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JP2018199097A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

水処理方法及び水処理装置 Download PDF

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JP2018199097A JP2017103953A JP2017103953A JP2018199097A JP 2018199097 A JP2018199097 A JP 2018199097A JP 2017103953 A JP2017103953 A JP 2017103953A JP 2017103953 A JP2017103953 A JP 2017103953A JP 2018199097 A JP2018199097 A JP 2018199097A
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Abstract

【課題】処理効率に優れ、スラッジ発生量が低減され、かつ、処理コストを抑制できる、フッ素及びホウ素を含む被処理水の水処理方法を実現する。【解決手段】前記被処理水を酸性の状態で、アルミナが充填されたカラムへ通液するカラム通液工程、及び前記カラム通液工程後の被処理水と固定化剤とを接触させる固定化工程、を含む水処理方法。【選択図】図2

Description

本発明は水処理方法及び水処理装置に関し、特に、フッ素及びホウ素を含む被処理水からフッ素及びホウ素を除去する水処理方法及び水処理装置に関する。
ガラス製造業及びメッキ業等における排水中には、高濃度でフッ素及びホウ素が含まれている。フッ素及びホウ素は、下水道法又は水質汚濁防止法等の環境関連法令によって、排水基準値が厳しく制限されている。従って、フッ素及びホウ素を含む排水は、適宜薬品を添加して、排水中のフッ素及びホウ素を凝集不溶化し除去することにより濃度を低下させて排出する必要がある。
しかし、フッ素及びホウ素が共存する排水では、フッ素とホウ素とが酸性領域で結合して難分解性のホウフッ酸が生成し、通常の凝集不溶化では除去できないという問題があった。従来、排水中のホウフッ酸を除去する技術としては、ホウフッ酸を含む排水に硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウムを添加してホウフッ化物を分解し、分解物にカルシウム化合物を添加して、排水中のフッ素及びホウ素を固形物として生成させる方法が主流である(例えば、特許文献1、2参照)。また、フッ素及びホウ素を含む排水ではないが、フッ素を含む排水の処理方法として、排水に吸着剤として活性アルミナの粉末を添加する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−233605号公報(2009年10月15日公開) 特開2016−163857号公報(2016年9月8日公開) 特開2002−86160号公報(2002年3月26日公開)
しかしながら、上述のような従来のフッ素及びホウ素を含む被処理水の処理方法は、処理効率、スラッジ発生量、及び処理コストのすべてにおいて優れるという点では十分ではなかった。特許文献1に記載の硫酸アルミニウム(液バンとも称する)を添加する方法(液バン法)は、分解物とカルシウム化合物との反応により多量のスラッジが生成し、また、処理効率も十分ではなかった。特許文献2に記載のポリ塩化アルミニウム(Poly Alminiumu Chlorideから、PACとも称する)を添加する方法(PAC法)は、コストの面に問題があった。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、処理効率に優れ、スラッジ発生量が低減され、かつ、処理コストを抑制できる、フッ素及びホウ素を含む被処理水からフッ素及びホウ素を除去する水処理方法及び水処理装置を実現することにある。
本発明の一実施形態は、以下の構成を有するものである。
[1]フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理方法であって、前記被処理水を酸性の状態で、アルミナが充填されたカラムへ通液するカラム通液工程、及び前記カラム通液工程後の被処理水と固定化剤とを接触させる固定化工程、を含む、水処理方法。
[2]前記アルミナは、活性アルミナである、[1]に記載の水処理方法。
[3]前記カラムは、整流促進材がさらに充填されている、[1]又は[2]に記載の水処理方法。
[4]前記カラム通液工程と、前記固定化工程との間に、前記カラムを通過した被処理水を滞留させる滞留工程を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の水処理方法。
[5]フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理装置であって、アルミナが充填されたカラム、及び前記カラムを通過した被処理水と固定化剤とを接触させるための固定化部を含む、水処理装置。
[6]前記アルミナは、活性アルミナである、[5]に記載の水処理装置。
[7]前記カラムは、整流促進材がさらに充填されている、[5]又は[6]に記載の水処理装置。
[8]前記カラムを通過した被処理水を滞留させるための滞留部をさらに含む、[5]〜[7]のいずれか1つに記載の水処理装置。
[9]前記カラムを3つ以上備え、前記複数のカラムは相互に接続されており、当該水処理装置の運転中に、少なくとも1つのカラムには被処理水が通液されないように相互のカラムが接続されている、[5]〜[8]のいずれか1つに記載の水処理装置。
本発明の一実施形態に係る水処理方法によれば、処理効率に優れ、スラッジ発生量が低減され、かつ、処理コストを抑制できる、フッ素及びホウ素を含む被処理水からフッ素及びホウ素を除去する水処理方法及び水処理装置を実現することができる、という効果を奏する。
本発明の実施例において用いた装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る水処理装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る水処理装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る水処理装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る水処理装置を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.水処理方法〕
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理方法であって、前記被処理水を酸性の状態で、アルミナが充填されたカラムへ通液するカラム通液工程、及び前記カラム通液工程後の被処理水と固定化剤とを接触させる固定化工程、を含む。
本発明の一実施形態において、水処理の対象となる、フッ素及びホウ素を含む被処理水は、フッ素及びホウ素を含む、地下水、温泉水、沼湖水、海水、工場排水、鉱山排水、河川水等であればよい。本発明の一実施形態に係る水処理方法によれば、特に高濃度のフッ素及びホウ素を含有するガラス製造工場及びメッキ工場等の排水からフッ素及びホウ素を高効率で除去することができる。
