JP2018504930A - エアロゾルを発生させる電子装置およびエアロゾルを発生させる方法 - Google Patents

Abstract

電力ユニット(１）と蒸発器ユニット(２)とを含む人間の気道にエアロゾル、特にニコチンとして投与するために使用されるエアロゾルを発生させるための電子装置であって、蒸発器ユニットは、加熱エレメント(１１）を有する加熱システムと流体移送部材(１２)とを含み、加熱エレメント(１１）は少なくとも１つの抵抗層(１１ｂ)領域が塗工された誘電体基板(１１ａ)を含むことを特徴としている。

Description

本発明はエアロゾルを発生させるための電子装置、特に電力ユニットと加熱システムを有する気化器ユニットとを含む電子タバコに関する。本発明のエアロゾル発生装置は、人間の気道にエアロゾルの形体で特にニコチンなどの物質を投与するために使用される。

喫煙の現象は数百年に亘って世界中で知られており、最近電子噴霧タバコなるものが発明された。燃焼工程を排除することで従来の紙巻きタバコの代用品となった。さらに従来の紙巻きタバコとの用途の類似性および外観の類似性によって電子タバコは喫煙の代わりになり得る。固体形状のタバコの代わりに、例えばグリコールおよびグリセリンをベースにしたニコチン液が最も一般的に電子タバコに使用されている。ニコチン液は加熱され、それによりエアロゾルを形成し、喫煙者に吸い込まれる。電子タバコは、典型的には少なくとも３つの基本的な部材からなる。第１の部材は、典型的には電気であるあらゆる形体のエネルギーを蓄える電力源である。これは例えば装置を充電し、繰り返し使用できるようにする円筒状のバッテリーであってもよい。第２の部材は装置の機能を制御するための電子基板である。第３の部材は加熱システム（でなければ蒸発器またはアトマイザー）である。このシステムはニコチン液を溜めるための容器からなり、加熱システムは材料を蒸発温度に加熱する役割を果たす。

例えば特許文献１から蒸発器からなる電子タバコの形体のエアロゾルを発生させるための電子装置が知られており、その加熱システムは、芯の形状の流体移送部材に巻かれた抵抗線の形状の加熱エレメントを含む。

この従来の電子タバコには抵抗線の形状の加熱エレメントが取り付けにくいので製造時間が長くなるという欠点がある。その結果、この種の電子タバコの単位当たりの製造コストが高くなる。加えて抵抗線のヒーターは、喫煙されるニコチン液の加熱エレメントにカーボンが堆積してヒーターが熱を発するのを妨げ、蒸発の効率を減少させ、最終的には熱損傷するので上手く機能しない場合がある。ヒーターに水を流して洗うことも可能であるが、これは電子タバコのユーザーの側から言って極めて面倒である。

これらの問題点の一部は、下記特許文献２で解決されている。この文献は、金属、好ましくはステンレススチールの形体の抵抗発熱体を含む加熱システム（蒸発器）を有する電子タバコの形体のエアロゾルを発生させる電子装置を開示している。ニコチン流体は毛細管力を利用して抵抗部材の表面に供給され、この部材は抵抗を介して延びている。さらに上記金属抵抗は、ニコチン流体移送部材が通る貫通孔を有する中空のセラミック部材であってもよい。

しかしながら、この解決策には金属抵抗の形体の加熱エレメントは高価な部材であり、タバコの製造コストを高くするという欠点がある。さらにこれは電気エネルギーを熱に変換するようにはなっていない。またその特有の構造（螺旋金属層）はニコチン液移送部材がその中を通過しにくくしている。

