JP2019019048A - 炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法、炭素質被覆黒鉛粒子、リチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池 - Google Patents
炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法、炭素質被覆黒鉛粒子、リチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子を製造する。【解決手段】球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、上記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、上記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の上記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の上記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の上記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法、炭素質被覆黒鉛粒子、リチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として、炭素質被覆黒鉛粒子が使用されている。
炭素質被覆黒鉛粒子を製造する方法として、特許文献1には、所定の黒鉛粒子と炭素質前駆体とを混合して得られた混合物を焼成する方法が開示されている。
より詳細には、特許文献1の方法は、「…混合物を、酸化性雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程」、および、「…第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を非酸化性雰囲気中、700℃〜2000℃の温度範囲で焼成して、…炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程」を有する([請求項1])。
特許文献1において、第1の焼成工程の酸化性雰囲気は、「5〜50体積%の酸素を含む不活性ガス雰囲気が好ましい」とされている(段落[0013])。
より詳細には、特許文献1の方法は、「…混合物を、酸化性雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程」、および、「…第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を非酸化性雰囲気中、700℃〜2000℃の温度範囲で焼成して、…炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程」を有する([請求項1])。
特許文献1において、第1の焼成工程の酸化性雰囲気は、「5〜50体積%の酸素を含む不活性ガス雰囲気が好ましい」とされている(段落[0013])。
同様の方法が特許文献2にも開示されている。特許文献2において、第1の焼成工程の雰囲気は「真空」である(段落[0051])。
本発明者らは、特許文献1〜2に記載された方法により製造された炭素質被覆黒鉛粒子について検討した。その結果、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に、高速充電特性が不十分である(1C充電率の値が小さい)場合があった。
そこで、本発明は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子を製造する、炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子、ならびに、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池を提供することも目的とする。
さらに、本発明は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子、ならびに、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、第1の焼成工程における雰囲気を特定の雰囲気とすることにより、高速充電特性が良好になることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、上記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、上記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の上記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の上記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の上記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[2]上記炭素質被覆黒鉛粒子の、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、上記[1]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[3]上記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、上記[1]または[2]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[4]90〜98質量%の球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子であって、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、炭素質被覆黒鉛粒子。
[5]上記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、上記[4]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子。
[6]上記[4]または[5]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極。
[7]上記[6]に記載の負極を有するリチウムイオン二次電池。
[1]球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、上記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、上記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の上記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の上記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の上記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[2]上記炭素質被覆黒鉛粒子の、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、上記[1]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[3]上記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、上記[1]または[2]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
