JP2019167717A - 外断熱構造及び断熱パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、施工が容易で、耐火性と排水性とを両立させた外断熱構造及び断熱パネルを提供することを目的とする。【解決手段】建築物の下地壁の前面に断熱パネルを備え、該断熱パネルの外表面に湿式塗り仕上げが施されている外断熱構造であり、前記下地壁と前記断熱パネルとは前後方向に垂直な一方向に連通する隙間を有して接着しており、パネル補強材が、前記断熱パネルの前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、外断熱構造。【選択図】図1
Description
本発明は、建築物の外断熱構造及び断熱パネルに関する。
従来、建築物の断熱性能を高める手段の一つとして、建築物の下地壁の前面に断熱パネルを貼り付け、該断熱パネルの外表面側にモルタル等の湿式塗り仕上げを施してなる外断熱構造が知られている。
このような外断熱構造では、仕上げ面やシーリング等の劣化により下地壁と断熱パネルとの間に雨水等の水分が侵入し、この水分が断熱パネルや下地壁を劣化させる恐れがあるため、外断熱構造に通水構造を設けることが望まれる。
また、火災時等に断熱パネルに着火して火災が延焼拡大するのを防ぐため、外断熱構造に適切な防火処理を施すことが求められている。
このような外断熱構造では、仕上げ面やシーリング等の劣化により下地壁と断熱パネルとの間に雨水等の水分が侵入し、この水分が断熱パネルや下地壁を劣化させる恐れがあるため、外断熱構造に通水構造を設けることが望まれる。
また、火災時等に断熱パネルに着火して火災が延焼拡大するのを防ぐため、外断熱構造に適切な防火処理を施すことが求められている。
外断熱構造の防火性を高める手法として、例えば、特許文献1には、高断熱性並びに耐燃焼性素材でなる所定サイズの断熱プレート部材に耐熱性のネット部材を樹脂系エマルジョンを介して積層状に一体化した断熱壁構築用構造体が開示されている。
また、非特許文献1には、断熱材の開口下端部から断熱材に火が着き、上層へと燃え広がるのを防ぐための処理として、補強メッシュを樹脂モルタルで下地壁の下端部に貼り付けた後、断熱材を貼り、断熱材の開口下端部が補強メッシュで包み込まれるように補強メッシュ及び樹脂モルタルで断熱材を巻き込み、断熱材の外側(前面)まで補強メッシュ及び樹脂モルタルを貼ったバックラップが開示されている。
また、非特許文献1には、断熱材の開口下端部から断熱材に火が着き、上層へと燃え広がるのを防ぐための処理として、補強メッシュを樹脂モルタルで下地壁の下端部に貼り付けた後、断熱材を貼り、断熱材の開口下端部が補強メッシュで包み込まれるように補強メッシュ及び樹脂モルタルで断熱材を巻き込み、断熱材の外側(前面)まで補強メッシュ及び樹脂モルタルを貼ったバックラップが開示されている。
「外断熱工法外壁の燃え拡がり性状を評価する新しい試験方法の検討」日本建築学会技術報告集 第17巻 第36号、537−542、2011年6月
しかしながら、特許文献1の断熱壁構築用構造体は、通水構造に関して、水切りを設けること以外には何ら記載がなく、排水性の点で改善の余地がある。また、非特許文献1に記載されるようなバックラップでは、下地壁の下端部に補強メッシュが樹脂モルタルで貼り付けられた状態であるため、この補強メッシュと下地壁との間に隙間(通水構造)を設けることができない等、やはり排水性の点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、施工が容易で、耐火性と排水性とを両立させた外断熱構造及び断熱パネルを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[2]を提供する。
[1]
建築物の下地壁の前面に断熱パネルを備え、該断熱パネルの外表面に湿式塗り仕上げが施されている外断熱構造であり、
前記下地壁と前記断熱パネルとは前後方向に垂直な一方向に連通する隙間を有して接着しており、
パネル補強材が、前記断熱パネルの前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、外断熱構造。
[2]
[1]に記載の外断熱構造に用いられ、パネル補強材が、少なくとも一端面において、前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、断熱パネル。
建築物の下地壁の前面に断熱パネルを備え、該断熱パネルの外表面に湿式塗り仕上げが施されている外断熱構造であり、
前記下地壁と前記断熱パネルとは前後方向に垂直な一方向に連通する隙間を有して接着しており、
パネル補強材が、前記断熱パネルの前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、外断熱構造。
[2]
[1]に記載の外断熱構造に用いられ、パネル補強材が、少なくとも一端面において、前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、断熱パネル。
本発明によれば、施工が容易で、耐火性と排水性とを両立させた外断熱構造及び断熱パネルを提供することができる。
以下、本発明について、実施形態に則して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(外断熱構造)
本実施形態の外断熱構造は、建築物の下地壁の前面側に設けられて建築物の断熱性能を高めるものである。例えば、本実施形態の外断熱構造は、特に限定されることなく、図1〜3に示すような構成を有している。
本実施形態の外断熱構造は、建築物の下地壁の前面側に設けられて建築物の断熱性能を高めるものである。例えば、本実施形態の外断熱構造は、特に限定されることなく、図1〜3に示すような構成を有している。