下記特許文献３からもエアロゾルを発生させるための電子装置が知られており、これは蒸発器ユニットを有する電子タバコの形体であり、このユニットは厚膜技術でステンレススチールに形成されたＭＭＨ加熱抵抗を有するプレートの形状の加熱エレメントと毛細管力による円筒状のニコチン流体位相部材を含む。この設計も抵抗線の形体の加熱エレメントを有する電子タバコの欠点を解消するが、加熱エレメントがＭＭＨ加熱抵抗であることから、この種の電子タバコは製造費が高くなる。加熱抵抗ＭＭＨが高価なのは金属基板、特にステンレススチールからなる基板の製造が行われるからである。この材料は非常に加工しにくく、特に例えば管状の部材などのプレート以外の異なる形状の小さい部材の製造に使用するには高価になり、小さい径の場合に使用できない。さらにＮＭＨ抵抗の製造は、基板が抵抗層から分離されなければならず、従ってさらに製造工程を追加しなければならないので極めて複雑になり、これは加熱システムの最終コストを上げることになる。さらに電子タバコ用途のためのＭＭＨ抵抗の製造コストは、絶縁層の適用の正確性を確認する必要があることからも上がる。絶縁層が正確に適用されないと短絡の原因になり、最終的に制御システムの不良または電子タバコの電力源の不良につながる。

従って本開示は、抵抗線の使用に関連した欠点に対処することができ、さらに蒸気化方法の高効率化を確実に行え、抵抗線を用いない他の代替手段代より簡単且つ安価に製造できる電子タバコの形体のエアロゾルを発生させるための電子装置を提供する。

本開示の一態様では、エアロゾルを発生させるための電子装置が電力源と蒸発器ユニットとを含み、蒸発器ユニットは、加熱エレメントを有する加熱システムと流体移送部材とを含み、加熱エレメントは少なくとも１つの抵抗層領域が塗工された誘電体基板からなることを特徴とする。

好ましくは加熱エレメントの基板はセラミック製である。

好ましくは加熱エレメントの基板は実質的に円筒状である。

好ましくは加熱エレメントの基板は実質的にプレート状である。

好ましくは加熱エレメントの基板は実質的に角柱状である。

好ましくは本開示の装置において流体移送部材は、加熱エレメント内を通っている。

好ましくは本開示の装置において流体移送部材は、加熱エレメントを囲んでいる。

好ましくは本開示の装置において流体移送部材は基板にのみ接触している。

また本開示は、エアロゾルを発生させるための電子装置の加熱エレメントに流体移送部材を介して流体を供給することを含むエアロゾルを発生させる方法に関し、この方法は流体が少なくとも１つの抵抗層領域が塗工された誘電体基板を含む加熱エレメントによって加熱エレメントに供給された流体が気体となって加熱エレメントの表面と接触するのに好適な温度に加熱されることを特徴とする。

本発明の電子タバコの加熱エレメントの構造は、加熱エレメントのメインテナンス（クリーニング）を簡単にし、加熱エレメントからニコチン流体移送部材を簡単に取り外せることから容易に交換できるという利点がある。さらに本発明の電子タバコは、一部の加熱エレメントに必要とされる製造が困難な電気接続部を除去するセラミック基板に厚膜技術で形成された加熱エレメントを使用することによって簡単且つ安価に製造できる。従って、本発明の電子タバコのコストは、加熱エレメントの基板を形成する小さいセラミック部材が、ステンレススチール（または他の金属）の場合に使用される機械処理ではなくキャスト法で製造することができるので安くなる。

さらに厚膜で作製された加熱エレメントは、カーボンの堆積に対してより抵抗性を有し、抵抗線製の従来のヒーターと比較して製品寿命をかなり長くすることができる。

本発明による電子タバコを添付図面を参照した実施態様に示す。
本発明の電子タバコの電力ユニットの略図である。 本発明の電子タバコの蒸発器ユニットの略図である。 層状誘電体基板の第１の実施態様による流体移送部材の加熱エレメントの上面図である。 第１の実施態様による流体移送部材の加熱エレメントの斜視図である。 別の実施態様による流体移送部材の加熱エレメントの斜視図である。 層状加熱エレメントの第１の実施態様による電子タバコの長手方向断面図である。 第２の実施態様の流体移送部材を有する円筒状加熱エレメントの第１の実施態様を示す。 第２の実施態様の流体移送部材を有する円筒状加熱エレメントの別の変形例を示す。 円筒状加熱エレメントの第２の実施態様を分解した電子タバコを示す。

