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JP2019172902A - 研磨用組成物、研磨方法 - Google Patents

研磨用組成物、研磨方法 Download PDF

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JP2019172902A
JP2019172902A JP2018065202A JP2018065202A JP2019172902A JP 2019172902 A JP2019172902 A JP 2019172902A JP 2018065202 A JP2018065202 A JP 2018065202A JP 2018065202 A JP2018065202 A JP 2018065202A JP 2019172902 A JP2019172902 A JP 2019172902A
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中村 康行
Yasuyuki Nakamura
康行 中村
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Fujimi Inc
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Abstract

【課題】タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨する研磨用組成物として、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くでき、経時的な安定性が高く、研磨時のキャリア鳴きも抑制できるものを提供する。【解決手段】この発明の研磨用組成物は、コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水を含有し、コロイダルシリカ、アミン化合物、および水の合計量に対するコロイダルシリカの量の割合が5質量%以上50質量%以下であり、この合計量に対する水酸基を有するアミン化合物の量の割合が0.01質量%以上5質量%以下である。【選択図】なし

Description

この発明は、研磨用組成物および研磨方法に関する。
タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨するための研磨用組成物としては、特許文献1〜5に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、研磨粒子として平均粒子径100nm以下のコロイダルシリカを含み、添加剤としてクエン酸化合物と硫酸塩を含有し、クエン酸化合物の添加量がコロイダルシリカに対して0.01〜0.12mol/Lである研磨用スラリーが記載されている。このスラリーは、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くする(例えば、表面粗さを小さくする)こともできるが、経時的に増粘することがある。
特許文献2には、粒子径の異なる二種類のシリカと、エチレンジアミン四酢酸等のキレート性化合物を含む研磨用組成物が記載されている。この組成物は、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くすることもできるが、経時的に増粘することがある。
特許文献3には、研磨材と、グルコン酸カリウム等のアルドース誘導体と、水とを含有する研磨用組成物が記載されている。この組成物は、経時的に増粘することがないため安定性が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くすることもできるが、近年の高い研磨速度の要求に対応できるものではない。
特許文献4には、水および研磨粒子の他に、フタル酸やコハク酸等の有機酸を研磨促進剤として含む酸性の研磨スラリーが記載されている。このスラリーは、経時的に増粘しないため安定性が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くすることもできるが、近年の高い研磨速度の要求に対応できるものではない。
特許文献5には、タンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶などの酸化物単結晶を精密研磨した場合、キュッキュという摩擦音を発生する「キャリア鳴き」と呼ばれる微細振動が生じるとの記載がある。そして、このキャリア鳴きを抑制できる研磨用組成物として、水、平均粒径が10〜100nmのコロイダルシリカ、および水溶性高分子化合物(多糖類、ポリカルボン酸およびそのエステル、ポリアルキレングリコールなど)、およびキレート性化合物(エチレンジアミン四酢酸など)を含有する研磨剤組成物が提案されている。
特許文献5の研磨用組成物は、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くすることもできるが、コロイダルシリカが経時的に凝集し、沈降して分離することがある。
なお、特許文献1〜4に記載された研磨用組成物では、研磨時にキャリア鳴きが発生することがある。
特開2017−48359号公報 特開2007−321159号公報 特開2006−150482号公報 特開2003−306669号公報 特開2015−227410号公報
上述のように、先行技術の研磨用組成物はいずれも、研磨速度が高いこと、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くできること、研磨時にキャリア鳴きが発生しないこと、および経時的な安定性(増粘したり分離したりしない性質)が高いこと、の全てを満たすものにはなっていない。
この発明の課題は、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨する研磨用組成物として、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くでき、経時的な安定性が高く、研磨時のキャリア鳴きも抑制できるものを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、下記の構成(1)〜(3)を有する研磨用組成物を提供する。
(1)コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水を含有する。
