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JP2019156567A - 非常止め装置及びエレベーター - Google Patents

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JP2019156567A
JP2019156567A JP2018045295A JP2018045295A JP2019156567A JP 2019156567 A JP2019156567 A JP 2019156567A JP 2018045295 A JP2018045295 A JP 2018045295A JP 2018045295 A JP2018045295 A JP 2018045295A JP 2019156567 A JP2019156567 A JP 2019156567A
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Tomohisa Hayakawa
智久 早川
福田 敏行
Toshiyuki Fukuda
敏行 福田
洋輔 久保
Yosuke Kubo
洋輔 久保
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Abstract

【課題】保持駆動部の大容量化を抑制することができる非常止め装置及びエレベーターを提供する。【解決手段】非常止め装置は、昇降体の移動を停止させる制動機構と、制動機構の制動部材を作動させる作動機構11と、を備えている。作動機構11は、固定部材41と、可動部材45と、作動用付勢部材48と、保持復帰機構49と、を備えている。保持復帰機構49は、保持部材51、52と、保持ギア部材53と、保持駆動部54、55と、を備えている。保持駆動部54、55は、保持部材51、52における保持ギア部材53との係止が解除される方向への移動を規制する。そして、保持部材51,52と保持ギア部材53が係止されることで、作動用付勢部材48の付勢力に抗して可動部材45の移動を規制する。【選択図】図4

Description

本発明は、非常時に乗りかごを停止させる非常止め装置及びこの非常止め装置を備えたエレベーターに関するものである。
一般的に、ロープ式のエレベーターは、乗りかごと釣合おもりを連結する主ロープ及びコンペンロープや、乗りかご又は釣合おもりの速度を検出するために用いられる調速機ロープ等の長尺物を有している。また、エレベーターには、安全装置として、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごの速度が規定された値を超えたときに、乗りかごの運転を自動的に停止する非常止め装置を設けることが規定されている。
近年では、調速機を用いずに電気的に非常止め装置の制動機構を作動させる非常止め装置が提案されている。従来の、この種の非常止め装置としては、例えば、特許文献1に記載されている技術がある。この特許文献1には、駆動バネと電磁石装置とによりレールに離接する楔形摩擦部材を持ち、駆動バネに蓄勢しながら電磁石装置を復帰させる復帰モータを備えた技術が記載されている。
そして、特許文献1には、復帰モータは、電磁石装置を押して保持位置に復帰させる復帰部材を駆動し、復帰部材は保持位置の電磁石装置の解放位置への移動を許容することが記載されている。さらに、特許文献1には、駆動バネは復帰バネとともに復帰モータによって蓄勢され、復帰モータは復帰バネにより回転され、復帰部材は待機位置に偏倚されていることが記載されている。
特開2009−227353号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、保持駆動部である電磁石装置の駆動力のみで制動機構が作動しない状態を保持していた。そのため、特許文献1に記載された技術では、作動用付勢部材である駆動バネの付勢力よりも大きな駆動力を有する保持駆動部を設ける必要があり、保持駆動部が大容量化する、という問題を有していた。
本目的は、上記の問題点を考慮し、保持駆動部の大容量化を抑制することができる非常止め装置及びエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するため、非常止め装置は、昇降体の昇降移動の状態に基づいて昇降体の移動を停止させる非常止め装置である。非常止め装置は、昇降体に設けられ、かつ昇降体が摺動するガイドレールを挟持して昇降体の移動を停止させる制動機構と、制動機構の制動子を作動させる作動機構と、を備えている。
作動機構は、固定部材と、可動部材と、作動用付勢部材と、保持復帰機構と、を備えている。固定部材は、昇降体に固定される。可動部材は、固定部材に移動可能に支持される。作動用付勢部材は、可動部材を制動機構が作動する方向に付勢する。保持復帰機構は、可動部材を作動用付勢部材の付勢力に抗して保持する。
また、保持復帰機構は、保持部材と、保持ギア部材と、保持駆動部と、を備えている。保持部材は、固定部材及び可動部材のうちどちらか一方に設けられる。固定部材及び可動部材のうち残りの他方に設けられ、保持部材が解除可能に係止される。保持駆動部は、保持部材における保持ギア部材との係止が解除される方向への移動を規制する。そして、保持部材と保持ギア部材が係止されることで、作動用付勢部材の付勢力に抗して可動部材の移動を規制する。
また、エレベーターは、昇降路内を昇降移動する昇降体を備えたエレベーターにおいて、
昇降路内に立設されて昇降体を摺動可能に支持するガイドレールと、昇降体の昇降移動の状態に基づいて昇降体の移動を停止させる非常止め装置と、を備えている。また、非常止め装置としては、上述した非常止め装置が用いられる。
上記構成の非常止め装置及びエレベーターによれば、保持駆動部の大容量化を抑制することができる。
第1の実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置を示す正面図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置の制動機構を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構を示す説明図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構が動作した状態を示す説明図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構における復帰動作を示す説明図である。 第1の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構における復帰動作を示す説明図である。 第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構を示す説明図である。 第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構が動作した状態を示す説明図である。 第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構における復帰動作を示す説明図である。 第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構における復帰動作を示す説明図である。
以下、実施の形態例にかかる非常止め装置及びエレベーターについて、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1−1.エレベーターの構成例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターの構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本例のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路110内を昇降動作する。エレベーター1は、人や荷物を載せる昇降体の一例を示す乗りかご120と、主ロープ130と、昇降体の他の例を示す釣合おもり140と、を備えている。また、エレベーター1は、巻上機100と、非常止め装置5とを備えている。