前記被処理水中に含まれるフッ素は、被処理水中にどのような形で存在してもよい。従って、フッ素は、イオンとして存在してもよいし、フッ素化合物として他の元素と結合した状態で存在してもよい。被処理水中のフッ素の含有量としては、特に限定されないが、フッ素原子として、被処理水の重量に対して、0.01重量%〜30重量%であることが好ましく、0.05重量%〜20重量%であることがより好ましく、0.1重量%〜10重量%であることがさらに好ましく、0.2重量%〜4重量%であることが特に好ましい。
前記被処理水中に含まれるホウ素も、被処理水中にどのような形で存在してもよい。従って、ホウ素は、イオンとして存在してもよいし、ホウ素化合物として他の元素と結合した状態で存在してもよい。被処理水中のホウ素の含有量としては、特に限定されないが、ホウ素原子として、被処理水の重量に対して、0.0012重量%〜3.6重量%であることが好ましく、0.006重量%〜2.4重量%であることがより好ましく、0.012重量%〜1.2重量%であることがさらに好ましく、0.024重量%〜0.48重量%であることが特に好ましい。
特に酸性領域で、フッ素とホウ素とが共存する被処理水中には、フッ素とホウ素とが結合して、難分解性のホウフッ酸(HBF)が生成し、ホウフッ化物イオン(BF )の形で存在する。
前記本実施形態の構成により、本発明の一実施形態に係る水処理方法は、以下の(1)〜(4)のような利点を有する。
(1)硫酸アルミニウムを添加する従来の方法と比べて、硫酸アルミニウム貯槽、硫酸アルミニウムのための送液設備、及び、硫酸アルミニウムと被処理水とを反応させるための大きな分解槽(被処理水中に含まれる全フッ素と反応するアルミニウムの2倍量のアルミニウムを含む硫酸アルミニウムを被処理水に添加して混合する必要があり、一度に処理する被処理水の量に依存して分解槽は大型になる)が不要となる。
(2)固定化工程にて生成する沈殿物(スラッジ)が少ない。従来技術では、硫酸アルミニウム由来の沈殿物(硫酸カルシウム及び水酸化アルミニウム等)が大量に生成される。これに対し、本発明の一実施形態に係る水処理方法では、硫酸塩が生成しない。また、カラム内でアルミニウムが徐々に溶出されてホウフッ酸(HBF)又はホウフッ化物イオン(BF )(以下、本明細書において、ホウフッ酸(HBF)又はホウフッ化物イオン(BF )を、「ホウフッ酸」と称する)を分解するため、使用されるアルミニウムの量が少なく、よって固定化工程で生成する水酸化アルミニウム等のスラッジの量も少ない。
(3)カラムを利用するため、カートリッジ方式でのパッケージ化が可能であり、汎用性が高くなる。特に、硫酸アルミニウムを調達することが困難である国のガラス製造工場等への導入に際して、有利になる。
(4)廃棄予定であるアルミナを利用できるため、資源活用及びコスト削減が実現できる。
〔1−1.カラム通液工程〕
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、前記被処理水を酸性の状態で、アルミナが充填されたカラムへ通液するカラム通液工程を含む。
本工程では、前記被処理水を酸性の状態で前記カラムへ通液する。前記被処理水が酸性であれば、カラムに充填されたアルミナが、接触した前記被処理水に溶解し、アルミナの表面でアルミニウムイオンが溶出する。溶出したアルミニウムイオンは、ホウフッ酸と反応して、フッ化アルミニウムを生成する。すなわち、ホウフッ酸は分解される。
また、アルミナと酸との反応は発熱反応であるので、発生した熱により、アルミニウムイオンとホウフッ酸との反応、言い換えれば、ホウフッ酸の分解反応はさらに促進される。
従って、被処理水がホウフッ酸を含む場合であっても、前記被処理水を酸性の状態でアルミナが充填されたカラムへ通液することにより、ホウフッ酸を分解することが可能である。分解後、ホウ素はホウ酸となる。一方、フッ素は、一部はフッ化水素となり、その他はフッ化アルミニウムとなる。生成したホウ酸、フッ化アルミニウム、及びフッ化水素は、カラム通過後の被処理水中に排出される。
本工程において、「酸性」とは、pHが7未満であればよいが、アルミナから好適な量のアルミニウムイオンを溶出できるという観点から、より好ましくは5未満、さらに好ましくは4.5未満、さらに好ましくは4未満である。なお、pHは、3未満、又は2未満であってもよい。また、被処理水は酸性の状態であれば、水素イオンの由来としては特に限定されず、塩酸、硫酸、及び硝酸等由来の水素イオンであり得る。また、pHの下限は特に限定されるものではないが、0より大きいものとする。
本工程では、前記被処理水を酸性の状態で前記カラムへ通液すればよいので、被処理水が元来酸性の場合は、そのまま前記カラムに通液すればよい。また、被処理水が酸性でない場合、及び、酸性度を高めたい場合には、本発明の一実施形態に係る水処理方法は、カラム通液工程の前に、pHを酸性又は所定の酸性度に調整するpH調整工程を含んでいてもよい。pH調整工程は、前記被処理水に、塩酸、硫酸、及び硝酸等の酸を添加することにより行うことができる。
前記カラムに充填されるアルミナとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、活性アルミナ、及び水酸化アルミナ(アルミナ水和物)等が挙げられる。これらの中でも、ホウフッ酸を効率的に分解できるという観点から活性アルミナがより好ましい。活性アルミナとしては、例えば、活性アルミナ、NKHD−24HD、NKHD−46HD、NKHD−24、NKHD−46、NKHO−24、HD−13、FD−24、KHS−46、KHA−46、KHA−24、KHO−46、KHO−24、KHO−12、KHD−46、KHD−24、KCG−30、KCG−1525W、KC−501、A−11、AC−11、AC−12R(住友化学株式会社);活性アルミナ、NSA20−3×6、NSA20−5×8、NSA20−7×12、NST−5、NST−7、NST−3、NST−3H、NA−3(日揮ユニバーサル株式会社);活性アルミナ、D−201(3×6)、D−201(5×8)、D−201(7×12)、A−201−4(7×12)、A204−8(7×12)、AZ−300(7×14)、CG−731(5×8)(ユニオン昭和株式会社);酸化アルミニウム60活性型塩基性活性度I(0.063−0.200mm)、酸化アルミニウム90活性型中性活性度I(0.063−0.200mm)、酸化アルミニウム90活性型酸性活性度I(0.063−0.200mm)、酸化アルミニウム90活性型塩基性活性度I(0.063−0.200mm)、酸化アルミニウム150塩基性(メルク株式会社)等を用いることができる。あるいは、活性アルミナとしては、例えば活性アルミナ、アルミニウム精製、及びアルミナ触媒等の製造において廃棄物として発生する活性アルミナを利用することもできる。
前記アルミナの形状は粒子状であれば特に限定されるものではなく、球形、楕円形、不定形破砕形状等であり得る。
また、前記アルミナの平均粒子径は、乾燥状態で、5mm以下が好ましく、1mm〜4mmであることがより好ましい。前記アルミナの平均粒子径が、1mm以上であれば、カラムの目詰まりが起こりにくいという観点から好ましい。また、前記アルミナの平均粒子径が、5mm以下であれば、カラムへの通液がより均一となる(換言すればカラム中の通液の偏流を防止できる)ため好ましい。
