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JP2018206818A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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JP2018206818A
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高史 程田
Takashi Hodota
高史 程田
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Abstract

【課題】Alを含む反射膜を有し、高温条件下でもその反射膜の反射率の低下を抑えることのできる構造を有する発光素子、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様として、n型半導体層11a、p型半導体層11c、及びそれらに挟まれた発光層11bを含む発光機能層11と、n型半導体層11a、p型半導体層11cにそれぞれ電気的に接続され、発光機能層11の上方に配置されたn配線電極16、p配線電極18と、発光機能層11とn配線電極16及びp配線電極18との間に配置された、発光層11bから発せられた光を反射する反射膜14と、を有し、反射膜14が、Al又はAl合金からなる反射層14aと、反射層14aの発光機能層11側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層14bと、を有する、ガラス封止された、発光素子1を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、発光素子及びその製造方法に関する。
従来の発光素子として、Ag合金又はAgからなる反射膜を有する発光素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。Agは電気化学的マイグレーションを生じやすい金属であることが知られている。
特許文献1によれば、水分の存在下で電界を印加したときに陽極でAgが溶解することがAgのマイグレーションの原因であり、Agを含む反射膜を陽極に接続しないことによりAgのマイグレーションを抑制できるとされている。
また、従来の発光素子として、Al、Ag、Al合金、又はAg合金からなる反射膜を有する発光素子が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2によれば、反射膜を透明導電膜上に多重反射膜を介して形成することにより、反射膜の面に垂直な方向に反射膜に流れる電流が存在しなくなり、反射膜の金属原子のエレクトロマイグレーションが発生しないとされている。さらに、反射膜の上面と側面を絶縁膜で覆って電流が反射膜に流れ込むことを防ぐことにより、反射膜の金属原子のエレクトロマイグレーションを完全に防止できるとされている。
特開2005−302747号公報 特許第4453515号公報
紫外光を発する発光素子においては、紫外領域の光の反射率が高いAlやAl合金が反射膜の材料として好ましい。しかしながら、Alは所定の温度(通常350℃程度)以上に加熱されるとストレスマイグレーション等による凝集を起こすため、ガラス封止等の高温が必要となる処理を行う場合、反射膜の反射率が低下する。
本発明の目的は、Alを含む反射膜を有し、高温条件下でもその反射膜の反射率の低下を抑えることのできる構造を有する発光素子、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[6]の発光素子、及び下記[7]〜[13]の発光素子の製造方法を提供する。
[1]n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層と、前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続され、前記発光機能層の上方に配置されたn配線電極、p配線電極と、前記発光機能層と前記n配線電極及び前記p配線電極との間に配置された、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜と、を有し、前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有する、ガラス封止された、発光素子。
[2]n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層と、前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続され、前記発光機能層の上方に配置されたn配線電極、p配線電極と、前記発光機能層と前記n配線電極及び前記p配線電極との間に配置された、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜と、を有し、前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有し、前記n型半導体層の前記n配線電極と接触する層がAlGa1−xN(0.1≦x≦1)からなり、前記n配線電極の前記n型半導体層と接触する層がTiからなり、前記n型半導体層と前記n配線電極がオーミック接触する、発光素子。