具体的には、図1〜3に示す外断熱壁構造は、家等の建築物の内装8及び柱7の外側に設けられた下地壁6の前面に接着剤5を介して接着する断熱パネル1と、断熱パネル1の前面側から後面側に折り返されるように補強材接着層11により取り付けられたパネル補強材10と、断熱パネル1の前面側に設けられた下地層2及び補強材3と、外断熱壁構造の外表面を構成する塗り仕上げ層4とを備えている。そして、下地壁6と断熱パネル1とが前後方向に垂直な一方向(図1〜3に示す例では、鉛直下方)に連通する隙間9を有して接着していることを特徴とする。
このように、下地壁6と断熱パネル1とにより通水構造として機能する隙間9を構成することにより、通水スペースが確実に確保されるため、非特許文献1に示されるように下地壁の下端部に断熱パネルをバックラップして樹脂モルタルで塗り付ける構造とは違い、下地層・接着剤等の他の構成要素により雨水等の排水が阻害されるのを防ぎ、確実かつ円滑な排水が可能となる。
また、パネル補強材10及び補強材接着層11により断熱パネル1の下端部小口面を覆い、パネル補強材10が断熱パネル1の後面側、即ち、下地壁6と断熱パネル1との間にも設けられることにより、火災時等に断熱パネル1に着火し、火災が延焼拡大するのを効果的に防ぐことができる。
また、パネル補強材10及び補強材接着層11により断熱パネル1の下端部小口面を覆い、パネル補強材10が断熱パネル1の後面側、即ち、下地壁6と断熱パネル1との間にも設けられることにより、火災時等に断熱パネル1に着火し、火災が延焼拡大するのを効果的に防ぐことができる。
ここで、下地壁6としては、特に限定されることなく、ラスモルタル壁、鉄筋コンクリート壁、軽量気泡コンクリート壁、サイディング壁等の既知の外壁用の材料からなる壁、あるいは、合板、ダイライト(商品名)、モイス(商品名)等の既知の内装あるいは耐力面材用の材料からなる壁を用いることができる。下地壁6は、防水性を有する観点から、鉄筋コンクリート壁、軽量気泡コンクリート壁に塗装を施したものであることが好ましい。また、下地壁6が合板、ダイライト(商品名)、モイス(商品名)等の吸水性を有するものの場合は、前面に防水処理をすることが好ましい。
また、下地壁6と断熱パネル1との接着に使用される接着剤5としては、モルタル等の既知の建築用接着剤を用いることができる。
なお、接着剤5は、下地壁6に断熱パネル1を貼り付け可能であれば、下地壁6の外表面全面に塗布する必要はなく、一部のみに塗布してもよい。
接着剤5を下地壁6の一部のみに塗布する方法としては、例えば、点状(団子状)塗布、線状(ビード状)塗布等が挙げられる。図1は、接着剤5を鉛直(上下)方向に線状に塗布した例を示し、図2は、接着剤5を塗布した部分の鉛直断面(図1の線A−Aに沿う面により切断したときの断面)を示し、図3は、接着剤5を塗布していない部分の鉛直断面(図1の線A’−A’に沿う面により切断したときの断面)を示す。図1、図2では、接着剤5は鉛直(上下)方向に直線状に所定のピッチで連続して塗布されているが、本形状に限定されず、直線状に断続的に塗布されていてもよい。断続的に塗布された部分は、鉛直方向に関して複数列をなしていてもよく、また、隣接する列間において、各列は互いにピッチをずらして塗布されていてもよい。
なお、接着剤5は、下地壁6に断熱パネル1を貼り付け可能であれば、下地壁6の外表面全面に塗布する必要はなく、一部のみに塗布してもよい。
接着剤5を下地壁6の一部のみに塗布する方法としては、例えば、点状(団子状)塗布、線状(ビード状)塗布等が挙げられる。図1は、接着剤5を鉛直(上下)方向に線状に塗布した例を示し、図2は、接着剤5を塗布した部分の鉛直断面(図1の線A−Aに沿う面により切断したときの断面)を示し、図3は、接着剤5を塗布していない部分の鉛直断面(図1の線A’−A’に沿う面により切断したときの断面)を示す。図1、図2では、接着剤5は鉛直(上下)方向に直線状に所定のピッチで連続して塗布されているが、本形状に限定されず、直線状に断続的に塗布されていてもよい。断続的に塗布された部分は、鉛直方向に関して複数列をなしていてもよく、また、隣接する列間において、各列は互いにピッチをずらして塗布されていてもよい。
隙間9は、下地壁6と前記断熱パネル1とは前後方向に垂直な一方向に連通しており、排水を円滑にする観点から、特に鉛直方向に連通していることが好ましい。また、隙間9は、断熱性の観点から、隙間9内からの空気とともに熱の流出が生じないように、断熱パネルの前後方向に垂直な一方向以外の方向について、少なくとも一方向が封止されていることが好ましい。特に隙間9が鉛直方向に連通している場合、少なくとも鉛直上方の端部が封止されることが好ましい。例えば、図1〜3は、鉛直上方、左方、及び右方は封止されて鉛直下方のみが開いている例である。
上記のような隙間9の封止には、特に限定されることなく、変成シリコーン系、ウレタン系等の既知の建築用シーリング剤を用いることができる。
隙間9の厚みは、隙間9内での空気の対流が生じないように、一定の寸法以下であることが好ましく、一方、隙間9にて効率よく排水するために、一定の寸法以上であることが好ましい。具体的には、隙間9の厚みは、1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは2〜4mmであり、更に好ましくは3〜4mmである。
上記のような隙間9の封止には、特に限定されることなく、変成シリコーン系、ウレタン系等の既知の建築用シーリング剤を用いることができる。
隙間9の厚みは、隙間9内での空気の対流が生じないように、一定の寸法以下であることが好ましく、一方、隙間9にて効率よく排水するために、一定の寸法以上であることが好ましい。具体的には、隙間9の厚みは、1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは2〜4mmであり、更に好ましくは3〜4mmである。
