるという問題があった。
[1]少なくともブテン含有エチレン系重合体を含むポリエチレン系樹脂(A)、スチレン系エラストマー(B)及びエポキシ化ポリブタジエン(C)を含む接着性樹脂組成物。
[2] 前記ポリエチレン系樹脂(A)が、エチレン−ブテン1共重合体(A1)と、前記ポリエチレン系樹脂(A1)とは異なるポリエチレン系樹脂(A2)の混合物である、[1]に記載の接着性樹脂組成物。
[3]前記ポリエチレン系樹脂(A2)(ただし、エチレン−ブテン1共重合体(A1)に該当するものを除く)の密度が、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂である、[2]に記載の接着性樹脂組成物。
[4]前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量が50質量部以上80質量部以下、前記スチレン系エラストマー(B)の含有量が20質量部以上50質量部以下含有し、前記ポリエチレン系樹脂(A)と前記スチレン系エラストマー(B)の合計量100質量部に対する前記エポキシ化ポリブタジエン(C)の含有量が、0.1質量部以上0.9質量部以下である、[1]に記載の接着性樹脂組成物。
[5]前記エチレン−ブテン1共重合体(A1)の含有量が3質量部以上22質量部以下、前記ポリエチレン系樹脂(A2)の含有量が32質量部以上72質量部以下、前記スチレン系エラストマー(B)の含有量が20質量部以上50質量部以下の合計量100質量部に対する前記エポキシ化ポリブタジエン(C)の含有量が、0.1質量部以上0.9質量部以下である、[2]又は[3]に記載の接着性樹脂組成物。
[6]前記エポキシ化ポリブタジエン(C)が、1,2−ポリブタジエンにエポキシを部分的に導入したものであり、かつ数平均分子量が500以上4,000以下である[1]〜[5]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。
[7]前記スチレン系エラストマー(B)が、スチレン含有率が8質量%以上20質量%以下であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物から形成された、単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルム。
[9][1]〜[7]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物から形成された層を有する積層体。
[10][9]に記載の積層体の製造方法であって、下記(1)〜(3)のいずれか1つの積層体の製造方法。
(1)前記接着性樹脂組成物から形成される層を溶融押出し、単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルムを得る工程と、前記フッ素系樹脂接着用フィルムの両側にフィルムを積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(2)前記接着性樹脂組成物から形成される層を、基材となるフィルム上に溶融押出し、基材/接着剤層の積層体を得る工程と、さらに合わせ材を、基材/接着剤層/合わせ材となるように積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(3)基材の原料となる樹脂と、前記接着性樹脂組成物を同時に溶融押出成形する工程を有する、積層体の製造方法。
本発明の接着性樹脂組成物は、フッ素系樹脂の接着に用いられる。例えば、フッ素系樹脂フィルム同士を積層する場合のフィルム同士の接着、又は、フッ素系樹脂フィルムとフッ素系樹脂以外の他の樹脂フィルムを積層する場合のフィルム同士の接着に好適に用いることができる。
本発明の接着性樹脂組成物が、フッ素系樹脂の接着に好適に用いられ、フッ素系樹脂フィルムの良好な接着が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
接着剤組成物の「海」相を構成する成分(A)のポリエチレン系樹脂に含まれるブテン含有エチレン系重合体の作用により、接着力を発揮する成分である成分(C)のエポキシ化ポリブタジエンが、成分(B)のスチレン系エラストマーに偏って分散することなく、接着剤組成物中に均一に分散していると考えられる。これにより、成分(C)に基づく高い接着力の発現を可能にしていると推測される。
