以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る超音波診断装置1を図1のブロック図を参照して説明する。
図1に示されるように、超音波診断装置1は、装置本体10、超音波プローブ70、表示機器50、及び入力装置60を備える。装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置40と接続される。また、装置本体10は、表示機器50、及び入力装置60と接続される。
超音波プローブ70は、複数の圧電振動子、圧電振動子に設けられる整合層、及び圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ70は、装置本体10と着脱自在に接続される。複数の圧電振動子は、装置本体10が有する超音波送信回路11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ70には、超音波スキャンを停止し、当該超音波スキャンを停止したときの直前の超音波画像を表示するフリーズ機能のON/OFFを切り換える際に押下されるフリーズボタンが配置される。
超音波プローブ70から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ70が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して周波数偏移を受ける。超音波プローブ70は、被検体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。超音波プローブ70は、例えば、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイプローブである。なお、超音波プローブ70は、一次元アレイプローブに限られず、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)等であってもよい。
図1に示される装置本体10は、超音波プローブ70が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、3次元処理回路15、表示処理回路16、内部記憶回路17、画像メモリ18(シネメモリ)、パラメータメモリ19、画像データベース20、入力インタフェース回路21、通信インタフェース回路22、制御回路23、及びホストコンピュータ24を含む。
超音波送信回路11は、超音波プローブ70に駆動信号を供給するプロセッサである。超音波送信回路11は、例えば、トリガ発生回路、遅延回路、パルサ回路、及び位相同期回路(PLL:Phase Locked Loop)等により実現される。トリガ発生回路は、制御回路23の制御の下、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。遅延回路は、超音波プローブ70から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、トリガ発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。パルサ回路は、制御回路23の制御の下、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ70に駆動信号(駆動パルス)を印加する。遅延回路により各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向が任意に調整可能となる。
超音波受信回路12は、超音波プローブ70が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成するプロセッサである。超音波受信回路12は、例えば、アンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、加算器、及び位相同期回路等により実現される。アンプ回路は、超音波プローブ70が受信した反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた複数のデジタル信号を加算する。加算器の加算処理により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調された受信信号が発生する。
Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、Bモードデータを生成するプロセッサである。Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に対して包絡線検波処理、及び対数増幅処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
ドプラ処理回路14は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、ドプラ波形、及びドプラデータを生成するプロセッサである。ドプラ処理回路14は、受信信号から血流信号を抽出し、抽出した血流信号からドプラ波形を生成すると共に、血流信号から平均速度、分散、及びパワー等の情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。生成されたドプラデータは、2次元的な超音波走査線上のドプラRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
3次元処理回路15は、Bモード処理回路13、及びドプラ処理回路14により生成されたデータに基づき、各種ボリュームデータを生成可能なプロセッサである。
例えば、3次元処理回路15は、RAWデータメモリに記憶されたBモードデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW−ボクセル変換を実行することにより、形態情報を表すBモードボリュームデータを生成する。また、3次元処理回路15は、RAWデータメモリに記憶されたドプラデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW−ボクセル変換を実行することにより、血流情報を表す血流(カラードプラ)ボリュームデータを生成する。Bモードボリュームデータ、及び、血流ボリュームデータは、所望の範囲のボクセルから構成される。
