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JP2019052360A - 無方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板及びその製造方法 Download PDF

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JP2019052360A JP2017178678A JP2017178678A JP2019052360A JP 2019052360 A JP2019052360 A JP 2019052360A JP 2017178678 A JP2017178678 A JP 2017178678A JP 2017178678 A JP2017178678 A JP 2017178678A JP 2019052360 A JP2019052360 A JP 2019052360A
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Abstract

【課題】優れた磁気特性を有し、磁束密度の異方性が小さい無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:0.1〜3.8%、Mn:0.1〜2.5%、Al:0〜2.5%、C:0〜0.003%、P:0〜0.25%、S:0〜0.003%、及び、N:0〜0.003%、Ti:0〜0.004%、Nb:0〜0.003%、As:0〜0.003%、及び、Zr:0〜0.003%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有する。磁束密度B50(LC)は1.700T以上である。実施の形態に記載の式(1)で規定される異方性指標B50(anisotropy)は0.020未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板及びその製造方法に関する。
無方向性電磁鋼板は、電機機器の鉄心の素材として利用される。電機機器とはたとえば、エアコンのコンプレッサー、家電製品に使用される各種モーター、及び、自動車の駆動モーターである。
上記の電気機器では、高いエネルギー効率が要求される。そのため、電機機器に利用される無方向性電磁鋼板には、優れた磁気特性、つまり、低い鉄損及び高い磁束密度が要求される。
磁気特性を高める技術が、特開平9−217117号公報(特許文献1)、特開平11−050151号公報(特許文献2)、特開2001−098325号公報(特許文献3)、特開平4−124219号公報(特許文献4)、特開2005−281853号公報(特許文献5)、及び、特開2015−78412号公報(特許文献6)に提案されている。
特許文献1〜特許文献4は、電磁鋼板の製造において、磁気特性を高めるために、特殊な仕上げ熱間圧延を実施する。
特許文献1に開示された無方向性電磁鋼板の製造方法では、鋼中に重量%で、1.0%<Si≦4.0%、0.10%≦Mn≦1.0%、C≦0.0050%、N≦0.0050%、S≦0.0050%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブを粗圧延する。粗圧延後、熱間圧延の仕上げ圧延時に熱延ロールと鋼板の平均摩擦係数を0.25以下で熱間圧延して熱延板とする。次いで1回の冷間圧延後仕上げ焼鈍を施す。これにより、磁束密度が高まり、鉄損が低減する、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示された無方向性電磁鋼板の製造方法では、重量%で、0.010%≦C≦0.14%、0.010%≦酸可溶性Al≦0.050%、0.0030%≦N≦0.0150%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを、加熱、熱延する。熱延した後、1回以上の冷延を行って最終板厚とする。脱炭焼鈍後、Ac変態点以下の温度域で最終焼鈍する。仕上げ熱間圧延時に、摩擦係数0.22以下の低摩擦圧延を1パス以上行い、かつ低摩擦圧延を行うパスの圧下率が20%以上である。さらに、最終冷間圧延の圧下率が75%超である。これにより、磁束密度が極めて高い方向性電磁鋼板が製造できる、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示された無方向性電磁鋼板の製造方法では、重量%で、Si:0.1〜7%、Mn:0.1〜1.5%、C:0.005%以下、N:0.005%以下、及び、S:0.005%以下、を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブを熱延して熱延板とする。熱延板に、1回の冷延を施し、次いで、仕上げ焼鈍を施す。もしくは、その後さらに、スキンパス圧延を施す無方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上げ熱間圧延の後に、1回目の巻取温度を750℃以上、1050℃以下として巻き取る。30秒以上、90分以下の時間保持した後、巻き戻し、冷却を施す。その後、再度、550℃以下の温度で巻き取る。これにより、磁束密度が高い無方向性電磁鋼板が製造できる、と特許文献3には記載されている。
特許文献4に開示された無方向性電磁鋼板の製造方法では、含けい素鋼スラブを、加熱後、熱間粗圧延に引き続き熱間仕上げ圧延する。ついで1回ないし中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって最終板厚とする。その後、脱炭焼鈍及び最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によって一方向性けい素鋼板を製造するに際し、熱間仕上げ圧延工程において、入側板厚が10mm以下のパスのうち少なくとも1パスを、先進率:5.0%以上、10%以下の条件下に圧延する。これにより、磁気特性に優れた一方向性けい素鋼板が製造できる、と特許文献4には記載されている。
特許文献5及び特許文献6は、鋼管の製造において、電磁特性を高めるために、特殊な仕上げ熱間圧延を実施する。
特許文献5に開示された鋼管の製造方法では、質量%で、C:0.5%以下を含み、Feを85%以上とする組成を有する鋼管を、加熱する。加熱後、縮径圧延を施すに当たり、縮径圧延を、縮径率が15%以上、圧延終了温度が(Ar変態点−10)℃以下で実施する。これにより、電磁特性に優れた鋼管が製造できる、と特許文献5には記載されている。
特許文献6に開示された鋼管の製造方法では、質量%で、C:0.0001〜0.010%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.01〜0.50%、P:0.0001〜0.05%、S:0.010%以下、Al:0.0001%以上0.01%未満、N:0.0001〜0.01%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼管に対して、縮径圧延と焼鈍処理とを施す。縮径圧延では、鋼管を加熱温度:Ac変態点以上1100℃以下に加熱し、縮径率:15%以上で縮径圧延終了温度:(Ar変態点−100℃)以上Ar変態点未満とする圧延とする。これにより、磁気シールド特性に優れた鋼管が製造できる、と特許文献6には記載されている。