また、エレベーター1は、制御装置170と、反らせ車150と、を備えている。なお、昇降路110は、建築構造物内に形成され、その頂部には機械室160が設けられている。
機械室160には、巻上機100と、反らせ車150が配置されている。巻上機100における付図の綱車には、主ロープ130が巻き掛けられている。また、巻上機100の近傍には、主ロープ130が装架される反らせ車150が設けられている。
主ロープ130の一端には、乗りかご120の上部が接続され、主ロープ130の他端には、釣合おもり140の上部が接続されている。巻上機100が駆動することで、乗りかご120及び釣合おもり140が昇降路110を昇降する。以下、乗りかご120及び釣合おもり140が昇降移動する方向を昇降方向Zとする。
乗りかご120は、不図示のスライダを介して2つのガイドレール201A、201Bに摺動可能に支持されている。同様に、釣合おもり140は、おもり側ガイドレール201Cに不図示のスライダを介して摺動可能に支持されている。2つのガイドレール201A、201Bと、おもり側ガイドレール201Cは、昇降路110内において昇降方向Zに沿って延在する。
また、乗りかご120には、乗りかご120の昇降移動を非常停止させる非常止め装置5が設けられている。非常止め装置5の詳細な構成については、後述する。
さらに、機械室160には、制御装置170が設置されている。制御装置170は、不図示の接続配線を介して乗りかご120に接続されている。そして、制御装置170は、乗りかご120に制御信号を出力する。また、制御装置170は、昇降路110内に設置されて、乗りかご120の状態を検出する不図示の状態検出センサが接続されている。
状態検出センサが検出する情報としては、昇降路110内を昇降移動する乗りかご120の位置情報、乗りかご120の速度情報や、乗りかご120の加速度情報等である。乗りかご120の位置情報としては、例えば、同一の昇降路110内に複数の乗りかご120が昇降移動するマルチカーエレベーターにおいて、上下に隣接する2つの乗りかご120の間隔が所定の間隔よりも接近した際に検出される異常接近情報である。
また、乗りかご120の速度情報としては、例えば、乗りかご120の下降速度が定格速度の1.3倍以上に達した際に検出される異常下降速度情報である。そして、乗りかご120の加速度情報としては、例えば、乗りかご120の加速度が予め設定されたパターンから逸脱した際に検出される異常加速度情報である。状態検出センサは、検出した情報を制御装置に出力する。
制御装置170は、状態検出センサで検出された情報に基づいて乗りかご120の状態が異常か正常であるかを判断する。そして、制御装置170は、乗りかご120の状態が異常であると判断した場合、非常止め装置5に動作指令信号を出力する。これにより、非常止め装置5は、制御装置170からの動作指令信号に基づいて、作動して、乗りかご120を停止させる。
なお、本例では、状態検出センサが、位置情報、速度情報及び加速度情報を検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、位置情報、速度情報及び加速度情報をそれぞれ異なるセンサで検出してもよい。さらに、制御装置170は、位置情報、速度情報、加速度情報を選択して単独で取得してもよく、あるいは複数の情報を組み合わせて取得してもよい。
なお、制御装置170と乗りかご120は、有線により接続される例に限定されるものではなく、無線により信号が送受信可能に接続されていてもよい。
1−2.非常止め装置の構成
次に、非常止め装置5の詳細な構成について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、非常止め装置5を示す正面図である。
図2に示すように、非常止め装置5は、2つの制動機構10A、10Bと、作動機構11と、連動機構12と、第1引き上げ棒13と、第2引き上げ棒14と、を有している。作動機構11と連動機構12は、乗りかご120の上部に設けられたクロスヘッド121に配置されている。
[連動機構]
連動機構12は、第1作動レバー16と、第2作動レバー17と、第1作動軸18と、第2作動軸19と、支持ブラケット20と、連結軸25、26とを有している。
支持ブラケット20は、乗りかご120における昇降方向Zと直交し、かつガイドレール201Aと対向する方向(以下、第1の方向X)の一端部に設けられている。また、支持ブラケット20は、クロスヘッド121に固定されている。支持ブラケット20は、第1ストッパ21と、第2ストッパ22とを有している。第1ストッパ21は、支持ブラケット20における昇降方向Zの上端部に設けられており、第2ストッパ22は、支持ブラケット20における昇降方向Zの下端部に設けられている。
この支持ブラケット20には、第1作動軸18が設けられている。第1作動軸18には、第1作動レバー16が回動可能に支持されている。第1作動レバー16は、略T字状に形成されている。
第1作動レバー16は、回動片16aと、接続片16bとを有している。回動片16aは、接続片16bにおける長手方向の中間部から略垂直に突出している。そして、回動片16aは、支持ブラケット20に設けた第1ストッパ21と第2ストッパ22の間を挿通し、乗りかご120の第1の方向Xの一側に配置されたガイドレール201Aに向けて突出している。回動片16aにおける接続片16bとは反対側の端部には、第1引き上げ棒13が接続されている。
接続片16bにおける昇降方向Zの下端部には、第1連結軸25が接続されている。そして、第1作動レバー16は、回動片16aと接続片16bの接続箇所において第1作動軸18に回動可能に支持される。
第2作動レバー17は、クロスヘッド121における第1の方向Xの他端部には、第2作動軸19が設けられている。第2作動軸19には、第2作動レバー17が回動可能に支持されている。第2作動レバー17は、第1作動レバー16と同様に、略T字状に形成されている。
第2作動レバー17は、回動片17aと、接続片17bとを有している。回動片17aは、接続片16bにおける長手方向の中間部から略垂直に突出している。そして、回動片17aは、乗りかご120の第1の方向Xの他側に配置されたガイドレール201Bに配置されたガイドレール201Bに向けて突出している。回動片17aにおける接続片17bとは反対側の端部には、第2引き上げ棒14が接続されている。
接続片17bにおける昇降方向Zの上端部には、第2連結軸26が接続されている。そして、第2作動レバー17は、回動片17aと接続片17bの接続箇所において第2作動軸19に回動可能に支持される。
第1連結軸25における第1の方向Xの一端部は、第1作動レバー16の接続片16bに接続されており、第1連結軸25における第1の方向Xの他端部は、後述する作動機構11に接続されている。また、第2連結軸26における第1の方向Xの他端部は、第2作動レバー17の接続片17bに接続されており、第2連結軸26における第1の方向Xの一端部は、作動機構11に接続されている。なお、作動機構11の詳細な構成については後述する。
作動機構11が作動すると、第1連結軸25及び第2連結軸26は、第1の方向Xの一側に向けて移動する。これにより、第1作動レバー16は、回動片16aにおける第1引き上げ棒13が接続された端部が昇降方向Zの上方を向くように第1作動軸18を中心に回動する。また、第2作動レバー17は、回動片17aにおける第2引き上げ棒14が接続された端部が昇降方向Zの上方を向くように第2作動軸19を中心に回動する。その結果、第1引き上げ棒13と第2引き上げ棒14が連動して、昇降方向Zの上方に向けて引き上げられる。
また、第1引き上げ棒13における回動片16aが接続された端部とは反対側の端部には、第1制動機構10Aが接続されている。そして、第2引き上げ棒14における回動片17aが接続された端部とは反対側の端部には、第2制動機構10Bが接続されている。
[制動機構]
第1制動機構10A及び第2制動機構10Bは、乗りかご120の昇降方向Zの下端部に配置されている。第1制動機構10Aは、乗りかご120の第1の方向Xの一端部において、ガイドレール201Aと対向して配置されている。また、第2制動機構10Bは、乗りかご120の第1の方向Xの他端部においてガイドレール201Bと対向して配置されている。
