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JP2018207601A - サージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及び多相モータ駆動装置 - Google Patents

サージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及び多相モータ駆動装置 Download PDF

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JP2018207601A JP2017108392A JP2017108392A JP2018207601A JP 2018207601 A JP2018207601 A JP 2018207601A JP 2017108392 A JP2017108392 A JP 2017108392A JP 2017108392 A JP2017108392 A JP 2017108392A JP 2018207601 A JP2018207601 A JP 2018207601A
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Abstract

【課題】適用条件に詳細な節約を設けたり、過大な電流を許容する抵抗を選択したりすることなく、サージ電圧を抑制することができるサージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及びモータ駆動装置を提供する。【解決手段】サージ抑制装置は、多相モータ14とこの多相モータを駆動する多相インバータ23との間を接続する多相ケーブルLu〜Lwに介挿した多相リアクトル31u〜31wと、多相リアクトルと多相モータとの間の多相ケーブルに個別に中間点が接続されたダイオードレグ33u〜33wを並列に接続したダイオードブリッジ回路32とを備え、ダイオードブリッジ回路の直流高電位側及び低電位側が多相インバータの直流高電位側及び直流低電位側に個別に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、多相モータに印加されるサージ電圧を抑制するサージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及び多相モータ駆動装置に関する。
スイッチング素子を有する3相以上の多相インバータで多相モータを駆動する場合に、スイッチング素子のスイッチングタイミングに応じて多相モータに過大なサージ電圧が印加され、多相モータの線間や対地間の絶縁破壊を引き起こしたり、部分放電によるモータ巻線の絶縁部の寿命を低下させたりする原因となる。
この多相モータに印加されるサージ電圧を抑制するために、特許文献1に記載されたサージ電圧抑制回路が提案されている。
この特許文献1に記載されたサージ電圧抑制回路では、モータと、このモータを駆動するインバータとの間に接続された3相ケーブルのそれぞれに抵抗及びコンデンサの直列回路の一端を接続し、各直列回路の他端を互いに接続してインバータの直流電圧の中性点に接続するようにしている。
特開2008−283755号公報
ところで、上記特許文献1に記載された先行技術では、モータ及びインバータ間の3相ケーブルのそれぞれに抵抗及びコンデンサの直列回路を接続している。このため、特定条件においてサージ抑制回路に過大な電流が流れ、抵抗の異常加熱が発生し、最悪の場合、焼損に至る懸念がある。また、モータに印加されるサージ電圧は、インバータとモータとを接続するケーブル長が一定以上長くなると、反射現象により大きくなることが知られている。さらに、ケーブルのインダクタンスと、サージ抑制回路のコンデンサとによる共振周波数がインバータのスイッチング周波数と一致または近づいた場合には、直列共振によって過大な電流が生じる。
そして、インバータとモータを接続するケーブルの長さは、モータ駆動装置が適用される工場やプラントに応じて、千差万別であること、インバータのスイッチング周波数(キャリア周波数)は、十数kHz以下で任意に変更できる装置が多いことから、前述の過大な電流が生じる条件を完全に回避することは非常に難しい。
