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JP2018536404A - Cho細胞において産生したポリペプチドの品質特性を操作する方法 - Google Patents

Cho細胞において産生したポリペプチドの品質特性を操作する方法 Download PDF

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JP2018536404A JP2018523514A JP2018523514A JP2018536404A JP 2018536404 A JP2018536404 A JP 2018536404A JP 2018523514 A JP2018523514 A JP 2018523514A JP 2018523514 A JP2018523514 A JP 2018523514A JP 2018536404 A JP2018536404 A JP 2018536404A
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Abstract

本発明において、対象の組換えポリペプチドを発現するCHO細胞を、アミノ酸、ビタミン、リン酸塩、脂質および/または抗酸化剤の最適化を利用してポリペプチドのタンパク質品質特性を操作および/または制御する培地において、増殖させる。本発明において発現したポリペプチドは、医薬組成物の調製に有利に使用され得る。

Description

本願は、米国特許法第119条(e)の下で、2015年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/252,849号の利益を主張する。参照した出願の教示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の分野
本発明は、アミノ酸、ビタミン、リン酸塩、脂質および/または抗酸化剤の最適化を用いて、ポリペプチドのタンパク質品質特性を操作および/または制御する培地で増殖した、対象の組換えポリペプチドを発現する、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に関する。本発明に従って発現したポリペプチドは、医薬組成物の調製に有利に使用され得る。
バイオリアクターの生産性を時間および体積の両方において最大化する現在進行形の試みは、バイオリアクター一式に必要なスケールおよび設備投資に直接影響を与える。細胞がより高い濃度により迅速に達する場合、収量は増大する;したがって、バイオリアクターの数およびスケールを縮小できる。この目的のため、細胞工学だけでなく、培養培地ならびに関連する化学的および物理的環境は、細胞が急速に最高のパフォーマンスに達し、高品質のタンパク質を産生している間、高いレベルを可能な限り長く維持することを助けるのに使用される。
組換えで産生したタンパク質産物は、治療、処置および予防としての使用のために、医学的および臨床的にますます重要になっている。したがって、所望のポリペプチド特性を経済的および効率的に達成する、信頼できる細胞培養方法の開発が、当分野において望まれ、必要とされる目標となっている。
本発明の方法は、1以上の細胞培養培地成分(限定されないが、増殖因子、リン酸塩、亜鉛、鉄、アミノ酸(Asp、Asn、Cys、Ser)、脂質、ビタミン(B1、B2、B3、B9、B12、Bx)、抗酸化剤(アスコルビン酸、グルタチオン、還元型α−リポ酸、ビタミンE)およびそれらの組合せを含む)のレベルを変化させることによって、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性を制御および/または操作する、細胞培養培地の最適化に関する。
本発明のある実施態様は、1以上の細胞培養培地成分(アスパラギン、アスパラギン酸、亜鉛および鉄など)の量を調節することを含む、CHO細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性の制御であり、ここで糖タンパク質の凝集が減少する。
本発明の別の実施態様は、1以上の細胞培養培地成分(アスパラギン酸、リン酸塩および亜鉛など)の量を調節することを含む、CHO細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性の制御であり、ここで糖タンパク質のシアル酸含量が増加する。
本発明のある実施態様は、1以上の細胞培養培地成分(アスパラギン、亜鉛および鉄など)の量を調節することを含む、CHO細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性の制御であり、ここで糖タンパク質のガラクトース含量が増加する。
本発明のある実施態様において、細胞培養培地は既知組成である。本発明の別の実施態様において、最適化された細胞培養培地は基本培地である。
本発明のある実施態様において、細胞培養培地は、追加の血清もしくは加水分解産物を含まず、かつ/または無タンパク質であり得る。
本発明の糖タンパク質は、組換え抗体、抗体フラグメントまたは融合タンパク質である。
図1は、実験および分析のフローチャートを示す。ProA:プロテインA。
図2は、増殖因子(1mg/Lインスリン)存在下で培養した、クローンA、クローンBおよびクローンG細胞を示し、これらは増殖因子を含まない培養物と比較して、より高いHMW%をもたらした。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図3Aは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図3A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のHMW%のレベル。 図3Bは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図3B:3Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図3Cは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図3C:HMW%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図3Dは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図3D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のHMW%のレベル。
図4Aは、クローンCのHMW%の統計解析を示す。図4A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のHMW%のレベル。 図4Bは、クローンCのHMW%の統計解析を示す。図4B:4Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図4Cは、クローンCのHMW%の統計解析を示す。図4C:HMW%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図4Dは、クローンCのHMW%の統計解析を示す。図4D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のHMW%のレベル。
図5Aは、クローンDのHMW%の統計解析を示す。図5A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のHMW%のレベル。 図5Bは、クローンDのHMW%の統計解析を示す。図5B:5Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図5Cは、クローンDのHMW%の統計解析を示す。図5C:HMW%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図5Dは、クローンDのHMW%の統計解析を示す。図5D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のHMW%のレベル。
図6Aは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図6A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のHMW%のレベル。 図6Bは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図6B:6Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図6Cは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図6C:HMW%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図6Dは、クローンAのHMW%の統計解析を示す。図6D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のHMW%のレベル。
図7Aは、クローンBのHMW%の統計解析を示す。図7A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のHMW%のレベル。 図7Bは、クローンBのHMW%の統計解析を示す。図7B:7Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図7Cは、クローンBのHMW%の統計解析を示す。図7C:HMW%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図7Dは、クローンBのHMW%の統計解析を示す。図7D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のHMW%のレベル。