図3は、非常止め装置5の制動機構10A、10Bを示す斜視図である。なお、第1制動機構10Aと第2制動機構10Bは、同一の構成を有しているため、ここでは第1制動機構10Aについて説明する。以下、第1制動機構10を単に制動機構10Aと称す。また、昇降方向Zと直交し、かつ第1の方向Xとも直交する方向を第2の方向Yとする。
図3に示すように、制動機構10Aは、一対の制動子31(図3では、片側のみを図示)と、一対のガイド部材32、32と、連結部材33と、付勢部材34とを有している。
一対の制動子31は、ガイドレール201Aを間に挟んで第2の方向Yで互いに対向して配置される。そして、非常止め装置5が作動する前の状態では、一対の制動子31とガイドレール201Aとの間には、所定の間隔が形成されている。
制動子31におけるガイドレール201Aと対向する一面は、ガイドレール201Aの一面と平行、すなわち昇降方向Zと平行に形成されている。また、制動子31におけるガイドレール201Aと対向する一面とは反対側の他面は、昇降方向Zの下方から上方に向かうにつれてガイドレール201Aに接近するように傾斜している。したがって、制動子31は、くさび状に形成されている。
一対の制動子31は、連結部材33によって第2の方向Yに移動可能に支持されている。また、一対の制動子31は、連結部材33によって連結されている。連結部材33には、第1引き上げ棒13が接続される。そして、第1引き上げ棒13が昇降方向Zの上方に引き上げられることで、一対の制動子31及び連結部材33は、昇降方向Zの上方に向けて移動する。
また、一対の制動子31は、一対のガイド部材32、32によって移動可能に支持されている。一対のガイド部材32、32は、不図示の枠体を介して乗りかご120(図2参照)に固定されている。また、一対のガイド部材32、32は、ガイドレール201Aと一対の制動子31を間に挟んで第2の方向Yに所定の間隔を空けて対向する。
ガイド部材32における制動子31と対向する一面は、昇降方向Zの上方に向かうにつれてガイドレール201Aに接近するように傾斜している。そのため、一対のガイド部材32、32における制動子31と対向する一面の間隔は、昇降方向Zの上方に向かうにつれて狭まっている。
また、ガイド部材32における制動子31と対向する一面とは反対側の他面には、付勢部材34が配置されている。付勢部材34は、例えば、昇降方向Zと直交する水平方向で切断した断面形状がU字状の板ばねにより構成されている。付勢部材34における両端部は、ガイドレール201Aを間に挟んで第2の方向Yに所定の間隔を空けて対向する。そして、付勢部材34の両端部における互いに対向する一面には、ガイド部材32が固定される。
なお、付勢部材34としては、U字状の板ばねに限定されるものではなく、例えば、圧縮コイルばねを用いて、ガイド部材32と不図示の枠体との間に介在させてもよい。
一対の制動子31がガイド部材32に対して相対的に昇降方向Zの上方に移動すると、一対の制動子31は、ガイド部材32により互いに接近する方向、すなわちガイドレール201Aに接近する方向へ移動する。さらに、一対の制動子31が昇降方向Zの上方に移動すると、一対の制動子31は、ガイド部材32を介して付勢部材34の付勢力によりガイドレール201Aに押し付けられる。これにより、乗りかご120の昇降移動が制動される。
[作動機構]
次に、図4を参照して作動機構11について説明する。
図4は、作動機構11を示す説明図である。
図4に示すように、作動機構11は、固定部材41と、第1可動板45と、第2可動板46と、2つのガイドロッド47、47と、2つの作動用付勢部材48、48と、保持復帰機構49と、復帰用駆動機構50とを有している。なお、ガイドロッド47及び作動用付勢部材48の数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上設けてもよい。
固定部材41は、乗りかご120の上端部に設けられたクロスヘッド121に固定されている。固定部材41は、固定面部42と、第1対向面部43と、第2対向面部44とを有している。固定面部42は、クロスヘッド121に固定ボルトを用いて締結固定や溶接等の固定方法により固定されている。固定面部42における第1の方向Xの一端部には、第1対向面部43が連続し、固定面部42における第1の方向Xの他端部には、第2対向面部44が連続している。
第1対向面部43は、固定面部42の一端部から第2の方向Yに沿って略垂直に連続している。また、第2対向面部44は、固定面部42の他端部から第2の方向Yに沿って略垂直に連続している。そして、第1対向面部43と第2対向面部44は、第1の方向Xに所定の間隔を空けて対向している。
第1対向面部43には、2つのガイド孔43a、43aと、支持孔43bが形成されている。2つのガイド孔43a、43aは、第1対向面部43における第2の方向Yの両端部に形成されている。そして、2つのガイド孔43a、43aは、第1対向面部43を第1の方向Xに沿って貫通している。また、支持孔43bは、第1対向面部43における第2の方向Yの中間部に形成されている。そして、支持孔43bは、第1対向面部43を第1の方向Xに沿って貫通している。
第2対向面部44には、2つのガイド孔44a、44aが形成されている。2つのガイド孔44a、44aは、第2対向面部44における第2の方向Yの両端部に形成されている。また、2つのガイド孔44a、44aは、それぞれ第1対向面部43に設けたガイド孔43aを臨む。
第1対向面部43のガイド孔43aと第2対向面部44のガイド孔44aには、ガイドロッド47が摺動可能に挿入されている。ガイドロッド47は、第1対向面部43と第2対向面部44に摺動可能に支持されて、その軸方向が第1の方向Xと略平行に配置されている。
ガイドロッド47における軸方向の一端部、すなわち第1の方向Xの一端部には、第1可動板45が固定されている。ガイドロッド47における軸方向の他端部、すなわち第1の方向Xの他端部には、第2可動板46が固定されている。第1可動板45と第2可動板46は、固定部材41を間に挟んで第1方向Xで対向している。この第1可動板45、第2可動板46及びガイドロッド47により可動部材が構成される。
第1可動板45及び第2可動板46は、それぞれ略平板状に形成されている。第1可動板45における固定部材41及び第2可動板46と対向する面とは反対側の面、すなわち第1の方向Xの一側の面には、第1連結軸25が接続されている。また、第2可動板46における固定部材41及び第1可動板45と対向する面とは反対側の面、すなわち第1の方向Xの他側の面には、第2連結軸26が接続されている。そのため、第1連結軸25と第2連結軸26は、第1可動板45、ガイドロッド47及び第2可動板46を介して連結されている。
第1可動板45と固定部材41の第1対向面部43の間には、作動用付勢部材48が介在されている。作動用付勢部材48は、例えば、圧縮コイルばねにより構成されている。作動用付勢部材48は、ガイドロッド47に取り付けられている。そして、図4に示すように、作動機構11が作動していない通常状態(以下、「待機状態」という)、すなわちエレベーター1の通常運転時では、作動用付勢部材48は、その付勢力に抗して第1可動板45と第1対向面部43の間に圧縮された状態で介在されている。
[保持復帰機構]
また、第1可動板45と第1対向面部43の間には、保持復帰機構49が配置されている。保持復帰機構49は、保持部材の一例を示す第1保持レバー51及び第2保持レバー52と、保持ギア部材53と、第1回動軸56と、第2回動軸57と、第1支持ベース58と、第2支持ベース59とを有している。また、保持復帰機構49は、保持駆動部の一例を示す第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55を有している。
第1支持ベース58には、後述する復帰用駆動機構50の復帰用プランジャ62が接続されている。そして、第1支持ベース58は、第1対向面部43における第1可動板45と対向する一面に載置される。第1支持ベース58には、第1回動軸56を介して第1保持レバー51が回動可能に支持される。
