JP2018195543A - 高分子電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
イオン交換当量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質(a)と、
硫酸チタン及び硝酸チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属塩を有する化合物(b)と、
を含有する、高分子電解質膜。
[2]
前記高分子電解質がフッ素系高分子電解質である、[1]に記載の高分子電解質膜。
[3]
前記高分子電解質が下式[1]で示されるフッ素系高分子電解質である、[1]又は[2]に記載の高分子電解質膜。
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X4)]g− [1]
(式[1]中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X4はCOOZ、SO3Z、PO3Z2又はPO3HZである。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH3R3、NH2R3R4、NHR3R4R5、NR3R4R5R6)である。またR3、R4、R5及びR6はアルキル基又はアレーン基である。)
[4]
前記硫酸チタン及び硝酸チタンが、成分(a)に分散されてなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の高分子電解質膜。
[5]
ラジカル捕捉剤(c)をさらに含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の高分子電解質膜。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の高分子電解質膜と、
前記高分子電解質膜上に配された電極触媒層と、
を有する、膜電極接合体。
[7]
前記電極触媒層が、イオン交換当量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質(a)と、硫酸チタン及び硝酸チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属塩を有する化合物(b)と、を含む、[6]の膜電極接合体。
[8]
[6]又は[7]に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子型燃料電池。
本実施形態で用いられる高分子電解質(a成分)はイオン交換当量が0.5〜3.0ミリ当量/gのイオン交換基を有する高分子化合物である。イオン交換当量を3.0ミリ当量/g以下とすることにより、高分子電解質膜として利用した際に、高分子電解質膜が燃料電池運転中の高温高加湿下での膨潤が低減される。膨潤が低減されることは、高分子電解質膜の強度の低下や、しわが発生して電極から剥離したりするなどの問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を低減することに寄与し得る。一方、イオン交換当量を0.5ミリ当量/g以上とすることにより、得られた高分子電解質膜を備えた燃料電池の発電能力を良好に維持し得る。上記同様の観点から、高分子電解質(a成分)のイオン交換当量は、より好ましくは0.65〜2.0ミリ当量/gであり、さらに好ましくは0.8〜1.5ミリ当量/gである。
イオン交換容量は、下記のようにして測定される。
まず、イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質からなる膜を、25℃の飽和NaCl水溶液に浸漬し、その水溶液を十分な時間攪拌する。次いで、その飽和NaCl水溶液中のプロトンを、0.01N水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する。中和後にろ過して得られたイオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質からなる膜を、純水ですすぎ、更に真空乾燥した後、秤量する。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンである高分子電解質からなる膜の質量をW(mg)とし、下記式により当量質量EW(g/当量)を求める。
EW=(W/M)−22
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X4)]g− [1]
(式[1]中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X4はCOOZ、SO3Z、PO3Z2又はPO3HZである。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH3R3、NH2R3R4、NHR3R4R5、NR3R4R5R6)である。またR3、R4、R5及びR6はアルキル基又はアレーン基である。)
−[CF2CF2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2)c−SO3X)]d− [2]
(式[2]中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1である。bは1以上8以下の整数である。cは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CF2]e−[CF2−CF(−O−(CF2)f−SO3Y)]g− [3]
(式[3]中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X5)]g− [4]
(式[4]中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは0≦a<1,0<g≦1,a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X5はCOOR7、COR8又はSO2R8である。ここで、R7は炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基である。R8はハロゲン元素である。)