[3]前記反射層の両側の面上に、前記凝集抑制層が形成された、上記[1]又は[2]に記載の発光素子。
[4]前記反射層がAlNdからなる、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の発光素子。
[5]前記反射膜の両面が絶縁層に覆われた、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の発光素子。
[6]前記凝集抑制層の厚さが1nm以上かつ2nm以下である、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の発光素子。
[7]n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層を用意する工程と、前記発光機能層の上方に、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜を形成する工程と、前記反射膜の上方に、前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続するようにn配線電極、p配線電極を形成する工程と、前記反射膜を形成した後、300℃以上の熱処理を実施する工程と、を含み、前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有する、無機封止材によって封止された、発光素子の製造方法。
[8]前記熱処理が、ガラス封止に伴う処理である、上記[7]に記載の発光素子の製造方法。
[9]前記n型半導体層の前記n配線電極と接触する層がAlGa1−xN(0.1≦x≦1)からなり、前記n配線電極の前記n型半導体層と接触する層がTiからなり、前記熱処理が、前記n配線電極を前記n型半導体層にオーミック接触させるための処理である、上記[7]に記載の発光素子の製造方法。
[10]前記反射層の両側の面上に、前記凝集抑制層が形成された、上記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
[11]前記反射層がAlNdからなる、上記[7]〜[10]のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
[12]前記反射膜の両面が絶縁層に覆われた、上記[7]〜[11]のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
[13]前記凝集抑制層の厚さが1nm以上かつ2nm以下である、上記[7]〜[12]のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
本発明によれば、Alを含む反射膜を有し、高温条件下でもその反射膜の反射率の低下を抑えることのできる構造を有する発光素子、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る発光装置の垂直断面図である。 図2(a)、(b)は、図1の反射膜の周辺の拡大図である。 図3は、ガラス封止された発光素子の構成の一例を示す垂直断面図である。 図4(a)は、Ti/AlNd/SiOの多層構造を有する試料に575℃のRTAを施す前と後の反射率を示すグラフである。図4(b)は、AlNdの単層構造を有する試料に575℃のRTAを施す前と後の反射率を示すグラフである。 図5(a)、(b)は、それぞれTi/AlNd/Taの多層構造を有する試料、AlNd/Taの多層構造を有する試料の、熱処理を施していない状態における表面の光学顕微鏡による観察像である。 図6(a)、(b)は、それぞれTi/AlNdの多層構造を有する試料、AlNdの単層構造を有する試料の、575℃のRTAを施した状態における表面の光学顕微鏡による観察像である。
〔実施の形態〕
図1は、実施の形態に係る発光装置1の垂直断面図である。発光素子1は、基板10と、基板10上の発光機能層11と、発光機能層11上の透明電極12と、透明電極12の上面及び側面を覆うDBR(distributed Bragg reflector)膜13と、DBR膜13上に形成された反射膜14と、発光機能層11に接続されたn配線電極16及びp配線電極18と、n配線電極16に接続されたnパッド電極17と、p配線電極18に接続されたpパッド電極19と、を有する。
また、発光機能層11上には絶縁層15が形成されている。透明電極12、DBR膜13、n配線電極16、及びp配線電極18は、絶縁層15に覆われ、nパッド電極17及びpパッド電極19は絶縁層15上に露出するように形成される。
発光機能層11は、III族窒化物半導体からなり、基板10上のn型半導体層11aと、n型半導体層11a上の発光層11bと、発光層11b上のp型半導体層11cと、を有する。n配線電極16はn型半導体層11aに接続され、p配線電極18はp型半導体層11cに接続される。