また、3次元処理回路15は、発生した各種ボリュームデータに対してレンダリング処理を施し、レンダリング画像データを生成する。
表示処理回路16は、各種画像を表示機器50に表示するプロセッサである。表示処理回路16は、座標変換処理等により、表示画像としての超音波画像データを生成する。座標変換処理とは、例えば、Bモードデータ、及びドプラデータからなる超音波走査の走査線の信号列を、テレビ等に代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列であるビデオ信号に変換する処理である。生成された超音波画像データは、例えばDICOM(digital imaging and communication in medicine)規格に準拠したフォーマットに変換され、例えば画像データベース20に記憶される。
表示処理回路16は、RAWデータメモリに記憶されたBモードRAWデータに基づいてBモード画像データを生成する。Bモード画像データは、音波の集束などの超音波プローブの特性や超音波ビーム(例えば、送受信ビーム)の音場特性などが反映された画素値(輝度値)を有する。例えば、Bモード画像データにおいて、被走査領域において超音波のフォーカス付近では、非フォーカス部分よりも相対的に高輝度となる。表示処理回路16は、生成したBモード画像データを表示機器50に超音波画像として表示させる。
また、表示処理回路16は、RAWデータメモリに記憶されたドプラRAWデータに基づいて、平均速度画像、分散画像、パワー画像等に係るドプラ画像データを生成する。表示処理回路16は、生成したドプラ画像データを表示機器50に超音波画像として表示させる。
また、表示処理回路16は、3次元処理回路15において生成された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、及びRGB変換などの各種処理を実行することで、画像データをビデオ信号に変換する。表示処理回路16は、ビデオ信号を表示機器50に超音波画像として表示させる。
なお、表示処理回路16は、操作者(例えば、術者)等が入力インタフェース回路21により各種指示を入力するためのユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を生成し、GUIを表示機器50に表示させてもよい。表示機器50としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
内部記憶回路17は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。内部記憶回路17は、超音波送受信を実現するための制御プログラム、画像処理を行うための制御プログラム、及び表示処理を行なうための制御プログラム等を記憶している。また、内部記憶回路17は、本実施形態に係る各種機能を実現するための制御プログラムを記憶している。また、内部記憶回路17は、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、ボディマーク生成プログラム、及び映像化に用いるカラーデータの範囲を診断部位ごとに予め設定する変換テーブルなどのデータ群を記憶している。また、内部記憶回路17は、生体内の臓器の構造に関する解剖学図譜、例えば、アトラスを記憶してもよい。
また、内部記憶回路17は、入力インタフェース回路21を介して入力される記憶操作に従い、3次元処理回路15で生成されたボリュームデータ、及びレンダリング画像データを記憶する。なお、内部記憶回路17は、入力インタフェース回路21を介して入力される記憶操作に従い、3次元処理回路15で生成したボリュームデータ、及びレンダリング画像データを、操作順番及び操作時間を含めて記憶してもよい。内部記憶回路17は、記憶しているデータを、通信インタフェース回路22を介して外部装置へ転送することも可能である。
画像メモリ18は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。画像メモリ18は、入力インタフェース回路21を介して入力されるフリーズ機能がONにされる直前の複数フレームに対応する画像データを保存する。画像メモリ18に記憶されている画像データは、例えば、連続表示(シネ表示)される。
パラメータメモリ19は、例えば、半導体メモリ等のプロセッサにより高速に読み取り可能な記録媒体等を有する。パラメータメモリ19は、例えば、メインメモリ等である。パラメータメモリ19は、超音波スキャンを開始するために必要なパラメータ(以下、制御パラメータと称する)を記憶する。制御パラメータには、例えば、プローブ選択データ、ゲインデータ、及びデシメーション(間引き)フィルタの係数等が含まれる。プローブ選択データは、例えば、超音波スキャンの停止前に選択されていたプローブを表すデータである。ゲインデータは、例えば、超音波スキャンの停止前のゲインの値を表すデータである。デシメーションフィルタの係数は、例えば、超音波スキャンの停止前に設定されていたデシメーションフィルタの係数を表す。
画像データベース20は、外部装置40から転送される画像データを記憶する。例えば、画像データベース20は、過去の診察において取得された同一患者に関する過去画像データを、外部装置40から取得して記憶する。過去画像データには、超音波画像データ、CT(Computed Tomography)画像データ、MR画像データ、PET(Positron Emission Tomography)−CT画像データ、PET−MR画像データ及びX線画像データが含まれる。また、過去画像データは、例えば3次元ボリュームデータ、及びレンダリング画像データとして記憶されている。
なお、画像データベース20は、MO、CD−R、DVDなどの記録媒体(メディア)に記録された画像データを読み込むことで、所望の画像データを格納してもよい。