断熱パネル1としては、通常用いられる任意の断熱パネルを用いることができる。具体的には、断熱パネル1としては、例えば、発泡体1aの少なくとも一方の表面(図1〜3に示す例では両面)に面材1bが積層一体化されてなる断熱パネルを用いることができる。
また、断熱パネル1として、面材1bを有さない、発泡体1aのみからなる断熱パネルを用いてもよい。
また、断熱パネル1として、面材1bを有さない、発泡体1aのみからなる断熱パネルを用いてもよい。
ここで、断熱パネル1の発泡体1aとしては、フェノールフォーム、スチレンフォーム、ウレタンフォーム、ロックウール等の断熱材として使用し得る既知の発泡体を用いることができる。中でも、ボード形状であり、吸水性も低く、難燃性にも優れる点から、発泡体1aとしては、フェノールフォームを用いることが好ましい。
また、断熱パネル1の面材1bとしては、不織布、織布、紙類、金属箔等の既知の面材を用いることができる。
断熱パネル1の形状は、特に限定されないが、最下段から上段へ積み上げる際の施工性の観点から長方形であることが好ましく、その縦方向(図1では上下方向)の寸法は、
300〜1100mmであることが好ましく、450〜910mmであることがより好ましい。また、横方向(図1では左右方向)の寸法は、450〜1820mmであることが好ましく、600〜1200mmであることがより好ましい。また、厚みは、建物ごとに要求される断熱基準などに応じて定めればよいが、例えば、フェノールフォーム断熱材の場合には、一般に、7〜150mmであることが好ましく、20〜80mmであることがより好ましい。
300〜1100mmであることが好ましく、450〜910mmであることがより好ましい。また、横方向(図1では左右方向)の寸法は、450〜1820mmであることが好ましく、600〜1200mmであることがより好ましい。また、厚みは、建物ごとに要求される断熱基準などに応じて定めればよいが、例えば、フェノールフォーム断熱材の場合には、一般に、7〜150mmであることが好ましく、20〜80mmであることがより好ましい。
断熱パネル1の施工方法は、特に限定されることなく、通常知られている方法を用いて貼り付けることができる。複数の断熱パネル1を貼り付ける場合、馬目地貼り又は芋目地貼り等を用いることができる。特に、馬目地貼りが好ましい。
また、断熱パネル1は、断熱パネル1の前面側から後面側に折り返されるように設けられたパネル補強材10を備えるものである。パネル補強材10は、断熱パネル1の少なくとも一端面において、前面側から後面側に折り返されるように設けられていることが好ましい。このようなパネル補強材10を備えることにより、断熱パネル1の少なくとも1つの端面(小口面)が保護され、端面の劣化を効果的に防ぐとともに、火災時等に端面から断熱パネルに火が着き、火災が延焼拡大するのを効果的に防ぐことができる。
具体的には、例えば、図1〜3に示すように、パネル補強材10は、断熱パネル1の前面側から後面側にかけて断熱パネル1の下端部小口面(底面)を覆うように折り返されて設けられ、パネル補強材10の一部が下地壁6と断熱パネル1との間に挟み込まれるように位置する。パネル補強材10の一部が下地壁6と断熱パネル1との間に位置することにより、断熱パネル1の下端部小口面(底面)が劣化するのを効果的に防ぐとともに、火災時等における延焼の防止といった防火性が高まる。
パネル補強材10は断熱パネル1の前面側の全体に配されてもよく、前面側の一部だけに配されていてもよい。図7に、パネル補強材10が断熱パネル1の前面側下部から下端部で折り返されて後面側下部まで配されている場合の例を示す。
なお、図1〜3は、下地層2を形成する下地材がパネル補強材10を断熱パネル1の前面に接着するための接着剤を兼ねており、断熱パネル1の前面においてパネル補強材10が下地層2より断熱パネル1側に配されている。この他に、パネル補強材10が補強材3に接触するように、両者を下地層2に埋設するようにして配してもよい。
パネル補強材10は断熱パネル1の前面側の全体に配されてもよく、前面側の一部だけに配されていてもよい。図7に、パネル補強材10が断熱パネル1の前面側下部から下端部で折り返されて後面側下部まで配されている場合の例を示す。
なお、図1〜3は、下地層2を形成する下地材がパネル補強材10を断熱パネル1の前面に接着するための接着剤を兼ねており、断熱パネル1の前面においてパネル補強材10が下地層2より断熱パネル1側に配されている。この他に、パネル補強材10が補強材3に接触するように、両者を下地層2に埋設するようにして配してもよい。
また、パネル補強材10は、断熱パネル1の下端部小口面(底面)から後面側のパネル補強材10が配されている部分にかけて、補強材接着層11によってパネル補強材10を埋め込むように構成することができる。
補強接着層11は、特に限定されることなく、モルタル等の既知の建築用接着剤を用いて形成した層とすることができ、下地層2又は接着剤5と同質の材料であっても異なる材料であってもよく、補強接着層11と下地層2と接着剤5とを全て同質の材料で構成することもできる。
補強接着層11は、特に限定されることなく、モルタル等の既知の建築用接着剤を用いて形成した層とすることができ、下地層2又は接着剤5と同質の材料であっても異なる材料であってもよく、補強接着層11と下地層2と接着剤5とを全て同質の材料で構成することもできる。
パネル補強材10は、後面側のパネル補強材10の端から断熱パネル1の下端までの断熱パネル1に沿う方向での距離が50〜200mmであることが好ましく、より好ましくは50〜130mm、更に好ましくは50〜100mmである。