図8は、増殖因子(1mg/Lインスリン)存在下で培養した、クローンA、クローンBおよびクローンD細胞を示し、これらは増殖因子を含まない培養物と比較して、より低いgal%をもたらした。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図9Aは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図9A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図9Bは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図9B:9Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図9Cは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図9C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図9Dは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図9D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図10Aは、クローンBのgal%の統計解析を示す。図10A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図10Bは、クローンBのgal%の統計解析を示す。図10B:10Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図10Cは、クローンBのgal%の統計解析を示す。図10C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図10Dは、クローンBのgal%の統計解析を示す。図10D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図11Aは、クローンCのgal%の統計解析を示す。図11A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図11Bは、クローンCのgal%の統計解析を示す。図11B:11Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図11Cは、クローンCのgal%の統計解析を示す。図11C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図11Dは、クローンCのgal%の統計解析を示す。図11D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図12Aは、クローンDのgal%の統計解析を示す。図12A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図12Bは、クローンDのgal%の統計解析を示す。図12B:12Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図12Cは、クローンDのgal%の統計解析を示す。図12C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図12Dは、クローンDのgal%の統計解析を示す。図12D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図13Aは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図13A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図13Bは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図13B:13Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図13Cは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図13C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図13Dは、クローンAのgal%の統計解析を示す。図13D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図14Aは、クローンFのgal%の統計解析を示す。図14A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のgal%のレベル。 図14Bは、クローンFのgal%の統計解析を示す。図14B:14Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図14Cは、クローンFのgal%の統計解析を示す。図14C:gal%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図14Dは、クローンFのgal%の統計解析を示す。図14D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のgal%のレベル。
図15は、クローンBのgal%に対する増殖因子およびリン酸塩の効果を示す。細胞を、増殖因子存在下または非存在下において、様々な濃度のリン酸塩と共に培養した。GF−Free条件のgal%は、リン酸塩濃度にかかわらず、GF条件のgal%よりも高かったことを注記しておく。リン酸塩は、GF条件またはGF−Free条件のいずれにおいてもgal%を減少させた。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図16は、クローンGのgal%に対する、増殖因子およびリン酸塩の効果を示す。細胞を、増殖因子存在下または非存在下において、様々な濃度のリン酸塩と共に培養した。GF−Free条件のgal%は、リン酸塩濃度が1.1g/L未満であった場合に、GF条件のgal%よりも高かったことを注記しておく。0.5g/Lから1.1g/Lへのリン酸塩の増加は、GF−Free条件のgal%を増加させた;同様に、0.5g/Lから1.4g/Lへのリン酸塩の増加は、GF条件のより高いgal%を導いた。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図17は、増殖因子(1mg/Lインスリン)存在下で培養したクローンBを示し、これは増殖因子を含まない培養物と比較して、より低いSA%をもたらした。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図18Aは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図18A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のSA%のレベル。 図18Bは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図18B:18Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図18Cは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図18C:SA%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図18Dは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図18D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のSA%のレベル。
図19は、クローンBのSA%に対する、増殖因子およびリン酸塩の効果を示す。細胞を、増殖因子存在下または非存在下において、様々な濃度のリン酸塩と共に培養した。GF−Free条件のSA%は、リン酸塩濃度にかかわらず、GF条件のSA%より高かったことを注記しておく。リン酸塩は、GF条件およびGF−Free条件の両方において、SA%を減少させた。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図20Aは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図20A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のSA%のレベル。 図20Bは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図20B:20Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図20Cは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図20C:SA%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図20Dは、クローンBのSA%の統計解析を示す。図20D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のSA%のレベル。
図21Aは、クローンGのman5%の統計解析を示す。図21A:プロトタイプ培地で培養した細胞から産生したタンパク質のman5%のレベル。 図21Bは、クローンGのman5%の統計解析を示す。図21B:21Aで示されたデータをフィットするために作製された数理モデルの統計的な概要。 図21Cは、クローンGのman5%の統計解析を示す。図21C:man5%に対する要素の主要な効果および数理モデルに取り込まれた項の表。 図21Dは、クローンGのman5%の統計解析を示す。図21D:作製されたモデルを用いた、予測される最大または最小のman5%のレベル。
図22は、クローンGのman5%に対する、増殖因子およびリン酸塩の効果を示す。細胞を、増殖因子存在下または非存在下において、様々な濃度のリン酸塩と共に培養した。GF−Free条件のman5%は、リン酸塩濃度にかかわらず、GF条件のman5%よりも低かったことを注記しておく。リン酸塩は、GF条件およびGF−Free条件の両方において、man5%を減少させた。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
図23は、増殖因子(1mg/Lインスリン)が、クローンDのman5%を減少させたことを示す。GF:増殖因子;GF−Free:増殖因子なし。
