JP2019079916A - バックコンタクト型太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽電池モジュールにおける光電変換の変換性能と紫外線耐久性とを同時に担保したバックコンタクト型太陽電池の太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】 太陽電池モジュール20では、半導体基板11の受光面11SU側に、水素化非晶質シリコン系薄膜層で形成される真性半導体層12U、絶縁層である低反射層16、および、受光側封止材21Uが重ねて配置される。そして、受光側封止材21Uの質量に対して添加される紫外線吸収剤が、0.010質量%未満であり、かつ、水素化アモルファスシリコン層の厚みTaが、15nm以上50nm以下である。【選択図】 図1
Description
本発明は、バックコンタクト型太陽電池モジュールに関する。
一般的な太陽電池は、半導体基板の両面(受光面・裏面)に電極を配置させた両面電極型であるが、昨今、電極による遮蔽損のない太陽電池として、特許文献1に示されるような、裏面のみに電極を配置させたバックコンタクト(裏面電極)型太陽電池が開発されている。
また、太陽電池は、実用化においては、受光側保護部材と裏側保護部材との間に配置され、かつ、両保護部材と太陽電池との間に配置される封止材で封止され、太陽電池モジュールとされる。このモジュールでは、通常、封止材には、紫外線吸収剤が添加される。
このような紫外線吸収剤が添加されていないと、封止材が紫外線の影響で劣化、破損等を起こし、太陽電池に含まれる種々部材も紫外線または封止材の割れから浸入する水分等の影響を受けて劣化し、ひいては、太陽電池モジュールの性能低下が起きてしまうためである。
しかしながら、封止材に紫外線吸収剤が添加されると、太陽電池モジュールの紫外線耐久性は向上するものの、紫外線吸収剤に起因して、太陽電池の受光量が減少し、太陽電池モジュールにおける光電変換の変換効率の低下が起きる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。そして、その目的は、太陽電池モジュールにおける光電変換の変換性能と紫外線耐久性とを同時に担保した太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明に係る、半導体基板の主面の一方側に異種の電極層を配置したバックコンタクト型太陽電池を、封止材で封止したバックコンタクト型太陽電池モジュールにあって、前記半導体基板の他方側の主面である受光面側には、水素化非晶質シリコン系薄膜層、絶縁層、および、受光側封止材が重ねて配置されており、前記受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤が、0.010質量%未満であり、前記水素化非晶質シリコン層の厚みTaが、15nm以上50nm以下である。
本発明のバックコンタクト型太陽電池モジュールによれば、光電変換の変換性能と紫外線耐久性とが同時に担保される。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
図3および図4は、半導体基板の主面の一方側に異種の電極層を配置したバックコンタクト型太陽電池10を、封止材21で封止したバックコンタクト型の太陽電池モジュール20を示す。詳説すると、この太陽電池モジュール20は、少なくとも、封止材21(受光側封止材21U、裏側封止材21B)、受光側保護部材22、裏側保護部材23、および、バックコンタクト型の太陽電池10を含む。
なお、図3および図4では、複数の太陽電池10を、接続用の配線部材25で電気的に接続させた太陽電池モジュール20が図示される。そして、これらの図に示されるような、電気的に接続された太陽電池10の集合体を、太陽電池ストリングと称することもある。
また、太陽電池10は、表面と裏面を含んでおり、本明細書では、表面の側を表側、これに対して反対側にあたる裏面の側を裏側と称する。そして、便宜上、表側は裏側よりも積極的に受光させようとする側(受光側)とし、積極的に受光させない裏側を非受光側として説明する。
したがって、図3に示されるように、太陽電池モジュール20は、太陽電池10と、この太陽電池10を基準にして、受光側に、受光側封止材21U、受光側保護部材22をこの順で重ねて配置する一方、受光側の反対側となる裏側に、裏側封止材21B、裏側保護部材23をこの順で重ねて配置する。
封止材21は、太陽電池10を封止して保護するもので、太陽電池10の受光側の面と受光側保護部材22との間、および、太陽電池10の裏側の面と裏側保護部材23との間に介在する。以降では、太陽電池10の受光側を被覆する封止材21を受光側封止材21U、太陽電池10の裏側を被覆する封止材21を裏側封止材21Bと称すこともある。
受光側封止材21Uおよび裏側封止材21Bの形状は、特に限定されるものではなく、例えばシート状が挙げられる。シート状であれば、面状の太陽電池10の表面・裏面を被覆しやすいためである。
