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JP2019044060A - 押出発泡シート、発泡樹脂成形品、及び、押出発泡シートの製造方法 - Google Patents

押出発泡シート、発泡樹脂成形品、及び、押出発泡シートの製造方法 Download PDF

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JP2019044060A
JP2019044060A JP2017167926A JP2017167926A JP2019044060A JP 2019044060 A JP2019044060 A JP 2019044060A JP 2017167926 A JP2017167926 A JP 2017167926A JP 2017167926 A JP2017167926 A JP 2017167926A JP 2019044060 A JP2019044060 A JP 2019044060A
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modified polypropylene
foam sheet
resin
extruded foam
polypropylene resin
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JP2017167926A
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哲朗 田井
Tetsuro Tai
哲朗 田井
道弘 林
Michihiro Hayashi
道弘 林
翔太 遠藤
Shota Endo
翔太 遠藤
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

【課題】揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少なく、且つ、強度の異方性が抑制された押出発泡シートや発泡樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】発泡層における揮発性有機化合物(VOC)の含有量が10mg/kg以上400mg/kg以下で、且つ、発泡層の気泡が特定の形状となっている押出発泡シートを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、押出発泡シート、発泡樹脂成形品、及び、押出発泡シートの製造方法に関する。
従来、ポリプロピレン系樹脂は、機械的性質及び耐薬品性などに優れることから、種々の成形品の原材料として利用されている。
該成形品としては、例えば、非発泡なフィルムや押出発泡シートのような2次元的なもの、並びに、フィルムや押出発泡シートに熱成形を施して3次元的な形状を付与したものなどが知られている。
該押出発泡シートに熱成形が施されてなる熱成形品は、単独の状態で、或いは、他の部材と組み合わされるなどして種々の発泡樹脂成形品の構成材として利用されている。
前記押出発泡シートは、通常、ポリプロピレン系樹脂や発泡剤などが含まれているポリプロピレン系樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該押出機の先端に装着したダイからシート状に押出発泡させるような方法で製造されている。
該押出発泡シートとしては、発泡層単独のものや発泡層と非発泡層とが共押出されることによって形成された積層構造を有するものなどが知られている。
押出発泡シートを熱成形することによって得られる発泡樹脂成形品は、軽量性と高強度とを兼ね備えているために種々の用途において用いられている。
このような製造方法で押出発泡シートを形成させる際には、ポリプロピレン系樹脂組成物が一定以上の溶融張力を示す方が発泡層の気泡の状態を緻密なものにする上で有利となる。
また、緻密な発泡状態の押出発泡シートを用いて熱成形を行うと、発泡樹脂成形品の軽量性と強度とをより優れたものとすることができる。
そのようなことから、ポリプロピレン系樹脂に対して高い溶融張力を発揮させるべくポリプロピレン系樹脂に分岐構造を付与させるような改質が行われたりしている。
このような改質ポリプロピレン系樹脂を作製する方法としては、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとを反応させる方法が知られている(下記特許文献1参照)。
従来、上記のような改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させて得られる押出発泡シートを製造する際には、改質ポリプロピレン系樹脂を製造する際に発生した低分子量化合物や押出機内での熱分解生成物などが揮発性有機化合物(VOC)としてシート内に残存すると押出発泡シートに臭気を発生させる原因となりうることから揮発性有機化合物が残存し難い方法が採択されている。
特開2016−089143号公報
上記のような改質ポリプロピレン系樹脂を使って押出発泡シートを作製した場合、得られる押出発泡シートの強度などに異方性を生じることがある。
具体的には、従来、この種の押出発泡シートにおいては、押出方向(MD:Machine Direction)と幅方向(TD:Transverse Direction)とにおける引張特性などが大きく異なるといった問題を有している。
押出発泡シートの強度の異方性が過度に顕在化するとこのような押出発泡シートを熱成形した発泡樹脂成形品の強度にも大きな異方性が発現してしまうことになる。
このような問題の存在については、従来、認識されておらず、従って、その解決方法も確立されてはいない。
そこで本発明は、上記のような問題を解決することを課題としており、揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少なく、且つ、強度の異方性が抑制された押出発泡シートや発泡樹脂成形品を提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討したところ、VOC残存量の低い押出発泡シートにおいては、発泡層の気泡を扁平なものとし、しかも、該気泡を所定の扁平度合いとすることで強度の異方性が抑制されることを見出して本発明を完成させるに至った。
また、本発明者は、ポリプロピレン系樹脂を改質して改質ポリプロピレン系樹脂を得た後に該改質ポリプロピレン系樹脂からVOCを除去する工程を実施することで上記のような押出発泡シートを容易に得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決すべく本発明は、改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された発泡層を有する押出発泡シートであって、前記改質ポリプロピレン系樹脂がポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとの反応物で、前記発泡層における揮発性有機化合物(VOC)の含有量が10mg/kg以上400mg/kg以下であり、前記発泡層は、押出方向における平均気泡径を[DMD(μm)]、シート幅方向における平均気泡径を[DTD(μm)]、厚み方向における平均気泡径を[DVD(μm)]としたときに下記関係式(1)及び(2)の両方を満足する押出発泡シートを提供する。