なお、本明細書において、他に特に規定する場合を除き、平均粒子径とは以下の方法で決定された値をいう。まず、試料となる粒子の集合の数箇所から試料を採取する。それぞれの試料について、顕微鏡による観察を行い、数箇所から採取した試料全体で、合計100個以上の粒子に対して、それぞれ、対象となる粒子1つの長軸径、すなわち、粒子の形状の最も寸法の大きい方向の寸法を計測する。計測した100個以上の値のうち、上下各20%を除いた、60%の計測値の平均を本発明における平均粒子径とする。
本工程において、前記被処理水をカラムへ通液する流速についても、特に限定されるものではなく、適宜最適な流速を決定すればよいが、好ましくはSV=0.4〜5、より好ましくはSV=1〜4にて通液する。なお、ここでSVとは、1時間当たり樹脂容積の何倍量を通液するかを示す単位である。SV=0.4以上であれば、カラム通液時の偏流が軽減できるため好ましい。また、SV=5以下であれば、カラム通液時の通液抵抗の上昇による溢流を防止できるため好ましい。
また、本工程において、前記被処理水をカラムへ通液する方向についても、特に限定されるものではなく、下向流であっても、上向流であってもよい。
前記カラムは、アルミナが充填されたカラムであればよいが、本発明の一実施形態に係る水処理方法では、アルミナに加えて、整流促進材がさらに充填されていてもよい。酸とアルミナとの反応に伴いアルミナの粒子径が小さくなるにつれて、長時間通液した場合に、被処理水の通液性が低下する場合がある。アルミナに加えて、整流促進材が充填されたカラムを用いることによって、かかる被処理水の通液性の低下を防ぐことができる。
前記整流促進材としては、酸性の被処理水に不活性な材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、樹脂、耐フッ素金属、及び耐フッ素ゴムなどが挙げられ、これらの中でも樹脂がより好ましい。かかる樹脂としては、これに限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びアクリル樹脂等を好適に用いることができる。整流促進材の形状としても、特に限定されず、粒子状、ビーズ状、線維状、筒状等があげられる。中でも、前記整流促進材は、樹脂ビーズであることがより好ましい。前記整流促進材が、ビーズである場合、その粒子径は特に限定されるものではないが、送液管の径よりも大きいことが好ましい。
前記整流促進材は、前記カラム内で、アルミナと均一に混合された状態で充填されていてもよいし、前記整流促進材とアルミナとが交互に層状に充填されていてもよい。中でも、被処理水の通液性の低下を防ぐという観点から、前記整流促進材とアルミナとが交互に層状に充填されていることがより好ましい。また、積層する層の数も特に限定されるものではないが、それぞれ多層の、例えば各2層から3層の前記整流促進材とアルミナとが交互に層状に充填されていることがより好ましい。層状に充填する場合の、層の順序については特に限定されるものではなく、また前記整流促進材の層及びアルミナの層の数は同じであってもよく異なっていてもよい。カラムの入口側及び出口側の少なくともいずれか一方、より好ましくはカラムの入口側及び出口側の両方に整流促進材が充填されるように積層することが、被処理水の通液性の低下を防ぐという観点から、より好ましい。図1に模式的に示されるカラム1は、2層の前記整流促進材3が1層のアルミナ2を挟みこむように層状に充填されており、カラム1の入口側及び出口側の両方に整流促進材3が充填されている例である。
〔1−2.固定化工程〕
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、前記カラム通液工程後の被処理水と固定化剤とを接触させる固定化工程を含む。
本工程では、前記カラムを通過後の被処理水を、固定化剤と反応させることにより、当該被処理水中に含まれるフッ素及びホウ素を不溶性の化合物として、沈殿させることができる。沈殿した不溶性の化合物を分離することにより、前記被処理水から、フッ素及びホウ素を除去することができる。
前記固定化剤は、特に限定されないが、被処理水を中和できること、及び安価であることから、好ましくは、溶解した場合に塩基性を示す、カルシウム化合物又はカルシウム化合物を含む混合物である。前記カルシウム化合物又はカルシウム化合物混合物としては、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムと水酸化ナトリウムとの混合物、及び炭酸カルシウムと炭酸ナトリウムとの混合物等を挙げることができる。中でも、前記固定化剤は水酸化カルシウムであることがより好ましい。
前記被処理水と固定化剤とを接触させる方法は特に限定されるものではないが、例えば、固定化槽(固定化部)内に、前記被処理水を導入し、前記固定化剤を添加後又は添加しながら接触させる方法を挙げることができる。当該固定化槽は、固定化剤と被処理水とを効率よく反応させるために、撹拌装置を備えていてもよい。
図2には、本発明の様々な実施形態に係る水処理方法が模式的に示されている。図2中、被処理水貯槽5からの被処理水を実線Aで示される経路で送液する実施形態では、カラム通液工程において前記カラム1を通過後の被処理水は、直接、固定化槽(固定化部)7に送液され、固定化剤と接触させられる。実線Aで示される実施形態は、被処理水中のフッ素及びホウ素濃度が比較的低い場合に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、カラム通液工程後であって後述する脱水工程の前、例えば固定化工程において、硫酸アルミニウム(液バン)及び/又は塩化アルミニウム(PAC)をさらに添加してもよい。添加した場合には、固定化工程で発生するスラッジの量を減らすことが可能であり、またフッ素の固定化を促進することも可能である。
〔1−3.滞留工程〕
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、前記カラム通液工程と、前記固定化工程との間に、前記カラムを通過した被処理水を滞留させる滞留工程を含んでいてもよい。
カラム通液工程においては、被処理水中のフッ素及びホウ素の含有量、被処理水の酸性度、SV等によっては、アルミナから溶出したアルミニウムイオンであって、フッ素イオン又はホウフッ酸と反応していない、余剰のアルミニウムイオンが、前記カラムを通過後の被処理水に含まれる場合がある。かかる場合には、図2の点線Bで示されるように、前記カラム通液工程の後であって、前記固定化工程の前に、前記カラム1から排出された被処理水を、例えばカラムに直接接続された滞留槽(滞留部)6に滞留させる。これによって、カラム1内で十分にホウフッ酸が分解されなかった場合に、滞留槽6中で、ホウフッ酸を十分に分解させるための時間を与えることができる。それゆえ、余剰のアルミニウムイオンを無駄なく、ホウフッ酸の分解に使用することができるため、アルミナの使用量を低減できる。また、固定化工程に送られるアルミニウムイオンの量を低減できることにより、例えば水酸化カルシウムとアルミニウムイオンとの反応で生成するスラッジを低減することができる。前記滞留槽6は、効率よくホウフッ酸の分解反応を進行させるために、撹拌装置を備えていてもよい。
「十分にホウフッ酸が分解されなかった場合」とは、酸により、カラムに充填されたアルミナが溶解し、アルミニウムイオンが生成されているにもかかわらず、アルミニウムイオンによってホウフッ酸が分解されるよりも早く(生成されたアルミニウムイオンの全てがホウフッ酸を分解するために使用されるよりも早く)、液体がカラムを通過した場合である。