(2)コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水の合計量(Mt1)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt1)が5質量%以上50質量%以下である。
(3)合計量(Mt1)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt1)が、0.01質量%以上5質量%以下である。
この発明の第二態様は、下記の構成(11)〜(14)を有する研磨用組成物を提供する。
(11)コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水を含有する。
(12)コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水の合計量(Mt2)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt2)が、5質量%以上50質量%以下である。
(13)合計量(Mt2)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt2)が、0.01質量%以上5質量%以下である。
(14)合計量(Mt2)に対するカルボキシル基を有する化合物の量(Mc)の割合(Mc/Mt2)が0.01質量%以上5質量%以下である。
この発明によれば、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨する研磨用組成物として、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くでき、経時的な安定性も高く、研磨時のキャリア鳴きも抑制できるものが提供される。
また、この発明の研磨用組成物を用いて、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる基板表面を研磨することで、研磨速度を高くできるとともに、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くすることができ、研磨時のキャリア鳴きも抑制できる。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
第一実施形態の研磨用組成物は、コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水を含有する。コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水の合計量(Mt1)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt1)が5質量%以上50質量%以下である。合計量(Mt1)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt1)が、0.01質量%以上5質量%以下である。
第一実施形態の研磨用組成物を用いて、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨することにより、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くできるとともに、経時的な安定性が高く、研磨時のキャリア鳴きも抑制できる。
研磨用組成物の経時的安定性に関しては、第一実施形態の研磨用組成物が、研磨時のキャリア鳴きを抑制する成分として、水酸基を有するアミン化合物を含有することで、キサンタンガムなどの水溶性高分子化合物を含有する場合と比較して、経時的に分離することが抑制される。
水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt1)が、0.01質量%未満であると、キャリア鳴きを抑制する効果が実質的に得られない。水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt1)が5質量%を超えると、高い研磨速度(例えば、13μm/時間を超える速度)が得られない傾向にある。
コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水を含有する研磨用組成物において、コロイダルシリカの割合(Ms/Mt1)が5質量%未満であると、この研磨用組成物でタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨する際に、高い研磨速度(例えば、13μm/時間を超える速度)が得られない傾向にある。コロイダルシリカの割合(Ms/Mt1)が50質量%より多いと、水の割合が50質量%未満となるため、研磨用組成物の分散安定性が不十分になる傾向にある。
水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt1)の好ましい範囲は、0.03質量%以上4質量%以下であり、より好ましい範囲は、0.05質量%以上3質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、0.08質量%以上2質量%以下である。
コロイダルシリカの割合(Ms/Mt1)の好ましい範囲は、10質量%以上50質量%以下であり、より好ましい範囲は、10質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、15質量%以上45質量%以下である。
[第二実施形態]
第二実施形態の研磨用組成物は、コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水を含有する。コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水の合計量(Mt2)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt2)が、5質量%以上50質量%以下である。合計量(Mt2)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt2)が、0.01質量%以上5質量%以下である。合計量(Mt2)に対するカルボキシル基を有する化合物の量(Mc)の割合(Mc/Mt2)が0.01質量%以上5質量%以下である。
第二実施形態の研磨用組成物を用いて、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨することにより、研磨速度が高く、研磨後の研磨対象物の表面品質を高くできるとともに、経時的な安定性が高く、研磨時のキャリア鳴きも抑制できる。