本開示による１つの電子タバコはモジュラー構造を有する。この電子タバコの２つの基本的なユニットは、電力ユニット１１および蒸発器ユニット２である。

図１に示すように電力ユニット１は、電池３と、電気回路を有する回路板４と、電子タバコの操作を制御する制御部材５と、電池の充電ソケット６と、情報ディスプレー７とを含む。電力ユニット１は、電力ユニット１を機械的に保護し、その視覚的かつ美観的に充分な品質を供するためのハウジング８（図６にさらに示す）に配置される。

喫煙者が電力ユニット１のハウジング８に配置された制御部材５を始動させると、電子タバコが始動する。これにより電子回路を有する回路板４に配置された制御システムを作動させる。制御の目的は電池３からの電圧を蒸発器ユニット２に位置する加熱エレメント１１に供することである。

図２に示すように蒸発器ユニット２は、マウスピース９、ニコチン液容器１０、加熱エレメント１１、ニコチン流体移送部材１２および蒸発器１４のハウジングの外壁に配された入り口１３を有し、これら蒸発器の部材は直列に組み合わされて空気経路を形成する。蒸発器ユニット２はハウジング１４に入れられ、このハウジングは、蒸発器ユニット２を機械的に保護し、システム全体を強固にし、外部にニコチン液が漏れるのを妨げる機能を有する。蒸発器ハウジング１４は、容器１０内のニコチン流体の量を見えるようにするために透明の材料で作製してもよく、あるいは材料に窓１５を設けてもよい。さらに蒸発器のハウジング１４はユニット全体に適度な視覚的かつ美観的品質を供する。

蒸発器ユニット２はニコチン液が注がれるユニットである。蒸発器ユニット２内部にある加熱エレメント１１は、熱を加え、ニコチン液をエアロゾルに変換し、その後ユーザーがそれを電子タバコを介して吸入する。ニコチン液はニコチン流体移送部材１２によってヒーター１１に直接送られる。流体移送部材１２は一方の側で流体容器１０と接触する。ニコチン液容器１０は、使い捨てとしてまたは再充填可能な詰め替え用途の部材として作製してもよい。当業者には当然のことながら蒸発器ユニット２および電源１には例示したもの以外の他の部材を設けてもよく、またはそれらの一部を有さなくてもよい。

図３〜５、７および８は、本発明による加熱エレメント１１の実施態様を示している。一般に加熱エレメント１１は、プレートまたは円筒状部材の形状を有する基板１１ａを含み、これは塗工されるヒーターとして機能する抵抗層１１ｂと導電性ではない。当業者には当然のことながら、誘電材料からなる基板は、ほぼプレート状または円筒状以外のあらゆる形状、例えば実質的に円柱状であってもよい。当業者には当然のことながら、「実質的に」なる用語は、特定の公知の定義の形状に類似するこのような基板の形状も含む。抵抗層１１ｂは厚膜技術によって基板１１ａに塗工される。ニコチン液は、面１１ａのみと接触すると有利なニコチン流体移送部材１２によって加熱エレメント１１の面に送られる。ヒーターの目的は、供給された電気エネルギーを熱エネルギー（熱）に変換することである。電気エネルギーの熱への変換は、厚膜技術によって好ましくはセラミックの基板１１に堆積させた抵抗層１１ｂに電流を流すことによって可能になる。抵抗層１１ｂを電流が流れる結果、セラミック基板１１が高い温度に加熱される。基板の加熱された面とニコチン液が接触することでニコチン液がエアロゾルに変換される。

ニコチン液の蒸発の結果として発生する気体状のエアロゾルは、「空気経路」領域にあり、これは電子タバコの頂部にあるマウスピース９を底部に位置する空気入り口１３とを接続する。喫煙者がマウスピース９を介して空気をパフする行為を行うと、ニコチン液の蒸発によって生じるエアロゾルが肺に入る。

電力ユニット１に配置された情報ディスプレイ７は、回路板４に付着させた電子回路によって制御され、電池３の電圧レベルの現在の状態、その日のパフの回数などを表示する。

電力ユニット１の回路板４に付着させた電子システムの追加の機能は、一回の使用の際の加熱エレメント１１の作動時間を制限すること、外部の動力供給ユニット１の端子での短絡の検出、電池３の電圧のレベルに応じて外部電力源からの電池３の充電の制御および電子タバコを使用する際に最適かつ均一な感覚が得られるように加熱エレメント１１へ印可される電圧の形および強度を形成することである。