パネル補強材10としては、特に限定されることなく、耐アルカリ性ガラス繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等を用いて形成した補強メッシュ等が挙げられる。
パネル補強材10の厚みや目付は、特に限定されることなく、例えば、補強メッシュの場合、目付100〜700g/m2が好ましく、120〜200g/m2がより好ましい。
下地層2としては、特に限定されることなく、樹脂モルタル等の既知の下地材を用いて形成した層を用いることができ、補強材3としては、特に限定されることなく、パネル補強材10と同様のものを使用することができ、耐アルカリ性ガラス繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等を用いて形成した補強メッシュ等を用いることができる。そして、下地層2及び補強材3は、樹脂モルタル等の下地層2を形成する際に補強材3を下地層2の中に埋め込むように構成することにより、断熱パネル1の外表面に設けることができる。
塗り仕上げ層4としては、特に限定されることなく、骨材入り樹脂や塗料等の既知の仕上げ材を湿式塗り仕上げしてなる層等が挙げられる。
また、本実施形態の外断熱構造は、排水性をより高めるために、隙間9の端部近傍(図1〜3に示す例では、下端部近傍)に通水スペーサーが設けられていてもよい。
通水スペーサーとしては、特に限定されることなく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の汎用樹脂、セメント硬化体、木材、金属等の既知の材料を用いることができる。
また、通水スペーサーの形状は、特に限定されないが、プラダン、波板、しわ付きシート等の波状(凹凸)断面を有するシート又は板等を用いることが好ましい。その際、排水を円滑にする観点から、プラダンの中空断面や波状(凹凸)断面が所望の通水方向と垂直になるように通水スペーサーを配置することが好ましい。
また、通水スペーサーは、下地壁6に固定されつつ、前記断熱パネル1に押し当てられていることが好ましい。通水スペーサーは、釘、ビス、ボルト等の既知の固定手段で下地壁6に固定されてよく、接着剤5と同様の既知の建築用接着剤を介して、断熱パネル1の一端面に設けられたパネル補強材10を取り付けた補強材接着層11に接着されてよい。
通水スペーサーとしては、特に限定されることなく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の汎用樹脂、セメント硬化体、木材、金属等の既知の材料を用いることができる。
また、通水スペーサーの形状は、特に限定されないが、プラダン、波板、しわ付きシート等の波状(凹凸)断面を有するシート又は板等を用いることが好ましい。その際、排水を円滑にする観点から、プラダンの中空断面や波状(凹凸)断面が所望の通水方向と垂直になるように通水スペーサーを配置することが好ましい。
また、通水スペーサーは、下地壁6に固定されつつ、前記断熱パネル1に押し当てられていることが好ましい。通水スペーサーは、釘、ビス、ボルト等の既知の固定手段で下地壁6に固定されてよく、接着剤5と同様の既知の建築用接着剤を介して、断熱パネル1の一端面に設けられたパネル補強材10を取り付けた補強材接着層11に接着されてよい。
(開口部周囲等における外断熱構造)
本実施形態の外断熱構造の別の態様は、窓、戸、出入り口等の建築物の開口部周囲及び軒下等に設けられることを特徴とする。
断熱パネルとしては、上述のパネル補強材10と、下地層2及び補強材3と、塗り仕上げ層4とを備えた断熱パネル1と同様のものを使用することができる。以下、パネル補強材10と、下地層2及び補強材3と、塗り仕上げ層4とを備えた断熱パネル1を断熱パネル体Pと称する場合がある。
本実施形態の外断熱構造の別の態様は、窓、戸、出入り口等の建築物の開口部周囲及び軒下等に設けられることを特徴とする。
断熱パネルとしては、上述のパネル補強材10と、下地層2及び補強材3と、塗り仕上げ層4とを備えた断熱パネル1と同様のものを使用することができる。以下、パネル補強材10と、下地層2及び補強材3と、塗り仕上げ層4とを備えた断熱パネル1を断熱パネル体Pと称する場合がある。
断熱パネル体Pを、例えば、図4及び5に示すように、窓、戸、出入り口等の建築物の開口部周囲及び軒下に貼り付ける場合、パネル補強材10で覆われた断熱パネル1の端面が建築物の開口部の外周を取り囲むように及び軒下に沿うように断熱パネル体Pを配置することが好ましい。図4において、点線は、断熱パネル1の後面に貼られたパネル補強材10の端を示しており、この点線で建築物の開口部の外周を囲むように及び軒下に沿うように断熱パネル体Pが配置されている、即ち、パネル補強材10で覆われた断熱パネル1の端面が建築物の開口部の外周を取り囲むように及び軒下に沿うように断熱パネル体Pが配置されていることを示している。
上記のように断熱パネル体Pを配置することにより、火災時等に建築物の開口部等から火炎が噴出した場合に、火炎が断熱パネル1の端面に燃え移り、火災が広がるのを効果的に防ぐことができる。
上記のように断熱パネル体Pを配置することにより、火災時等に建築物の開口部等から火炎が噴出した場合に、火炎が断熱パネル1の端面に燃え移り、火災が広がるのを効果的に防ぐことができる。
また、上記のように配置された断熱パネル体Pと建築物の開口部及び軒下等との間(取り合い)は、図4及び5に示すように、目地を設けてバックアップ材15を充填した後、建築用シーリング剤によりシーリングされるのが一般的である。
バックアップ材15としては、特に限定されることなく、発泡ポリエチレン製の丸棒等の既知のバックアップ材を用いることができる。