第二実施形態の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物を含有することで、第一実施形態の研磨用組成物よりも研磨速度を高くすることができる。
研磨用組成物の経時的安定性に関しては、第二実施形態の研磨用組成物が、研磨時のキャリア鳴きを抑制する成分として、水酸基を有するアミン化合物を含有することで、キサンタンガムなどの水溶性高分子化合物を含有する場合と比較して、経時的に分離することが抑制される。
水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が、0.01質量%未満であると、キャリア鳴きを抑制する効果が実質的に得られない。水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が5質量%を超えると、高い研磨速度(例えば、13μm/時間を超える速度)が得られない傾向にある。
コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水を含有する研磨用組成物において、コロイダルシリカの割合(Ms/Mt2)が5質量%未満であると、この研磨用組成物でタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶からなる基板表面を研磨する際に、高い研磨速度(例えば、13μm/時間を超える速度)が得られない傾向にある。コロイダルシリカの割合(Ms/Mt2)が50質量%より多いと、水の割合が50質量%未満となるため、研磨用組成物の分散安定性が不十分になる傾向にある。
カルボキシル基を有する化合物の割合(Mc/Mt2)が0.01質量%未満であると、カルボキシル基を有する化合物を添加することによる効果が実質的に得られず、5質量%を超えると、添加量に見合った効果が得られなかったり、研磨用組成物の分散安定性が不十分になったりする傾向にある。
水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)の好ましい範囲は、0.03質量%以上4質量%以下であり、より好ましい範囲は、0.05質量%以上3質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、0.08質量%以上2質量%以下である。
コロイダルシリカの割合(Ms/Mt2)の好ましい範囲は、10質量%以上50質量%以下であり、より好ましい範囲は、10質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、15質量%以上45質量%以下である。
カルボキシル基を有する化合物の割合(Mc/Mt2)の好ましい範囲は、0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましい範囲は、0.05質量%以上4質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、0.1質量%以上3質量%以下である。
第一および第二実施形態の研磨用組成物のpHは7以上12以下であることが好ましい。pHが7未満であると、研磨用組成物の分散安定性が不良になる場合があり、pHが12を超えるとコロイダルシリカが溶解する可能性がある。pHのより好ましい範囲は8以上12以下、さらに好ましい範囲は8以上11以下である。
[研磨用組成物の構成成分について]
コロイダルシリカとしては、動的光散乱法により測定される累計の50%粒子径が15nm以上100nm以下であるものを用いることが好ましく、25nm以上80nm以下であるものを用いることがより好ましい。コロイダルシリカの粒子径が小さすぎると研磨能力が低下し、大きいと製造コストが高くなる。なお、コロイダルシリカの動的光散乱法による累計の50%粒子径の測定には、例えば日機装株式会社製のUPA−151を用いることができる。
水酸基を有するアミン化合物としては、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、n−プロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン等の1級アミノ基を有するアミン化合物、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−シクロヘキシルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の2級アミノ基を有するアミン化合物、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の3級アミノ基を有するアミン化合物が挙げられる。
水酸基を有するアミン化合物は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる基板やキャリア表面に吸着し、基板やキャリアと研磨パッド間の摩擦を低減することでキャリア鳴きを抑制することができる。
水酸基を有するアミン化合物としては、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる基板表面への吸着性が高い点から、1級アミノ基を有するアミン化合物、2級アミノ基を有するアミン化合物が好ましく、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンがより好ましい。
カルボキシル基を有する化合物は、アミノカルボン酸化合物であることが好ましい。
アミノカルボン酸化合物としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する化合物のアミノカルボン酸化合物以外の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、n−ヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、グリコール酸、安息香酸、サリチル酸、無水トリメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、酒石酸、クエン酸、トリメシン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物は、そのまま使用してもよく、塩基性化合物との塩として使用してもよい。カルボキシル基を有する化合物の塩基性化合物との塩は、市販されているものをそのまま使用してもよく、カルボキシル基を有する化合物と塩基性化合物とを個別に添加して使用してもよい。塩基性化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、アミン化合物、およびこれらの水溶液などが挙げられる。