1.6 ≦ (DMD/DVD) ≦ 2.5 ・・・(1)
2.7 ≦ (DTD/DVD) ≦ 3.8 ・・・(2)
本発明は、熱成形品によって一部又は全部が構成されており、該熱成形品が押出発泡シートで構成されている発泡樹脂成形品であって、前記熱成形品が上記の押出発泡シートで構成されている発泡樹脂成形品を提供する。
本発明は、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとを溶融混練することによって反応させて改質ポリプロピレン系樹脂を作製する反応工程と、
該反応工程で得られた前記改質ポリプロピレン系樹脂に加熱処理を施し、該改質ポリプロピレン系樹脂に含まれている揮発性有機化合物(VOC)を除去して改質ポリプロピレン系樹脂における揮発性有機化合物(VOC)の含有量を10mg/kg以上2000mg/kg以下とするVOC除去工程とを実施し、該VOC除去工程が実施された前記改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させる押出工程をさらに実施し、前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された発泡層を有する押出発泡シートを製造する押出発泡シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、VOC残存量が低く、しかも、強度の異方性が抑制された押出発泡シートや発泡樹脂成形品が提供され得る。
一実施形態の押出発泡シートの概略断面図。 他の実施形態の押出発泡シートの概略断面図。 押出発泡シート(発泡層)の平均気泡径の測定方法を説明する説明図。
本発明の実施の形態について説明する。
まず、押出発泡シートについて図1、2を参照しつつ説明する。
本実施形態における押出発泡シート1は、図1に示すように単一の発泡層10のみを有するものであっても、図2に示すように発泡層10の片面又は両面に非発泡層20,20’が積層されたものであってもよい。
また、本実施形態における押出発泡シートは、図には示さないが、複数の発泡層を有するものであっても、発泡層の片面に複数の非発泡層が積層されたものであってもよい。
本実施形態における発泡樹脂成形品は、押出発泡シート1が熱成形されてなる熱成形品で少なくとも一部が構成されており、前記発泡層10によって構成された発泡部を備えている。
本実施形態における発泡樹脂成形品は、非発泡層20,20’を有する押出発泡シート1によって形成された熱成形品を備えていてもよく、発泡層10によって形成された発泡部とともに非発泡層20,20’によって形成された非発泡部を有していてもよい。
即ち、本実施形態における発泡樹脂成形品は、前記発泡層10の軽量性と強度とが特性に反映されたものとなっている。
前記押出発泡シート1における前記発泡層10は、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとの反応物である改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成されている。
そして、該押出発泡シート1の前記発泡層10における揮発性有機化合物(VOC)の含有量は、10mg/kg以上400mg/kg以下である。
前記発泡層10に靱性を発揮させる上において、該発泡層10にはある程度揮発性有機化合物(VOC)が含まれていることが好ましい。
このような観点から前記発泡層10における揮発性有機化合物(VOC)の含有量は、20mg/kg以上であることが好ましく、50mg/kg以上であることがより好ましく、100mg/kg以上であることが特に好ましい。
一方で前記発泡層10から臭気が発生することを防止する上においては揮発性有機化合物(VOC)の含有量が低いことが好ましい。
そこで、前記発泡層10における揮発性有機化合物(VOC)の含有量は、390mg/kg以下であることが好ましく、350mg/kg以下であることがより好ましく、300mg/kg以下であることが特に好ましい。
VOCの中でも特にスチレンはポリプロピレン系樹脂を可塑化し、さらに常温において発泡層から逸散し難いため、発泡層に長期に渡って優れた靭性を発揮させ得る。
そのため、本実施形態の押出発泡シート1は、前記芳香族ビニルモノマーとしてスチレンが用いられてなる改質ポリプロピレン系樹脂が発泡層10に含まれていることが好ましい。
そして、発泡層10に含まれる揮発性有機化合物(VOC)の一部又は全部がスチレンであることが好ましい。
前記発泡層10におけるスチレンの含有量は、5mg/kg以上100mg/kg以下であることが好ましい。
前記発泡層10におけるスチレンの含有量は、10mg/kg以上であることがより好ましく、25mg/kg以上であることが特に好ましい。
前記発泡層10におけるスチレンの含有量は、90mg/kg以下であることがより好ましく、80mg/kg以下であることがさらに好ましく、70mg/kg以下であることが特に好ましい。
前記発泡層10は、通常、0.5mm以上5mm以下の厚みとされる。
前記非発泡層20,20’を設ける場合は、それぞれの厚みが、通常、0.01mm以上0.5mm以下の厚みとされる。
前記発泡層10の密度(見掛け密度)は、本発明の効果をより顕著に発揮させ得る点において、0.3g/cm以下であることが好ましく、0.25g/cm以下であることがより好ましく、0.2g/cm以下であることが特に好ましい。
前記発泡層10の密度(見掛け密度)は、通常、0.07g/cm以上である。
前記発泡層10の連続気泡率は、前記発泡樹脂成形品に優れた強度を発揮させる上において40%以下であることが好ましい。
前記発泡層10の連続気泡率は、35%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
前記発泡層10の連続気泡率は、通常、1%以上である。
前記発泡層10は、押出方向における平均気泡径を[DMD(μm)]、シート幅方向における平均気泡径を[DTD(μm)]、厚み方向における平均気泡径を[DVD(μm)]としたときに下記関係式(1)及び(2)の両方を満足する。

1.6 ≦ (DMD/DVD) ≦ 2.5 ・・・(1)
2.7 ≦ (DTD/DVD) ≦ 3.8 ・・・(2)
なお、[DMD(μm)]、[DTD(μm)]、及び、[DVD(μm)]の値は、後段の実施例において記載しているように、MDに沿って発泡層を切断した断面(MD断面)と、TDに沿って発泡層を切断した断面(TD断面)とにおける気泡の形状に基づいて求められる。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物を使って作製される押出発泡シートのみならず、一般的な押出発泡シートなどでも、通常、発泡層の気泡を丸くするような製法で作製されるため、「DMD/DVD」の値、並びに、「DTD/DVD」の値は、何れも「1」に近い値となる。
一方で、本実施形態においては、MD断面及びTD断面のそれぞれでの気泡形状を扁平なものとし、「DMD/DVD」の値、並びに、「DTD/DVD」の値を上記のように高い値としている。
なお、「DMD/DVD」の値、並びに、「DTD/DVD」の値などについては、押出発泡における押出方向への延伸や幅方向への延伸の度合いによって調整が可能である。
押出発泡シートは、「DMD/DVD」や「DTD/DVD」の値が高い方が優れた強度となるもののこれらの値が過度に高いと強度が低下する場合がある。
そのため、発泡層10は、下記関係式(3)及び(4)の両方を満足することが好ましい。

1.8 ≦ (DMD/DVD) ≦ 2.4 ・・・(3)
2.8 ≦ (DTD/DVD) ≦ 3.8 ・・・(4)
発泡層10は、また、下記関係式(5)を満たしていることが好ましい。

VD < DMD < DTD ・・・(5)
発泡層10は、また、強度の異方性の発現をより確実に抑制する上において下記関係式(6)を満たしていることが好ましく、下記関係式(7)を満たしていることがより好ましく、下記関係式(8)を満たしていることが特に好ましい。

1.2 ≦ (DTD/DMD) ≦ 1.8 ・・・(6)

1.3 ≦ (DTD/DMD) ≦ 1.7 ・・・(7)