例えば、液体がカラム中に滞留した時間が、アルミニウムイオンの生成のためには十分な時間であったが、ホウフッ酸のホウ素イオンとフッ素イオンとへの分解のためには不十分な時間であった場合に、「分解されなかった場合」が生じる。
また、図2では、滞留工程において、前記カラム1から排出された被処理水を滞留槽6に滞留させているが、前記カラム1から排出された被処理水を例えば前記整流促進材を充填したカラムに滞留させてもよい。
本発明の他の一実施形態に係る水処理方法では、図2の一点鎖線Cにて示されるように、被処理水貯槽5からの被処理水の一部については、酸性の状態でアルミナ2が充填されたカラム1へ通液し、前記カラム1から排出された被処理水を滞留槽(滞留部)6に滞留させた後、固定化剤と接触させるとともに、被処理水の残りの一部については、アルミナ2が充填されたカラム1へ通液せずに、直接滞留槽6に送液する。かかる実施形態によれば、上述した点線Bで示される実施形態において、滞留槽6からなお余剰のアルミニウムイオンが、固定化槽(固定化部)7に排出される場合にも、滞留槽6に存在する余剰のアルミニウムイオンを用いて、カラム1を通っていない被処理水中のホウフッ酸を分解することができる。それゆえ、アルミナ2の使用量を低減できる。また、固定化工程に送られるアルミニウムイオンの量を低減できることにより、例えば水酸化カルシウムとアルミニウムイオンとの反応で生成するスラッジを低減することができる。
図2の実線Aで示される経路で被処理水を送液する実施形態、実線Bで示される経路で被処理水を送液する実施形態、及び、実線Cで示される経路で被処理水を送液する実施形態のいずれを選択するかは、被処理水貯槽5における被処理水中のフッ素及びホウ素の含有量、被処理水の酸性度、アルミナ2が充填されたカラム1のSV等によって、決定することができる。また、カラム1の出口及び滞留槽6の出口におけるアルミニウムイオンの濃度をモニターし、測定された濃度に応じて、いずれの実施形態にて水処理を行うかを切り替えることもできる。
〔1−4.脱水工程〕
本発明の一実施形態に係る水処理方法は、前記固定化工程後に、脱水工程を有してもよい。脱水工程とは、固定化工程で沈殿した不溶性の化合物を被処理水から分離する工程である。脱水工程は、ベルトプレスフィルター、フィルタープレス、及び真空脱水機等を用いた濾過などによって行うことが可能である。
〔2.水処理装置〕
本発明の一実施形態に係る水処理装置は、フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理装置であって、アルミナが充填されたカラム及び前記カラムを通過した被処理水と固定化剤とを接触させるための固定化部を含む。
本発明の好ましい一実施形態に係る水処理装置は、アルミナが充填されたカラムと、前記カラムの下流側に接続された固定化部とを含む。
本発明の一実施形態に係る水処理装置において、フッ素及びホウ素を含む被処理水、アルミナが充填されたカラム、固定化剤については、〔1.水処理方法〕において説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
前記カラムを通過した被処理水と固定化剤とを接触させるための固定化部とは、前記カラムを通過した被処理水(換言すれば前記カラムから排出された被処理水)と、固定化剤とを反応させ、当該被処理水中に含まれるフッ素及びホウ素を不溶性の化合物として、沈殿又は固定化させることができる容器であれば特に限定されるものではない。従って、例えば上述した固定化槽を固定化部として用いてもよく、また固定化剤が充填されたカラムを固定化部として用いてもよい。
本発明の一実施形態に係る水処理装置では、前記固定化部は、カラムの下流側に接続されている。ここで、固定化部は、固定化剤を供給する供給部を備えていてもよい。これにより、固定化部に送液された被処理水に、固定化剤を添加することができる。供給部は、固定化剤を供給することができればどのような構成であってもよく、従来公知の構成を適宜選択することができる。
また、前記カラムは、アルミナに加えて、さらに整流促進材が充填されているカラムであってもよい。本実施形態で用いられる整流促進材についても、〔1.水処理方法〕において説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る水処理装置は、例えば、図2に示す実線Aで示される経路で、被処理水貯槽5からの被処理水を送液するように構成されていてもよい。かかる場合、水処理装置は、アルミナ2が充填されたカラム1と、上流側が前記カラム1に接続されるとともに前記カラム1を通過した被処理水が流通する送液ラインと、当該送液ラインの下流側に接続された固定化槽(固定化部)7とを含む。
前記送液ラインは、送液管及び循環ポンプ等を含んでもよく、これら送液管及び循環ポンプ等としては、周知の送液管及び循環ポンプ等を使用することができる。
また、本発明の一実施形態に係る水処理装置は、前記カラムを通過した被処理水を滞留させるための滞留部をさらに含んでいてもよい。本発明の一実施形態に係る水処理装置は、アルミナが充填されたカラムと、前記カラムの下流側に接続された固定化部とを含み、前記カラムの下流であって、前記固定化部の上流に、前記カラムから排出された被処理水を滞留させる滞留部が接続されていてもよい。
前記カラムから排出された被処理水を滞留させる滞留部とは、前記カラムから排出された被処理水を、ホウフッ酸の分解反応をさらに進行させるために滞留させることができる容器であれば特に限定されるものではないが、例えば上述した、滞留槽、及び整流促進材が充填されたカラム等でありうる。
前記滞留部は、前記カラムの下流であって、前記固定化部の上流に接続されており、前記滞留部でホウフッ酸の分解反応が進められた後の被処理水は、前記固定化部に送液され、固定化部において固定化される。
かかる滞留部を含む、本発明の一実施形態にかかる水処理装置は、例えば、図2に示す点線Bで示される経路で、被処理水貯槽5からの被処理水を送液するように構成されていてもよい。かかる場合、水処理装置は、アルミナ2が充填されたカラム1と、上流側が前記カラム1に接続されるとともに前記カラム1を通過した被処理水が流通する送液ラインと、当該送液ラインの下流側に接続された滞留槽(滞留部)6と、上流側が前記滞留槽6に接続されるとともに前記滞留槽6から排出された被処理水が流通する送液ラインと、当該送液ラインの下流側に接続された、固定化槽(固定化部)7とを含む。かかる構成とすることにより、余剰のアルミニウムイオンを無駄なく、ホウフッ酸の分解に使用することができるため、アルミナの使用量を低減できる。また、固定化工程に送られるアルミニウムイオンの量を低減できることにより、例えば水酸化カルシウムとの反応で生成するスラッジを低減することができる。前記滞留槽6は、効率よくホウフッ酸の分解反応を進行させるために、撹拌装置を備えていてもよい。また、図2に示される前記滞留槽6の代わりに、前記整流促進材を充填したカラムに滞留させてもよい。前記整流促進材を充填したカラムによっても、ホウフッ酸の分解反応を進めることができ、また、カラムであることにより、槽である場合よりも、取り替えが容易であり取扱いが容易であるという利点もある。ここで、滞留部としてのカラムに充填される整流促進材は、前記〔1.水処理方法〕において説明した整流促進材と同様である。
