JP2019108758A - 高所避難装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、お年寄りや幼児あるいは身体障害者等の場合は急いで移動して避難することは困難である。そこで、このような場合に利用できるのがエレベータ等の昇降装置ということになる。
この緊急屋上避難装置は、避難者を乗せるゴンドラとバランスウェイトとの重量の釣り合いを利用することでゴンドラを昇降させるための駆動力を極めて小さくすると共に、人力であるいは小型発電機で作動する電動モータを使用することで停電時にも利用できるようにしたものである。
また、下記の特許文献2には、エレベータのかごに備えられている注水タンクに水を注入することで、停電により停止しているエレベータのかごを降下させて、かご内に閉じ込められている乗客を救出できるようにしたエレベータの救出装置及びエレベータの救出方法が開示されている。
また、上記特許文献2に示すエレベータの救出装置及びエレベータの救出方法を利用した場合には、停電によって停止しているエレベータのかごを降下させて下層階や地上面に乗客を降ろすことは可能であるが、津波発生時にエレベータのかごを屋上階や上層階に移動させることは不可能である。
また、本発明の他の目的は、ゴンドラの移動速度を制御することでゴンドラの安定した移動と安全、確実な停止とを行うことができるようにすることにある。
上記可変ウェイトは、液体を収容する液体収容タンクと、該液体収容タンクに収容される所定重量の液体と、を備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
上記高所避難装置には、上記ゴンドラが停止する階層に到着したとき、ゴンドラ内の操作で該ゴンドラの昇降動を停止させたり昇降動を再開させるための停止装置が備えられており、上記停止装置は、上記第1滑車の回転軸上に配設されているブレーキ手段と、上記ディスクブレーキの制動と制動の解除を切り替えるゴンドラ内に設けられる制動切り替え手段と、を備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
具体的には、ゴンドラとカウンターウェイトを使用する重量バランスを利用した構造を採用したことによって重力のみの駆動力で避難者を乗せたゴンドラを目的の位置に向けて上昇させ、避難者を避難させることが可能になる。更に、本発明ではカウンターウェイト自体または該カウンターウェイトに付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイトを適用しているから、当該可変ウェイトの重量を所定の上昇可能重量にするだけで、避難者を乗せたゴンドラを目的の位置まで上昇させることが可能になる。そして、その駆動源は上記カウンターウェイト自体またはカウンターウェイトと補助ウェイトの自重のみの簡単な構造によって構成されている。
また、ゴンドラが発進する時にも最初は低速で発進し、その後上記昇降速度制御装置によって設定される速度で次の停止位置まで安全、確実に移動できるようになる。また、上記スローダウンバルブ及び流量調整弁の採用により、上記昇降動作とスローダウン動作の安全性が向上し、滑らかな速度変化によりゴンドラを安定した速度で安全、確実に昇降動させることが可能になる。
一方、搭乗者の安全を確認したゴンドラ内にいる操作者自身が制動切り替え手段を操作することによってゴンドラを上昇、下降、停止させる構成の採用によって、ゴンドラの発進、移動、停止時の安全性も向上する。
具体的には、ゴンドラとカウンターウェイトを使用して両者の重量バランスを取る重量バランス設定工程の採用によって重力のみの駆動力で避難者を乗せたゴンドラを目的の位置に向けて上昇させ、避難者を避難させることが可能になる。更に、本発明ではカウンターウェイト自体または該カウンターウェイトに付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイトを適用し、当該可変ウェイトの重量を所定の上昇可能重量にすることによってゴンドラを上昇させるゴンドラ上昇工程が採用されているから、電源で動作する別途の駆動手段を使用することなく、極めて簡単な構成によってゴンドラを上昇させて避難者を目的の位置まで運ぶことが可能になる。
そして、上記液体を使用した液体回収工程と液体循環工程の採用により、可変ウェイトの重量を調整する媒体となる液体を循環使用して効率的で無駄のないゴンドラの昇降動により多数人に及ぶ避難者を繰り返し避難させることが可能になる。
尚、以下の説明では最初に図1〜図4及び図12、13に基づいて本発明の実施の形態による高所避難装置の全体構成と使用例について説明する。次に、図5及び図6に基づいて上記高所避難装置における昇降速度制御装置とスローダウン装置の具体的構成について説明する。
次に、図10及び図11に基づいて昇降速度制御装置を設けない場合と設けた場合のゴンドラ上昇時の速度変化について説明し、最後に上記の実施の形態と部分的構成を異にする他の実施の形態について言及する。
本発明の高所避難装置1は、津波等の災害が発生して電源を消失したような場合でも使用できるよう、ゴンドラ3の直接的な昇降駆動源として電源を使用しない方式の高所避難装置である。これにより電源モータ等を使用しないでゴンドラ3を昇降動させて図12に示すような津波避難タワー100や図13に示すような階層建築物200等の屋上階RFLや上層階(例えば2階2FLや3階3FL)に速やかに避難者Bを避難させることが可能になっている。
そして、本発明の特徴的構成として、上記カウンターウェイト9自体または該カウンターウェイト9に付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイト11が適用されている。これにより、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の上昇可能重量WUにすることによって、上記ゴンドラ3の重量G0に搭乗者A、Bの重量G1を加えたゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wを重く(G<W)してゴンドラ3を上昇させるようにしている。