1.4 ≦ (DTD/DMD) ≦ 1.5 ・・・(8)
前記発泡層10を構成する改質ポリプロピレン系樹脂組成物の主成分たる改質ポリプロピレン系樹脂は、本実施形態においては、(A)ポリプロピレン系樹脂、(B)有機過酸化物、及び、(C)芳香族ビニルモノマーを含む樹脂組成物(以下「原料組成物」ともいう)を反応させて得られたものである。
本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂としては、200℃での周波数分散動的粘弾性測定で求められる位相角が周波数0.01Hzにおいて30°以上70°以下となるものを採用することが好ましい。
周波数分散動的粘弾性測定においては、低周波数領域に粘性項の影響が現れやすい。
即ち、本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂は、低周波数領域における位相角が小さく、分子間の“滑り”が生じ難いものとなっている。
従って、本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂は、発泡層を形成すべく発泡させるのに際して程良い伸びを示し、気泡の成長に伴って気泡膜が急激に薄くなってしまうことが抑制されることから連続気泡率の低い発泡層10を得るのに有利なものである。
なお、前記位相角については、下記のようにして求められるものである。
(位相角の求め方)
動的粘弾性測定は、粘弾性測定装置PHYSICA MCR301(Anton Paar社製)、温度制御システムCTD450にて測定する。
まず、試料となる改質ポリプロピレン系樹脂を熱プレス機にて、温度200℃×5分加熱の条件下でプレスし、直径25mm、厚さ3mmの円盤サンプルを作製する。
次にサンプルを測定温度(200℃)に加熱した粘弾性測定装置のプレート上にセットし窒素雰囲気下にて5分間に亘って加熱し溶融させる。
その後、直径25mmのパラレルプレートにて間隔を2.0mmまで押しつぶし、プレートからはみ出した樹脂を取り除く。
更に測定温度±1℃に達してから5分間加熱後、歪み5%、周波数0.01〜100(Hz)、測定点の点数を21(5点/桁)、測定温度200℃の条件下にて、動的粘弾性測定を行い、位相角δ(°)を測定する。
なお、測定開始は高周波数側(100Hz)からとする。
そして、周波数0.01Hzにおける位相角δを求める。
改質ポリプロピレン系樹脂は、出発原料たる(A)ポリプロピレン系樹脂よりも高い溶融張力を示すように改質されたものである。
改質ポリプロピレン系樹脂が原料として用いるポリプロピレン系樹脂よりも高い溶融張力を示すものかどうかは、例えば、230℃の温度で両者の溶融張力を比較することで判別可能である。
一般的なポリプロピレン系樹脂は、230℃での溶融張力が5cN未満であるため、出発原料たる(A)ポリプロピレン系樹脂と比較するまでもなく、230℃で測定した溶融張力が6cN以上の値を示すものについては改質ポリプロピレン系樹脂としてみなすことができる。
改質ポリプロピレン系樹脂は、230℃での溶融張力が6cN以上であることが好ましく、230℃での溶融張力が10cN以上であることがより好ましく、230℃での溶融張力が15cN以上であることが特に好ましい。
但し、改質ポリプロピレン系樹脂の溶融張力は、過度に高いと押出す際に押出機の負荷を大きなものにしてしまうおそれがあるため、230℃における値が30cN以下であることが好ましく、28cN以下であることがより好ましい。
なお、改質ポリプロピレン系樹脂などに関して溶融張力を求める場合は、下記のような方法で求めることができる。
(溶融張力測定方法)
試料は、測定対象がペレットの場合はそのまま使用し、押出発泡シートなどのシート状の場合は当該シートをペレタイザー(例えば、株式会社東洋精機製作所製の「ハンドトゥルーダ 型式PM−1」)を使用し、シリンダ温度220℃、試料充填から押出し開始までの待機時間2.5分の条件でペレット化したものを用いる。
溶融張力は、ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。
すなわち、試験温度に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.0mm、長さ20mm、流入角度フラット)からピストン降下速度(0.1546mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速8.7mm/s、加速度12mm/sで徐々に増加させつつ巻き取って行き、紐状物が切断する直前の極大値と極小値の平均を試料の溶融張力とする。
なお、張力チャートに極大点が1個しかない場合はその極大値を溶融張力とする。
改質ポリプロピレン系樹脂は、押出時における押出機の負荷軽減を図るとともに発泡層10に良好な発泡性を発揮させるためにメルトマスフローレイト(MFR)が所定の値を示すことが好ましい。
より具体的には、改質ポリプロピレン系樹脂は、MFRが0.5g/10min以上であることが好ましく、0.7g/10min以上であることがより好ましく、1.0g/10min以上であることが特に好ましい。
独立気泡性に優れた(連続気泡率の低い)発泡層を形成させる上において、改質ポリプロピレン系樹脂のMFRは0.7g/10min以上であることが好ましい。
但し、過度にMFRが高いと発泡層10に良好な発泡性を発揮させることが難しくなる場合があるので改質ポリプロピレン系樹脂のMFRは、5.0g/10min以下であることが好ましく、3.0g/10min以下であることがより好ましい。
改質ポリプロピレン系樹脂や改質ポリプロピレン系樹脂の原料となるポリプロピレン系樹脂のMFRは、以下のようにして測定される。
測定対象がペレットの場合はそのまま測定用試料として使用する。
測定対象が、発泡シートの場合は当該発泡シートを株式会社東洋精機製作所製のペレタイザー「ハンドトゥルーダ 型式PM−1」を使用してペレット化したものを測定用試料として用いる。
なお、ペレタイザーを使用して発泡シートからペレットを作製する際のシリンダ温度は220℃とし、試料充填から押し出し開始までの待機時間は2.5分とする。
メルトマスフローレイト(MFR)は株式会社東洋精機製作所製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の「b)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法」によって測定する。
測定条件は、試料量3〜8g、予熱時間270秒、ロードホールド時間30秒、試験温度230℃、試験荷重21.18N、ピストン移動距離(インターバル)4mmとする。
試験回数は3回とし、その平均値をメルトマスフローレイト(g/10min)の値とする。
上記のような改質ポリプロピレン系樹脂を得る上において、その出発原料である(A)ポリプロピレン系樹脂は、所定の溶融特性を有することが好ましい。
[(A)ポリプロピレン系樹脂]
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを重合させることにより得られる重合体である。
改質ポリプロピレン系樹脂を得るための原料組成物に含有させるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンモノマーの単独重合体(ホモポリプロピレン樹脂)やプロピレンモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
前記共重合体は、例えば、重合成分100質量%中、プロピレンモノマーの含有量が50質量%以上であることが好ましく、プロピレンモノマーの含有量が80質量%以上であることがより好ましく、プロピレンモノマーの含有量が90質量%以上であることが特に好ましい。
共重合は、ランダム共重合(ランダムポリプロピレン樹脂)であってもよく、ブロック共重合(ブロックポリプロピレン樹脂)であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、共重合体である場合、プロピレンモノマー以外の成分が、エチレンモノマー及び炭素数4〜8のαオレフィンモノマーからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、エチレンモノマー及び1−ブテンモノマーの内の1種以上であることがより好ましい。
本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂を製造する際の原料組成物には、少なくとも2種類のポリプロピレン系樹脂を含有させることが好ましく、ホモポリプロピレン樹脂とブロックポリプロピレン樹脂との2種類を少なくとも含有させることが好ましい。
原料組成物に含有させるポリプロピレン系樹脂の総量を100質量%とした際に、ホモポリプロピレン樹脂は、85質量%以上100質量%未満の割合で含有されることが好ましく、90質量%以上99質量%以下の割合で含有されることがより好ましい。
前記ブロックポリプロピレン樹脂は、原料組成物に含有させるポリプロピレン系樹脂の総量を100質量%とした際に、0質量%を超え15質量%以下の割合で含有されることが好ましく、1質量%以上10質量%以下の割合で含有されることがより好ましい。
原料組成物に含有させるポリプロピレン系樹脂は、比較的MFRが高い方が好ましい。
一般的な押出発泡シートの形成材料として用いられるポリプロピレン系樹脂は、MFRが1g/10min〜3g/10min程度であるが、本実施形態において改質ポリプロピレン系樹脂の出発原料として用いるポリプロピレン系樹脂のMFRは、4.0g/10min以上であることが好ましく、5.0g/10min以上であることがより好ましく、6.0g/10min以上であることが特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、20.0g/10min以下であることが好ましく15.0g/10min以下であることがより好ましく、10.0g/10min以下であることが特に好ましい。
原料組成物にホモポリプロピレン樹脂とブロックポリプロピレン樹脂との2種類のポリプロピレン系樹脂を含有させる場合、これらは、いずれも上記のようなMFRを有することが好ましい。
ホモポリプロピレン樹脂のMFRとブロックポリプロピレン樹脂のMFRとは近い値であることが好ましい。
例えば、ホモポリプロピレン樹脂のMFRの値を「MFR−H」とし、ブロックポリプロピレン樹脂のMFRの値を「MFR−B」とした場合、これらの比率(「MFR−H」/「MFR−B」)は、0.8以上1.25以下であることが好ましい。
[(B)有機過酸化物]
本実施形態の(B)有機過酸化物は、ポリプロピレン系樹脂に対する水素引抜能を有するものであり、特に限定されず、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシケタール及びケトンパーオキサイド等が挙げられる。
前記ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、パーメタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
前記ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3等が挙げられる。
前記パーオキシエステルとしては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等が挙げられる。
前記ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、ジベンゾイルパーキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、及びジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド等が挙げられる。
前記パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
前記パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ブタン、n−ブチル4,4−ジ-(t−ブチルパーオキシ)バレレート、及び2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
前記ケトンパーオキシドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等が挙げられる。
本実施形態の有機過酸化物は、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、又は、パーオキシジカーボネートであることが好ましい。
前記有機過酸化物は、下記一般式(X)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2019044060