また、国際公開第2017/033685号に開示されている高分子化合物を有する高分子電解質を使用することも可能である。つまり、高分子主鎖中にイオン交換基を有さない環状構造を有する高分子化合物とイオン交換基を有する高分子化合物とを有する前駆体ポリマー、または上記式[2]又は式[3]に2つのイオン交換基を有する高分子化合物を有する前駆体ポリマーを重合した後、アルカリ加水分解、酸処理等を行って製造することができる。
CF2=CFZ
(上記式中、Zは、H、Cl、F、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基を示す。)
CF2=CFO(CF2)z−SO2F,
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)z−SO2F,
CF2=CF(CF2)z−SO2F,
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF2)z-1−SO2F,
CF2=CFO(CF2)z−CO2R,
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)z−CO2R,
CF2=CF(CF2)z−CO2R,
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF2)2−CO2R
(式中、Zは1〜8の整数を示し、Rは炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基を表す。)
含フッ素炭化水素などの重合溶媒を使用し、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。上記含フッ素炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフロロペンタンなど、「フロン」と総称される化合物群を好適に使用することができる。
含フッ素炭化水素などの溶媒を使用せず、フッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として用いてフッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物との重合を行う方法。
界面活性剤の水溶液を重合溶媒として用い、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンガスとを反応させて重合を行う方法。
界面活性剤及びアルコールなどの助乳化剤の水溶液を用い、この水溶液に充填乳化した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。
懸濁安定剤の水溶液を用い、この水溶液に充填懸濁した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。
本実施形態に用いられる化合物(b)は、硫酸チタン及び硝酸チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素を有する化合物である。本実施形態において硫酸チタンとはチタンの硫酸塩であり、チタンの酸化数IIIとIVの化合物が知られ、化学式はTi2(SO4)3とTi(SO4)2となる。また、硝酸チタンに関してはチタンの硝酸塩であり四硝酸チタンTi(NO3)4及びオキシ硝酸チタンTiO(NO3)2があり、これらいずれの化合物でもかまわない。化合物(b)は、過酸化水素の分解を抑制する作用をもつ。このように、過酸化水素からヒドロキシラジカルや過酸化ラジカルが生成する分解反応を抑制できることにより、本実施形態に係る高分子電解質膜は耐久性により優れる。
本実施形態に係る高分子電解質膜は、ラジカル捕捉剤(c)をさらに含有することができる。本実施形態に係る高分子電解質膜は、上述したように、ラジカル種の発生を効率よく抑制でき、高い耐久性を発現するが、これに加え、ラジカル捕捉剤(c)を含むことにより、万が一ラジカル種が発生した場合にも、ラジカル捕捉剤(c)で捕捉することができる。これにより、燃料電池自動車で要求される高温低加湿な条件においても燃料電池の耐久性を飛躍的に向上させることができる傾向にある。
本実施形態では化合物(c−1)及び化合物(c−2)全体の含有量を上記の範囲(0.001〜50.000質量%)に設定することにより、良好なプロトン伝導度を維持したまま、高耐久性を有する高分子電解質膜が得られる傾向にある。
本実施形態に係る高分子電解質膜は、高分子電解質(a)、化合物(b)、ラジカル捕捉剤(c)の他に、チオエーテル化合物(d)を含んでもよい。
−SX基濃度が上記範囲にあることにより、反応活性点が多くなる傾向にある。−SX基濃度が上記範囲を満たすポリフェニレンスルフィドを用いることで、本実施形態の高分子電解質(a)との混和性が向上することにより分散性が向上し、高温低加湿条件下でより高い耐久性が得られると考えられる。
本実施形態に係る高分子電解質組成物は、その組成物を構成する各成分をそれぞれ同時に又は別々に溶解又は分散した後、混合することにより、高分子電解質溶液として用いてもよい。
本実施形態における高分子電解質膜は、上記のとおり、高分子電解質組成物を含むものということができる。高分子電解質膜の膜厚は、1μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。膜厚が1μm以上であることにより、水素と酸素とが直接反応するような不都合を低減し得るだけでなく、燃料電池製造時の取り扱い時や燃料電池運転中に差圧・歪み等が生じても、膜の損傷等が発生しにくい傾向にある。一方、膜厚が500μm以下であることにより、イオン透過性が向上し、固体高分子電解質膜としての性能が向上する傾向にある。
本実施形態に係る膜電極接合体は、上記高分子電解質膜及び上記電極触媒層を有する。すなわち、本実施形態の膜電極接合体は、本実施形態の高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜上に配された電極触媒層と、を有する。本実施形態に係る高分子電解質膜は、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池の構成部材として使用することができる。高分子電解質膜の両面にアノードとカソードの2種類の電極触媒層が接合したユニットは、膜電極接合体(以下「MEA」と略称することがある)と呼ばれる。電極触媒層のさらに外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものについても、MEAと呼ばれる場合がある。