結果として、サージ抑制回路の適用条件に詳細な制約(スイッチング周波数やケーブル長)を設けざるを得ず、使い勝手が悪くなったり、過大な電流が生じても焼損しないような大きな許容電力を有する抵抗を選定してサージ抑制回路が大型化したりする。
そこで、本発明は、上述した先行技術の課題に着目してなされたものであり、適用条件に詳細な節約を設けたり、過大な電流を許容する抵抗を選択したりすることなく、サージ電圧を抑制することができるサージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及びモータ駆動装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るサージ電圧抑制装置の一態様は、多相モータとこの多相モータを駆動する多相インバータとの間を接続する多相ケーブルに介挿した多相リアクトルと、多相リアクトルと多相モータとの間の多相ケーブルに個別に中間点が接続されたダイオードレグを並列に接続したダイオードブリッジ回路とを備え、ダイオードブリッジ回路の直流高電位側及び低電位側が多相インバータの直流高電位側及び直流低電位側に個別に接続されている。
また、本発明に係る電力変換装置の一態様は、多相モータを駆動する多相インバータと、上述したサージ電圧抑制装置とを備えている。
さらに、本発明に係るモータ駆動装置は、多相モータと、この多相モータを駆動するインバータと、上述したサージ電圧抑制装置とを備えている。
本発明の一態様によれば、多相リアクトルと多相ダイオードブリッジ回路とでサージ電圧抑制装置を構成するので、コンデンサを使用することなく、コンデンサを使用する場合の共振問題や過大電流による制約を受けることのないサージ電圧抑制装置、これを使用した電力変換装置及びモータ駆動装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態を示す回路図である。 サージ電圧の発生原理を説明する図であって、(a)は回路図、(b)は波形図である。 サージ電圧の抑制原理を説明する図であって、(a)は回路図、(b)は波形図である。 電圧クランプ形dV/dtフィルタの有無によるサージ電圧を示す波形図である。 本発明の第2の実施形態を示す回路図である。 第2実施形態の変形例を示す回路図である。 第2実施形態の他の変形例を示す回路図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
まず、本発明の一の態様を表すサージ電圧抑制装置を備えたモータ駆動装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、モータ駆動装置10は、三相交流電源11と、この三相交流電源11から出力される三相交流電力がトランス12を介して入力される電力変換装置13と、この電力変換装置13から出力される三相電力によって駆動される三相モータ14とを備えている。
電力変換装置13は、トランス12から三相リアクトル20を介して入力される三相交流電力を直流電力に変換するパルス幅変調(PWM)コンバータ(以下、PWMコンバータと称す)21と、このコンバータ21から出力される直流電力を平滑化する平滑コンデンサ22と、この平滑コンデンサ22で平滑化された直流電力を三相交流電力に変換して三相モータ14に供給する三相インバータ23とを備えている。
ここで、PWMコンバータ21は、図1に示すように、高電位側配線Lp及び低電位側配線Ln間に、U相スイッチングレグCSLu、V相スイッチングレグCSLv及びW相スイッチングレグCSLwが並列に接続されたフルブリッジ回路を備えている。
U相スイッチングレグCSLuは、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成される2つのスイッチング素子Q11及びQ12が直列に接続されている。V相スイッチングレグCSLv及びW相スイッチングレグCSLwも、U相スイッチングレグCSLuと同様のスイッチング素子Q13,Q14及びQ15,Q16が直列に接続されている。なお、各スイッチング素子Q11〜Q16には、逆並列に還流ダイオードD11〜D16が接続されている。