n型半導体層11aは、例えば、AlGaNを主成分とする層である。n型半導体層11aに含まれるドナーとして、例えば、Siが用いられる。
n型半導体層11aを構成するAlGaNは、発光層11bから発せられる光を吸収しないような組成を有する。具体的には、Al組成が大きいほどAlGaNのバンドギャップが大きくなるため、より波長の短い光のn型半導体層11aによる吸収を抑えることができる。
例えば、発光層11bの発光波長がUV−Aと呼ばれる波長域(400〜315nm)やUV−Bと呼ばれる波長域(315〜280nm)にある場合は、n型半導体層11aの組成はAlGa1−xN(0.1≦x<0.5)となる。
また、発光層11bの発光波長がUV−BやUV−Cと呼ばれる波長域(280nm未満)にある場合は、n型半導体層11aの組成はAlGa1−xN(0.5≦x≦1)となる。
n型半導体層11aは、例えば、n配線電極16が接続されるnコンタクト層と、発光層11bに接するnクラッド層を含む。なお、基板10とn型半導体層11aとの間にバッファ層が設けられていてもよい。
発光層11bは、電子と正孔とが再結合することにより発光する層である。発光層11bは、例えば、AlGaNからなる井戸層と、井戸層のAlGaNよりもバンドギャップが大きいAlGaNからなる障壁層を有する。これらの層を構成するAlGaNの組成比は、発光層11bの発光波長に応じて適宜設定される。
p型半導体層11cは、例えば、AlGaNを主成分とする層である。p型半導体層11cに含まれるアクセプターとして、例えば、Mgが用いられる。p型半導体層11cを構成するAlGaNの組成比は、発光層11bの発光波長に応じて適宜設定される。
p型半導体層11cは、例えば、発光層11bに接するpクラッド層と、透明電極12が接続されるpコンタクト層を含む。
基板10は、発光機能層11の成長の下地となる基板であり、GaN等の発光層11bから発せられる光を吸収しない材料からなることが好ましい。基板10の発光機能層11側の面には、図1に示されるように、光取出効率を高めるための凹凸が形成されていてもよい。
透明電極12は、p型半導体層11cと電気的に接続される膜状の電極であり、IZO等の透明材料からなる。透明電極12の厚さは、例えば、100nmである。
DBR膜13は、例えば、SiOとNbの多層膜であり、発光層11bから発せられた光を基板10側(光取出し側)に反射する機能を有する。
n配線電極16は、金属配線であり、例えば、n型半導体層11aとオーミック接触するTi/Ru積層構造を有する第1の層16aと、第1の層16a上のAu/Al積層構造を有する第2の層16bを有する。第2の層16bのAl層は、第2の層16bと絶縁層15との密着性を向上させる。この場合、Ti層、Ru層、Au層、Al層の厚さは、例えば、それぞれ1.5nm、100nm、500nm、3.5nmである。
p配線電極18は、例えば、n配線電極16と同じ層構成を有する。すなわち、Ti/Ru積層構造を有する第1の層18aと、第1の層18a上のAu/Al積層構造を有する第2の層18bを有する。この場合、p配線電極18とn配線電極16を同時に形成することができる。
nパッド電極17は、例えば、n配線電極16に接続されるTi/Ru積層構造を有する第1の層17aと、第1の層17a上のAu単層構造を有する第2の層17bを有する。この場合、Ti層、Ru層、Au層の厚さは、例えば、それぞれ1.5nm、100nm、500nmである。
pパッド電極19は、例えば、nパッド電極17と同じ層構成を有する。すなわち、p配線電極18に接続されるTi/Ru積層構造を有する第1の層19aと、第1の層19a上のAu単層構造を有する第2の層19bを有する。この場合、pパッド電極19とnパッド電極17を同時に形成することができる。
反射膜14は、発光機能層11と金属配線電極であるn配線電極16及びp配線電極18との間に配置された、発光層11aから発せられた光を反射する膜である。
図2(a)、(b)は、図1の反射膜14の周辺の拡大図である。反射膜14は、Al又はAl合金からなる反射層14aと、反射層14aの発光機能層11側の面上に形成された、反射層14の凝集を抑える凝集抑制層14bと、を有する。
凝集抑制層14bは、図2(a)に示されるように、反射層14aの発光機能層11側の面上にのみ形成されてもよいし、図2(b)に示されるように、反射層14aの両側の面上に形成されてもよい。
反射層14aは、紫外領域の光の反射率が高いAl又はAl合金からなり、特に、反射率及び耐熱性に優れるAlNdからなることが好ましい。このAlNdは、微量のNdを含む(例えば0.1〜0.5at%)。含有するNdが微量である場合、AlNd膜は微細結晶にならず、加熱した際のDBR膜13に含まれるSiOの粒界からの拡散を抑えることができる。反射層14aの材料として微量のNdを含むAl合金であるAlNdを用いた場合には、同じように微量のNi、Ge、Ta、Zr等を含むAl合金を用いた場合よりも紫外領域の光の反射率が高いことが確認されている。反射層14aの厚さは、例えば、40〜200nmである。