本発明は、特定の培地成分(限定されないが、増殖因子、リン酸塩、亜鉛、鉄、アミノ酸(Asp、Asn、Cys、Ser)、脂質、ビタミン(B1、B2、B3、B9、B12、Bx)およびそれらの組合せを含む)のレベルを変化させることによって、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞培養において産生したポリペプチドのタンパク質品質特性を操作および/または制御する新規方法に関する。本明細書に記述されるように、本発明は多様な培地を包含する。
本明細書において、用語「基本培地」および「基礎培地」は、培養を開始するために細胞を添加する、出発培地を指す。基本培地は、細胞増殖を助長する栄養素を含む溶液である。典型的に、基本培地は、最小限の増殖および/または生存のために細胞に必要な、必須アミノ酸および非必須アミノ酸、ビタミン、エネルギー源、脂質、ならびに微量元素を提供する。基本培地はまた、増殖および/または生存を最小限の割合を超えて増強する、追加の成分(限定されないが、ホルモンおよび/または他の増殖因子、特定のイオン(ナトリウム、塩素、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩など)、緩衝液、ビタミン、ヌクレオシドもしくはヌクレオチド、微量元素(通常、非常に低い終濃度で存在する、無機化合物)、アミノ酸、脂質および/またはグルコースまたは他のエネルギー源を含む)を含み得る。ある実施態様において、基本培地は、組換えポリペプチドの品質特性(高分子量の割合(HMW%)、ガラクトースの割合(Gal%)、シアル酸の割合(SA%)およびマンノースの割合(Man%)など)を操作および/または維持するために、有利に構築される。代表的な基本培地の成分を、表1に示す。
本明細書において、用語「アミノ酸」は、ポリペプチドの形成に通常使用される、20個の天然に存在するアミノ酸のいずれか、これらのアミノ酸の類似体もしくは誘導体、または天然に存在しないあらゆるアミノ酸を指す。ある実施態様において、本発明のアミノ酸は、細胞培養のための培地に提供される。培地に提供されるアミノ酸は、塩または水和物の形態で提供され得る。
本明細書において、用語「限定培地」は、培地の組成が公知であり、かつ制御されている培地を指す。ある実施態様において、基本培地は限定培地である。
本明細書において、用語「糖タンパク質」は、1以上の共有結合したオリゴ糖鎖を含む、タンパク質またはポリペプチドを指す。オリゴ糖鎖は、単一の糖残基、糖残基の単一の非分岐鎖、または1以上の分岐を有する糖残基の鎖から構成され得る。オリゴ糖鎖は、N結合型またはO結合型のいずれかであり得る。
本明細書において、用語「グリコシル化パターン」は、所定の糖タンパク質において観察されたグリコシル化を指す。そのオリゴ糖鎖において、より多くの共有結合した糖残基を有する糖タンパク質は、増加した、またはより広範なグリコシル化パターンを有すると考えられている。逆に、そのオリゴ糖鎖において、より少ない共有結合した糖残基を有する糖タンパク質は、減少した、またはより広範でないグリコシル化パターンを有すると考えられている。本明細書における用語「グリコシル化パターン」はまた、本発明の教示に従って発現した個々の糖タンパク質における、数種の異なるグリコシル化パターンの特徴的な分布を指す。この意味において、増加したグリコシル化パターンは、発現した糖タンパク質のグリコシル化パターンの特徴的な分布における増加を指す。
本明細書において、「組換え発現ポリペプチド」および「組換えポリペプチド」は、ポリペプチドを発現するように人の手によって操作された宿主細胞から発現したポリペプチドを指す。ある実施態様において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞である。ある実施態様において、この操作は、1以上の遺伝子組換えを含み得る。例えば宿主細胞は、発現するポリペプチドをコードする1以上の異種遺伝子の導入によって、遺伝子組換えされ得る。組換えで発現した異種のポリペプチドは、宿主細胞において通常発現するポリペプチドと同一または類似であり得る。組換えで発現した異種のポリペプチドはまた、宿主細胞に対して外来性(例えば、宿主細胞において通常発現するポリペプチドに対して異種)であり得る。ある実施態様において、組換えで発現した異種のポリペプチドはキメラである。例えば、ポリペプチドの一部は、宿主細胞において通常発現するポリペプチドと同一または類似するアミノ酸配列を含み得るが、他の部分は、宿主細胞に対して外来性のアミノ酸配列を含む。さらに、またはあるいは、ポリペプチドは、共に宿主細胞において通常発現する2以上の異なるポリペプチド由来のアミノ酸配列を含み得る。さらに、ポリペプチドは、共に宿主細胞に対して外来性である2以上のポリペプチド由来のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施態様において、宿主細胞は、1以上の内在性遺伝子の活性化または上方制御によって、遺伝子組換えされている。ある実施態様において、組換えで発現したポリペプチドは抗体である。ある実施態様において、組換えで発現したポリペプチドは抗体フラグメント(dAb)である。
培地成分のスクリーニング
培地成分を、化学物質の機能または性質に基づいて、アミノ酸、ビタミン、脂質、抗酸化剤およびリン酸塩に分類した。この群は、応答表面の統計的設計の手法を用いて、実施例2に示されるプロトタイプ培地条件を作成するのに使用される、研究の要素であった。細胞を、実施例1に記述されるプロトコルに従って、いかなる増殖因子も含まないプロトタイプ培地中で培養した。
Figure 2018536404
HMW%に影響を与える要素
最終生成物における凝集したタンパク質は、生物活性に影響し得、有害な免疫学的応答の発生に関連付けられる(Rosenberg AS. Effects of Protein Aggregates: An Immunologic Perspective. AAPS J 2006; 8 (3) E501-7)ため、凝集は、生物学的な製造における懸念である。
下記の表2は、種々のクローンにわたって、高分子量の割合(HMW%)に対する、単一の要素の効果を要約する。
Figure 2018536404
増殖因子の添加は一般的にHMW%を増加(↑)させたが、亜鉛の添加は一般的にHMW%を減少(↓)させた。クローンDにおいて、アミノ酸、リン酸塩または抗酸化剤の添加はHMW%を増加させ、脂質またはビタミンの添加はHMW%を減少させた。
下記の表3は、3体の研究したクローンにおいて、HMW%に対する効果を有する組合せの要素を要約する。予測は相対的な範囲に基づく:−1はより低い範囲であり、0は中間であり、+1はより高い範囲である。全ての範囲は、培地の構成における成分に対して相対的である。
Figure 2018536404
クローンAの場合、HMW%のレベルは、平均で4.72%の値に最小化され得、95%の確率で、HMW%は4.26〜5.18の範囲にある。しかしながら、アミノ酸、脂質または抗酸化剤のレベルが正確に設定されていない場合、HMW%は8.11%まで増加し得る。
クローンCの場合、HMW%のレベルは、平均で4.56%の値に最小化され得、95%の確率で、HMW%は4.07〜5.04の範囲にある。しかしながら、アミノ酸またはリン酸塩のレベルが正確に設定されていない場合、HMW%は6.42%まで増加し得る。
クローンDの場合、HMW%のレベルは、平均で3.85%の値に最小化され得、95%の確率で、HMW%は3.17〜4.52の範囲にある。しかしながら、アミノ酸、脂質、抗酸化剤またはビタミンのレベルが正確に設定されていない場合、HMW%は11.03%まで増加し得る。
以下の表4は、クローンAおよびBにおいて、特定の成分がHMW%に対して有する効果を要約する。
Figure 2018536404
クローンAの場合、HMW%のレベルは、亜鉛、AsnおよびAspをそれぞれ1、1、−1に調節すると、平均で3.13%の値に最小化され得、95%の確率で、HMW%は2.87〜3.39の範囲にある。しかしながら、Asn、Aspまたは亜鉛のレベルが正確に設定されていない場合、HMW%は8.95%まで増加し得る。
クローンBの場合、HMW%のレベルは、亜鉛、FeSO4およびAspをそれぞれ1、0.04、−1に調節すると、平均で1.39%の値に最小化され得、95%の確率で、HMW%は0〜2.81の範囲にある。しかしながら、Asp、亜鉛またはFeSO4のレベルが正確に設定されていない場合、HMW%は7.54%まで増加し得る。
グリコシル化
グリコシル化は、タンパク質の最も一般的な翻訳後修飾である。これは、多くの機能性タンパク質が関与し、炭水化物−タンパク質結合およびグリカン構造の高度な多様性をもたらす、複雑な過程である。いくつかのタンパク質のグリコシル化は、その構造、機能、安定性および血清クリアランス速度に大きな影響を与え、これらは全て、有効性に影響を与える。
構造的に、糖タンパク質は、炭水化物部分と共有結合したポリペプチドからなる。炭水化物は、タンパク質全体の質量の1パーセント未満から80パーセントを超える値までの範囲を構成し得る。糖鎖(グリカンとも呼ばれる)は、2つの主要な方法において、ポリペプチドと連結し得る。第1の種類の糖タンパク質は、O結合型グリカンである。これらは通常、トレオニンまたはセリンのいずれかのO末端にグリコシド結合を介して結合しているN−アセチルガラクトサミンを含む。他方の種類の糖タンパク質はN結合型グリカンである。これらは、N−アセチルグルコサミンとアスパラギン残基のN末端との間のグリコシド結合を含む(Schulz, Georg E. And R.H. Schirmer. Principles of Protein Structure. Springer-Verlag: New York, 1979. P.228-230)。
1以上のマンノースおよびガラクトース残基が、オリゴ糖鎖の末端位置を占めるシアル酸残基で、N−アセチルガラクトサミンまたはN−アセチルグルコサミンと結合している。
Gal%に影響を与える要素
以下の表5は、種々のクローンにわたって、ガラクトースの割合(Gal%)に対する単一の要素の効果を要約する。
Figure 2018536404
アミノ酸(具体的にはAsn)または増殖因子の添加は一般的にGal%を減少(↓)させたが、亜鉛、ビタミンおよび抗酸化剤の添加は一般的にGal%を増加(↑)させた。クローンDにおいて、リン酸塩、ビタミンまたは抗酸化剤の添加はGal%を増加させ、脂質または増殖因子の添加はGal%を減少させた。