水は、研磨用組成物中の水以外の成分を分散又は溶解する媒質としての役割を担う。水は、工業用水、水道水、蒸留水、又はそれらをフィルター濾過したものであってもよく、不純物をできるだけ含有しないことが好ましい。
第一態様および第二態様の研磨用組成物は、コロイダルシリカ以外の研磨材として、コロイダルシリカに加えてアルミナ、フュームドシリカ、非晶質シリカパウダーなどを含有してもよい。
第一態様および第二態様の研磨用組成物は、pH調整剤、防カビ剤、界面活性剤等をさらに含有してもよい。
pH調整剤は、硫酸や塩酸、硝酸、リン酸、炭酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸であってもよいし、無機酸又は有機酸の塩であってもよい。また、pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのアルカリ化合物であってもよい。
防カビ剤は、窒素及び硫黄を含有する有機系防カビ剤であることが好ましい。研磨用組成物中の防カビ剤の含有量は、好ましくは0.001質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。
界面活性剤は、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤のいずれであってもよい。界面活性剤は、研磨用組成物中の研磨材の分散性を向上させる作用を有する。
実施例1〜9および比較例1〜9として、表1に示す組成の研磨用組成物を調製した。
[研磨用組成物の調製]
<実施例1>
200mL容量の樹脂製カップに、水を18.5g、モノエタノールアミン(水酸基を有するアミン化合物)を1.5g、動的光散乱法による累計の50%粒子径(D50)が69nmである固形分濃度50質量%のコロイダルシリカを80g(固形分として40g)入れて、室温で30分間撹拌することにより、研磨用組成物を得た。
この研磨用組成物のコロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水の合計量(Mt1)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt1)は40質量%である。また、合計量(Mt1)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt1)は、1.5質量%である。
<実施例2>
200mL容量の樹脂製カップに、水を18.6g、モノエタノールアミン(水酸基を有するアミン化合物)を1.0g、エチレンジアミン四酢酸を0.2g、48%水酸化カリウム水溶液を0.2g(水酸化カリウムとして0.096g、エチレンジアミン四酢酸2.5カリウム塩を生成)、動的光散乱法により測定される累計の50%粒子径(D50)が69nmである固形分濃度50質量%のコロイダルシリカを80g(固形分として40g)入れて、室温で30分間撹拌することにより、研磨用組成物を得た。
この研磨用組成物のコロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水の合計量(Mt2)に対するコロイダルシリカの量(Ms)の割合(Ms/Mt2)は、40質量%である。また、合計量(Mt2)に対する水酸基を有するアミン化合物の量(Ma)の割合(Ma/Mt2)は、1.0質量%である。また、合計量(Mt2)に対するカルボキシル基を有する化合物の量(Mc)の割合(Mc/Mt2)が0.2質量%である。
<実施例3〜9および比較例1〜9>
コロイダルシリカの添加量、水酸基を有するアミン化合物およびカルボキシル基を有する化合物の種類と添加量、水の添加量、およびこれらの成分以外の添加成分と添加量を、表1に示すように変化させた以外は、実施例2と同じ方法で、各研磨用組成物を得た。
実施例3および実施例4の研磨用組成物は、コロイダルシリカの割合(Ms/Mt)が実施例2より少ない20質量%および30質量%の例である。
実施例5の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物として、ジエタノールアミンを用いた例である。
実施例6の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物として、エチレンジアミン四酢酸3.5カリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を生成させて用いた例である。
実施例7の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物として、エチレンジアミン四酢酸2.5ナトリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を生成させて用いた例である。
実施例8の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物として、ジエチレントリアミン五酢酸3カリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を生成させて用いた例である。
実施例9の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物として、イミノ二酢酸1.2カリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を生成させて用いた例である。
比較例1の研磨用組成物は、コロイダルシリカと水だけで構成された例である。
比較例2の研磨用組成物は、コロイダルシリカの割合(Ms/Mt2)が3.5質量%の例である。
比較例3の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が0.002質量%の例である。
比較例4の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が8質量%の例である。
比較例5の研磨用組成物は、キャリア鳴きを抑制する成分として、水酸基を有するアミン化合物ではなくキサンタンガムを含有し、カルボキシル基を有する化合物として、市販のエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を用いた例である。
比較例6の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まず、市販のクエン酸3ナトリウム塩(カルボキシル基を有する化合物)と硫酸ナトリウムを含む例である。
比較例7の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まず、市販のフタル酸2カリウム塩(カルボキシル基を有する化合物)含む例である。