シーリング部12の幅は、一般的に20mm前後であるが、特に、住居系の建物の場合には、より細い10〜15mmに仕上げるのが外観上好ましい。しかしながら、非特許文献1に記載のバックラップのように、補強メッシュを樹脂モルタルで下地壁に貼り付けた後、断熱材を貼り、建築物の開口部及び軒下等に面する断熱材の端面を補強メッシュで包み込むようにして断熱材の前面まで貼り付ける方法では、シーリング部12の幅を10〜15mmといった細いものとすることが、作業上極めて困難である。
これに対し、本実施形態の外断熱構造では、建築物の開口部に面する断熱パネル1の端面を予めパネル補強材10で覆ったものであるため、開口部の出寸法(窓枠、ドア枠等の出寸法)や形状等にかかわらず、この端面を開口部からの距離がより近い位置に容易に配置することができ、より細い幅でのシーリングを容易に行うことができる。
バックアップ材15としては、特に限定されることなく、発泡ポリエチレン製の丸棒等の既知のバックアップ材を用いることができる。
シーリング部12の幅は、一般的に20mm前後であるが、特に、住居系の建物の場合には、より細い10〜15mmに仕上げるのが外観上好ましい。しかしながら、非特許文献1に記載のバックラップのように、補強メッシュを樹脂モルタルで下地壁に貼り付けた後、断熱材を貼り、建築物の開口部及び軒下等に面する断熱材の端面を補強メッシュで包み込むようにして断熱材の前面まで貼り付ける方法では、シーリング部12の幅を10〜15mmといった細いものとすることが、作業上極めて困難である。
これに対し、本実施形態の外断熱構造では、建築物の開口部に面する断熱パネル1の端面を予めパネル補強材10で覆ったものであるため、開口部の出寸法(窓枠、ドア枠等の出寸法)や形状等にかかわらず、この端面を開口部からの距離がより近い位置に容易に配置することができ、より細い幅でのシーリングを容易に行うことができる。
(外断熱構造の製造方法)
本実施形態の外断熱構造は、特に限定されることなく、通常知られている方法を用いて製造することができる。例えば、本実施形態の外断熱構造の製造方法は、断熱パネルを準備する工程(A)、下地壁の前面に断熱パネルを張る工程(B)、断熱パネルの前面に下地層及び補強材を設ける工程(C)、外断熱壁構造の外表面を構成する塗り仕上げ層を形成する工程(D)等を含んでいてよい。
本実施形態の外断熱構造は、特に限定されることなく、通常知られている方法を用いて製造することができる。例えば、本実施形態の外断熱構造の製造方法は、断熱パネルを準備する工程(A)、下地壁の前面に断熱パネルを張る工程(B)、断熱パネルの前面に下地層及び補強材を設ける工程(C)、外断熱壁構造の外表面を構成する塗り仕上げ層を形成する工程(D)等を含んでいてよい。
工程(A)では、例えば、ラミネートボード発泡法等の、走行する面材上に吐出した発泡性樹脂組成物を発泡及び硬化させて発泡体を形成する既知の発泡方法を使用して断熱パネルを準備することができる。中でも、厚み精度に優れる断熱パネルを効率的に製造する観点からは、走行する面材上に連続的に吐出した発泡性樹脂組成物を発泡及び硬化させて形成した長尺の発泡体を走行方向に直交する方向に裁断して断熱パネルを準備することが好ましく、ラミネートボード発泡法を用いて形成した長尺の発泡体を走行方向に直交する方向に裁断して断熱パネルを準備することがより好ましい。
なお、発泡性樹脂組成物としては、樹脂成分、発泡剤、及び硬化剤を含有する既知の発泡性樹脂組成物を用いることができる。また、面材としては、前述した断熱パネル1に使用し得る面材を用いることができる。
また、長尺の発泡体の形成及び裁断は、特に限定されることなく、通常知られている装置を用いて行うことができる。
更に、施工現場での作業の手間を減らす観点から、工程(A)において、断熱パネルに既知の建築用接着剤等を用いてパネル補強材を予め貼り付けておくことが好ましい。パネル補強材は、断熱パネルの前面に沿って少なくとも一端面において折り返し、更に後面に沿うように設けるのが好ましい。
なお、パネル補強材としては、前述したパネル補強材10の形成に使用し得るものを用いることができる。
なお、パネル補強材としては、前述したパネル補強材10の形成に使用し得るものを用いることができる。
工程(B)は、特に限定されることなく、接着剤等の既知の手段を用いて断熱パネルを下地壁の外表面に貼り付けることができる。具体的には、例えば、下側の段から上側の段に向かって、一段ずつ断熱パネルを下地壁に貼り付けることができる。より具体的には、例えば、図1、4に示す構造において、水平方向(左右方向)に隣接する断熱パネル同士を水平方向に当接させつつ下地壁に貼り付けて下側の段を形成した後、形成された下側の段の上で、水平方向に隣接する断熱パネル同士を水平方向に当接させつつ下地壁に貼り付けて次の段を形成する操作を繰り返すことにより、断熱パネルを貼ることができる。
なお、最下段の断熱パネルについて、図4における最下段の断熱パネルのC−C断面図を図6に示す。最下段の断熱パネルは、図4、6に示すように、パネル補強材により覆われた断熱パネルの一端面が断熱パネルの底面となるように設置することが好ましい。
なお、最下段の断熱パネルについて、図4における最下段の断熱パネルのC−C断面図を図6に示す。最下段の断熱パネルは、図4、6に示すように、パネル補強材により覆われた断熱パネルの一端面が断熱パネルの底面となるように設置することが好ましい。
また、工程(B)において、断熱パネルを窓、戸、出入り口等の建築物の開口部周囲及び軒下等に設ける場合には、図4に示すように、パネル補強材により覆われた断熱パネルの端面が建築物の開口部を取り囲むように及び軒下に沿うように断熱パネルを設置することが好ましい。