図３は本発明による加熱エレメント１１の第１の実施態様を示している。加熱エレメント１１は、厚膜技術で塗工された抵抗層１１ｂを有する誘電体基板１１ａからなるプレートの形状を有し、ニコチン流体移送部材がこれに通される。基板１１ａは誘電材料、例えばセラミックで作製される。この種の材料にはこれら小さい部材の製造に例えばステンレススチールの場合の機械加工法ではなく鋳造法が使用されるという利点がある。

抵抗層１１ｂは、部材を電流が流れている間電気エネルギーを熱に変換する抵抗性を有する導電性材料で作製される。抵抗層は連続的または直線状（異なる幅の）からより複雑な組み合わせ（図３参照）の種々のパターンを形成してもよい。抵抗層の抵抗値は、実際に使用される材料によって変わる。抵抗層は基板の内側と外側の両方に塗工することができる。さらに１つの基板１１ａに別個の抵抗層１１ｂのいくつかの領域があってもよく、これらは別のヒーターを形成する。

上述のように毛細管効果を蒸発器ユニット２内で使用し、ニコチン液が流体移送部材１２を介して直接的に加熱エレメント１１の熱くなった表面に移送されるようにし、これによりエアロゾルを発生させる。流体移送部材１２の両端部は容器１０内にあり、ニコチン液と直接接触する。

流体移送部材１２は、その毛細管効果により全長に亘って飽和し、これによりニコチン液を好ましくはシールによって容器１０から分離されている加熱エレメント１１の表面に移送する。容器１０内の流体から加熱エレメント１１を分離しているのでニコチン流体移送部材１２は一回に好適な量のニコチンを送ることができる。ニコチン流体移送部材１２の加熱エレメント１１の表面と接触する領域が大きくなるほど流体の量が多くなる。ニコチン液は基板面１１ａまたは抵抗層１１ｂの面で蒸発させてもよく、流体が基板層と接触するのが化学反応がそこで起こるので好ましい。

電子タバコのニコチン流体移送部材１２は、糸状セラミック、メッシュ、綿または他のよく知られている流体移送部材であってもよい。流体移送部材１２は、加熱エレメント１１に巻き付けてもよく（図８参照）または加熱エレメント内を通ってもよい（図３、４、５および７参照）。図４、５、７に示すように加熱エレメント１１を通過する回数は１、２回またはそれ以上であってもよい。糸状セラミックの一例は、ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｈａｎｇｓｅｎｓｈｏｐ．ｅｕ／ｐｌ／５１−ｓｚｎｕｒｅｋ−ｎａ−ｋｎｏｔｙ−ｅｋｏｗｏｏｌ−ｓｉｌｉｃａで見ることができる。図４、５および７では分かりやすくするために抵抗層１１ｂが示されていないが、当業者には当然のことながらそれは種々の形状のものであってもよく、基板の内層または外層に堆積させてもよい。

図６は第１の実施態様によるセラミック基板１１ａに塗工された抵抗層１１ｂとして製せられた加熱エレメント、即ちプレート状の加熱エレメント１１を有する電子タバコの長手方向断面を示している。この態様の主な利点は、加熱エレメント１１を電力源３に接続するために使用される蒸発器ユニットの電気ケーブル構造を除去することを含む。電力源３への加熱エレメント１１の接続は、セラミック基板１１に抵抗層１１ｂを塗工することによって実現され、基板は基板１１ａに設けられた電力点１１ｃの形体の出力部を有し、これに電力源が接続される。電力点１１は、固定され、出力線として使用される解決策に対して加熱エレメント１１の組立、取り外し時の損傷のリスクを減らすことによって最大限の耐久性を供する。

