<<リモート操作システムの構成>>
図1に示すように、本実施形態のリモート操作システム1000は、コピージョブや送信ジョブなど複数種のジョブの実行が可能な画像形成装置であるMFP100を備える。MFP100はリモート操作の対象となる。MFP100は「電子機器」に相当する。なお、MFP100に代えて、プリンターなど他の画像形成装置を用いてリモート操作システム1000を構築してもよい。
MFP100には操作パネル200が設けられる。操作パネル200は、MFP100で実行可能なジョブに関する設定など種々の設定をユーザーから受け付ける。
また、リモート操作システム1000は、複数の操作端末300を備える。MFP100のユーザーは複数存在し、複数のユーザーがそれぞれ操作端末300を所有する。複数の操作端末300は、それぞれが画面を表示し、ユーザーから操作を受け付ける。たとえば、複数の操作端末300は、スマートフォンやタブレットコンピューターなどであり、MFP100との間での通信が可能である。
ユーザーは自身の操作端末300をMFP100に通信可能に接続することによって、MFP100をリモート操作することができる(MFP100のリモート操作では操作端末300がユーザーから操作を受け付ける)。これにより、操作パネル200に対する直接的な操作が不要となる。
<<各機器の構成>>
MFP100は、MFP制御部110を備える。MFP制御部110は、CPUおよびメモリーを含む。MFP制御部110は、画像読取部101および印刷部102に接続され、画像読取部101および印刷部102の各動作を制御する。画像読取部101は、原稿を読み取り原稿の画像データを生成する。印刷部102は、用紙を搬送し、搬送中の用紙に画像を印刷する。
また、MFP100は、MFP記憶部120およびMFP通信部130を備える。MFP記憶部120およびMFP通信部130は、それぞれ、MFP制御部110に接続される。
MFP記憶部120は、ROM(EEPROMなど)やHDDのような不揮発性の記憶デバイスを含む。MFP制御部110は、MFP記憶部120への情報の書き込みやMFP記憶部120からの情報の読み出しを行う。たとえば、後述する再現設定情報3AをMFP記憶部120に不揮発的に記憶させることができる。
MFP通信部130は、MFP100を外部機器(操作端末300を含む)に通信可能に接続するためのインターフェースであり、通信回路や通信メモリーなどを含む。MFP制御部110は、MFP通信部130を用いて、複数の操作端末300のそれぞれと通信する。
MFP100に設置された操作パネル200は、MFPタッチスクリーン2TSを備える。操作パネル200は、MFPタッチスクリーン2TSに画面を表示し、MFPタッチスクリーン2TSに対するタッチ操作をユーザーから受け付ける。操作パネル200(MFPタッチスクリーン2TS)は、MFP制御部110に接続される。MFP制御部110は、MFPタッチスクリーン2TSの表示動作を制御するとともに、MFPタッチスクリーン2TSに対するタッチ操作を検知する。
複数の操作端末300は、それぞれ、端末タッチスクリーン3TSを備える。端末タッチスクリーン3TSは、画面を表示し、ユーザーからタッチ操作を受け付ける。
また、複数の操作端末300は、それぞれ、端末制御部310を備える。端末制御部310は、CPUおよびメモリーを含む。端末制御部310は、端末タッチスクリーン3TSに接続される。端末制御部310は、端末タッチスクリーン3TSの表示動作を制御するとともに、端末タッチスクリーン3TSに対するタッチ操作を検知する。
また、複数の操作端末300は、それぞれ、端末記憶部320および端末通信部330を備える。端末記憶部320および端末通信部330は、それぞれ、端末制御部310に接続される。
端末記憶部320は、ROMのような不揮発性の記憶デバイスを含む。端末制御部310は、端末記憶部320への情報の書き込みや端末記憶部320からの情報の読み出しを行う。たとえば、後述する設定再現情報3Aや表示再現情報3Bが端末記憶部320に不揮発的に記憶される。
端末通信部330は、操作端末300を外部機器(MFP100を含む)に通信可能に接続するためのインターフェースであり、通信回路や通信メモリーなどを含む。端末制御部310は、端末通信部330を用いて、MFP100と通信する。
<<操作パネルの表示画面>>
操作パネル200は、ユーザーから操作を受け付けるための画面PS1を表示する。操作パネル200が表示し得る画面PS1を図2〜図5に示す。図2〜図5に示す画面PS1は一例であり、操作パネル200は他にも種々の画面を表示する。以下の説明では、操作パネル200が表示する画面PS1をパネル画面PS1と称する。
図2に示すパネル画面PS1はホーム画面PS11である。操作パネル200は、MFP100が起動すると、初期画面としてホーム画面PS11を表示する。ホーム画面PS11は、MFP100に搭載された複数種の機能のうち使用する機能の選択をユーザーから受け付けるための画面である。
ホーム画面PS11には、複数種の機能にそれぞれ対応する複数の機能ボタンPB11が配される。たとえば、コピー機能を使用したい場合には、「Copy」という機能ボタンPB11(以下の説明では、コピーボタンPB11と称する場合がある)に対してタッチ操作を行えばよい。これにより、MFP100にコピージョブを実行させることができる。
操作パネル200は、ホーム画面PS11のいずれかの機能ボタンPB11に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると(機能の選択を受け付けると)、ユーザーが選択した選択機能(タッチ操作を受けた機能ボタンPB11に対応する機能)に関する複数の設定項目のうち設定値をデフォルト値から変更する設定項目の選択をユーザーから受け付けるためのパネル画面PS1を表示する。たとえば、ユーザーがコピーボタンPB11に対してタッチ操作を行った場合には、図3に示すような設定項目画面PS12(以下の説明では、コピー画面PS12と称する場合がある)が操作パネル200に表示される。
コピー画面PS12には、コピー機能に関する複数の設定項目にそれぞれ対応する複数の項目ボタンPB12が配される。なお、コピー画面PS12では、設定項目としての印刷部数設定の設定受付も行われる。図示しないが、ユーザーが印刷部数設定の設定値(印刷部数)を設定すると、当該設定した設定値がコピー画面PS12の所定領域に表示される。
操作パネル200は、コピー画面PS12のいずれかの項目ボタンPB12に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると(設定項目の選択を受け付けると)、ユーザーが選択した選択設定項目(タッチ操作を受けた項目ボタPB12に対応する設定項目)の設定値の設定(デフォルト値からの変更)をユーザーから受け付けるためのパネル画面PS1を表示する。たとえば、ユーザーが「Color」という項目ボタンPB12に対してタッチ操作を行った場合には、図4に示すような設定値画面PS13が操作パネル200に表示され、ユーザーが「EcoPrint」という項目ボタンPB12に対してタッチ操作を行った場合には、図5に示すような設定値画面PS14が操作パネル200に表示される。
図4に示す設定値画面PS13(以下の説明では、カラー設定画面PS13と称する場合がある)では、設定項目としてのカラー設定の設定値を「Monochrome」に設定するか「FullColor」に設定するかの受け付けが行われる。モノクロボタン(「Monochrome」と表記されたソフトウェアボタン)に対するタッチ操作を行うことによってカラー設定の設定値を「Monochrome」に設定することができ、フルカラーボタン(「FullColor」と表記されたソフトウェアボタン)に対するタッチ操作を行うことによってカラー設定の設定値を「FullColor」に設定することができる。たとえば、デフォルト値は「Monochrome」である。カラー設定の設定値を「FullColor」に設定した場合には、フルカラーコピーを行うことができる。