[4]90〜98質量%の球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子であって、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、炭素質被覆黒鉛粒子。
[5]上記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、上記[4]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子。
[6]上記[4]または[5]に記載の炭素質被覆黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極。
[7]上記[6]に記載の負極を有するリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子を製造する、炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法を提供できる。
さらに、本発明によれば、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子、ならびに、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池も提供できる。
さらに、本発明によれば、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる炭素質被覆黒鉛粒子、ならびに、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、および、リチウムイオン二次電池も提供できる。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法]
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」)は、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、上記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、上記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の上記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の上記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の上記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法である。
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」)は、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、上記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、上記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の上記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の上記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の上記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法である。
本発明の製造方法においては、第1の焼成工程の焼成を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満、好ましくは酸素濃度が0.5〜4.0体積%、より好ましくは酸素濃度が1.0〜2.0体積%の雰囲気中で行なう。これにより、得られる炭素質被覆黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に、高速充電特性に優れる。これは、得られる炭素質被覆黒鉛粒子が特定の細孔を有するためと推測される。
以下、本発明の製造方法の各工程をより詳細に説明する。
以下、本発明の製造方法の各工程をより詳細に説明する。
〈混合工程〉
混合工程は、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する工程である。
混合工程は、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する工程である。
《球状および/または楕円状の黒鉛粒子》
球状および/または楕円状の黒鉛粒子は、形状が球状および/または楕円状である黒鉛粒子であり、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでもよいが、結晶性が高いなどの理由から、天然黒鉛粒子の方が好ましい。
球状および/または楕円状の黒鉛粒子としては、例えば、後述する鱗片状の黒鉛粒子を、球状および/または楕円状に加工した黒鉛粒子を使用できる。このとき、造粒助剤を用いずに、機械的外力を加えて、機械的に粉砕および造粒することが好ましい。
球状および/または楕円状の黒鉛粒子は、形状が球状および/または楕円状である黒鉛粒子であり、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでもよいが、結晶性が高いなどの理由から、天然黒鉛粒子の方が好ましい。
球状および/または楕円状の黒鉛粒子としては、例えば、後述する鱗片状の黒鉛粒子を、球状および/または楕円状に加工した黒鉛粒子を使用できる。このとき、造粒助剤を用いずに、機械的外力を加えて、機械的に粉砕および造粒することが好ましい。
球状および/または楕円状の黒鉛粒子の平均粒子径は、特に限定されず、例えば、1〜50μmであり、5〜30μmが好ましい。
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定した粒度分布の累積度数が、体積百分率で50%となる粒子径である(以下、同様)。
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定した粒度分布の累積度数が、体積百分率で50%となる粒子径である(以下、同様)。
球状および/または楕円状の黒鉛粒子の平均アスペクト比は、特に限定されず、例えば、5.0以下であり、2.0以下が好ましい。
平均アスペクト比は、次のように求める。まず、被測定粒子の300倍の走査型電子顕微鏡像をイメージアナライザー(東洋紡績(株)製)を用いて画像処理し、任意の50個の粒子のアスペクト比(長軸方向の長さと、それに直交する短軸方向の長さとの比)を求め、その平均値を平均アスペクト比とする。
平均アスペクト比は、次のように求める。まず、被測定粒子の300倍の走査型電子顕微鏡像をイメージアナライザー(東洋紡績(株)製)を用いて画像処理し、任意の50個の粒子のアスペクト比(長軸方向の長さと、それに直交する短軸方向の長さとの比)を求め、その平均値を平均アスペクト比とする。
《鱗片状の黒鉛粒子》
鱗片状の黒鉛粒子は、形状が鱗片状である黒鉛粒子であり、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでもよい。鱗片状とは、板状およびタブレット状を含む概念である。鱗片状の黒鉛粒子は、鱗片状の黒鉛粒子が途中で屈曲した状態のものや、粒子端部が丸められた状態のものも含む。
鱗片状の黒鉛粒子の平均粒子径は、本発明の効果がより優れるという理由から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、例えば、1μm以上である。