下記の表6は、クローンA〜Dにおいて、Gal%に対する効果を有する組合せの要素を要約する。予測は相対的な範囲に基づく:−1はより低い範囲であり、0は中間であり、+1はより高い範囲である。全ての範囲は、培地の構成における成分に対して相対的である。
Figure 2018536404
クローンAの場合、Gal%のレベルは、平均で34.14%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は31.34〜36.96%の範囲にある。しかしながら、アミノ酸、リン酸塩または脂質のレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は6.26%まで減少し得る。
クローンBの場合、Gal%のレベルは、平均で116.77%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は113.22〜120.33%の範囲にある。しかしながら、アミノ酸またはリン酸塩のレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は103.26%まで減少し得る。
クローンCの場合、Gal%のレベルは、平均で17.74%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は16.19〜19.29%の範囲にある。しかしながら、アミノ酸または脂質のレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は8.50%まで減少し得る。
クローンDの場合、Gal%のレベルは、平均で38.56%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は36.75〜40.37%の範囲にある。しかしながら、脂質、抗酸化剤またはビタミンのレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は12.63%まで減少し得る。
以下の表7は、クローンA、BおよびFにおいて、特定の成分がGal%に対して有する効果を要約する。
Figure 2018536404
クローンAの場合、Gal%のレベルは、亜鉛、AsnおよびFeSO4をそれぞれ1、−1、−1に調節すると、平均で22.82%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は20.51〜25.13%の範囲にある。しかしながら、亜鉛、AsnおよびFeSO4のレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は4.62%まで減少し得る。
クローンFの場合、Gal%のレベルは、AsnおよびFeSO4をそれぞれ−1、1に調節すると、平均で20.76%の値に最大化され得、95%の確率で、Gal%は19.64〜21.98の範囲にある。しかしながら、AsnおよびFeSO4のレベルが正確に設定されていない場合、Gal%は8.562%まで減少し得る。
SA%に影響を与える要素
以下の表8は、クローンBにおいて、シアル酸の割合(SA%)に対する単一の要素の効果を要約する。
Figure 2018536404
アミノ酸および亜鉛の添加は一般的にSA%を増加(↑)させたが、リン酸塩、Aspおよび増殖因子の添加は一般的にSA%を減少(↓)させた。
下記の表9は、クローンBにおいて、SA%に対する効果を有する組合せの要素を要約する。予測は相対的な範囲に基づく:−1はより低い範囲であり、0は中間であり、+1はより高い範囲である。全ての範囲は、培地の構成における成分に対して相対的である。
Figure 2018536404
クローンBの場合、SA%のレベルは、平均で36.74%の値に最大化され得、95%の確率で、SA%は35.70〜37.78%の範囲にある。しかしながら、アミノ酸またはリン酸塩のレベルが正確に設定されていない場合、SA%は28.36%まで減少し得る。
以下の表10は、クローンBにおいて、特定の成分がSA%に対して有する効果を要約する。
Figure 2018536404
クローンBの場合、SA%のレベルは、Aspを−1に調節すると、平均で47.39%の値に最大化され得、95%の確率で、SA%は42.55〜52.23%の範囲にある。しかしながら、Aspのレベルが正確に設定されていない場合、SA%は6.03%まで減少し得る。
Man5%に影響を与える要素
下記の表11は、クローンDおよびGにおいて、マンノース5の割合(Man5%)に対する、単一の要素の効果を要約する。アスパラギンまたは増殖因子の添加は一般的にMan5%を増加(↑)させたが、リン酸塩または亜鉛の添加は一般的にMan5%を減少(↓)させた。
Figure 2018536404
細胞、タンパク質および細胞培養
本発明の細胞培養過程または細胞培養方法において、細胞を多様な細胞培養培地(すなわち、当分野で従来から公知である基本培地)で維持できる。例えば、本方法は、細胞培養培地中に維持された大量の細胞への使用に適用でき、この培地には栄養素などが添加され得る。典型的に、「細胞培養培地」(「培養培地とも呼ばれる」)は、当分野の実践者によって理解される用語であり、細胞(好ましくは動物細胞または哺乳類細胞)が増殖し、一般的に以下の少なくとも1以上の成分を供給する栄養溶液を指すことが知られている:エネルギー源(通常、グルコースなどの炭水化物の形態);全ての必須アミノ酸、および一般的に20個の基本アミノ酸プラスシステイン;ビタミンおよび/または、典型的に低濃度で必要とされる他の有機化合物;脂質または遊離脂肪酸(例えば、リノール酸);ならびに微量元素(例えば、典型的に非常に低濃度(通常マイクロモル濃度領域)で必要とされる、無機化合物または天然に存在する元素)。細胞培養培地はまた、多様な任意の成分(ホルモンおよび他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、上皮増殖因子、血清など);塩(例えば、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩)および緩衝液(例えばHEPES);ヌクレオシドおよび塩基(例えば、アデノシン、チミジン、ヒポキサンチン);ならびにタンパク質および組織加水分解物(例えば、加水分解された動物タンパク質(動物の副生成物、精製したゼラチンまたは植物性物質から得られ得る、ペプトンまたはペプトン混合物));抗生物質(例えば、ゲンタマイシン);ならびに細胞保護剤(例えば、プルロニックポリオール(プルロニックF68)))を含むように、補充され得る。無血清であり、動物由来の産物または成分を含まず、既知組成である細胞栄養培地が好ましい。
実践者に認識されるように、動物細胞または哺乳類細胞は、培養する特定の細胞に適した培地で培養され、この培地は当業者によって過度の実験を行わずに決定され得る。市販の培地を利用でき、これは例えば、最小必須培地(MEM、Sigma, St. Louis, MO);ハムF10培地(Sigma);ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Sigma);RPMI−1640培地(Sigma);ハイクローン細胞培養培地(HyClone, Logan, UT);および既知組成(CD)培地を含み、これらは特定の細胞種のために処方される。上記の例示的な培地に、任意の成分を含む上述の追加の構成要素または成分を、必要または所望に応じて、当業者によって知られ、実践されるように、適切な濃度または量で添加してもよい。
さらに、本発明の方法に適した細胞培養条件は、温度(約30℃〜37℃)に加えて、pH(例えば、約6.5〜約7.5)、溶存酸素(O)(例えば、空気飽和の約5〜90%)、二酸化炭素(CO)(例えば、約10〜150mmHg)、撹拌(約50〜200rpm)および湿度に注意を払った、細胞のバッチ培養、流加培養または連続培養において、典型的に利用され、知られている条件である。説明として、限定されないが、例えば、本発明の流加培養の方法に適した細胞培養培地は、既知組成の基本培地および流加培地(好ましくは、本発明の抗酸化剤を含む一方または両方;例えば、実施例1)を含む。
動物細胞、哺乳類細胞、培養細胞、動物または哺乳類の宿主細胞、宿主細胞、組換え細胞、組換え宿主細胞などは全て、本発明の方法で培養され得る細胞の用語である。そのような細胞は、典型的に哺乳類から得られ、または哺乳類に由来する細胞株であり、適切な栄養素および/または増殖因子を含む培地における、単層培養または浮遊培養のいずれかに置かれた場合に、増殖および生存できる。特定の細胞培養の増殖および維持に必要な増殖因子および栄養素は、例えばBarnesおよびSato, (1980, Cell, 22:649);Mammalian Cell Culture, Ed. J.P. Mather, Plenum Press, NY, 1984;および、米国特許第5,721,121号に記述されるように、関連分野の技術を有する者によって経験的に、容易に決定できる。
多種の細胞を、本発明の方法で培養できる。細胞は典型的に、特定のタンパク質を培養培地中に大量に発現および分泌でき、または発現および分泌するように分子設計できる、動物細胞または哺乳類細胞である。宿主細胞によって産生したタンパク質は、内在性または宿主細胞に対して同種であり得ることが理解される。あるいは、好ましくは、タンパク質は宿主細胞に対して異種(すなわち外来性)である(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞によって産生および分泌されたヒトタンパク質)。