入力インタフェース回路21は、入力装置60を介して、操作者からの各種指示を受け付ける。入力装置60には、例えば、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、ダイヤルスイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル及びタッチコマンドスクリーン(TCS)等が含まれる。また、入力インタフェース回路21は、超音波プローブ70に配置されているフリーズボタンを介して、操作者からの各種指示を受け付ける。
入力インタフェース回路21は、例えばバスを介してホストコンピュータ24に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号をホストコンピュータ24へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース回路21は、マウス及びキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を無線信号として受け取り、この電気信号をホストコンピュータ24へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース回路21の例に含まれる。
通信インタフェース回路22は、ネットワーク100等を介して外部装置40と接続され、外部装置40との間でデータ通信を行う。外部装置40は、例えば、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベース、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベース等である。また、外部装置40は、例えば、X線CT装置、及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、核医学診断装置、及びX線診断装置等、本実施形態に係る超音波診断装置1以外の各種医用画像診断装置である。なお、外部装置40との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、DICOMが挙げられる。
制御回路23は、例えば、超音波スキャンに関する動作を制御するプロセッサである。制御回路23は、内部記憶回路17に記憶されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。具体的には、制御回路23は、ホストインタフェース機能231、リセット制御機能233、及びクロック制御機能235を有する。
ホストインタフェース機能231は、ホストコンピュータ24からの各種指示に基づいて各種動作を実施する機能である。ホストインタフェース機能231が実行されると、制御回路23は、例えば、ホストコンピュータ24から制御パラメータの設定指示を受け付ける。制御回路23は、受け付けた設定指示に基づいて、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する制御パラメータの設定を実施する。
リセット制御機能233は、超音波診断装置1が備える各回路をリセットする、又は、各回路のリセットを解除する機能である。リセット制御機能233が実行されると、制御回路23は、例えば、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12をリセットする。また、制御回路23は、例えば、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットを解除する。
なお、本実施形態において「回路をリセットする」とは、例えば超音波診断装置1が備える各回路に含まれるスイッチング素子の状態を、Highの状態(例えば、所定の電位が保持される状態)及びLowの状態(例えば、電位ゼロの状態)うち、各回路に対し予め設定されている所定の初期値の状態に固定することをいう。これにより、各回路が備えるレジスタに記憶されているデータは消去される。
また、本実施形態において「回路のリセットを解除する」とは、例えば超音波診断装置1が備える各回路に含まれるスイッチング素子の状態を、変化させることができる状態のことをいう。
クロック制御機能235は、超音波診断装置1が備える各回路に対し、クロックの供給を開始、又は、停止する機能である。クロック制御機能235が実行されると、制御回路23は、例えば、ホストコンピュータ24からの超音波スキャンを停止する旨の指示に基づいて、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12等に対するクロックの供給を停止する。また、制御回路23は、例えば、ホストコンピュータ24からの超音波スキャンを開始する旨の指示に基づいて、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を開始する。
ホストインタフェース機能231、リセット制御機能233、及びクロック制御機能235は、制御プログラムとして組み込まれていてもよいし、制御回路23自体または装置本体10に制御回路23が参照可能な回路として、各機能を実行可能な専用のハードウェア回路が組み込まれていてもよい。
ホストコンピュータ24は、プロセッサを有し、超音波診断装置1の中枢として機能する。ホストコンピュータ24は、超音波受信回路12から発生される受信信号に基づき、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、3次元処理回路15、及び表示処理回路16等を制御し、所定の超音波画像データを生成し、生成した超音波画像データを表示機器に表示する。ホストコンピュータ24は、入力インタフェース回路21を介して、操作者等からの各種指示を受け付ける。ホストコンピュータ24は、受け付けた各種指示を、制御回路23に入力する。
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の動作について図を参照して説明する。