また、各スイッチングレグCSLu、CSLv及びCSLwのスイッチング素子Q11,Q13及びQ15とスイッチング素子Q12,Q14及びQ16との接続点である中間点がトランス12の出力側に接続されている。
さらに、各スイッチング素子Q11〜Q16のゲートには、図示しないゲート駆動回路からパルス幅変調(PWM)信号でなるゲート信号が入力されることにより、トランス12からの交流電力を直流電力に変換して高電位側配線Lp及び低電位側配線Lnに出力する。
なお、コンバータとしては、PWMコンバータ21に限らず、PWMコンバータ21の各スイッチング素子Q11〜Q16をダイオードに置換したダイオードブリッジ整流回路を適用することができる。
また、三相インバータ23は、図1に示すように、平滑コンデンサ22が接続された高電位側配線Lp及び低電位側配線Ln間に、U相スイッチングレグISLu、V相スイッチングレグISLv及びW相スイッチングレグISLwが並列に接続されたフルブリッジ回路を備えている。
U相スイッチングレグISLuは、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成される2つのスイッチング素子Q21及びQ22が直列に接続されている。V相スイッチングレグISLv及びW相スイッチングレグISLwも、U相スイッチングレグISLuと同様のスイッチング素子Q23,Q24及びQ25,Q26が直列に接続されている。なお、各スイッチング素子Q21〜Q26には、逆並列に還流ダイオードD21〜D26が接続されている。
また、各スイッチングレグISLu、ISLv及びISLwのスイッチング素子Q21,Q23及びQ25とスイッチング素子Q22,Q24及びQ26との接続点である中間点が三相ケーブルLu、Lv及びLwを介して三相モータ14に接続されている。
さらに、三相インバータ23の各スイッチング素子Q21〜Q26のゲートには、図示しないゲート駆動回路からパルス幅変調(PWM)信号でなるゲート信号が入力される。この三相インバータ23で、平滑コンデンサ22が接続された高電位側配線Lp及び低電位側配線Lnから供給される直流電力を交流電力に変換して三相ケーブルLu、Lb及びLwを介して三相モータ14に供給する。
三相インバータ23及び三相モータ14間の三相ケーブルLu、Lv及びLwには、電圧クランプ形dV/dtフィルタ30が設けられている。この電圧クランプ形dV/dtフィルタ30は、三相ケーブルLu、Lv及びLwに個別に介挿された三相リアクトル31と、この三相リアクトル31と三相モータ14の受電端子tu、tv及びtwとの間の接続点に接続されたダイオードブリッジ回路32とで構成されている。
三相リアクトル31は、三相ケーブルLuに介挿されたU相リアクトル31uと、三相ケーブルLvに介挿されたV相リアクトル31vと、三相ケーブルLwに介挿されたW相リアクトル31wとを有する。
ダイオードブリッジ回路32は、高電位側配線Lp1と低電位側配線Ln1との間に並列に接続された3組のダイオードレグ33u、33v及び33wと、対地用ダイオードレグ34とを備えている。
ダイオードレグ33uは、高電位側配線Lp1及び低電位側配線Ln1間に2つのダイオードD31及びD32が直列に接続され、ダイオードD31のカソードが高電位側配線Lp1に接続され、カソードがダイオードD32のカソードに接続され、ダイオードD32のアノードが低電位側配線Ln1に接続されている。さらに、ダイオードD31及びD32間の中間点が三相リアクトル31のU相リアクトル31u及び三相モータ14の受電端子tu間に接続されている。
ダイオードレグ33v及び33wもダイオードレグ33uと同様に高電位側配線Lp1及び低電位側配線Ln1間に2つのダイオードD33,D34及びD35,D36が順方向に直列に接続されている。そして、ダイオードD33及びD34の中間点が三相リアクトル31のV相リアクトル31v及び三相モータ14の受電端子tv間に接続され、ダイオードD35及びD36中間点が三相リアクトル31のW相リアクトル31w及び三相モータ14の受電端子tw間に接続されている。
対地用ダイオードレグ34は、各ダイオードレグ33u〜33wと同様に、高電位側配線Lp1及び低電位側配線Ln1間に順方向に直列に接続された2つのダイオードD41及びD42を有する。そして、ダイオードD41及びD42の中間点が接地に接続されている。