(但し、Rは、置換若しくは非置換のフェニル基又は置換若しくは非置換のアルコキシ基を表し、Rは1価の有機基を表している。)
なお、一般式(X)の内、「R」がアルコキシ基である場合、「R」は、炭素数が3〜8個の分岐構造を有するアルキル基(例えば、イソプロピル、t−ブチル、t−ヘキシル、2−エチルヘキシルなど)に酸素原子が結合したアルコキシ基であることが好ましい。
「R」が2−エチルヘキシルに酸素原子が結合したアルコキシ基以外の場合、酸素原子は、2級炭素か3級炭素かの何れかに結合していることが好ましく下記一般式(Y)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2019044060


(但し、式中の「R11」、「R12」は、何れか一方がメチル基で他方が水素原子で、「R14」が炭素数1〜6の直鎖アルキル基を表し、「R13」が2級炭素であることを表している。)
なお、「R」が置換又は非置換のフェニル基かの何れかである場合、「R」は、非置換のフェニル基か、又は、1つの水素原子がメチル基で置換された置換フェニルであることが好ましい。
また、「R」も分岐アルキルやフェニルなどの嵩高い構造を有することが好ましい。
具体的には、下記一般式(Z)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2019044060

(但し、式中の「R21」は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基か、又は、フェニル基を有する1価の有機基かの何れかであることを表している。)
一般式(X)で表される構造を有する有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、などが挙げられる。
前記改質ポリプロピレン系樹脂を作製するための原料組成物において、(A)ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する(B)有機過酸化物の含有量は0.1質量部以上1.5質量部以下であることが好ましい。
本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂は、有機過酸化物の含有量が過少であると、原料組成物の反応性が低くなるため、良好な改質効果が発揮されないおそれがある。
本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂は、有機過酸化物の含有量が過大であると、溶融混練時にポリプロピレン系樹脂の分解反応が起こり易くなるため弾性成分が小さくなり良好な改質効果が発揮されないおそれがある。
即ち、有機過酸化物の含有量が0.1質量部以上1.5質量部以下であることにより、前記原料組成物は、溶融混練時における反応条件を高い精度でコントロールしなくても優れた溶融張力を有する改質ポリプロピレン系樹脂を作製することができる。
優れた溶融張力を有する改質ポリプロピレン系樹脂をより確実に作製する上において、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する有機過酸化物の含有量は、0.3質量部以上であることがより好ましい。
同様に、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する有機過酸化物の含有量は、1.0質量部以下であることがより好ましい。
[(C)芳香族ビニルモノマー]
(C)芳香族ビニルモノマーは、(A)ポリプロピレン系樹脂に化学的結合をし、分岐構造を形成するとともにポリプロピレン系樹脂どうしを架橋する架橋剤として作用する成分である。
原料組成物に含有させる芳香族ビニルモノマーは、1種のみでも、2種以上でもよい。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのイソプロペニルベンゼンが挙げられる。
なかでも、芳香族ビニルモノマーは、スチレンであることが好ましい。
原料組成物における(C)芳香族ビニルモノマーの含有量は、(A)ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
改質ポリプロピレン系樹脂は、芳香族ビニルモノマーの含有量が過少であると、溶融混練において分岐、架橋構造が十分に形成されないおそれがある。
また、芳香族ビニルモノマーの含有量が過少であると過酸化物による樹脂の分解抑制も不十分になるため、良好な改質効果を発揮できないおそれがある。
さらに、芳香族ビニルモノマーの含有量が過少であると改質ポリプロピレン系樹脂に含まれる揮発性有機化合物(VOC)の量が過度に低減し、押出発泡シートの前記発泡層における揮発性有機化合物(VOC)の含有量が不足するおそれがある。
そのため、原料組成物における芳香族ビニルモノマーの含有量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが特に好ましい。
原料組成物における芳香族ビニルモノマーの含有量は、過大であると、溶融混練で芳香族ビニルモノマーの一部が未反応となり易く、揮発性有機化合物(VOC)の含有量を過剰にさせてしまうおそれがある。
また、芳香族ビニルモノマーの含有量が過大であると、改質ポリプロピレン系樹脂にミクロ相分離などを原因とした白濁の問題を発生させるおそれがある。
そのような場合、改質ポリプロピレン系樹脂は、ノビが悪く良好な改質効果を示さないおそれがある。
さらに、芳香族ビニルモノマーの含有量が過大であると、改質ポリプロピレン系樹脂を作製するのに際して、一部に、きわだって高分子量化したもの(「ゲル」と呼ばれる)を発生させる場合がある。
このようなゲルは、高分子量化していないものと熱溶融挙動が大きく異なるため、発泡シートに過度に含まれると当該発泡シートの外観を損ねたり、当該発泡シートの連続気泡率を過度に大きくして強度を低下させたりする要因となり得る。
そのため、原料組成物における芳香族ビニルモノマーの含有量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。
なお、要すれば、原料組成物には、芳香族ビニルモノマー以外のモノマーを含有させてもよい。
該モノマーとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンモノマー;シクロペンテン、ノルボルネンなどのシクロオレフィンモノマー;5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエンモノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素系モノマー;アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸などのアクリル系モノマー;エポキシ系モノマー;ビニルアセテートなどのアセテート系モノマーが挙げられる。
[(D)ラジカル捕捉剤]
前記改質ポリプロピレン系樹脂を得るために、前記原料組成物は、その反応性を制御すべく(D)ラジカル捕捉剤を含むことが好ましい。
ラジカル捕捉剤の使用は、改質ポリプロピレン系樹脂の溶融張力を高くするのに有効である。
即ち、ラジカル捕捉剤は、改質ポリプロピレン系樹脂を使って外観が良好な樹脂発泡体を得る上において有効なものである。
ラジカル捕捉剤は、アルキルラジカル種と反応可能である。
ラジカル捕捉剤は、アルキルラジカルと結合した後の芳香族ビニルモノマーと結合可能であることが好ましい。
ラジカル捕捉剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ラジカル捕捉剤としては、キノン化合物(キノン類)、ナフトキノン化合物(ナフトキノン類)及びフェノチアジン化合物(フェノチアジン類)等が挙げられる。
前記キノン化合物としては、p−ベンゾキノン、p−ナフトキノン、2−t−ブチル−p−ベンゾキノン、及び2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられる。前記ナフトキノン化合物としては、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、及びビタミンK等が挙げられる。
前記フェノチアジン化合物としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、及びビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等が挙げられる。
前記原料組成物における、(D)ラジカル捕捉剤の含有量は、(A)ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.005質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対するラジカル捕捉剤の含有量は、1質量部以下であることが好ましい。
ラジカル捕捉剤の含有量が上記のような範囲内とされると改質ポリプロピレン系樹脂の溶融張力が効果的に高くなり、押出発泡シートの外観がより一層良好になる。
これら以外に原料組成物に含有させる(E)他成分としては、各種添加剤が挙げられる。
[(E)添加剤]
添加剤は、様々な目的に応じて適宜用いられ、特に限定されない。
添加剤の具体例としては、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、消臭剤、光安定剤、結晶核剤、顔料、滑剤、すべり性の付与又はアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、無機充填剤、並びに無機充填剤の分散性を向上させる分散性向上剤等が挙げられる。
前記分散性向上剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
前記の添加剤は、溶融混練される前、又は、溶融混練時に前記原料組成物に含有させてもよい。
また、添加剤は、溶融混練後に添加して改質ポリプロピレン系樹脂に含有させるようにしてもよい。
添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本実施形態に係る改質ポリプロピレン系樹脂は、上記のような成分を含む原料組成物を用いて容易に得ることができ、例えば、次のようにして製造することができる。