本発明の方法によって有利に産生され得る哺乳類タンパク質の例は、限定されないが、サイトカイン、サイトカイン受容体、増殖因子(例えば、EGF、HER−2、FGF−α、FGF−β、TGF−α、TGF−β、PDGF、IGF−1、IGF−2、NGF、NGF−β);増殖因子受容体(融合タンパク質またはキメラタンパク質を含む)を含む。他の限定されない例は、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン);インスリン(例えば、インスリンA鎖およびインスリンB鎖)、プロインスリン;エリスロポエチン(EPO);コロニー刺激因子(例えば、G−CSF、GM−CSF、M−CSF);インターロイキン(例えばIL−1からIL−12);血管内皮増殖因子(VEGF)およびその受容体(VEGF−R);インターフェロン(例えば、IFN−α、βまたはγ);腫瘍壊死因子(例えばTNF−αおよびTNF−β)およびその受容体、TNFR−1およびTNFR−2;トロンボポエチン(TPO);トロンビン;脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP);凝固因子(例えば、第VIII因子、第IX因子、フォン・ヴィルブランド因子など);抗凝固因子;組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)(例えばウロキナーゼまたはヒト尿もしくは組織型TPA);卵胞刺激ホルモン(FSH);黄体形成ホルモン(LH);カルシトニン;CDタンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8、CD28、CD19など);CTLAタンパク質(例えばCTLA4);T細胞およびB細胞受容体タンパク質;骨形態形成タンパク質(BNP、例えばBMP−1、BMP−2、BMP−3など);神経栄養因子、例えば骨由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン、例えば3−6;レニン;リューマトイド因子;RANTES;アルブミン;リラキシン;マクロファージ阻害タンパク質(例えば、MIP−1、MIP−2);ウイルスタンパク質または抗原;表面膜タンパク質;イオンチャネルタンパク質;酵素;調節タンパク質;抗体;免疫調節タンパク質(例えば、HLA、MHC、B7ファミリー);ホーミング受容体;輸送タンパク質;スーパーオキシドジスムターゼ(SOD);Gタンパク質共役受容体タンパク質(GPCR);神経調節タンパク質;アルツハイマー病関連タンパク質およびアルツハイマー病関連ペプチド(例えばAβ)、ならびに当分野で公知の他のタンパク質を含む。上記のあらゆるタンパク質およびポリペプチドの、融合タンパク質および融合ポリペプチド、キメラタンパク質およびキメラポリペプチド、ならびにフラグメントもしくは一部または変異体、バリアントまたは類似体もまた、本発明の方法によって産生され得る適切なタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドの中に含まれる。
タンパク質を有し、発現し、かつ生成し、次いでこれを単離および/または精製するのに適した、動物宿主細胞または哺乳類宿主細胞の限定されない例は、CHO−K1(ATCC CCL−61)、DG44(Chasin et al., 1986, Som. Cell Molec. Genet., 12:555-556; Kolkekar et al., 1997, Biochemistry, 36:10901-10909;およびWO 01/92337 A2)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ陰性CHO細胞(CHO/−DHFR、UrlaubおよびChasin, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216)、およびdp12.CHO細胞(米国特許第5,721,121号)などのチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を含む。CHO細胞、特にDHFRまたはGS遺伝子発現系を含んで樹立した、組換えCHO細胞株が好ましい。
本発明の方法および過程における培養に適した細胞は、培養段階における発現および産生のためにタンパク質をコードするコード配列またはその一部を有する、(例えば、形質転換、遺伝子導入、感染または注入を介して)導入されたプラスミドなどの発現ベクター(コンストラクト)を含み得る。そのような発現ベクターは、挿入されたコード配列の転写および翻訳に必要な要素を含む。当業者に周知で、実行されている方法を用いて、産生するタンパク質およびポリペプチドをコードする配列ならびに適切な転写および翻訳調節要素を含む、発現ベクターを構築できる。これらの方法は、インビトロ(in vitro)の組換えDNA技術、合成技術、およびインビボ(in vivo)の遺伝子組換えを含む。そのような技術は、J. Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview, N.Y.およびF.M. Ausubel et al., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Yに記述されている。
調節要素または制御配列は、宿主の細胞タンパク質と相互作用し転写および翻訳を行う、ベクターの非翻訳領域(例えば、エンハンサー、プロモーター、5’および3’非翻訳領域)である。そのような要素は、その強度および特異性が様々であり得る。使用するベクター系および宿主細胞に依存して、あらゆる適切な転写および翻訳要素(構成的プロモーターおよび誘導性プロモーターを含む)を使用できる。哺乳類細胞系において、哺乳類遺伝子由来または哺乳類ウイルス由来のプロモーターが好ましい。タンパク質発現系において使用されるコンストラクトは、少なくとも1つのプロモーター、エンハンサー配列(場合により、哺乳類発現系のため)および正確な転写および遺伝子発現の制御に必要または要求される他の配列(例えば、転写開始および終結配列、複製起点部位、例えばウシ成長ホルモン(BGH)ポリA配列などのポリアデニル化配列)を含むように設計される。
当業者によって認識されるように、真核生物の発現系において産生するタンパク質の正確な転写、発現および単離のための適切なベクター、成分の選択は公知であり、当業者によって日常的に決定され、実践されている。本発明の方法で培養した細胞によるタンパク質の発現は、ウイルスプロモーターなどのプロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、チミジンキナーゼ(TK)またはα−アクチンプロモーターなど)の制御下に置かれてい得る。さらに、制御されたプロモーターは、特定の化合物または分子による誘導能を与える(例えば、マウス乳がんウイルス(MMTV)のグルココルチコイド応答エレメント(GRE)は、グルココルチコイドによって誘導される;V. Chandler et al., 1983, Cell, 33:489-499)。また、組織特異的プロモーターまたは制御要素を、必要に応じて、または所望の場合に使用してもよい(G. Swift et al., 1984, Cell, 38:639-646)。
発現コンストラクトを、当業者に公知の多様な遺伝子導入法(例えば、リン酸カルシウム共沈、リポソームトランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、および感染またはウイルスの形質導入などの、従来の遺伝子導入法)によって細胞に導入してもよい。この方法の選択は、当分野の技能を有する実践者の能力の範囲内である。細胞中で発現させるためのDNA配列を有する1以上のコンストラクトを、発現産物を産生し、かつ/または細胞から取得できるように、細胞に導入できることは当業者には明らかである。
特定の態様において、適切な調節配列および制御配列を含む哺乳類発現系は、本発明のタンパク質を発現する哺乳類細胞に使用するのに好ましい。哺乳類発現ベクターを作製するのに一般的に使用される真核細胞の調節配列は、哺乳類細胞に適合できるプロモーターおよび調節配列(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(CDM8ベクター)およびトリ肉腫ウイルス(ASV)πLNベクターなど)を含む。他の一般的に使用されるプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)由来の初期および後期プロモーター(Fiers et al., 1973, Nature, 273:113)、または他のウイルスプロモーター(ポリオーマ、アデノウイルス2、およびウシパピローマウイルスに由来するウイルスプロモーターなど)を含む。hMTII(Karin et al., 1982, Nature, 299:797-802)などの誘導性プロモーターを用いてもよい。
真核生物宿主細胞に適した発現ベクターの例は、限定されないが、哺乳類宿主細胞用ベクター(例えば、BPV−1、pHyg、pRSV、pSV2、pTK2(Maniatis);pIRES(Clontech);pRc/CMV2、pRc/RSV、pSFV1(Life Technologies);pVPakcベクター、pCMVベクター、pSG5ベクター(Stratagene)、レトロウイルスベクター(例えばpFBベクター(Stratagene))、pcDNA−3(Invitrogen)、アデノウイルスベクター;アデノ随伴ウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、酵母ベクター(例えばpESCベクター(Stratagene)))、または上記いずれかの修飾型を含む。ベクターはまた、遺伝子発現を最適化するために、プロモーター領域配列の上流または下流にエンハンサー配列を含み得る。
選択可能マーカーを組換えベクター(例えばプラスミド)に使用し、ベクターを内部に有する(好ましくは、安定に組み込む)細胞に耐性を与え、適切な選択培地におけるそれらの選択を可能にしてもよい。多数の選択系が使用でき、これは限定されないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV TK)(Wigler et al., 1977, Cell, 11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)(SzybalskaおよびSzybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 48:202)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Lowy et al., 1980, Cell, 22:817)を含み、これらはそれぞれ、tk−、hgprt−、またはaprt−細胞(APRT)において利用され得る。