本実施形態に係る固体高分子型燃料電池は、上記膜電極接合体(MEA)を有する。上記で得られたMEA、場合によってはさらに一対のガス拡散電極が対向した構造のMEAは、さらにバイポーラプレートやバッキングプレート等の一般的な固体高分子電解質型燃料電池に用いられる構成成分と組み合わされて、固体高分子電解質型燃料電池を構成することができる。
イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質膜、およそ2〜20cm2を、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで、飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定した。中和後に得られた、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質膜を、純水ですすぎ、さらに真空乾燥して秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの高分子電解質膜の重量をW(mg)とし、下記式により当量重量EW(g/eq)を求めた。
EW=(W/M)−22
さらに、得られたEW値の逆数をとって1000倍とすることにより、イオン交換当量(ミリ当量/g)を算出した。
高分子電解質膜を23℃、50%RHの恒温恒湿室内で1時間以上静置した後、膜厚計(東洋精機製作所製、商品名:B−1)を用いて測定を行った。
高分子電解質膜を空気下、200℃、2時間の条件で前処理を行った。次いで鉄イオンが2ppm、過酸化水素が1%の水溶液を調製し、80℃に加温したところに前処理後の高分子電解質膜を1時間、浸漬した。その後、イオンクロマトグラフにより試験後の液に含まれるフッ素イオンを測定した。なお、フッ素イオン量(フッ素溶出量)が少ないほど耐久性の高い高分子電解質膜、電極触媒層等を与える高分子電解質組成物となる。
高温低加湿条件下における高分子電解質膜の耐久性を加速的に評価するため、以下のような手順で発電、OCVサイクルによる加速試験を実施した。尚、「OCV」とは、開回路電圧(Open Circuit Voltage)を意味する。
20質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液(SS700C/20、旭化成製、当量質量(EW):740)、電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(質量)となるように配合し、次いで、固形分(電極触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマーの和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、高分子電解質膜の両面に前記電極触媒インクを、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
前記MEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。
前記燃料電池単セルを評価装置(東陽テクニカ製燃料電池評価システム890CL)にセットして、発電3時間、OCV3時間のサイクルによる耐久性試験を実施した。
試験時間0時間(L0)から100時間毎に水素のリーク電流を測定した。試験開始から500時間後(L500)の水素のリーク電流とL0の差(L500−L0)を算出することで劣化判定を行った。L500−L0が小さい程良好な耐久性を有すると判断した。尚、水素リーク電流が10mA/cm2以上となった場合、試験時間が500時間に満たなくとも破膜と判断し試験を中止した。
(高分子電解質溶液の調製)
高分子電解質(a)の前駆体である、テトラフルオロエチレン、及びCF2=CFO(CF2)2−SO2Fから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂前駆体ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回新しい塩酸水溶液を用いて5回繰り返した後、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、スルホン酸基(SO3H)を有する高分子電解質(a)のペレット(加水分解・酸処理後のEW:740、イオン交換当量:1.3ミリ当量/g)を得た。
得られた高分子電解質溶液をスターラーを用いて充分に攪拌した後、80℃にて減圧濃縮して、キャスト溶液を得た。キャスト液21gを直径15.4cmのシャーレに流し込み、ホットプレート上にて60℃で1時間及び80℃で1時間の乾燥を行い、溶媒を除去した。次に、シャーレをオーブンに入れ160℃で1時間熱処理を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したシャーレにイオン交換水を注いで膜を剥離させ、膜厚約30μmの高分子電解質膜を得た。次に、60℃の2N塩酸水溶液に3時間浸漬した後、イオン交換水で水洗、乾燥して高分子電解質膜を得た。この高分子電解質膜を用い、上記フェントン試験を実施したところ、良好な結果を得た。結果を表1に示す。
化合物(b)に四硝酸チタン(アルドリッチ製)を用いる以外は実施例1と同様な手法により、厚さ23μmの高分子電解質膜を作製した。次いで、実施例1と同様な手法によりフェントン試験を実施したところ、良好な結果を得た。結果を表1に示す。
化合物(c)として、ポリベンゾイミダゾールをさらに添加すること以外は実施例1と同様な手法により、厚さ23μmの高分子電解質膜を作製した。次いで、実施例1と同様な手法によりフェントン試験を実施したところ、良好な結果を得た。結果を表1に示す。
化合物(b)を配合しない以外は実施例1と同様な手法により、厚さ23μmの高分子電解質膜を作製した。次いで、実施例1と同様な手法によりフェントン試験を実施したところ、不良な結果を示した。
化合物(b)に硫酸セリウム(和光純薬工業製)を用いる以外は実施例1と同様な手法により、厚さ23μmの高分子電解質膜を作製した。次いで、実施例1と同様な手法によりフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