特開平9−217117号公報 特開平11−050151号公報 特開2001−098325号公報 特開平4−124219号公報 特開2005−281853号公報 特開2015−78412号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、ライン焼鈍で熱延板焼鈍を施した無方向性電磁鋼板の磁気特性よりも、磁気特性が低い場合がある。
特許文献2の製造方法は、方向性電磁鋼板に関するものであるため、無方向性電磁鋼板においては、磁気特性が不十分である場合がある。
特許文献3の製造方法では、ライン焼鈍で熱延板焼鈍を施した無方向性電磁鋼板の磁気特性よりも、磁気特性が低い場合がある。
特許文献4の製造方法では、方向性電磁鋼板の中間製品である一次再結晶板の集合組織においては、{110}面が多い。中でも、方向性電磁鋼板の二次再結晶の核となる{110}<001>方位が多い。この場合、圧延方向の磁気特性に対し、板幅方向の磁気特性が著しく劣る。
特許文献5及び特許文献6の製造方法は鋼管を対象としており、モーター及び小型鉄心等に使用する無方向性電磁鋼板に適用するのは容易ではない。
一方、モーターの鉄心に利用される無方向性電磁鋼板には、高い歩留りも要求される。たとえば、自動車の駆動モーターでは、1枚の無方向性電磁鋼板からステータとロータを共取りする。さらに、内周の残材から、さらに小さな直径の補機用のコアを打ち抜く。これにより、歩留まりを高める。
共取りする場合、圧延方向と板幅方向の磁気特性の差が大きければ、磁気特性の異方性が大きくなる。この場合、材料打ち抜きの際の歩留まりが低下する。したがって、無方向性電磁鋼板には、優れた磁気特性だけでなく、磁気特性の異方性が小さいことが求められる。上記の特許文献1〜特許文献6では、磁気特性の異方性について検討されていない。
本発明の目的は、優れた磁気特性を有し、磁束密度の異方性が小さい無方向性電磁鋼板を提供することである。
本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:0.1〜3.8%、Mn:0.1〜2.5%、Al:0〜2.5%、C:0〜0.003%、P:0〜0.25%、S:0〜0.003%、及び、N:0〜0.003%、Ti:0〜0.004%、Nb:0〜0.003%、As:0〜0.003%、及び、Zr:0〜0.003%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有する。圧延方向における磁束密度B50(L)及び圧延方向に対して直角方向における磁束密度B50(C)の平均値である磁束密度B50(LC)は1.700T以上である。下記式(1)で規定される異方性指標B50(anisotropy)は0.020未満である。
ここで、B50(0°)、B50(22.5°)、B50(45°)、B50(67.5°)及びB50(90°)には、それぞれ、圧延方向に対して0°、22.5°、45°、67.5°、90°の角度の方向の各磁束密度B50の値が代入される。式(1)中、B50aveは、下記式(2)で規定される値である。
本発明の無方向性電磁鋼板は、磁気特性に優れ、異方性が小さい。
図1は、無方向性電磁鋼板における、圧延方向に対する角度(°)と、各角度における磁束密度(T)との関係、つまり磁束密度の異方性を示す図である。 図2は、別の無方向性電磁鋼板における、圧延方向に対する角度(°)と、各角度における磁束密度(T)との関係、つまり磁束密度の異方性を示す図である。 図3は、別の無方向性電磁鋼板における、圧延方向に対する角度(°)と、各角度における磁束密度(T)との関係、つまり磁束密度の異方性を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、磁気特性(鉄損及び磁束密度)及び、磁気特性の異方性に影響を及ぼす無方向性電磁鋼板用熱延鋼板の製造方法について調査及び検討を行った。その結果、次の知見を得た。
無方向性電磁鋼板は積層して使用される。無方向性電磁鋼板が変形して積層した場合、磁気特性が低下する。そのため、従来、無方向性電磁鋼板の仕上げ熱間圧延の最終パスは、無方向性電磁鋼板の形状を制御するための条件で実施されていた。上記の特許文献2のように、仕上げ熱間圧延の最終パスでの圧下率を20%以上とした場合、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚を制御することが難しい。そのため、通常は、仕上げ熱間圧延の最終パスでは、圧下率が10%程度の、軽圧下が実施される。しかしながら、このような軽圧下では、磁気特性は改善されない。
一方、本発明者らは、仕上げ熱間圧延工程の最終パスを、磁気特性を高めるための工程として活用することを考えた。そこで、本発明者らは、磁気特性を高めるための仕上げ熱間圧延工程における最終パスでの製造条件について、さらに調査及び検討を行った。その結果、次の知見を得た。
仕上げ熱間圧延工程の最終パスにおいて、圧下率を高めて強圧下を実施すれば、磁気特性が高まった。そこで、仕上げ熱間圧延工程において、最終パスの圧下率を従来よりも大幅に高める。具体的には、最終パスの圧下率を80%以上とする。
なお、上述のとおり、通常は、圧下率を20%以上とした場合、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚を制御することが難しいと考えられていたが、強圧下しても形状制御できた。この理由は以下のとおりと考えられる。最終パスの圧下率を80%以上とすれば、加工発熱が発生し、変形抵抗が減少する。変形抵抗が減少すれば、圧下率が高くても、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚を制御できる。
仕上げ熱間圧延工程の最終パスにおいてさらに、先進率を通常より大幅に高める。先進率とは、ロール周速に対する出口側の圧延板速度(板速)の比率である。つまり、仕上げ熱間圧延工程の最終パスにおいて、ロールにより圧延板を押出すように最終パスを実施する。従来の仕上げ熱間圧延工程の最終パスにおいての先進率は3〜6%程度である。しかしながら、本実施形態においては、先進率を10%超かつ500%以下とする。
さらに、最終スタンド通過後の圧延板に20MPa以上かつ100MPa以下の張力を付与する。これによる詳しいメカニズムは不明であるが、最終スタンド通過直後の冷却速度制御との相関により、無方向性電磁鋼板の磁気特性の異方性の低減が可能となる。
さらに、最終スタンド通過後の冷却工程を、急速冷却とする。具体的には、最終スタンド通過直後の冷却速度を、20℃/s以上かつ200℃/s以下とする。これにより、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の表層の再結晶を抑制する。
以上の仕上げ熱間圧延工程における製造条件により、磁気特性(鉄損及び磁束密度)が高まるとともに、磁束密度の異方性が低減することが分かった。
本発明者らは、さらに、上記のとおり説明した本実施形態による仕上げ熱間圧延工程における製造条件と磁束密度の異方性との関係について調査した。
その結果、上記の本実施形態による製造条件によって製造した無方向性電磁鋼板は、磁束密度の異方性が小さく、本実施形態による製造条件から外れる製造方法によって製造した無方向性電磁鋼板は、磁束密度の異方性が大きいことを知見した。
以上のとおり、本実施形態による仕上げ熱間圧延工程における製造条件をすべて満たせば、磁気特性が高まるだけでなく、磁束密度の異方性も小さくなる。