滞留部を含む、本発明の他の一実施形態にかかる水処理装置は、例えば、図2に示す一点鎖線Cで示される経路で、被処理水貯槽5からの被処理水を送液するように構成されていてもよい。かかる場合、水処理装置は、被処理水をアルミナ2が充填されたカラム1に流通する送液ラインと、アルミナが充填されたカラム1と、上流側が前記カラム1に接続されるとともに前記カラム1を通過した被処理水が流通する送液ラインと、当該送液ラインの下流側に接続された滞留槽(滞留部)6と、上流側が前記滞留槽6に接続されるとともに前記滞留槽6から排出された被処理水が流通する送液ラインと、当該送液ラインの下流側に接続された、固定化槽(固定化部)7と、被処理水をアルミナ2が充填されたカラム1に流通する送液ラインからカラム1の上流で分岐し、被処理水を前記滞留槽6に送液するラインと、を含む。かかる構成とすることにより、滞留槽6からなお余剰のアルミニウムイオンが、固定化槽7に排出される場合にも、滞留槽6に存在する余剰のアルミニウムイオンを用いて、カラム1を通っていない被処理水中のホウフッ酸を分解することができる。それゆえ、アルミナ2の使用量を低減できる。また、固定化工程に送られるアルミニウムイオンの量を低減できることにより、例えば水酸化カルシウムとの反応で生成するスラッジを低減することができる。
また、本発明の他の一実施形態に係る水処理装置は、図2に示される、アルミナ2が充填されたカラム1と、前記カラム1の下流側に接続された固定化槽(固定化部)7とを含み、前記カラム1の下流であって、前記固定化槽7の上流に、前記カラム1から排出された被処理水を滞留させる滞留槽(滞留部)6が接続されており、さらに図2に示される全ての送液ラインとを含み、送液ラインの構成を以下のA〜Cの間で、切り替え可能となっている。
A:上流側が前記カラム1に、下流側が前記固定化槽7に接続されている送液ライン
B:上流側が前記カラム1に、下流側が前記滞留槽6に接続されている送液ライン、及び、上流側が前記滞留槽6に、下流側が前記固定化槽7に接続されている送液ライン
C:上流側が前記カラム1に、下流側が前記滞留槽6に接続されている送液ライン、上流側が前記滞留槽6に、下流側が前記固定化槽7に接続されている送液ライン、及び、被処理水を前記カラム1に流通する送液ラインからカラム1の上流で分岐し前記滞留槽6に接続されているライン。
送液ラインの切り替えは、被処理水中のフッ素及びホウ素の含有量、被処理水の酸性度、アルミナ2が充填されたカラム1のSV、カラム1から排出された被処理水中のアルミニウムイオンの濃度、及びカラム1の充填物(アルミナ2等)の劣化等に応じて、適宜行われる。また、本実施形態に係る水処理装置は、カラム1の出口及び滞留槽6の出口に、アルミニウムイオン監視装置が備えられていてもよい。前記アルミニウムイオン監視装置により、アルミニウムイオンの濃度をモニターし、測定された濃度に応じて、いずれの送液ラインの構成にて水処理を行うかを切り替えることもできる。例えば、カラム1の出口においてアルミニウムイオンが検出されない場合は、前記Aの構成を選択するように切り替えればよい。また、カラム1の出口においてアルミニウムイオンが検出されるが、滞留槽6の出口においてアルミニウムイオンが検出されない場合は、前記Bの構成を選択するように切り替えればよい。或いは、カラム1の出口及び滞留槽6の出口のいずれにおいてもアルミニウムイオンが検出される場合は、前記Cの構成を選択するように切り替えればよい。送液ラインの切り替えは、図示しない、バルブ等によって行うことができる。また、送液ラインの切り替えは、前記アルミニウムイオン監視装置にて測定されたデータに基づいて、自動的に送液ラインの切り替えを行う制御部によって行われてもよい。かかる場合は、前記アルミニウムイオン監視装置として、アルミニウムイオン濃度を連続的にモニターする、アルミニウムイオン連続監視装置を用いればよい。前記アルミニウムイオン監視装置としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができ、例えば、株式会社ジェイ・エム・エスのアルミニウムイオン濃度分析計AL−4000S等を用いることができる。
本発明の一実施形態に係る水処理装置は、少なくとも上述したような構成を備えていればよいが、その他に、必要に応じて、前記カラムの上流にpH調整部を備えていてもよいし、前記固定化部の下流に、固定化部の混合物を固液分離する固液分離装置を備えていてもよい。
また、図2に示される実施形態では、前記カラム1として、1つのカラムを用いているが、本発明の他の一実施形態に係る水処理装置では、前記カラム1として、2つ以上のカラムを使用してもよい。2つ以上のカラムは、直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。例えば、前記カラム1として、直列に接続された2つ以上、より好ましくは直列に接続された2つのカラムを好適に使用することができる。2つ以上のカラムを使用する場合には、1つのカラムにおいて、カラム中のホウフッ酸濃度の上昇、又はアルミナの充填不良等によるカラム中の偏流、などによってホウフッ酸の分解不良が発生した場合であっても、他のカラムにおいてホウフッ酸の分解を確実に行うことができる。
さらに、本発明の他の一実施形態に係る水処理装置は、前記カラムに加えて、少なくとも1つの予備のアルミナが充填されたカラムが接続可能に配置されており、使用されている前記カラムの除去能力が低下した場合に、当該除去能力が低下したカラムの接続を遮断し、前記予備のカラムが使用されるように接続を切り替え可能となっている。本実施形態によれば、水処理を停止させることなく、連続運転が可能である。
或いは、本発明の他の一実施形態に係る水処理装置は、前記カラムを3つ以上備え、前記複数のカラムは相互に接続されており、当該水処理装置の運転中に、少なくとも1つのカラムには被処理水が通液されないように相互のカラムが接続されていてもよい。
図3は、本実施形態に係る水処理装置の一例を模式的に示す図である。図3に示す水処理装置では、前記カラム1として直列に接続された2つのカラム1を使用し、前記2つのカラム1に加えて、1つの予備のアルミナ2が充填されたカラム1が接続可能に配置されており、使用されている前記2つのカラム1の内、上流側のカラム1の除去能力が低下した場合に、当該除去能力が低下した上流側のカラム1の接続を遮断し、前記2つのカラム1の内、下流側のカラム1と前記予備のカラム1とが使用されるように接続を切り替え可能となっており、同様の切り替えが3つのカラム1の間で連続的に行われるように、接続を切り替え可能となっている。
より具体的には、図3に示す水処理装置では、アルミナ2が充填されたカラム1として、3つのカラム1を備え、その内の2つのカラム1、即ち、A塔とB塔、B塔とC塔、及び、C塔とA塔のいずれかが、直列に接続された2つのカラム1として接続されるようになっており、各カラム1の出口には、アルミニウムイオン監視装置8が備えられている。かかる実施形態によれば、最初にA塔とB塔とが使用されるように接続されている状態(図3中(i)の経路)で運転を行い、A塔の出口のアルミニウムイオン監視装置8により、アルミニウムイオンの濃度の低下を検知したときに、A塔の接続を遮断し、B塔とC塔とが使用されるように接続が切り替えられる(図3中、(ii)の経路)。接続が遮断されたA塔は、遮断されている間に、洗浄され、新たにアルミナ2が充填される。同様に、B塔の出口のアルミニウムイオン監視装置8により、アルミニウムイオンの濃度の低下を検知したときに、B塔の接続を遮断し、C塔とA塔とが使用されるように接続が切り替えられる(図3中、(iii)の経路)。接続が遮断されたB塔は、遮断されている間に、洗浄され、新たにアルミナ2が充填される。前記2つのカラム1の下流には前記滞留槽(滞留部)6が接続され、前記滞留槽6の下流には固定化槽(固定化部)7が接続されている。なお、図3に示す水処理装置は、上述したカラム1と、前記滞留槽6、固定化槽7とを含む構成となっているが、前記2つのカラムの下流には、直接固定化槽7が接続されていてもよい。送液ラインの切り替えは、図示しない、バルブ等によって行うことができる。また、送液ラインの切り替えは、前記アルミニウムイオン監視装置8にて測定されたデータに基づいて、自動的に送液ラインの切り替えを行う制御部によって行われてもよい。かかる場合は、前記アルミニウムイオン監視装置8として、アルミニウムイオン濃度を連続的にモニターする、アルミニウムイオン連続監視装置を用いればよい。