図5に示す設定値画面PS14(以下の説明では、エコプリント設定画面PS14と称する場合がある)では、設定項目としてのエコプリント設定の設定値を「ON」に設定するか「OFF」に設定するかの受け付けが行われる。オンボタン(「ON」と表記されたソフトウェアボタン)に対するタッチ操作を行うことによってエコプリント設定の設定値を「ON」に設定することができ、オフボタン(「OFF」と表記されたソフトウェアボタン)に対するタッチ操作を行うことによってエコプリント設定の設定値を「OFF」に設定することができる。たとえば、デフォルト値は「OFF」である。エコプリント設定の設定値を「ON」に設定した場合には、トナーの消費量を抑えた印刷が行われる。
図示しないが、図3に示した複数の項目ボタンPB12のうち「Density」という項目ボタンPB12に対してユーザーがタッチ操作を行った場合には、設定項目としての印刷濃度設定に関するパネル画面PS1が操作パネル200に表示され、印刷濃度設定の設定値を設定(変更)することができるようになる。図3に示した複数の項目ボタン12Bのうち「Duplex/Division」という項目ボタンPB12に対してユーザーがタッチ操作を行った場合には、設定項目としての両面/分割印刷設定に関するパネル画面PS1が表示され、両面/分割印刷設定の設定値を設定(変更)することができるようになる。
また、図4および図5に示すように、設定項目の設定値を設定するためのパネル画面PS1(設定値画面PS13およびPS14)にはOKボタンが配される。OKボタンに対するタッチ操作をユーザーが行うと、ユーザーが設定した設定項目の設定値を確定することができる。また、OKボタンに対するタッチ操作をユーザーが行うと、操作パネル200の表示画面が設定項目画面PS12に遷移する。
操作パネル200は、ハードウェアボタンとしてスタートボタンを有する。当該スタートボタンに相当するソフトウェアボタンがパネル画面PS1に表示されてもよい。操作パネル200は、スタートボタンに対する操作をジョブの実行指示として受け付ける。
MFP制御部110は、操作パネル200がジョブの実行指示(スタートボタンに対する操作)を受け付けたことを検知すると、ユーザーが選択した機能のジョブを実行する。たとえば、図3に示したコピー画面PS12が操作パネル200に表示されている状態でユーザーがスタートボタンを操作すると、MFP100にてコピージョブが実行される。
<<リモート操作機能>>
<リモート操作設定画面>
MFP100にはリモート操作機能が搭載される。リモート操作機能を利用することにより、ユーザーは自身の操作端末300を用いて、MFP100をリモート操作することができる。リモート操作機能を有効にする旨の設定は操作パネル200がユーザーから受け付ける。リモート操作機能を有効に設定すると、図6に示すようなリモート操作設定画面PS2が操作パネル200に表示される。
リモート操作設定画面PS2は、通常モードボタンPB21(図6では「Lock MFP」と表記)および画面共有モードボタンPB22(図6では「Display Actions」と表記)を含む。通常モードボタンPB21は、通常モードでリモート操作を行う旨の指示をユーザーから受け付けるためのソフトウェアボタンである。画面共有モードボタンPB22は、画面共有モードでリモート操作を行う旨の指示をユーザーから受け付けるためのソフトウェアボタンである。
また、リモート操作設定画面PS2は、領域R1およびR2を含む。リモート操作設定画面PS2の領域R1には、MFP100との通信を確立するための情報を含む二次元コード(QRコード(登録商標)など)が表示される。ユーザーは自身の操作端末300でリモート操作設定画面PS2の領域R1をスキャンすることにより、MFP100と自身の操作端末300との通信を確立することができる。なお、NFC(Near Field Communication)機能が搭載された操作端末300を用いる場合には、ユーザーは自身の操作端末300をリモート操作設定画面PS2の領域R2に近づけることにより、MFP100と自身の操作端末300との通信を確立することができる。
また、リモート操作設定画面PS2は、接続先表示ボタンPB23(「Show Connected Devices」と表記されたソフトウェアボタン)を含む。接続先表示ボタンPB23に対してユーザーがタッチ操作を行うと、その時点でMFP100に通信可能に接続されている全ての操作端末300のID情報(たとえば、MACアドレスなど)が表示される。
また、リモート操作設定画面PS2は、スタートボタンPB24(「Start Remote Connection」と表記されたソフトウェアボタン)を含む。スタートボタンPB24に対してユーザーがタッチ操作を行うと、MFP100をリモート操作することができるようになる。
<通常モードでのリモート操作>
MFP制御部110は、通常モードでリモート操作を行う旨の指示を操作パネル200がユーザーから受け付けて以降、スタートボタンPB24に対するタッチ操作を検知すると、通常モードでリモート操作を受け付ける通常処理を行う。
具体的には、MFP制御部110は、スタートボタンPB24に対するタッチ操作を検知すると、リモート操作設定画面PS2に代えて、通常のパネル画面PS1を操作パネル200に表示させる(たとえば、最初はホーム画面PS11が操作パネル200に表示される)。なお、MFP制御部110は、通常処理の実行中、操作パネル200に対する操作を無効とする。たとえば、操作パネル200は、MFP制御部110による通常処理が実行中である旨(操作パネル200に対する操作が無効である旨)をユーザーに報知するためのメッセージをパネル画面PS1の所定箇所に表示する。
また、MFP制御部110は、MFP100に現在接続されている操作端末300を認識する。なお、通常モードでは、MFP100に接続可能な操作端末300は1台だけである。すなわち、MFP100に対するリモート操作の受け付けが許可される操作端末300は1台だけである。以下の説明では、図7に示すように、MFP100に対するリモート操作の受け付けが許可される操作端末300(MFP100に現在接続されている操作端末300)を第1操作端末301と称する。
MFP制御部110は、第1操作端末301を認識すると、MFP通信部130を用いて、第1操作端末301に画面データを送信する(図7参照)。第1操作端末301に送信される画面データは、操作パネル200に現在表示されているパネル画面PS1の表示に必要なデータである。操作パネル200に現在表示されているパネル画面PS1がホーム画面PS11であれば、ホーム画面PS11に対応する画面データが第1操作端末301に送信される。
第1操作端末301の端末制御部310は、MFP100からの画面データを受信すると、MFP100から受信した画面データに基づくパネル画面PS1を配したリモート操作用画面10を自機の端末タッチスクリーン3TSに表示させる。以下の説明では、第1操作端末301が表示するリモート操作用画面10を第1画面10と称する。第1画面10の一例を図8に示す。
第1画面10は、パネル表示領域R11を含む。MFP100からの画面データに基づくパネル画面PS1はパネル表示領域R11に表示される。図8に示す例では、パネル表示領域R11に表示されているのはホーム画面PS11である。すなわち、図8に示す例では、操作パネル200に現在表示されているパネル画面PS1がホーム画面PS11であり、ホーム画面PS11に対応する画面データを第1操作端末301がMFP100から受信したということである。