そして、高電位側配線Lp1が電力変換装置13の高電位側配線Lpに接続され、低電位側配線Ln1が電力変換装置13の低電位側配線Lnに接続されている。
ここで、電圧クランプ形dV/dtフィルタ30のサージ抑制原理について説明する。
まず、インバータサージの発生原理について三相インバータ23及び三相モータ14の一相分を表す図2を伴って説明する。
この図2(a)において、Enはインバータの直流中間電圧、Zmはモータの入力インピーダンス、Caはインバータ及びモータ間のケーブル、SWはインバータのハイサイド側のスイッチング素子を示す。
この図2(a)の原理回路では、サージ抑制対策部品として単純なリアクトルLをスイッチング素子SW及びケーブルCa間に接続している。リアクトルLは、本実施形態の三相リアクトル31の各相リアクトル31u〜31wに相当するが、この単純なリアクトルLだけでは十分なサージ抑制効果が得られないことが知られている。
すなわち、図2(b)に示すように、スイッチング素子SWをある時点t0でオン状態となるものとすると、スイッチング素子SWから出力される入力電圧Vinは直ちに直流中間電圧Enまで上昇する。これに対して、リアクトルLの出力電圧Voutは、放物線状に徐々に増加して直流中間電圧Enに達する。すると、ケーブルCaとモータのインピーダンスZmに応じた反射現象によって、出力電圧Voutは、図2(b)に示すように、時点t1で直流中間電圧Enより急激に増加した後直流中間電圧Enに向けて緩やかに減少する。ここで着目すべきは、リアクトルLの出力電圧Voutがインバータの直流中間電圧Enよりも大きくなるサージ電圧となる点であり、この過大なサージ電圧が三相モータ14側へ伝播することでモータ不具合を生じさせる。
なお、リアクトルLの出力電流Isは、図2(b)で点線図示のように、出力電圧Voutの増加に応じて正方向に緩やかに増加するが、出力電圧Voutが直流中間電圧Enより急激に増加する時点t1から減少し、その後時点t2で“0”となってから負方向に増加する。
このサージ電圧を抑制するために、本実施形態では、図3(a)に示す原理図のように、リアクトルLと並列にダイオードDを接続し、リアクトルLの出力電圧Voutがインバータの直流中間電圧Enを超えないようにクランプする。この図3(a)の原理図によるシミュレーション結果を図3(b)に示す。
この図3(b)に示すように、時点t0でスイッチング素子SWがオン状態となり、リアクトルLの入力電圧Vinがインバータの直流中間電圧Enに達する。このとき、リアクトルLから出力される出力電圧Voutは、電圧変化率dV/dtが抑制されるとともに、直流中間電圧Enにクランプされるので、満足できるdV/dtフィルタの特性を得ることができる。しかも、モータの受電端子からの反射波のエネルギーは、ダイオードDを通じてインバータに回生されるので、高効率であるという利点もある。
図4は、dV/dtフィルタの有無によるモータの受電端子電圧の比較を示す。この図4において、点線はdV/dtフィルタ無しの場合のモータ電圧を示し、実線はdV/dtフィルタ有りの場合のモータ電圧を示す。
この図4から明らかなように、dV/dtフィルタ無しの場合には、モータ電圧は方形波状の減衰波形となり、最大波高値が直流中間電圧En=600Vの2倍近い1080Vまで上昇する。これに対して、dV/dtフィルタ有りの場合には、三角波状の減衰波形となり、最大波高値が直流中間電圧Enの1.5倍未満の850Vに抑制されている。このため、特にモータの素線絶縁保護の軽減に大きな効果が得られる。
第1の実施形態における電圧クランプ形dV/dtフィルタ30は、図3(a)に示す電圧クランプ機能を持つサージ抑制回路を、三相回路に変換したものである。したがって、三相インバータ23から三相モータ14に出力される三相電圧の電圧変化率dV/dtを抑制することができるとともに、三相電圧の各相電圧が直流中間電圧Enにクランプされるので、満足できるdV/dtフィルタの特性を得ることができる。しかも、三相モータ14の受電端子tu〜twからの反射波のエネルギーは、ダイオードブリッジ回路32のダイオードレグ33u〜33wを通じて三相インバータ23に回生されるので、高効率化を図ることができる。さらに、電圧クランプ形dV/dtフィルタ30によって、図4に示すサージ電圧抑制効果と同等のサージ電圧抑制効果を得ることができる。