引き寄せ用のレバーの一例を示す第1保持レバー51は、第1支持ベース58から第1可動板45に向けて、すなわち第1の方向Xの一側に向けて突出している。第1保持レバー51における第1支持ベース58とは反対側の端部、すなわち第1の方向Xの一端部には、第1係止フック片51aが形成されている。第1係止フック片51aは、後述する保持ギア部材53の係止歯部53aに解除可能に係止される。
また、第1回動軸56には、第1ロータリーソレノイド54が設けられている。第1ロータリーソレノイド54は、通電されることで第1係止フック片51aが係止歯部53aと係止する向きに第1保持レバー51を回動させる。すなわち、第1ロータリーソレノイド54は、第1保持レバー51における保持ギア部材53との係止が解除される方向への移動を規制する。
また、第1ロータリーソレノイド54への通電が遮断されると、第1保持レバー51は、作動用付勢部材48の付勢力により、第1係止フック片51aが係止歯部53aから離間する向きに回動する(図5参照)。
また、第1回動軸56に、第1ロータリーソレノイド54が動作に対して抗する向き、すなわち第1係止フック片51aが係止歯部53aから離間する向きに第1保持レバー51を付勢するねじりコイルばね等の弾性部材を設けてもよい。
第2支持ベース59は、第1対向面部43における第1可動板45と対向する一面に固定される。また、第2支持ベース59は、第1対向面部43上において第1支持ベース58と第2の方向Yの一側に間隔を空けて配置される。第2支持ベース59には、第2回動軸57を介して第2保持レバー52が回動可能に支持される。
戻り防止用のレバーの一例を示す第2保持レバー52は、第2支持ベース59から第1可動板45に向けて、すなわち第1の方向Xの一側に向けて突出している。そして、第1保持レバー51と第2保持レバー52は、第2の方向Yに間隔を空けて対向する。
第2保持レバー52には、第1保持レバー51と同様に、第2係止フック片52aが形成されている。第2係止フック片52aは、第2保持レバー52における第2支持ベース59とは反対側の端部、すなわち第1の方向Xの一端部に設けられている。そして、第1係止フック片51aと第2係止フック片52aは、互いに間隔を空けて対向している。第2係止フック片52aは、後述する保持ギア部材53の係止歯部53aに解除可能に係止される。
また、第2回動軸57には、第2ロータリーソレノイド55が設けられている。第2ロータリーソレノイド55は、通電されることで第2係止フック片52aが係止歯部53aと係止する向きに第2保持レバー52を回動させる。すなわち、第2ロータリーソレノイド55は、第2保持レバー52における保持ギア部材53との係止が解除される方向への移動を規制する。
また、第2ロータリーソレノイド55への通電が遮断されると、第2保持レバー52は、作動用付勢部材48の付勢力により、第2係止フック片52aが係止歯部53aから離間する向きに回動する(図5参照)。
また、第2回動軸57に、第1回動軸56と同様に、第2係止フック片52aが係止歯部53aから離間する向きに第2保持レバー52を付勢するねじりコイルばね等の弾性部材を設けてもよい。
保持ギア部材53は、複数の係止歯部53aと、複数の係止歯部53aが設けられた軸部53bとを有している。軸部53bは、第1可動板45における第1対向面部43と対向する一面に固定されている。そして、軸部53bは、第1可動板45から第1対向面部43に向けて突出している。
複数の係止歯部53aは、軸部53bの側面部から突出している。また、複数の係止歯部53aは、軸部53bの側面部において第1の方向Xに沿って並べて配置されている。係止歯部53aは、略三角形状に形成されている。そして、係止歯部53aにおける第1の方向Xの他側、すなわち第1対向面部43側の一面は、第2の方向Yに対して傾斜した傾斜面部となっている。
この係止歯部53aには、第1保持レバー51の第1係止フック片51aと、第2保持レバー52の第2係止フック片52aが着脱可能に係止される。そして、係止歯部53aと第1係止フック片51a及び第2係止フック片52aが係止されることで、第1可動板45の第1の方向Xへの移動が規制される。
そのため、待機状態では、作動用付勢部材48を圧縮した状態で保持する力は、保持駆動部である第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55の駆動力と係止歯部53aと第1係止フック片51a及び第2係止フック片52aとの摩擦力である。このように、保持駆動部の駆動力に、第1保持レバー51及び第2保持レバー52と保持ギア部材53の摩擦力が加わるため、作動用付勢部材48を圧縮した状態で保持する力を強めることができる。これにより、待機状態において保持駆動部に通電する電力を弱めることができ、保持駆動部の容量を小さくすることができる。
ここで、係止歯部53aにおける第1係止フック片51a及び第2係止フック片52aとの接触面と軸部53bの側面部との間、すなわち係止歯部53aの接触面における第1の方向Xに対する第1角度θ1は、90度あるいは鈍角に設定されている。
また、第1係止フック片51a及び第2係止フック片52aにおける係止歯部53aとの接触面が第1の方向Xに対する第2角度θ2は、90度あるいは鋭角に設定されている。さらに、第1角度θ1は、180度−第2角度θ2と略同じ角度に設定される。
これにより、係止歯部53aと第1係止フック片51a及び第2係止フック片52aとを強固に係止させることができ、保持駆動部である第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55の大容量化を抑制し、容量の小型化を図ることができる。
[復帰用駆動機構]
次に、復帰用駆動機構50について説明する。
復帰用駆動機構50は、復帰駆動部である復帰用ソレノイド61と、復帰用プランジャ62と、復帰用付勢部材63と、ばね受け片64とを有している。復帰用ソレノイド61は、第1対向面部43における第2対向面部44と対向する面に固定されている。
また、復帰用ソレノイド61には、第1の方向Xに沿って貫通する筒孔61aが形成されている。そして、筒孔61aは、第1対向面部43に設けた支持孔43bに連通している。この筒孔61aには、復帰用プランジャ62が第1の方向Xに沿って貫通している。
復帰用プランジャ62における第1の方向Xの一端部は、復帰用ソレノイド61の筒孔61aから第1の方向Xの一側に向けて突出している。復帰用プランジャ62における第1の方向Xの一端部は、復帰用ソレノイド61の筒孔61aから第1対向面部43の支持孔43bに挿通されている。また、復帰用プランジャ62の第1の方向Xの一端部は、支持孔43bに、第1の方向Xに沿って摺動可能に支持されている。
そして、復帰用プランジャ62における第1対向面部43から第1の方向Xの一側に向けて突出した部分には、第1支持ベース58が接続されている。そのため、復帰用プランジャ62が第1の方向Xに移動することで、第1支持ベース58及び第1保持レバー51が共に第1の方向Xに移動する。
また、復帰用プランジャ62における第1の方向Xの他端部は、復帰用ソレノイド61の筒孔61aから第1の方向Xの他側に向けて突出している。復帰用プランジャ62における第1の方向Xの他端部には、略平板状のばね受け片64が設けられている。
復帰用付勢部材63は、例えば、圧縮コイルばねにより構成されている。そして、復帰用付勢部材63は、復帰用ソレノイド61の外周を覆い、第1対向面部43とばね受け片64の間に介在される。また、復帰用付勢部材63の付勢力は、作動用付勢部材48の付勢力よりも大きく設定されている。
待機状態では、復帰用ソレノイド61のコイル61bには、通電されておらず、復帰用プランジャ62は、復帰用付勢部材63の付勢力により第1の方向Xの他側に向けて付勢されている。上述したように、復帰用プランジャ62の一端部には、第1対向面部43を挟んで第1支持ベース58が設けられている。そのため、第1支持ベース58が第1対向面部43に当接することにより、復帰用プランジャ62が復帰用ソレノイド61の筒孔61aから抜け出ることを防ぐことができる。
また、復帰用ソレノイド61のコイル61bに通電されると、復帰用プランジャ62は、復帰用ソレノイド61の電磁吸着力によって復帰用付勢部材63の付勢力に抗して第1の方向Xの一側に向けて移動する(図7A参照)。