代謝拮抗剤耐性を、以下の限定されないマーカー遺伝子の例について、選択の根拠として用いてもよい;メトトレキサートに対する耐性を与えるdhfr(Wigler et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:357;およびO'Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:1527);ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mulligan and Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:2072);アミノグリコシドG418に対する耐性を与えるneo(Clinical Pharmacy, 12:488-505; WuおよびWu, 1991, Biotherapy, 3:87-95; Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 32:573-596; Mulligan, 1993, Science, 260:926-932; Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem., 62:191-21; May, 1993, TIB TECH, 11(5):155-215);およびハイグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(Santerre et al., 1984, Gene, 30:147)。組換えDNA技術の分野で一般的に知られている方法を日常的に適用し、所望の組換え細胞クローンを選択でき、そのような方法は例えば、Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY (1993); Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY; in Chapters 12 and 13, Dracopoli et al. (eds), Current Protocols in Human Genetics, John Wiley & Sons, NY (1994); Colberre-Garapin et al., 1981. J. Mol. Biol., 150:1に記述されており、これらは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
さらに、発現したタンパク質分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増加し得る(概説について、BebbingtonおよびHentschel, "The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning", Vol. 3, Academic Press, New York, 1987参照)。タンパク質を発現するベクター系におけるマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞培養において存在する阻害剤のレベルの増加は、マーカー遺伝子のコピー数を増加させる。増幅した領域は、タンパク質をコードする遺伝子に付随するため、タンパク質の生成も同時に増加する(Crouse et al., 1983, Mol. Cell. Biol., 3:257)。
グルタミンシンターゼ(GS)またはジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする核酸を選択可能マーカーとして有するベクターを、それぞれ薬物メチオニンスルホキシミンまたはメトトレキサートの存在下で増幅してもよい。グルタミンシンターゼに基づくベクターの利点は、グルタミンシンターゼ陰性の細胞株(例えば、マウス骨髄腫細胞株、NSO)を利用できることである。グルタミンシンターゼ発現系はまた、追加の阻害剤を与え、内在性遺伝子の機能を妨げることによって、グルタミンシンターゼを発現する細胞(例えばCHO細胞)においても機能できる。
DHFRを選択可能マーカーとして発現するベクターは、限定されないが、pSV2−dhfrプラスミド(Subramani et al., Mol. Cell. Biol. 1:854 (1981))を含む。グルタミンシンターゼを選択可能マーカーとして発現するベクターは、限定されないが、StephensおよびCockett, 1989, Nucl. Acids. Res., 17:7110において記述されるpEE6発現ベクターを含む。グルタミンシンターゼ発現系およびその構成要素は、PCT公開公報:W087/04462; W086/05807; W089/01036; W089/10404;およびW091/06657に詳述され、これらは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本発明に使用できるグルタミンシンターゼ発現ベクターは、供給業者(例えばLonza Biologics, Inc. (Portsmouth, NH)を含む)から市販されている。
細胞培養の種類
限定されないが、理解の目的のために、タンパク質産生のための細胞培養および培養の実行は3つの一般的な種類(すなわち連続培養、バッチ培養および流加培養)を含み得ることが技能を有する実践者に認識されている。連続培養では、例えば、新鮮な培養培地添加物(すなわち流加培地)を培養期間中に細胞に提供し、同時に古い培養培地を毎日除去し、生成物を(例えば毎日または連続的に)回収する。連続培養では、流加培地を、毎日添加してもよく、連続的に(すなわち、点滴または注入液として)添加してもよい。連続培養において、細胞が生存しており、環境条件および培養条件が維持されている限り、細胞を所望の期間培養し続けてよい。
バッチ培養では、細胞を最初に培地中で培養し、この培地は除去、交換および補充されない(すなわち、細胞に、培養の実行中または培養の実行が終了する前に、新たな培地を「供給」しない)。所望の生成物を、培養の実行終了時に回収する。
流加培養では、実行中に毎日1回以上(または連続的に)、培養培地に新鮮な培地を補充する(すなわち、培養期間中、細胞に新たな培地(「流加培地」)を「供給」する)ことによって、培養の実行時間を増加させる。流加培養は、様々な供給レジメンおよび供給回数(例えば、毎日、隔日、2日おき、1日に2回以上、または1日に1回未満など)を含み得る。さらに、流加培養は、流加培地を連続的に供給し得る。所望の生成物を、培養/産生の実行終了時に回収する。
CHOクローン
MDX1100(クローンA)
別の実施態様において、CHO−K1細胞を、ヒトIgG4抗体を発現する安定な細胞株を樹立するために、GS遺伝子発現系と共に遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、抗体を発現する細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンAによって産生した抗体は、米国特許出願第2005/0191293号に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
ミオスタチン(クローンG)
別の実施態様において、dhfr−陰性チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株DG44を、組換えヒト融合タンパク質を発現する安定な細胞株を樹立するために、遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、融合タンパク質を発現するCHO DG44細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンGによって産生した融合タンパク質は、米国特許第8, 933,199号に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
aCD40L(クローンB)
別の実施態様において、dhfr−陰性チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株DG44を、組換えヒト融合タンパク質を発現する安定な細胞株を樹立するために、遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、抗体を発現するCHO DG44細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンBによって産生した抗体は、米国特許第8,895,010号に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
aLag3(クローンC)
別の実施態様において、dhfr−陰性チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株DG44を、ヒトIgG4抗体を発現する安定な細胞株を樹立するために、遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、抗体を発現するCHO DG44細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンCによって産生した抗体は、PCT出願WO2014/008218に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
MDX1110(クローンD)
別の実施態様において、dhfr−陰性チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株CHO−Ms704を、ヒトIgG4抗体を発現する安定な細胞株を樹立するために、遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、抗体を発現する細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンDによって産生した抗体は、米国特許第8,383,118号に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
aKir(クローンF)
別の実施態様において、CHO−K1細胞を、ヒトIgG4抗体を発現する安定な細胞株を樹立するために、GS遺伝子発現系と共に遺伝子導入した。
遺伝子導入され、クローン化された、抗体を発現する細胞を、本発明の方法に従って、様々な濃度の検査因子を含む培地で増殖させた(実施例2〜5参照)。
クローンFによって産生した抗体は、PCT出願WO2008/084106に記述され、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
製剤処方