上記のメカニズムについては定かではないが、本発明者らは以下のとおりと推察する。上記の条件による仕上げ熱間圧延工程の最終パスにおいて、本発明では従来にない高い圧下率及び高い先進率により、最終スタンドにおいてロールが熱間圧延鋼帯を押し出すように圧延を行う。これにより、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の表層の結晶組織に、板厚中央層には導入されないせん断ひずみ(以下、付加的歪という)が新規な形態で導入される。加工発熱により、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚中央層においては、再結晶が進行する。しかしながら、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の表層は、最終スタンドにおけるロール抜熱及び直後急冷される。そのため、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の表層においては、上記の従来技術で得られなかった形態の付加的歪を有する結晶組織が、加工発熱に影響されずに保持される。
上記の結果によるメカニズムは定かでないが、上記の製造工程による表層と中心層に対する効果の結果、磁気特性が高まると発明者らは推察する。
さらに、本発明における集合組織形成のメカニズムについては、上記の付加的歪を有する結晶組織から発生する一次再結晶方位は、GOSS方位(一方向の磁化容易軸を有する{110}<001>方位)への集積が小さい。その結果、磁束密度の異方性が小さくなると発明者らは推察する。
以上の知見に基づいて完成した本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:0.1〜3.8%、Mn:0.1〜2.5%、Al:0〜2.5%、C:0〜0.003%、P:0〜0.25%、S:0〜0.003%、及び、N:0〜0.003%、Ti:0〜0.004%、Nb:0〜0.003%、As:0〜0.003%、及び、Zr:0〜0.003%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有する。圧延方向における磁束密度B50(L)及び圧延方向に対して直角方向における磁束密度B50(C)の平均値である磁束密度B50(LC)は1.700T以上である。下記式(1)で規定される異方性指標B50(anisotropy)は0.020未満である。
ここで、B50(0°)、B50(22.5°)、B50(45°)、B50(67.5°)及びB50(90°)には、それぞれ、圧延方向に対して0°、22.5°、45°、67.5°、90°の角度の方向の各磁束密度B50の値が代入される。式(1)中、B50aveは、下記式(2)で規定される値である。
本発明による上記無方向性電磁鋼板の製造方法は、素材に対して熱間粗圧延を実施して圧延板を製造する熱間粗圧延工程と、圧延板に対して、仕上げ熱間圧延を実施して無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を製造する仕上げ熱間圧延工程と、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、冷間圧延を実施して冷延鋼板を製造する冷間圧延工程と、冷延鋼板に対して仕上げ焼鈍を実施する仕上げ焼鈍工程とを備える。仕上げ熱間圧延工程では、最終パスの圧下率が80%以上かつ95%以下であり、最終パスの先進率が10%超かつ500%以下であり、最終スタンド通過後の圧延板に対して、20MPa以上かつ100MPa以下の張力を付与し、20℃/s以上かつ200℃/s以下の冷却速度で冷却を実施する。
上記の無方向性電磁鋼板の製造方法はさらに、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、熱延板焼鈍を実施する熱延板焼鈍工程を備えてもよい。この場合、本発明の特徴である磁気特性の異方性が小さい特性を保ちつつ磁束密度がさらに高まる。
以下、本発明による無方向性電磁鋼板について詳述する。
[化学組成]
本発明による無方向性電磁鋼板の化学組成は、好ましくは、次の元素を含有する。なお、無方向性電磁鋼板及び無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の化学組成における「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。本実施形態においては、スラブ、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯、及び、無方向性電磁鋼板で同様の組成になる。
Si:0.1〜3.8%
シリコン(Si)は、鋼板の比抵抗を高め、鉄損を低減する。Siはさらに、ヒステリシス損を低減する。Si含有量が0.1%未満であれば、上記効果が得られない。一方、Si含有量が3.8%を超えれば、後述の熱間圧延での圧延性、及び、無方向性電磁鋼板の磁気特性が低下する場合がある。Si含有量が3.8%を超えればさらに、後述の仕上げ焼鈍温度が高まる。したがって、Si含有量は0.1〜3.8%である。Si含有量の好ましい下限は1.0%であり、さらに好ましくは、2.0%である。Si含有量の好ましい上限は3.6%であり、さらに好ましくは3.4%である。
Mn:0.1〜2.5%
マンガン(Mn)は、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減する。Mn含有量が0.1%未満であれば、これらの効果が得られない。一方、Mn含有量が2.5%を超えれば、再結晶組織を微細化させ、鉄損が高まる。したがって、Mn含有量は0.1〜2.5%である。Mn含有量の好ましい下限は0.5%である。Mn含有量の好ましい上限は1.3%である。
本発明による無方向性電磁鋼板の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、無方向性電磁鋼板を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものである。
本実施形態における不純物とはたとえば、C、P、S、N、Ti、Nb、As及びZrである。
C:0〜0.003%
炭素(C)は不純物である。Cは、鋼中に微細な炭化物が析出し、磁気特性を低下させ得る。したがって、C含有量は0〜0.003%である。C含有量の下限は特に制限されない。精錬コストを考えれば、Cは0.004%未満含有されていてもよい。Cが0.004%以上含有されると、無方向性電磁鋼板の使用中に磁気時効が生じ、鉄損が増大するので、C含有量は0.004%を超えてはならない。C含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
P:0〜0.25%
リン(P)は不純物である。Pは磁気特性を低下させ得る。したがって、P含有量は0〜0.25%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。P含有量の下限は特に制限されない。P含有量の好ましい上限は0.10%であり、さらに好ましくは0.05%である。
S:0〜0.003%
