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JP2019051958A - エアゾール容器 - Google Patents

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JP2019051958A
JP2019051958A JP2017176676A JP2017176676A JP2019051958A JP 2019051958 A JP2019051958 A JP 2019051958A JP 2017176676 A JP2017176676 A JP 2017176676A JP 2017176676 A JP2017176676 A JP 2017176676A JP 2019051958 A JP2019051958 A JP 2019051958A
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aerosol container
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JP2017176676A
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上原 一之
Kazuyuki Uehara
一之 上原
山田 孝
Takashi Yamada
孝 山田
祐司 石野
Yuji Ishino
祐司 石野
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

【課題】容器本体が濡れている場合であっても、押圧部を容易に押圧することを可能とする。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、水と併用される内容液および圧縮ガスが収容されているエアゾール容器であって、容器本体と、容器本体の上側に装着される装着具と、を備え、装着具は、容器本体の径方向の中心から外側に向かって延び、先端の吐出口から内容液を吐出するノズル部と、ノズル部の吐出口とは径方向反対側に配置される取手部と、取手部の上方に配置される押圧部と、を備え、押圧部が押圧されることにより、容器本体に収容されている内容液がノズル部を通じて吐出され、内容液は、滑性成分を含有しており、かつ、30℃における吐出5秒後の内容液の吐出後粘度が、30℃における吐出前粘度よりも低い、エアゾール容器が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、エアゾール容器に関する。
例えば特許文献1〜3に開示されるエアゾール容器は、内容液および圧縮ガスを収容する容器本体、および容器本体の上側に装着される装着具を有する。エアゾール容器を使用する場合、使用者は、容器本体を手で持ちながら、いずれかの指(主に人差し指)で装着具の押圧部を押圧する。これにより、装着具が容器本体のステムを押下げ、ステムに設けられた横穴が開放される。ステムの横穴は装着具に設けられた吐出口に繋がる流路を形成し、内容液は、圧縮ガスの圧力により当該流路を介して吐出口から吐出される。使用者は、吐出された内容液を当該内容液の種類に応じた用途に使用する。
特開平9−12434号公報 特開2017−124980号公報 特開2002−326678号公報
ところで、何らかの原因により容器本体が濡れることがある。例えば、内容液が浴室内で使用されるもの(例えば、ボディソープ、シャンプー、リンス、トリートメント等)である場合、エアゾール容器は浴室内で使用されることになる。この場合、使用者は、水分の残った体または髪に内容液を使用することが多い。水分の残った体または髪に内容液を使用する例としては、体をボディソープで洗浄する、髪をシャンプーで洗浄する、髪をトリートメントする等が挙げられる。そして、使用者は、水分の残った体または髪に内容液を使用する場合、濡れた手で容器本体をつかむことが多いので、容器本体が濡れる。また、シャワー等から放出された水が容器本体に掛かる等の原因によっても容器本体が濡れる。
そして、容器本体が濡れている場合、使用者は、容器本体を持つ手が滑ってしまうため、押圧部を押圧しにくくなる。ここで、吐出口から内容液を吐出させるために必要な押圧部のストローク量は比較的小さいものの、必要な押圧力は比較的高い。このため、容器本体が濡れている場合、使用者は、エアゾール容器から内容液を吐出させにくくなるという問題があった。
さらに、エアゾール容器から吐出された内容液が容器本体に付着する場合がある。容器本体に付着した内容液は、容器本体をさらに滑りやすくする。内容液が滑性成分を含んでいる場合、容器本体は特に滑りやすくなる。
本発明は、容器本体が濡れている場合であっても、押圧部を容易に押圧することが可能なエアゾール容器に関する。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、水と併用して用いられる、内容液および圧縮ガスが収容されているエアゾール容器であって、容器本体と、容器本体の上側に装着される装着具と、を備え、装着具は、容器本体の径方向の中心から外側に向かって延び、先端の吐出口から内容液を吐出するノズル部と、ノズル部の吐出口とは径方向反対側に配置される取手部と、取手部の上方に配置される押圧部と、を備え、押圧部が押圧されることにより、容器本体に収容されている内容液がノズル部を通じて吐出され、内容液は、滑性成分を含有しており、かつ、30℃における吐出5秒後の内容液の吐出後粘度が、30℃における吐出前粘度よりも低い、エアゾール容器に関する。
以上説明したように本発明によれば、使用者は、取手部に指(例えば人差し指)を掛けながら押圧部を親指で押圧することができる。すなわち、使用者は、容器本体を持たずに押圧部を押圧することができる。したがって、使用者は、容器本体が濡れて滑りやすくなっていたとしても、押圧部を安定して押圧することができる。
本発明の実施形態によるエアゾール容器の外観を示す斜視図である。 アクチュエータおよび連結部材の分解斜視図である。 I−I線断面を示すアクチュエータおよび連結部材の断面図である。 アクチュエータの平面図である。 第1のガイド部を含む部分の拡大図である。 連結部材およびアクチュエータの載置状態を示す説明図である。 待機状態における、II−II線断面を示すアクチュエータ20および連結部材12の断面図である。 押圧状態における、II−II線断面を示すアクチュエータおよび連結部材の断面図である。 押圧領域と指掛け領域との位置関係を示す説明図である。 押圧領域と指掛け領域との位置関係を示す説明図である。 ロックピンの斜視図である。 応用例によるアクチュエータの外観を示す説明図である。 容器本体の断面図である。 比較例係るエアゾール容器の外観を示す斜視図である。 比較例係るエアゾール容器の外観を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<エアゾール容器の概略構成>
本実施形態は、特定の内容液および圧縮ガスを収納するエアゾール容器に関する。そこで、まず、図1を参照し、本発明の実施形態によるエアゾール容器の概略構成を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるエアゾール容器1の外観を示す斜視図である。図1に示したように、実施形態によるエアゾール容器1は、容器本体10、連結部材12およびアクチュエータ20を有する。
容器本体10は、一端に底部を有し他端に開口を有する円筒部、および円筒部の開口を塞ぐマウンテンカップを有する。円筒部およびマウンテンカップにより形成される閉空間は、圧縮ガスおよび内容液などが収容される収容空間として用いられる。図12に示した容器本体10の断面図のように、収容空間においては、例えば、内容液を収容する内袋18がマウンテンカップ14に嵌挿されたステム16の下端側を覆い、当該内袋18と容器本体10の外壁との間に圧縮ガスが充填される。この場合、ステム16の押下げによりステム孔が開放されると、内袋18に収容された内容液が、圧縮ガスの圧力によりステム孔を介してアクチュエータ20側へ押し出される。
連結部材12は、容器本体10とアクチュエータ20を連結する部材である。連結部材12は、詳細については図2および図3に示すように、マウンテンカップ14の環状突出部14aに嵌合する環状溝、および、アクチュエータ20と脱着可能に螺合される螺合部を有する。なお、本明細書において、環状は、ある領域を取り囲う形状であり、当該形状は円形であってもよいし、角形であってもよく、また、全体に亘って連続していてもよいし、断続的であってもよい。