図4は、本実施形態に係る水処理装置の変形例を模式的に示す図である。図4に示す水処理装置では、前記滞留部6として、前記整流促進材を充填したカラムが備えられている。
カラムの除去能力が低下したことは、上述したように、例えば、カラムの出口でのアルミニウムイオンの濃度の低下が検知されることによって検出することができる。或いは、カラムの除去能力が低下したことは、カラム内のアルミナの量が減少したことを目視で確認することによっても検出することができる。
カラムの除去能力が低下したことは、カラムを通過後の被処理水中に含まれる、フッ素イオンを検出することによっても判断できる。カラム中のアルミナが減少すると、アルミナが溶解することで生成されるアルミニウムイオンも減少し、従い分解されるホウフッ酸の量も減少する。分解されるホウフッ酸量が減少すれば、生成されるフッ化ホウ素量が減少し、従いフッ素イオンが減少する。従って、カラムを通過後の被処理水中に含まれる、フッ素イオンを検出することにより、カラムの破壊の度合いを判定することができる。
さらに、本発明の他の一実施形態に係る水処理装置は、フッ素及びホウ素を含む被処理水を含む貯槽とアルミナが充填されたカラムと前記カラムを通過した被処理水及び固定化剤を接触させるための固定化部とを含み、被処理水が前記貯槽とアルミナが充填されたカラムとの間で循環するようになっていてもよい。当該水処理装置の一例を図5に示す。
図5に示すように、当該実施形態に係る水処理装置は、上流側が貯槽9に、下流側がカラム1に接続されている送液ライン(被処理液を貯槽9からカラム1に送液するライン)と、上流側がカラム1に、下流側が貯槽9に接続されている送液ライン(カラム1を通過した被処理水を再び貯槽9に送液するライン)とを含む経路(実線で示される(i)の経路)と、上流側及び下流側の両方が貯槽9へ接続されており、貯槽9から被処理水を取り出し、再び貯槽9へ送液する送液ライン(点線で示される(ii)の経路)とを含み、さらに固定化槽(固定化部)7へ被処理水を送液する送液ラインを含む。
かかる構成により、被処理水は、貯槽9からカラム1に送液され、カラム1を通過した被処理水は、再び貯槽9に戻され、貯槽9とカラム1との間で循環するようになっている。このとき、カラム通液工程において、アルミナ2から溶出したアルミニウムイオンであって、フッ素イオン又はホウフッ酸と反応していない、余剰のアルミニウムイオンが、カラム1を通過後の被処理水に含まれるように、被処理水の酸性度、SV等を選択する。これにより、被処理水がカラム1を通過するときに、ホウフッ酸の一部が分解され、同時に被処理水中の酸によりアルミナ2からアルミニウムイオンが溶出する。溶出したアルミニウムイオンは貯槽9に供給され、貯槽9内でもホウフッ酸が分解される。すなわち、本実施形態に係る水処理装置では、貯槽9が排液の貯槽であると同時に上述した滞留槽(滞留部)の機能を果たし、貯槽9にて、前記カラム1を通過した被処理水を滞留させる滞留工程が行われる。被処理水を循環させるために、例えばポンプが使用される。そして、(i)の経路における被処理水の循環流により、貯槽9内で被処理水が撹拌される。
さらに、図5中、点線で示される(ii)の経路にて、被処理水を循環させることにより、貯槽9内で被処理水を撹拌する。ここで、貯槽9から被処理水を取り出し、再び貯槽9へ送液するための送液ラインには、貯槽9内の被処理水の撹拌効果を得るために、例えばポンプが接続されている。(i)の経路と(ii)の経路とを併用することによって、最適なアルミニウムイオンの供給を確保するとともに、貯槽9内の被処理水を撹拌することができる。また前記ポンプからの発熱によって、被処理水温度を上昇させることができるため、反応を促進させることができる。前記ポンプとしてはどのようなポンプを使用してもよいが、撹拌効果の観点から、例えば渦巻きポンプ等の循環ポンプを好適に用いることができる。
カラム1は、アルミナ2に加えて整流促進材が充填されていてもよい。
図5に示す実施形態では、貯槽9内の被処理水の撹拌は、ポンプにより被処理水を循環させることにより行っているが、他の一実施形態では、貯槽9に撹拌装置を備えて撹拌装置によって行ってもよい。
図5に示す実施形態では、固定化槽7へ被処理水を送液する送液ラインとして2つの経路が示されている。一つは、カラム1と貯槽9との間においてカラム1を通過する手前で(i)の経路から分岐し、固定化槽7へ被処理水を送液する経路であり、もう一つは、カラム1と貯槽9との間においてカラム1を通過した後に(i)の経路から分岐し、カラム1を通過した被処理水を固定化槽7へ送液する経路である。これら2つの経路は、通常、弁等によって閉鎖されており、適宜、どちらか一方または両方の弁が開放され、被処理水が固定化槽7へ送液される。前記開放の時期は、被処理水中のホウフッ酸の濃度などによって決定される。なお、図5に示す実施形態では、固定化槽7へ被処理水を送液する送液ラインは(i)の経路から分岐しているが、これに限定されず、(ii)の経路から分岐されて構成されてもよい。
本実施形態に係る水処理装置によれば、図2〜図4に示したような滞留槽(滞留部)6が不要であり、また、図3及び図4に示すような2つ以上のカラム1が不要である。従って、設備全体の系が単純なものとなり、設備維持に必要な時間及び費用を削減できると共に、設備の設置面積を小さくできる利点を有する。
また、貯槽9とカラム1間の循環というクローズド方式であるため、ホウフッ酸が処理されたかどうかを確認した後に、次の固定化工程に被処理水を供給するため、ホウフッ酸が分解されずに流出するというリスクを低減することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(a)モデル排液(被処理水)
モデル排液を以下のようにして作製した。
(1)20wt%塩酸3L中に48wt%フッ化水素液(密度1.15g/mL)を114.4mL加えた。
(2)前記(1)で得られた溶液に、ホウ酸57gを加え、よく撹拌して溶解させた。
(3)前記(2)で得られた溶液に、20wt%塩酸を加えて全量5Lにし、撹拌混合した。
モデル排液中のpH、並びにフッ素及びホウ素の濃度を表1に示す。
Figure 2018199097
表中、「T−F」は、全フッ素量を表し、「F」は、フッ素イオンとして存在するフッ素量を表し、「BF−F」は、ホウフッ酸として存在するフッ素量を表し、「B」は、全ホウ素量を表している。なお、実施例及び比較例において、全フッ素量の測定は、JIS K 0102−34.1 吸光光度法を、フッ素イオンとして存在するフッ素量(F)の測定は、イオンクロマトグラフ法を、全ホウ素量(B)の測定は、JIS K 0102−47.1 メチレンブルー吸光光度法、を用いて行った。
(b)実排液(被処理水)