鱗片状の黒鉛粒子は、形状が鱗片状である黒鉛粒子であり、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでもよい。鱗片状とは、板状およびタブレット状を含む概念である。鱗片状の黒鉛粒子は、鱗片状の黒鉛粒子が途中で屈曲した状態のものや、粒子端部が丸められた状態のものも含む。
鱗片状の黒鉛粒子の平均粒子径は、本発明の効果がより優れるという理由から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、例えば、1μm以上である。
《炭素質前駆体》
炭素質前駆体としては、例えば、タールピッチ類および樹脂類からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
タールピッチ類の具体例としては、コールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、および、ヘビーオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。タールピッチ類としては、例えば、コールタールピッチ(溶質)をタール中油(溶媒)中に溶解させた、コールタールピッチのタール中油溶液なども好適に挙げられる。
樹脂類としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂;等が挙げられる。
炭素質前駆体としては、コスト面で有利であるという理由から、樹脂類を含まず、タールピッチ類のみからなることが好ましい。
炭素質前駆体としては、例えば、タールピッチ類および樹脂類からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
タールピッチ類の具体例としては、コールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、および、ヘビーオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。タールピッチ類としては、例えば、コールタールピッチ(溶質)をタール中油(溶媒)中に溶解させた、コールタールピッチのタール中油溶液なども好適に挙げられる。
樹脂類としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂;等が挙げられる。
炭素質前駆体としては、コスト面で有利であるという理由から、樹脂類を含まず、タールピッチ類のみからなることが好ましい。
《混合》
上記成分(球状および/または楕円状の黒鉛粒子、鱗片状の黒鉛粒子、ならびに、炭素質前駆体)を混合する。これにより、混合物を得る。混合方法は、上記成分が均質に混合できれば特に限定されず、公知の混合方法が用いられる。
混合は、加熱を伴う加熱混合であってもよい。例えば、炭素質前駆体として、タール軽油、タール中油などの液体を溶媒として含む炭素質前駆体を用いる場合がある。この場合、200℃以下程度の温度で加熱混合して溶媒を揮発させてから、次の第1の焼成工程に進むことが好ましい。
加熱混合の方法は、特に限定されないが、例えば、ヒーターや熱媒などの加熱機構を有する二軸式のニーダー(二軸ニーダー)を用いて混合する方法が好適に挙げられる。
上記成分(球状および/または楕円状の黒鉛粒子、鱗片状の黒鉛粒子、ならびに、炭素質前駆体)を混合する。これにより、混合物を得る。混合方法は、上記成分が均質に混合できれば特に限定されず、公知の混合方法が用いられる。
混合は、加熱を伴う加熱混合であってもよい。例えば、炭素質前駆体として、タール軽油、タール中油などの液体を溶媒として含む炭素質前駆体を用いる場合がある。この場合、200℃以下程度の温度で加熱混合して溶媒を揮発させてから、次の第1の焼成工程に進むことが好ましい。
加熱混合の方法は、特に限定されないが、例えば、ヒーターや熱媒などの加熱機構を有する二軸式のニーダー(二軸ニーダー)を用いて混合する方法が好適に挙げられる。
〈第1の焼成工程〉
第1の焼成工程は、混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する工程である。
第1の焼成工程は、混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する工程である。
上述したように、第1の焼成工程において、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中で焼成することにより、得られる炭素質被覆黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として用いた場合に高速充電特性に優れる。
第1の焼成工程における雰囲気は、酸素以外は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガスからなることが好ましい。
第1の焼成工程における雰囲気は、酸素以外は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガスからなることが好ましい。
第1の焼成工程においては、混合工程で得られた混合物を攪拌しながら焼成することが好ましく、例えば、ロータリーキルンを好適に使用できる。
焼成は、複数段階の焼成であってもよい。焼成の温度範囲は、300℃以上700℃未満であり、400℃以上600℃以下が好ましい。焼成時間は、特に限定されず、例えば、5分間以上50時間以下である。
焼成は、複数段階の焼成であってもよい。焼成の温度範囲は、300℃以上700℃未満であり、400℃以上600℃以下が好ましい。焼成時間は、特に限定されず、例えば、5分間以上50時間以下である。
〈第2の焼成工程〉
第2の焼成工程は、第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成する工程である。
第2の焼成工程における焼成により、上述した炭素質前駆体が炭素質となり、この炭素質で黒鉛粒子(球状および/または楕円状の黒鉛粒子、ならびに、鱗片状の黒鉛粒子)を被覆した炭素質被覆黒鉛粒子が得られる。以下、得られる炭素質被覆黒鉛粒子を「本発明の炭素質被覆黒鉛粒子」ともいう。
第2の焼成工程は、第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成する工程である。
第2の焼成工程における焼成により、上述した炭素質前駆体が炭素質となり、この炭素質で黒鉛粒子(球状および/または楕円状の黒鉛粒子、ならびに、鱗片状の黒鉛粒子)を被覆した炭素質被覆黒鉛粒子が得られる。以下、得られる炭素質被覆黒鉛粒子を「本発明の炭素質被覆黒鉛粒子」ともいう。
第2の焼成工程において、非酸化性雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が挙げられる。例えば、管状炉の内部に第1の焼成物を配置し、不活性ガスを流通させながら、焼成することができる。
焼成は、複数段階で焼成であってもよい。焼成の温度範囲は、700℃以上2000℃以下であり、900℃以上1800℃以下が好ましく、1100℃以上1600℃以下がより好ましく、1150℃以上1350℃以下がさらに好ましい。焼成時間は、特に限定されず、例えば、5分間以上30時間以下である。
焼成は、複数段階で焼成であってもよい。焼成の温度範囲は、700℃以上2000℃以下であり、900℃以上1800℃以下が好ましく、1100℃以上1600℃以下がより好ましく、1150℃以上1350℃以下がさらに好ましい。焼成時間は、特に限定されず、例えば、5分間以上30時間以下である。
[炭素質被覆黒鉛粒子]