硫黄(S)は不純物である。Sは、MnSを生成して鉄損を増加する。したがって、S含有量は0〜0.003%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。S含有量の下限は特に制限されない。精錬コストを考えれば、Sは0.004%含有されていてもよい。ただし、鉄損低減の観点からは0.003%以下であることが必要である。S含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
N:0〜0.003%
窒素(N)は不純物である。Nは、微細なAlNを析出させて、磁気特性を低下し得る。したがって、N含有量は0〜0.003%である。N含有量はなるべく低い方が好ましい。N含有量の下限は特に制限されない。N含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
Ti:0〜0.004%
チタン(Ti)は不純物である。Tiは、磁気特性を低下し得る。したがって、Ti含有量は0〜0.004%である。Ti含有量はなるべく低い方が好ましい。Ti含有量の下限は特に制限されない。Ti含有量の好ましい上限は0.003%であり、さらに好ましくは0.002%である。
Nb:0〜0.003%
ニオブ(Nb)は不純物である。Nbは、磁気特性を低下し得る。したがって、Nb含有量は0〜0.003%である。Nb含有量はなるべく低い方が好ましい。Nb含有量の下限は特に制限されない。Nb含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
As:0〜0.003%
ヒ素(As)は不純物である。Asは、磁気特性を低下し得る。したがって、As含有量は0〜0.003%である。As含有量はなるべく低い方が好ましい。As含有量の下限は特に制限されない。As含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
Zr:0〜0.003%
ジルコニウム(Zr)は不純物である。Zrは、磁気特性を低下し得る。したがって、As含有量は0〜0.003%である。Zr含有量はなるべく低い方が好ましい。Zr含有量の下限は特に制限されない。Zr含有量の好ましい上限は0.002%であり、さらに好ましくは0.001%である。
上記の不純物の含有量は、本実施形態の無方向性電磁鋼板に悪影響を与えない範囲で許容される。不純物の含有量は、合計で0.1%以下であることが好ましい。不純物のさらに好ましい上限は、合計で0.01%である。
[任意元素]
本発明の無方向性電磁鋼板の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Alを含有してもよい。
Al:0〜2.5%
アルミニウム(Al)は、任意元素である。含有される場合、Alは鋼を脱酸する。Alはさらに、窒化物を粗大化して無害化する。しかしながら、Al含有量が2.5%を超えれば、鉄損が高まり得る。したがって、Al含有量は0〜2.5%である。Al含有量の好ましい下限は0.3%であり、さらに好ましくは0.9%である。Al含有量の好ましい上限は2.3%であり、さらに好ましくは2.0%である。
[磁束密度B50(LC):1.700T以上]
本実施形態による無方向性電磁鋼板の磁束密度B50(LC)は1.700T以上である。したがって、本実施形態による無方向性電磁鋼板は磁気特性に優れる。磁束密度B50(LC)は次のとおり測定できる。
[磁束密度B50(LC)測定方法]
無方向性電磁鋼板において、L方向(圧延方向)の磁束密度B50(L)及びC方向(圧延方向に直交する方向)の磁束密度B50(C)を測定する。具体的には、各試験番号の無方向性電磁鋼板から、JIS C 2550−1(2011)に準拠して、L方向及びC方向にエプスタイン試験片を切り出す。切り出したエプスタイン試験片に対して、JIS C 2550−1(2011)及び2550−3(2011)に準拠した電磁鋼帯試験方法を実施して、L方向及びC方向の5000A/mにおける磁束密度B50を測定する。L方向の磁束密度B50(L)及びC方向の磁束密度B50(C)の平均値として磁束密度B50(LC)を求める。
[磁束密度の異方性B50(anisotropy):0.020未満]
本実施形態による無方向性電磁鋼板の磁束密度の異方性B50(anisotropy)は、0.020未満である。したがって、本実施形態による無方向性電磁鋼板は、磁束密度の異方性が小さい。無方向性電磁鋼板の磁束密度の異方性B50(anisotropy)は次のとおり求められる。
[磁束密度の異方性B50(anisotropy)評価方法]
無方向性電磁鋼板から、エプスタイン試料を採取する。採取するエプスタイン試料の方向は、圧延方向を0°とし、圧延方向から22.5°おきに時計回りの方向とする。各エプスタイン試料の磁束密度B50を測定する。圧延方向に対して0°、22.5°、45°、67.5°、90°の角度の方向の各磁束密度B50をB50(0°)、B50(22.5°)、B50(45°)、B50(67.5°)、B50(90°)とする。B50aveを下記式(2)により求める。
下記式(1)により、異方性指標B50(anisotropy)を求める。
[平均結晶粒径について]
好ましくはさらに、本実施形態による無方向性電磁鋼板の平均結晶粒径は、30〜200μmである。平均結晶粒径が30μm以上であれば、無方向性電磁鋼板において、ヒステリシス損が低下し、鉄損が低減する。平均結晶粒径が200μm以下であれば、打ち抜き性等の加工性に優れる。さらに好ましい平均結晶粒径は、50〜150μmである。
平均結晶粒径とは、無方向性電磁鋼板で観察される複数の結晶粒について、投影面積に対する同一面積の円の直径をそれぞれ測定し、平均した値を意味する。
無方向性電磁鋼板の平均結晶粒径は、本発明では以下の方法により得た円相当直径を用いる。
具体的には、JIS G 0552に定められた線分法により求めた結晶粒の平均断面積を円相当に換算しその直径を求める。この際、観察視野は圧延方向と板幅方向を含む断面とする。この断面を機械研磨およびナイタールエッチング等の化学研磨方法でエッチングを行い、粒界を現出させ、光学顕微鏡で写真撮影を行い、その写真を元に線分法を適用し円相当直径を求める。
また、同一の断面に対し、電子顕微鏡観察により得た写真を用いて、JIS G 0552に定められた線分法を適用して円相当直径を求めてもよい。
さらに、画像処理により光学顕微鏡写真もしくは電子顕微鏡写真を元に円相当直径を求めてもよい。
[無方向性電磁鋼板の製造方法]
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法を説明する。本発明の無方向性電磁鋼板は、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して冷間圧延工程及び仕上げ焼鈍工程を実施して製造される。
[無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の製造方法]
本発明の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の製造方法は、素材に対して熱間粗圧延を実施して圧延板を製造する熱間粗圧延工程と、圧延板に対して、仕上げ熱間圧延を実施する仕上げ熱間圧延工程とを備える。仕上げ熱間圧延工程では、最終パスの圧下率が80%以上かつ95%以下であり、最終パスの先進率が10%超かつ500%以下である。仕上げ熱間圧延工程ではさらに、最終スタンド通過後の圧延板に対して、20MPa以上かつ100MPa以下の張力を付与する。さらに、最終スタンド通過に、20℃/s以上かつ200℃/s以下の冷却速度で、最終スタンド通過後の圧延板に対する冷却を実施する。