好適な形状を有するこのように構成された加熱エレメント１１は、ソケット１６に入れられ、これは蒸発器ユニット２に位置する加熱エレメント１１と電力源３の間を電気的に接続する。この接続は加熱エレメント１１を電子タバコに簡単か且つ素早く設置することができ（これは「クイック・リリース・カップリング」と言われる種類のものである）、これは製造コストの減少に大きな影響を与えた。製造コストの減少は設置時間の短縮および部品数が少ないことによる。動力点１１ｃが固定されているので、加熱エレメント１１のプラスとマイナスの間を確実に電気的に絶縁する高温耐熱遮蔽線またはシールの形体の追加の部材を必要としない。基板１１ａ自体の形状で電力がこのように離隔される。

本発明の第１の実施態様による加熱エレメント１１には電子タバコのユーザーがニコチン流体移送部材のクリーニング、メンテナンスおよび交換などの作業を最大限に単純化することができるという利点がある。液体ニコチンの流体移送部材１２は交換可能であり、その作業は極めて簡単であり、加熱エレメント１１を引き抜き、その上に新しい流体移送部材１２を設置する、または加熱エレメント１１の基部１１ａ内に穴を介して通して簡素化される。

図９は第２の実施態様による電子タバコの分解図である。この実施態様では加熱エレメントは管状であり、抵抗層１１ｂがスリーブ１１の外側または内側または両側に被着させている。第１の実施態様と同様に蒸発器ユニットは毛細管効果を使用し、移送部材によってニコチン液を直接円筒状ヒーターの熱い外面に移送し、これによりエアロゾルを形成する。

流体移送部材１２の両端部は、別個のニコチン液用容器１０内に位置し、そこで両端部はニコチン液と直接接触する。ニコチン流体移送部材１２の一部は、加熱エレメント１１の外面と直接接触する容器１０の外側に位置している。流体移送部材１２の両端は、毛細管効果によりニコチン液をニコチン流体移送部材１２の主要部に移送し、従ってニコチン液は加熱エレメント１１の表面と接触する。加熱エレメント１１を加熱した後、エアロゾルが発生する。

円形の断面を有する円筒状加熱エレメント１１と流体移送部材１２を使用することによってこれら部材の接触面がかなり大きくなる。その結果、大きな接触面積は加熱領域に供給される流体の量が多くなるのでエアロゾルの量を多くする。

さらに第１の実施態様のように対応の形状を有するように構成された加熱エレメント１１は、蒸発器ユニットに入れられた加熱エレメント１１と電力源３とを電気的に接続するソケット（図示せず）に入れてもよい。これは一種の「クイック・リリース・カップリング」というものである。これにより加熱エレメント１１を電子タバコに簡単且つ素早く設置することができ、製造コストに大きな影響を与える。製造コストの減少は短い組み立て時間と蒸発器ユニット２の少ない数の部品による。動力点１１ｃが固定されているので、加熱エレメント１１のプラスとマイナスの間を確実に電気的に絶縁する高温耐熱遮蔽線またはシールの形体の追加の部材を必要としない。基板１１ａ自体の形状で電力がこのように離隔される。

第２の実施態様の電子タバコの構造もいくつかの例において加熱エレメント１１を容易に交換でき、メンテナンスできるようにする。流体容器１０が取り外し可能な場合、それは必要に応じてそれに取り付けられた流体移送部材１２と共に取り外すことができ、加熱エレメント１１をクリーニングすることができる。流体移送部材１２を有する容器１０は、ニコチン液が全て吸引されたら交換可能な部材である。

別の実施態様では本発明は電子装置でエアロゾルを発生させる方法に関する。特許請求の範囲に記載されている方法では、エアロゾルの発生効率を向上させる特定の加熱エレメントにより流体は面（加熱面）の上で気化される。本発明の方法は、流体移送部材１２を介してヒーター１１に流体を供給することを含み、流体は少なくとも１つの抵抗層１１ｂが塗工された誘電体基板１１からなる加熱エレメント１１によって供給された流体がその面と接触している間に気体状態で通過するような好適な温度に加熱される。当業者には当然のことながら、ニコチンを含む流体からエアロゾルを生成するために流体を好適な温度に加熱するために必要な加熱エレメントの温度は、流体の加熱エレメントとの接触面、流体送出量および加熱エレメント部材の材料などのいくつかの要因に依存する。流体の種類によって、流体をエアロゾルの形体に移行させるのに適した温度を得るためにどのように加熱エレメントおよびその電力源のパラメータを変更するかを当業者は知っている。