また、上述の工程(A)でパネル補強材を断熱パネルに予め貼り付けない場合には、工程(B)において、パネル補強材を断熱パネルの内側表面(後面)、断熱パネルの少なくとも一端面(図1〜3では、底面)、外側表面(前面)に既知の建築用接着剤等を用いて接着した後、断熱パネルを下地壁に貼り付けることにより、パネル補強材を下地壁と断熱パネルとの間に位置するように設置してもよい。
状況によっては、工程(B)において、パネル補強材を断熱パネルの内側表面(後面)に既知の建築用接着剤等を用いて接着した後、断熱パネルを下地壁に貼り付けることにより、パネル補強材を下地壁と断熱パネルとの間に位置するように設置してもよい。この後、パネル補強材は、断熱パネルの少なくとも一端面(図1〜3では、底面)に沿わせて断熱パネルの後面側から前面側に折り返すようにして、断熱パネルの少なくとも一端面及び前面に貼り付けることができる。
状況によっては、工程(B)において、パネル補強材を断熱パネルの内側表面(後面)に既知の建築用接着剤等を用いて接着した後、断熱パネルを下地壁に貼り付けることにより、パネル補強材を下地壁と断熱パネルとの間に位置するように設置してもよい。この後、パネル補強材は、断熱パネルの少なくとも一端面(図1〜3では、底面)に沿わせて断熱パネルの後面側から前面側に折り返すようにして、断熱パネルの少なくとも一端面及び前面に貼り付けることができる。
更に、工程(C)では、特に限定されることなく、断熱パネルの外表面に下地材を介して補強材を貼り付けることにより、断熱パネルの前面に下地層及び補強材を設けることができる。
なお、下地材及び補強材としては、前述した下地層2及び補強材3の形成に使用し得る下地材及び補強材を用いることができる。
また、工程(C)は、全ての断熱パネルの貼り付けが終了した後に実施してもよいし、一部の断熱パネルの貼り付けが終了した後に貼り付けられた断熱パネルに対して工程(C)を実施する作業を繰り返してもよい。
なお、下地材及び補強材としては、前述した下地層2及び補強材3の形成に使用し得る下地材及び補強材を用いることができる。
また、工程(C)は、全ての断熱パネルの貼り付けが終了した後に実施してもよいし、一部の断熱パネルの貼り付けが終了した後に貼り付けられた断熱パネルに対して工程(C)を実施する作業を繰り返してもよい。
工程(D)では、特に限定されることなく、例えばモルタルや塗料等の既知の仕上げ材を湿式塗り仕上げすることにより、外断熱構造の外表面を構成する塗り仕上げ層を形成することができる。
以下に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
フェノール樹脂100質量部に対して、発泡剤としてのイソペンタン50質量%及びイソブタン50質量%の混合物5.6質量部と、酸性硬化剤としてのキシレンスルホン酸80質量%及びジエチレングリコール20質量%の混合物13質量部とを添加し、発泡性フェノール樹脂組成物を調製した。
続いて、スラット型ダブルコンベアを有する装置を使用して長尺の板状発泡体を製造した。得られた長尺の板状発泡体を面材の走行方向に直交する方向に裁断して、走行方向に対応する方向の寸法が600mm、走行方向に対応する方向及び厚み方向の双方に直交する方向の寸法が910mm、厚みが35mmの断熱パネル(面材付き発泡体)を複数製造した。
次に、断熱パネルに対し、パネル補強材として耐アルカリ性ガラス繊維製の補強メッシュ(縦360mm、横910mm、目付146g/m2)を、断熱パネルの前面側から後面側にかけて断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた。このとき、下地層及び補強材接着層として樹脂モルタルを使用し、断熱パネルの後面に貼られた補強メッシュの上端が断熱パネルの下端よりも160mm上方となるようにした。また、前面及び後面の両方に樹脂モルタルにより補強メッシュが設けられた部分の厚みは、38mmであった。
続いて、接着剤として樹脂モルタルを使用し、建築物の下地壁の前面に、上記で得たパネル補強材付き断熱パネルを走行方向に対応する方向が縦目地の方向と平行になるように(即ち、横目地と平行な方向の断熱パネルの寸法が910mmとなるように)、馬目地貼りした。
続いて、下地モルタルを介して補強材としての耐アルカリ性ガラス繊維製の補強メッシュ(縦1260mm、横1500mm、目付146g/m2))を貼り付け、その上からモルタルを塗布し、更にアクリル樹脂系の仕上げ塗材(無機顔料、骨材入り)を用いて、左官こてによる湿式塗り仕上げを施すことにより、外断熱構造を作製した。
本実施例は、パネル補強材を樹脂モルタルで断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた構造であるため、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止することが可能な構造であるとともに、建物の下地壁の前面下端部と、断熱パネル側のパネル補強材を貼り付けた補強材接着層との間に、隙間が存在するため、通水・排水をスムーズに行うことが出来た。
フェノール樹脂100質量部に対して、発泡剤としてのイソペンタン50質量%及びイソブタン50質量%の混合物5.6質量部と、酸性硬化剤としてのキシレンスルホン酸80質量%及びジエチレングリコール20質量%の混合物13質量部とを添加し、発泡性フェノール樹脂組成物を調製した。
続いて、スラット型ダブルコンベアを有する装置を使用して長尺の板状発泡体を製造した。得られた長尺の板状発泡体を面材の走行方向に直交する方向に裁断して、走行方向に対応する方向の寸法が600mm、走行方向に対応する方向及び厚み方向の双方に直交する方向の寸法が910mm、厚みが35mmの断熱パネル(面材付き発泡体)を複数製造した。