以下、各成分について具体的に説明する。
成分(A)は、本発明の接着性樹脂組成物において、主材となる成分である。
成分(A)の、少なくともブテン含有エチレン系重合体を含むポリエチレン系樹脂は、ブテンモノマーを共重合成分として含有するエチレン系重合体単体であるか、または、ブテンモノマーを共重合成分として含有するエチレン系重合体と、それ以外のポリエチレン系樹脂との組成物であれば、限定されるものではない。
成分(A)中のブテン含有率が、上記下限値以下であると安定した粘着力を維持できない虞があり、また、上記上限値以上であると、良好な加工性が得られない虞がある。
成分(A)に含まれるブテン含有エチレン系重合体としては、エチレンーブテン1共重合体(以下、「成分(A1)」と記載する)が好ましい。
ブテン1含有率が、上記下限値以上であると、形成した接着剤層に良好な粘着力を付与できる。また、ブテン1含有率が、上記上限値以下であると、安定した成形加工性を付与できる。
上記それ以外のポリエチレン系樹脂としては、バイオマスポリエチレン、石油由来のポリエチレン、両者の混合物のいずれでもよい。
メタセロン系触媒により重合されたポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭い傾向にある。このため接着阻害要因となりうる低分子量成分が少なく、接着剤として用いた場合に高い接着性が得られると考えられる。
前記それ以外のポリエチレン系樹脂として、種々のポリエチレン系樹脂を適用することにより、接着性樹脂組成物の特性、接着性の他、成形加工性等を調整できる。成分(A)としては、ブテンモノマーを共重合成分として含有するエチレン系重合体と、それ以外のポリエチレン系樹脂との組成物とすることが、好ましい。
また、前記それ以外のポリエチレン系樹脂の密度としては、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下が好ましく、0.905cm3以上0.925g/cm3以下がより好ましい。前記それ以外のポリエチレン系樹脂の密度が上記上限値以下であると、形成する接着材層の硬化を抑制でき、柔軟性を付与できることから、高い接着力を維持できる。
成分(A)の含有量が上記上限値以下であると、形成する接着材層の硬化を抑制でき、高い接着力を維持できる。
また、成分(A)がブテン含有エチレン系重合体以外のポリエチレン系樹脂を含む場合、ブテン含有エチレン系重合体は、それ以外のポリエチレン系樹脂と相溶する成分であることが好ましい。本願発明の接着性樹脂組成物は、それにより、当該接着性樹脂組成物から形成されてなる接着剤層中において、主成分である樹脂成分(A)に、成分(C)を均一に分散させることができるものである。
成分(A1)の含有量が上記上限値以下であると、形成した接着剤層の弾性率が上がりすぎず、高い接着力を維持できる。
本実施形態において、成分(B)は、接着剤層に粘着力を付与する成分である。
本実施形態において、スチレン系エラストマー成分としては、例えば、ポリスチレン等からなるハードセグメントと、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等からなるソフトセグメントとを有するブロック共重合体が挙げられる。スチレン系エラストマーに使用可能なスチレン系重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン共重合体等の芳香族オレフィン−脂肪族オレフィンの共重合体が挙げられる。
また、そのスチレン含有率は8質量%以上20質量%以下であることが好ましく、10質量%以上16質量%以下がより好ましい。
スチレン含有率が上記上限値以下であると、樹脂の硬化を抑制でき、接着性の低下を抑制できる。
成分(B)の含有量が上記上限値以下であると、接着剤層を形成したときの引張強度の低下を抑制し、接着強度の低下を防止できる。
本実施形態において、成分(C)はエポキシ化ポリブタジエンであり、ブタジエンを部分的にエポキシ化した、エポキシ化ポリブタジエンが好ましい。本実施形態においては、1,2−ポリブタジエンを部分的にエポキシ化したものが特に好ましい。