アクチュエータ20は、連結部材12を介して容器本体10の上部に装着される装着具である。使用者は、アクチュエータ20を操作することにより、エアゾール容器1に内容液を吐出させることが可能である。このようなアクチュエータ20は、図1に示したように、ステム嵌合部材22、基台24、取手部26および回動部28を有する。
ステム嵌合部材22は、容器本体10に嵌挿されたステム16に嵌合する部材である。ステム嵌合部材22は、内容液の流路を形成するノズル部230を有し、ノズル部230は、その先端に内容液を吐出する吐出口232を有する。使用者が、例えば取手部26を人差指および中指で握り、親指で回動部28の押圧領域282を押圧すると、回動部28が回動中心R周りに回動することでステム嵌合部材22およびステムが回動部28に押下げられ、吐出口232から容器本体10の内容液が吐出される。
容器本体10、連結部材12およびアクチュエータ20は、各々、金属製であってもよいし、合成樹脂製であってもよい。
また、本明細書においては、エアゾール容器1の高さ方向を上下方向(図1に示したZ方向)と称し、容器本体10に対してアクチュエータ20が位置する側を上側と称し、上側の反対側を下側と称する。また、上下方向に直交しノズル部230の延出方向(長さ方向)に沿う方向を前後方向(図1に示したX方向)と称し、エアゾール容器1の上下方向に沿う中心軸に対して吐出口232が位置する側を前側と称し、前側の反対側を後側と称する。また、上下方向および前後方向と直交する方向を幅方向(図1に示したY方向)と称する。
<アクチュエータの構成>
以上、本発明の実施形態によるエアゾール容器1の概略構成を説明した。続いて、連結部材12の説明を交えながら、アクチュエータ20の構成をより詳細に説明する。
図2は、アクチュエータ20および連結部材12の分解斜視図である。図3は、図1に示したI−I線断面を示すアクチュエータ20および連結部材12の断面図である。図4Aは、回動部28以外の構成を示すアクチュエータ20の平面図である。図2においては、回動部28が基台24に対して開かれた状態が示されている。
(連結部材12)
連結部材12は、容器本体10とアクチュエータ20を連結する部材である。図2および図3に示したように、連結部材12は、環状溝121、開口122、螺合部124、下端縁部126を有する。環状溝121は、連結部材12の下面側に環状に設けられた溝であり、当該環状溝121に図3に示したマウンテンカップ14の環状突出部14aが嵌合する。開口122は、エアゾール容器1の中心軸上に位置し、当該開口122にステム嵌合部材22が挿入される。螺合部124は、連結部材12の外周の外側面に形成されており、基台24に内側を向いて形成された螺合部241と螺合する。
下端縁部126は、連結部材12の下端に位置する環状の縁部である。幅方向から連結部材12を見た際の下端縁部126の形状は、前後方向上の中央の位置において最も下側に膨らむ凸形状である。このため、連結部材12にアクチュエータ20が螺合された状態において、図5に示すように、取手部26の下端と、下端縁部126上の2点との計3点が載置面に接する。従って、載置面において連結部材12およびアクチュエータ20を安定的に支持することが可能である。
(ステム嵌合部材22)
ステム嵌合部材22は、図2〜図4Aに示したように、筒状部220、2つの張出部224、2つの第1の板部225、第2の板部226、およびノズル部230を有する。
筒状部220は、ステム16の往復移動の方向、すなわち、上下方向に沿って延出しており、上下方向に沿う中空部221を有する。中空部221の上端は筒状部220の天面228により終端され、中空部221の下端には、ステム16が脱着可能に嵌合される開口222が位置する。なお、以下では開口222とステム16の関係に関して嵌合という表現を用いるが、開口222とステム16は結合または外嵌などの表現に適合する関係を有してもよい。また、図2においては筒状部220が円柱形である例を示しているが、筒状が意味する形状は、円柱形に限定されず、角柱形であってもよいし、円錐台であってもよいし、角錐台であってもよい。
各張出部224は、ノズル部230の延出方向、すなわち前後方向と交差する方向に筒状部220から張り出している部材である。各張出部224は、図4Aに示したように、筒状部220の幅方向の両側から幅方向に沿って張り出してもよい。この張出部224の上面は、上側に頂部を有する曲面で構成されることが望ましい。例えば、張出部224の形状は図2に示したように、幅方向に高さを有する円柱形状であってもよい。また、図2に示したように、張出部224は筒状部220の天面228より下側の位置に形成されている。なお、本明細書においては、筒状部220から2つの張出部224が張り出す例を説明するが、筒状部220から張り出す張出部224の数は2つに限定されず、3つ以上のより多くの張出部224が筒状部220から張り出してもよい。
2つの第1の板部225および第2の板部226は、筒状部220から異なる方向に張り出している部材である。各第1の板部225は、張出部224と同様に筒状部220の幅方向の両側から幅方向に沿って張り出してもよい。第2の板部226は、筒状部220の後側から前後方向に沿って張り出している部材である。
ノズル部230は、容器本体の径方向の中心から外側に向かって延び、先端の吐出口から内容液を吐出する。具体的には、ノズル部230は、吐出口232、および筒状部220の中空部221と吐出口232を連通する内容液の流路234を有する。図3に示したように、吐出口232は、筒状部220を基準とする吐出口232の方向上で、アクチュエータ20のステム嵌合部材22以外の部分よりも、半径方向外側に突出して位置し得る。さらに、吐出口232の吐出側の先端は、容器本体10の外周面よりも前側に突出して位置し得る。かかる構成によれば、吐出口232から垂れ落ちた内容液がアクチュエータ20または容器本体10に付着することを抑制できる。なお、後述するように、本実施形態では、内容液が所謂高滑性内容液となっている。このため、吐出後に吐出口232に残留した内容液が垂れ落ちやすく、上記構成によっても容器本体10が濡れる可能性がある。本実施形態では、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができるので、容器本体10が濡れている場合であっても、安定して押圧領域282を押圧することができる。
(基台24)
基台24は、図2〜図4Aに示したように、螺合部241、開口242、回動規制面243、2つの第1のガイド部244、第2のガイド部250、および2つの薄肉部256を有する。
螺合部241は、上下方向に高さを有する環状壁の内側面に形成されており、連結部材12の螺合部124と螺合する。開口242は、エアゾール容器1の中心軸上に位置し、当該開口122にステム嵌合部材22が挿入される。回動規制面243は、基台24の前側から開口242の中心側に張り出している部分である。回動規制面243が開口242の中心側に張り出していることにより、回動規制面243の幅方向上の両端には開口242が隣接する。
第1のガイド部244は、開口242の幅方向上の両側に、上下方向に沿って延出している。第1のガイド部244は、筒状部220から張り出す第1の板部225が摺動する上下方向に沿った縦穴(開口)246、および第1の板部225の幅方向上の先端が当接する当接面247を有する。このため、第1の板部225の前後方向上の移動が縦穴246の縁によって規制され、第1の板部225の幅方向上の移動が当接面247によって規制される。すなわち、第1のガイド部244は、第1の板部225を有するステム嵌合部材22の上下方向に沿った往復移動をガイドする。
図4Bは、図4Aに二点鎖線で示した一方の第1のガイド部244を含む部分の拡大図である。縦穴246の当接面247側であって、第1の板部225の両側には、図4Bに示したように上下に貫通する中空部Eが存在する。図4Bには一方の第1のガイド部244に存在する中空部Eを示しているが、他方の第1のガイド部244にも同様に中空部Eが存在する。第1のガイド部244と第1の板部225とが接触する位置に内容液が付着した場合であっても、内容液が中空部に移動することが期待されるので、内容液がステム嵌合部材22の往復移動に与える影響を抑制することができると考えられる。また、中空部Eの存在により、第1の板部225が第1のガイド部244を摺動する際に生じる摩擦が軽減される効果も得られる。