まず、パラメータ設定指示を受け付けた場合の超音波診断装置1の動作について説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1が各回路に対しパラメータ設定をする際の制御回路の動作を示すフローチャートである。以下の説明では、操作者等により入力インタフェース回路21を介し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する制御パラメータがホストコンピュータ24に入力されるものとする。また、ホストコンピュータ24は、入力された制御パラメータを設定する旨の設定指示を、制御回路23に通知するものとする。制御パラメータの設定は、例えば、初期設定時、及び、設定変更時等に実施される。
制御回路23は、ホストインタフェース機能231を実行し、ホストコンピュータ24から制御パラメータを設定する旨の設定指示を受け付ける(ステップSA1)。
制御回路23は、受け付けた設定指示に基づいて、各回路に対して制御パラメータを設定する(ステップSA2)。図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1が各回路に対しパラメータ設定をする際の制御回路23の動作を説明するための図である。図3に示されるように、制御回路23は、例えば、ホストコンピュータ24から送信された設定指示に従って、超音波送信回路11に対するローカルバスを経由し、超音波送信回路11が備えるレジスタに対して制御パラメータを書き込む。これにより、超音波送信回路11に対して制御パラメータが設定される。このとき、制御回路23は、パラメータメモリ19に対するローカルバスを経由し、超音波送信回路11に設定した制御パラメータと同じ内容の制御パラメータをパラメータメモリ19に記憶する。また、制御回路23は、例えば、ホストコンピュータ24から送信された設定指示に従って、超音波受信回路12に対するローカルバスを経由し、超音波受信回路12が備えるレジスタに対して制御パラメータを書き込む。これにより、超音波受信回路12に対して制御パラメータが設定される。このとき、制御回路23は、パラメータメモリ19に対するローカルバスを経由し、超音波受信回路12に設定した制御パラメータと同じ内容の制御パラメータをパラメータメモリ19に記憶する。
そして、制御回路23は、制御パラメータが設定された各回路が備えるレジスタ上の物理アドレス、及び当該パラメータと同じ内容のパラメータが記憶されたパラメータメモリ19上の物理アドレスを関連付けて、アドレス関連情報として制御回路23が備える所定の内部メモリに記憶する。記憶されたアドレス関連情報は、パラメータメモリ19に記憶された各回路に対する制御パラメータを用いたDMA転送を実施する際に必要な情報である。なお、アドレス関連情報は、予め設定されていてもよい。
図4は、第1の実施形態に係るアドレス関連情報の内容の例を表す図である。図4は、例えば、超音波送信回路11が備えるレジスタの0番地、及び、パラメータメモリ19の0番地に同一内容のパラメータが記憶されていることを表している。また、図4は、例えば、超音波送信回路11が備えるレジスタの100番地、及び、パラメータメモリ19の100番地に同一内容のパラメータが記憶されていることを表している。また、図4は、例えば、超音波受信回路12が備えるレジスタの0番地、及び、パラメータメモリ19の1000番地に同一内容のパラメータが記憶されていることを表している。また、図4は、例えば、超音波受信回路12が備えるレジスタの100番地、及び、パラメータメモリ19の1100番地に同一内容のパラメータが記憶されていることを表している。
制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12を制御し、超音波スキャンを開始する(ステップSA3)。
次に、超音波スキャンの停止指示、及び開始指示を受け付けた場合の超音波診断装置1の動作について、図5、図6及び図7を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1が超音波スキャンの停止指示を受け付けた際の制御回路23の動作を示すフローチャートである。図6は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1が超音波スキャンの開始指示を受け付けた際の制御回路23の動作を示すフローチャートである。図7は、図5及び図6に示されるフローチャートの各ステップの制御回路23の動作に対応する超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の動作を説明するための時系列図である。
まず、超音波スキャンの停止指示を受け付けた場合の超音波診断装置1の動作について、図5、及び図7を用いて説明する。以下の説明では、例えば超音波プローブ70に配置されたフリーズボタンが押下されることによりフリーズ機能をONにする操作が行われるものとする。このとき、超音波スキャンを停止する停止指示がホストコンピュータ24に入力される。そして、ホストコンピュータ24は、入力された停止指示を制御回路23に通知する。なお、フリーズ機能をONにする操作は、入力装置60に含まれるTCSの所定の領域が指定されることにより行われてもよい。
図5において、制御回路23は、ホストインタフェース機能231を実行し、ホストコンピュータ24から超音波スキャンを停止する旨の指示を受け付ける(ステップSB1)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11及び超音波受信回路12にはクロックが供給されている。また、図7に示されるように、超音波送信回路11及び超音波受信回路12は、リセットされていない状態である。
図5において、制御回路23は、リセット制御機能233を実行し、各回路をリセットする(ステップSB2)。具体的には、制御回路23は、例えば、超音波送信回路11を実現する各回路に含まれるすべてのスイッチング素子の状態を、初期の状態に戻す。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11がリセットされる(リセットONの状態になる)。この結果、超音波送信回路11が備えるレジスタに記憶されている制御パラメータは消去される。また、制御回路23は、例えば、超音波受信回路12を実現する各回路に含まれるすべてのスイッチング素子の状態を、初期の状態に戻す。このとき、図7に示されるように、超音波受信回路12がリセットされる(リセットONの状態になる)。この結果、超音波受信回路12が備えるレジスタに記憶されている制御パラメータは消去される。