凝集抑制層14bは、Al又はAl合金の凝集を抑えることのできるTiからなる。凝集抑制層14bの厚さは1nm以上であることが好ましい。厚さが1nm以上である場合、凝集抑制層14bは、反射層14aとその下の部材の密着性を向上させる密着層としても機能する。
また、凝集抑制層14bの厚さは2nm以下であることが好ましい。Tiからなる凝集抑制層14bは、Al又はAl合金からなる反射層14aよりも反射率が低いが、厚さが2nm以下であれば凝集抑制層14bによる反射膜14の反射率の低下はほとんどない。また、Tiは反射層14aを構成するAl又はAl合金と反応して合金化し、反射膜14の反射率を下げるが、厚さが2nm以下であればこの合金化による反射膜14の反射率の低下はほとんどない。なお、厚さが2nm以下である場合、凝集抑制層14bは連続した一枚の膜ではなく、点在する島状部材の集合体である。
反射膜14と金属配線電極であるn配線電極16及びp配線電極18との間には、SiO等の絶縁材料からなる絶縁層15が形成されている。このため、n配線電極16及びp配線電極18に含まれるAu等の金属が反射膜14まで拡散して、反射層14aを構成するAl又はAl合金と反応して合金化し、反射層14aの反射率が低下することを抑制できる。
Tiからなる凝集抑制層14bを有する反射膜14は、例えば300℃以上かつ600℃以下の温度範囲の熱処理により、反射率、特にUV−B、UV−C等の短波長領域の光の反射率が増加する。この理由としては、熱処理により、TiとAl(Al合金)とが合金化することでTiによる反射率の低下が抑制されたことや、酸化膜とTiとが接した状態で熱処理されることによりTiが酸化されて反射率が向上すること等が考えられる。
また、反射膜14の下面は絶縁層であるDBR膜13に覆われている。このため、熱処理を施した際の反射層14a中のAlの拡散による反射膜14の剥離や、反射層14a中のAlと透明電極12の反応・合金化による反射膜14の反射率の低下を抑えることができる。
また、反射膜14の上面と下面がそれぞれ絶縁層15とDBR膜13に覆われているため、発光素子1の動作時にも反射膜14には電流が流れず、Alを含む反射層14aにおけるエレクトロマイグレーションの発生を抑えることができる。マイグレーションが発生すると、反射層14a中のAlが移動、又は周辺の部材と反応・合金化してしまい、結果として反射膜14の反射率が低下するおそれがある。
すなわち、反射膜14の両面を絶縁層で覆うことにより、反射膜14の反射率の低下や剥離を抑えることができる。なお、反射膜14の下面を覆う絶縁層としてDBR膜13を用いることにより、DBR膜13と反射膜14によって発光層11bから発せられた光をより効率的に反射することができる。
n型半導体層11aがAl組成の大きいAlGaNから構成される場合、Ti層を最下層とするn配線電極16をn型半導体層11aにオーミック接触させるために、nコンタクト電極16の形成後に300℃以上の熱処理が実施される。この場合であっても、反射膜14が凝集抑制層14bを有するため、反射層14aを構成するAl又はAl合金におけるストレスマイグレーション等による凝集の発生を抑えることができる。
n配線電極16をn型半導体層11aにオーミック接触させるための熱処理の温度は、n型半導体層11aのAl組成や、n配線電極16の材料によって異なる。例えば、n配線電極16のn型半導体層11aと接触する層がTiからなり、n型半導体層11aの組成がUV−AやUV−B発光素子用のAlGa1−xN(0.1≦x<0.5)である場合は、n配線電極16をn型半導体層11aにオーミック接触させるために、およそ300℃以上(600℃以下)の熱処理が必要になる。また、n配線電極16のn型半導体層11aと接触する層がTiからなり、n型半導体層11aの組成がUV−BやUV−C発光素子用のAlGa1−xN(0.5≦x≦1)である場合は、およそ450℃以上(900℃以下)の熱処理が必要になる。
上述のように、n配線電極16のn型半導体層11aと接触する層がTiからなり、n型半導体層11aの組成がAlGa1−xN(0.1≦x≦1)である場合は、n配線電極16をn型半導体層11aにオーミック接触させるためにおよそ300℃以上の熱処理が必要となるため、Alを含む反射層14aのマイグレーションによる凝集を抑制するためには、反射膜14が凝集抑制層14bを有することが重要になる。なお、n配線電極16をn型半導体層11aにより確実にオーミック接触させ、かつ反射層14aの凝集等をより効果的に抑えるためには、この熱処理の温度が400℃以上かつ700℃以下であることが好ましい。
また、発光素子1は、その表面にガラスが直接接触するようにガラス封止された素子であってもよい。ガラス封止には500℃以上の温度、例えば525℃、が必要になるが、反射膜14が凝集抑制層14bを有するため、このような高温下でも反射層14aを構成するAl又はAl合金におけるストレスマイグレーション等による凝集の発生を抑えることができる。
図3は、発光素子1がガラス封止された構成の一例を示す垂直断面図である。図3に示される発光素子2においては、発光素子1は基板20の表面にフェイスダウン実装され、封止ガラス25に封止される。封止ガラス25による発光素子1の封止に必要な温度は、500℃以上、例えば525℃である。