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子において、球状および/または楕円状の黒鉛粒子の割合は、90〜98質量%であり、92〜96質量%が好ましい。鱗片状の黒鉛粒子の割合は、1〜5質量%であり、1〜3質量%が好ましい。炭素質の割合は、1〜5質量%であり、2〜4質量%が好ましい。
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子において、球状および/または楕円状の黒鉛粒子の割合は、90〜98質量%であり、92〜96質量%が好ましい。鱗片状の黒鉛粒子の割合は、1〜5質量%であり、1〜3質量%が好ましい。炭素質の割合は、1〜5質量%であり、2〜4質量%が好ましい。
炭素質被覆黒鉛粒子における各成分の割合(単位:質量%)は、炭素質被覆黒鉛粒子の全体の平均として上記範囲内にあればよく、例えば、上記範囲以外の炭素質被覆黒鉛粒子を一部含んでいてもよい。
炭素質被覆黒鉛粒子における各成分の割合は、次のように求める。
まず、炭素質前駆体の残炭率を求める。残炭率は、炭素質前駆体(複数種の場合を含む)のみに炭素質被覆黒鉛粒子と同じ熱履歴を付与して炭素質とした場合における、仕込み量に対する残量の割合で定義される。
求めた炭素質前駆体の残炭率から、炭素質被覆黒鉛粒子における炭素質の割合(単位:質量%)を求める。
次いで、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子との仕込み量比から、両者の割合(単位:質量%)を求める。
一例として、炭素質被覆黒鉛粒子における炭素質の割合が「3質量%」である場合、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と鱗片状の黒鉛粒子との合計割合は97質量%となる。両者の仕込み量比(質量比)が95:2であるとすると、球状および/または楕円状の黒鉛粒子の割合が「95質量%」、鱗片状の黒鉛粒子の割合が「2質量%」となる。
まず、炭素質前駆体の残炭率を求める。残炭率は、炭素質前駆体(複数種の場合を含む)のみに炭素質被覆黒鉛粒子と同じ熱履歴を付与して炭素質とした場合における、仕込み量に対する残量の割合で定義される。
求めた炭素質前駆体の残炭率から、炭素質被覆黒鉛粒子における炭素質の割合(単位:質量%)を求める。
次いで、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子との仕込み量比から、両者の割合(単位:質量%)を求める。
一例として、炭素質被覆黒鉛粒子における炭素質の割合が「3質量%」である場合、球状および/または楕円状の黒鉛粒子と鱗片状の黒鉛粒子との合計割合は97質量%となる。両者の仕込み量比(質量比)が95:2であるとすると、球状および/または楕円状の黒鉛粒子の割合が「95質量%」、鱗片状の黒鉛粒子の割合が「2質量%」となる。
〈細孔容積〉
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子においては、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満であることが好ましい。
このような細孔容積は、上述した第1の焼成工程における焼成を酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中で行なうことにより得られ、これにより、高速充電特性が優れると考えられる。
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子においては、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満であることが好ましい。
このような細孔容積は、上述した第1の焼成工程における焼成を酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中で行なうことにより得られ、これにより、高速充電特性が優れると考えられる。
本発明の効果がより優れるという理由から、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和は、1.9×10−3cm3/g以上が好ましく、2.0×10−3cm3/g以上がより好ましく、2.1×10−3cm3/g以上がさらに好ましい。
一方、上限については、同様の理由から、3.8×10−3cm3/g以下が好ましく、3.5×10−3cm3/g以下がより好ましく、3.0×10−3cm3/g以下がさらに好ましい。
一方、上限については、同様の理由から、3.8×10−3cm3/g以下が好ましく、3.5×10−3cm3/g以下がより好ましく、3.0×10−3cm3/g以下がさらに好ましい。
本発明の効果がより優れるという理由から、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率は、74%以上が好ましく、78%以上がより好ましい。
一方、上限については、同様の理由から、90%以下が好ましく、87%以下がより好ましい。
一方、上限については、同様の理由から、90%以下が好ましく、87%以下がより好ましい。
細孔径および細孔容積は、窒素ガス吸着法によって測定する。より詳細には、窒素ガスのBET吸着法によって測定する。高精度ガス/蒸気吸着量測定装置(ベルソープ社製)を用いて横軸に細孔径、縦軸に細孔容積(累積体積)をプロットして求める。
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子の平均粒子径は、1〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
〈リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料(負極材料)〉
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として好適に用いられる。
以下、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料を、便宜的に「負極材料」ともいう。
さらに、「炭素質被覆黒鉛粒子」も「負極材料」という場合がある。このため、「本発明の炭素質被覆黒鉛粒子」を「本発明の負極材料」ともいう。
本発明の炭素質被覆黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料として好適に用いられる。
以下、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料を、便宜的に「負極材料」ともいう。
さらに、「炭素質被覆黒鉛粒子」も「負極材料」という場合がある。このため、「本発明の炭素質被覆黒鉛粒子」を「本発明の負極材料」ともいう。
[リチウムイオン二次電池用負極(負極)]
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、本発明の負極材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極である。リチウムイオン二次電池用負極を単に「負極」ともいう。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、本発明の負極材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極である。リチウムイオン二次電池用負極を単に「負極」ともいう。
本発明の負極は、通常の負極に準じて作製される。
負極の作製時には、本発明の負極材料に結合剤を加えて予め調製した負極合剤を用いることが好ましい。負極合剤には、本発明の炭素質被覆黒鉛粒子以外の活物質や導電材が含まれていてもよい。