そして、本実施の形態では、上記可変ウェイト11を、液体Lを収容する液体収容タンク13と、該液体収容タンク13に収容される所定重量W2の液体Lと、を備えることによって構成されている。また、本実施の形態ではカウンターウェイト9自体が可変ウェイト11になっており、カウンターウェイト9に付設される補助ウェイトを有しない構成になっている。
また、本明細書で使用する階層建築物200とは、高所避難の対象になる建築物であって、鉄築コンクリート製等の頑強な構造で10m程度の津波であれば対応できる、例えば3階建て以上の建築物を想定している。具体的にはマンションや工場等が挙げられ、これらの階層建築物200等の内部に入らなくても避難者Bが避難できるよう、図示のように階層建築物200等の外側面に沿わせて高所避難装置1を設置する構成が望ましい。
ゴンドラ3は前面及び後面の両面が開放された角箱状の部材で、開放された前面には一例として左右スライド式の扉材23L、23Rが取り付けられている。また、ゴンドラ3の左右の側面にはガイドローラ25a、25bが回転可能な状態で設けられており、これらのガイドローラ25a、25bは、上記構造躯体15の柱材20に沿わせて垂直方向Zに立ち上げられている2本のガイドレール27a、27bに当接して案内されるように構成されている。
また、液体収容タンク13の一例として前面と後面には、ガイドローラ25c、25dが回転可能な状態で設けられており、これらのガイドローラ25c、25dは、上記基礎17から垂直方向Zに立ち上げられている2本のガイドレール27c、27dに当接して案内されるように構成されている。
4個の滑車7a、7b、7c、7dは、上記ゴンドラ3の一例として天板部4に対して設けられる第1滑車7aと、上記最上部の梁材19における幅方向Xの離間した位置に設けられる第2滑車7b及び第3滑車7cと、カウンターウェイト9の一例として天板部10に対して設けられる第4滑車7dと、によって構成されている。
そして、上記梁材19に固定されたゴンドラ3側のロープエンドE1から下方に向けて繰り出された4本のワイヤー5a、5b、5c、5dは、上記ゴンドラ3の天板部4に対して設けられている第1滑車7aに卷回された後、上方に繰り出され、上記梁材19に対して設けられている第2滑車7bと第3滑車7cに巻回された後、下方に繰り出される。
また、上記液体収容タンク13が所定の排液位置O(例えば1階1FL)に移動して停止したときに、液体収容タンク13の排液口30の臨む位置には、当該液体収容タンク13の排液口30から排出される液体(例えば水)Lを回収する回収タンク31が配置されている。
一方、上記液体収容タンク13の注液位置Q(例えば屋上階RFL)には、上記回収タンク31内に回収した液体Lを汲み上げるポンプ37(例えば、エンジンポンプ、バッテリーポンプ)が配置されており、回収タンク31から延びる上記吸液管35の他端がポンプ37に接続されている。
この他、ゴンドラ3の天板部4に取り付けられている上記第1滑車7aの回転軸41上には、回転軸41の回転を一例として35倍に増速するために入、出力を逆に配置した減速機43と、上記回転軸41の回転を停止するためのブレーキ手段としてのディスクブレーキ45と、後述する油圧モータ51の出力軸の回転を出力スプロケット47とチェーン48を介して上記回転軸41に伝達する入力スプロケット49と、が一例として配置されている。
尚、高所避難装置1には、次に述べる昇降速度制御装置61とスローダウン装置63が更に設けられており、これらの装置61、63を設けることでゴンドラ3の安定した昇降動と、安全性が保たれている。
また、このようにして構成される本実施の形態による高所避難装置1は、海岸近くに多く設置されることが予想されるため、高所避難装置1の構成部材には腐食対策が施されることが望ましい。具体的には、ワイヤー5、滑車7、ディスクブレーキ45、液体収容タンク13等の材質としてはステンレスが望ましく、構造躯体15、ガイドレール27、ゴンドラ3等の部材については、表面に亜鉛メッキ処理等を行うことが好ましい。
昇降速度制御装置61は、上記ゴンドラ3に対して設けられ、該ゴンドラ3と共に昇降動する第1滑車7aの回転軸41に作用して該回転軸41の回転を減速させる油圧モータ51と、該油圧モータ51に作動油を供給する作動油タンク53と、上記油圧モータ51と作動油タンク53とを接続する流入用及び排出用の二本の油圧配管54、55と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、上記油圧モータ51の出力軸の回転は、上述した出力スプロケット47と、入力スプロケット49と、これらの間に巻回されるチェーン48と、によって構成されるチェーン伝達機構によって上記回転軸41に伝達される。
また、図1及び図5に示すように上記ゴンドラ3の内部には、手動で上記回転軸41を回転させる場合に使用する手動ハンドル69が設けられており、該手動ハンドル69の回転は一例としてチェーン伝達機構を介して上記出力スプロケット47、チェーン48、入力スプロケット49を介して上記回転軸41に伝達されてゴンドラ3の停止位置の微調整等に利用できるように構成されている。
一方、図6中のab間、ef間、e´f´間、ij間ではレバーアーム77U、77Dの回動角度が最大になってスローダウンバルブ71U、71Dをゴンドラ3の昇降速度が最も遅くなる方向に作動させる。
また、図6中のoa間、bc間、de間、fg間、d´e´間、f´g´間、hi間の傾斜部では、ゴンドラ3の昇降速度が徐々に遅くなったり、徐々に速くなるようにスローダウンバルブ71U、71Dを作動させる。
尚、ここで使用する流量調整弁73U、73Dとしては、季節(例えば夏と冬)によって温度、重量、圧力、流量等に大きな影響を及ぼさない温度、圧力補償付きの流量調整弁を使用することが望ましい。