第1操作端末301の端末制御部310は、第1画面10の表示中、第1画面10内のパネル画面PS1に対するタッチ操作の受け付けを端末タッチスクリーン3TSに行わせる。すなわち、第1操作端末301の端末制御部310は、第1画面10内のパネル画面PS1をリモート操作の対象とする。第1画面10にホーム画面SP11が配されている場合には、MFP100に搭載された複数種の機能のうち使用する機能の選択受付が行われる。
第1操作端末301の端末制御部310は、第1画面10内のパネル画面PS1に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、自機の端末通信部330を用いて、MFP100に対し、ユーザーから受け付けた操作を示す操作データを送信する(図7参照)。MFP制御部110は、MFP通信部130が操作データを受信すると、当該受信した操作データで示される操作(以下、対象操作と称する)を認識する。そして、MFP制御部110は、操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合に操作パネル200に表示すべきパネル画面PS1を操作パネル200に表示させる。
また、MFP制御部110は、対象操作を認識すると、操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合に操作パネル200に表示すべきパネル画面PS1の表示に必要な画面データを第1操作端末301に送信する(図7参照)。このときにMFP100から第1操作端末301に送信されるのは、MFP100が第1操作端末301から操作データを受信したことによって操作パネル200に新たに表示されたパネル画面PS1(操作パネル200が現在表示しているパネル画面PS1)の表示に必要な画面データである。
たとえば、図9の上図に示すように、第1操作端末301がホーム画面PS11を配した第1画面10を表示しているとする。すなわち、操作パネル200がホーム画面PS11を表示しているとする。そして、このとき、第1画面10内のホーム画面PS11のコピーボタンPB11に対するタッチ操作をユーザーが行ったとする。
この場合には、第1操作端末301からMFP100に対して、コピーボタンPB11が操作されたことを示すデータが操作データとして送信される(コピーボタンPB11に対する操作が対象操作となる)。これにより、操作パネル200は、ホーム画面PS11に代えて、コピー画面PS12を表示する。
また、操作パネル200がコピー画面PS12を表示すると、MFP100から第1操作端末301に対して、コピー画面PS12の表示に必要な画面データが送信される。これにより、図9の下図に示すように、第1操作端末301は、ホーム画面PS11を配した第1画面10に代えて、コピー画面PS12を配した第1画面10を表示する。言い換えると、第1画面10のパネル表示表域R11に表示されるパネル画面PS1がホーム画面PS11からコピー画面PS12に遷移する。そして、第1操作端末301は、第1画面10内のコピー画面PS12に対する操作を受け付ける(コピー画面PS12が新たにリモート操作の対象となる)。
第1操作端末301は、第1画面10内のパネル画面PS1に対する操作をユーザーから受け付ける度に、MFP100に対して操作データを送信する。MFP100は、第1操作端末301から操作データを受信する度に、操作パネル200のパネル画面PS1を第1操作端末301からの操作データに基づき遷移するとともに、第1操作端末301に対して画面データを送信する。第1操作端末301は、MFP100から画面データを受信する度に、第1画面10のパネル表示領域R11に表示するパネル画面PS1をMFP100からの画面データに対応するパネル画面PS1に遷移する。そして、第1操作端末301は、遷移後のパネル画面PS1に対する操作をユーザーから受け付ける(遷移後のパネル画面PS1が新たにリモート操作の対象となる)。
また、MFP制御部110は、対象操作が設定項目の設定値を設定する操作であった場合、対象操作を受けた設定項目(以下の説明では、対象設定項目と称する)を認識する。そして、MFP制御部110は、対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合の設定値に設定(変更)する。
たとえば、図10の上図に示すように、第1操作端末301がカラー設定画面PS13を配した第1画面10を表示しているとする。すなわち、操作パネル200がカラー設定画面PS13を表示しているとする。そして、このととき、第1画面10内のカラー設定画面PS13に対して、カラー設定の設定値を「FullColor」に設定する旨のタッチ操作であるフルカラー設定操作(フルカラーボタンをタッチしてからOKボタンをタッチする操作)をユーザーが行ったとする。
この場合には、第1操作端末301からMFP100に対して、フルカラー設定操作が行われたことを示すデータが操作データとして送信される(フルカラー設定操作が対象操作となる)。これにより、操作パネル200は、カラー設定画面PS13に代えて、コピー画面PS12を表示する。そして、MFP制御部110は、カラー設定の設定値を「FullColor」に設定(変更)する。
また、操作パネル200の表示画面がカラー設定画面PS13からコピー画面PS12に遷移するので、MFP100から第1操作端末301に対して、コピー画面PS12の表示に必要な画面データが送信される。これにより、図10の下図に示すように、第1操作端末301は、カラー設定画面PS13を配した第1画面10に代えて、コピー画面PS12を配した第1画面10を表示する。
なお、図8に示すように、第1画面10には、記録ボタンB11(「Record Actions」と表記されたソフトウェアボタン)、再現ボタンB12(「Select Recorded Action to Perform」と表記されたソフトウェアボタン)、パネル選択ボタンB13(「Select Panel Display」と表記されたソフトウェアボタン)、編集ボタンB14(「Modify Recorded Actions」と表記されたソフトウェアボタン)などが配される。
記録ボタンB11、再現ボタンB12および編集ボタンB14は、通常モードでのリモート操作および画面共有モードでのリモート操作の両方で使用される。パネル選択ボタンB13は、画面共有モードでのリモート操作で使用される(通常モードでのリモート操作では使用されない)。
(設定再現)
MFP制御部110は、対象操作が設定項目の設定値を設定する操作であった場合、対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合の設定値に設定(変更)する処理に加え、MFP通信部130を用いて、第1操作端末301に設定データを送信する処理を行う(図7参照)。第1操作端末301に送信される設定データは、対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合の設定値に設定するためデータである。このとき、MFP100からの設定データを第1操作端末301に不揮発的に記憶させることができる。
具体的には、第1操作端末301の端末制御部310は、記録ボタンB11に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、当該受け付けたタッチ操作を記録開始操作として検知する。第1操作端末301の端末制御部310は、記録開始操作を検知して以降、記録ボタンB11に対するタッチ操作をユーザーから再度受け付けると、当該再度受け付けたタッチ操作を記録終了操作として検知する。ユーザーが記録終了操作に相当するタッチ操作を記録ボタンB11に対して行ってから、記録ボタンB11に対してタッチ操作を再度行うと、当該再度行ったタッチ操作は記録開始操作として検知される。