本実施形態において、成分(C)中のエポキシ基はフッ素系樹脂のフッ素成分と相溶し、フッ素系樹脂と接着できる。エポキシ基を有することから、成分(C)を含むことにより金属材料との接着も可能となる。
成分(C)の数平均分子量は500以上4,000以下であることが好ましく、800以上2,500以下がより好ましい。
成分(C)の数平均分子量が上記上限値以下であると、常温で固形状態となることによる粘着性の低下を抑制でき、接着性の低下を防止できる。
本発明において数平均分子量は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)によって測定されるポリスチレン換算の値とする。
本実施形態においては、前記成分(A)及び前記成分(B)の総量100質量部に対する、成分(C)の含有量は0.1質量部以上0.9質量部以下が好ましく、0.3質量部以上0.7質量部以下がより好ましい。
成分(C)の含有量が上記上限値以下であると、接着阻害の要因となる接着剤組成物中の低分子成分を低減できる。
本実施形態の接着性樹脂組成物は、成分(A)が「海」、成分(B)、成分(C)がそれぞれ「島」に相当する、いわゆる海島構造を形成すると考えられる。さらに、成分(A)に含まれるブテン含有エチレン系重合体に成分(C)が相溶することにより、成分(C)を接着性樹脂組成物中に均一に分散させることができる。加えて、成分(B)にも成分(C)が相溶することにより、成分(C)を接着性樹脂組成物中に均一に分散させることができる。接着力を発揮する成分(C)が接着剤層中、全体により均一に分散するため、当該接着剤層は、高い接着力を発揮できると考えられる。
さらに、成分(C)中のエポキシ基が、成分(A)及び成分(B)で保護され、水分によるエポキシ基の開環を抑制できると推察される。
本発明は、前記本発明の接着性樹脂組成物から形成された、フッ素系樹脂接着用フィルム及び積層体を提供する。
本発明のフッ素系樹脂接着用フィルムは、前記本発明の接着性樹脂組成物から形成された、単層構成のフィルムである。本実施形態において「フィルム」とは、溶融成形により成形することが可能な面方向の広がりを有する平板な成形体であって、極薄の厚みを有するものから肉厚のもの(いわゆるシート状のもの)までを含む。
単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルムの製造方法は特に限定されず、インフレーション成形法、Tダイ成形法による、単層押出法によって製造することができる。
本発明の積層体は、基材の少なくとも片面に本発明の接着性樹脂組成物からなる層が積層されている。
本発明の積層体の断面の模式図を図1に示す。図1の、積層体1は、接着剤層10と、フッ素系樹脂フィルム11と、樹脂フィルム12とからなる。
本発明の積層体は、下記(1)〜(3)のいずれ1つの積層体の製造方法により製造することが好ましい。
(1)前記接着性樹脂組成物から形成される層を溶融押出し、単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルムを得る工程と、前記フッ素系樹脂接着用フィルムの両側にフィルムを積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(2)前記接着性樹脂組成物から形成される層を、基材となるフィルム上に溶融押出し、基材/接着剤層の積層体を得る工程と、さらに合わせ材を、基材/接着剤層/合わせ材となるように積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(3)基材の原料となる樹脂と、前記接着性樹脂組成物を同時に溶融押出成形する工程を有する、積層体の製造方法。
上記(2)の製造方法において、Tダイ成形法を用いる場合であれば、基材上に樹脂を押し出す押出ラミネート法、基材と合わせ材の間に樹脂を押し出すサンドラミネート法といった方法を使用しても良い。
本発明の接着性樹脂組成物を押し出す基材は、上述のフッ素系樹脂材料又はフッ素系樹脂以外の樹脂材料のいずれであってもよいが、フッ素系樹脂以外の樹脂材料の方がより好ましい。
基材として、フッ素系樹脂以外の樹脂材料を用いる場合には、合わせ材料としてフッ素系樹脂をセッティングし積層化することで、フッ素系樹脂以外の樹脂材料と、接着剤層と、フッ素系樹脂とが積層されたフィルムを製造することができる。