本実施の形態による高所避難方法は、上述した高所避難装置1を使用することによって実行される高所避難方法であって、重量バランス設定工程P1と、ゴンドラ上昇工程P2と、ゴンドラ下降工程P3と、液体回収工程P4と、液体循環固定P5と、を順番に繰り返して実行することによって構成される。
以下、これら5つの工程の内容を具体的に説明して行く。
重量バランス設定工程P1は、操作者Aと避難者Bを含む搭乗者を収容して昇降動するゴンドラ3と、ワイヤー5と滑車7を介してゴンドラ3と接続され、ゴンドラ3の動きに同期して反対方向に昇降動するカウンターウェイト9と、を使用して両者の重量バランスを取る工程である。
具体的には、ゴンドラ3の重量G0を1700kg、搭乗者A、Bの重量G1を1名当たり66.7kg、液体収容タンク13の重量W3を1600kg、液体Lの重量W2を1400kgとした場合には、ゴンドラ3の上昇時は、搭乗者を操作者A1名とした場合が最小で、この場合のゴンドラ3側の重量Gは、G=G0+G1=1700kg+66.7kg=1766.7kgになる。一方、カウンターウェイト9側の重量WはW=W3+W2=1600kg+1400kg=3000kgとなる。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が1233.3kg重くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが上昇可能重量WUになり、上昇する。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が299.5kg重くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが上昇可能重量WUになり、上昇する。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が300.1kg軽くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが下降可能重量WDになり、 下降する。
尚、この場合、ゴンドラ3が他の避難者Bの救出に向かうときには、一旦、高所に避難させた避難者B2名を再びゴンドラ3に乗せて下降するのは危険であるから、搭乗者2名分の重量の別途のウェイト(例えば水を入れたタンク)等をゴンドラ3に設置して下降することも可能である。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が1100.5kg軽くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが下降可能重量WDになり、下降する。
尚、本態様は津波等が去って安全が確認された後、高所に避難していた避難者Bを元居た低層階や地上面GL等に戻す場合に採用される態様である。
ゴンドラ上昇工程P2は、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の上昇可能重量WUにすることによって、ゴンドラ3の重量G0に搭乗者A、Bの重量G1を加えたゴンドラ3側の重量Gよりも上記カウンターウェイト9側の重量Wを重くしてゴンドラ3を上昇させる工程である。
この場合ゴンドラ3は、図7に示す低所(例えば1階1FL)に位置しており、液体収容タンク13内に上述した重量W2(一例として1400kg)の液体Lを収容しておく。ゴンドラ3内に避難者Bを収容(14名以下)し、操作者Aは安全を確認して扉材23を閉め、フットペダル57を踏んでディスクブレーキ45による制動を解除してゴンドラ3を目的の屋上階RFLや上層階(2階2FLまたは3階3FL)に向けてゴンドラ3を上昇させる。
ゴンドラ下降工程P3は、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の下降可能重量WDにすることによって、上記ゴンドラ3側の重量Gよりも上記カウンターウェイト9側の重量Wを軽くして上記上層階(例えば2階2FLまたは3階3FL)または屋上階RFLに移動しているゴンドラ3を下降させる工程である。
この場合、ゴンドラ3が他の避難者Bの救出に向かうときには、操作者A1名と他の人2名の3人の搭乗者をゴンドラ3に乗せる。そして、上昇時と同様、操作者Aは安全を確認して扉材23を閉め、フットペダル57を踏んでディスクブレーキ45による制動を解除してゴンドラ3を目的の低層階(例えば1階1FL、2階2FLまたは3階3FL)に向けてゴンドラ3を下降させる。
液体回収工程P4は、上記ゴンドラ上昇工程P2によって、所定の排液位置Oに下降した液体収容タンク13から液体Lを排出して回収タンク31内に回収する工程である。
例えば、所定の排液位置Oが1階1FLであれば、図示のようにゴンドラ3を屋上階RFLで停止させる。このとき、液体収容タンク13の排液口29の高さを微調整したい場合には、手動ハンドル69を回して液体収容タンク13の高さを調整する。
排液口29の高さが適正な高さになったら排液口29を閉塞していた栓またはバルブ等を開いて液体収容タンク13内に収容されている液体Lを取入れ口33から下方の回収タンク31内へ排出して回収タンク31内に回収する。
液体循環工程P5は、上記液体Lの排出によって軽くなったカウンターウェイト9側の重量Wと上記ゴンドラ3側の重量Gの重量バランスによって上記ゴンドラ下降工程P3を実行後、所定の注液位置Qに上昇した液体収容タンク13に対して、上記回収した液体Lを再び供給する工程である。
例えば、所定の注液位置Qが屋上階RFLであれば、図示のようにゴンドラ3を1階1FLで停止させる。このとき、液体収容タンク13の注液口29の高さを微調整したい場合には、手動ハンドル69を回して液体収容タンク13の高さを調整する。
注液口29の高さが適正な高さになったらポンプ37を駆動して回収タンク31内の液体Lを汲み上げて吸液管35から連絡管39を通して注液口29から液体収容タンク13内に注入する。尚、注入する液体Lの重量W2は上述した1400kgである。