そして、第1操作端末301の端末制御部310は、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでの記録期間にMFP100から受信した設定データを含む設定再現情報3A(図1参照)を自機の端末記憶部320に不揮発的に記憶させる(記録処理を行う)。第1操作端末301に記憶させる設定再現情報3Aのファイル名は第1操作端末301のユーザーが任意に設定することができる。なお、第1操作端末301のユーザーは設定再現情報3AをMFP100に不揮発的に記憶させることもできる。
設定再現情報3Aは記録期間ごとに第1操作端末301に記憶される。第1操作端末301のユーザーが記録開始操作および記録終了操作を1回ずつ含む記録開始終了操作を繰り返し複数回行った場合には、当該回数分の設定再現情報3Aが端末記憶部320に記憶される。また、1回の記録期間内に複数の設定データがMFP100から第1操作端末301に送信された場合(1回の記録期間内に複数の設定項目の設定値を設定した場合)には、当該記録期間に対応する設定再現情報3Aには複数の設定データが含められる。
たとえば、第1操作端末301のユーザーが記録開始操作を行って以降、カラー設定、エコプリント設定、両面/分割印刷設定、印刷部数設定および印刷濃度設定の各設定項目の設定値をデフォルト値から変更したとする(カラー設定、エコプリント設定、両面/分割印刷設定、印刷部数設定および印刷濃度設定の各設定項目が対象設定項目となる)。そして、その後、第1操作端末301のユーザーが記録終了操作を行ったとする。
この場合、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでの記録期間内に、エコプリント設定、カラー設定、両面/分割印刷設定、印刷部数設定および印刷濃度設定の各設定項目にそれぞれ対応する5つの設定データを第1操作端末301がMFP100から受信する。したがって、第1操作端末301には、当該5つの設定データを1まとめにした設定再現情報3Aが記憶される。
第1操作端末301は、設定再現情報3Aが自機に記憶されている場合、設定再現操作をユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末制御部310は、設定再現操作をユーザーから受け付けると、設定再現処理を行う。設定再現操作の受け付けは第1画面10の表示中に行われる。設定再現操作をユーザーから受け付けるために、第1画面10に再現ボタンB12が配される。第1操作端末301の端末制御部310は、再現ボタンB12に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、当該受け付けたタッチ操作を設定再現操作の一操作として検知する。
第1操作端末301の端末制御部310は、再現ボタンB12に対するタッチ操作を検知すると、自機の端末記憶部320に記憶された設定再現情報3Aのファイル名を選択肢として表示し、ファイル名を選択する選択操作(ファイル名の表示領域をタッチする操作)を設定再現操作の一操作としてユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末記憶部320に複数の設定再現情報3Aが記憶されている場合には、当該複数の設定再現情報3Aの各ファイル名が選択肢として表示される。
第1操作端末301の端末制御部310は、いずれかのファイル名の選択をユーザーから受け付けると、選択されたファイル名に対応する設定再現情報3Aをユーザーが指定したと判断する。そして、第1操作端末301の端末制御部310は、自機の端末通信部330を用いて、MFP100に対し、ユーザー指定の設定再現情報3A(記憶済みの設定再現情報3A)を送信する処理を設定再現処理として行う。
MFP制御部110は、第1操作端末301からユーザー指定の設定再現情報3Aを受信すると、ユーザー指定の設定再現情報3Aに含まれる設定データである受信設定データに対応する設定項目の設定値を受信設定データに基づき設定(変更)する。たとえば、カラー設定の設定値を「FullColor」に設定するための設定データがユーザー指定の設定再現情報3Aに含まれていた場合には、MFP100のカラー設定の設定値が「FullColor」に設定される。
また、第1操作端末301は、設定再現情報3Aが自機に記憶されている場合、編集操操作をユーザーから受け付ける。編集操作の受け付けは第1画面10の表示中に行われる。編集操作をユーザーから受け付けるために、第1画面10に編集ボタンB14が配される。第1操作端末301の端末制御部310は、編集ボタンB14に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、当該受け付けたタッチ操作を編集操作の一操作として検知する。
第1操作端末301の端末制御部310は、編集ボタンB14に対するタッチ操作を検知すると、自機の端末記憶部320に記憶された設定再現情報3Aのファイル名を選択肢として表示し、ファイル名を選択する選択操作(ファイル名の表示領域をタッチする操作)を編集操作の一操作としてユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末記憶部320に複数の設定再現情報3Aが記憶されている場合には、当該複数の設定再現情報3Aの各ファイル名が選択肢として表示される。
第1操作端末301の端末制御部310は、いずれかのファイル名の選択をユーザーから受け付けると、選択されたファイル名に対応する設定再現情報3Aをユーザーが指定したと判断する。そして、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の設定再現情報3A(記憶済みの設定再現情報3A)の編集をユーザーから受け付けるための編集受付画面MSを自機の端末タッチスクリーン3TSに表示させる。たとえば、編集受付画面MSは第1画面10上にポップアップ表示される。編集受付画面MSの一例を図11に示す。
編集受付画面MSには、ユーザー指定の設定再現情報3Aに含まれる設定データに対応する設定項目の設定値(デフォルト値から変更された設定値)が編集対象としてリストアップされる。また、編集受付画面MSには、編集対象の設定項目ごとにチェックボックスが配される。編集前の時点では、全てのチェックボックスにチェックが付される(図11の上図参照)。
第1操作端末301は、編集受付画面MSの表示中、いずれかのチェックボックスに対するタッチ操作を編集操作の一操作としてユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末制御部310は、いずれかのチェックボックスに対するタッチ操作を検知すると、当該タッチ操作を受けたチェックボックスからチェックを外す(図11の下図参照)。第1操作端末301の端末制御部310は、対応するチェックボックスからチェックを外した設定項目の設定値をデフォルト値に戻す。
また、第1操作端末301の端末制御部310は、編集受付画面MSに配されたセーブボタンSBに対するタッチ操作を編集操作の一操作として受け付ける。第1操作端末301の端末制御部310は、セーブボタンSBに対するタッチ操作を検知すると、ユーザーによる編集が終了したと判断する。そして、第1操作端末301の端末制御部310は、編集前の設定再現情報3Aに代えて、編集後の設定再現情報3Aを自機の端末記憶部320に新たに不揮発的に記憶させる。