封止材21の材料としては、特に限定されるものではないが、光を透過する特性(透光性)を有すると好ましい。また、封止材21の材料は、太陽電池10と受光側保護部材22と裏側保護部材23とを接着させる接着性を有すると好ましい。
このような材料としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラート(PVB)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、または、シリコーン樹脂等の透光性樹脂が挙げられる。なお、受光側封止材21Uの材料と裏側封止材21Bの材料とは、同一であっても構わないし異なっていても構わない。
また、受光側封止材21Uには、紫外光を変換して可視光を発する波長変換剤が含まれると好ましい。このような波長変換剤が含有されていると、太陽電池10の発電に寄与しなかった紫外光が発電に寄与する可視光に変換されるため、太陽電池10、ひいては太陽電池モジュール20の発電量が増大する。
波長変換剤の材料としては、特に限定されるものではないが、可視光の蛍光を有する希土類元素を含む金属錯体等、有機色素、または、無機蛍光体等が挙げられる。なお、このような波長変換剤が、封止材21の材料となる樹脂に分散され、その樹脂がシート状等に成型されることによって、波長変換剤を分散させた封止材21が得られる。
受光側保護部材22は、受光側封止材21Uを介して、太陽電池10の表面(受光面)を覆って、その太陽電池10を保護する。受光側保護部材22の形状は、特に限定されるものではないが、面状の受光面を間接的に覆う点から、板状またはシート状が好ましい。
受光側保護部材22の材料としては、特に限定されるものではないが、封止材21同様に、透光性を有しつつも紫外光に耐性の有る材料が好ましく、例えば、ガラス、または、アクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の透明樹脂が挙げられる。また、受光側保護部材22の表面は、凹凸状に加工されていても構わないし、反射防止コーティング層で被覆されていても構わない。これらのようになっていると、受光側保護部材22は、受けた光を反射させ難くして、より多くの光を太陽電池10に導けるためである。
裏側保護部材23は、裏側封止材21Bを介して、太陽電池10の裏面を覆って、その太陽電池10を保護する。裏側保護部材23の形状は、特に限定されるものではないが、受光側保護部材22同様に、面状の裏面を間接的に覆う点から、板状またはシート状が好ましい。
裏側保護部材23の材料としては、特に限定されるものではないが、水等の浸入を防止する(遮水性の高い)材料が好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、オレフィン系樹脂、含フッ素樹脂、若しくは含シリコーン樹脂等の樹脂フィルムと、アルミニウム箔等の金属箔との積層体が挙げられる。
なお、図3および図4に示されるような、複数の太陽電池10を含む太陽電池モジュール20では、接続用の配線部材25(以下、接続配線25とも称する)が含まれる。接続配線25は、隣り合った太陽電池10での電極同士の接続、太陽電池ストリング同士の接続、または、太陽電池ストリングから外部装置への取出配線との接続のために使用される。
接続配線25は、図3および図4に示されるような裏側電極型太陽電池10では、太陽電池10の裏面同士に架け渡り、はんだまたは導電性接着剤等でその裏面に接着される。具体的には、接続配線25は、太陽電池10の電極層におけるバスバー部(後述)に接続される。
なお、接続配線25の材料は、特に限定されるものではないが、銅、アルミニウム、銀、金、または、これらを含む合金等の金属が挙げられる。また、銅、アルミニウム、銀、金、若しくはこれらを含む合金等の金属表面に、金、銀、スズ、若しくははんだ等の導電層を被覆させた被覆層付き金属が、接続配線25の材料であっても構わない。
なお、太陽電池モジュール20の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、裏側保護部材23、裏側封止材21B、太陽電池10(太陽電池ストリング)、受光側封止材21U、および、受光側保護部材22を、この順で重ね、真空排気を行うラミネータ等を用いて、所定の温度、圧力にて加熱、加圧することによって封止すればよい。
以下、太陽電池10について詳細に説明する。図1の模式的な断面図は、シリコン製の半導体基板11を用いた太陽電池10を表す。なお、この太陽電池10は、いわゆるヘテロ接合結晶シリコン太陽電池であり、電極層17を太陽電池10の裏面のみに配置させたバックコンタクト型(裏面電極型)太陽電池10である。
太陽電池10は、半導体基板11、真性半導体層12(12U,12p,12n)、導電型半導体層13(p型半導体層13p,n型半導体層13n)、低反射層16、および、電極層17(透明電極層18,金属電極層19)を含む。
なお、以降では、便宜上、p型半導体層13pまたはn型半導体層13nに個別に対応付けされる部材には、部材番号の末尾に「p」/「n」を付すことがある。また、p型、n型のように、異種同士の導電型では、一方の導電型を「第1導電型」、他方の導電型を「第2導電型」と称しても構わない。