また、津波等が去って安全が確認された場合には、上記ゴンドラ下降工程P3、液体回収工程P4、液体循環工程P5及びゴンドラ上昇工程P2を繰り返して、すべての避難者Bをゴンドラ3に乗せて元居た低層階や地上面L等に戻す。
10及び図11参照)
図10は、昇降速度制御装置61を設けない場合のゴンドラ3が上昇する時の速度変化を示すグラフであり、図11は、昇降速度制御装置61を設けた場合のゴンドラ3が上昇する時の速度変化を示すグラフである。
図10に示すように、昇降速度制御装置61を設けない場合には、ゴンドラ3の上昇に伴って比例して速度が増加する。
具体的には、図11中のa点でフットペダル57を踏んでディスクブレーキ45の制動を解除してゴンドラ3の上昇を開始する。また、b点でレバーアーム77Uは水平方向に向けて回動を始め、c点でレバーアーム77Uと1階1FLに設けられるガイドバー79aとの当接が解除されて流量調整弁73Uが作動するようになる。
更に、レバーアーム77Uは3階3FLに設けられるガイドバー79cに向けて上昇し、d´点で3階3FLに設けられるガイドバー79cに当接するようになり、徐々に回動角度を変えてe´点に至る。そして、そのままの回転角度で直線的に移動してf´点に至り、g´点に向けてレバーアーム77Uは水平方向に向けて回動するようになる。また、g´点でレバーアーム77Uと3階3FLに設けられるガイドバー79cとの当接が解除されて再び流量調整弁73Uが作動するようになる。
尚、昇降速度制御装置61を設けない場合と設けた場合のゴンドラ3の下降時の速度変化については説明しないが、該下降時の速度変化も前記上昇時の速度変化と同様であり、屋上階RFLに存していたゴンドラ3が1階1FLに向けて下降するに伴いレバーアーム77Dがガイドバー79d、79c、79b、79aの順に当接して、上記と同様の作用を実行する。
また、ゴンドラ3の上昇及び下降時の移動速度や停止に至る前後の速度を制御することでゴンドラ3の安定した移動と安全、確実な停止とを行うことができる。
本発明の高所避難装置1及び高所避難方法は、上述した実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、高所避難装置1を設置する津波避難タワー100や階層建築物200としては、3階建てのものに限らず、4階建て以上のものであってもよい。また、上記実施の形態のようにカウンターウェイト9自体を可変ウェイト11とする構成に限らず、カウンターウェイト9に付設する形で可変ウェイト11を設けることも可能である。
また、階層建築物200等の屋上階RFLに液体Lを溜めておく既設のタンク等がある場合には、該タンク内の液体Lを非常時に液体収容タンク13に注入して使用することも可能である。また、回収タンク31として用水池やプール等が利用できる場合には、これらを回収タンク31として使用することが可能である。
3 ゴンドラ
4 天板部
5 ワイヤー
7 滑車
9 カウンターウェイト
10 天板部
11 可変ウェイト
13 液体収容タンク
15 構造躯体
17 基礎
19 梁材
20 柱材
21 昇降装置
23 扉材
25 ガイドローラ
27 ガイドレール
29 注液口
30 排液口
31 回収タンク
33 取入れ口
35 吸液管
37 ポンプ
39 連絡管
41 回転軸
43 減速機
45 ディスクブレーキ(ブレーキ手段)
47 出力スプロケット
48 チェーン
49 入力スプロケット
51 油圧モータ
53 作動油タンク
54 油圧配管
55 油圧配管
57 フットペダル(制動切り替え手段)
59 停止装置
61 昇降速度制御装置
63 スローダウン装置
65 逆止弁
67 ストップバルブ
69 手動ハンドル
71 スローダウンバルブ
73 流量調整弁
75 油圧回路
77 レバーアーム
79 ガイドバー
100 津波避難タワー
200 階層建築物
RFL 屋上階
FL 階(階層)
GL 地上面
A 操作者(搭乗者)
B 避難者(搭乗者)
L 液体(水)
G (ゴンドラ側の)重量
W(カウンターウェイト側の)重量
Z 垂直方向
E ロープエンド
X 幅方向
O 排液位置
Q 注液位置
P1 重量バランス設定工程
P2 ゴンドラ上昇工程
P3 ゴンドラ下降工程
P4 液体回収工程
P5 液体循環工程
しかし、お年寄りや幼児あるいは身体障害者等の場合は急いで移動して避難することは困難である。そこで、このような場合に利用できるのがエレベータ等の昇降装置ということになる。
この緊急屋上避難装置は、避難者を乗せるゴンドラとバランスウェイトとの重量の釣り合いを利用することでゴンドラを昇降させるための駆動力を極めて小さくすると共に、人力であるいは小型発電機で作動する電動モータを使用することで停電時にも利用できるようにしたものである。
また、下記の特許文献2には、エレベータのかごに備えられている注水タンクに水を注入することで、停電により停止しているエレベータのかごを降下させて、かご内に閉じ込められている乗客を救出できるようにしたエレベータの救出装置及びエレベータの救出方法が開示されている。
また、上記特許文献2に示すエレベータの救出装置及びエレベータの救出方法を利用した場合には、停電によって停止しているエレベータのかごを降下させて下層階や地上面に乗客を降ろすことは可能であるが、津波発生時にエレベータのかごを屋上階や上層階に移動させることは不可能である。
また、本発明の他の目的は、ゴンドラの移動速度を制御することでゴンドラの安定した移動と安全、確実な停止とを行うことができるようにすることにある。
具体的には、ゴンドラとカウンターウェイトを使用する重量バランスを利用した構造を採用したことによって重力のみの駆動力で避難者を乗せたゴンドラを目的の位置に向けて上昇させ、避難者を避難させることが可能になる。更に、本発明ではカウンターウェイト自体または該カウンターウェイトに付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイトを適用しているから、当該可変ウェイトの重量を所定の上昇可能重量にするだけで、避難者を乗せたゴンドラを目的の位置まで上昇させることが可能になる。そして、その駆動源は上記カウンターウェイト自体またはカウンターウェイトと補助ウェイトの自重のみの簡単な構造によって構成されている。