一例として、図11に示すように、カラー設定、エコプリント設定、両面/分割印刷設定、印刷部数設定および印刷濃度設定の各設定項目が編集対象として編集受付画面MSにリストアップされている(当該各設定項目の設定データがユーザー指定の設定再現情報3Aに含まれている)とする。そして、編集受付画面MSにリストアップされた設定項目のうち印刷部数設定(上から4番目の設定項目)のチェックボックスに対してユーザーがタッチ操作を行い、その後、セーブボタンSBに対してユーザーがタッチ操作を行ったとする。
この場合、第1操作端末301の端末制御部310は、印刷部数設定の設定値を「3」から「1(デフォルト値)」に変更する。言い換えると、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の設定再現情報3Aから印刷部数設定に対応する設定データを削除する。そして、第1操作端末301の端末制御部310は、印刷部数設定に対応する設定データが削除された設定再現情報3Aを自機の端末記憶部320に新たに不揮発的に記憶させる(ファイル名については編集前後で変更は無い)。これにより、当該設定再現情報3Aが第1操作端末301からMFP100に送信されても、MFP100の印刷部数設定の設定値はデフォルト値に保持される(「1」から「3」に変更されない)。
(表示再現)
第1操作端末301の端末制御部310は、記録開始操作および記録終了操作をユーザーから受け付けたことを検知すると、設定再現情報3Aに加え、表示再現情報3B(図1参照)を自機の端末記憶部320に不揮発的に記憶させる(記録処理を行う)。表示再現情報3Bは、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでの記録期間に第1操作端末301が行った第1画面10のパネル表示領域R11でのパネル画面PS1の表示処理を再現するための情報である。表示再現情報3Bには、記録期間内に第1画面10のパネル表示領域R11に表示されたパネル画面PS1の表示に必要な画面データや、パネル画面PS1の表示順を示す順番データなどが含まれる。
表示再現情報3Bのファイル名はユーザーが任意に設定することができる。表示再現情報3Bは記録期間ごとに第1操作端末301に記憶される。ユーザーが記録開始操作および記録終了操作を1回ずつ含む記録開始終了操作を繰り返し複数回行った場合には、当該回数分の表示再現情報3Bが第1操作端末301に記憶される。
たとえば、図12に示すように、第1操作端末301のユーザーが記録開始操作を行って以降、コピー画面PS12→カラー設定画面PS13→コピー画面PS12→エコプリント設定画面PS14の順番で第1画面10内のパネル画面PS1を遷移させたとする。そして、その後、第1操作端末301のユーザーが記録終了操作を行ったとする。
この場合に第1操作端末301に記憶される表示再現情報3Bには、コピー画面PS12、カラー設定画面PS13およびエコプリント設定画面PS14の各画面データが含められる。また、コピー画面PS12→カラー設定画面PS13→コピー画面PS12→エコプリント設定画面PS14という順番を示す順番データが表示再現情報3Bに含められる。
第1操作端末301は、表示再現情報3Bが自機に記憶されている場合、表示再現操作をユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末制御部310は、表示再現操作をユーザーから受け付けると、表示再現処理を行う。表示再現操作の受け付けは第1画面10の表示中に行われる。たとえば、第1操作端末301の端末制御部310は、再現ボタンB12に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、当該受け付けたタッチ操作を表示再現操作の一操作として検知する。
第1操作端末301の端末制御部310は、再現ボタンB12に対するタッチ操作を検知すると、自機の端末記憶部320に記憶された表示再現情報3Bのファイル名を選択肢として表示し、ファイル名を選択する選択操作(ファイル名の表示領域をタッチする操作)を表示再現操作の一操作としてユーザーから受け付ける。第1操作端末301の端末記憶部320に複数の表示再現情報3Bが記憶されている場合には、当該複数の表示再現情報3Bの各ファイル名が選択肢として表示される。さらに、第1操作端末301の端末記憶部320に設定再現情報3Aが記憶されている場合には、表示再現情報3Bのファイル名と共に設定再現情報3Aのファイル名も選択肢として第1操作端末301に表示される。すなわち、このとき、設定再現情報3Aのファイル名がユーザーにより選択される場合がある。
第1操作端末301の端末制御部310は、いずれかのファイル名の選択をユーザーから受け付けると、選択されたファイル名に対応する表示再現情報3Bをユーザーが指定したと判断する。そして、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに対応する表示処理を再現する処理を表示再現処理として行う(ユーザー指定の表示再現情報3Bを再現対象に設定する)。
このとき、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに含まれる画面データのうち、ユーザー指定の表示再現情報3Bに含まれる順番データで示される順番が1番目の画面データに対応するパネル画面PS1を第1画面10のパネル表示領域R11に表示する。その後、第1操作端末301の端末制御部310は、第1画面10内に配された操作領域OR1(図8参照)に対するタッチ操作をユーザーから受け付ける。
第1画面10の操作領域OR1は、再生ボタンB1、停止ボタンB2および一時停止ボタンB3を含む(図13参照)。再生ボタンB1に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに含まれる順番データに基づき、ユーザー指定の表示再現情報3Bに含まれる画面データに対応するパネル画面PS1を順次表示する。
停止ボタンB2に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに対応する表示処理の再現を停止する。このとき、第1操作端末301の端末制御部310は、表示再現処理の直前に表示していたパネル画面PS1を表示する。
一時停止ボタンB3に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに対応する表示処理の再現を一時停止する(一時停止ボタンB3に対するタッチ操作を受け付けたときに表示していたパネル画面PS1の表示が維持され、当該パネル画面PS1から別のパネル画面PS1へは遷移しない)。その後、再生ボタンB1に対するタッチ操作をユーザーから再度受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、ユーザー指定の表示再現情報3Bに対応する表示処理の再現を再開する。
また、第1画面10の操作領域OR1は、前回ボタンB4および次回ボタンB5を含む(図13参照)。前回ボタンB4に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、現在行っている表示処理の再現を停止し、現在の再現対象よりも記録日時(更新日時)が古い表示再現情報3Bを再現対象に設定する。一方で、次回ボタンB5に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301の端末制御部310は、現在行っている表示処理の再現を停止し、現在の再現対象よりも記録日時(更新日時)が新しい表示再現情報3Bを再現対象に設定する。
たとえば、ユーザー指定の表示再現情報3Bに、コピー画面PS12、カラー設定画面PS13およびエコプリント設定画面PS14の各画面データが含められているとする。また、ユーザー指定の表示再現情報3Bに、コピー画面PS12→カラー設定画面PS13→コピー画面PS12→エコプリント設定画面PS14という順番を示す順番データが含められているとする。