半導体基板11は、単結晶シリコンで形成された基板であっても多結晶シリコンで形成された基板であっても構わない。以下では、単結晶シリコン基板を例に挙げて説明する。
また、半導体基板11の導電型は、シリコン原子に対して電子を導入する不純物(例えば、リン原子)を含有するn型単結晶シリコン基板であっても、シリコン原子に対して正孔を導入する不純物(例えば、ホウ素原子)を有するp型単結晶シリコン基板であっても構わないが、以下では、キャリア寿命の長いといわれるn型の半導体基板11を例に挙げて説明する。
また、半導体基板11は、受けた光を閉じこめておく観点から、2つの主面11S(11SU,11SB)の表面のうち、少なくとも受光側(受光面11SU側)は、山(凸)と谷(凹)とで形成されるテクスチャ構造が有ると好ましい。なお、テクスチャ構造(凹凸面)は、例えば、半導体基板11における(100)面のエッチングレートと(111)面のエッチングレートとの差異を応用した異方性エッチングによって形成される。
また、半導体基板11の厚みが、250μm以下であると好ましい。なお、厚みを測定する場合の測定方向は、半導体基板11の平均面(平均面とは、テクスチャ構造に依存しない基板全体としての面を意味する)に対する垂直方向である。そこで、以降、この垂直方向、すなわち厚みを測定する方向を厚み方向とする。
半導体基板11の厚みは、250μm以下であると、シリコンの使用量が減少するため、シリコン基板が確保し易くなり、低コスト化も図れる。その上、シリコン基板内で光励起により生成した正孔と電子とを裏面側のみで回収するバックコンタクト構造では、各励起子の自由行程の観点からも好ましい。
一方で、半導体基板11の厚みが過度に小さいと、機械的強度の低下が生じたり、外光(太陽光)が十分に吸収されず、短絡電流密度が減少しかねない。そのため、半導体基板11の厚みは、50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましい。なお、半導体基板11の主面11Sにテクスチャ構造が形成されている場合、半導体基板11の厚みは、受光側および裏面側のそれぞれの凹凸構造における凸の頂点を結んだ直線間の最大距離で表される。
真性半導体層12(12U,12p,12n)は、半導体基板11の両主面11S(11SU,11SB)を覆うことで、半導体基板11への不純物拡散を抑えつつ表面パッシベーションを行う。なお、「真性(i型)」との用語は、導電型不純物を含まない完全に真性であるものに限られず、シリコン系層が真性層として機能し得る範囲で微量のn型不純物またはp型不純物を含む「弱n型」または「弱p型」の実質的に真性な層も包含する。
真性半導体層12の材料は、特に限定されるものではないが、非晶質シリコン系薄膜であると好ましく、シリコンと水素とを含む水素化非晶質シリコン系薄膜層であるとより好ましい。
真性半導体層12の形成方法は、特に限定されるものではないが、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法であると好ましい。
これらの薄膜が、単結晶シリコンで形成された半導体基板11上にCVD製膜されると、単結晶シリコンへの不純物の拡散を抑制しつつ、基板表面のパッシベーションを有効に行える。また、プラズマCVD法であれば、真性半導体層12の膜中水素濃度を膜厚方向で変化させることで、キャリア回収を行う上で有効なエネルギーギャッププロファイルの形成も行える。
なお、プラズマCVD法による薄膜の形成条件としては、例えば、基板温度100℃以上300℃以下、圧力20Pa以上2600Pa以下、高周波パワー密度0.003W/cm2以上0.5W/cm2以下が好適である。
また、薄膜の形成に使用される原料ガスとしては、水素化非晶質シリコン系薄膜の場合、SiH4、Si2H6等のシリコン含有ガス、または、それらのガスとH2を混合したものが好適である。
導電型半導体層13としては、p型半導体層13pとn型半導体層13nとが挙げられる。図1に示すように、p型半導体層13pは、半導体基板11の裏面11SB側の一部に真性半導体層12pを介して形成されており、n型半導体層13nは、半導体基板11の裏面11SB側の他の一部に真性半導体層12nを介して形成される。つまり、p型半導体層13pおよびn型半導体層13nと半導体基板11との間に、中間層として、真性半導体層12p,12nが介在する。なお、導電型半導体層13の製法は、特に限定されるものではないが、真性半導体層12同様に、プラズマCVD法であると好ましい。
また、p型半導体層13pおよびn型半導体層13nは、半導体基板11の裏面11SB側において、図2の平面図(電極層17は便宜上省略)に示すように、櫛型に形成される。
詳説すると、p型半導体層13pは、櫛背部E13pと、その櫛背部E13pに対して交差しつつ、並列する複数の櫛歯部T13pを含む。また、n型半導体層13nは、櫛背部E13nと、その櫛背部E13nに対して交差しつつ、並列する複数の櫛歯部T13nを含む。そして、櫛歯部T13pと櫛歯部T13nとは、交互に並ぶ。なお、p型半導体層13pとn型半導体層13nとは、電気的に分離されるように配置される。