例えば、酸変性エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体のように融点が200℃以下で、且つ溶融押出できるフッ素系樹脂を用いる場合、共押出法によって本発明の接着性樹脂組成物の隣接層として同時に溶融押出してもよい。
「成分(A2)−1」・・・エクセレンGMH GH030(メタロセン重合長鎖分岐ポリエチレン、ρ=0.912g/cm3、Tm=101℃、MFR=0.5g/10min(190℃、2.16kgf) 住友化学(株)製)
「成分(A2)−2」・・・ペトロセン 175K(低密度ポリエチレン、ρ=0.922g/cm3、Tm=109℃、MFR=0.6g/10min(190℃、2.16kgf) 東ソー(株)製)
「成分(A1)−1」・・・エチレン−ブテン1共重合体(ρ=0.864g/cm3、Tm=41℃、MFR=3.6g/10min(190℃、2.16kgf)、エチレン含有率80モル%、ブテン1含有率20モル%)
「成分(A1)−2」・・・エチレン−ブテン1共重合体(ρ=0.885g/cm3、
Tm=66℃、MFR=3.6g/10min(190℃、2.16kgf)、エチレン含有率90モル%、ブテン1含有率10モル%)
「成分(B)−1」・・・スチレン含有率12質量%、ρ=0.890g/cm3、MFR=4.5g/10min(230℃、2.16kgf)
「成分(B)−2」・・・スチレン含有率13質量%、ρ=0.900g/cm3、MFR=22g/10min(230℃、5kgf)
「成分(C)−1」・・・1,2−エポキシ化ポリブタジエン、ρ=0.99g/cm3、Mn=1,000
「成分(C)−2」・・・1,2−エポキシ化ポリブタジエン、Mn=1,300
表1に示す、実施例1〜12、比較例1〜6のそれぞれの接着性樹脂組成物を、加熱し溶融混合したのち、Tダイ押出機により製膜し、膜厚50μmの溶融混合フィルムを接着剤層単層のフィルム(溶融混合フィルム10)として製造した。
剥離強度測定について、図2を用いて説明する。
製造した溶融混合フィルム10を用い、フッ素系樹脂フィルム11、溶融混合フィルム10、被着フィルム12の順で3層に積層した下記の積層体1〜4を、縦50mm、横15mmの短冊状に切りだし、試験片とした。
さらにそれぞれその上下を膜厚50μmのPTFEシートで挟み、この試験片の端から10mmをヒートシールした。ヒートシール条件は、シール温度240℃、圧力0.4MPa、加熱時間3秒とした。
引張速度は300mm/分、幅15mmにて測定を実施した。
試験に用いたフッ素系フィルム、溶融混合フィルム、被着フィルムと、積層順は下記の通りである。
積層体1;MAH−ETFE/接着剤層(検討樹脂)/PP
積層体2;PCTFE/接着剤層(検討樹脂)/PP
積層体3;PCTFE/接着剤層(検討樹脂)/PCTFE
積層体4;PCTFE/接着剤層(検討樹脂)/PET
MAH−ETFE・・・フッ素系樹脂フィルム。フルオンLH−8000(ρ=1.75g/cm3、Tm=180℃、MFR=4g/10min(230℃、2.16kgf)、旭硝子(株)製)を50μmフィルムに自社押出機で作製し使用。
PP・・・ポリプロピレンフィルム。サンアロマーPS522M(ρ=0.9g/cm3、MFR=4.9g/10min(230℃、2.16kgf)を50μmフィルムに自社押出機で作製し使用。
PCTFE・・・ポリクロロフルオロエチレンフィルム DF0050−C1。(51μm)(ダイキン工業(株)製)を購入し使用。
PET・・・ポリエチレンテレフタレートフィルム。ポリエステルフィルムE5001(250μm、未処理)(東洋紡(株)製)を購入し使用。
・界面剥離;剥離が接着剤層とフッ素系樹脂フィルムの間(界面)で起こったもの。
・接着剤層凝集破壊;剥離が接着剤層内部で起こり、接着剤の一部が被着フィルムに残ったもの。
・PP破断;接着強度が非常に強く剥離せず、試験片中央で破断したもの。
・PCTFE引張側エッジ切れ;接着強度が非常に強く剥離せず、試験片付け根で破断したもの。
・PCTFE破断;接着強度が非常に強く剥離せず、試験片中央で破断したもの。
PE単体の比較例1では、フッ素系樹脂だけでなく、ポリプロピレンとも接着しないため剥離強度が非常に低い結果となった。