また、ゴンドラが発進する時にも最初は低速で発進し、その後上記昇降速度制御装置によって設定される速度で次の停止位置まで安全、確実に移動できるようになる。また、上記スローダウンバルブ及び流量調整弁の採用により、上記昇降動作とスローダウン動作の安全性が向上し、滑らかな速度変化によりゴンドラを安定した速度で安全、確実に昇降動させることが可能になる。
一方、搭乗者の安全を確認したゴンドラ内にいる操作者自身が制動切り替え手段を操作することによってゴンドラを上昇、下降、停止させる構成の採用によって、ゴンドラの発進、移動、停止時の安全性も向上する。
尚、以下の説明では最初に図1〜図4及び図12、13に基づいて本発明の実施の形態による高所避難装置の全体構成と使用例について説明する。次に、図5及び図6に基づいて上記高所避難装置における昇降速度制御装置とスローダウン装置の具体的構成について説明する。
次に、図10及び図11に基づいて昇降速度制御装置を設けない場合と設けた場合のゴンドラ上昇時の速度変化について説明し、最後に上記の実施の形態と部分的構成を異にする他の実施の形態について言及する。
本発明の高所避難装置1は、津波等の災害が発生して電源を消失したような場合でも使用できるよう、ゴンドラ3の直接的な昇降駆動源として電源を使用しない方式の高所避難装置である。これにより電源モータ等を使用しないでゴンドラ3を昇降動させて図12に示すような津波避難タワー100や図13に示すような階層建築物200等の屋上階RFLや上層階(例えば2階2FLや3階3FL)に速やかに避難者Bを避難させることが可能になっている。
そして、本発明の特徴的構成として、上記カウンターウェイト9自体または該カウンターウェイト9に付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイト11が適用されている。これにより、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の上昇可能重量WUにすることによって、上記ゴンドラ3の重量G0に搭乗者A、Bの重量G1を加えたゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wを重く(G<W)してゴンドラ3を上昇させるようにしている。
そして、本実施の形態では、上記可変ウェイト11を、液体Lを収容する液体収容タンク13と、該液体収容タンク13に収容される所定重量W2の液体Lと、を備えることによって構成されている。また、本実施の形態ではカウンターウェイト9自体が可変ウェイト11になっており、カウンターウェイト9に付設される補助ウェイトを有しない構成になっている。
また、本明細書で使用する階層建築物200とは、高所避難の対象になる建築物であって、鉄築コンクリート製等の頑強な構造で10m程度の津波であれば対応できる、例えば3階建て以上の建築物を想定している。具体的にはマンションや工場等が挙げられ、これらの階層建築物200等の内部に入らなくても避難者Bが避難できるよう、図示のように階層建築物200等の外側面に沿わせて高所避難装置1を設置する構成が望ましい。
ゴンドラ3は前面及び後面の両面が開放された角箱状の部材で、開放された前面には一例として左右スライド式の扉材23L、23Rが取り付けられている。また、ゴンドラ3の左右の側面にはガイドローラ25a、25bが回転可能な状態で設けられており、これらのガイドローラ25a、25bは、上記構造躯体15の柱材20に沿わせて垂直方向Zに立ち上げられている2本のガイドレール27a、27bに当接して案内されるように構成されている。
また、液体収容タンク13の一例として前面と後面には、ガイドローラ25c、25dが回転可能な状態で設けられており、これらのガイドローラ25c、25dは、上記基礎17から垂直方向Zに立ち上げられている2本のガイドレール27c、27dに当接して案内されるように構成されている。
4個の滑車7a、7b、7c、7dは、上記ゴンドラ3の一例として天板部4に対して設けられる第1滑車7aと、上記最上部の梁材19における幅方向Xの離間した位置に設けられる第2滑車7b及び第3滑車7cと、カウンターウェイト9の一例として天板部10に対して設けられる第4滑車7dと、によって構成されている。
そして、上記梁材19に固定されたゴンドラ3側のロープエンドE1から下方に向けて繰り出された4本のワイヤー5a、5b、5c、5dは、上記ゴンドラ3の天板部4に対して設けられている第1滑車7aに卷回された後、上方に繰り出され、上記梁材19に対して設けられている第2滑車7bと第3滑車7cに巻回された後、下方に繰り出される。
また、上記液体収容タンク13が所定の排液位置O(例えば1階1FL)に移動して停止したときに、液体収容タンク13の排液口30の臨む位置には、当該液体収容タンク13の排液口30から排出される液体(例えば水)Lを回収する回収タンク31が配置されている。
一方、上記液体収容タンク13の注液位置Q(例えば屋上階RFL)には、上記回収タンク31内に回収した液体Lを汲み上げるポンプ37(例えば、エンジンポンプ、バッテリーポンプ)が配置されており、回収タンク31から延びる上記吸液管35の他端がポンプ37に接続されている。
この他、ゴンドラ3の天板部4に取り付けられている上記第1滑車7aの回転軸41上には、回転軸41の回転を一例として35倍に増速するために入、出力を逆に配置した減速機43と、上記回転軸41の回転を停止するためのブレーキ手段としてのディスクブレーキ45と、後述する油圧モータ51の出力軸の回転を出力スプロケット47とチェーン48を介して上記回転軸41に伝達する入力スプロケット49と、が一例として配置されている。
尚、高所避難装置1には、次に述べる昇降速度制御装置61とスローダウン装置63が更に設けられており、これらの装置61、63を設けることでゴンドラ3の安定した昇降動と、安全性が保たれている。