本発明はニコチン含有流体からエアロゾルを発生させる電子装置に限定されない。当業者は、流体移送部材１２に使用する材料、特に加熱エレメント１１に使用する材料と互換性のあるあらゆる化学組成物の流体のエアロゾルを発生させる他の電子装置も含むことを認識するはずである。

一部の実施態様では本発明の装置は、物理的または化学的損傷から保護するためにヒーター上に配置された保護層をさらに含んでもよい。例えば、一部の実行例ではガラス層をヒーター１１ｂを含む抵抗層の少なくとも一部に亘って設けてもよい。

一部の実施態様では本発明の装置は、加熱エレメント１１に関連して温度を検知するために配置された温度センサーをさらに含んでもよく、例えば温度センサーは、誘電体基板の抵抗層１１と反対側に取り付けてもよい。温度センサーからの測定は、例えば従来のサーボフィードバック法を使用して加熱エレメントを所望の温度に維持するためにヒーターへの電力の供給を調整するために使用してもよい。

既に述べたように加熱エレメントは多くの異なる形状に適合させてもよく、例えば加熱エレメントは、流体移送部材を通す穴を含んでも含まなくてもよい。

種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および／または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および／または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。

米国特許出願公開第２０１２／２０４８８９号（Ａ１） 中国特許第２０３６３３５１０号（Ｕ） 中国特許第２０３８４１１１９号（Ｕ）

Claims (16)

1. 電力源と蒸発器ユニットとを含み、蒸発器ユニットは、加熱エレメントを有する加熱システムと流体移送部材とを含み、加熱エレメントは少なくとも１つの抵抗層領域が塗工された誘電体基板を含むエアロゾルを発生させるための電子装置。
2. 前記基板はセラミック製であることを特徴とする請求項１記載の電子装置。
3. 前記基板は実質的に円筒状であることを特徴とする請求項１または２記載の電子装置。
4. 前記基板は実質的に平坦であることを特徴とする請求項１または２記載の電子装置。
5. 前記基板は実質的に角柱状であることを特徴とする請求項１または２記載の電子装置。
6. 前記流体移送部材は、前記加熱エレメント内を通っていることを特徴とする請求項１乃至４いずれか１項記載の電子装置。
7. 前記流体移送部材は、前記加熱エレメントを囲むことを特徴とする請求項１乃至４いずれか１項記載の電子装置。
8. 前記流体移送部材は前記基板にのみ接触していることを特徴とする請求項１乃至７いずれか１項記載の電子装置。
9. エアロゾルを発生させるための電子装置用蒸発器ユニットであって、該ユニットは加熱エレメントを有する加熱システムと流体移送部材とを含み、加熱エレメントは少なくとも１つの抵抗層領域が塗工された誘電体基板を含む蒸発器ユニット。
10. 前記基板はセラミック製であることを特徴とする請求項９記載の蒸発器ユニット。
11. 前記基板は実質的に円筒状であることを特徴とする請求項９または１０記載の蒸発器ユニット。
12. 前記基板は実質的に平坦であることを特徴とする請求項９または１０記載の蒸発器ユニット。
13. 前記基板は実質的に角柱状であることを特徴とする請求項９または１０記載の蒸発器ユニット。
14. 前記流体移送部材は、前記加熱エレメント内を通っていることを特徴とする請求項９乃至１２いずれか１項記載の蒸発器ユニット。
15. 前記流体移送部材は、前記加熱エレメントを囲むことを特徴とする請求項９乃至１２いずれか１項記載の蒸発器ユニット。
16. エアロゾルを発生させるための電子装置の加熱エレメントに流体移送部材を介して流体を供給することを含むエアロゾルを発生させる方法であって、流体が少なくとも１つの抵抗層領域が塗工された誘電体基板を含む加熱エレメントによって加熱エレメントに供給された流体が気体となって加熱エレメントの表面と接触するのに好適な温度に加熱されることを特徴とする方法。
    

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