比較例8の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まず、市販のエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩(アミノカルボン酸化合物)を含む例である。
比較例9の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まず、市販のグルコン酸カリウム塩(カルボキシル基を有する化合物)を含む例である。
[研磨用組成物の物性測定と安定性評価]
得られた各研磨用組成物のpHを測定した。この結果も表1に示す。
得られた各研磨用組成物について、調製直後と、調製後に25℃で3か月間静置した後に、分離の有無を目視で調べた。これらの結果も表1に示す。評価に関しては、均一な場合を表1に「○」で示し、分離した場合を表1に「×」で示した。
[研磨用組成物の研磨試験と評価]
実施例1〜9および比較例1〜9の研磨用組成物を、上記と同じ方法で、それぞれ1kg調製した。得られた各研磨用組成物を使用し、以下に示す条件で研磨試験を行った。
<研磨条件>
研磨機:両面研磨機(スピードファム社製DSM 12B−8P−V)
研磨パッド:ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース(株)製SUBA 800)
研磨対象物:直径4インチ、厚さ0.5mmのタンタル酸リチウムウェハ、9枚/バッチ
研磨圧力:39kPa
上定盤回転数:33rpm
下定盤回転数:11rpm
研磨用組成物の供給速度:3L/分(循環使用)
研磨時間:60分間
<研磨時のキャリア鳴きの評価>
研磨時にキャリア鳴きがない場合を表1に「○」で示し、キャリア鳴きが認められた場合を表1に「×」で示した。
<研磨速度の測定>
60分間の研磨後に、被研磨物を十分に洗浄して乾燥させてから、被研磨物の質量を測定した。この測定値と予め測定していた研磨前の質量とによる研磨前後の質量変化値と、被研磨面の面積と、を用いて算出される厚さの減少量から、一時間あたりの研磨速度を算出するとともに、研磨速度を評価した。この結果も表1に示す。
評価に関しては、研磨速度が19μm/時間を超える場合を表1に「◎」で示し、研磨速度が13μm/時間を超え19μm/時間以下である場合を表1に「○」で示し、研磨速度が13μm/時間以下の場合を表1に「×」で示した。
<表面粗さの測定>
非接触表面形状測定機(ZYGO社製NewView5032)を用い、研磨試験後のタンタル酸リチウムウェハの表面高さの変化を、視野角289μm×217μmの範囲で計測し、算術平均粗さRaを算出した。また、この算出値から表面粗さを評価した。この値も表1に示す。評価に関しては、Raが0.500nm以下の場合を表面粗さが良好と判断して表1に「○」で示し、Raが0.500nmを超える場合を表面粗さが不良と判断して表1に「×」で示した。
なお、研磨時にキャリア鳴きが生じた比較例1、3、6〜9では、研磨速度の測定と表面粗さの測定を行わなかった。
Figure 2019172902
表1の結果から分かるように、実施例1〜9の研磨用組成物は、経時的に分離することがなく、研磨時のキャリア鳴きがなく、研磨速度が高く、研磨後のウェハの算術平均粗さRa(研磨後の研磨対象物の表面品質)が良好であった。また、カルボキシル基を有する化合物を含む実施例2〜9の研磨用組成物は、カルボキシル基を有する化合物を含まない実施例1の研磨用組成物よりも研磨速度が高かった。
これに対して、比較例1〜9の研磨用組成物は、経時的に分離しないこと、研磨時のキャリア鳴き、研磨速度、および研磨後のウェハの算術平均粗さRa(研磨後の研磨対象物の表面品質)のいずれかの点が不良なものであった。具体的には以下のことが分かった。
比較例1の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まないことで、研磨時にキャリア鳴きが発生した。
比較例2の研磨用組成物は、コロイダルシリカの割合(Ms/Mt2)が5質量%未満であることで、研磨速度が13μm/時間以下であった。
比較例3の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が0.01質量%未満であることで、研磨時にキャリア鳴きが発生した。
比較例4の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物の割合(Ma/Mt2)が5質量%を超えることで、研磨速度が13μm/時間以下であった。
比較例5の研磨用組成物は、キャリア鳴きを抑制する成分として、水酸基を有するアミン化合物ではなくキサンタンガムを含有することで、キャリア鳴きは発生しなかったが、調製3か月後にコロイダルシリカが凝集して分離が生じた。
比較例6〜9の研磨用組成物は、水酸基を有するアミン化合物を含まず、キャリア鳴きを抑制する他の成分も含まないため、研磨時にキャリア鳴きが発生した。

Claims (6)

  1. コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、および水を含有し、
    前記コロイダルシリカ、前記アミン化合物、および前記水の合計量に対する前記コロイダルシリカの量の割合が5質量%以上50質量%以下であり、
    前記合計量に対する前記アミン化合物の量の割合が0.01質量%以上5質量%以下である研磨用組成物。
  2. コロイダルシリカ、水酸基を有するアミン化合物、カルボキシル基を有する化合物、および水を含有し、
    前記コロイダルシリカ、前記アミン化合物、前記カルボキシル基を有する化合物、および前記水の合計量に対する前記コロイダルシリカの量の割合が5質量%以上50質量%以下であり、
    前記合計量に対する前記アミン化合物の量の割合が0.01質量%以上5質量%以下であり、
    前記合計量に対する前記カルボキシル基を有する化合物の量の割合が0.01質量%以上5質量%以下である研磨用組成物。
  3. 前記カルボキシル基を有する化合物はアミノカルボン酸化合物である請求項2記載の研磨用組成物。
  4. pHが7以上12以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる基板表面の研磨で使用される請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる基板表面を研磨する研磨方法。
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