p型半導体層13pは、p型のドーパン卜(ボロン等)が添加されたシリコン層で、真性半導体層13p上に形成される。例えば、p型水素化非晶質シリコン層、p型非晶質シリコンカーバイド層、またはp型非晶質シリコンオキサイド層が挙げられる。なお、p型半導体層13pは、不純物拡散の抑制または直列抵抗低下の観点から、非晶質シリコンで形成されると好ましい。また、p型非晶質シリコンカーバイド層およびp型非晶質シリコンオキサイド層は、ワイドギャップの低屈折率層であるため、光学的なロスを低減できる点において好ましい。
n型半導体層13nは、n型のドーパン卜(リン等)が添加されたシリコン層で、真性半導体層13n上に形成される。なお、n型半導体層13nも、p型半導体層13p同様に、非晶質シリコン層で形成されると好ましい。
低反射層[絶縁層]16は、受光側の真性半導体層12U上に形成され、太陽電池10の受けた光の反射を抑制させる。低反射層16の材料としては、光を透過させる透光性の材料で絶縁性のものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、または窒化ケイ素が挙げられる。なお、低反射層16の製法は、特に限定されるものではないが、真性半導体層12同様に、プラズマCVD法であると好ましい。
電極層17は、p型半導体層13pまたはn型半導体層13n上を覆うように形成されることで、それら半導体層13p,13nに電気的に接続される。これにより、電極層17は、p型半導体層13pまたはn型半導体層13nに生じるキャリアを導く輸送層として機能する。
なお、電極層17は、導電性の高い金属のみで形成されても構わないが、p型半導体層13p,n型半導体層13nとの電気的接合の観点、または、電極材料である金属の両半導体層13p,13nへの原子拡散を抑制する観点から、透明導電性酸化物で形成される電極層を、金属製の電極層とp型半導体層13p,n型半導体層13nとの間に設けると好ましい。
本明細書では、透明導電性酸化物で形成される電極層を透明電極層18、金属製の電極層を金属電極層19、と称する。また、p型半導体層13p,n型半導体層13nにおいて、櫛背部E13p,E13n上に形成される電極層17をバスバー部、櫛歯部T13p,T13n上に形成される電極層17をフィンガー部、と称することがある(図2参照)。
透明電極層18は、材料としては特に限定されるものではないが、例えば、酸化亜鉛若しくは酸化インジウム、または、酸化インジウムに種々の金属酸化物、例えば酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、若しくは酸化モリブデン等を1重量%以上10重量%以下で添加した透明導電性酸化物が挙げられる。
また、透明電極層18の厚みは、50nm以上200nm以下が望ましく、このような膜厚に好適な透明電極層18の形成方法としては、例えば、スパッタ法等の物理気相堆積法(PVD)、または、有機金属化合物と酸素または水との反応を利用した化学気相堆積法(MOCVD)法等が挙げられる。
金属電極層19は、材料としては特に限定されるものではないが、例えば、銀、銅、アルミニウム、または、ニッケル等が挙げられる。
また、金属電極層19の厚みは、20μm以上80μm以下が望ましく、このような膜厚に好適な金属電極層19の形成方法としては、材料ペーストをインクジェット若しくはスクリーン印刷する印刷法、または、めっき法が挙げられる。ただし、これに限定されるものではなく、真空プロセスを採用する場合には、蒸着またはスパッタリング法が採用されても構わない。
また、p型半導体層13p,n型半導体層13nの櫛歯部T13p,T13nの幅と、それらの上に形成される金属電極層19p,19nの幅とは、同程度であると好ましい。ただし、これに限定されることはなく、櫛歯部T13p,T13nの幅よりも、金属電極層19p,19nの幅が狭くても構わない。また、金属電極層19p,19n同士のリークが防止されているのであれば、櫛歯部T13p,T13nの幅よりも、金属電極層19p,19nの幅が広くても構わない。
なお、半導体基板11に対して、真性半導体層12、導電型半導体層13、低反射層16、および、電極層17を積層させた段階で、各接合界面のパッシベーション、半導体層およびその界面における欠陥準位の発生抑制、透明電極層18における透明導電性酸化物の結晶化を目的として、アニール処理を施す。
アニール処理としては、例えば、各層を配置した半導体基板11を150℃以上200℃以下に加熱したオーブンに投入して加熱処理が挙げられる。この場合、オーブン内の雰囲気は、大気でも構わないが、水素または窒素を用いることで、より効果的なアニール処理が行える。また、アニール処理は、各層を配置した半導体基板11に対して赤外線ヒーターを用いて赤外線を照射させるRTA(Rapid Thermal Annealing)処理であっても構わない。