なお、本例では、作動用付勢部材48及び復帰用付勢部材63として、圧縮コイルばねを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。作動用付勢部材48及び復帰用付勢部材63としては、例えば、板ばねやゴム等のその他各種の弾性部材を適用できるものである。
1−3.非常止め装置の動作例
次に、上述した構成を有する非常止め装置5の動作例について図5〜図7Bを参照して説明する。なお、ここでは、非常止め装置5における作動機構11の動作について説明する。
図5は、作動機構11が動作した状態を示す説明図である。以下、図5に示す状態を制動状態という。
まず、図5を参照して待機状態から制動状態への作動機構11の動作について説明する。
乗りかご120(図1及び図2参照)が下降移動時において、乗りかご120の下降速度が定格速度の1.3倍以上に達したと制御装置170が判断すると、制御装置170は、非常止め装置5に動作指令信号を出力する。これにより、保持駆動部である第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55への通電が遮断される。これにより、第1保持レバー51及び第2保持レバー52における保持ギア部材53から離間する向きへの回動が解放され、第1保持レバー51及び第2保持レバー52が回動可能となる。
そのため、図5に示すように、第1保持レバー51は、作動用付勢部材48の付勢力により、第1係止フック片51aが係止歯部53aから離間する向きに第1回動軸56を中心に回動する。同様に、第2保持レバー52は、作動用付勢部材48の付勢力により、第2係止フック片52aが係止歯部53aから離間する向きに第2回動軸57を中心に回動する。その結果、第1可動板45における第1の方向Xの一側への移動が解除される。
そして、第1可動板45は、作動用付勢部材48の付勢力により第1の方向Xの一側へ付勢される。そのため、第1可動板45に接続されたガイドロッド47は、固定部材41のガイド孔43a、44aに支持されて第1可動板45と共に第1の方向Xの一側へ移動する。また、ガイドロッド47に接続された第2可動板46も第1の方向Xの一側へ移動する。すなわち、第1可動板45、第2可動板46及びガイドロッド47からなる可動部材は、固定部材41に支持されて第1の方向Xの一側へ移動する。
これにより、第1可動板45に接続された第1連結軸25と、第2可動板46に接続された第2連結軸26が、第1の方向Xの一側に向けて移動し、第1制動機構10A及び第2制動機構10B(図2参照)が作動する。その結果、第1制動機構10A及び第2制動機構10Bの一対の制動子31(図3参照)がガイドレール201Aを挟持することで、乗りかご120の昇降移動が機械的に停止される。
次に、図6A〜図7Bを参照して作動機構11における制動状態から待機状態に復帰する復帰動作について説明する。
図6A〜図7Bは、作動機構11の復帰動作を示す説明図である。
まず、図6Aに示すように、保持駆動部である第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55に通電が行われると、第1保持レバー51及び第2保持レバー52は、第1回動軸56及び第2回動軸57を中心に保持ギア部材53に向けて回動する。これにより、再び、第1保持レバー51及び第2保持レバー52と、保持ギア部材53が係止される。
次に、図6Bに示すように、第1ロータリーソレノイド54への通電を遮断する。そして、復帰用駆動機構50の復帰用ソレノイド61のコイル61bに通電する。これにより、復帰用プランジャ62は、復帰用ソレノイド61の電磁吸着力によって復帰用付勢部材63の付勢力に抗して第1の方向Xの一側に向けて移動する。そのため、復帰用付勢部材63は、ばね受け片64と第1対向面部43の間で圧縮される。
また、復帰用プランジャ62が第1の方向Xの一側に向けて移動することで、復帰用プランジャ62に接続された第1保持レバー51及び第1支持ベース58も第1の方向Xの一側に向けて移動する。そして、第1保持レバー51は、係止歯部53aの傾斜面部に当接することで、第1回動軸56を中心に回動する。これにより、第1保持レバー51は、保持ギア部材53に設けた係止歯部53aを一つ分乗り越えて、第1の方向Xの一側に移動する。
第1保持レバー51が係止歯部53aを乗り越える際、第1可動板45には、作動用付勢部材48によって第1の方向Xの一側へ付勢されている。しかしながら、第2ロータリーソレノイド55は通電されており、第2保持レバー52は、保持ギア部材53と係止している。そして、可動部材である第1可動板45における第1の方向Xの一側への移動は、第2保持レバー52と保持ギア部材53の係止により、規制されている。これにより、第1保持レバー51は、係止歯部53aをスムーズに乗り越えることができる。
図7Aに示すように、第1保持レバー51が係止歯部53aを乗り越えて第1保持レバー51と保持ギア部材53が係止されると、再び第1ロータリーソレノイド54に通電を行い、第1保持レバー51と保持ギア部材53とを係止させる。次に、第2ロータリーソレノイド55への通電を遮断すると共に、復帰用ソレノイド61のコイル61bへの通電も遮断する。
これにより、復帰用プランジャ62は、復帰用付勢部材63の付勢力により第1の方向Xの他側へ付勢される。そのため、復帰用プランジャ62に接続された第1保持レバー51及び第1支持ベース58も第1の方向Xの他側に向けて付勢される。また、第1保持レバー51と保持ギア部材53が係止されているため、保持ギア部材53及び第1保持レバー51を介して第1可動板45も、第1の方向Xの他側に向けて付勢される。
上述したように、復帰用付勢部材63の付勢力は、作動用付勢部材48の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、第1可動板45は、作動用付勢部材48の付勢力に抗して第1の方向Xの他側に向けて係止歯部53aを一つ分移動する。また、第1可動板45に接続されたガイドロッド47及び第2可動板46も第1の方向Xの他側に向けて係止歯部53aを一つ分移動する。
第1可動板45が第1の方向Xの他側に移動することで、第2保持レバー52は、係止歯部53aの傾斜面部に当接する。そのため、第2保持レバー52は、第2回動軸57を中心に回動する。これにより、第2保持レバー52も、係止歯部53aを一つ分乗り越える。再び第2ロータリーソレノイド55に通電を行い、第2保持レバー52と保持ギア部材53とを係止させる。このように、第1保持レバー51と第2保持レバー52は、保持ギア部材53に交互に係止と、解除を繰り返す。そして、上述した動作を繰り返すことで、作動機構11は、図5に示す制動状態から図4に示す待機状態に復帰する。
ここで、係止歯部53aを一つ分の第1の方向Xの長さをsとし、復帰用プランジャ62及び第1保持レバー51における第1の方向Xの動作ストローク量Wは、下記式1を満たす値に設定される。
[式1]
s<W<2s
このように、本例の作動機構11によれば、復帰用ソレノイド61の往復運動を繰り返すことで、第1可動板45を制動状態の位置から待機状態の位置まで復帰させることができる。そのため、第1可動板45における制動状態と待機状態の第1の方向Xの移動量が長くなっても、復帰用プランジャ62の第1の方向Xの動作ストローク量Wは、変化しない。その結果、復帰用プランジャ62の動作ストローク量Wを小さくすることができ、復帰用駆動機構50の小型化を図ることができる。
なお、第1保持レバー51の動作ストローク量Wは、上述した例に限定されるものではない。例えば、第1保持レバー51及び復帰用プランジャ62の動作ストローク量Wは、例えば、係止歯部53aの2つ分以上であってもよい。
さらに、本例の作動機構11によれば、復帰用ソレノイド61と、第1ロータリーソレノイド54及び第2ロータリーソレノイド55への通電と遮断、すなわち各ソレノイドのON・OFFにより復帰動作を行うことができる。これにより、作動機構11における復帰動作時の電気制御の簡略化を図ることができる。
2.第2の実施の形態例
次に、非常止め装置の第2の実施の形態例について図8〜図11を参照して説明する。