PEにエポキシ化ポリブタジエンのみを配合した比較例2は、PE単体の比較例1よりも剥離強度が高く、またPCTFE/PET間の剥離強度も比較的高い値を示したが、総合的に実施例1〜12よりも、剥離強度と剥離外観が良好ではなかった。
スチレン系エラストマーを添加しなかった比較例3において、上下被着材料が同じ積層体3は実施例1〜12と同等以上の剥離強度を示したが、上下被着材料が異なる積層体1、2、4においては、実施例1〜12よりも剥離強度が低かった。
また、同様にスチレン系エラストマーを添加しなかった比較例4、比較例5においては、積層体1、2においては剥離強度が高く、実施例1〜12とも近い値を示したが、比較例4では積層体3、4における剥離強度が低く、比較例5では積層体4における剥離強度が低く、実施例1〜12に及ばなかった。
エポキシ化ポリブタジエンを添加しなかった比較例6においては、積層体4の剥離強度は非常に高かったが、積層体1〜3においては、剥離強度が実施例1〜12には及ばなかった。
Claims (10)
- 少なくとも、ブテン含有エチレン系重合体を含むポリエチレン系樹脂(A)、スチレン系エラストマー(B)及びエポキシ化ポリブタジエン(C)を含む接着性樹脂組成物。
- 前記ポリエチレン系樹脂(A)が、エチレン−ブテン1共重合体(A1)と、前記ポリエチレン系樹脂(A1)とは異なるポリエチレン系樹脂(A2)の混合物である、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
- 前記ポリエチレン系樹脂(A2)(ただし、エチレン−ブテン1共重合体(A1)に該当するものを除く)の密度が、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂である、請求項2に記載の接着性樹脂組成物。
- 前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量が50質量部以上80質量部以下、前記スチレン系エラストマー(B)の含有量が20質量部以上50質量部以下含有し、前記ポリエチレン系樹脂(A)と前記スチレン系エラストマー(B)の合計量100質量部に対する前記エポキシ化ポリブタジエン(C)の含有量が、0.1質量部以上0.9質量部以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 前記エチレン−ブテン1共重合体(A1)の含有量が3質量部以上22質量部以下、前記ポリエチレン系樹脂(A2)の含有量が32質量部以上72質量部以下、前記スチレン系エラストマー(B)の含有量が20質量部以上50質量部以下の合計量100質量部に対する前記エポキシ化ポリブタジエン(C)の含有量が、0.1質量部以上0.9質量部以下である、請求項2又は3に記載の接着性樹脂組成物。
- 前記エポキシ化ポリブタジエン(C)が、1,2−ポリブタジエンにエポキシを部分的に導入したものであり、かつ数平均分子量が500以上4,000以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマー(B)が、スチレン含有率が8質量%以上20質量%以下であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物から形成された、単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物から形成された層を有する積層体。
- 請求項9に記載の積層体の製造方法であって、下記(1)〜(3)のいずれか1つの積層体の製造方法。
(1)前記接着性樹脂組成物から形成される層を溶融押出し、単層構成のフッ素系樹脂接着用フィルムを得る工程と、前記フッ素系樹脂接着用フィルムの両側にフィルムを積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(2)前記接着性樹脂組成物から形成される層を、基材となるフィルム上に溶融押出し、基材/接着剤層の積層体を得る工程と、さらに合わせ材を、基材/接着剤層/合わせ材となるように積層させて熱圧着させて積層体を得る工程を有する、積層体の製造方法。
(3)基材の原料となる樹脂と、前記接着性樹脂組成物を同時に溶融押出成形する工程を有する、積層体の製造方法。
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