したがって、サージ電圧を効果的に抑制することができるサージ電圧抑制装置を提供することができ、このサージ電圧抑制装置を使用してサージ電圧を抑制する電力変換装置及びモータ駆動装置を提供することができる。
また、第1の実施形態によると、サージ電圧を抑制するためにコンデンサを必要としないので、コンデンサを使用することによる直列共振を発生することはない。したがって、ケーブル長や三相インバータ23のスイッチング周波数等の適用制約を大幅に緩和することができ、使い勝手のよいサージ電圧抑制装置、電力変換装置及びモータ駆動装置を提供することができる。
さらに、電圧クランプ形dV/dtフィルタ30には、電圧クランプ用の三相のダイオードブリッジ回路32に対地用ダイオードレグ34が並列に接続され、この対地用ダイオードレグ34の中間点が接地に接続されている。
したがって、対地用ダイオードレグ34を有する電圧クランプ形dV/dtフィルタ30によって、三相リアクトル31の各相リアクトル31u〜31wの出力電圧をクランプすることにより、対地電圧も直流中間電圧Enにクランプすることができる。これによって、三相モータ14の対地電圧すなわち零相成分のサージ電圧も低減することができる。
ここで、零相成分のサージ電圧とは、三相モータ14のフレーム電位とモータ巻線間に生じるサージ電圧であり、対地間のモータ破損の原因となる。一般に、零相成分のサージ電圧は、三相インバータやPWMインバータのスイッチング動作に加え、接地の取り方や、インバータやモータの並列運転数などでも大きく変化し、一般的に巻線間サージ電圧よりも対策が難しい。
しかしながら、第1の実施形態では、ダイオードブリッジ回路32に対地用ダイオードレグ34を含め、この対地用ダイオードレグ34のダイオードD41及びD42間の中間点を接地に接続することにより、零相成分のサージ電圧も直流中間電圧Enにクランプすることが可能となり、零相成分のサージ電圧に対して大きな抑制効果を得ることができる。
しかも、零相成分のサージ電圧抑制効果を、ダイオードブリッジ回路32に整流ブリッジ回路を構成する三相のダイオードレグ33u〜33wと並列に中間点を接地した対地用ダイオードレグ34を接続するだけで容易に得ることができる。しかも、零相成分のサージ電圧抑制効果が、三相インバータやPWMインバータのスイッチング動作や、接地の取り方や、インバータやモータの並列運転数に影響されることがない。
なお、上記第1の実施形態では、電圧クランプ形dV/dtフィルタ30を構成するダイオードブリッジ回路32に対地用ダイオードレグ34を接続する場合について説明したが、対地用ダイオードレグ34を省略して整流用のダイオードレグ33u〜33wのみでダイオードブリッジ回路32を構成することもできる。
次に、本発明に係るサージ電圧抑制装置の第2の実施形態について図5を伴って説明する。この図5では、モータ駆動装置10を構成する三相交流電源11、トランス12、電力変換装置13のPWMコンバータ21の図示を省略している。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において生じる可能性のある還流電流を減衰させるようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図5に示すように、ダイオードブリッジ回路32を構成する整流用のダイオードレグ33u、33v及び33wの中間点と、三相リアクトル31の各相リアクトル31u、31v及び31w及び三相モータ14の受電端子tu、tv及びtwとの接続点との間にそれぞれ、限流抵抗Ru、Rv及びRwを接続している。さらに、対地用ダイオードレグ34の中間点と接地との間に漏れ電流を抑制する漏れ電流抑制インピーダンスZeを接続している。この漏れ電流抑制インピーダンスZeは、具体的には、漏れ電流抑制抵抗Re、または低周波電流成分抑制用の接地コンデンサCeである。なお、漏れ電流抑制インピーダンスZeは、漏れ電流抑制抵抗Reと低周波電流成分抑制用の接地コンデンサCeの直列回路としてもよい。