結合剤としては、電解質に対して、化学的および電気化学的に安定性を示すものが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂;ポリエチレン、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの樹脂;カルボキシメチルセルロース;等が用いられ、これらを2種以上併用することもできる。
結合剤は、通常、負極合剤の全量中の1〜20質量%程度の割合で用いられる。
負極の作製時には、本発明の負極材料に結合剤を加えて予め調製した負極合剤を用いることが好ましい。負極合剤には、本発明の炭素質被覆黒鉛粒子以外の活物質や導電材が含まれていてもよい。
結合剤としては、電解質に対して、化学的および電気化学的に安定性を示すものが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂;ポリエチレン、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの樹脂;カルボキシメチルセルロース;等が用いられ、これらを2種以上併用することもできる。
結合剤は、通常、負極合剤の全量中の1〜20質量%程度の割合で用いられる。
より具体的には、まず、任意で、本発明の負極材料を分級などにより所望の粒度に調整する。その後、本発明の負極材料を結合剤と混合し、得られた混合物を溶剤に分散させて、ペースト状の負極合剤を調製する。溶剤としては、水、イソピロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。混合や分散には、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどが用いられる。
調製したペーストを、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥する。こうして、集電体に均一かつ強固に密着した負極合剤層(負極)が得られる。負極合剤層の厚さは、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行なうことにより、負極合剤層(負極)と集電体との密着強度をより高めることができる。
集電体の形状は、特に限定されないが、例えば、箔状、メッシュ、エキスパンドメタルなどの網状などである。集電体の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが好ましい。集電体の厚さは、箔状の場合で5〜20μm程度が好ましい。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行なうことにより、負極合剤層(負極)と集電体との密着強度をより高めることができる。
集電体の形状は、特に限定されないが、例えば、箔状、メッシュ、エキスパンドメタルなどの網状などである。集電体の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが好ましい。集電体の厚さは、箔状の場合で5〜20μm程度が好ましい。
[リチウムイオン二次電池]
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極を有するリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極のほかに、さらに、正極および非水電解質などを有する。本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、負極、非水電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することにより構成される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極を有するリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極のほかに、さらに、正極および非水電解質などを有する。本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、負極、非水電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することにより構成される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択できる。
〈正極〉
正極の材料(正極活物質)は、充分量のリチウムを吸蔵/離脱し得るものを選択するのが好ましい。正極活物質としては、リチウムのほか、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物;一般式MXMo6S8−Y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値である)で表されるシェブレル相化合物;活性炭;活性炭素繊維;等が挙げられる。バナジウム酸化物は、V2O5、V6O13、V2O4、V3O8で示される。
正極の材料(正極活物質)は、充分量のリチウムを吸蔵/離脱し得るものを選択するのが好ましい。正極活物質としては、リチウムのほか、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物;一般式MXMo6S8−Y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値である)で表されるシェブレル相化合物;活性炭;活性炭素繊維;等が挙げられる。バナジウム酸化物は、V2O5、V6O13、V2O4、V3O8で示される。
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属とを固溶したものであってもよい。複合酸化物は単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1−XM2 XO2(式中M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦1の範囲の数値である)、または、LiM1 1−YM2 YO4(式中M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、Yは0≦Y≦1の範囲の数値である)で示される。
M1、M2で示される遷移金属元素は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Ti、Cr、V、Alなどである。好ましい具体例は、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9Co0.1O2、LiNi0.5Co0.5O2などである。
リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物、水酸化物、塩類等を出発原料とし、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1−XM2 XO2(式中M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦1の範囲の数値である)、または、LiM1 1−YM2 YO4(式中M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、Yは0≦Y≦1の範囲の数値である)で示される。
M1、M2で示される遷移金属元素は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Ti、Cr、V、Alなどである。好ましい具体例は、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9Co0.1O2、LiNi0.5Co0.5O2などである。
リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物、水酸化物、塩類等を出発原料とし、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