なお、図2〜図4では、2つの第1のガイド部244および2つの第1の板部225が設けられる例を説明したが、第1のガイド部244の数および第1の板部225の数は2つに限定されない。例えば、第1のガイド部244の数および第1の板部225の数は、3つ以上であってもよい。第1のガイド部244の数および第1の板部225の数が多いほど、ステム嵌合部材22のより安定的な往復移動を実現できると考えられる。
第2のガイド部250は、開口242の後側に上下方向に沿って延出している壁部、壁部から前側に突出する2つの垂直面部252、および壁部から前側に突出する2つの水平面部254を有する。2つの垂直面部252は、幅方向上で離隔しており、2つの垂直面部252の間を、筒状部220から張り出す第2の板部226が摺動する。また、第2の板部226の前後方向上の先端が第2のガイド部250の壁部に当接する。このため、第2の板部226の幅方向上の移動が2つの垂直面部252によって規制され、第2の板部226の前後方向上の移動が壁部によって規制される。
各薄肉部256は、基台24の前側の縁部に形成されており、基台24と回動部28を接続する。薄肉部256は柔軟性を有するので、2つの薄肉部256により回動部28の回動中心Rが形成され、2つの薄肉部256を通る直線が回動部28の回動中心Rとなり、回動部28が回動中心R周りに回動することが可能である。なお、薄肉部256は、回動中心Rを形成するための構成の一例であり、薄肉部256に代えて、ヒンジ機構により回動中心Rを形成することも可能である。
(取手部26)
取手部26は、ノズル部230の吐出口232とは径方向反対側に配置される。具体的には、取手部26は、基台24の後側の外周壁から後側に延出する第1の領域262、および第1の領域262の端部から押圧領域(押圧部)282と離れる方向(すなわち、下側)に延出する第2の領域264を有する。
図3に示したように、第1の領域262と第2の領域264により指掛け領域266が形成される。指掛け領域266は、使用者の手指(例えば、人差し指、中指および薬指)が掛けられることが予定される領域である。使用者は、指掛け領域266に手指を掛けて取手部26を握ることにより、エアゾール容器1を支持することが可能である。また、取手部26に内容液が付着すると手指の滑りが生じ得るところ、この取手部26は吐出口232と反対側に位置するので、吐出口232から吐出された内容液の取手部26への付着を抑制することが可能である。
なお、第1の領域262は、基台24から離れるほど全体的にせり上がる。また、第1の領域262の指掛け領域266側の縁は上側に凹む曲線形状を有する。このため、第1の領域262の指掛け領域266側の縁において上側に凹む部分に使用者の手指が適切に誘導される。
(回動部28)
回動部28は、2つの薄肉部256を介して基台24と接続され、回動中心R周りに、基台24に近づく方向、または基台24から離れる方向に回動する。このような回動部28は、図2および図3に示したように、押圧領域282、2つの回動規制フック284、2つの当接部288、および2つの突出部289を有する。
押圧領域282は、取手部26の上方に配置され、使用者が回動部28を回動させるために手指(例えば、親指)で力を加える領域である。押圧領域282は、2つの回動規制フック284と基台24の回動規制面243が係合する待機状態において、例えば2つの当接部288を基準にして吐出口232と反対側である後側に位置する。押圧領域282に内容液が付着すると手指の滑りが生じ得るところ、上記のように吐出口232と押圧領域282を相反する側に配置することにより、吐出口232から吐出された内容液の押圧領域282への付着を抑制することが可能である。また、押圧領域282は、回動中心Rより上側に位置し、回動部28の回動のために必要な押圧力が軽減される。
押圧領域282には、使用者による押圧領域への押圧を誘導する誘導部が形成される。誘導部は、好ましくは凹部、凹凸部、表示部(例えば、文字、記号または模様を表示する部分)、パターン形成部およびエンボス部から選ばれる1つ、または2以上の組合わせであってもよい。図1に示した誘導部は、凹部、および複数の同心円状の円弧を描くパターン形成部の組合わせである。誘導部は、使用者による押圧領域282への押圧を誘導すると共に、使用者が押圧領域282を押圧する際の手指の滑りを抑制することが可能である。つまり、押圧領域282には、誘導部という滑り止め加工が施されていることになる。誘導部はこの例に限定されず、例えば、誘導部を粗面または弾性材で形成することにより、手指の滑りをさらに抑制することも可能である。
なお、押圧領域282が設けられる回動部28の天面は、ノズル部230の天面と概ね面一である。すなわち、エアゾール容器1を後側上方の視点から見た際に、使用者の視点とノズル部230の先端の間を遮る構造物が存在しない。このため、使用者は、エアゾール容器1を使用する際にノズル部230の先端を視認することにより、内容液の吐出方向を容易に把握することが可能である。
回動規制フック284は、図3に示したように、回動部28の当接部288よりも回動中心R(薄肉部256)側の位置から、基台24側に延出している。2つの回動規制フック284は幅方向上で離隔しており、2つの回動規制フック284の先端には、各々対向するように爪286が設けられる。2つの回動規制フック284が基台24の回動規制面243を両側から挟み込み、2つの回動規制フック284の爪286が回動規制面243の下面と係合する。爪286と回動規制面243との係合により、回動部28が基台24から離れる方向への回動が規制される。また、2つの回動規制フック284が回動規制面243を両側から挟み込むことにより、回動部28の幅方向上でのブレを抑制することが可能である。
当接部288は、ステム嵌合部材22の張出部224と当接する部分である。張出部224に当接する当接部288の面は、図2に示したように、張出部224と反対側に凹みを有する曲面で構成される。当該当接部288と張出部224との接点が、押圧領域282に加えられた力の作用点となる。
突出部289は、回動部28の当接部288よりも押圧領域282側の位置から基台24側に突出している部分である。各突出部289は、待機状態において、基台24の各水平面部254と略同一の高さであって、各水平面部254の外側に位置するように形成される。
<アクチュエータの動作>
以上、アクチュエータ20の構成を説明した。続いて、図6および図7を参照し、アクチュエータ20の動作を説明する。
図6は、待機状態における、図4Aに示したII−II線断面を示すアクチュエータ20および連結部材12の断面図である。図7は、押圧状態における、図4Aに示したII−II線断面を示すアクチュエータ20および連結部材12の断面図である。
図6に示したように、使用者が押圧領域282を押圧していない待機状態において、回動部28の当接部288と、ステム嵌合部材22の張出部224が当接している。当該待機状態において、使用者が例えば取手部26を人差指および中指で握り、親指で押圧領域282への押圧を開始すると、回動部28が回動中心R周りに、基台24に近づく方向に回動し始める。
回動部28の回動に伴い、回動部28の当接部288が、張出部224を介してステム嵌合部材22を押下げ、結果、図7に示したように、ステム16がステム嵌合部材22により押下げられる。これにより、容器本体10の内容液がステム孔を介し容器本体10からステム嵌合部材22に流出し、ステム嵌合部材22の吐出口232から吐出される。使用者が押圧領域282への押圧を終了すると、ステム16の付勢力によりステム嵌合部材22が押し上げられ、ステム嵌合部材22の張出部224が当接部288を押し上げることにより回動部28が回動中心R周りに回動し、アクチュエータ20は待機状態に戻る。
<作用効果>