(改質ポリプロピレン系樹脂の製造方法)
改質ポリプロピレン系樹脂の製造に際しては、例えば、(A)ポリプロピレン系樹脂100質量部と、(B)有機過酸化物0.1質量部以上1.5質量部以下と、(C)芳香族ビニルモノマー0.1質量部以上10質量部以下とを含む原料組成物を溶融混練して、改質ポリプロピレン系樹脂を得る方法が採用できる。
原料組成物の溶融混練時には、当該原料組成物を良好な溶融状態とするために加熱温度を制御することが好ましい。
前記原料組成物は、その溶融混練時における加熱により反応する。
即ち、前記加熱により有機過酸化物がラジカルを発生させ、当該ラジカルがポリプロピレン系樹脂の三級炭素に結合している水素を攻撃してアルキルラジカルを形成させる。
なお、そのままの状態ではβ開裂が生じポリプロピレン系樹脂の分子切断が生じることになるが本実施形態においては芳香族ビニルモノマーが当該箇所に結合し、分岐構造(架橋構造)を形成する。
芳香族ビニルモノマーは、その添加効果を顕著なものとする観点から、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物とを混合して混合物を得た後に、得られた混合物に添加することが好ましい。
但し、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとは、一括で混合されてもよい。
ラジカル捕捉剤は、芳香族ビニルモノマーを添加する前に添加されてもよく、芳香族ビニルモノマーを添加した後に添加されてもよく、他の成分と一括で混合されてもよい。
添加剤は、芳香族ビニルモノマーを添加する前に添加されてもよく、芳香族ビニルモノマーを添加した後に添加されてもよく、他の成分と一括で混合されてもよい。
原料組成物の溶融混練は、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などの一般的な機器を用いて実施することができる。
前記原料組成物を溶融混練する際には、押出機を用いることが好ましい。
押出機に前記原料組成物を供給して、押出機内で架橋反応をさせて、改質ポリプロピレン系樹脂を形成しつつ、押出機から改質ポリプロピレン系樹脂を押出すことが好ましい。
押出機に前記原料組成物を連続的に供給し、押出機から改質ポリプロピレン系樹脂を連続的に押出すことにより、改質ポリプロピレン系樹脂が効率的に得られる。
前記押出機としては、例えば、単軸押出機及び二軸押出機等が挙げられる。
前記押出機は、単独で、又は複数連結したタンデム型の押出機として、改質ポリプロピレン系樹脂の製造に用いることができる。
特に、ベース樹脂であるポリプロピレン系樹脂に対して、他の成分の分散性及び反応性をより一層高める観点からは、二軸押出機が好ましい。
押出機を用いて溶融混練を実施する場合、ベント機構を設けた押出機を用い、該ベント機構を利用して、溶融混練物の吐出前に残留モノマーや熱分解生成物といったVOCを排出させるようにしてもよい。
本実施形態の改質ポリプロピレン系樹脂の製造方法においては、押出機に二酸化炭素や水を供給して溶融混練した後、二酸化炭素や水を加えた混練物をさらに一定時間溶融混練してから二酸化炭素や水を含むガスを混練物から排出させることで改質ポリプロピレン系樹脂に含有させるVOCの量を調整することもできる。
即ち、改質ポリプロピレン系樹脂の製造方法においては、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとを溶融混練することによってポリプロピレン系樹脂と芳香族ビニルモノマーとを反応させて改質ポリプロピレン系樹脂を作製する反応工程と、反応工程での溶融混練によって得られた改質ポリプロピレン系樹脂からVOCを除去するVOC除去工程を実施することが好ましい。
前記VOC除去工程は、反応工程に連続する形で実施される必要はなく、反応工程で得られた改質ポリプロピレン系樹脂を押出機から吐出させて一旦冷却した後に実施してもよい。
改質ポリプロピレン系樹脂を押出機から吐出させて一旦冷却した後に実施されるVOC除去工程は、例えば、改質ポリプロピレン系樹脂がストランドやシートの状態で実施してもよく、当該ストランドやシートをペレタイズした後のペレットに対して実施してもよい。
例えば、前記VOC除去工程は、改質ポリプロピレン系樹脂ペレットを常温で減圧したり、改質ポリプロピレン系樹脂ペレットを加熱したりすることによって実施することができる。
前記VOC除去工程は、改質ポリプロピレン系樹脂ペレットを減圧環境下で加熱して実施することもできる。
前記VOC除去工程は、反応工程に連続して実施される第1の工程と、押出機から吐出した後に実施される第2の工程とを含む複数回実施されることが好ましい。
前記VOC除去工程は、前記反応工程で得られた改質ポリプロピレン系樹脂に加熱処理を施してVOCを除去することが好ましい。
ここで、前記第2の工程では、ペレットやストランドどうしが融着したりすることを防止することを避ける意味において、ポリプロピレン系樹脂の融点以上の温度条件を採用することが難しい。
従って、前記第2の工程は、例えば、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が90℃以上150℃以下となるように実施されることが好ましい。
前記第2の工程は、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が100℃以上140℃以下となるように実施されることがより好ましい。
前記第2の工程では、上記のような温度での加熱処理が0.5時間以上実施されることが好ましい。
なお、加熱処理の時間は12時間以下であることが好ましい。
上記のように第2の工程では、ポリプロピレン系樹脂の融点以上の温度条件を採用することが難しく、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が融点未満となるように実施される。
一方で前記第1の工程は、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が融点以上となる条件下で実施され、通常、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が150℃を超える状態で実施される。
なお、第1の工程は、改質ポリプロピレン系樹脂の温度が250℃以下の状態で実施されることが好ましい。
上記のように第1の工程と第2の工程とでは温度条件が異なるため、それぞれ、主として除去されるVOCを異ならせることができる。
具体的には、第2の工程では比較的低沸点のVOCが除去され、第1の工程では比較的低沸点のVOCのみならず高沸点のVOCも除去される。
このように温度条件の異なる第1の工程と第2の工程とが実施されることから、本実施形態においては、押出発泡シートの製造に用いる改質ポリプロピレン系樹脂が含有するVOCの量の調整だけでなく成分の調整が容易に実施できることとなる。
前記VOC除去工程は、改質ポリプロピレン系樹脂に含まれる揮発性有機化合物(VOC)を10mg/kg以上2000mg/kg以下となるように実施されることが好ましい。
即ち、押出発泡シートの製造に用いる改質ポリプロピレン系樹脂のVOC含有量は、10mg/kg以上2000mg/kg以下であることが好ましい。
該VOC含有量は、20mg/kg以上であることがより好ましく、30mg/kg以上であることがさらに好ましく、40mg/kg以上であることが特に好ましい。
該VOC含有量は、1800mg/kg以下であることがより好ましく、1500mg/kg以下であることがさらに好ましく、1300mg/kg以下であることが特に好ましい。
本実施形態においては、前記反応工程で前記改質ポリプロピレン系樹脂中にスチレンを残存させ、前記VOC除去工程が実施された後の前記改質ポリプロピレン系樹脂中に1mg/kg以上1000mg/kg以下の割合でVOCとなるスチレンを残存させることが好ましい。
即ち、押出発泡シートの製造に用いる改質ポリプロピレン系樹脂には、揮発除去が可能な状態のスチレンが2mg/kg以上900mg/kg以下の割合で含有されていることが好ましい。
該スチレン含有量は、3mg/kg以上であることがより好ましい。
該スチレン含有量は、800mg/kg以下であることがより好ましく、750mg/kg以下であることがさらに好ましく、740mg/kg以下であることが特に好ましい。
押出発泡シートの製造に用いる改質ポリプロピレン系樹脂において前記スチレンがVOCに占める割合は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
前記VOC除去工程の後は、VOC含有量が調整された前記改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させる押出工程をさらに実施して、前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された発泡層を有する押出発泡シートを製造することができる。
このような製造方法で押出発泡シートを製造することで、前記発泡層における揮発性有機化合物(VOC)の含有量が10mg/kg以上400mg/kg以下の押出発泡シートを作製することができる。
また、本実施形態における押出発泡シートの製造方法では、VOCをより好適な含有量となるように調整することが容易に実施できる。
前記押出工程で押出発泡シートの原材料として利用する改質ポリプロピレン系樹脂組成物には、ベースポリマーである改質ポリプロピレン系樹脂の他に発泡剤や気泡調整剤を含有させることができる。
前記発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素やこれらのハロゲン化物、炭酸ガス及び窒素が挙げられる。
前記気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などが挙げられる。
さらには、加熱分解型の発泡剤としても機能するアゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物なども前記気泡調整剤として用いることができる。