正極活物質は、上述した化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。例えば、正極中に炭酸リチウム等の炭素塩を添加できる。正極を形成するに際しては、従来公知の導電剤や結着剤などの各種添加剤を適宜に使用できる。
正極は、例えば、正極活物質と、結合剤と、正極に導電性を付与するための導電剤とからなる正極合剤を、集電体の両面に塗布して正極合剤層を形成して作製される。
結合剤としては、負極の作製に使用される結合剤を使用できる。
導電剤としては、黒鉛化物、カーボンブラックなどの公知の導電剤が使用される。
集電体の形状は特に限定されないが、箔状または網状等が挙げられる。集電体の材質は、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等である。集電体の厚さは、10〜40μmが好ましい。
正極も、負極と同様に、ペースト状の正極合剤を、集電体に塗布、乾燥し、その後、プレス加圧等の圧着を行なってもよい。
結合剤としては、負極の作製に使用される結合剤を使用できる。
導電剤としては、黒鉛化物、カーボンブラックなどの公知の導電剤が使用される。
集電体の形状は特に限定されないが、箔状または網状等が挙げられる。集電体の材質は、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等である。集電体の厚さは、10〜40μmが好ましい。
正極も、負極と同様に、ペースト状の正極合剤を、集電体に塗布、乾燥し、その後、プレス加圧等の圧着を行なってもよい。
〈非水電解質〉
非水電解質は液状の非水電解質(非水電解質液)としてもよく、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質としてもよい。
前者の場合、非水電解質電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池として構成される。後者の場合、非水電解質電池は、高分子固体電解質、高分子ゲル電解質電池などの高分子電解質電池として構成される。
非水電解質は液状の非水電解質(非水電解質液)としてもよく、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質としてもよい。
前者の場合、非水電解質電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池として構成される。後者の場合、非水電解質電池は、高分子固体電解質、高分子ゲル電解質電池などの高分子電解質電池として構成される。
非水電解質としては、通常の非水電解質液に使用される電解質塩である、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF2OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN((CF3)2CHOSO2)2、LiB[{C6H3(CF3)2}]4、LiAlCl4、LiSiF6などのリチウム塩が用いられる。酸化安定性の点からは、LiPF6、LiBF4が好ましい。
非水電解質液中の電解質塩の濃度は、0.1〜5.0mol/Lが好ましく、0.5〜3.0mol/Lがより好ましい。
非水電解質液中の電解質塩の濃度は、0.1〜5.0mol/Lが好ましく、0.5〜3.0mol/Lがより好ましい。
非水電解質液を調製するための溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート;1、1−または1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1、3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;スルホラン、メチルスルホランなどのチオエーテル;アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、ジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒;等が挙げられる。
非水電解質を、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質とする場合、マトリクスとして可塑剤(非水電解質液)でゲル化された高分子を用いることが好ましい。
マトリクスを構成する高分子としては、ポリエチレンオキサイド、その架橋体などのエーテル系高分子化合物;ポリ(メタ)アクリレート系高分子化合物;ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物;等が好適に用いられる。
可塑剤である非水電解質液中の電解質塩の濃度は、0.1〜5.0mol/Lが好ましく、0.5〜2.0mol/Lがより好ましい。
高分子電解質において、可塑剤の割合は、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
マトリクスを構成する高分子としては、ポリエチレンオキサイド、その架橋体などのエーテル系高分子化合物;ポリ(メタ)アクリレート系高分子化合物;ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物;等が好適に用いられる。
可塑剤である非水電解質液中の電解質塩の濃度は、0.1〜5.0mol/Lが好ましく、0.5〜2.0mol/Lがより好ましい。
高分子電解質において、可塑剤の割合は、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
〈セパレータ〉
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータも使用できる。
セパレータは、その材質は特に限定されないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが用いられる。これらのうち、合成樹脂製微多孔膜が好ましく、なかでも、ポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面でより好ましい。ポリオレフィン系微多孔膜としては、ポリエチレン製微多孔膜、ポリプロピレン製微多孔膜、これらを複合した微多孔膜などが好適に挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータも使用できる。
セパレータは、その材質は特に限定されないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが用いられる。これらのうち、合成樹脂製微多孔膜が好ましく、なかでも、ポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面でより好ましい。ポリオレフィン系微多孔膜としては、ポリエチレン製微多孔膜、ポリプロピレン製微多孔膜、これらを複合した微多孔膜などが好適に挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
〈実施例1〉
《炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)の作製》
平均粒子径20μmの球状に加工された平均アスペクト比1.4の天然黒鉛粒子と、平均粒子径5μmの鱗片状の天然黒鉛粒子と、コールタールピッチ(残炭率50%)のタール中油溶液とを、得られる炭素質被覆黒鉛粒子における割合(単位:質量%)が下記表1に示す割合となるように配合し、二軸ニーダーを用いて、150℃に加熱して60分間混合した(混合工程)。これにより混合物を得た。