本発明の実施形態においては、使用者は、取手部26に指(例えば人差し指)を掛けながら押圧領域282を親指で押圧することができる。すなわち、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができる。したがって、使用者は、容器本体10が濡れて滑りやすくなっていたとしても、押圧領域282を安定して押圧することができる。さらに、アクチュエータ20自体が水または内容液で濡れることも想定される。なお、本実施形態では、取手部26と吐出口232とが容器本体10の径方向の両端に配置されているので、吐出口232から吐出された内容液は取手部26に付着しにくい。しかしながら、例えば使用者が内容液で濡れた手で取手部26を掴むことが想定される。この場合、取手部26が濡れる。本実施形態では、使用者は、例えば人差し指および親指で押圧領域282を挟み込むようにして押圧領域282を押圧する。さらに、後述するように、押圧領域282と指掛け領域266とが有する位置関係によって押圧領域282および取手部26が滑りにくくなっている。したがって、使用者は、安定して押圧領域282を押圧することができる。さらに、詳細は後述するが、使用者は、より少ない力で押圧領域282を押圧することができる。この点においても、使用者は、安定して押圧領域282を押圧することができる。例えば、押圧時に親指が横滑りしにくくなる。さらに、2つの当接部288が押圧領域282に加えられた力の作用点となり、2つの当接部288がステム嵌合部材22を押下げるので、ステム嵌合部材22の天面228を1点で押下げる場合と比較して、ステム嵌合部材22およびステム16の安定的な押下げを実現することが可能である。
また、2つの当接部288に当接する2つの張出部224は、筒状部220の天面228より下側に位置する、すなわち、天面228よりステム16の近くに位置する。本発明の実施形態では、アクチュエータ20が連結部材12を介して容器本体10と連結されるので、ステム嵌合部材22の筒状部220が相応の高さを有する必要がある。このため、仮に天面228にステム嵌合部材22を押下げる力が加えられた場合、押下げの方向にブレが生じやすく、押下げが不安定になり得る。これに対し、本発明の実施形態では、上記のように天面228よりステム16に近い位置にステム嵌合部材22を押下げる力が加えられるので、ステム嵌合部材22およびステム16をより安定的に押下げることが可能となる。
また、本発明の実施形態においては、当接部288が張出部224と反対側に凹みを有する曲面で構成される。このため、回動部28の回動範囲のいずれかの位置に回動部28があるときに、張出部224の上側の頂部を当接部288に当接させることが可能となる。例えば、図6に示したように、待機状態において張出部224の上側の頂部が当接部288に当接してもよい。かかる構成によれば、当接部288がステム16の往復移動の方向に等しい上下方向の力を張出部224に加えることが可能となるので、ステム嵌合部材22およびステム16のより安定的な押下げを実現できる。
さらに、本発明の実施形態においては、押圧領域282と指掛け領域266とが有する位置関係に基づき、使用者がより少ない力でアクチュエータ20を操作することが可能となる。以下、押圧領域282と指掛け領域266とが有する位置関係について詳述する。
<押圧領域と指掛け領域との位置関係>
押圧領域282に含まれるいずれかの点の回動軌跡の接線であって、回動部28の回動範囲内のいずれかの位置に回動部28があるときの点を通る接線上に、取手部26により形成される指掛け領域266が位置する。上記点は、押圧領域を上側から平面視したときの押圧領域の図心であってもよい。回動部28を親指で押圧する際に親指の指紋中心が上記図心に一致または近接するように、また、回動部28のコンパクトの観点から、上記図心は回動部28の回動中心Rと反対側の端部から5mm〜10mm離れて位置することが好ましい。図8に示すように、押圧領域282の図心Pの回動軌跡Tの接線であって、待機状態における図心Pを通る接線は、接線L1である。押圧領域282が回動中心Rよりも上側に位置するので、当該接線L1は下側に向かうほどエアゾール容器1の中心軸から離れるように傾斜する。取手部26により形成される指掛け領域266は図8に示したように当該接線L1上に位置してもよい。
指掛け領域266には例えば人差し指が掛けられ、当該人差し指と取手部26の第1の領域262との接点がエアゾール容器1の全体の回転支点となり得る。このため、上記の押圧領域282と指掛け領域266との位置関係においては、押圧領域282に加えられた力は上記回転支点に向かう力となる。従って、押圧領域282に加えられた力により生じる回転支点周りのモーメントが抑制されるので、使用者はより少ない力でアクチュエータ20を操作することが可能となる。具体的には、内容液の吐出のための、使用者が取手部26を握る力、および押圧領域282を押圧する力を低減することが可能である。このため、使用者が押圧領域282を長時間に亘って押圧し続ける場合でも押圧状態の維持が容易になる。
また、第1の領域262は、図8に示したように、指掛け領域266側に接線L1と垂直に交差する部分262aを有する。かかる構成によれば、押圧領域282に接線L1方向に加えられる力と、部分262aにおいて同接線L1方向に加えられる力とが平衡することになる。すなわち、部分262aにおいて接線L1と交差する方向への力が生じ難いので、手袋を着用した手指で内容液が付着した取手部26を支持する場合であっても、取手部26を支持する手指の滑りを抑制することが可能である。なお、上記の部分262aと押圧領域282の図心Pとの距離dは、好ましくは10mm以上20mm以下であって、12mm以上がより好ましく、16mm以上がさらに好ましく、18mm以下がより好ましく、17mm以下がさらに好ましい。当該距離dの設計により、使用者によるアクチュエータ20の操作性を向上可能である。ここで、上記の距離dは、待機状態における部分262aと押圧領域282の図心Pとの距離であり、待機状態とは、押圧領域282に力を加えていない状態である。
また、取手部26の第2の領域264は、下側に向かうほど接線L1との距離が近くなる面を指掛け領域266側に有する。図8においては、当該面の形成方向を直線L2で示している。かかる構成によれば、回動部28の回動過程においても、押圧領域282に加えられた力によりエアゾール容器1全体に生じるモーメントが抑制され得る。以下、図9を参照してより詳細に説明する。
図9は、指掛け領域266における手指の位置を示す説明図である。図9に示した例では、指掛け領域266には、上側から順に、人差し指F1、中指F2および薬指F3が位置する。人差し指F1の中心O1は接線L1上に位置している。一方、第2の領域264が接線L1と平行でない面を有することにより、中指F2の中心O2および薬指F3の中心O3は、接線L1よりエアゾール容器1の中心軸側に位置している。
ここで、押圧領域282の図心Pの回動軌跡Tの接線の傾きは、回動部28の回動状態に応じて変化する。例えば、回動部28が回動し、押圧領域282の図心Pが位置Qにある場合、図心Pの回動軌跡Tを通る接線は、接線L1と異なる傾きを有する接線L1’である。図9に示した例では、接線L1’上に薬指F3の中心O3が位置する。押圧領域282の図心Pが位置Qに移動する過程では、図心Pの回動軌跡を通る接線が中指F2の中心O2を通る時点も存在する。
すなわち、回動部28の回動が進むと、押圧領域282の図心Pの回動軌跡Tの接線が中指F2の中心O2を通り、その後、薬指F3の中心O3を通るようになる。従って、回動部28の回動の過程において、押圧領域282を押圧する力を中指F2または薬指F3などにより支えやすくなるので、エアゾール容器1全体に生じるモーメントが抑制され得ると考えられる。仮に取手部26の第2の領域264の指掛け領域266側の面が接線L1と平行であった場合、回動部28の回動が進むと、図9を紙面に向かって見た場合の反時計周りの方向にアクチュエータ20およびエアゾール容器1を回転させようとするモーメントが発生すると考えられる。このため、第2の領域264の外周側から当該モーメントに抗するための力を使用者が加える必要が生じることが懸念される。本発明の実施形態によれば、当該モーメントに抗するための力を低減し得る。
<応用例:ロックピン>
以上、本発明の実施形態を説明した。続いて、本発明の実施形態の応用例を説明する。本発明の実施形態の応用例は、待機状態において使用者の意図に反して内容液が吐出されることを防止するためのロックピンに関する。
図10は、ロックピン40の斜視図である。図10に示したように、ロックピン40は、把持部42、軸部44、および先端部46を有する。把持部42は、使用者がロックピン40を把持する部分である。軸部44は、把持部42から一方向に延出する。軸部44は、軸部44の延出方向と交差(直交)する方向に沿って形成された凸部45を有する。先端部46は、軸部44の把持部42と反対側に位置し、軸部44よりも細く形成されている。