ここで、以上のようなバックコンタクト型の太陽電池モジュール20における、半導体基板11の主面である受光面11SU側について詳説する。
太陽電池モジュール20では、半導体基板11の受光面11SU側に、水素化非晶質シリコン系薄膜層で形成される真性半導体層12U、絶縁層である低反射層16、および、受光側封止材21Uが重ねて配置される。そして、受光側封止材21Uの質量に対して添加される紫外線吸収剤が、0.010質量%未満であり、好ましくは0.008質量%未満、さらに好ましく、0.005質量%未満である。その上、真性半導体層12Uの厚みTaが、15nm以上50nm以下であり、好ましくは30nm以上50nm以下である。
このように紫外線吸収剤が、受光側封止材21Uの質量に対して0.01質量%未満であると、紫外線吸収剤に起因する受光量減少が生じ難くなるため、太陽電池モジュール20の変換効率が低下し難い。一方で、紫外線吸収剤が存在しない、または、非常に微量であることから、紫外線が大量に受光側封止材21Uを透過する。
しかし、半導体基板11の受光側には、水素化非晶質シリコン系薄膜層で形成される真性半導体層12Uと、絶縁層である低反射層16とが積層する。そのため、これら2層が、半導体基板11への紫外線の影響を抑える。そして、この2層のうち、真性半導体層12Uの厚みTaが、15nm以上50nm以下である。
この特定の厚みの範囲であると、真性半導体層12Uは、低反射層16とともに進入してくる紫外線をブロックし、半導体基板11へ極力到達させない。また、真性半導体層12Uの厚みが厚すぎると、太陽電池モジュール20における短絡電流が大きくなって変換効率の低下ももたらすところ、この特定の厚みの範囲であると、そのようなことも抑制される。
すなわち、このような太陽電池モジュール20は、紫外線耐久性を担保しつつ、真性半導体層12Uの厚み増加に起因する変換効率の減少を一定までに抑え、紫外線耐久性と変換効率というトレードオフの関係にある両性能のバランスを取れる。一方で、この厚み範囲の下限を下回ると、光電変換の変換効率は比較的高くなるものの、紫外線耐久性を担保できず、上限を上回ると、紫外線耐久性が担保されても、変換効率が過度に低下してしまう。
なお、紫外線吸収剤の含有量は、例えば、LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析)を用いて測定される。
また、紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収を目的とする添加剤であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ホルムアミジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、または、サリチル酸系紫外線吸収剤が挙げられる。
なお、このような紫外線吸収剤が、受光側封止材21Uの材料となる樹脂に分散され、その樹脂がシート状等に成型されることによって、紫外線吸収剤を分散させた受光側封止材21Uが得られる。
また、太陽電池モジュール20では、低反射層16の厚みTbが、30nm以上200nm以下であると好ましく、50nm以上100nm以下であるとより好ましい。
この特定の厚みの範囲であると、低反射層16は真性半導体層12Uと同様に、紫外線耐久性を担保しつつ、厚み増加に起因する変換効率の減少を一定までに抑える。その上、受光側封止材21Uが紫外線吸収剤を含まないまたは微量であることから、紫外線劣化に起因してクラック等が受光側封止材21Uに生じたとしても、低反射層16の厚みTbが前記範囲であれば、クラック等から浸入する水等を塞き止める。その結果、太陽電池モジュール20の耐久性が向上する。
一方で、低反射層16の厚みが特定範囲外であると、前記のように紫外線耐久性と変換効率という両性能のバランスの取れた太陽電池モジュールになり難い。また、下限を下回ると、低反射層16は、絶縁性を担保できない上、導電型半導体層13または電極層17のパターニングでのエッチング溶液に対する犠牲層の役割を果たし難くなる。また、上限を上回ると、低反射層16は透光性を担保できない上、反射防止層としての役割を果たし難くなる。
なお、絶縁性の低反射層16の厚みTbと、水素化非晶質シリコン系薄膜層で形成される真性半導体層12Uの厚みTaとの関係(Tb/Ta)が、0.5<Tb/Ta<14.0であると好ましく、0.8<Tb/Ta<8.0であるとより好ましく、1.0<Tb/Ta<5.0であるとより一層好ましい。
このような範囲であると、真性半導体層12Uと低反射層16との双方が、バランスよく、紫外線耐久性を担保しつつ、厚み増加に起因する変換効率の減少を一定までに抑える。
また、太陽電池モジュール20では、受光側封止材21Uには、波長変換剤が添加されても構わない。このような太陽電池モジュール20であっても、前記同様、紫外線耐久性と変換効率という両性能のバランスが取れる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<評 価>
[膜厚の評価]