得られた混合物に対して、ロータリーキルンを用い、酸素濃度が1.0体積%の雰囲気(酸素以外は、窒素)中、500℃で3時間の焼成を行なった(第1の焼成工程)。これにより、第1の焼成物を得た。
次いで、得られた第1の焼成物に対して、管状炉を用いて、窒素2L/min流通下、1300℃で3時間の焼成を行なった(第2の焼成工程)。これにより、負極材料として用いられる炭素質被覆黒鉛粒子を得た。
得られた炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)について、窒素ガス吸着法により、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和、および、この総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率を求めた。結果を下記表1に示す。
《炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)の作製》
平均粒子径20μmの球状に加工された平均アスペクト比1.4の天然黒鉛粒子と、平均粒子径5μmの鱗片状の天然黒鉛粒子と、コールタールピッチ(残炭率50%)のタール中油溶液とを、得られる炭素質被覆黒鉛粒子における割合(単位:質量%)が下記表1に示す割合となるように配合し、二軸ニーダーを用いて、150℃に加熱して60分間混合した(混合工程)。これにより混合物を得た。
得られた混合物に対して、ロータリーキルンを用い、酸素濃度が1.0体積%の雰囲気(酸素以外は、窒素)中、500℃で3時間の焼成を行なった(第1の焼成工程)。これにより、第1の焼成物を得た。
次いで、得られた第1の焼成物に対して、管状炉を用いて、窒素2L/min流通下、1300℃で3時間の焼成を行なった(第2の焼成工程)。これにより、負極材料として用いられる炭素質被覆黒鉛粒子を得た。
得られた炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)について、窒素ガス吸着法により、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和、および、この総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率を求めた。結果を下記表1に示す。
《負極の作製》
得られた炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)98質量部、カルボキシメチルセルロース(結合剤)1質量部、および、スチレンブタジエンゴム(結合剤)1質量部を水に入れ、攪拌することにより、負極合剤ペーストを調製した。
調製した負極合剤ペーストを、銅箔に均一な厚さで塗布し、真空中90℃で水を揮発させ、乾燥し、負極合剤層を形成した。次いで、この負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。その後、銅箔および負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いた。これにより、銅箔からなる集電体に密着した負極を作製した。
得られた炭素質被覆黒鉛粒子(負極材料)98質量部、カルボキシメチルセルロース(結合剤)1質量部、および、スチレンブタジエンゴム(結合剤)1質量部を水に入れ、攪拌することにより、負極合剤ペーストを調製した。
調製した負極合剤ペーストを、銅箔に均一な厚さで塗布し、真空中90℃で水を揮発させ、乾燥し、負極合剤層を形成した。次いで、この負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。その後、銅箔および負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いた。これにより、銅箔からなる集電体に密着した負極を作製した。
《正極の作製》
リチウム金属箔をニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いた。これにより、ニッケルネットからなる集電体に密着したリチウム金属箔(厚さ0.5mm)からなる正極を作製した。
リチウム金属箔をニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いた。これにより、ニッケルネットからなる集電体に密着したリチウム金属箔(厚さ0.5mm)からなる正極を作製した。
《評価電池の作製》
評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を作製した。
図1は、ボタン型二次電池を示す断面図である。図1に示すボタン型二次電池は、外装カップ1と外装缶3との周縁部が絶縁ガスケット6を介してかしめられ、密閉構造が形成されている。密閉構造の内部には、外装缶3の内面から外装カップ1の内面に向けて順に、集電体7a、正極4、セパレータ5、負極2、および、集電体7bが積層されている。
評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を作製した。
図1は、ボタン型二次電池を示す断面図である。図1に示すボタン型二次電池は、外装カップ1と外装缶3との周縁部が絶縁ガスケット6を介してかしめられ、密閉構造が形成されている。密閉構造の内部には、外装缶3の内面から外装カップ1の内面に向けて順に、集電体7a、正極4、セパレータ5、負極2、および、集電体7bが積層されている。
図1に示すボタン型二次電池を、次のように作製した。
まず、エチレンカーボネート(33体積%)とメチルエチルカーボネート(67体積%)との混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させることにより、非水電解質液を調製した。得られた非水電解質液を、ポリプロピレン多孔質体(厚さ20μm)に含浸させることにより、非水電解質液が含浸したセパレータ5を作製した。
次に、作製したセパレータ5を、銅箔からなる集電体7bに密着した負極2と、ニッケルネットからなる集電体7aに密着した正極4との間に挟んで積層した。その後、集電体7bおよび負極2を外装カップ1の内部に収容し、集電体7aおよび正極4を外装缶3の内部に収容し、外装カップ1と外装缶3とを合わせた。さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部を、絶縁ガスケット6を介在させて、かしめて密閉した。このようにして、ボタン型二次電池を作製した。
まず、エチレンカーボネート(33体積%)とメチルエチルカーボネート(67体積%)との混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させることにより、非水電解質液を調製した。得られた非水電解質液を、ポリプロピレン多孔質体(厚さ20μm)に含浸させることにより、非水電解質液が含浸したセパレータ5を作製した。
次に、作製したセパレータ5を、銅箔からなる集電体7bに密着した負極2と、ニッケルネットからなる集電体7aに密着した正極4との間に挟んで積層した。その後、集電体7bおよび負極2を外装カップ1の内部に収容し、集電体7aおよび正極4を外装缶3の内部に収容し、外装カップ1と外装缶3とを合わせた。さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部を、絶縁ガスケット6を介在させて、かしめて密閉した。このようにして、ボタン型二次電池を作製した。
作製したボタン型二次電池(評価電池)を用いて、以下に説明する充放電試験により、電池特性を評価した。結果を下記表1に示す。
以下の充放電試験においては、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電とし、負極材料からリチウムイオンが脱離する過程を放電とした。