基板20は、表面に形成された発光素子1のnパッド電極17及びpパッド電極19を接続するための電極21と、裏面に形成された外部機器の電極を接続するための電極22と、電極21と電極22とを接続するビア23を有する。基板20としては、例えば、Al23基板、AlN基板等のガラス封止温度に耐えられる耐熱性に優れた基板が用いられる。発光素子1のnパッド電極17及びpパッド電極19と、基板20の電極21とは、導電バンプ24により接続される。
封止ガラス25は発光素子1に密着しており、nパッド電極17、pパッド電極19、絶縁層15等に密着している。このように、封止ガラス25は反射膜14に近い部分を覆っており、封止の際に封止ガラス25から反射膜14に熱が伝わりやすい構成であっても、反射層14aを構成するAl又はAl合金におけるストレスマイグレーション等による凝集の発生を凝集抑制層14bによって抑えることができる。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態に係る発光素子1は、紫外領域の光の反射率が高いAl又はAl合金からなる反射層14aを含む反射膜14を有する。そして、高温条件下においても凝集抑制層14bによって反射層14aにおけるストレスマイグレーションによる凝集の発生を抑制し、反射膜14の反射率の低下を抑えることができる。
また、反射膜14がTiからなる凝集抑制層14bを有するため、熱処理により、反射膜14の反射率、特にUV−B、UV−C等の短波長領域の光の反射率が増加する。
また、反射膜14の両面が絶縁層に覆われているため、反射膜14の反射率の低下や剥離を抑えることができる。
上記実施の形態に係る発光素子1の反射膜14の好ましい層構造を調べるため、試験を実施した。
まず、10種類の異なる層構造を有する試料(試料A〜Jとする)を作製し、熱処理後の反射率の変化を調べた。各試料は、SiO上に単層又は多層の膜を成膜することにより作製した。
次の表1は、試料A〜Jに熱処理として575℃のRTA(Rapid Thermal Annealing)を施した後の反射率の評価結果を示す。
表1の「層構造」は、各試料のSiO上の単層又は多層の膜の層構造を示す。「熱処理後の反射率」は、熱処理後の反射率の低下率が5%以下のものを「○」、20%よりも大きいものを「×」とした。
表1によれば、試料A〜Eの評価結果のうち、試料Bの評価結果のみが「○」と判定された。試料Aの評価結果が「×」であるのは、反射層としてのAlNd層の下面に凝集抑制層としてのTi層が形成されていないため、AlNd層にストレスマイグレーションが生じたことが主な原因であると考えられる。また、試料C〜Eの評価結果が「×」であるのは、AlNd層とその上層のTa層、TiW層、又はWN層とが反応して合金化したことによると考えられる。
また、試料F〜Iの評価結果のうち、試料Fの評価結果のみが「○」と判定された。試料Fの評価結果が「○」であるのは、AlNd層とその上層のTaN層の反応が小さく、合金化による反射率の低下が少なかったことによると考えられる。
一方で、試料G〜IがAlNd層上にTaN層を有するにもかかわらず、その判定結果が「×」であるのは、TaN層の上層のAu層から拡散したAuがTaN層を通過してAlNd層に達し、合金化が生じたことによると考えられる。
また、試料J、Kの評価結果が「○」であるのは、AlNd層とその上層のSiO層が反応しないため、合金化による反射率の低下がなかったことによると考えられる。さらに、試料Kの評価結果が「○」であることは、SiO層の上にはAu等からなる金属層を形成しても、金属の拡散をSiO層が防ぎ、AlNd層の合金化による反射率の低下が抑えられることを示している。
図4(a)は、Ti/AlNd/SiOの多層構造を有する試料Jに575℃のRTAを施す前と後の反射率を示すグラフである。図4(a)は、試料Jの熱処理前後の反射率の低下がほとんどないだけでなく、UV−B、UV−C等の短波長領域の光の反射率が増加することを示している。
図4(b)は、AlNdの単層構造を有する試料Aに575℃のRTAを施す前と後の反射率を示すグラフである。試料Aは凝集抑制層としてのTi又はAlNを有しないため、上述のように、熱処理前後で反射率が大きく低下している。
図5(a)、(b)は、それぞれTi/AlNd/Taの多層構造を有する試料、AlNd/Taの多層構造を有する試料の、熱処理を施していない状態における表面の光学顕微鏡による観察像である。
図5(a)、(b)は、凝集抑制層としてのTi層の有無にかかわらず、熱処理を施していない状態では反射層であるAlNd層にマイグレーションによる凝集が生じていないことを示している。
図6(a)、(b)は、それぞれTi/AlNdの多層構造を有する試料、AlNdの単層構造を有する試料の、575℃のRTAを施した状態における表面の光学顕微鏡による観察像である。
図6(a)、(b)は、凝集抑制層としてのTi層が設けられていない場合、熱処理によって反射層であるAlNd層にストレスマイグレーションが生じることを示している。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態においては、反射膜14上の最も近い配線電極はp配線電極18であるが、n配線電極16等の他の金属配線であってもよい。