ガラス製造業で生じた排液を用いた。実排液中のpH、並びにフッ素及びホウ素の濃度を表2に示す。
Figure 2018199097
(c)アルミナ
実施例1〜4では、アルミナとして、活性アルミナの製造にて廃棄物として発生した活性アルミナ(廃活性アルミナと称する)を使用した。廃活性アルミナの平均粒子径は、1mm〜6mmであり、密度は0.862g/mLであった。
比較例1〜3、及び実施例5では、アルミナとして、活性アルミナ(住友化学株式会社製、NKHD−24HD、粒子径:2〜4mm、密度:0.806g/mL)を使用した。
(d)整流促進材
実施例3及び4では、整流促進材として、樹脂ビーズ(大創産業社製、ラウンドビーズ、密度0.556g/mL)を使用した。
〔実施例1〕
活性アルミナが充填された小スケールのカラムを使用してモデル排液を処理した。
廃活性アルミナ100mLを、200mLの樹脂製のメスシリンダーに充填し、保持液面まで純水を満たした。その後、図1に示す装置と同様の装置を用いてモデル排液のカラムへの供給を開始した。カラムへのモデル排液の通液速度は100mL/h(SV=1)とし、5時間、モデル排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始(換言すれば通液開始)より5時間後から1時間、カラムからの流出液100mLを採取し、分析に供するサンプルとした。
流出液(100mL)中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)及び全ホウ素量(B)を測定した。また、モデル排液中の全フッ素量から流出液中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)を差し引くことにより、流出液中のホウフッ酸として存在するフッ素量(BF−F)を算出した(濃度(換算値))。モデル排液中のBF−Fから、流出液中のBF−F(濃度(換算値))を差し引くことにより、カラム通液による、モデル排液中のBF−Fの低下濃度(計算値)を算出した。(低下濃度/モデル排液中のBF−Fの濃度)×100によって算出される値をホウフッ酸の分解率(計算値)とした。表3に結果を示す。表3に示すように、被処理水中のホウフッ酸の83%が、カラムを通過することにより分解されたことが確認された。
Figure 2018199097
〔実施例2〕
活性アルミナが充填された小スケールのカラムを使用して実排液を処理した。
廃活性アルミナ100mLを、200mLの樹脂製のメスシリンダーに充填し、保持液面まで純水を満たした。その後、図1に示す装置と同様の装置を用いて実排液のカラムへの供給を開始した。カラムへの実排水の通液速度は100mL/h(SV=1)とし、5時間、実排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始より5時間後から1時間、カラムからの流出液100mLを採取し、分析に供するサンプルとした。
実施例1と同様にして、流出液(100mL)中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)及び全ホウ素量(B)を測定し、流出液中のホウフッ酸として存在するフッ素量(BF−F)(濃度(換算値))、カラム通液による、実排液中のホウフッ酸の低下濃度(計算値)、及びホウフッ酸の分解率(計算値)を決定した。表4に結果を示す。表4に示すように、被処理水中のホウフッ酸の85%が、カラムを通過することにより分解されたことが確認された。
Figure 2018199097
〔実施例3〕
活性アルミナに加えて、整流促進材として樹脂ビーズが充填された小スケールのカラムを使用して、モデル排液を処理した。
廃活性アルミナ100mLの代わりに、廃活性アルミナ42mLと、樹脂ビーズ20gとをカラムに充填した。充填様式としては、図1において、アルミナと樹脂ビーズとの3層となっているところを、カラム上方から廃活性アルミナと樹脂ビーズとが各2層の層状となるように、200mLの樹脂製のメスシリンダーに充填し、保持液面まで純水を満たし、カラム以外が図1に示す構成と同様である装置を作製した。その後、当該装置を用いてモデル排液のカラムへの供給を開始した。カラムへのモデル排液の通液速度は100mL/h(SV=2.4、樹脂ビーズの体積を除く)とし、5時間、モデル排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始より5時間後から1時間、カラムからの流出液100mLを採取し、分析に供するサンプルとした。
実施例1と同様にして、流出液(100mL)中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)及び全ホウ素量(B)を測定し、流出液中のホウフッ酸として存在するフッ素量(BF−F)(濃度(換算値))、カラム通液による、モデル排液中のホウフッ酸の低下濃度(計算値)、及びホウフッ酸の分解率(計算値)を決定した。表5に結果を示す。表5に示すように、被処理水中のホウフッ酸の83%、がカラムを通過することにより分解されたことが確認された。また、実施例1との比較より、モデル排液の通液速度(SV=2.4)が、実施例1の通液速度(SV=1)と比べて2.4倍、と速い場合でも、好適にホウフッ酸が分解されたことが分かる。
Figure 2018199097
〔実施例4〕
活性アルミナに加えて、整流促進材として樹脂ビーズが充填された小スケールのカラムを使用して、実排液を処理した。
廃活性アルミナ100mLの代わりに、廃活性アルミナ50mLと、樹脂ビーズ50gとを、カラム上方から樹脂ビーズ、廃活性アルミナ、および樹脂ビーズの順に、200mLの樹脂製のメスシリンダーに充填し、保持液面まで純水を満たした、図1のような装置を作製した。その後、図1に示す装置を用いて実排液のカラムへの供給を開始した。カラムへの実排液の通液速度は100mL/h(SV=2、樹脂ビーズの体積を除く)とし、5時間、実排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始より5時間後から1時間、カラムからの流出液100mLを採取し、分析に供するサンプルとした。
実施例1と同様にして、流出液(100mL)中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)及び全ホウ素量(B)を測定し、流出液中のホウフッ酸として存在するフッ素量(BF−F)(濃度(換算値))、カラム通液による、実排液中のホウフッ酸の低下濃度(計算値)、及びホウフッ酸の分解率(計算値)を決定した。表6に結果を示す。表6に示すように、被処理水中のホウフッ酸の85%が、カラムを通過することにより分解されたことが確認された。また、実施例2との比較より、実排液の通液速度(SV=2)が、実施例2の通液速度(SV=1)と比べて2倍、と速い場合でも、好適にホウフッ酸が分解されたことが分かる。
Figure 2018199097
(比較例1)
実排液、300mLに、実排液中に含まれるホウフッ酸の分解及びフッ素との反応に必要な量である、1.5mLの活性アルミナを添加し、撹拌混合した。3日間撹拌を行ったが、活性アルミナは完全には溶解されなかった。その後、固定化剤として15%の水酸化カルシウム溶液90mLを添加して、pHを10に調整し、固定化を行った。その後、スラッジを含む溶液を濾過し、ろ液を分析した。
表7に、発生したスラッジの量、濾過前(混合時)の溶液中の、T−F及びBF−Fの濃度(計算値)、ろ液中のF及びT−Fの濃度(分析値)、並びに、実排液中のホウフッ酸の低下濃度(T−F除去率)を示す。