図8は、第2の実施の形態例にかかる非常止め装置における作動機構を示す説明図である。図9は、第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構が動作した状態を示す説明図である。また、図10A及び図10B、図11は、第2の実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構における復帰動作を示す説明図である。
この第2の実施の形態例にかかる非常止め装置が、第1の実施の形態例にかかる非常止め装置と異なる点は、作動機構における保持復帰機構及び復帰用駆動機構の構成である。そのため、ここでは、保持復帰機構及び復帰用駆動機構について説明し、第1の実施の形態例にかかる非常止め装置5の作動機構11と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図8に示すように、作動機構70は、固定部材41と、第1可動板45と、第2可動板46と、2つのガイドロッド47、47と、2つの作動用付勢部材48、48とを有している。また、作動機構70は、保持復帰機構71と、復帰用駆動機構90とを有している。
固定部材41は、固定面部42と、第1対向面部43と、第2対向面部44とを有している。なお、第2の実施の形態例にかかる第2対向面部44には、後述する復帰用プランジャ92が挿通する挿通孔44bが形成されている。
保持復帰機構71は、第1保持レバー51と、第2保持レバー52と、保持ギア部材53と、第1回動軸56と、第2回動軸57と、第1支持ベース58と、第2支持ベース59とを有している。第2の実施の形態例にかかる第1保持レバー51には、第1当接ピン51bが設けられている。同様に、第2保持レバー52には、第2当接ピン52bが設けられている。また、保持復帰機構71は、保持駆動機構80を有している。
保持駆動機構80は、保持駆動部の一例を示す保持用ソレノイド72と、保持用プランジャ73と、付勢部材74と、保持用ばね受け片75と、第1保持アーム81と、第2保持アーム82と、を有している。さらに、保持駆動機構80は、第1アーム回動軸84と、第2アーム回動軸85と、保持用付勢部材の一例を示す第1板ばね86及び第2板ばね87とを有している。
保持用ソレノイド72は、不図示のブラケットに固定されて固定部材41における第1対向面部43と第2対向面部44の間に配置されている。保持用ソレノイド72の筒孔には、保持用プランジャ73が貫通している。また、保持用プランジャ73の軸方向の一端部には、保持ピン73aが設けられている。そして、保持用プランジャ73の軸方向の他端部には、略平板状の保持用ばね受け片75が設けられている。
保持用ばね受け片75と保持用ソレノイド72の軸方向の他端部の間には、付勢部材74が介在されている。付勢部材74は、例えば、圧縮コイルばねやゴム等の弾性部材により構成されている。待機状態では、保持用ソレノイド72のコイルに通電が行われており、保持用プランジャ73は、付勢部材74の付勢力に抗して軸方向の一側に向けて突出している。
なお、図8に示す例では、保持用ソレノイド72及び保持用プランジャ73は、その軸方向が第1の方向Xと略平行に配置されている。そのため、保持用プランジャ73は、第1の方向Xに沿って移動する。しかしながら、保持用ソレノイド72及び保持用プランジャ73を配置する向きは、これに限定されるものではなく、保持用ソレノイド72及び保持用プランジャ73を、その軸方向が昇降方向Zと略平行になるように配置してもよい。この場合、保持用プランジャ73は、昇降方向Zに沿って移動する。
第1保持アーム81は、第1アーム回動軸84によって第1対向面部43に回動可能に支持されている。第1保持アーム81における長手方向の一端部は、第1対向面部43から第1の方向Xの一側に向けて突出している。第1保持アーム81における長手方向の他端部は、第1対向面部43から第1の方向Xの他側に向けて突出している。
第1保持アーム81の長手方向の一端部には、第1板ばね86が固定されている。第1板ばね86は、第1保持アーム81の長手方向の一端部から第1の方向Xの一側に向けて突出している。また、第1板ばね86における第1保持アーム81とは反対側の端部は、第1保持レバー51に設けた第1当接ピン51bに当接している。また、第1板ばね86は、第1当接ピン51bの第2の方向Yの他側、すなわち第1保持レバー51が保持ギア部材53から離間する側に配置されている。
第1保持アーム81の長手方向の他端部には、第1ローラ81aが設けられている。第1ローラ81aは、第1保持アーム81における第2の方向Yの一側に配置されている。待機状態では、第1ローラ81aは、保持用プランジャ73の保持ピン73aに当接している。
第2保持アーム82は、第2アーム回動軸85によって第1対向面部43に回動可能に支持されている。また、第2保持アーム82は、第1保持アーム81と第2の方向Yの一側に間隔を空けて配置される。そして、第1保持アーム81と第2保持アーム82は、第2の方向Yに間隔を空けて対向する。
第2保持アーム82における長手方向の一端部は、第1対向面部43から第1の方向Xの一側に向けて突出している。第2保持アーム82における長手方向の他端部は、第1対向面部43から第1の方向Xの他側に向けて突出している。
第2保持アーム82の長手方向の一端部には、第2板ばね87が固定されている。第2板ばね87は、第2保持アーム82の長手方向の一端部から第1の方向Xの一側に向けて突出している。また、第2板ばね87における第2保持アーム82とは反対側の端部は、第2保持レバー52に設けた第2当接ピン52bに当接している。また、第2板ばね87は、第2当接ピン52bの第2の方向Yの一側、すなわち第2保持レバー52が保持ギア部材53から離間する側に配置されている。
第2保持アーム82の長手方向の他端部には、第2ローラ82aが設けられている。第2ローラ82aは、第2保持アーム82における第2の方向Yの他側に配置されている。待機状態では、第2ローラ82aは、保持用プランジャ73の保持ピン73aに当接している。
そのため、保持用プランジャ73の保持ピン73aは、第1保持アーム81の第1ローラ81aと第2保持アーム82の第2ローラ82aの間に介在される。この保持ピン73aにより、第1保持アーム81と第2保持アーム82は、第1ローラ81aと第2ローラ82aが接近する向きへの回動が規制される。すなわち、第1保持アーム81は、第1板ばね86が保持ギア部材53から離間する向きへの回動が規制され、第2保持アーム82は、第2板ばね87が保持ギア部材53から離間する向きへの回動が規制される。
さらに、第1保持レバー51は、第1当接ピン51bを介して第1板ばね86及び第1保持アーム81により保持される。そのため、第1保持レバー51は、第1板ばね86及び第1保持アーム81を介して保持用ソレノイド72によって保持ギア部材53から離間する向きへの回動が規制される。同様に、第2保持レバー52は、第2当接ピン52bを介して第2板ばね87及び第2保持アーム82により保持される。そのため、第2保持レバー52は、第2板ばね87及び第2保持アーム82を介して保持用ソレノイド72によって保持ギア部材53から離間する向きへの回動が規制される。
この第2の実施の形態例にかかる作動機構70においても、待機状態では、第1保持レバー51及び第2保持レバー52が保持ギア部材53に係止されている。そのため、作動用付勢部材48の付勢力に抗して作動用付勢部材48を圧縮した状態で保持する力に、第1保持レバー51及び第2保持レバー52と保持ギア部材53の摩擦力が加わる。その結果、この第2の実施の形態例にかかる作動機構70においても、保持駆動部である保持用ソレノイド72の大容量化を抑制し、容量の小型化を図ることができる。
次に、復帰用駆動機構90について説明する。
復帰用駆動機構90は、復帰駆動部である復帰用ソレノイド91と、復帰用プランジャ92と、復帰用付勢部材93と、ばね受け片94とを有している。復帰用ソレノイド91は、第2対向面部44における第1対向面部43と対向する面に固定されている。復帰用ソレノイド91に設けた筒孔91aは、第2対向面部44に設けた挿通孔44bに連通している。また、筒孔91aは、第1対向面部43に設けた支持孔43b(図10B参照)を臨む。
復帰用プランジャ92は、復帰用ソレノイド91の筒孔91aを第1の方向Xに沿って貫通している。復帰用プランジャ92における第1の方向Xの一端部は、復帰用ソレノイド91の筒孔91aから第1の方向Xの一側に向けて突出している。そして、復帰用プランジャ92の一端部は、第1対向面部43に設けた支持孔43bを摺動可能に挿通している。