この場合には、第1画面10のパネル表示領域R11に表示されるパネル画面PS1が図12に示したように遷移する。すなわち、まず、第1画面10のパネル表示領域R11にコピー画面PS12が表示される。その後、再生ボタンB1に対するタッチ操作をユーザーが行うと、コピー画面PS12→カラー設定画面PS13→コピー画面PS12→エコプリント設定画面PS14の順番で第1画面10内のパネル画面PS1が遷移する。
(各種設定)
図8に示すように、第1画面10は、各種設定をユーザーから受け付けるための操作領域操作OR2を含む。なお、第1画面10に操作領域OR2を設けなくてもよい。また、第1画面10の操作領域OR2を介して受け付ける各種設定が操作パネル200から行えてもよい。
第1画面10の操作領域OR2は、ロックボタンB6を含む(図14参照)。第1操作端末301の端末制御部310は、ロックボタンB6に対するタッチ操作(「表示制限操作」に相当)をユーザーから受け付けると、自機の端末通信部330を用いて、MFP100に表示制限命令を送信する。MFP制御部110は、第1操作端末301から表示制限命令を受信すると、操作パネル200の表示を停止させる。操作パネル200の表示停止は表示制限が解除されるまで続く。
なお、場合によっては、操作パネル200の表示を停止させている期間に、対象操作が設定項目の設定値を設定する操作であることを示す操作データが第1操作端末301からMFP100に送信される場合がある。このような場合であっても、MFP制御部110は、対象操作を受けた対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合の設定値に設定(変更)する。
また、第1画面10の操作領域OR2は、接続端末表示ボタンB7を含む(図14参照)。第1操作端末301の端末制御部310は、接続端末表示ボタンB7に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、その時点でMFP100に通信可能に接続されている操作端末300のID情報(たとえば、MACアドレスなど)を表示する。
MFP100が通常処理(通常モードでリモート操作を受け付ける処理)を行っていれば、第1操作端末301のID情報だけが第1操作端末301に表示される。MFP100が後述する画面共有処理(画面共有モードでリモート操作を受け付ける処理)を行っていれば、複数の操作端末300(第1操作端末301を含む)の各ID情報が第1操作端末301に表示される。
また、第1画面10の操作領域OR2は、接続追加ボタンB8を含む(図14参照)。第1操作端末301の端末制御部310は、接続追加ボタンB8に対するタッチ操作をユーザーから受け付けたとき、第1操作端末301に現在接続されているMFP100以外に第1操作端末301に接続可能なMFP100が存在すれば、当該MFP100を追加接続候補と認識し、追加接続候補のID情報を表示する。なお、このときに追加接続候補となるMFP100は、第1操作端末301に現在接続されているMFP100と仕様が同じMFP100である。
第1操作端末301の端末制御部310は、追加接続候補として表示したMFP100への追加接続指示をユーザーから受け付けると、追加接続指示を受けたMFP100と第1操作端末301との通信を確立する処理を行う。以降、第1操作端末301からの操作データは、追加接続したMFP100にも送信される。すなわち、複数台のMFP100に対するリモート操作を同時に行うことができる。
また、第1画面10の操作領域OR2は、接続遮断ボタンB9を含む(図14参照)。第1操作端末301の端末制御部310は、接続遮断ボタンB9に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、第1操作端末301に現在接続されているMFP100を接続遮断候補と認識し、接続遮断候補のID情報を表示する。
第1操作端末301の端末制御部310は、接続遮断候補として表示したMFP100との接続遮断指示をユーザーから受け付けると、接続遮断指示を受けたMFP100と第1操作端末301との通信を遮断する処理を行う。第1操作端末301との接続が遮断されたMFP100は、リモート操作の対象とならない。
<画面共有モードでのリモート操作>
MFP制御部110は、画面共有モードでリモート操作を行う旨の指示を操作パネル200がユーザーから受け付けた後、スタートボタンPB24(図6参照)に対するタッチ操作を検知すると、画面共有モードでリモート操作を受け付ける画面共有処理を行う。
画面共有モードでは、複数の操作端末300がMFP100に通信可能に接続される。MFP100に接続された複数の操作端末300のうち、MFP100に最初に接続された操作端末300はリモート操作の受け付けを行う一方、残りの操作端末300はリモート操作の受け付けを行わない。すなわち、画面共有モードでは、MFP100に最初に接続された操作端末300が第1操作端末301(MFP100に対するリモート操作の受け付けが許可される操作端末300)となる。
以下の説明では、図15に示すように、複数の操作端末300のうち、第1操作端末301以外の操作端末300を第2操作端末302(MFP100に対するリモート操作の受け付けが許可されていない操作端末300)と称する。
MFP制御部110は、MFP100に現在接続されている複数の操作端末300を認識すると、MFP通信部130を用いて、複数の操作端末300の全てに対し、操作パネル200に現在表示されているパネル画面PS1の表示に必要な画面データを送信する(図15参照)。すなわち、MFP100からの画面データは、第1操作端末301および第2操作端末302の両方が受信する。
なお、第1操作端末301の端末制御部310は、パネル選択ボタンB13(図8参照)に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、MFP100に現在接続されている第2操作端末302のID情報を選択肢として表示する。また、第1操作端末301の端末制御部310は、選択されたID情報をMFP100に送信する。そして、たとえば、MFP制御部110は、第1操作端末301から受信したID情報に対応する第2操作端末302には画面データを送信しない。デフォルトの設定では、MFP100に接続された全ての第2操作端末302に画面データが送信される。
第1操作端末301の端末制御部310は、MFP100からの画面データを受信すると、MFP100から受信した画面データに基づくパネル画面PS1を配したリモート操作用画面10を自機の端末タッチスクリーン3TSに表示させる。第1操作端末301に表示されるリモート操作用画面10は通常モードおよび画面共有モードの両モードで共通である。以下の説明では、第1操作端末301が表示するリモート操作用画面10を第1画面10と称する。
第2操作端末302の端末制御部310は、MFP100からの画面データを受信すると、MFP100から受信した画面データに基づくパネル画面PS1を配したリモート操作用画面20を自機の端末タッチスクリーン3TSに表示させる。以下の説明では、第2操作端末302が表示するリモート操作用画面20を第2画面20と称する。第2画面20の一例を図16に示す。
第2画面20は、パネル表示領域R21を含む。MFP100からの画面データに基づくパネル画面PS1はパネル表示領域R21に表示される。図16に示す例では、パネル表示領域R21に表示されているのはホーム画面PS11である。すなわち、図16に示す例では、操作パネル200に現在表示されているパネル画面PS1がホーム画面PS11であり、ホーム画面PS11に対応する画面データを第2操作端末302がMFP100から受信したということである。