図5において、制御回路23は、各回路をリセットした後、クロック制御機能235を実行し、各回路に対するクロックの供給を停止する(ステップSB3)。制御回路23は、例えば、超音波送信回路11をリセットした後、超音波送信回路11に対するクロックの供給を停止する。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11に対するクロックの供給が停止される。また、制御回路23は、例えば超音波受信回路12をリセットした後、超音波送信回路11に対するクロックの供給を停止する。このとき、図7に示されるように、超音波受信回路12に対するクロックの供給が停止される。
次に、超音波スキャンが停止された後、再び超音波スキャンの開始指示を受け付けた場合の超音波診断装置1の動作について、図6、及び図7を用いて説明する。以下の説明では、例えば超音波プローブ70に配置されたフリーズボタンが押下されることによりフリーズ機能をOFFにする操作が行われるものとする。このとき、超音波スキャンを開始する開始指示がホストコンピュータ24に入力される。そして、ホストコンピュータ24は、入力された開始指示を制御回路23に通知する。
図6において、制御回路23は、ホストインタフェース機能231を実行し、ホストコンピュータ24から超音波スキャンを開始する旨の指示を受け付ける(ステップSC1)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11及び超音波受信回路12にはクロックが供給されていない。また、図7に示されるように、超音波送信回路11及び超音波受信回路12はリセットされている状態である。
図6において、制御回路23は、クロック制御機能235を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を再開する(ステップSC2)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給が開始される。
図6において、制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を再開した後、リセット制御機能233を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットを解除する(ステップSC3)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットは解除される(リセットはOFFの状態になる)。これにより、位相同期回路等により実現される回路、例えば超音波送信回路11、及び超音波受信回路12が超音波スキャン再開時に誤動作することを回避することができる。
図6において、制御回路23は、ホストインタフェース機能231を実行し、制御回路23が備える所定の内部メモリに記憶されているアドレス関連情報を参照し、パラメータメモリ19から制御パラメータを読み出す。読み出された制御パラメータは、超音波スキャンを停止する直前にパラメータメモリ19に記憶された制御パラメータである。制御回路23は、読み出した制御パラメータを各回路にDMA(Direct Memory Access)転送する。そして、制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対し、制御パラメータをそれぞれ設定する(ステップSC4)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対し、制御パラメータが設定される。これにより、ホストコンピュータ24を経由せずに、パラメータ設定を行うことが可能となる。なお、各チャンネルに与えられる遅延データ、及び開口に係るデータ等、超音波スキャンの開始後に転送されるパラメータはDMA転送の対象外である。
図6において、制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12を制御し、超音波スキャンを開始する(ステップSC5)。このとき、図7に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12は、制御回路23の制御の下、超音波スキャンを開始する。
第1の実施形態によれば、制御回路23は、超音波スキャンを停止する旨の停止指示を受信すると、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12をリセットする。制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12をリセットした後、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を停止する。
これにより、クロックの供給に伴う消費電力を低減することができる。また、超音波スキャン再開時に、各回路に含まれる位相同期回路をリセットされた初期状態の固定された状態で、安定したクロックを位相同期回路を含む超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に供給できる。このため、位相同期回路等において、クロック出始めの周期等の間の不安定なクロックによる回路誤動作を防ぐことができる。
したがって、超音波スキャンの再開時に超音波診断装置を誤動作させることなく、超音波スキャンが停止されている間の消費電力を低減することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、制御回路23は、超音波スキャンを開始する旨の開始指示を受信すると、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対しそれぞれクロックの供給を再開する。制御回路23は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12等に対するクロック供給をそれぞれ再開した後、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットをそれぞれ解除する。制御回路23は、制御パラメータの設定時に、当該制御パラメータをパラメータメモリ19に記憶する。制御回路23は、超音波スキャンの再開する旨の再開指示を受信すると、パラメータメモリ19に記憶されているパラメータを、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12にDMA転送する。