太陽電池モジュールにおける各種層の膜厚は、SEM(フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡S4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、10万倍の倍率で観察して測定した。
[膜厚の評価]
太陽電池モジュールにおける各種層の膜厚は、SEM(フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡S4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、10万倍の倍率で観察して測定した。
[変換効率の評価]
ソーラーシミュレータにより、AM(エアマス)1.5の基準太陽光を、100mW/cm2の光量で照射して、太陽電池モジュールの変換効率(Eff(%))を測定した。
ソーラーシミュレータにより、AM(エアマス)1.5の基準太陽光を、100mW/cm2の光量で照射して、太陽電池モジュールの変換効率(Eff(%))を測定した。
[紫外線耐久性試験]
太陽電池モジュールの変換効率を測定した後(変換効率Ea%)、キセノンランプを用いて、光量300mW/cm2、サンプル温度70℃の条件で、紫外線を含む光を、その太陽電池モジュールに150時間照射し、その後、再び変換効率を測定した(変換効率Eb%)。そして、紫外線照射前後の変換効率の比(Eb/Ea)を、太陽電池モジュールの紫外線耐久性の評価データとした。
太陽電池モジュールの変換効率を測定した後(変換効率Ea%)、キセノンランプを用いて、光量300mW/cm2、サンプル温度70℃の条件で、紫外線を含む光を、その太陽電池モジュールに150時間照射し、その後、再び変換効率を測定した(変換効率Eb%)。そして、紫外線照射前後の変換効率の比(Eb/Ea)を、太陽電池モジュールの紫外線耐久性の評価データとした。
<太陽電池モジュールの製造>
まず、半導体基板として、両主面にピラミッド型のテクスチャ構造を有する厚み200μmの単結晶シリコン基板を採用した。そして、この単結晶シリコン基板をCVD装置へ導入し、受光面となる表側主面に、水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層を形成した。
まず、半導体基板として、両主面にピラミッド型のテクスチャ構造を有する厚み200μmの単結晶シリコン基板を採用した。そして、この単結晶シリコン基板をCVD装置へ導入し、受光面となる表側主面に、水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層を形成した。
なお、この真性半導体層の厚みは、後述のサンプルに応じて適宜設定した。また、製膜条件は、基板温度が150℃、圧力が120Pa、SiH4/H2流量比が3/10、パワー密度が0.011W/cm2とした。
次に、表側に真性半導体層を形成された半導体基板をCVD装置に導入し、その真性半導体層上に、絶縁性を有する窒化ケイ素で、低反射層を形成した。なお、この低反射層の厚みは、60nmとした。また、製膜条件は、基板温度が150℃、圧力が120Pa、NH3/SiH4/H2流量比が1/1/40、パワー密度が0.011W/cm2とした。
続いて、半導体基板をCVD装置に導入し、半導体基板の裏側主面に、水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層を形成した。なお、この真性半導体層の厚みは、8nmとした。また、製膜条件は、半導体基板の表側主面に形成した真性半導体層と同様とした。
次に、裏側主面に真性半導体層を形成された半導体基板をCVD装置に導入し、その真性半導体層上に、p型水素化非晶質シリコン系薄膜製のp型半導体層を形成した。なお、このp型半導体層の厚みは、10nmとした。また、製膜条件は、基板温度が150℃、圧力60Pa、SiH4/B2H6流量比が100/2、投入パワー密度が0.01W/cm2とした。
さらに、p型半導体層上に、レジスト膜を形成して、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、そのレジストパターン層を用いて、p型半導体層および真性半導体層をエッチングした。また、この後、半導体基板を洗浄した。
続いて、洗浄した半導体基板をCVD装置に導入し、p型半導体層上および露出する裏側主面上に、水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層を形成した。なお、膜厚および製膜条件は、p型半導体層直下の真性半導体層と同様とした。
次に、この真性半導体層上に、n型水素化非晶質シリコン系薄膜製のn型半導体層を形成した。なお、このn型半導体層の厚みは、10nmとした。また、製膜条件は、基板温度:150℃、圧力:60Pa、SiH4/PH3流量比:100/1、投入パワー密度:0.01W/cm2とした。
さらに、n型半導体層上に、レジスト膜を形成して、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、そのレジストパターン層を用いて、p型半導体層上のn型半導体層および真性半導体層をエッチングした。また、この後、半導体基板を洗浄した。