その他の構成については前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
三相リアクトル31の各相リアクトル31u〜31wの三相モータ14側と、電力変換装置13の三相インバータ23の高電位側配線Lp及び低電位側配線Lnとの間にダイオードブリッジ回路32を接続することにより、還流電流経路が形成される。この還流電流経路は、例えば三相リアクトル31の各相リアクトル31u、31v及び31wの出力側からダイオードブリッジ回路32のダイオードレグ33u、33v及び33wのハイサイド側のダイオードD31、D33及びD35を通じ、三相インバータ23のハイサイド側のスイッチング素子Q11、Q13及びQ15を通じて各相リアクトル31u、31v及び31wの入力側に戻る経路である。この還流電流経路を流れる還流電流は、サージ電流のピーク値に等しくなる。
この還流電流経路には、インダクタンスが存在するが、電流を積極的に減衰させる要素が存在しないので、還流電流の減衰が非常に遅くなる。この還流電流によって、スイッチング素子Q21、Q23及びQ25のコレクタ及びエミッタ間を通る電流が増加し、スイッチング損失が増加することになり、既存製品に対策機器として付加する制約が大きくなる。
この還流電流経路は、三相リアクトル31の各相リアクトル31u、31v及び31wの入力側、三相インバータ23のローサイド側のスイッチング素子Q22、Q24及びQ26及びダイオードブリッジ回路32のローサイド側のダイオードD32、D34及びD36によっても形成される。
第2の実施形態では、2つの還流電流経路の共通経路となる三相リアクトル31とダイオードブリッジ回路32との間に還流電流抑制抵抗としての限流抵抗Ru、Rv及びRwを接続している。このため、各限流抵抗Ru、Rv及びRwによってハイサイド側の還流電流及びローサイド側の還流電流の双方を減衰させることができ、還流電流を低減させることができる。したがって、三相インバータ23のスイッチング素子Q21〜Q26によるスイッチング損失の増加を抑制することができる。この場合には、個々の限流抵抗Ru、Rv及びRwの抵抗値は、各相の還流電流を個別に抑制できればよいので、比較的小さな抵抗値の抵抗を適用することができ、発熱も少なくすることができる。
さらに、対地用ダイオードレグ34の中間点と接地間に漏れ電流抑制インピーダンスZeが接続されているので、対地用ダイオードレグ34を通じて接地に流れる漏れ電流を漏れ電流抑制インピーダンスZeで抑制することができる。
なお、上記第2の実施形態では、三相リアクトル31とダイオードブリッジ回路32との間に限流抵抗Ru〜Rwを接続した場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、図6に示すように、図5における限流抵抗Ru〜Rwを省略し、これらに代えてダイオードブリッジ回路32の高電位側配線Lp1及び低電位側配線Ln1と三相インバータ23の高電位側配線Lp及び低電位側配線Lnとの間に限流抵抗Rp及びRnを接続するようにしてもよい。この場合に、図5の構成に比較して限流抵抗Rp及びRnを流れる還流電流が多くなるので、これを抑制するために抵抗値が大きい抵抗が必要となるが、抵抗の個数は低減することができる。
さらには、図7は、図6の構成において、漏れ電流抑制インピーダンスZeを省略するとともに、限流抵抗Rp及びRnとダイオードブリッジ回路32との間の高電位側配線Lp1及び低電位側配線Ln1間にスナバコンデンサCsを接続したものである。このスナバコンデンサCsは、ダイオードブリッジ回路32の直近に配置することで、ダイオードの過電圧破壊を防止できる。また、スナバコンデンサCsは、0.数μF以下の小さな静電容量で構成されており、特許文献1に記載されたサージ電圧抑制回路などで用いるコンデンサよりも静電容量が小さい。このため、本発明の不要共振周波数はスイッチング周波数よりも非常に高くなるため、直列共振による過大な電流が生じることはない。
なお、スナバコンデンサCsは、図1、図5、図6の回路においても追加可能である。