図11は、応用例によるアクチュエータ20の外観を示す説明図である。図11に示したように、応用例によるアクチュエータ20の基台24の上面257は、ピンガイド突起258aおよび258bを有する。ピンガイド突起258aおよび258bは、前後方向上で離隔して配置される。図11に示された基台24の幅方向の反対側にも同様に、ピンガイド突起258aおよび258bが配置される。アクチュエータ20の他の構成はここまでで説明した通りである。
また、ピンガイド突起258aおよび258bの間隔部分を通る幅方向線上には、図11に示したように、第1のガイド部244、第2のガイド部250および突出部289で囲われるピン挿入孔259が位置する。ロックピン40の軸部44は、ピンガイド突起258aおよび258bの間隔部分、および当該ピン挿入孔259に挿入される。
ここで、ロックピン40は軸部44より細く形成された先端部46を有するので、ロックピン40を先端部46からピン挿入孔259に挿入し易い。第2のガイド部250は、図示しない上下方向に沿った縦溝を有し、当該縦溝とロックピン40の凸部45が係合することにより、ロックピン40が幅方向上で位置決めされる。また、ロックピン40はピンガイド突起258aおよび258bに挟まれるので、ロックピン40が安定的に支持される。
ロックピン40がピン挿入孔259に挿入されると、突出部289がロックピン40に当接することにより、回動部28の回動が規制される。また、ステム嵌合部材22の第2の板部226がロックピン40に当接することにより、ステム嵌合部材22の上下移動が規制される。従って、ロックピン40がピン挿入孔259に挿入された状態においては、使用者の意図に反してステム16が押下げられること、および内容液が吐出されることを防止することが可能である。
<補足>
なお、装着具の構成は上記の例に限定されない。例えば、図8を参照して待機状態における接線L1上に指掛け領域266が位置する例を説明したが、押圧領域282と指掛け領域266との位置関係はかかる例に限定されない。例えば、回動部28によりステム嵌合部材22が押下げられている状態における図心Pを通る回動軌跡の接線上に指掛け領域266が位置してもよい。この場合、ステム嵌合部材22が押下げられている状態において、押圧領域282に加えられた力により生じるアクチュエータ20およびエアゾール容器1のモーメントが抑制されるので、使用者はより少ない力で押圧状態を維持することが可能である。
また、上記では、容器本体10へのアクチュエータ20の装着を簡易に実現するために連結部材12が設けられる例を説明したが、容器本体10にアクチュエータ20が直接装着されてもよい。例えば、マウンテンカップ14の環状突出部14aに嵌合する環状溝を基台24が有することにより、容器本体10にアクチュエータ20を直接装着可能である。
<内容液>
つぎに、エアゾール容器1に収容される内容液について説明する。本実施形態に係る内容液は、水と併用して用いられる。ここで、内容液が水と併用して用いられる場合とは、例えば、使用者の使用部位(身体の各部位のうち、内容液を使用する部位、例えば手)又はエアゾール容器1が水で濡れた状態で内容液が使用されることを意味する。つまり、内容液が水回り(例えば、浴室、台所、洗面所等)で使用されることを意味する。内容液が水と併用して用いられる場合の具体例としては、例えば容器本体10に水がかかる環境で内容液が使用される場合、水で濡れた手又は手袋、水分で濡れた髪や皮膚に内容液を使用する場合等が挙げられる。内容液は、滑性成分を含有しており、かつ、30℃における吐出5秒後の吐出後粘度が、30℃における吐出前粘度よりも低い。ここで、吐出前粘度は容器本体10に収容された状態での粘度を意味し、吐出後粘度は、吐出口232から吐出された後5秒後の粘度を意味する。したがって、本実施形態に係る内容液は、所謂高滑性内容液となっている。したがって、内容液は、吐出後に容器本体10に付着しやすい。内容液は高滑性であるため、内容液で濡れた容器本体10は、非常に滑りやすくなっている。さらに、内容液は水と併用して用いられるため、容器本体10が水で濡れる場合もある。容器本体10が水で濡れている場合にも、容器本体10が非常に滑りやすくなる。しかしながら、上述したように、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができる。したがって、容器本体10が内容液あるいは水で濡れていたとしても、使用者は、押圧領域282を安定して押圧することができる。ここで、粘度は、例えばヘリカルスタンド付きB型粘度計(例えば東機産業株式会社 TVB―10型)によって測定可能である。
本実施形態に係る内容液は、高滑性内容液であればどのようなものであってもよい。エアゾール容器1は、内容液を外気、特に酸素から保護することができる。したがって、内容液は、酸化の抑制が望まれる内容液であることが好ましい。このような内容液としては、例えば、ボディソープ、シャンプー、リンス、トリートメント、染色剤(例えば染毛剤)、香水、飲料液または食品(例えば、醤油、味噌、酢、ホイップクリーム等)であってもよい。
<物性値>
つぎに、内容液の好ましい物性値について説明する。内容液充填後、30℃、1気圧の条件下で押圧領域282が最初に10秒間押圧された場合、ノズル部230の吐出口232は、10秒間の合計質量が30〜70g、単位時間の吐出量が3〜7g/sの内容液を吐出することが好ましい。本実施形態において「最初に」吐出する内容液の量は、内容液の充填後の状態、又は充填率(内容液の充填量を充填完了時の充填量で除算した値)が80%以上の状態における吐出量である。これだけの吐出量の内容液が吐出された場合、内容液は、容器本体10に付着しやすくなる。このような状況であっても、使用者は、押圧領域282を安定して押圧することができる。なお、本実施形態における内容液の粘度は、環境温度30℃で測定する粘度であって、測定機器はヘリカルスタンドを有するB型粘度計(例えば東機産業株式会社 TVB―10型)を使用することができる。具体的には、例えば、回転数を1rpm、回転時間を1分間とし、粘度に応じたT形スピンドルを選択して使用すれば良い。例えば、粘度が72000mPa・s以上の場合はT−C、粘度が8000mPa・s以上72000mPa・s未満の場合はT−B、粘度が8000mPa・s未満の場合はT−Aを選択すればよい。
また、内容液の30℃における吐出前粘度は、好ましくは1000mPa・s以上100000mPa・s以下である。ここで、内容液がシャンプーである場合、吐出前粘度は1000mPa・s以上10000mPa・s以下である場合がある。内容液がトリートメントである場合、内容液の吐出前粘度は10000mPa・s以上100000mPa・s以下である場合がある。内容液がトリートメントとなる場合、内容液の吐出前粘度は30000mPa・s以上となる場合もある。内容液が染毛剤であっても、内容液の粘度はトリートメントと同等となる場合がある。これらを鑑みると、内容液の吐出前粘度は、10000mPa・s以上であってもよく、100000mPa・s以下であってもよい。また、内容液の吐出前粘度は、80000mPa・s以下であってもよい。吐出前粘度が上記のような値となる場合、内容液は、吐出後に容器本体10に付着しやすくなる。そして、容器本体10を非常に滑りやすくする。しかし、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができるため、押圧領域282を安定して押圧することができる。
<内容液の組成>
つぎに、内容液の好ましい組成について説明する。滑性成分は、界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸、及びこれら以外の30℃で液体の油剤から選択されるいずれか1種以上又はそれらの混合物を含むことが好ましい。界面活性剤は、例えば内容液の油性の有効成分を内容液中に分散させやすくするため、乳化させるために、あるいは安定性のために使用される。油剤および高級アルコールは、例えば乳化物の形成のため、あるいは保湿やしっとりした感触を向上させるために使用される。内容液がこれらの滑性成分を含む場合、内容液は容器本体10に付着しやすく、かつ、容器本体10を非常に滑りやすくする。しかし、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができるため、押圧領域282を安定して押圧することができる。