Figure 2018199097
表中、MLSSは、懸濁浮遊物質を指す。
(比較例2)
実排液、300mLに、実排液中に含まれるホウフッ酸の分解及びフッ素との反応に必要な量の2倍である、3.0mLの活性アルミナを添加し、固定化剤として15%の水酸化カルシウム溶液を104.8mL使用したこと以外は比較例1と同様にして、実排液を処理した。結果を表7に示す。
(比較例3)
実排液、300mLに、実排液中に含まれるホウフッ酸の分解及びフッ素との反応に必要な量の4倍である、5.5mLの活性アルミナを添加し、固定化剤として15%の水酸化カルシウム溶液を123mL使用したこと以外は比較例1と同様にして、実排液を処理した。結果を表7に示す。
表7より、実排液中に活性アルミナを添加した比較例1〜3では、T−F除去率(%)がそれぞれ4、15、34と低いにもかかわらず、スラッジ発生量(kg−スラッジ/m排液)が、dryベースでそれぞれ41.1、59.5、85.5、wetベースでそれぞれ308.6、413.8、525.7と多いことが分かる。スラッジ発生量が多い原因としては、以下(1)〜(3)の原因が考えられる。(1)活性アルミナを実排液中に添加したことにより、多量のアルミニウムイオンが発生した。(2)前記(1)によって、発生したアルミニウムイオンの大部分が、ホウフッ酸の分解に使用されなかった。(3)前記(2)によって、多量のアルミニウムイオンと、水酸化カルシウムとが反応し、多量の水酸化アルミニウムが発生した。なお、前記(1)は、活性アルミナ添加量と3日間撹拌後溶解しなかった活性アルミナ量との比較から、添加した活性アルミナの内9割以上の活性アルミナが溶解したことが分かる。また、前記(2)は、T−F除去率が低いことからわかる。
(比較例4)
実排液、50mL及び水100mLを混合し、当該混合物に、実排液中に含まれるホウフッ酸の分解及びフッ素との反応に必要な理論量の2倍である、12.7mLの硫酸アルミニウム溶液(住友化学株式会社製、液体硫酸アルミニウム(商品名))を添加し、室温(実測値:21℃)で1時間、撹拌し反応させた。その後、固定化剤として15%の水酸化カルシウム溶液39.8mLを添加して、pHを9.43又は9.42に調整し、固定化を行った。その後、スラッジを含む溶液を濾過し、ろ液を分析した。
表8に、発生したスラッジの量、濾過前の溶液中の、T−Fの濃度(計算値)、ろ液中のF及びT−Fの濃度(分析値)、並びに、実排液中のホウフッ酸の低下濃度(T−F除去率)を示す。なお比較例4では、同じ実験2を2回行っており、それぞれ実験No.1及び2として、記載している。
Figure 2018199097
※1:g−ds/mL−排液(dsはドライベースを表している)
※2:g−ws/mL−排液(wsはウエットベースを表している)
〔実施例5〕
活性アルミナが充填された小スケールのカラムを使用して実排液を処理した。
廃活性アルミナ62mLを、200mLの樹脂製のメスシリンダーに充填し、保持液面まで純水を満たした。その後、図1に示す装置と同様の装置を用いて実排液のカラムへの供給を開始した。カラムへの実排水の通液速度は100mL/h(SV=1.6)とし、24時間、実排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始より24時間後から2時間、カラムからの流出液200mLを採取し、そのうち100mLを分析に供するサンプルとした。
実施例1と同様にして、流出液(100mL)中のフッ素イオンとして存在するフッ素量(F)及び全ホウ素量(B)を測定し、流出液中のホウフッ酸として存在するフッ素量(BF−F)(濃度(換算値))、カラム通液による、実排液中のホウフッ酸の低下濃度(計算値)、及びホウフッ酸の分解率(計算値)を決定した。表9に結果を示す。
また、別の装置で、上記と同じ方法で24時間、実排液をカラムに通液させた。カラムへの供給開始より24時間後から2時間、カラムからの流出液200mLを採取し、そのうち100mLを固定化工程に供するサンプルとした。固定化工程では、固定化剤として、15%の水酸化カルシウム溶液22mLを添加して、pHを10.05に調整し、固定化を行った。その後、スラッジの量を測定した。表9に結果を示す。
表9より、実施例5では、カラムを通過させることによって、実排液中のホウフッ酸の85%が分解されたことが分かる。一方、表7に示される比較例1〜3では、T−F除去率は顕著に低い。比較例1〜3の中でも最もT−F除去率の高い比較例3(T−F除去率34%)のスラッジ発生量と、実施例5のスラッジ発生量とを比較すると、実施例5は、分解率が高いにもかかわらず、スラッジ発生量が61.4kg−スラッジ/m−排液とより低いことが分かる。
Figure 2018199097
本発明によれば、処理効率に優れ、スラッジ発生量が低減され、かつ、処理コストを抑制できる、フッ素及びホウ素を含む被処理水の水処理方法を実現することができるので、水処理の分野、特に、ガラス工業分野及びメッキ工業分野などの、排水中にフッ素及びホウ素が含まれる技術分野の排水処理に非常に有用である。
1 カラム
2 アルミナ
3 整流促進材
4 処理水貯槽
5 被処理水貯槽
6 滞留部(滞留槽)
7 固定化部(固定化槽)
8 アルミニウムイオン監視装置
9 貯槽

Claims (9)

  1. フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理方法であって、
    前記被処理水を酸性の状態で、アルミナが充填されたカラムへ通液するカラム通液工程、及び
    前記カラム通液工程後の被処理水と固定化剤とを接触させる固定化工程、を含む、水処理方法。
  2. 前記アルミナは、活性アルミナである、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記カラムは、整流促進材がさらに充填されている、請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記カラム通液工程と、前記固定化工程との間に、
    前記カラムを通過した被処理水を滞留させる滞留工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法。
  5. フッ素及びホウ素を含む被処理水から、フッ素及びホウ素を除去する水処理装置であって、
    アルミナが充填されたカラム、及び
    前記カラムを通過した被処理水と固定化剤とを接触させるための固定化部を含む、水処理装置。
  6. 前記アルミナは、活性アルミナである、請求項5に記載の水処理装置。
  7. 前記カラムは、整流促進材がさらに充填されている、請求項5又は6に記載の水処理装置。
  8. 前記カラムを通過した被処理水を滞留させるための滞留部をさらに含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の水処理装置。
  9. 前記カラムを3つ以上備え、
    前記複数のカラムは相互に接続されており、
    当該水処理装置の運転中に、少なくとも1つのカラムには被処理水が通液されないように相互のカラムが接続されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載の水処理装置。
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