該気泡調整剤や前記発泡剤は、1種単独で用いる必要はなく2種以上を併用してもよい。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物には、さらに前記のような(E)添加剤を1又は2以上加えてもよい。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物は、ベースポリマーを1種類の改質ポリプロピレン系樹脂で構成させる必要はなく、2種類以上の改質ポリプロピレン系樹脂をベースポリマーとして含有してもよい。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物は、改質ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
改質ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂としては、非改質のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂といった改質ポリプロピレン系樹脂に対する相溶性に優れた樹脂が好ましい。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物は、改質ポリプロピレン系樹脂と改質ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂との合計含有量を100質量%とした場合、改質ポリプロピレン系樹脂を60質量%以上含有することが好ましい。
改質ポリプロピレン系樹脂の含有量は、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
改質ポリプロピレン系樹脂組成物に含有させる樹脂は、実質的に改質ポリプロピレン系樹脂のみであってもよい。
該改質ポリプロピレン系樹脂組成物は、サーキュラーダイやフラットダイを装着した押出機を使うなどして押出発泡させることができる。
サーキュラーダイやフラットダイを用いる方法で押出発泡シートを製造する場合、吐出量と引取速度とを調整することによって主として「DMD/DVD」の値を調整することができる。
また、サーキュラーダイを用いる方法で押出発泡シートを製造する場合、押出された円筒状の発泡体に対する拡径によって主として「DTD/DVD」の値を調整することができる。
さらに、フラットダイを用いる方法で押出発泡シートを製造する場合、押出された帯状の発泡体に対して幅方向の延伸を加えることで「DTD/DVD」の値を調整することができる。
前記押出工程で作製される押出発泡シートは、一般的なポリプロピレン系樹脂に比べて高い溶融張力を発揮する改質ポリプロピレン系樹脂が発泡層の形成材料として採用されており、且つ、当該改質ポリプロピレン系樹脂にVOCが適度に含まれているために押出発泡時に高い倍率での発泡が可能で、しかも、気泡膜の伸びが良好となるために独立気泡性に優れたものとなる。
そして、本実施形態で得られる押出発泡シートは、発泡層から臭気が発生するおそれが抑制されており、強度の等方性に優れたものとなっている。
このようなことから本実施形態の押出発泡シートは、熱成形などにおける成形性にも優れる。
押出発泡シートは、改質ポリプロピレン系樹脂を含むことで発泡層が独立気泡性に優れており、しかも、引張強さや伸びなどの特性の等方性に優れるため、カップ容器のような深絞り成形されてもシートの伸びが均等なものとなって成形型への追従性に優れる。
従って、本実施形態の押出発泡シートは、臭気の発生、並びに、強度の異方性が発現することが抑制されるばかりでなく、外観美麗な熱成形品(発泡樹脂成形品)を形成容易なものである。
発泡樹脂成形品を作製すべく押出発泡シートを用いて実施する前記熱成形としては、例えば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形、プレス成形などが挙げられる。
この熱成形により作製する具体的な発泡樹脂成形品としては、容器が好ましい。
このようにして作製される発泡樹脂製容器は、軽量且つ高強度であるばかりでなく大量生産が容易であることから各種の包装用容器として利用されることが好ましい。
また、発泡樹脂製容器は、断熱性などにおいても優れることから食品包装に用いられることが好ましい。
本実施形態の発泡樹脂成形品の表面には、用途に応じて、不織布、金属箔、化粧紙、印刷フィルム等を積層してもよい。
本発明の発泡樹脂成形品は、上記以外にも種々の態様をとることができる。
また、本実施形態においては押出発泡シートや改質ポリプロピレン系樹脂について上記のような例示を行っているが本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例示に限定されるものでもない。
(改質ポリプロピレン系樹脂の作製)
(製造例1)
第1のポリプロピレン系樹脂(ホモポリプロピレン樹脂、サンアロマー社製「PM600A」、MFR=7.5g/10min、密度=0.9g/cm)95質量%と第2のポリポロピレン系樹脂(ブロックポリプロピレン樹脂、サンアロマー社製「PC684S」、MFR=7.5g/10min、密度=0.9g/cm)5質量%と、これらのポリプロピレン系樹脂100質量部に対してt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(化薬アクゾ社製「カヤカルボンBIC−75」、1分間半減期温度:156℃)0.76質量部をスクリューフィーダーで混合し、得られた混合物を、口径が41mmの二軸押出機(L/D=42)に供給し、液体注入ポンプを用いて二軸押出機の途中から、スチレンモノマーをポリプロピレン系樹脂100質量部に対する割合が2.5質量部となるように供給した。
二軸押出機のフィード部からスチレン注入位置までの温度を170℃、それ以降の温度を230℃に設定し、二軸押出機の途中のベント部分から押出機内部を−0.094kPaの減圧状態とし、回転数135rpmの条件にて二軸押出機中で原料組成物を溶融混練し、該溶融混練によってポリプロピレン系樹脂とスチレンとを反応させて改質ポリプロピレン系樹脂を作製した。
該改質ポリプロピレン系樹脂を押出機の先端に取り付けた口径2mm、ランド11mm、孔数9個のダイスから、45kg/hの吐出量でストランド状に押出した。
次いで、押し出されたストランド状の改質ポリプロピレン系樹脂を、30℃の水を収容した冷却水槽中を通過させて、冷却固化させた。
冷却されたストランド状の改質ポリプロピレン系樹脂を、ペレタイザーでカットして、改質ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
その後、該ペレットを熱風乾燥機(松井製作所,HD2−200D―J)に入れ、120℃で9時間の熱処理(VOC除去工程)を実施した。
熱処理によってVOCの一部が除去された後の改質ポリプロピレン系樹脂のVOC含有量は、41mg/kg(内、スチレン含有量は3mg/kg)であった。
(製造例2−9)
ポリプロピレン系樹脂、有機過酸化物、および芳香族ビニルモノマーの配合割合、押出条件、および熱処理条件を以下の表1記載の通りに変更した以外は製造例1と同様にして改質ポリプロピレン系樹脂を製造した。
Figure 2019044060
(実施例1)
製造例1記載(改質ポリプロピレン系樹脂のコード:A)の改質ポリプロピレン系樹脂100質量部と、気泡調整剤(大日精化工業社製「ファインセルマスターHCPO410K」)0.2質量部とをドライブレンドして、混合物を得た。
口径φ50mmの第1押出機の下流側に口径φ65mmの第2押出機が接続されているタンデム押出機を用い、前記混合物をホッパーを通じて第1押出機に供給し、該第1押出機において前記混合物を加熱溶融させて混練した。
その後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)を第1押出機に圧入し、前記混合物とともに溶融混練した。
次いで、この溶融混練物を第2押出機に移送して押出発泡に適した温度に均一に冷却した後、口径60mmの円筒状ダイから吐出量30kg/時間で押出発泡させて、円筒状発泡体を得た。
得られた円筒状発泡体を内部が約20℃の水で冷却されているφ170mmのマンドレル上を沿わせ、またその外面をその径よりも大きいエアリングによりエアーを吹き付けることにより冷却成形し、円周上の1点でカッターにより切開して、帯状の押出発泡シートを得た。
上記のようにここで得られた押出発泡シートは、単一の発泡層のみによって構成された単層構造を有するものである。
該押出発泡シート(発泡層)の特性、引張試験、曲げ試験、および成形時評価の結果を表2に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
表2記載の改質ポリプロピレン系樹脂を用いて、実施例1と同様にして押出発泡シートを作製し、成形評価した。
結果を表2に示す。
(参考例1)
市販の高溶融張力ポリプロピレン樹脂(ボレアリス社製「WB140HMS」、MFR=2.1g/10min、密度=0.9g/cm、VOC含有量=694mg/kg、スチレン含有量=18mg/kg)を用いて、実施例1と同様にして押出発泡シートを作製し、成形評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2019044060
(評価方法)
押出発泡シートに関する具体的な評価方法は以下の通りである。
(連続気泡率)
押出発泡シートから、縦25mm×横25mmのシート状サンプルを複数枚切り出し、切り出したサンプルを空間があかないよう重ね合わせて厚み25mmとして試験片を得た。
得られた試験片の外寸を、(株)ミツトヨ製「デジマチックキャリパ」ノギスを用いて、1/100mmまで測定し、見掛け上の体積(V1:cm)を求めた。
次に、東京サイエンス製(株)「1000型」空気比較式比重計を用いて、1−1/2−1気圧法により試験片の体積(V2:cm)を求めた。
下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験片の連続気泡率の平均値を求めた。
試験片は予め、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23±2℃、相対湿度50±5%)、2級の標準雰囲気下で24時間以上かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下にて測定した。
なお、空気比較式比重計は、標準球(大28.96cm、小8.58cm)にて補正を行った。