続いて、パターニングされたp型半導体層およびn型半導体層上に、酸化インジウム錫(ITO、屈折率:1.9)による透明電極層を製膜した。なお、この透明電極層の厚みは、80nmとした。また、この製膜では、ターゲットとして、酸化インジウムが用いられ、基板温度:室温、圧力:0.2Paのアルゴン雰囲気中で、0.5W/cm2のパワー密度を印加して製膜した。
さらに、透明電極層上に、レジスト膜を形成して、フォトリソグラフィ法によってパターニングし、そのレジストパターン層を用いて、透明電極層をエッチングし、p型半導体層上の透明電極層と、n型半導体層上の透明電極層とを分離した。また、この後、半導体基板を洗浄した。
続いて、透明電極層上に、電極パターンに対応するスクリーン版を用いて、銀ペーストでスクリーン印刷した後、150℃で乾燥させ、金属電極層を形成した。
以上の工程を経て完成したバックコンタクト型太陽電池を、接続配線で電気的にさせた状態で、モジュール化した。具体的には、裏側保護部材上に、EVA製の裏側封止材(紫外線吸収剤は適宜設定)を配置し、さらにその上に、接続配線で電気的に接続された複数のバックコンタクト型太陽電池を配置した。続けて、この太陽電池ストリング上に、EVA製の受光側封止材(紫外線吸収剤無し)を配置し、さらにその上に、ガラス製の受光側保護部材を配置して、140℃でラミネートして、バックコンタクト型太陽電池の太陽電池モジュールを製造した。
<紫外線吸収剤に関して>
受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みを20nmとし、受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤(材料名:ベンゾトリアゾール誘導体)を、無し、0.005質量%、0.008質量%、0.010質量%、0.012質量%、0.015質量%、0.03質量%とした7種類のサンプル(A1−A7)を作成した。
受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みを20nmとし、受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤(材料名:ベンゾトリアゾール誘導体)を、無し、0.005質量%、0.008質量%、0.010質量%、0.012質量%、0.015質量%、0.03質量%とした7種類のサンプル(A1−A7)を作成した。
そして、このサンプルの変換効率(%)、紫外線耐久性(%)を測定した(表1および図5参照)。なお、変換効率は、紫外線吸収剤無しのサンプルA1での値を基準にして、その他サンプルを比較した(すなわち、A1と同じ値であれば100%と表示した)。また、変換効率の測定は、紫外線耐久性試験完了後のサンプルを測定した。
表1および図5から、紫外線吸収剤が0.010質量%を超えると、変換効率が急激に低下した。このことから紫外線吸収剤が含まれていなければ、当然、変換効率の低下の原因にはならないものの、0.010質量%以下までなら添加しても、変換効率に悪影響を与えないことが判った。
<水素化非晶質シリコン系薄膜層の厚みおよび低反射層に関して>
受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤(材料名:ベンゾトリアゾール誘導体)を0.30質量%にして、受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みを3nm、5nm、8nm、10nm、13nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nmとした12種類のサンプル(B1−B12)を作成した。
受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤(材料名:ベンゾトリアゾール誘導体)を0.30質量%にして、受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みを3nm、5nm、8nm、10nm、13nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nmとした12種類のサンプル(B1−B12)を作成した。
そして、このサンプルの変換効率(%)、紫外線耐久性(%)を測定した(表2および図6参照)。なお、変換効率は、紫外線吸収剤無しのサンプルB4での値を基準にして、その他サンプルを比較した(すなわち、B4と同じ値であれば100%と表示した)。また、変換効率の測定は、紫外線耐久性試験完了後のサンプルを測定した。
また、受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤を添加せずに、受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みをサンプルB1−B12同様に12種類としたサンプル(C1−C12)を作成した。