なお、MFP100は、第1操作端末301および第2操作端末302の両方に対して同じ画面データを送信する。したがって、第1画面10のパネル表示領域R11および第2画面20のパネル表示領域R21にはそれぞれ同じパネル画面PS1が表示される。たとえば、第1操作端末301が第1画面10内にホーム画面PS11を表示しているときには(図8参照)、第2操作端末302は第2画面20内にホーム画面PS11を表示する(図16参照)。
画面共有モードでは、第1操作端末301の端末制御部310は、第1画面10の表示中、第1画面10内のパネル画面PS1に対するタッチ操作の受け付けを端末タッチスクリーン3TSに行わせる。一方で、第2操作端末302の端末制御部310は、第2画面20の表示中、第2画面20内のパネル画面PS1に対するタッチ操作の受け付けを端末タッチスクリーン3TSに行わせない。
すなわち、第2操作端末302のユーザーが第2画面20内のパネル画面PS1に対してタッチ操作を行っても、第2操作端末302からMFP100には操作データが送信されない。したがって、操作パネル200に表示されたパネル画面PS1は遷移しない。また、第2画面20内のパネル画面PS1も遷移しない。
第1操作表示端301の端末制御部301は、第1画面10内のパネル画面PS1に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、通常モードと同様、ユーザーから受け付けた操作を示す操作データをMFP100に送信する(図15参照)。MFP制御部110は、第1操作端末301からの操作データを受信すると、通常モードと同様、第1操作端末301から受信した操作データで示される対象操作が操作パネル200に対して実際に行われた場合に操作パネル200に表示すべきパネル画面PS1を操作パネル200に表示させる。
また、MFP制御部110は、通常モードと同様、操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合に操作パネル200に表示すべきパネル画面PS1(操作パネル200が現在表示しているパネル画面PS1)の表示に必要な画面データを第1操作端末301に送信する(図15参照)。そして、このとき、MFP制御部110は、第2操作端末302に対しても、第1操作端末301に送信した画面データと同じ画面データを送信する(図15参照)。
第1操作端末301は、MFP100からの画面データを受信すると、通常モードと同様、MFP100から受信した画面データに対応するパネル画面PS1を第1画面10のパネル表示領域R11に表示する。第2操作端末302は、MFP100からの画面データを受信すると、MFP100から受信した画面データに対応するパネル画面PS1を第2画面20のパネル表示領域R21に表示する。このときに第2画面20のパネル表示領域R21に表示されるパネル画面PS1は、第1画面10のパネル表示領域R11に表示されるパネル画面PS1と同じである。
たとえば、第1操作端末301がMFP100との間で操作データおよび画面データの送受信を繰り返したことにより、第1画面10内のパネル画面PS1が図12に示したように遷移したとする。この場合には、MFP100から第2操作端末302に対して、コピー画面PS12の画面データ、カラー設定画面PS13の画面データ、コピー画面PS12の画面データおよびエコプリント設定画面PS14の画面データがこの順番で送信される。このため、第2操作端末302が表示する第2画面20内のパネル画面PS1は、図17に示すように遷移する。
なお、MFP100が画面共有モードで動作しているとき、第1操作端末301のユーザーがロックボタンB6(図14参照)に対してタッチ操作を行う場合がある。この場合、第1操作端末301の端末制御部310は、MFP100に表示制限命令を送信する。表示制限命令を受信すると、MFP制御部110は、通常モードと同様、表示制限が解除されるまで、操作パネル200の表示を停止させる。さらに、MFP制御部110は、表示制限が解除されるまで、第2操作端末302に画面データを送信しない。
また、MFP制御部110は、対象操作が設定項目の設定値を設定する操作であった場合、通常モードと同様、対象操作を受けた対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が実際に行われた場合の設定値に設定するための設定データを第1操作端末301に送信する(図15参照)。そして、このとき、MFP制御部110は、第2操作端末302に対しても、第1操作端末301に送信した設定データと同じ設定データを送信する(図15参照)。
ここで、第2操作端末302は、第1操作端末301が行う記録処理と同様の記録処理を行う。すなわち、設定再現情報3Aや表示再現情報3Bを第2操作端末302にも不揮発的に記憶させることができる。
第2操作端末302に記録処理を行わせるため、図16に示すように、第2画面20には記録ボタンB21が配される。第2画面20の記録ボタンB21に割り当てられた機能は第1画面10の記録ボタンB11に割り当てられた機能と同じである。すなわち、第2操作端末302の端末制御部310は、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでの記録期間にMFP100から受信した設定データを含む設定再現情報3Aを自機の端末記憶部320に不揮発的に記憶させる。さらに、第2操作端末302の端末制御部310は、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでの記録期間に行った第2画面20のパネル表示領域R21でのパネル画面PS1の表示処理を再現するための表示再現情報3Bを自機の端末記憶部320に不揮発的に記憶させる。第2操作端末301に記憶させる設定再現情報3Aや表示再現情報3Bの各ファイル名は第2操作端末302のユーザーが任意に設定することができる。なお、第2操作端末302のユーザーは設定再現情報3AをMFP100に不揮発的に記憶させることもできる。
また、第2画面20には編集ボタンB22が配される。第2画面20の編集ボタンB22に割り当てられた機能は第1画面10の編集ボタンB14に割り当てられた機能と同じである。すなわち、第2操作端末302の端末制御部310は、編集ボタンB22に対するタッチ操作を検知すると、ユーザー指定の設定再現情報3A(記憶済みの設定再現情報3A)の編集をユーザーから受け付けるための画面を表示する。このときに第2操作端末302が表示する画面は、第1操作端末301が編集ボタンB14に対する操作をユーザーから受け付けた場合に表示する画面と同様である。第2操作端末302の端末制御部310は、ユーザーによる編集が終了したとき、編集前の設定再現情報3Aに代えて、編集後の設定再現情報3Aを自機の端末記憶部320に新たに不揮発的に記憶させる。
なお、第2画面20には切替ボタンB23(「Request to be Moderator」と表記されたソフトウェアボタン)が配される。第2操作端末302の端末制御部310は、切替ボタンB23に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、MFP100に切替要求を送信する。MFP制御部110は、第2操作端末302から切替要求を受信すると、リモート操作の受け付けを許可する操作端末300とリモート操作の受け付けを許可しない操作端末300とを切り替える処理を行う。