連続気泡率(%)=(V1−V2)/V1×100

(V1:ノギスを用いて測定される見掛け上の体積、V2:空気比較式比重計で測定される体積)
(改質ポリプロピレン系樹脂および押出発泡シート(発泡層)のVOC測定)
VOCの測定に際し、改質ポリプロピレン系樹脂のペレットや押出発泡シートは、汚染の防止を目的として作製後、1カ月以内にポリプロピレン製容器(アズワン社製、商品名:アイボーイ)に密閉し、分析が行われるまで室温20℃で保管し、これを試料として使用した。

試料約3mgをGLT管に精秤後、エルシーサイエンス(株)製「TD−4J型」オートサンプラにセットし、250℃で3min加熱して発生した揮発成分を−40℃に保持されたクライオフォーカス部にコールドトラップ濃縮した。

その後、熱脱着してGC/MS測定をおこなった。
なお、GC/MS測定条件は下記に示す通りであり、得られたクロマトグラムよりn−へキサンとn−ヘキサデカンのピーク保持時間の間に検出されるピーク全てについてはトルエン換算にて定量した。
但し約0.1mg/kg以上のピークを定量対象とし、この定量値の総和をVOC含有量とした。
なお、VOC含有量は1000ppmトルエン標準液をGLT管に1μL注入し同様に測定して得られた1点検量線を用いて、以下の式より算出した。

VOC含有量(mg/kg)=(各成分の面積値/トルエン1μgの面積値)/試料重量(g)

またスチレン含有量は、以下の式によって算出した。

スチレン含有量(mg/kg)=
(1μg×スチレンの面積値/トルエン1μgの面積値)/試料質量(g)
[GC/MS測定条件]
測定装置:
日本電子(株)製「JMS−Q1000GCMkII」質量分析計
アジレントテクノロジー(株)製「7890A」ガスクロマトグラフ装置
カラム:
Phenomenex製「ZB−1」キャピラリーカラム(1.0μm×0.25mmφ×60m)

[GCオーブン昇温条件]
初期温度:40℃(3min保持)
第1段階昇温速度:15℃/min(200℃まで)
第2段階昇温速度:25℃/min(250℃まで)
最終温度:250℃(6.33min)
キャリアーガス:He
He流量:1mL/min
注入口温度:250℃
インターフェイス温度:250℃
検出器電圧:−1021V
スプリット比:1/50
イオン源温度:250℃
イオン化電流:300uA
イオン化エネルギー:70eV
検出方法:スキャン法(m/z=40−400)

[熱脱着条件]
装置:
エルシーサイエンス(株)製「TD−4J型」熱脱着装置サーマルディソープション
P&T条件:
PurgeTime:10s
InjectTime:20s
DesorbTime:300s
DelayStartTime:10s
DesorbHeater:250℃
CryoTempHeating:200℃
CryoTempCooling:−40℃
(押出発泡シート(発泡層)の見掛け密度)
押出発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチックおよびゴム−見掛け密度の測定」に記載されている方法により測定した。
具体的には下記のような方法で測定さした。
押出発泡シートから100cm以上の試料を作製し、この試料をJIS K7100:1999の記号23/50、2級環境下で16時間状態調節した後、その寸法、質量を測定して、見掛け密度を下記式により算出した。