そして、このサンプルの変換効率(%)、紫外線耐久性(%)を測定した(表3および図7参照)。なお、変換効率は、前記同様、紫外線吸収剤無しのサンプルB4での値を基準にして、その他サンプルを比較した。また、変換効率の測定は、紫外線耐久性試験完了後のサンプルを測定した。
表2および図6から、紫外線吸収剤が添加されていると、真性半導体層の厚みに依存せず、サンプルB1〜B12は比較的高い紫外線耐久性を示した。一方で、表3および図7から、紫外線吸収剤が添加されていなくても、真性半導体層の厚みが15nm以上60nm以下であれば、サンプルC6〜C12は紫外線耐久性を担保していた。しかし、真性半導体層の厚みが60nmの場合(サンプルC12)は、変換効率が基準値(サンプルB4)の変換効率より劣っていた。
一方、変換効率は、真性半導体層の厚みが5nm以上15nm未満の場合、サンプルB4よりも高い値を示すが、紫外線耐久性が急激に低下した。このことから、水素化非晶質シリコン層の厚みTaが、15nm以上50nm以下であると、紫外線吸収剤を添加したサンプルB4よりも、高い変換効率を発揮するとともに、同等の紫外線耐久性を発揮することが判った。
また、このような場合、絶縁性の低反射層の厚みTbと、水素化非晶質シリコン系薄膜層で形成される真性半導体層の厚みTaとの関係(Tb/Ta)が、1.0<Tb/Ta<5.0であることも判った。
<波長変換剤に関して>
紫外線吸収剤を添加せず、波長変換剤を添加した受光側封止材を用いるとともに、受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みをサンプルB1−B12同様に12種類としたサンプル(D1−D12)を作成した。
紫外線吸収剤を添加せず、波長変換剤を添加した受光側封止材を用いるとともに、受光面となる表側主面に形成した水素化非晶質シリコン系薄膜製の真性半導体層の厚みをサンプルB1−B12同様に12種類としたサンプル(D1−D12)を作成した。
そして、このサンプルの変換効率(%)、紫外線耐久性(%)を測定した(表4および図8参照)。なお、変換効率は、紫外線吸収剤無しのサンプルB4での値を基準にして、その他サンプルを比較した(すなわち、B4と同じ値であれば100%と表示した)。また、変換効率の測定は、紫外線耐久性試験完了後のサンプルを測定した。
表4および図8から、波長変換剤が添加されたサンプルDであっても、サンプルCと同傾向の結果が得られた。したがって、波長変換剤によって変換された光によって、太陽電池モジュールの半導体基板等には、劣化等が起きないことが判った。
10 太陽電池[バックコンタクト型太陽電池]
11 半導体基板
11S 半導体基板の主面
11SU 半導体基板における受光側の主面
11SB 半導体基板における裏側の主面
12 真性半導体層
12U 真性半導体層[水素化非晶質シリコン系薄膜層]
12p 真性半導体層
12n 真性半導体層
13 導電型半導体層
13p p型半導体層
13n n型半島体層
16 低反射層[絶縁層]
17 電極層
18 透明電極層
19 金属電極層
20 太陽電池モジュール[バックコンタクト型太陽電池モジュール]
21 封止材
21U 受光側封止材
21B 裏側封止材
22 受光側保護部材
23 裏側保護部材
25 配線部材
11 半導体基板
11S 半導体基板の主面
11SU 半導体基板における受光側の主面
11SB 半導体基板における裏側の主面
12 真性半導体層
12U 真性半導体層[水素化非晶質シリコン系薄膜層]
12p 真性半導体層
12n 真性半導体層
13 導電型半導体層
13p p型半導体層
13n n型半島体層
16 低反射層[絶縁層]
17 電極層
18 透明電極層
19 金属電極層
20 太陽電池モジュール[バックコンタクト型太陽電池モジュール]
21 封止材
21U 受光側封止材
21B 裏側封止材
22 受光側保護部材
23 裏側保護部材
25 配線部材
Claims (4)
- 半導体基板の主面の一方側に異種の電極層を配置したバックコンタクト型太陽電池を、封止材で封止したバックコンタクト型太陽電池モジュールにあって、
前記半導体基板の他方側の主面である受光面側には、水素化非晶質シリコン系薄膜層、絶縁層、および、受光側封止材が重ねて配置されており、
前記受光側封止材の質量に対して添加される紫外線吸収剤が、0.010質量%未満であり、
前記水素化非晶質シリコン層の厚みTaが、15nm以上50nm以下であるバックコンタクト型太陽b・電池モジュール。 - 前記絶縁層の厚みTbが、30nm以上200nm以下である請求項1に記載のバックコンタクト型太陽電池モジュール。
- 前記絶縁層の厚みTbと、前記水素化非晶質シリコン系薄膜層の厚みTaとの関係(Tb/Ta)が、0.5<Tb/Ta<14.0である請求項2に記載のバックコンタクト型太陽電池モジュール。
- 前記受光側封止材には、波長変換剤が添加される請求項1〜3のいずれか1項に記載のバックコンタクト型太陽電池モジュール。
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