[熱間粗圧延工程]
熱間粗圧延工程では、スラブに対して熱間粗圧延を実施して、粗圧延板を製造する。スラブは、上記の化学組成を有するのが好ましい。スラブは公知の方法で製造される。たとえば、上記の化学組成の溶湯を用いて、連続鋳造法によりスラブを製造する。上記の化学組成の溶湯を用いて、造塊法によりインゴットを製造し、インゴットを分塊圧延してスラブを製造してもよい。連続鋳造法により製造されたスラブに対して分塊圧延を実施してもよい。
準備されたスラブに対して、粗熱延機を用いて熱間粗圧延を実施する。熱間粗圧延における各種条件は、特に限定されない。熱間粗圧延時のスラブ加熱温度は特に限定されない。コスト及び熱間圧延性の観点から、好ましくは、スラブ加熱温度は900℃以上かつ1250℃以下である。スラブ加熱温度のさらに好ましい下限は950℃である。スラブ加熱温度のさらに好ましい上限は1150℃である。
粗熱延機としては、例えば複数のスタンドを備える多段式の熱延機が用いられる。例えば、1〜6スタンドの2段式又は4段式熱延機によって往復又は一方向の圧延を行う方法が挙げられる。
熱間粗圧延の圧下率は、本実施形態の作用効果を得ることができれば特に限定されるものではないが、55%以上かつ90%以下である。熱間粗圧延の圧下率のさらに好ましい下限は70%である。熱間粗圧延の圧下率のさらに好ましい上限は85%である。
さらに、双ロール法などによる薄鋳片鋳造により直接粗圧延板を得てもよい。薄鋳片製造の場合、成分測定はタンディッシュに注ぐ溶湯を採取して行う。発明者らの検討では、薄鋳片には必ずしも圧延は必要でないことが判明した。圧延が薄鋳片において不要である理由については定かではないが、次のとおりと考えられる。本発明の仕上げ圧延における圧延率配分が通常と異なることで、熱間圧延鋼帯の集合組織および結晶組織が適切に制御されている可能性がある。
[仕上げ熱間圧延工程]
仕上げ熱間圧延工程では、得られた圧延板に対して、仕上げ熱間圧延機により仕上げ熱間圧延を実施して、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を製造する。
仕上げ熱間圧延工程では、一列に並んだ複数の圧延スタンド(各圧延スタンドは一対のワークロールを有する)を含むタンデム圧延機を用いてタンデム圧延を実施して、複数のパスを実施してもよいし、一対のワークロールを有するゼンジミア圧延機等によるリバース圧延を実施して、複数のパスを実施してもよい。
[仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率:80%以上かつ95%以下]
仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率は80%以上かつ95%以下である。なお、最終パスの圧下率(%)は次のとおり定義される。
最終パスの圧下率=(1−仕上げ熱間圧延工程の最終パス後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚/最終パス前の圧延板の板厚)×100
最終パスの圧下率が80%以上であれば、加工発熱が発生し、変形抵抗が減少する。変形抵抗が減少すれば、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚制御が、高圧下率においても可能となる。
最終パスの圧下率が80%以上であればさらに、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の結晶組織に従来にない形態の付加的歪が導入される。その結果、磁気特性が高まる。
仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率が80%未満であれば、磁気特性が低下する。仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率が80%未満であればさらに、磁束密度の異方性が大きくなる。一方、仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率が95%を超えれば、磁気特性を高める効果が飽和する。仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率が95%を超えればさらに、圧延機のロール負荷が高まる。したがって、仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率は80%以上かつ95%以下である。仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率の好ましい下限は81%であり、さらに好ましくは82%である。仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率の好ましい上限は90%であり、さらに好ましくは85%である。
[仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率:10%超かつ500%以下]
仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率は10%超かつ500%以下である。これにより、大きなせん断力が付与され、結晶組織に付加的歪が導入される。その結果、磁気特性が高まる。
先進率とは、ロール周速に対する出口側の圧延板速度(板速)の比率である。つまり、最終パスの先進率(%)は次のとおり定義される。
最終パスの先進率=((最終パス出口の板速(m/s)−ロール周速(m/s))/ロール周速(m/s))×100
仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率が10%以下であれば、磁気特性が低下する。仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率が10%以下であればさらに、磁束密度の異方性が大きくなる。一方、仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率が500%を超えれば、磁気特性が低下する。仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率が500%を超えればさらに、磁束密度の異方性が大きくなる。仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率が500%を超えればさらに、最終パスでの圧延が困難となる。したがって、仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率は10%超〜500%以下である。仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率の好ましい下限は20%である。仕上げ熱間圧延の最終パスの先進率の好ましい上限は300%であり、さらに好ましくは200%である。
好ましくは、仕上げ熱間圧延温度は、800℃以上かつ1050℃以下である。仕上げ熱間圧延温度とは、仕上げ熱間圧延時における、圧延板の表面温度を意味する。圧延板の表面温度は、たとえば公知の放射温度計で測定する。仕上げ熱間圧延温度が800℃以上であれば、仕上げ熱間圧延の最終パスの圧下率を80%以上とすることができる。仕上げ熱間圧延温度が1050℃以下であれば、仕上げ熱間圧延の最終パス通過後に張力を付与した際、圧延板の伸びにより形状不良が発生するのを抑制できる。ここで、「パス」とは、一対のワークロールを有する1つの圧延スタンドを圧延板が通過して圧下を受けることを意味する。
仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率は、特に限定されない。仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率はたとえば、80%以上かつ98%以下である。なお、仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率(%)は次のとおり定義される。
仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率=(1−仕上げ熱間圧延工程の最終パス後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚/1パス目の仕上げ熱間圧延前の圧延板の板厚)×100
仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率の好ましい下限は85%である。仕上げ熱間圧延工程での累積圧下率の好ましい上限は97%である。
仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚は、特に限定されない。仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚はたとえば、0.8mm以上かつ3mm以下である。仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚が0.8mm以上かつ3mm以下であれば、最終パス直後の急冷が促進される。仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚のさらに好ましい下限は1.0mmであり、さらに好ましくは、1.3mmである。仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚のさらに好ましい上限は2.7mmであり、さらに好ましくは2.3mmである。
[仕上げ熱間圧延の最終パス後の張力:20MPa以上かつ100MPa以下]
本実施形態において、仕上げ熱間圧延の最終パス通過後の圧延板に対して、20MPa以上かつ100MPa以下の張力を付与する。これにより、ロール抜熱が可能となり、付加的歪を有する結晶組織を保持することができる。その結果、磁気特性が高まる。
上記の付加的歪を有する結晶組織から発生する一次再結晶方位は、GOSS方位への集積が小さい。その結果、磁束密度の異方性が小さくなる。
仕上げ熱間圧延の最終パス後に付与する張力が20MPa未満の場合、この効果が得られない。一方、仕上げ熱間圧延の最終パス後に付与する張力が100MPaを超える場合、磁気特性を高める効果が飽和する。仕上げ熱間圧延の最終パス後に付与する張力が100MPaを超える場合さらに、最終パス通過直後の圧延板が変形しやすい。したがって、最終パス通過後の圧延板に対して付与する張力は、20MPa以上かつ100MPa以下である。仕上げ熱間圧延の最終パス通過後に付与する張力の好ましい下限は30MPaであり、さらに好ましくは40MPaである。仕上げ熱間圧延の最終パス通過後に付与する張力の好ましい上限は90MPaであり、さらに好ましくは80MPaである。
[仕上げ熱間圧延の最終パスの通過後の冷却速度:20℃/s以上かつ200℃/s以下]
本実施形態においてさらに、最終スタンド通過後の圧延板に対して、20℃/s以上かつ200℃/s以下の冷却速度で、少なくとも600℃冷却を実施する。最終スタンド通過後とは、最終スタンド通過直後を意味する。最終スタンド通過直後とは、たとえば、最終スタンド通過後3秒以内である。好ましくは2秒以内、さらに好ましくは1秒以内である。スタンドを通過するとは、熱間圧延鋼帯と圧延ロールの接触が終了した瞬間を意味する。これにより、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の表層の再結晶を抑制し、付加的歪を有する結晶組織をさらに保持することができる。その結果、磁気特性が高まる。
上記の付加的歪を有する結晶組織から発生する一次再結晶方位は、GOSS方位への集積が小さい。その結果、磁束密度の異方性が小さくなる。
仕上げ熱間圧延の最終パス通過直後の冷却速度が20℃/s未満の場合、この効果が得られない。一方、仕上げ熱間圧延の最終パス通過直後の冷却速度が200℃/sを超える場合、冷却中に圧延板が冷却歪で変形しやすい。したがって、仕上げ熱間圧延の最終パス通過直後の冷却速度は、20℃/s以上かつ200℃/s以下である。仕上げ熱間圧延の最終パス通過直後の冷却速度の好ましい下限は30℃/sであり、さらに好ましくは40℃/sである。仕上げ熱間圧延の最終パス通過直後の冷却速度の好ましい上限は180℃/sであり、さらに好ましくは160℃/sである。
仕上げ熱間圧延の最終パスの通過後の冷却方法は特に限定されない。仕上げ熱間圧延の最終パスの通過後の冷却方法はたとえば、気水冷却である。冷却時の通過速度はたとえば、600m/s以上かつ1250m/s以下である。
コイルの巻き取りを行うコイル巻取り装置が設置される位置について、仕上げ熱間圧延に用いられる仕上げ熱延機の最終スタンドからコイル巻取り装置までの距離として、一般的には100m以上かつ200m以下である。しかしながら、本実施形態においては、最終スタンド通過後の圧延板に対して、急冷を実施する。さらに、最終スタンド通過後の圧延板に対して通過後の鋼板に張力を付与する。そのため、仕上げ熱延機の最終スタンドからコイル巻取り装置までの距離は、20m以上かつ50m以下であることが好ましい。仕上げ熱延機の最終スタンドからコイル巻取り装置までの距離が20〜50m以内であれば、最終スタンド通過後の圧延板に対して、さらに精密に冷却を実施し、張力を付与できる。
仕上げ熱延機の最終スタンドからコイル巻取り装置までの距離は、より好ましくは25m以上かつ45m以下、さらに好ましくは30m以上かつ40m以下である。
コイルへの巻き取り速度は、特に限定されるものではないが、例えば500m/分以上かつ1600m/分以下である。
コイルへの巻取り温度はたとえば、750℃以下である。後述の熱延板焼鈍を実施しない場合、コイルへの巻取り温度はたとえば、850℃以下である。
以上の製造工程により、本発明による無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯が製造できる。
本実施形態に係る無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の製造方法では、上記の熱間圧延工程の後にさらに、熱延板焼鈍工程を実施してもよい。
[熱延板焼鈍工程]
熱延板焼鈍工程を実施する場合、熱間圧延工程で得られた無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、熱延板焼鈍を実施する。
熱延板焼鈍を実施する場合、たとえば、最高到達温度は950℃以上かつ1050℃以下であり、保持時間は1秒以上かつ180秒以下である。熱延板焼鈍はたとえば、連続焼鈍炉により実施する。最高到達温度及び保持時間が上記範囲内であれば、設備への負荷を抑えることができ、生産性も高めることができる。さらに、無方向性電磁鋼板の磁気特性もさらに高まる。