次に、断熱パネルに対し、パネル補強材として耐アルカリ性ガラス繊維製の補強メッシュ(縦360mm、横910mm、目付146g/m2)を、断熱パネルの前面側から後面側にかけて断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた。このとき、下地層及び補強材接着層として樹脂モルタルを使用し、断熱パネルの後面に貼られた補強メッシュの上端が断熱パネルの下端よりも160mm上方となるようにした。また、前面及び後面の両方に樹脂モルタルにより補強メッシュが設けられた部分の厚みは、38mmであった。
続いて、接着剤として樹脂モルタルを使用し、建築物の下地壁の前面に、上記で得たパネル補強材付き断熱パネルを走行方向に対応する方向が縦目地の方向と平行になるように(即ち、横目地と平行な方向の断熱パネルの寸法が910mmとなるように)、馬目地貼りした。
続いて、下地モルタルを介して補強材としての耐アルカリ性ガラス繊維製の補強メッシュ(縦1260mm、横1500mm、目付146g/m2))を貼り付け、その上からモルタルを塗布し、更にアクリル樹脂系の仕上げ塗材(無機顔料、骨材入り)を用いて、左官こてによる湿式塗り仕上げを施すことにより、外断熱構造を作製した。
本実施例は、パネル補強材を樹脂モルタルで断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた構造であるため、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止することが可能な構造であるとともに、建物の下地壁の前面下端部と、断熱パネル側のパネル補強材を貼り付けた補強材接着層との間に、隙間が存在するため、通水・排水をスムーズに行うことが出来た。
(実施例2)
実施例1で作製したパネル補強材付き断熱パネルを開口部(外寸で縦91cm、横120cmの長方形形状)の直上部の下地壁に適用し、パネル補強材付き断熱パネルの下端と開口部枠の上端との取り合いに目地を設け、バックアップ材(発泡ポリエチレン製)を充填後、シーリング剤として変成シリコーンを用いてシーリング処理を施した(シーリング幅:10mm)こと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
本実施例は、パネル補強材を樹脂モルタルで断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた構造であるため、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止することが可能な構造であるとともに、建物の開口部直上部の下地壁の前面下端部と、断熱パネル側のパネル補強材を貼り付けた補強材接着層との間に隙間が存在するため、シーリング処理されたバックアップ材の裏の(後ろの)空間から開口部の左右の隙間を通り、最下段の断熱パネルの下端部へと通水・排水することが出来た。
実施例1で作製したパネル補強材付き断熱パネルを開口部(外寸で縦91cm、横120cmの長方形形状)の直上部の下地壁に適用し、パネル補強材付き断熱パネルの下端と開口部枠の上端との取り合いに目地を設け、バックアップ材(発泡ポリエチレン製)を充填後、シーリング剤として変成シリコーンを用いてシーリング処理を施した(シーリング幅:10mm)こと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
本実施例は、パネル補強材を樹脂モルタルで断熱パネルの下端部小口面(底面)を覆うように折り返して断熱パネルの前面の一部、底面、及び後面の一部に貼り付けた構造であるため、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止することが可能な構造であるとともに、建物の開口部直上部の下地壁の前面下端部と、断熱パネル側のパネル補強材を貼り付けた補強材接着層との間に隙間が存在するため、シーリング処理されたバックアップ材の裏の(後ろの)空間から開口部の左右の隙間を通り、最下段の断熱パネルの下端部へと通水・排水することが出来た。
(実施例3)
実施例1で作製したパネル補強材付き断熱パネルを用い、パネル補強材で覆われた端面で窓枠(外寸で縦91cm、横120cmの長方形形状)の外周を囲むようにして、パネル補強材付き断熱パネルを窓枠の周囲に設置し、パネル補強材付き断熱パネルと窓枠との取り合いに目地を設け、バックアップ材(発泡ポリエチレン製)を充填後、シーリング剤として変成シリコーンを用いてシーリング処理を施した(シーリング幅:10mm)こと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
本実施例では、住居系の建物で、10mmの細幅のシーリング目地としても、予め小口面にパネル補強材を貼り付けた補強材接着層を窓枠周りに沿って設けることで、10mm目地内での湿式作業を省くことが出来、施工を簡単にすると共に、スッキリとした好まれる外観にすることが出来た。
実施例1で作製したパネル補強材付き断熱パネルを用い、パネル補強材で覆われた端面で窓枠(外寸で縦91cm、横120cmの長方形形状)の外周を囲むようにして、パネル補強材付き断熱パネルを窓枠の周囲に設置し、パネル補強材付き断熱パネルと窓枠との取り合いに目地を設け、バックアップ材(発泡ポリエチレン製)を充填後、シーリング剤として変成シリコーンを用いてシーリング処理を施した(シーリング幅:10mm)こと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
本実施例では、住居系の建物で、10mmの細幅のシーリング目地としても、予め小口面にパネル補強材を貼り付けた補強材接着層を窓枠周りに沿って設けることで、10mm目地内での湿式作業を省くことが出来、施工を簡単にすると共に、スッキリとした好まれる外観にすることが出来た。
(比較例1)