ここで、滑性成分は、界面活性剤として、内容液の総質量に対して0.2質量%以上3質量%以下のカチオン性界面活性剤を含むことが好ましい。この場合、内容液は、容器本体10を非常に滑りやすくする。ここで、カチオン性界面活性剤の種類は特に制限されないが、モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤の対イオンとしては例えば塩素イオンが挙げられる。対イオンが塩素イオンのモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、すなわち塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウムとして、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムとして塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。また、塩素イオン以外の対イオンとしては、臭素イオン、サッカリンイオン、メチル硫酸イオン等が挙げられる。カチオン性界面活性剤の他の例としては、3級アミン塩型界面活性剤が挙げられる。具体的には、モノ長鎖ジメチルアミン塩としてオクタデシロキシプロピルジメチルアミン乳酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン乳酸、ステアラミドプロピルジメチルアミンリンゴ酸塩、ベヘナミドプロピルジメチルアミンリン酸塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤は、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。滑性成分が複数種類のカチオン性界面活性剤を含む場合、全てのカチオン性界面活性剤の質量%の総和が0.2質量%以上3質量%以下となることが好ましい。カチオン性界面活性剤の内容液中の含有量は、0.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
また、滑性成分は、界面活性剤として、内容液の総質量に対して5質量%以上35質量%以下のアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。この場合、内容液は、容器本体10を非常に滑りやすくする。ここで、アニオン性界面活性剤の種類は特に制限されないが、例えば、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ベヘン酸塩、オレイン酸塩等の飽和又は不飽和脂肪酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステル等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びトリエタノールアミンが挙げられる。アニオン性界面活性剤は、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。滑性成分が複数種類のアニオン性界面活性剤を含む場合、内容液中の全てのアニオン性界面活性剤の質量%の総和が5質量%以上35質量%以下となることが好ましい。内容液中のアニオン性界面活性剤の含有量は10質量%以上であることが好ましく、含有量は15質量%以下であることが好ましい。
滑性成分は、界面活性剤として、他の種類の界面活性剤、例えば両性界面活性剤、およびノニオン性界面活性剤からなる群から選択されるいずれか1種以上を含んでいても良い。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリンアルキルエーテル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型ノニオン性界面活性剤、又は脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。内容液中のノニオン性界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の内容液に含有される高級アルコールは、好ましくは炭素数8以上のアルコールである。かかる高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。高級アルコールは、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。高級アルコールの含有量は、内容液中の全て高級アルコールの質量%の総和が0.05質量%10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上7質量%以下であることが感触や、液の粘度調整の観点から好ましい。
本実施形態の内容液に含有される高級脂肪酸は、好ましくは炭素数8以上の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数が14以上24以下の脂肪酸である。かかる高級脂肪酸としては、例えば、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸が挙げられる。直鎖脂肪酸は、炭素数16以上22以下の飽和脂肪酸であることが好ましい。分岐脂肪酸は、例えば、イソステアリン酸、14−メチルペンタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、18−メチルノナデカン酸、19−メチルエイコサン酸、20−メチルヘンエイコサン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、18−メチルエイコサン酸、19−メチルヘンエイコサン酸から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、これらを含むラノリンを用いてもよく、イソステアリン酸、18−メチルエイコサン酸(18-MEA)を含むことがより好ましい。高級脂肪酸は、これらのいずれか1種又は2種以上で構成されてもよい。高級脂肪酸の含有量は、内容液中の全ての高級脂肪酸の総和が0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上8質量%以下であることが感触や液の粘度調整の観点から好ましい。
滑性成分が30℃で液体である油剤を含む場合、油剤の含有量は、内容液の総質量に対して1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。この場合、内容液は、容器本体10を非常に滑りやすくする。ここで、30℃で液体である油剤としては、例えば、炭化水素油(30℃で液体のもの、例えば炭素数が5以上40未満のもの)、シリコーン油、フッ素油、エステル油、脂肪酸等が挙げられる。30℃で液体である油剤は、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。シリコーン油の例としては、具体的にはジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコノール(末端にヒドロキシル基を有するジメチルポリシロキサン)、及びアミノ変性シリコーン(分子内にアミノ基を有するジメチルポリシロキサン)、アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、シリコーン油が容器本体10に付着した場合には、容器本体10が非常に滑りやすくなるが、本実施形態のエアゾール容器1であれば内容液が容器本体10に付着した場合であっても、押圧領域282を容易に押圧することが可能になる。
30℃で液体の炭化水素油としては、例えば流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、α―オレフィンオリゴマー、ポリブテン等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を内容液に含有することができる。
30℃で液体のエステル油としては、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル等が挙げられる。また、これらのいずれか1種又は2種以上を含む植物油としては、アボカド油、オリーブ油、ヒマワリ油、ツバキ油、キョウニン油、アーモンド油、ヒマシ油、カカオ油、メドウフォーム油等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を内容液に含有することができる。