[無方向性電磁鋼板の製造方法]
本実施形態の無方向性電磁鋼板は、上述の工程で製造された無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を用いてさらに、次の工程を実施して製造する。
[冷間圧延工程]
熱間圧延工程で得られた無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯、又は、熱延板焼鈍後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、冷間圧延を実施して、冷延鋼板を製造する。冷間圧延は複数回実施してもよい。冷間圧延を複数回実施する場合、中間焼鈍を必要に応じて実施してもよい。冷間圧延工程としては、本実施形態の作用効果を得ることができれば特に限定されるものではない。なお、冷間圧延の前に、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に酸洗を実施してもよい。
冷間圧延では、冷延鋼板の板厚は、好ましくは0.1mm以上かつ0.65mm以下であり、さらに好ましくは0.15以上かつ0.35mm以下である。
冷間圧延の圧下率は、本実施形態の作用効果を得ることができれば特に限定されない。冷間圧延の圧下率は、累積圧下率で、好ましくは50%以上かつ97%以下であり、さらに好ましくは、60以上かつ88%以下である。冷間圧延の圧下率が50%以上であれば、仕上げ焼鈍後に適切な磁気特性を得ることが容易となる。また、冷間圧延の圧下率が97%以下であれば、無方向性電磁鋼板の集合組織を適切に制御でき、鉄損を低下させることが容易となる。
[仕上げ焼鈍工程]
冷間圧延を実施して製造された冷延鋼板に対して、仕上げ焼鈍を実施して、無方向性電磁鋼板を製造する。仕上げ焼鈍では、最終の板厚に仕上げられた冷延鋼板に対して、焼鈍を実施し、再結晶させる。
仕上げ焼鈍の温度域及び保持時間は、特に限定されない。仕上げ焼鈍の温度域及び保持時間は、無方向性電磁鋼板の化学組成や、熱間圧延工程、仕上げ圧延工程の条件に応じて適宜設定される。仕上げ焼鈍の温度域は、好ましくは、700℃以上かつ1100℃以下である。仕上げ焼鈍の温度域が700℃以上かつ1100℃以下であれば、焼鈍時の酸化を防止して、鉄損を低減することができる。仕上げ焼鈍の温度域が700℃以上かつ1100℃以下であればさらに、結晶粒の粗大化を抑制して、鉄損を低減することもできる。仕上げ焼鈍の温度域は、さらに好ましくは750℃以上かつ1050℃以下である。仕上げ焼鈍の温度域の保持時間は、好ましくは、0.1秒以上かつ120秒以下であり、さらに好ましくは、10秒以上かつ60秒以下である。
なお、仕上げ焼鈍での温度域とは、仕上げ焼鈍時の鋼板の表面温度を意味する。鋼板の表面温度はたとえば、放射温度計で測定する。
[その他の工程]
上述の製造方法において、仕上げ焼鈍工程後にコーティング工程を実施してもよい。コーティング工程では、仕上げ焼鈍後の無方向性電磁鋼板の表面に、絶縁コーティングを施す。絶縁コーティングの種類は特に限定されない。絶縁コーティングは有機成分であってもよいし、無機成分であってもよい、絶縁コーティングは、有機成分と無機成分とを含有してもよい。無機成分はたとえば、重クロム酸−ホウ酸系、リン酸系、シリカ系等である。有機成分はたとえば、一般的なアクリル系、アクリルスチレン系、アクリルシリコン系、シリコン系、ポリエステル系、エポキシ系、フッ素系の樹脂である。塗装性を考慮した場合、好ましい樹脂は、エマルジョンタイプの樹脂である。加熱及び/又は加圧することにより接着能を発揮する絶縁コーティングを施してもよい。接着能を有する絶縁コーティングはたとえば、アクリル系、フエノール系、エポキシ系、メラミン系の樹脂である。
以上の製造工程により、本発明による無方向性電磁鋼板が製造できる。本発明の無方向性電磁鋼板は、磁気特性に優れ、磁束密度の異方性が小さい。
以下、実施例を例示して、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
表1の鋼種A〜鋼種Cに示す化学組成を有する鋼スラブに対し、熱間粗圧延を実施して、圧延板を製造した。スラブの再加熱温度は1100℃であった。なお、表1中の「−」は、含有量が検出限界未満であったことを示す。なお、P、Ti、Nb、As及びZeの含有量については、0%又は上記の上限以下であった。
得られた圧延板に対して、仕上げ熱間圧延を実施して、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を製造した。仕上げ熱間圧延条件は、表2に示すとおりであった。仕上げ熱間圧延開始前の板厚は40mmであり、熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚は1.6mmであった。なお、試験番号1、試験番号4及び試験番号7については、本実施形態による仕上げ熱間圧延条件で製造した本発明例であった。試験番号2、3、5、6、8及び9については、本実施形態による仕上げ熱間圧延条件を外れる条件で製造した比較例であった。
表2中、熱延板焼鈍の欄に「有」と記載した試験番号の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、熱延板焼鈍を実施した。熱延板焼鈍の条件は、鋼種Aは800℃15秒、鋼種Bは900℃30秒、鋼種Cは950℃で90秒保持とした。表2中、熱延板焼鈍の欄に「無」と記載した試験番号の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対しては、熱延板焼鈍を実施しなかった。
得られた無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、酸洗を実施した。酸洗後、冷間圧延を実施して、板厚0.3mmの冷延鋼板を得た。冷間圧延の圧下率は81.3%であった。
得られた冷延鋼板に対して、仕上げ焼鈍を実施して、無方向性電磁鋼板を得た。仕上げ焼鈍の条件は、試験番号1〜試験番号3の冷延鋼板に対しては、750℃で20秒保持とした。試験番号4〜試験番号6の冷延鋼板に対しては、900℃で20秒保持、試験番号7〜試験番号9の冷延鋼板に対しては、950℃で30秒保持とした。
[磁気特性評価試験]
[磁束密度測定試験]
得られた各無方向性電磁鋼板に対して、圧延方向から22.5°おきの磁束密度B50を測定した。具体的には、各試験番号の無方向性電磁鋼板から、JIS C 2550−1(2011)に準拠して、圧延方向から22.5°おきにそれぞれ切り出したエプスタイン試験片を準備した。エプスタイン試験片に対して、JIS C 2550−1(2011)及び2550−3(2011)に準拠した電磁鋼帯試験方法を実施して、圧延方向から22.5°おきの5000A/mにおける磁束密度B50を測定した。さらに、上記の方法で磁束密度B50(LC)を求めた。
[磁束密度の異方性評価試験]
さらに、得られた各無方向性電磁鋼板に対して、磁束密度の異方性を評価した。磁束密度の異方性は、異方性指標B50(anisotropy)により評価した。異方性指標B50(anisotropy)は、上記の方法で求めた。
磁束密度測定試験及び磁束密度の異方性評価試験で得られた結果を表3に示す。
さらに、表3に基づいて、図1〜図3を作成した。図1は、鋼種Aについて、圧延方向に対する角度(磁束密度測定用試料の採取方向と圧延方向とのなす角度)(°)と、各角度における磁束密度(T)との関係、つまり磁束密度の異方性を示す図である。図2及び図3も、それぞれ、鋼種B及び鋼種Cについて、同様の関係を示す図である。