また、このようにして構成される本実施の形態による高所避難装置1は、海岸近くに多く設置されることが予想されるため、高所避難装置1の構成部材には腐食対策が施されることが望ましい。具体的には、ワイヤー5、滑車7、ディスクブレーキ45、液体収容タンク13等の材質としてはステンレスが望ましく、構造躯体15、ガイドレール27、ゴンドラ3等の部材については、表面に亜鉛メッキ処理等を行うことが好ましい。
昇降速度制御装置61は、上記ゴンドラ3に対して設けられ、該ゴンドラ3と共に昇降動する第1滑車7aの回転軸41に作用して該回転軸41の回転を減速させる油圧モータ51と、該油圧モータ51に作動油を供給する作動油タンク53と、上記油圧モータ51と作動油タンク53とを接続する流入用及び排出用の二本の油圧配管54、55と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、上記油圧モータ51の出力軸の回転は、上述した出力スプロケット47と、入力スプロケット49と、これらの間に巻回されるチェーン48と、によって構成されるチェーン伝達機構によって上記回転軸41に伝達される。
また、図1及び図5に示すように上記ゴンドラ3の内部には、手動で上記回転軸41を回転させる場合に使用する手動ハンドル69が設けられており、該手動ハンドル69の回転は一例としてチェーン伝達機構を介して上記出力スプロケット47、チェーン48、入力スプロケット49を介して上記回転軸41に伝達されてゴンドラ3の停止位置の微調整等に利用できるように構成されている。
一方、図6中のab間、ef間、e´f´間、ij間ではレバーアーム77U、77Dの回動角度が最大になってスローダウンバルブ71U、71Dをゴンドラ3の昇降速度が最も遅くなる方向に作動させる。
また、図6中のoa間、bc間、de間、fg間、d´e´間、f´g´間、hi間の傾斜部では、ゴンドラ3の昇降速度が徐々に遅くなったり、徐々に速くなるようにスローダウンバルブ71U、71Dを作動させる。
尚、ここで使用する流量調整弁73U、73Dとしては、季節(例えば夏と冬)によって温度、重量、圧力、流量等に大きな影響を及ぼさない温度、圧力補償付きの流量調整弁を使用することが望ましい。
本実施の形態による高所避難方法は、上述した高所避難装置1を使用することによって実行される高所避難方法であって、重量バランス設定工程P1と、ゴンドラ上昇工程P2と、ゴンドラ下降工程P3と、液体回収工程P4と、液体循環固定P5と、を順番に繰り返して実行することによって構成される。
以下、これら5つの工程の内容を具体的に説明して行く。
重量バランス設定工程P1は、操作者Aと避難者Bを含む搭乗者を収容して昇降動するゴンドラ3と、ワイヤー5と滑車7を介してゴンドラ3と接続され、ゴンドラ3の動きに同期して反対方向に昇降動するカウンターウェイト9と、を使用して両者の重量バランスを取る工程である。
具体的には、ゴンドラ3の重量G0を1700kg、搭乗者A、Bの重量G1を1名当たり66.7kg、液体収容タンク13の重量W3を1600kg、液体Lの重量W2を1400kgとした場合には、ゴンドラ3の上昇時は、搭乗者を操作者A1名とした場合が最小で、この場合のゴンドラ3側の重量Gは、G=G0+G1=1700kg+66.7kg=1766.7kgになる。一方、カウンターウェイト9側の重量WはW=W3+W2=1600kg+1400kg=3000kgとなる。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が1233.3kg重くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが上昇可能重量WUになり、上昇する。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が299.5kg重くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが上昇可能重量WUになり、上昇する。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が300.1kg軽くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが下降可能重量WDになり、 下降する。
尚、この場合、ゴンドラ3が他の避難者Bの救出に向かうときには、一旦、高所に避難させた避難者B2名を再びゴンドラ3に乗せて下降するのは危険であるから、搭乗者2名分の重量の別途のウェイト(例えば水を入れたタンク)等をゴンドラ3に設置して下降することも可能である。
これにより、ゴンドラ3側の重量Gよりもカウンターウェイト9側の重量Wの方が1100.5kg軽くなるため、当該カウンターウェイト9側の重量Wが下降可能重量WDになり、下降する。
尚、本態様は津波等が去って安全が確認された後、高所に避難していた避難者Bを元居た低層階や地上面GL等に戻す場合に採用される態様である。
ゴンドラ上昇工程P2は、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の上昇可能重量WUにすることによって、ゴンドラ3の重量G0に搭乗者A、Bの重量G1を加えたゴンドラ3側の重量Gよりも上記カウンターウェイト9側の重量Wを重くしてゴンドラ3を上昇させる工程である。
この場合ゴンドラ3は、図7に示す低所(例えば1階1FL)に位置しており、液体収容タンク13内に上述した重量W2(一例として1400kg)の液体Lを収容しておく。ゴンドラ3内に避難者Bを収容(14名以下)し、操作者Aは安全を確認して扉材23を閉め、フットペダル57を踏んでディスクブレーキ45による制動を解除してゴンドラ3を目的の屋上階RFLや上層階(2階2FLまたは3階3FL)に向けてゴンドラ3を上昇させる。
ゴンドラ下降工程P3は、上記可変ウェイト11の重量W1を所定の下降可能重量WDにすることによって、上記ゴンドラ3側の重量Gよりも上記カウンターウェイト9側の重量Wを軽くして上記上層階(例えば2階2FLまたは3階3FL)または屋上階RFLに移動しているゴンドラ3を下降させる工程である。