また、上記の実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 発光素子
11 発光機能層
11b 発光層
14 反射膜
14a 反射層
14b 凝集抑制層
15 絶縁層
16 n配線電極
18 p配線電極

Claims (13)

  1. n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層と、
    前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続され、前記発光機能層の上方に配置されたn配線電極、p配線電極と、
    前記発光機能層と前記n配線電極及び前記p配線電極との間に配置された、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜と、
    を有し、
    前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有する、
    ガラス封止された、発光素子。
  2. n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層と、
    前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続され、前記発光機能層の上方に配置されたn配線電極、p配線電極と、
    前記発光機能層と前記n配線電極及び前記p配線電極との間に配置された、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜と、
    を有し、
    前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有し、
    前記n型半導体層の前記n配線電極と接触する層がAlGa1−xN(0.1≦x≦1)からなり、
    前記n配線電極の前記n型半導体層と接触する層がTiからなり、
    前記n型半導体層と前記n配線電極がオーミック接触する、
    発光素子。
  3. 前記反射層の両側の面上に、前記凝集抑制層が形成された、
    請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記反射層がAlNdからなる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記反射膜の両面が絶縁層に覆われた、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記凝集抑制層の厚さが1nm以上かつ2nm以下である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. n型半導体層、p型半導体層、及びそれらに挟まれた発光層を含む発光機能層を用意する工程と、
    前記発光機能層の上方に、前記発光層から発せられた光を反射する反射膜を形成する工程と、
    前記反射膜の上方に、前記n型半導体層、前記p型半導体層にそれぞれ電気的に接続するようにn配線電極、p配線電極を形成する工程と、
    前記反射膜を形成した後、300℃以上の熱処理を実施する工程と、
    を含み、
    前記反射膜が、Al又はAl合金からなる反射層と、前記反射層の前記発光機能層側の面上に形成された、Tiからなる凝集抑制層と、を有する、
    無機封止材によって封止された、発光素子の製造方法。
  8. 前記熱処理が、ガラス封止に伴う処理である、
    請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記n型半導体層の前記n配線電極と接触する層がAlGa1−xN(0.1≦x≦1)からなり、
    前記n配線電極の前記n型半導体層と接触する層がTiからなり、
    前記熱処理が、前記n配線電極を前記n型半導体層にオーミック接触させるための処理である、
    請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記反射層の両側の面上に、前記凝集抑制層が形成された、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記反射層がAlNdからなる、
    請求項7〜10のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  12. 前記反射膜の両面が絶縁層に覆われた、
    請求項7〜11のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  13. 前記凝集抑制層の厚さが1nm以上かつ2nm以下である、
    請求項7〜12のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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