化合物(b)にリン酸チタン(和光純薬工業製)を用いる以外は実施例1と同様な手法により、厚さ23μmの高分子電解質膜を作製した。次いで、実施例1と同様な手法によりフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
(高分子電解質組成物の調製)
高分子電解質(a)の前駆体である、テトラフルオロエチレン、及びCF2=CFO(CF2)2−SO2Fから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂前駆体ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回新しい塩酸水溶液を用いて5回繰り返した後、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、スルホン酸基(SO3H)を有する高分子電解質(a)のペレット(加水分解・酸処理後のEW:740、イオン交換当量:1.3ミリ当量/g)を得た。
得られた高分子電解質溶液に電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(重量)となるように配合した。最後に、固形分(電極触媒、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリリン酸の和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
得られた電極インクを自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、実施例1で用いた硫酸チタン含有膜の両面に、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
得られたMEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。得られた燃料電池単セルを用い、上記(3)耐久性試験を行ったところ良好な結果を得た。結果を表2に示す。
(電極触媒インクの調製)
実施例4と同様にして得られた高分子電解質溶液に電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(重量)となるように配合した。次に、パーフルオロスルホン酸ポリマーに対して、3wt%となるように硫酸チタンを加えて撹拌混合した。最後に、固形分(電極触媒、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリリン酸の和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
得られた電極触媒インクを自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、比較例1で用いた化合物(b)を配合しない膜の両面に、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
得られたMEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。得られた燃料電池単セルを用い、上記(3)耐久性試験を行った。結果を表2に示す。
Claims (8)
- イオン交換当量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質(a)と、
硫酸チタン及び硝酸チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属塩を有する化合物(b)と、
を含有する、高分子電解質膜。 - 前記高分子電解質がフッ素系高分子電解質である、請求項1に記載の高分子電解質膜。
- 前記高分子電解質が下式[1]で示されるフッ素系高分子電解質である、請求項1又は2に記載の高分子電解質膜。
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X4)]g− [1]
(式[1]中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X4はCOOZ、SO3Z、PO3Z2又はPO3HZである。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH3R3、NH2R3R4、NHR3R4R5、NR3R4R5R6)である。またR3、R4、R5及びR6はアルキル基又はアレーン基である。) - 前記硫酸チタン及び硝酸チタンが、成分(a)に分散されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質膜。
- ラジカル捕捉剤(c)をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質膜。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質膜と、
前記高分子電解質膜上に配された電極触媒層と、
を有する、膜電極接合体。 - 前記電極触媒層が、イオン交換当量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質(a)と、硫酸チタン及び硝酸チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属塩を有する化合物(b)と、を含む、請求項6の膜電極接合体。
- 請求項6又は7に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子型燃料電池。
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JP2017101137A JP6890467B2 (ja) | 2017-05-22 | 2017-05-22 | 高分子電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 |
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JP2017101137A JP6890467B2 (ja) | 2017-05-22 | 2017-05-22 | 高分子電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 |
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