パネル補強材を断熱パネルの前面及び下端部小口面(底面)のみに設け、断熱パネルの後面には設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
比較例1では、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止する構造としては、火炎が断熱パネルに達しやすい構造となった。
パネル補強材を断熱パネルの前面及び下端部小口面(底面)のみに設け、断熱パネルの後面には設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして外断熱構造を作製した。
比較例1では、火災時等に断熱パネルに着火して火災が燃え広がるのを防止する構造としては、火炎が断熱パネルに達しやすい構造となった。
(比較例2)
シーリング幅を20mmとし、非特許文献1に示されるようなバックラップを施して、補強メッシュと下地壁との間を補強材接着層で塞いでしまう構造とすること以外は、実施例3と同様にして外断熱構造を作製した。
比較例2では、窓枠上部からの水が窓枠直上部に停留し、通水が不十分であると共に、住居系の建物としては、20mmの太幅の目地になってしまい、大柄な印象となった。
シーリング幅を20mmとし、非特許文献1に示されるようなバックラップを施して、補強メッシュと下地壁との間を補強材接着層で塞いでしまう構造とすること以外は、実施例3と同様にして外断熱構造を作製した。
比較例2では、窓枠上部からの水が窓枠直上部に停留し、通水が不十分であると共に、住居系の建物としては、20mmの太幅の目地になってしまい、大柄な印象となった。
本発明によれば、施工が容易で施工現場での作業効率がよく、耐火性と排水性とを両立させた外断熱構造及び断熱パネルを提供することができる。
1 断熱パネル
1a 発泡体
1b 面材
2 下地層
3 補強材
4 塗り仕上げ層
5 接着剤
6 下地壁
7 柱
8 内装
9 隙間
10 パネル補強材
11 補強材接着層
12 シーリング部
13 開口部枠
14 基礎立ち上がり
15 バックアップ材
16 空間
P 断熱パネル体
1a 発泡体
1b 面材
2 下地層
3 補強材
4 塗り仕上げ層
5 接着剤
6 下地壁
7 柱
8 内装
9 隙間
10 パネル補強材
11 補強材接着層
12 シーリング部
13 開口部枠
14 基礎立ち上がり
15 バックアップ材
16 空間
P 断熱パネル体
Claims (2)
- 建築物の下地壁の前面に断熱パネルを備え、該断熱パネルの外表面に湿式塗り仕上げが施されている外断熱構造であり、
前記下地壁と前記断熱パネルとは前後方向に垂直な一方向に連通する隙間を有して接着しており、
パネル補強材が、前記断熱パネルの前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、外断熱構造。 - 請求項1に記載の外断熱構造に用いられ、パネル補強材が、少なくとも一端面において、前面側から後面側に折り返されるように設けられていることを特徴とする、断熱パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018055144A JP2019167717A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 外断熱構造及び断熱パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018055144A JP2019167717A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 外断熱構造及び断熱パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019167717A true JP2019167717A (ja) | 2019-10-03 |
Family
ID=68106370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018055144A Pending JP2019167717A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 外断熱構造及び断熱パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019167717A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022041542A (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-11 | 三商株式会社 | 外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法 |
-
2018
- 2018-03-22 JP JP2018055144A patent/JP2019167717A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2022041542A (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-11 | 三商株式会社 | 外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法 |
JP7531845B2 (ja) | 2020-09-01 | 2024-08-13 | 三商株式会社 | 外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法 |
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