ある実施態様において、生成したポリペプチドは薬理活性を有し、医薬品の調製に有用である。上述の本発明の組成物は、対象に投与され得、またはあらゆる利用可能な経路(限定されないが、非経口、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、経口、頬側、舌下、経鼻、気管支、眼、経皮(局所)、経粘膜、直腸、および膣の経路を含む)による送達のために、まず処方され得る。本発明の医薬組成物は典型的に、哺乳類細胞株から発現した、精製されたポリペプチド、薬学的に許容され得る担体と組み合わせた送達薬を含む。本明細書において、言語「薬学的に許容され得る担体」は、医薬品投与に適合する、溶媒、分散媒、被覆物、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。追加の活性化合物もまた、本発明の組成物に包含され得る。例えば、本発明において生成したポリペプチドを、全身性の薬学療法における薬剤(毒物、低分子量細胞傷害性薬物、生体応答修飾物質および放射性核種など;例えば、Kunz et al., Calicheamicin derivative-carrier conjugates, US20040082764 A1参照)と共役してもよい。本発明における医薬組成物の調製に有用な追加の成分は、例えば、香味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、賦形剤、流動促進剤、圧縮補助剤、結合剤、錠剤崩壊剤、封入材、乳化剤、緩衝液、保存料、甘味料、増粘剤、着色料、粘性調節剤、安定剤、もしくは浸透圧調節剤またはそれらの組合せを含む。
あるいは、またはさらに、本発明において生成したポリペプチドを、1以上の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて(同時または連続的に)投与してもよい。これらの薬学的に活性な薬剤の例示的な記載は、Physicians' Desk Reference, 55 Edition, published by Medical Economics Co., Inc., Montvale, N.J., 2001に見出され得、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。記載されたこれらの薬剤の多くにおいて、薬学的に有効な投与量およびレジメンは、当分野で公知である;多くは、Physicians' Desk Reference自体に示されている。
固形の医薬組成物は、1以上の固体担体を含み得、場合により、1以上の他の添加剤(香味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、賦形剤、流動促進剤、圧縮補助剤、結合剤、錠剤崩壊剤または封入材など)を含み得る。適切な固体担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスもしくはイオン交換樹脂、またはそれらの組合せを含む。粉末の医薬組成物において、担体は、微粉化した活性成分と混合した微粉化した固体であり得る。錠剤において、活性成分は一般的に、必要な圧縮特性を有する担体および場合により他の添加剤と、適切な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮されている。
液体の医薬組成物は、本発明において発現したポリペプチドおよび1以上の液体の担体を含み、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ、エリキシル剤または加圧組成物を形成し得る。薬学的に許容され得る液体担体は、例えば、水、有機溶媒、薬学的に許容され得る油もしくは脂、またはそれらの組合せを含む。液体担体は、他の適切な薬学的な添加剤(可溶化剤、乳化剤、緩衝液、保存料、甘味料、香味料、懸濁化剤、増粘剤、着色料、粘性調節剤、安定剤もしくは浸透圧調節剤、またはそれらの組合せなど)を含み得る。液体製剤が小児への使用を意図している場合、アルコールの含有を避け、またはアルコールの量を制限することが一般的に望ましい。
経口投与または非経口投与に適した液体担体の例は、水(場合により、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)などの添加剤を含む)、アルコールもしくはその誘導体(一価アルコールまたはグリコールなどの多価アルコールを含む)、または油(例えば、分画されたヤシ油およびラッカセイ油)を含む。非経口投与において、担体はまた、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであり得る。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に許容され得る推進剤(propellant)であり得る。
滅菌溶液または滅菌懸濁液である、液体の医薬組成物は、(例えば、筋肉内、腹腔内、硬膜外、髄腔内、静脈内または皮下注射によって)非経口投与され得る。経口投与または経粘膜投与のための医薬組成物は、液体組成物または固体組成物のいずれかの形状であり得る。
ある実施態様において、医薬組成物は、意図される投与経路に適合するように製剤される。非経口、皮内または皮下適用に使用する溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈剤(注入用の水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒など);抗菌剤(ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなど);抗酸化剤(アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなど);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸など);緩衝液(酢酸、クエン酸またはリン酸など)および浸透圧調節のための物質(塩化ナトリウムまたはブドウ糖など)。pHは、酸または塩基(塩酸または水酸化ナトリウムなど)で調整され得る。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックで作られた、アンプル、使い捨ての注射器、または複数回投与のバイアルに封入され得る。
注射の使用に適した医薬組成物は典型的に、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散系および注射用の滅菌水溶液または分散系の即時の調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与のために、適切な担体は、生理食塩水、静菌水、クレモフォールEL.TM.(BASF, Parsippany, N.J.)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は無菌であるべきで、容易に注射針が通過する程度に流動的であるべきである。有利に、特定の製剤処方は、製造および貯蔵の条件下で安定であり、微生物(細菌および真菌など)の汚染作用に対して保護されなければならない。一般に、関連する担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体のポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物を含む、溶媒または分散媒であり得る。例えば、レシチンなどの被覆の使用、分散媒の場合に必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性が維持され得る。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって、達成され得る。特定の場合において、組成物中に等張剤(例えば、糖、多価アルコール(マンニトール、ソルビトールなど)または塩化ナトリウム)を含むことは有用である。注射用の組成物の持続的吸収は、組成物中に吸収を遅延する物質(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含むことによってもたらされ得る。
無菌の注射用溶液は、必要量の精製したポリペプチドを上記で列挙された成分の1つまたは組合せを含む適切な溶媒に組み込み、次いで必要に応じて滅菌濾過することによって調製され得る。一般に、分散系は、哺乳類細胞株で発現した精製したポリペプチドを、基本的な分散媒および上記で列挙された、必要とされる他の成分を含む無菌溶剤に組み込むことによって調製される。無菌の注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合において、有利な調製方法は真空乾燥および凍結乾燥であり、これらはあらかじめ滅菌濾過した溶液由来の活性成分プラスいずれかの所望の追加成分の粉末を生じる。
経口組成物は一般的に、不活性な希釈剤または食用の担体を含む。治療上の経口投与の目的のために、精製したポリペプチドは賦形剤に包含され、錠剤、トローチまたはカプセル(例えばゼラチンカプセル)の形式で使用され得る。経口組成物はまた、(例えば、口内洗浄液としての使用のために)流動性の担体を用いて調製され得る。薬学的に適合する結合剤および/またはアジュバント物質は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどは、以下のあらゆる成分または類似の性質の化合物を含み得る:結合剤(微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなど);賦形剤(デンプンまたはラクトースなど)、崩壊剤(アルギン酸、Primogelまたはコーンスターチなど);潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなど);流動促進剤(コロイド状二酸化ケイ素など);甘味料(スクロースまたはサッカリンなど);または香味料(ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジの風味など)。そのような調製物は、所望の場合、混合されたかみ砕ける製剤、液体製剤または食品材料もしくは液体であってもよく、例えば、子供、錠剤を飲み込む能力を損なっている者、または動物への投与を促進し得る。経口送達用の製剤は、消化管における安定性を改善し、かつ/または吸収を増強する物質を有利に包含し得る。