また、復帰用プランジャ92の一端部は、第1対向面部43から第1の方向Xの一側に向けて突出している。そして、復帰用プランジャ92の一端部における第1対向面部43から突出した部分には、第1支持ベース58が接続されている。
また、復帰用プランジャ92における第1の方向Xの他端部は、復帰用ソレノイド91の筒孔91aから第1の方向Xの他側に向けて突出している。そして、復帰用プランジャ92の他端部は、第2対向面部44に設けた挿通孔44bに挿通される。
略平板状のばね受け片94は、復帰用プランジャ92に設けられている。また、ばね受け片94は、復帰用プランジャ92における復帰用ソレノイド91と第1対向面部43の間に配置される。
復帰用付勢部材93は、例えば、圧縮コイルばね等の弾性を有する部材により構成されている。そして、復帰用付勢部材93は、復帰用ソレノイド91の外周を覆い、第2対向面部44とばね受け片94の間に介在される。
待機状態では、復帰用ソレノイド91のコイル91bには、通電されておらず、復帰用プランジャ92は、復帰用付勢部材93の付勢力により第1の方向Xの一側に向けて付勢されている。また、復帰用ソレノイド91のコイル91bに通電されると、復帰用プランジャ92は、復帰用ソレノイド91の電磁吸着力によって復帰用付勢部材93の付勢力に抗して第1の方向Xの他側に向けて移動する。また、復帰用ソレノイド91における電磁吸着力、すなわち復帰用プランジャ92を第1の方向Xの他側に向けて移動させる駆動力は、作動用付勢部材48の付勢力よりも大きく設定されている。
次に、第2の実施の形態例にかかる作動機構70の動作について説明する。まず、図9を参照して待機状態から制動状態への作動機構70の動作について説明する。
図9は、作動機構70が動作した状態を示す説明図である。
図9に示すように、制御装置170(図1参照)からの動作指令信号により、保持用ソレノイド72への通電が遮断されると、保持用プランジャ73は、付勢部材74の付勢力により第1の方向Xの他側へ付勢される。そのため、保持用プランジャ73が第1の方向Xの他側へ移動し、保持ピン73aは、第1ローラ81aと第2ローラ82aから離間する。
これにより、第1保持アーム81及び第2保持アーム82における第1ローラ81aと第2ローラ82aが接近する向きへの回動が解放される。その結果、第1保持レバー51及び第2保持レバー52における保持ギア部材53から離間する向きへの回動が解放され、第1保持レバー51及び第2保持レバー52が回動可能となる。
そして、第1保持レバー51及び第2保持レバー52は、作動用付勢部材48の付勢力により、保持ギア部材53から離間する向きに回動する。これにより、第1可動板45における第1の方向Xの一側への移動が解除される。その結果、第1可動板45、第2可動板46及びガイドロッド47からなる可動部材が第1の方向Xの一側へ移動し、第1制動機構10A及び第2制動機構10B(図2参照)が作動する。
次に、図10A〜図11を参照して作動機構70における制動状態から待機状態に復帰する復帰動作について説明する。
図10A〜図11は、作動機構70の復帰動作を示す説明図である。
まず、図10Aに示すように、保持用ソレノイド72に通電を行う。これにより、保持用プランジャ73が付勢部材74の付勢力に抗して第1の方向Xの一側に移動する。そして、保持用プランジャ73の保持ピン73aが、第1保持アーム81の第1ローラ81aと、第2保持アーム82の第2ローラ82aに当接する。そのため、第1保持アーム81は、第1アーム回動軸84を中心に、第1ローラ81aが第2ローラ82aから離間する向きに回動する。また、第2保持アーム82は、第2アーム回動軸85を中心に、第2ローラ82aが第1ローラ81aから離間する向きに回動する。
そして、第1保持レバー51は、第1保持アーム81に設けた第1板ばね86に付勢されて保持ギア部材53に向けて回動する。また、第2保持レバー52は、第2保持アーム82に設けた第2板ばね87に付勢された保持ギア部材53に向けて回動する。これにより、再び、第1保持レバー51及び第2保持レバー52と保持ギア部材53が係止される。
このとき、復帰用ソレノイド91にも通電を行う。これにより、復帰用プランジャ92は、復帰用付勢部材93の付勢力に抗して第1の方向Xの他側に移動する。そして、復帰用プランジャ92に接続された第1保持レバー51及び第1支持ベース58も第1の方向Xの他側に移動する。
次に、図10Bに示すように、復帰用ソレノイド91への通電を遮断する。これにより、復帰用プランジャ92は、復帰用付勢部材93に付勢されて第1の方向Xの一側に移動する。また、復帰用プランジャ92に接続された第1保持レバー51及び第1支持ベース58も第1の方向Xの一側に移動する。
第1保持レバー51は、第1の方向Xの一側に移動する際に、保持ギア部材53の係止歯部53aの傾斜面部に当接する。そして、第1保持レバー51は、第1板ばね86の付勢力に抗して第1回動軸56を中心に保持ギア部材53から離間する向き回動する。そして、第1保持レバー51が係止歯部53aを一つ分乗り越えると、第1保持レバー51は、第1板ばね86の付勢力により保持ギア部材53に向けて回動する。そして、再び第1保持レバー51は、保持ギア部材53に係止される。
この際、保持ギア部材53には、第2保持レバー52が係止されている。そのため、可動部材である第1可動板45における第1の方向Xの一側への移動は、第2保持レバー52と保持ギア部材53の係止により、規制されている。これにより、第1保持レバー51は、係止歯部53aをスムーズに乗り越えることができる。
図11に示すように、第1保持レバー51が係止歯部53aを乗り越えて第1保持レバー51と保持ギア部材53が係止されると、復帰用ソレノイド91に通電を行う。これにより、復帰用プランジャ92は、復帰用ソレノイド91の電磁吸着力により第1の方向Xの他側へ付勢される。そのため、復帰用プランジャ92に接続された第1保持レバー51及び第1支持ベース58も第1の方向Xの他側に向けて付勢される。また、第1保持レバー51と保持ギア部材53が係止されているため、保持ギア部材53及び第1保持レバー51を介して第1可動板45も、第1の方向Xの他側に向けて付勢される。
上述したように、復帰用ソレノイド91の電磁吸着力は、作動用付勢部材48の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、第1可動板45、第2可動板46及びガイドロッド47からなる可動部材は、作動用付勢部材48の付勢力に抗して第1の方向Xの他側に向けて係止歯部53aを一つ分移動する。
また、第1可動板45が第1の方向Xの他側へ移動することで、第2保持レバー52は、係止歯部53aの傾斜面部に当接する。そして、第2保持レバー52は、第2板ばね87の付勢力に抗して、第2回動軸57を中心に保持ギア部材53から離間する向きに回動する。
第2保持レバー52が係止歯部53aを一つ分乗り越えると、第2保持レバー52は、第2板ばね87の付勢力により保持ギア部材53に向けて回動する。そして、再び第2保持レバー52は、保持ギア部材53に係止される。上述した動作を繰り返すことで、作動機構70は、図9に示す制動状態から図8に示す待機状態に復帰する。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる非常止め装置5と同様であるため、それらの説明は省略する。このような作動機構70を有する非常止め装置によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる非常止め装置5と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第2の実施の形態例にかかる作動機構70によれば、復帰動作の際、第1保持レバー51及び第2保持レバー52は、第1板ばね86と第2板ばね87によって保持されている。そのため、復帰動作時の際、保持駆動部である保持用ソレノイド72への通電がONの状態で維持され、通電のON・OFFを繰り返すのは、復帰駆動部である復帰用ソレノイド91だけである。このように、第2の実施の形態例にかかる作動機構70によれば、一つのソレノイドへON・OFFを制御することで復帰動作を行うことができ、復帰動作時の電気制御のさらなる簡略化を図ることができる。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、作動機構11、70における可動部材が移動する方向、すなわち作動方向を第1の方向Xと略平行に設定した例を説明したが、これに限定されるものではない。作動機構11、70の作動方向は、昇降方向Zや第2の方向Yと略平行に設定してもよく、あるいは第1の方向X、第2の方向Yや昇降方向Zに対して傾斜した方向であってもよい。