本実施形態においてエステル油は、エステル構造を有し、HLB値は好ましくは8以下である。なお、HLB値は、親水性−親油性のバランス(Hydrophile
ipophile Balance)を示す指標であり、本実施形態においては、小田及び寺村らによる次式により算出した値を用いている。
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
滑性成分が複数種類の油剤を含む場合、内容液中の全ての油剤の質量%の総和が0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。内容液中の油剤の含有量は3質量%以上であることがより好ましく、12.0質量%以下であることがより好ましい。
内容液は、さらにエタノールを含んでいても良い。エタノールの含有量は、吐出後の内容液の粘性を高める観点から、内容液の総質量に対して10質量%以下となることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
内容液は、上述した成分を任意に組み合わせて含有していてもよい。本実施形態に係るエアゾール容器は、カチオン性界面活性剤および高級アルコールを含有し、例えばコンプレックスを形成する内容液により、容器本体10が滑りやすい場合であっても、好適に用いることができる。
内容液が染毛剤となる場合、内容液は、上記成分に加え、さらにアルカリ剤又は酸化剤、および染料を含んでいてもよい。アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることで、毛髪への染料の浸透性を向上させるものである。染料は、毛髪を染色するものである。染料としては、塩基性〜酸性の染料があり、染料が塩基性の場合、内容液はアルカリ剤を含有することが好ましく、染料が酸性の場合、内容液は、内容液を酸性にするためのpH調整剤を含有することが好ましい。
アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、又は、クエン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ剤は、上記のいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。アルカリ剤の含有量は内容液中の全てのアルカリ剤の質量%の総和が0.01質量%以上20質量%以下であり、0.1質量%以上5質量%であることが好ましい。
染料としては、例えば酸性染料、および塩基性染料が挙げられる。酸性染料および塩基性染料は、単独で使用されても良いし、組み合わせて使用されても良い。酸性染料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられる。酸性染料は、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。
塩基性染料としては、例えば、ジヒドロキシインドール(DHI)、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、BasicOrange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。塩基性染料は、これらのいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。
染料は、上記のいずれか1種または2種以上で構成されてもよい。染料の内容液中の含有量は、内容液中の全ての染料の質量%の総和が0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
上記で説明した内容液の組成はあくまで一例であり、前述以外に、内容液の用途に応じて様々な成分を内容液に含有させてよい。例えば、増粘剤(カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、ビタミンC誘導体(L−アスコルビン酸等)、酸化防止剤(亜硫酸ナトリウム等)、pH調整剤(リン酸等)、保湿剤(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオール)、防腐剤、フルーツ酸(乳酸、リンゴ酸等)、香料等を内容液に含有させてもよい。
<エアゾール容器の使用方法>
次に、エアゾール容器1の使用方法について説明する。上述したように、使用者は、取手部26に指(例えば人差し指)を掛けながら押圧領域282を親指で押圧することができる。すなわち、使用者は、容器本体10を持たずに押圧領域282を押圧することができる。したがって、使用者は、容器本体10が水、あるいは内容液で濡れて滑りやすくなっていたとしても、押圧領域282を安定して押圧することができる。
エアゾール容器1の使用場所は特に制限されず、内容液の種類に応じて変動しうる。例えば、水と併用して内容液が用いられる環境下で、エアゾール容器1が使用される場合がある。つまり、使用者の使用部位又はエアゾール容器1が水で濡れた状態で内容液が使用される場合がある。例えば、内容液が浴室内で使用されるもの(例えば、ボディソープ、シャンプー、リンス、トリートメント等)である場合、エアゾール容器1は浴室内で使用される。染毛を浴室内で行う場合、エアゾール容器1も浴室内で使用される。そして、浴室内でエアゾール容器1が使用される場合、使用者は、水分の残った体または髪に内容液を使用することが多い。使用者は、水分の残った体または髪に内容液を使用する場合、使用者が濡れた手で容器本体をつかむことが多い。この結果、容器本体が濡れる。また、シャワー等から放出された水が容器本体に掛かる等の原因によっても容器本体が濡れる。このように、浴室は、エアゾール容器1が非常に濡れやすい環境であると言える。このような環境下であっても、使用者は、押圧領域282を安定して押圧することができる。つまり、内容液が水と併用して使用される場合であっても、使用者は、押圧領域282を安定して押圧することができる。
浴室内での使用例として、内容液が染毛剤となる場合の使用方法を説明する。使用者は、浴室内で、シャンプーで洗髪を行い、ついでタオルで髪から水気を取る。ついで、使用者は、手袋を着用し、一方の手でアクチュエータ20を操作する。具体的には、取手部26に指を掛けながら押圧領域282を押圧する。これにより、吐出口232から内容液を吐出させる。使用者は、他方の手で吐出口232から吐出される内容液を受け、内容液を髪につける。使用者は、数分間後に内容液が付いた髪をすすぐ。なお、手袋を着用した状態では、容器本体10がさらに滑りやすくする。本実施形態では、使用者は、容器本体10を持つ必要がないので、手袋を着用した状態であっても押圧領域282を安定して押圧することができる。
つぎに、本実施形態の実施例について説明する。本実施例では、本実施形態による効果を検証するために、本実施形態に係るエアゾール容器1に高活性内容液を収容した。さらに、装着具を含めたエアゾール容器1全体を高滑性内容液で濡らした。このような状態でエアゾール容器から高活性内容液を吐出できるか評価した。なお、粘度の測定は、スピンドル付きB型粘度計(東機産業株式会社 TVB―10型)を用いた。測定条件は、測定温度:30℃、回転数:10rpm、回転時間:1分間とし、粘度に応じたT形スピンドルを使用した。
(実施例1:トリートメント液1)
実施例1では、以下の表1に示す組成のトリートメント液1を用意した。
Figure 2019051958
ついで、50gのトリートメント液1をエアゾール容器1の内袋に収容した。また、圧縮ガスとして0.3gの圧縮窒素を使用した。ガス圧は0.6MPaとした。トリートメント液1の30℃における吐出前粘度(容器内での粘度)を測定した。測定機器、測定条件は上述した通りとし、T型スピンドルとしてT―Bを使用した。この結果、吐出前粘度は61000mPa・sであった。なお、吐出前粘度は、トリートメント液1をエアゾール容器1に収容してから1ヶ月経過した時点で測定した。
ついで、トリートメント液1でエアゾール容器1全体を濡らした。この状態でエアゾール容器1を使用した。具体的には、30℃、1気圧の条件下で、取手部26に人差し指を掛けながら押圧領域282を親指で押圧した。この結果、押圧領域282を問題なく押圧することができ、吐出口232から内容液を吐出させることができた。ここで、押圧領域を10秒間押圧したところ、吐出量は43gであった。