表3及び図1〜図3を参照して、各鋼種において、本実施形態による製造条件によって製造した無方向性電磁鋼板は異方性指標の値B50(anisotropy)の値が0.02未満となった。本実施形態による製造条件から外れる製造方法によって製造した無方向性電磁鋼板は異方性指標B50(anisotropy)の値が0.02以上となった。従って、本発明の製造条件を満たす無方向性電磁鋼板は、比較例よりも、異方性指標B50(anisotropy)が低く、磁束密度の異方性が小さい。
(実施例2)
表1の鋼種A〜鋼種Cの化学組成を有するスラブ(鋼片)に熱間粗圧延を実施して、圧延板を製造した。スラブの再加熱温度は1100℃であった。
得られた圧延板に対して、表4に示す条件で、仕上げ熱間圧延を実施して、無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を製造した。なお、仕上げ熱間圧延前の圧延板の板厚は、試験番号10〜試験番号12では40mm、試験番号13〜試験番号20では45mm、試験番号21〜試験番号25では40mmであった。仕上げ熱間圧延後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯の板厚は2.0mmであった。
表4中、熱延板焼鈍欄が「無」の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対しては、熱延板焼鈍を実施せず、酸洗を実施した。酸洗後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、冷間圧延工程及び仕上げ焼鈍工程を実施した。冷間圧延は一回法で板厚を0.5mmとした。仕上げ焼鈍条件は、750℃15秒とした。
表4中、熱延板焼鈍欄が「有」の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対しては、鋼種Aは800℃15秒、鋼種Bは900℃60秒、鋼種Cは950℃で90秒均熱する熱延板焼鈍を実施した。熱延板焼鈍後の無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、酸洗、冷間圧延工程及び仕上げ焼鈍工程を実施した。冷間圧延は一回法で板厚を0.5mmとした。仕上げ焼鈍条件は、鋼種Aは750℃15秒、鋼種Bは900℃20秒、鋼種Cは950℃20秒とした。
以上の製造工程により、無方向性電磁鋼板を製造した。
[磁気特性評価試験]
[磁束密度測定試験]
各試験番号の無方向性電磁鋼板において、上記の方法で磁束密度B50(LC)を求めた。
[鉄損評価試験]
上記磁束密度測定と同様にエプスタイン試験片を準備した。エプスタイン試験片に対して、JIS C 2550−1(2011)及び2550−3(2011)に準拠した電磁鋼帯試験方法を実施して、L方向(圧延方向)及びC方向(圧延方向に直交する方向)の、50Hz、1.5Tにおける鉄損W15/50を測定した。L方向(圧延方向)の鉄損W15/50(L)及びC方向(圧延方向に直交する方向)の鉄損W15/50(C)の平均値として鉄損W15/50(LC)を求めた。
[磁束密度の異方性評価試験]
磁束密度の異方性は、異方性指標B50(anisotropy)により評価した。異方性指標B50(anisotropy)は、上記の方法で求めた。
[結果]
評価結果を表5に示す。
表5を参照して、試験番号10、試験番号13〜試験番号17及び試験番号25では、仕上げ熱延条件が適切であった。そのため、試験番号10では、試験番号11及び試験番号12よりも、磁束密度が高く、鉄損が低く、さらに、異方性指標B50(anisotropy)が低かった。試験番号13〜試験番号17では、試験番号18〜試験番号20よりも、磁束密度が高く、鉄損が低く、さらに、異方性指標B50(anisotropy)が低かった。さらに、試験番号25では、試験番号21〜試験番号24よりも、磁束密度が高く、鉄損が低く、さらに、異方性指標B50(anisotropy)が低かった。つまり、試験番号10、試験番号13〜試験番号17及び試験番号25では、優れた磁気特性が得られ、磁束密度の異方性が小さかった。
一方、試験番号11、試験番号12、試験番号18〜試験番号20及び試験番号21〜試験番号24は仕上げ熱延条件が不適切であった。そのため、試験番号11、試験番号12、試験番号18〜試験番号20及び試験番号21〜試験番号24では、磁気特性が低く、磁束密度の異方性が大きかった。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (3)

  1. 無方向性電磁鋼板であって、
    質量%で、
    Si:0.1〜3.8%、
    Mn:0.1〜2.5%、
    Al:0〜2.5%、
    C:0〜0.003%、
    P:0〜0.25%、
    S:0〜0.003%、及び、
    N:0〜0.003%、
    Ti:0〜0.004%、
    Nb:0〜0.003%、
    As:0〜0.003%、及び、
    Zr:0〜0.003%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、
    圧延方向における磁束密度B50(L)及び圧延方向に対して直角方向における磁束密度B50(C)の平均値である磁束密度B50(LC)が1.700T以上であり、下記式(1)で規定される異方性指標B50(anisotropy)が0.020未満である、無方向性電磁鋼板。
    ここで、B50(0°)、B50(22.5°)、B50(45°)、B50(67.5°)及びB50(90°)には、それぞれ、圧延方向に対して0°、22.5°、45°、67.5°、90°の角度の方向の各磁束密度B50の値が代入される。式(1)中、B50aveは、下記式(2)で規定される値である。
  2. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    素材に対して熱間粗圧延を実施して圧延板を製造する熱間粗圧延工程と、
    前記圧延板に対して、仕上げ熱間圧延を実施して無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯を製造する仕上げ熱間圧延工程と、
    前記無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、冷間圧延を実施して冷延鋼板を製造する冷間圧延工程と、
    前記冷延鋼板に対して仕上げ焼鈍を実施する仕上げ焼鈍工程とを備え、
    前記仕上げ熱間圧延工程では、
    最終パスの圧下率が80%以上かつ95%以下であり、
    最終パスの先進率が10%超かつ500%以下であり、
    最終スタンド通過後の圧延板に対して、20MPa以上かつ100MPa以下の張力を付与し、20℃/s以上かつ200℃/s以下の冷却速度で冷却を実施する、無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法であってさらに、前記無方向性電磁鋼板用熱間圧延鋼帯に対して、熱延板焼鈍を実施する熱延板焼鈍工程を備える、無方向性電磁鋼板の製造方法。
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