これにより、位相同期回路を含む超音波送信回路11、及び超音波受信回路12は、リセットした状態でクロックを再開することで、回路の誤動作なく、超音波スキャンを再開することが可能となる。また、ホストコンピュータ24から制御パラメータの設定をし直す必要がなく、パラメータメモリ19から直接制御パラメータの設定を行うことができる。すなわち、フリーズ機能がONにされてから超音波スキャンが開始されるまでの時間を短縮することが可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を制御することにより、超音波スキャン停止時の消費電力の低減を実現する場合について説明した。第2の実施形態では、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電源の供給を制御することにより、超音波スキャン停止時の消費電力の低減を実現する場合について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
図8に示されるように、超音波診断装置1Aは、装置本体10A、超音波プローブ70、表示機器50、及び入力装置60を備える。装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置40と接続される。また、装置本体10Aは、表示機器50、及び入力装置60と接続される。
図8に示される装置本体10Aは、超音波プローブ70が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10Aは、図6に示すように、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、3次元処理回路15、表示処理回路16、内部記憶回路17、画像メモリ18(シネメモリ)、パラメータメモリ19、画像データベース20、入力インタフェース回路21、通信インタフェース回路22、制御回路23A、ホストコンピュータ24、及び電源供給回路26を含む。
電源供給回路26は、超音波診断装置1が備える各回路に対する電源を供給する。電源供給回路26は、例えば、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に電源を供給する。具体的には、電源供給回路26は、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に所定の大きさの電圧を印加する。
制御回路23Aは、例えば、超音波スキャンに関する動作を制御するプロセッサである。制御回路23Aは、内部記憶回路17に記憶されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。具体的には、制御回路23は、ホストインタフェース機能231、リセット制御機能233、クロック制御機能235、及び電源供給制御機能237を有する。
電源供給制御機能237は、超音波診断装置1が備える各回路に対する電源の供給を制御する機能である。電源供給制御機能237が実行されると、制御回路23Aは、例えば、超音波スキャンを停止する停止指示に基づいて、電源供給回路26を制御し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電源の供給を停止する。具体的には、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電圧の印加を停止する。これにより、各回路の電源がOFFの状態となる。なお、制御回路23は、各回路の電源を生成する所定のデバイスのイネーブル信号等をOFFにしてもよい。また、制御回路23は、例えば、超音波スキャンを開始する開始指示に基づいて、電源供給回路26を制御し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12等対する電源の供給を開始する。具体的には、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対して所定の大きさの電圧を印加する。
次に、超音波スキャンの停止指示、及び開始指示を受け付けた場合の超音波診断装置1Aの動作について、図9、図10及び図11を用いて説明する。図9は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1Aが超音波スキャンの停止指示を受け付けた際の制御回路23Aの動作を示すフローチャートである。図10は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1Aが超音波スキャンの開始指示を受け付けた際の制御回路23Aの動作を示すフローチャートである。図11は、図9及び図10に示されるフローチャートの各ステップの制御回路23Aの動作に対応する超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の動作を説明するための時系列図である。
まず、超音波スキャンの停止指示を受け付けた場合の超音波診断装置1Aの動作について、図9、及び図11を用いて説明する。以下の説明では、例えば超音波プローブ70に配置されたフリーズボタンが押下されることによりフリーズ機能をONにする操作が行われるものとする。このとき、超音波スキャンを停止する停止指示がホストコンピュータ24に入力される。そして、ホストコンピュータ24は、入力された停止指示を制御回路23Aに通知する。なお、第2の実施形態では、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の電源を直接OFFにするため、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対しリセットをかける必要はない。