また、トリートメント液1の30℃における吐出後粘度(吐出5秒後の粘度)を測定した。測定機器、測定条件は上述した通りとし、T型スピンドルとしてT―Bを使用した。この結果、吐出後粘度は50000mPa・sであった。
(実施例2:シャンプー液)
実施例2では、以下の表2に示す組成のシャンプー液を用意し、このシャンプー液を用いて実施例1と同様の処理を行った。
Figure 2019051958
この結果、押圧領域282を問題なく押圧することができ、吐出口232から内容液を吐出させることができた。ここで、押圧領域を10秒間押圧したところ、吐出量は46gであった。
(実施例3:トリートメント液2)
実施例3では、以下の表3に示す組成のトリートメント液2を用意し、このトリートメント液2を用いて実施例1と同様の処理を行った。
Figure 2019051958
この結果、トリートメント液2の30℃における吐出前粘度(容器内での粘度)は74300mPa・sであった。なお、測定機器、測定条件は上述した通りとし、T型スピンドルとしてT―Cを使用した。また、押圧領域282を問題なく押圧することができ、吐出口232から内容液を吐出させることができた。ここで、押圧領域を10秒間押圧したところ、吐出量は45gであった。また、トリートメント液2の30℃における吐出後粘度は47000mPa・sであった。なお、測定機器、測定条件は上述した通りとし、T型スピンドルとしてT―Bを使用した。
(比較例1)
つぎに、比較例1について説明する。比較例1では、図13に示すエアゾール容器1000を準備した。エアゾール容器1000は、公知のエアゾール容器である。以下、エアゾール容器1000の構造を簡単に説明する。エアゾール容器1000は、容器本体1010および容器本体1010の上側に装着される装着具1020を備える。容器本体1010は、内容液を収納する部分であり、円筒形状を有する。装着具1020は、押圧部1030を備える。押圧部1030には、ノズル1040および吐出口1050が形成されている。吐出口1050はノズル1040の先端に形成されている。使用者は、容器本体1010を手で持ちながら、人差し指で装着具1020の押圧部1030を押圧する。これにより、吐出口1050から内容液が吐出される。
そして、エアゾール容器1000を用いて実施例1と同様の処理を行った。しかしながら、使用者は、押圧部1030を押圧しようとしても、容器本体1010を持つ手が滑ってしまい、押圧部1030を押圧することができなかった。この結果、内容液をエアゾール容器1000から吐出させることができなかった。
(比較例2)
つぎに、比較例1について説明する。比較例2では、図14に示すエアゾール容器2000を準備した。以下、エアゾール容器2000の構造を簡単に説明する。エアゾール容器2000は、容器本体2010および容器本体2010の上側に装着される装着具2020を備える。容器本体2010は、内容液を収納する部分であり、円筒形状を有する。さらに、容器本体2010の周面のうち、装着具2020に近い部分には、容器本体2010の周方向に沿って切り欠き2060が形成されている。装着具2020は、押圧部2030を備える。押圧部2030には、ノズル2040および吐出口2050が形成されている。吐出口2050はノズル2040の先端に形成されている。使用者は、容器本体2010を手で持ちながら、人差し指で装着具2020の押圧部2030を押圧する。ここで、使用者は、容器本体2010の切り欠き2060に指を掛けながら押圧部2030を押圧することができる。これにより、吐出口2050から内容液が吐出される。
そして、エアゾール容器2000を用いて実施例1と同様の処理を行った。しかしながら、使用者は、押圧部2030を押圧しようとしても、容器本体2010を持つ手が滑ってしまい、押圧部2030を押圧することができなかった。比較例2では指を掛ける切り欠き2060が形成されているが、切り欠き2060では使用者の指の滑りをほとんど抑制することができなかった。この結果、内容液をエアゾール容器1000から吐出させることができなかった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 エアゾール容器
10 容器本体
14 マウンテンカップ
14a 環状突出部
16 ステム
12 連結部材
121 環状溝
122 開口
124 螺合部
126 下端縁部
20 アクチュエータ
22 ステム嵌合部材
220 筒状部
221 中空部
222 開口
224 張出部
225 第1の板部
226 第2の板部
228 天面
230 ノズル部
232 吐出口
234 流路
24 基台
241 螺合部
242 開口
243 回動規制面
244 第1のガイド部
246 縦穴
247 当接面
250 第2のガイド部
252 垂直面部
254 水平面部
256 薄肉部
257 上面
258a、258b ピンガイド突起
259 ピン挿入孔
26 取手部
262 第1の領域
264 第2の領域
266 指掛け領域
28 回動部
282 押圧領域
284 回動規制フック
286 爪
288 当接部
289 突出部
40 ロックピン
42 把持部
44 軸部
45 凸部
46 先端部

Claims (10)

  1. 水と併用して用いられる、内容液および圧縮ガスが収容されているエアゾール容器であって、
    容器本体と、
    前記容器本体の上側に装着される装着具と、
    を備え、
    前記装着具は、
    前記容器本体の径方向の中心から外側に向かって延び、先端の吐出口から前記内容液を吐出するノズル部と、
    前記ノズル部の前記吐出口とは前記径方向反対側に配置される取手部と、
    前記取手部の上方に配置される押圧部と、
    を備え、
    前記押圧部が押圧されることにより、前記容器本体に収容されている前記内容液が前記ノズル部を通じて吐出され、
    前記内容液は、滑性成分を含有しており、かつ、30℃における吐出5秒後の前記内容液の吐出後粘度が、30℃における吐出前粘度よりも低い、エアゾール容器。
  2. 内容液充填後、30℃、1気圧の条件下で前記押圧部が最初に10秒間押圧された場合、前記ノズル部の吐出口は、30〜70gの前記内容液を吐出する、請求項1記載のエアゾール容器。
  3. 前記内容液の30℃における粘度は、1000mPa・s以上100000mPa・s以下である、請求項1または2に記載のエアゾール容器。
  4. 前記滑性成分は、界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸、及び、前記以外の30℃で液体の油剤からなる群から選択されるいずれか1種以上又はそれらの混合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアゾール容器。
  5. 前記滑性成分は、前記界面活性剤として、前記内容液の総質量に対して0.2質量%以上3質量%以下のカチオン性界面活性剤を含む、請求項4記載のエアゾール容器。
  6. 前記滑性成分は、前記界面活性剤として、前記内容液の総質量に対して5質量%以上35質量%以下のアニオン性界面活性剤を含む、請求項4または5に記載のエアゾール容器。
  7. 前記滑性成分は、前記内容液の総質量に対して1質量%以上15質量%以下の前記油剤を含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載のエアゾール容器。
  8. 前記内容液は、エタノールの含有量が前記内容液の総質量に対して10質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエアゾール容器。
  9. 前記押圧部の表面には、滑り止め加工が施されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアゾール容器。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアゾール容器を使用するエアゾール容器の使用方法であって、
    水と併用して内容液が使用される環境下で、前記取手部に手指を掛けながら前記押圧部を押圧することで、前記内容液を前記ノズル部の吐出口から吐出させる、エアゾール容器の使用方法。
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