さらに、上述した実施の形態例では、第1保持レバー51、第2保持レバー52や復帰用駆動機構50、90を固定部材41に配置し、保持ギア部材53を可動部材である第1可動板45に配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1保持レバー51、第2保持レバー52や復帰用駆動機構50、90を可動部材に配置し、保持ギア部材53を固定部材41に配置してもよい。
また、昇降体としては乗りかご120に限定されるものではなく、釣合おもり140を適用してもよい。そして、非常止め装置を釣合おもり140に設け、釣合おもり140の昇降移動を非常停止させてもよい。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…エレベーター、 5…非常止め装置、 10A、10…第1制動機構、 11…作動機構、 12…連動機構、 13、14…引き上げ棒、 16…第1作動レバー、 17…第2作動レバー、 20…支持ブラケット、 25…第1連結軸、 26…第2連結軸、 31…制動子、 32…ガイド部材、 33…連結部材、 34…付勢部材、 41…固定部材、 43…第1対向面部、 43a、44a…ガイド孔、 43b…支持孔、 44…第2対向面部、 44b…挿通孔、 45…第1可動板(可動部材)、 46…第2可動板(可動部材)、 47…ガイドロッド(可動部材)、 48…作動用付勢部材、 49、70…保持復帰機構、 50、90…復帰用駆動機構、 51…第1保持レバー(保持部材)、 51a…第1係止フック片、 51b…第1当接ピン、 52…第2保持レバー(保持部材)、 52a…第2係止フック片、 52b…第2当接ピン、 53…保持ギア部材、 53a…係止歯部、 53b…軸部、 54…第1ロータリーソレノイド(保持駆動部)、 55…第2ロータリーソレノイド(保持駆動部)、 56…第1回動軸、 57…第2回動軸、 58…第1支持ベース、 59…第2支持ベース、 61、91…復帰用ソレノイド、 61a、91a…筒孔、 61b、91b…コイル、 62、92…復帰用プランジャ、 63、93…復帰用付勢部材、 72…保持用ソレノイド(保持駆動部)、 73…保持用プランジャ、 73a…保持ピン、 80…保持駆動機構、 81…第1保持アーム、 81a…第1ローラ、 82…第2保持アーム、 82a…第2ローラ、 84…第1アーム回動軸、 85…第2アーム回動軸、 86…第1板ばね(保持用付勢部材)、 87…第2板ばね(保持用付勢部材)、 100…巻上機、 110…昇降路、 120…乗りかご(昇降体)、 121…クロスヘッド、 130…主ロープ、 140…釣合おもり(昇降体) 150…反らせ車、 160…機械室、 170…制御装置、 201A、201B…ガイドレール

Claims (10)

  1. 昇降体に設けられ、かつ前記昇降体が摺動するガイドレールを挟持して前記昇降体の移動を停止させる制動機構と、
    前記制動機構の制動子を作動させる作動機構と、を備え、
    前記作動機構は、
    前記昇降体に固定される固定部材と、
    前記固定部材に移動可能に支持される可動部材と、
    前記可動部材を前記制動機構が作動する方向に付勢する作動用付勢部材と、
    前記可動部材を前記作動用付勢部材の付勢力に抗して保持する保持復帰機構と、を備え、
    前記保持復帰機構は、
    前記固定部材及び前記可動部材のうちどちらか一方に設けられた保持部材と、
    前記固定部材及び前記可動部材のうち残りの他方に設けられ、前記保持部材が解除可能に係止される保持ギア部材と、
    前記保持部材における前記保持ギア部材との係止が解除される方向への移動を規制する保持駆動部と、を備え、
    前記保持部材と前記保持ギア部材が係止されることで、前記作動用付勢部材の付勢力に抗して前記可動部材の移動を規制する
    非常止め装置。
  2. 前記作動機構は、
    前記制動機構が作動する制動状態から前記制動機構が作動しない待機状態に復帰させる復帰用駆動機構を備え、
    前記保持部材は、
    前記復帰用駆動機構に移動可能に接続され、前記保持ギア部材に係止される第1保持レバーと、
    前記固定部材及び前記可動部材のうちどちらか一方に移動可能に支持され、前記保持ギア部材に係止される第2保持レバーと、を有し、
    前記復帰用駆動機構は、前記第1保持レバーと前記第2保持レバーを前記保持ギア部材に対して交互に、係止と解除を行う
    請求項1に記載の非常止め装置。
  3. 前記保持ギア部材は、前記可動部材が移動する方向に沿って配置された複数の係止歯部を有し、
    前記第1保持レバーは、前記復帰用駆動機構により前記保持ギア部材との係止が解除された際に、前記可動部材が移動する方向に少なくとも前記係止歯部一つ分移動する
    請求項2に記載の非常止め装置。
  4. 前記復帰用駆動機構は、
    前記固定部材及び前記可動部材のうち前記保持部材が設けられた一方に固定された復帰用ソレノイドと、
    前記復帰用ソレノイドの筒孔に移動可能に支持され、前記第1保持レバーに接続された復帰用プランジャと、
    前記復帰用プランジャを付勢する復帰用付勢部材と、有する
    請求項2に記載の非常止め装置。
  5. 前記復帰用付勢部材の付勢力は、前記作動用付勢部材の付勢力よりも大きく設定される
    請求項4に記載の非常止め装置。
  6. 前記復帰用ソレノイドにおける電磁吸着力は、前記作動用付勢部材の付勢力よりも大きく設定される
    請求項4に記載の非常止め装置。
  7. 前記保持復帰機構は、
    前記保持部材を前記保持ギア部材に向けて付勢する保持用付勢部材を有する
    請求項1に記載の非常止め装置。
  8. 前記保持ギア部材における前記保持部材と接触する接触面は、前記可動部材が移動する方向に対する角度が90度あるいは鈍角に設定される
    請求項1に記載の非常止め装置。
  9. 前記保持部材における前記保持ギア部材の接触する接触面は、前記可動部材が移動する方向に対する角度が90度あるいは鋭角に設定される
    請求項1又は8に記載の非常止め装置。
  10. 昇降路内を昇降移動する昇降体を備えたエレベーターにおいて、
    前記昇降路内に立設されて前記昇降体を摺動可能に支持するガイドレールと、
    前記昇降体の昇降移動の状態に基づいて前記昇降体の移動を停止させる非常止め装置と、を備え、
    前記昇降体に設けられ、かつ前記ガイドレールを挟持して前記昇降体の移動を停止させる制動機構と、
    前記制動機構の制動子を作動させる作動機構と、を備え、
    前記作動機構は、
    前記昇降体に固定される固定部材と、
    前記固定部材に移動可能に支持される可動部材と、
    前記可動部材を前記制動機構が作動する方向に付勢する作動用付勢部材と、
    前記可動部材を前記作動用付勢部材の付勢力に抗して保持する保持復帰機構と、を備え、
    前記保持復帰機構は、
    前記固定部材及び前記可動部材のうちどちらか一方に設けられた保持部材と、
    前記固定部材及び前記可動部材のうち残りの他方に設けられ、前記保持部材が解除可能に係止される保持ギア部材と、
    前記保持部材における前記保持ギア部材との係止が解除される方向への移動を規制する保持駆動部と、を備え、
    前記保持部材と前記保持ギア部材が係止されることで、前記作動用付勢部材の付勢力に抗して前記可動部材の移動を規制する
    エレベーター。
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