この場合、ゴンドラ3が他の避難者Bの救出に向かうときには、操作者A1名と他の人2名の3人の搭乗者をゴンドラ3に乗せる。そして、上昇時と同様、操作者Aは安全を確認して扉材23を閉め、フットペダル57を踏んでディスクブレーキ45による制動を解除してゴンドラ3を目的の低層階(例えば1階1FL、2階2FLまたは3階3FL)に向けてゴンドラ3を下降させる。
液体回収工程P4は、上記ゴンドラ上昇工程P2によって、所定の排液位置Oに下降した液体収容タンク13から液体Lを排出して回収タンク31内に回収する工程である。
例えば、所定の排液位置Oが1階1FLであれば、図示のようにゴンドラ3を屋上階RFLで停止させる。このとき、液体収容タンク13の排液口29の高さを微調整したい場合には、手動ハンドル69を回して液体収容タンク13の高さを調整する。
排液口29の高さが適正な高さになったら排液口29を閉塞していた栓またはバルブ等を開いて液体収容タンク13内に収容されている液体Lを取入れ口33から下方の回収タンク31内へ排出して回収タンク31内に回収する。
液体循環工程P5は、上記液体Lの排出によって軽くなったカウンターウェイト9側の重量Wと上記ゴンドラ3側の重量Gの重量バランスによって上記ゴンドラ下降工程P3を実行後、所定の注液位置Qに上昇した液体収容タンク13に対して、上記回収した液体Lを再び供給する工程である。
例えば、所定の注液位置Qが屋上階RFLであれば、図示のようにゴンドラ3を1階1FLで停止させる。このとき、液体収容タンク13の注液口29の高さを微調整したい場合には、手動ハンドル69を回して液体収容タンク13の高さを調整する。
注液口29の高さが適正な高さになったらポンプ37を駆動して回収タンク31内の液体Lを汲み上げて吸液管35から連絡管39を通して注液口29から液体収容タンク13内に注入する。尚、注入する液体Lの重量W2は上述した1400kgである。
また、津波等が去って安全が確認された場合には、上記ゴンドラ下降工程P3、液体回収工程P4、液体循環工程P5及びゴンドラ上昇工程P2を繰り返して、すべての避難者Bをゴンドラ3に乗せて元居た低層階や地上面L等に戻す。
10及び図11参照)
図10は、昇降速度制御装置61を設けない場合のゴンドラ3が上昇する時の速度変化を示すグラフであり、図11は、昇降速度制御装置61を設けた場合のゴンドラ3が上昇する時の速度変化を示すグラフである。
図10に示すように、昇降速度制御装置61を設けない場合には、ゴンドラ3の上昇に伴って比例して速度が増加する。
具体的には、図11中のa点でフットペダル57を踏んでディスクブレーキ45の制動を解除してゴンドラ3の上昇を開始する。また、b点でレバーアーム77Uは水平方向に向けて回動を始め、c点でレバーアーム77Uと1階1FLに設けられるガイドバー79aとの当接が解除されて流量調整弁73Uが作動するようになる。
更に、レバーアーム77Uは3階3FLに設けられるガイドバー79cに向けて上昇し、d´点で3階3FLに設けられるガイドバー79cに当接するようになり、徐々に回動角度を変えてe´点に至る。そして、そのままの回転角度で直線的に移動してf´点に至り、g´点に向けてレバーアーム77Uは水平方向に向けて回動するようになる。また、g´点でレバーアーム77Uと3階3FLに設けられるガイドバー79cとの当接が解除されて再び流量調整弁73Uが作動するようになる。
尚、昇降速度制御装置61を設けない場合と設けた場合のゴンドラ3の下降時の速度変化については説明しないが、該下降時の速度変化も前記上昇時の速度変化と同様であり、屋上階RFLに存していたゴンドラ3が1階1FLに向けて下降するに伴いレバーアーム77Dがガイドバー79d、79c、79b、79aの順に当接して、上記と同様の作用を実行する。
また、ゴンドラ3の上昇及び下降時の移動速度や停止に至る前後の速度を制御することでゴンドラ3の安定した移動と安全、確実な停止とを行うことができる。
本発明の高所避難装置1及び高所避難方法は、上述した実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、高所避難装置1を設置する津波避難タワー100や階層建築物200としては、3階建てのものに限らず、4階建て以上のものであってもよい。また、上記実施の形態のようにカウンターウェイト9自体を可変ウェイト11とする構成に限らず、カウンターウェイト9に付設する形で可変ウェイト11を設けることも可能である。
また、階層建築物200等の屋上階RFLに液体Lを溜めておく既設のタンク等がある場合には、該タンク内の液体Lを非常時に液体収容タンク13に注入して使用することも可能である。また、回収タンク31として用水池やプール等が利用できる場合には、これらを回収タンク31として使用することが可能である。
3 ゴンドラ
4 天板部
5 ワイヤー
7 滑車
9 カウンターウェイト
10 天板部
11 可変ウェイト
13 液体収容タンク
15 構造躯体
17 基礎
19 梁材
20 柱材
21 昇降装置
23 扉材
25 ガイドローラ
27 ガイドレール
29 注液口
30 排液口
31 回収タンク
33 取入れ口
35 吸液管
37 ポンプ
39 連絡管
41 回転軸
43 減速機
45 ディスクブレーキ(ブレーキ手段)
47 出力スプロケット
48 チェーン
49 入力スプロケット
51 油圧モータ
53 作動油タンク
54 油圧配管
55 油圧配管
57 フットペダル(制動切り替え手段)
59 停止装置
61 昇降速度制御装置
63 スローダウン装置
65 逆止弁
67 ストップバルブ
69 手動ハンドル
71 スローダウンバルブ
73 流量調整弁
75 油圧回路
77 レバーアーム
79 ガイドバー
100 津波避難タワー
200 階層建築物
RFL 屋上階
FL 階(階層)
GL 地上面
A 操作者(搭乗者)
B 避難者(搭乗者)
L 液体(水)
G (ゴンドラ側の)重量
W(カウンターウェイト側の)重量
Z 垂直方向
E ロープエンド
X 幅方向