あるいは、化合物は、坐薬またはペッサリーの形式で投与され得、または、ゲル、ハイドロゲル、ローションもしくは他のグリセリド、溶液、クリーム、軟膏または粉剤の形式で局所的に適用され得る。
いくつかの実施態様において、組成物は、ポリペプチドを身体からの迅速な排除に対して保護する担体(移植およびマイクロカプセル化送達システムを含む、放出制御製剤など)と共に調製される。一般に、本発明の組成物は、即時放出、遅延放出、放出調節、持続放出、パルス放出(pulsed release)または放出制御の送達のために処方され得る。生分解性で生体適合性のポリマー(エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸など)を使用してもよい。そのような製剤を調製する方法は、当業者には明白である。適切な材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Incから商業的に取得できる。リポソームの懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を含む、感染細胞を標的とするリポソームを含む)もまた、薬学的に許容され得る担体として使用できる。これらは当業者に公知の方法に従って(例えば、米国特許第4,522,811号に記述されるように)調製され得る。
いくつかの実施態様において、本発明の医薬組成物を、単位投与量の形式(錠剤またはカプセルなど)で提供する。経口組成物または非経口組成物を、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位投与量の形式で処方することは有利であり得る。そのような形式において、組成物は、適切な量のポリペプチドを含む単位投与量にさらに分割される。単位投与量の形式は、容器に入れられた組成物(例えば、容器に入れられた粉末、バイアル、アンプル、事前に満たされた注射器または液体を含む小袋)であり得る。当業者に認識されるように、治療上有効な単位投与量は、いくつかの要素(例えば、投与方法、ポリペプチドの効力および/またはレシピエントの体重ならびに医薬組成物における他の成分の性質を含む)に依存する。
本発明に従って発現したポリペプチドは、様々な間隔で、必要とされる種々の期間にわたって(例えば、毎日、毎週、隔週、毎月など)投与され得る。当業者は、特定の要素(限定されないが、疾患または障害の重症度、先行の処置、対象の全体的な健康および/または年齢ならびに他の疾患の存在を含む)が、対象を有効に処置するのに必要な投与量およびタイミングに影響を与え得ることを認識している。本明細書に記述されるポリペプチドを用いた対象の処置は、単回の処置および一連の処置を含み得る。さらに、適切な投与量はポリペプチドの効力に依存し得、場合により(例えば、事前に選択した所望の応答が達成されるまで、投与量を増加することを介して)特定のレシピエントのために調整され得ることが理解される。特定の動物対象のための具体的な投与量のレベルは、様々な要素(利用する具体的なポリペプチドの活性、齢、体重、全体的な健康、性別および対象の食餌、投与時間、投与経路、排出比、任意の薬剤の組合せ、ならびに調節された発現または活性の程度を含む)に依存し得ることが理解される。
本発明の医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パックまたはディスペンサーに含まれ得る。
実施例1
実験手順:凍結した細胞のバイアルを、増殖因子(詳細は個々の実験参照)を含む、または含まない、BMSが専有する基本培地17I中で解凍し、3継代培養した。次いで細胞を、栄養成分(詳細は個々の実験参照)の濃度の増加または減少を含む種々の処理で改変した17Iプロトタイプ培地に移行した。プロトタイプ培地の性能を評価するため、バッチ培養を始める前に、細胞をプロトタイプ培地に3継代適応させた。流加培養の12日目に上清試料を回収し、proAクロマトグラフィーカラムで精製した。次いで、精製したタンパク質試料をタンパク質品質特性分析した(図1参照)。
細胞培養パラメータ:細胞を、初期体積が25mlで振盪速度が300rpmの50mlスピンチューブ中、または回転直径(throw distance)が25mmのオービタルシェーカー上の、初期体積が150mlで振盪速度が150rpmの500ml振盪フラスコ中のいずれかにおいて培養した。培養温度を37℃に制御し、CO2を6%に制御した。細胞を、実験2のためにスピンチューブで、他の実験のために振盪フラスコで培養した。
高分子量分析:高分子量の種を、Tosoh BioscienceのTSKgel SuperSW3000カラムおよびSuperSWガードカラムならびに水性緩衝液の移動相を用いて、サイズ排除HPLCで分析した。
グリコシル化プロファイル分析:LC−MSでのインタクトマス分析を用いて、タンパク質試料のグリコシル化プロファイルを比較した。約0.5μgの各タンパク質試料を、20%(v/v)アセトニトリル中の0.1%ギ酸で平衡化した、Poros逆相2.1x100mmカラム(Applied Biosystems, Foster City, CA)上に充填し、0.25mL/分の流速で25分間の0.1%ギ酸を含む20%〜50%のアセトニトリルの勾配溶出によって分離した。溶離液を、オンライン検出用のQ-ToF Ultima質量分析計(Waters, Milford, MA)中でエレクトロスプレーした。マススペクトルを組み合わせ、MaxEnt1アルゴリズム(Waters, Milford, MA)を用いてデコンボリューションした。ピークを100ppmの質量精度で帰属した。
統計分析:カスタマイズされた要素(各要素に対する研究のレベルに依存する、分画表面または応答表面)の実験計画(DOE)を用いて、統計ソフトウェアJMP(登録商標)10.0.0(SAS Institute Inc.)を使用して、実行条件を作成した。各応答(例えば、HMW%、Gal%など)を、最小のAIC、最小のBICまたはp値の閾値の停止規則を含む、ステップワイズ回帰法を用いて分析した。p値が0.05未満であった場合にのみ、項を選択し、標準的な最小二乗法を用いて数理モデルを作成した。次いで、モデルを用いて、応答に対する要素の影響を分析し、各応答に対する最大値または最小値を予測した。
実施例2
基本培地17Iを、表1に記載される成分を用いて改変した。脂質群を除いて、各成分の濃度を17Iにおける成分の既存の濃度に対する増加または減少の割合として示した。脂質群の特定の成分および濃度は、Hycloneが専有している。改変した成分を、化学物質の機能または性質に基づいて、アミノ酸、ビタミン、脂質、抗酸化剤およびリン酸塩に分類した。群は、応答表面の統計的設計の手法を用いて、表12に示されるプロトタイプ培地の条件を作成するのに使用される、研究の要素であった。細胞を、上記実験例1に記述されるプロトコルに従って、いかなる増殖因子も含まないプロトタイプ培地中で培養した。さらに、細胞をまた、増殖因子(1mg/Lインスリン)を含むプロトタイプ培地#9中で培養し、タンパク質品質特性に対する増殖因子の影響を比較するための対照とした。
Figure 2018536404
実施例3
実験内容:上記実験例1に記述される細胞培養プロトコルに従って、下記の表13に記述されるように、細胞を、0.5〜1.4g/Lの範囲の種々のリン酸塩濃度を含む17I中で、増殖因子(1mg/Lインスリン)の存在下または非存在下のいずれかにおいて培養した。
Figure 2018536404
実施例4
実験内容:本実験の初期培地は、追加のアミノ酸、抗酸化剤およびリン酸塩をレベル「+1」(表1参照)で含む、基本培地17Iであった。次いで培地を、下記の表14に記載の単一の成分または成分の群について改変した。
Figure 2018536404
群は、カスタマイズされた統計的な実験計画(DoE)手法を用いて、表15に示されるプロトタイプ培地の条件を作成するのに使用される、研究の要素であった。細胞を、上記実験例1に記述されるプロトコルに従って、いかなる増殖因子も含まないプロトタイプ培地中で培養した。
Figure 2018536404
実施例5
実験内容:本実験の初期培地は、追加のアミノ酸、抗酸化剤およびリン酸塩をレベル「+1」(表1参照)で含む、基本培地17Iであった。次いで培地を、下記の表16に記載の単一の成分または成分の群について改変した。
Figure 2018536404
群は、カスタマイズされた統計的な実験計画(DoE)手法を用いて、表17に示されるプロトタイプ培地の条件を作成するのに使用される、研究の要素であった。細胞を、上記実験例1に記述されるプロトコルに従って、いかなる増殖因子も含まないプロトタイプ培地中で培養した。E:EDTA;none:鉄担体なし;IC1:Hycloneが専有する鉄担体;SC:クエン酸ナトリウム。
Figure 2018536404

Claims (8)

  1. 細胞培養培地におけるアスパラギン、アスパラギン酸、亜鉛および鉄のうち1つ以上の量を調節することを含む、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性を制御する方法であって、タンパク質品質特性が糖タンパク質の凝集の減少である、方法。
  2. 細胞培養培地におけるアスパラギン酸、リン酸塩および亜鉛のうち1つ以上の量を調節することを含む、CHO細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性を制御する方法であって、タンパク質品質特性が糖タンパク質のシアル酸含量の増加である、方法。
  3. 細胞培養培地におけるアスパラギン、亜鉛および鉄のうち1つ以上の量を調節することを含む、CHO細胞において発現する組換え糖タンパク質のタンパク質品質特性を制御する方法であって、タンパク質品質特性が糖タンパク質のガラクトース含量の増加である、方法。
  4. 細胞培養培地が既知組成である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 既知組成の細胞培養培地が基本培地である、請求項4に記載の方法。
  6. 既知組成の基本培地が、追加の血清または加水分解物を含まない、請求項5に記載の方法。
  7. 既知組成の基本培地がタンパク質を含まない、請求項5に記載の方法。
  8. 糖タンパク質が、組換え抗体、抗体フラグメントまたは融合タンパク質である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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