また、上記第1及び第2の実施形態では、電力変換装置13を構成する三相インバータ23で三相モータ14を駆動する場合について説明したが、四相以上の多相モータを多相インバータで駆動する場合にも本発明を適用することができる。この場合、ダイオードブリッジ回路32を、多相モータの相数に応じた数のダイオードレグを並列に接続すればよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、1つの電力変換装置13で1つの三相モータ14を駆動する場合について説明したが、1つの電力変換装置13で複数の三相モータ14を駆動する場合にも本発明を適用することができる。さらには、電力変換装置13を構成する1つのコンバータに三相インバータ及び三相モータを複数組接続する場合にも本発明を適用することができる。
10…モータ駆動装置、11…三相交流電源、12…トランス、13…電力変換装置、14…三相モータ、20…三相リアクトル、21…パルス幅変調(PWM)コンバータ、22…平滑コンデンサ、23…三相インバータ、Lu〜Lw…三相ケーブル、tu〜tw…受電端子、31…三相リアクトル、31u…U相リアクトル、31v…V相リアクトル、31w…W相リアクトル、32…ダイオードブリッジ回路、33u…U相ダイオードレグ、33v…V相ダイオードレグ、33w…W相ダイオードレグ、34…対地用ダイオードレグ、Ru〜Rw、Rp、Rn…限流抵抗、Ze…漏れ電流抑制インピーダンス、Cs…スナバコンデンサ
上記目的を達成するために、本発明に係るサージ電圧抑制装置の一態様は、多相モータとこの多相モータを駆動する多相インバータとの間を接続する多相ケーブルに介挿した多相リアクトルと、多相リアクトルと多相モータとの間の多相ケーブルに個別に中間点が接続されたダイオードレグを並列に接続したダイオードブリッジ回路とを備え、ダイオードブリッジ回路は、多相ダイオードレグと並列に対地用ダイオードレグが接続され、この対地用ダイオードレグの中間点が接地に接続され、ダイオードブリッジ回路の直流高電位側及び低電位側が多相インバータの直流高電位側及び直流低電位側に個別に接続されている。

Claims (9)

  1. 多相モータと当該多相モータを駆動する多相インバータとの間を接続する多相ケーブルに介挿した多相リアクトルと、
    前記多相リアクトルと前記多相モータとの間の多相ケーブルに個別に中間点が接続されたダイオードレグを並列に接続したダイオードブリッジ回路とを備え、
    前記ダイオードブリッジ回路の直流高電位側及び低電位側が前記多相インバータの直流高電位側及び直流低電位側に個別に接続されているサージ電圧抑制装置。
  2. 前記ダイオードブリッジ回路は、多相ダイオードレグと並列に対地用ダイオードレグが接続され、該対地用ダイオードレグの中間点が接地に接続されている請求項1に記載のサージ電圧抑制装置。
  3. 前記ダイオードブリッジ回路を通る電流経路に還流電流抑制抵抗が介挿されている請求項1又は2に記載のサージ電圧抑制装置。
  4. 前記還流電流抑制抵抗は、前記ダイオードブリッジ回路の各多相ダイオードレグの中間点と前記多相リアクトル及び多相モータ間の多相ケーブルとの間に接続されている請求項3に記載のサージ電圧抑制装置。
  5. 前記還流電流抑制抵抗は、前記ダイオードブリッジ回路の高電位側及び前記多相インバータの高電位側と、前記ダイオードブリッジ回路の低電位側及び前記多相インバータの低電位側との間に接続されている請求項3に記載のサージ電圧抑制装置。
  6. 前記対地用ダイオードレグの中間点と接地との間に漏れ電流抑制インピーダンスが接続されている請求項2に記載のサージ電圧抑制装置。
  7. 前記ダイオードブリッジ回路の直流高電位側及び低電位側間にスナバコンデンサが接続されている請求項1から6の何れか一項に記載のサージ電圧抑制装置。
  8. 多相モータを駆動する多相インバータと、
    前記請求項1から7の何れか一項に記載のサージ電圧抑制装置と、
    を備えた電力変換装置。
  9. 多相モータと、
    前記多相モータを駆動する多相インバータと、
    前記請求項1から7の何れか一項に記載のサージ電圧抑制装置と、
    を備えた多相モータ駆動装置。
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