O 排液位置
Q 注液位置
P1 重量バランス設定工程
P2 ゴンドラ上昇工程
P3 ゴンドラ下降工程
P4 液体回収工程
P5 液体循環工程
Claims (10)
- 災害等によって電源を消失した時においても津波避難タワーや階層建築物等の屋上階や上層階に速やかに避難者を避難させることが可能な高所避難装置であって、
操作者と避難者を含む搭乗者を収容して昇降動するゴンドラと、
ワイヤーと滑車を介して上記ゴンドラと接続され、ゴンドラの動きに同期して反対方向に昇降動するカウンターウェイトと、を備え、
上記カウンターウェイト自体または該カウンターウェイトに付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイトが適用されており、
上記可変ウェイトの重量を所定の上昇可能重量にすることによって、上記ゴンドラの重量に搭乗者の重量を加えたゴンドラ側の重量よりも上記カウンターウェイト側の重量を重くして上記ゴンドラを上昇させるようにしたことを特徴とする高所避難装置。 - 上記可変ウェイトの重量を所定の下降可能重量にすることによって、上記ゴンドラ側の重量よりも上記カウンターウェイト側の重量を軽くして上記ゴンドラを下降させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の高所避難装置。
- 上記可変ウェイトは、液体を収容する液体収容タンクと、該液体収容タンクに収容される所定重量の液体と、を備えることによって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の高所避難装置。
- 上記液体収容タンクには、液体収容タンク内に液体を注入させる場合に使用する注液口と、液体収容タンク内に収容された液体を排出させる場合に使用する排液口と、が備えられていて、
上記液体収容タンクが所定の排液位置に移動して停止したときに、上記排液口から液体収容タンクに収容されている液体を排出して当該位置に設けられている回収タンク内に回収し、
一方、上記液体収容タンクが所定の注液位置に移動して停止したときに、前記回収タンク内に回収した液体を再び液体収容タンクに供給して該注液口から液体収容タンク内に注入し得るように構成されていることを特徴とする請求項3記載の高所避難装置。 - 上記高所避難装置には、上記ゴンドラの昇降速度を調整する昇降速度制御装置が備えられており、
上記昇降速度制御装置は上記ゴンドラに対して設けられ、該ゴンドラと共に昇降動する第1滑車の回転軸に作用して該回転軸の回転を減速させる油圧モータと、
上記油圧モータに作動油を供給する作動油タンクと、
上記油圧モータと作動油タンクとを接続する流入用及び排出用の油圧配管と、を備えることによって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高所避難装置。 - 上記高所避難装置には、上記ゴンドラが停止する階層に近付いたとき、該ゴンドラの昇降速度をスローダウンさせるスローダウン装置が備えられており、
上記スローダウン装置は、上記流入用及び排出用の油圧配管に接続され、上昇用と下降用のスローダウンバルブ及び流量調整弁を有する油圧回路と、
上記上昇用と下降用のスローダウンバルブに対して設けられ、その回動角度によって上記上昇用と下降用のスローダウンバルブの動作を制御するレバーアームと、
上記レバーアームが通る上記ゴンドラの昇降軸線上における、該ゴンドラの停止する各階層と対応する位置に配置され、上記レバーアームに当接することでレバーアームの回動角度を制御する複数組のガイドバーと、を備えることによって構成されていることを特徴とする請求項5記載の高所避難装置。 - 上記高所避難装置には、上記ゴンドラが停止する階層に到着したとき、ゴンドラ内の操作で該ゴンドラの昇降動を停止させたり昇降動を再開させるための停止装置が備えられており、
上記停止装置は、上記第1滑車の回転軸上に配設されているブレーキ手段と、
上記ブレーキ手段の制動と制動の解除を切り替えるゴンドラ内に設けられる制動切り替え手段と、を備えることによって構成されていることを特徴とする請求項5または6記載の高所避難装置。 - 災害等によって電源を消失した時においても津波避難タワーや階層建築物等の屋上階や上層階に速やかに避難者を避難させることが可能な高所避難方法であって、
操作者と避難者を含む搭乗者を収容して昇降動するゴンドラと、ワイヤーと滑車を介して上記ゴンドラと接続され、ゴンドラの動きに同期して反対方向に昇降動するカウンターウェイトと、を使用して両者の重量バランスを取る重量バランス設定工程と、
上記カウンターウェイト自体または該カウンターウェイトに付設される補助ウェイトとして重量調整可能な可変ウェイトを適用し、上記可変ウェイトの重量を所定の上昇可能重量にすることによって、上記ゴンドラの重量に搭乗者の重量を加えたゴンドラ側の重量よりも上記カウンターウェイト側の重量を重くして上記ゴンドラを上昇させるゴンドラ上昇工程と、を備えていることを特徴とする高所避難方法。 - 上記可変ウェイトの重量を所定の下降可能重量にすることによって、上記ゴンドラ側の重量よりも上記カウンターウェイト側の重量を軽くして上記上層階または屋上階に移動しているゴンドラを下降させるゴンドラ下降工程を更に備えていることを特徴とする請求項8記載の高所避難方法。
- 上記可変ウェイトは、液体を収容する液体収容タンクと、該液体収容タンクに収容される所定重量の液体と、を備えることによって構成されており、
上記ゴンドラ上昇工程によって所定の排液位置に下降した液体収容タンクから液体を排出して回収タンク内に回収する液体回収工程と、
上記液体の排出によって軽くなったカウンターウェイト側の重量と上記ゴンドラ側の重量の重量バランスによって上記ゴンドラ下降工程を実行後、所定の注液位置に上昇した液体収容タンクに上記回収した液体を再び供給する液体循環工程と、を更に備えていることを特徴とする請求項9記載の高所避難方法。
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