図9において、制御回路23Aは、ホストインタフェース機能231を実行し、ホストコンピュータ24から超音波スキャンを停止する旨の指示を受け付ける(ステップSD1)。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12にはクロックが供給されている。また、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12は、リセットされていない状態である。
図9において、制御回路23Aは、電源供給制御機能237を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の電源をOFFにする(ステップSD2)。具体的には、制御回路23Aは、電源供給回路26を制御し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電源の供給を停止する。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12等の電源がOFFの状態となる。
次に、超音波スキャンが停止された後、再び超音波スキャンの開始指示を受け付けた場合の超音波診断装置1の動作について、図10、及び図11を用いて説明する。以下の説明では、例えば超音波プローブ70に配置されたフリーズボタンが押下されることによりフリーズ機能をOFFにする操作が行われるものとする。このとき、超音波スキャンを開始する開始指示がホストコンピュータ24に入力される。そして、ホストコンピュータ24は、入力された開始指示を制御回路23Aに通知する。
図10において、制御回路23Aは、ホストインタフェース機能231を実行し、ホストコンピュータ24から超音波スキャンを開始する旨の指示を受け付ける(ステップSE1)。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11及び超音波受信回路12の電源はOFFの状態である。
図10において、制御回路23Aは、電源供給制御機能237を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の電源をONにする(ステップSE2)。具体的には、制御回路23Aは、電源供給回路26を制御し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電源の供給を再開する。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12の電源がONの状態となる。
図10において、制御回路23Aは、クロック制御機能235を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を再開する(ステップSE3)。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給が開始される。
図10において、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対するクロックの供給を再開した後、リセット制御機能233を実行し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットを解除する(ステップSE4)。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12のリセットは解除される(リセットはOFFの状態になる)。
図10において、制御回路23Aは、ホストインタフェース機能231を実行し、制御回路23Aが備える所定の内部メモリに記憶されているアドレス関連情報を参照し、パラメータメモリ19から制御パラメータを読み出す。制御回路23Aは、読み出した制御パラメータを超音波送信回路11、及び超音波受信回路12にそれぞれDMA転送する。そして、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対し、制御パラメータをそれぞれ設定する(ステップSE5)。これにより、ホストコンピュータ24を経由せずに、パラメータ設定を行うことが可能となる。
図10において、制御回路23Aは、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12を制御し、超音波スキャンを開始する(ステップSE6)。このとき、図11に示されるように、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12は、制御回路23Aの制御の下、超音波スキャンを開始する。
第2の実施形態によれば、制御回路23Aは、超音波スキャンを停止する旨の停止指示を受信すると、電源供給回路26を制御し、超音波送信回路11、及び超音波受信回路12に対する電源の供給を停止する。
通常、電源がONにされた後の超音波スキャンを再開するために必要なパラメータの設定は、各回路に対してホストコンピュータ24経由で行われる。このため、設定に要する時間はホストコンピュータ24を経由する分長くなる。第2の実施形態によれば、超音波診断装置1Aは、パラメータメモリ19から制御パラメータを読み出し、読み出した制御パラメータを各回路にDMA転送することにより、各回路に対する制御パラメータをそれぞれ設定するため、ホストコンピュータ24を経由しない分、フリーズ機能がONにされてから超音波スキャンが開始されるまでの時間を短縮することが可能となる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、超音波診断装置が備える各回路のうち、消費電力を低減させる対象を超音波送信回路11、及び超音波受信回路12としていたがこれに限定されない。消費電力を低減させる対象は、例えば、超音波スキャンに用いられる回路であればどのような回路であってもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1、及び図8における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。