以下の充放電試験においては、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電とし、負極材料からリチウムイオンが脱離する過程を放電とした。
《充放電試験》
まず、0.9mAの電流値で、回路電圧が1mVに達するまで定電流充電を行なった。回路電圧が1mVに達した時点で定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。この間の通電量から、充電容量(単位:mAh/g)を求めた。その後、10分間休止した。次に、0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行なった。この間の通電量から、放電容量(単位:mAh/g)を求めた。これを第1サイクルとした。
次いで、充電電流を1Cとして、第1サイクルと同様に充放電を行なった。1Cの電流値は、第1サイクルの放電容量と負極の活物質質量とから計算した。
まず、0.9mAの電流値で、回路電圧が1mVに達するまで定電流充電を行なった。回路電圧が1mVに達した時点で定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。この間の通電量から、充電容量(単位:mAh/g)を求めた。その後、10分間休止した。次に、0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行なった。この間の通電量から、放電容量(単位:mAh/g)を求めた。これを第1サイクルとした。
次いで、充電電流を1Cとして、第1サイクルと同様に充放電を行なった。1Cの電流値は、第1サイクルの放電容量と負極の活物質質量とから計算した。
初回充放電効率は、下記式(1)から求めた。初回充放電効率の値が大きいほど、初回充放電効率が良好であると評価できる。
初回充放電効率[%]=100×{(第1サイクルの充電容量−第1サイクルの放電容量)/第1サイクルの放電容量}・・・(1)
初回充放電効率[%]=100×{(第1サイクルの充電容量−第1サイクルの放電容量)/第1サイクルの放電容量}・・・(1)
1C充電率は、下記式(2)から求めた。1C充電率の値が大きいほど、高速充電特性が良好であると評価できる。
1C充電率[%]=100×(1C電流値における定電流部分の充電容量/第1サイクルの放電容量)・・・(2)
1C充電率[%]=100×(1C電流値における定電流部分の充電容量/第1サイクルの放電容量)・・・(2)
〈実施例2〉
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を2.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を2.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
〈実施例3〉
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を3.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を3.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
〈比較例1〉
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を0.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を0.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
〈比較例2〉
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を5.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
第1の焼成工程における雰囲気の酸素濃度を5.0体積%とした以外は、実施例1と同様にして、負極材料を作製し、同様に評価を行なった。結果を下記表1に示す。
上記表1において、電池特性の値は、比較例1の値を100としたときの相対値で示す。
上記表1に示すように、第1の焼成工程の酸素濃度が1.0体積%であった実施例1、同酸素濃度が2.0体積%であった実施例2、および、同酸素濃度が3.0体積%であった実施例3は、同酸素濃度が0.0体積%であった比較例1、および、同酸素濃度が5.0体積%であった比較例2よりも、1C充電率の値が大きく、高速充電特性が良好であった。
さらに、実施例1および2は、比較例2よりも、初回充放電効率がより良好であった。
上記表1に示すように、第1の焼成工程の酸素濃度が1.0体積%であった実施例1、同酸素濃度が2.0体積%であった実施例2、および、同酸素濃度が3.0体積%であった実施例3は、同酸素濃度が0.0体積%であった比較例1、および、同酸素濃度が5.0体積%であった比較例2よりも、1C充電率の値が大きく、高速充電特性が良好であった。
さらに、実施例1および2は、比較例2よりも、初回充放電効率がより良好であった。
1:外装カップ
2:負極
3:外装缶
4:正極
5:セパレータ
6:絶縁ガスケット
7a:集電体
7b:集電体
2:負極
3:外装缶
4:正極
5:セパレータ
6:絶縁ガスケット
7a:集電体
7b:集電体
Claims (7)
- 球状および/または楕円状の黒鉛粒子と、鱗片状の黒鉛粒子と、炭素質前駆体とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物を、酸素濃度が0.5体積%以上5.0体積%未満の雰囲気中、300℃以上700℃未満の温度範囲で焼成する第1の焼成工程と、
前記第1の焼成工程で得られた第1の焼成物を、非酸化性雰囲気中、700℃以上2000℃以下の温度範囲で焼成して、前記炭素質前駆体を炭素質とし、90〜98質量%の前記球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の前記鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の前記炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子を得る第2の焼成工程と、
を備える炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。 - 前記炭素質被覆黒鉛粒子の、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、請求項1に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
- 前記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、請求項1または2に記載の炭素質被覆黒鉛粒子の製造方法。
- 90〜98質量%の球状および/または楕円状の黒鉛粒子と1〜5質量%の鱗片状の黒鉛粒子とを1〜5質量%の炭素質で被覆した炭素質被覆黒鉛粒子であって、
0.9〜4.0nmの細孔容積の総和が1.0×10−3cm3/g以上4.0×10−3cm3/g未満であり、かつ、0.9〜4.0nmの細孔容積の総和に対する0.9〜2.0nmの細孔容積の比率が70%以上93%未満である、炭素質被覆黒鉛粒子。 - 前記炭素質被覆黒鉛粒子が、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である、請求項4に記載の炭素質被覆黒鉛粒子。
- 請求項4または5に記載の炭素質被覆黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項6に記載の負極を有するリチウムイオン二次電池。
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