たとえば、MFP制御部110は、切替要求を受信すると、リモート操作の受け付けが現在許可されている操作端末300に対して切替通知を送信する。切替通知を受信した操作端末300の端末制御部310は、切り替えを許可するか否かをユーザーから受け付け、許可する旨をユーザーから受け付けると、MFP100に許可通知を送信する。
MFP制御部110は、許可通知を受信すると、リモート操作の受け付けが現在許可されている操作端末300に対して不許可命令を送信する。一方で、MFP制御部110は、切り替えを要求した操作端末300(リモート操作の受け付けが現在許可されていない操作端末300)に対して許可命令を送信する。
不許可命令を受信した操作端末300は、現在表示中の第1画面10に代えて、第2画面20を新たに表示する。許可命令を受信した操作端末300は、現在表示中の第2画面20に代えて、第1画面10を新たに表示する。すなわち、第1操作端末301が第2操作端末302に切り替わり、第2操作端末302が第1操作端末301に切り替わる。これにより、簡単に、リモート操作の受け付けが許可されている操作端末300とリモート操作の受け付けが許可されていない操作端末300とを切り替えることができるので、ユーザーにとっては利便性が良い。
また、図16に示すように、第2画面20には、接続確認ボタンB24(「See who is connected」と表記されたソフトウェアボタン)が配される。第2操作端末302の端末制御部310は、接続確認ボタンB24に対するタッチ操作をユーザーから受け付けると、MFP100に現在接続されている複数の操作端末300の各ユーザーのユーザー情報(たとえば、ユーザー名)がリストアップされたリスト画面(図示せず)を表示する。たとえば、第1操作端末301のユーザーのユーザー情報には所定情報(第1操作端末301のユーザーであることを示す情報)が付加される。このようなリスト画面が第2操作端末302に表示されると、切替要求を行っても問題が無いか否かを判断することができるので、第2操作端末302のユーザーにとっては利便性が良い。
本実施形態の構成では、MFP100(電子機器)の複数のユーザーがそれぞれ所有する複数の操作端末300をMFP100に通信可能に接続すれば、MFP100の操作パネル200に表示される画面を複数の操作端末300の全てに表示させることができる。
ここで、複数の操作端末300のうち第1操作端末301は、パネル画面PS1に対する操作をユーザーから受け付ける。そして、第1操作端末301は、パネル画面PS1に対する操作を受け付けると、MFP100に操作データを送信する。MFP100は、操作データを受信すると、第1操作端末301に画面データを送信する。第1操作端末301は、画面データを受信すると、現在表示中のパネル画面PS1に代えて、今回受信した画面データに基づくパネル画面PS1を表示する。
一方で、複数の操作端末300のうち第2操作端末302は、パネル画面PS1に対する操作をユーザーから受け付けない。しかし、MFP100は、第1操作端末301から操作データを受信すると、第1操作端末301だけでなく、第2操作端末302にも画面データを送信する。第2操作端末302は、画面データを受信すると、現在表示中のパネル画面PS1に代えて、今回受信した画面データに基づくパネル画面PS1を表示する。
すなわち、本実施形態の構成では、第1操作端末301のユーザーがMFP100に対してリモート操作(第1操作端末301に表示されたパネル画面PS1に対する操作)を行うことにより第1操作端末301からMFP100に操作データが送信され、それに伴い操作パネル200のパネル画面PS1が遷移した場合(操作パネル200の状態が変化した場合)、操作パネル200の遷移後のパネル画面PS1が第1操作端末301だけでなく第2操作端末302にも表示される。これにより、リモート操作の操作者(第1操作端末301のユーザー)以外の特定ユーザー(第2操作端末302のユーザー)にも操作パネル200の状態を漏れなく確認させることができる。たとえば、操作パネル200の操作指導などを行う場合に有効である。この場合には、指導者の操作端末300が第1操作端末301となり、受講者の操作端末300が第2操作端末302となるよう予め設定しておけばよい。
また、本実施形態の構成では、第2操作端末302のユーザーからすると、MFP100の近傍に赴かなくても、操作パネル200の状態を確認することができるので、利便性が良い。さらに、本実施形態の構成では、第2操作端末302はパネル画面PS1に対する操作を受け付けない。すなわち、第2操作端末302はMFP100に操作データを送信しない。したがって、第1操作端末301および第2操作端末302の両方からMFP100に操作データが送信されるという不都合は生じない。
また、本実施形態では、上記のように、MFP100は、対象操作が設定項目の設定値を設定する操作であった場合、対象操作を受けた対象設定項目を認識し、対象設定項目の設定値を操作パネル200に対して対象操作が行われた場合の設定値に設定するための設定データを第1操作端末301および第2操作端末302に送信する。第1操作端末301および第2操作端末302は、記録開始操作と記録終了操作とを受け付け、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでに受信した設定データを1まとめにした設定再現情報3Aを記憶する。これにより、第1操作端末301のユーザーが行った設定に対応する設定再現情報3Aを第1操作端末301だけでなく第2操作端末302にも記憶させておくことができる。さらに、記録開始および記録終了を任意のタイミングで行えるので、ユーザーにとって必要な設定データだけを選択的に設定再現情報3Aに含めることができる。
なお、設定再現情報3Aが記憶された操作端末300は、記憶済みの設定再現情報3Aに含まれる設定データを編集する編集操作を受け付ける。これにより、記憶済みの設定再現情報3Aから不要な設定データ(設定再現処理の実行時に設定値をデフォルト値に保持しておきたい設定項目に対応する設定データ)を削除することができる。設定再現情報3Aから削除された設定データに対応する設定項目の設定値は、当該設定再現情報3Aに基づく設定再現処理が実行されてもデフォルト値に保持される。
また、本実施形態では、上記のように、第1操作端末301および第2操作端末302は、記録開始操作と記録終了操作とを受け付け、記録開始操作の受け付けから記録終了操作の受け付けまでに行ったパネル画面PS1の表示処理を再現するための表示再現情報3Bを記憶する。そして、表示再現情報3Bが記憶された操作端末300は、予め定められた表示再現操作を受け付けると、記憶済みの表示再現情報3Bに対応する表示処理を再現する。これにより、MFP100に対するリモート操作が行われていた期間における操作パネル200でのパネル画面PS1の遷移を後から確認することができるので、ユーザーにとっては利便性が良い。また、第1操作端末301だけでなく第2操作端末302にも表示再現情報3Bを記憶させておくことができる。さらに、記録開始および記録終了を任意のタイミングで行えるので、ユーザーが後から確認したい画面遷移に関するデータだけを選択的に表示再現情報3Bに含めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1操作端末301は、表示制限を行うための表示制限操作を受け付けると、MFP100に表示制限指示を送信する。そして、MFP100は、表示制限指示を受信すると、表示制限が解除されるまで、操作パネル200の表示を停止するとともに、第2操作端末302への画面データの送信を停止する。これにより、第1操作端末301のユーザーからすると、自身が行っている設定を他のユーザーに見られないようにすることができるので、利便性が良い。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。