見掛け密度(g/cm)=試料の質量(g)/試料の体積(cm
(平均気泡径)
押出発泡シートの幅方向中央部からMD方向(押出方向)に平行し、押出発泡シートの表面に垂直な平面(図3の矢印1)に沿って押出発泡シートを切断した断面(以下、MD断面という)、及び、TD方向(押出発泡シートの表面において押出方向と直交する方向)に平行し、押出発泡シートの表面に垂直な平面(図3の矢印2)に沿って押出発泡シートを切断した断面(以下、TD断面という)を、それぞれ(株)日立ハイテクノロジーズ製「SU1510」走査電子顕微鏡(SEM)を用いて18倍に拡大して撮影した。
MD断面、及び、TD断面のそれぞれに対し、2視野ずつ合計4視野の顕微鏡画像を撮影した。
MD断面の2つの画像のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてMD方向に気泡の直径が最も長くなるところを測長した。
2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、MD方向の平均気泡径DMDとした。
TD断面の2つの画像のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてTD方向に気泡の直径が最も長くなるところを測長した。
2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、TD方向の平均気泡径DTDとした。
MD断面の1つの画像とTD断面の1つの画像のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてMD方向とTD方向の各方向に直交する方向(VD方向)に気泡の直径が最も長くなるところを測長した。
2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、VD方向の平均気泡径DVDとした。

MD:MD方向の平均気泡径(μm)
TD:TD方向の平均気泡径(μm)
VD:VD方向の平均気泡径(μm)
(引張試験)
引張試験はJIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載の方法に準拠して測定した。
測定は、(株)オリエンテック製「テンシロンUCT−10T」万能試験機、ソフトブレーン(株)製「UTPS−458X」万能試験機データ処理を用いて、引張速度500mm/minで実施し、つかみ具間隔は100mmとし、 試験片はダンベル形タイプ1(ISO1798規定)とした。
試験片の数は最小5個とした。
測定は、試験片をJIS K7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で24時間以上かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下にて実施した。

最大点応力σ(MPa)は次式により算出した。

σ=F/W

σ:最大点応力(MPa)
:最大点荷重(N)
:試験片の幅(mm)
:試験片の厚さ(mm)

弾性率E(MPa)は次式により算出した。

=α/W

:弾性率(MPa)
α:弾性率勾配(N/mm)
:初期試料長(mm)
:試験片の幅(mm)
:試験片の厚さ(mm)
(曲げ試験)
曲げ試験はJIS K7171:2008「プラスチック−曲げ特性の試験方法」記載の方法に準拠して測定した。
測定は、(株)オリエンテック製「テンシロンUCT−10T」万能試験機、ソフトブレーン(株)製「UTPS−458X」万能試験機データ処理を用い、試験片サイズは幅25mm×長さ40mmとし、圧縮速度を1mm/minとして、加圧くさび5R 、支持台2Rとして支点間距離を32mmとして実施した。
試験片の数は最小5個とした。
測定は、試験片をJIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23±2℃、相対湿度50±5%)、2級の標準雰囲気下で24時間以上かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で実施した。
変位の原点を回帰点とし、最大点応力および弾性率を求めた。

最大点応力σ(MPa)は次式により算出した。

σ=3F/2W(t

σ:最大点応力(MPa)
:最大点荷重(N)
:支点間距離(mm)
:試験片の幅(mm)
:試験片の厚さ(mm)

弾性率E(MPa)は、ソフトブレーン(株)製「UTPS−458X」万能試験機データ処理を用いて、荷重−変位曲線の立ち上がりの直線部分から、次式により算出した。

=α(L/4W(t

:弾性率(MPa)
α:弾性率勾配(N/mm)
:支点間距離(mm)
:試験片の幅(mm)
:試験片の厚さ(mm)
(成形評価)
作製した各押出発泡シートから縦700mm×横640mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、単発成形機(東成産業社製 商品名「ユニック自動成形機 FM−3A」)を用意し、この単発成形機の上側ヒーターの平均温度を274℃、下側ヒーターの平均温度を237℃、上側雰囲気温度を183℃、下側雰囲気温度を180℃にした。
次に、上記試験片を単発成形機に導入して35秒および45秒間各々加熱した後に、直径10mm(上面)×直径35mm(底面)で高さが違う円錐台を22個配置した金型を用いて、金型表面温度を50℃に温調し、加熱成形を行なった。
加熱成形は各加熱秒数に対してn=3実施した。
22個の円錐台の高さは、表1に示す通りである。
そして、各加熱秒数で成形した成形品を目視観察し、各円錐形状に破れが無いもののうち、最も高さの高い円錐台のNoの値をその成形での得点とした。
同様の成形をさらに2回行い、合計3回の成形での得点を平均して伸びの数値とした。
Figure 2019044060
(臭気官能試験)
上記熱成形において、試験片を単発成形機に導入して45秒間加熱後、成形した成形品の臭いを嗅ぎ、以下の基準で評価した。

◎:成形品から臭気を殆ど感じられない。
○:成形品から僅かに臭気を感じる。
×:成形品から強い臭気を感じる。
以上のことからも、本発明によればVOC残存量が低く、しかも、強度の異方性が抑制された押出発泡シートや発泡樹脂成形品が提供され得ることがわかる。
1:押出発泡シート、10:発泡層、20,20’:非発泡層

Claims (7)

  1. 改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された発泡層を有する押出発泡シートであって、
    前記改質ポリプロピレン系樹脂がポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとの反応物で、
    前記発泡層における揮発性有機化合物(VOC)の含有量が10mg/kg以上400mg/kg以下であり、
    前記発泡層は、押出方向における平均気泡径を[DMD(μm)]、シート幅方向における平均気泡径を[DTD(μm)]、厚み方向における平均気泡径を[DVD(μm)]としたときに下記関係式(1)及び(2)の両方を満足する押出発泡シート。

    1.6 ≦ (DMD/DVD) ≦ 2.5 ・・・(1)
    2.7 ≦ (DTD/DVD) ≦ 3.8 ・・・(2)
  2. 前記芳香族ビニルモノマーがスチレンである請求項1記載の押出発泡シート。
  3. 前記揮発性有機化合物(VOC)にはスチレンが含まれており、
    前記発泡層におけるスチレンの含有量が5mg/kg以上100mg/kg以下である請求項1又は2記載の押出発泡シート。
  4. 前記発泡層の連続気泡率が20%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の押出発泡シート。
  5. 熱成形品によって一部又は全部が構成されており、該熱成形品が押出発泡シートで構成されている発泡樹脂成形品であって、
    前記熱成形品が請求項1乃至4の何れか1項に記載の押出発泡シートで構成されている発泡樹脂成形品。
  6. ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と芳香族ビニルモノマーとを溶融混練することによって反応させて改質ポリプロピレン系樹脂を作製する反応工程と、
    該反応工程で得られた前記改質ポリプロピレン系樹脂に加熱処理を施し、該改質ポリプロピレン系樹脂に含まれている揮発性有機化合物(VOC)を除去して改質ポリプロピレン系樹脂における揮発性有機化合物(VOC)の含有量を10mg/kg以上2000mg/kg以下とするVOC除去工程とを実施し、
    該VOC除去工程が実施された前記改質ポリプロピレン系樹脂を含む改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させる押出工程をさらに実施し、
    前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物によって形成された発泡層を有する押出発泡シートを製造する押出発泡シートの製造方法。
  7. 前記芳香族ビニルモノマーとしてスチレンを用い、
    前記反応工程では、前記改質ポリプロピレン系樹脂中にスチレンを残存させ、
    前記VOC除去工程が実施された後の前記改質ポリプロピレン系樹脂中に1mg/kg以上1000mg/kg以下の割合でスチレンを残存させる請求項6記載の押出発泡シートの製造方法。
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