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JP2018169671A - 紙幣処理装置及び紙幣処理方法 - Google Patents

紙幣処理装置及び紙幣処理方法 Download PDF

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JP2018169671A JP2017064646A JP2017064646A JP2018169671A JP 2018169671 A JP2018169671 A JP 2018169671A JP 2017064646 A JP2017064646 A JP 2017064646A JP 2017064646 A JP2017064646 A JP 2017064646A JP 2018169671 A JP2018169671 A JP 2018169671A
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Abstract

【課題】紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減すること。【解決手段】紙幣処理装置10は、正損レベルにおける閾値の組み合せをパターンとして仕向け先に関連付けて記憶し、表示操作部11が仕向け先の名称に関連付けられたパターンの選択を受け付けると(S1)、識別部105の閾値を変更する(S2)。このため、その後に投入された紙幣は、変更後の閾値を適用して分類され、仕向け先の要求レベルに合致した結束紙幣が投出されることになる。また、選択中の閾値の組合せは、設定に係る表示領域に表示されているため、操作者はその時点の設定を適宜確認することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することが可能な紙幣処理装置及び紙幣処理方法に関する。
従来、銀行等の金融機関及びスーパーマーケット等の流通店舗では、警送会社によって貨幣が回収され、回収された貨幣は現金センタに運搬される。そして、現金センタに運搬された貨幣のうちの紙幣は、現金センタ内に配設された紙幣処理装置にて金種識別及び正損識別される。また、これらの紙幣は、金種毎、汚損レベル毎に集積部に集積され、所定枚数単位(例えば、100枚)で結束され紙幣束とされる。
例えば、特許文献1には、操作者の操作によって閾値(正損レベル)を設定して記憶部に記憶しておき、判別対象となる紙葉類の正損レベルと記憶部に記憶した閾値(正損レベル)とを比較して、該紙葉類が再流通可能な紙幣であるか否かを判定するよう構成した紙葉類処理装置が開示されている。
特開2013-69039号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、金融機関又は流通店舗等の紙幣の仕向け先が望む紙幣束を作成する都度、操作者が閾値(正損レベル)を再設定しなければならず、人的労力が過大になるという問題がある。
例えば、金融機関では、流通店舗と比較して正損レベルの高い紙幣束(汚損度合いの少ない紙幣束)を望む傾向にあるため、金融機関を仕向け先とする紙幣束を作成する場合には、閾値となる正損レベルを上げなければならない。一方、流通店舗の場合には、金融機関ほどの正損レベルが要求されないため、流通店舗を仕向け先とする紙幣束を作成する場合には、閾値となる正損レベルを下げる必要がある。
これらのことから、操作員は、紙幣束の仕向け先に応じて紙幣処理装置の正損レベルを変更しなければならず、かかる操作を行うための操作負担が過大となる。加えて、操作員の操作ミスによって仕向け先が望まない紙幣束を作成してしまうおそれもある。かかる課題は、警送会社の現金センタに配設された紙幣処理装置だけではなく、金融機関及び流通店舗に配設される各種紙幣処理装置についても同様に生ずる課題である。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することが可能な紙幣処理装置及び紙幣処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報を記憶する記憶部と、仕向け先の指定を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて、識別対象となる紙幣を識別する識別部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、所定の操作画面を表示する表示操作部と、前記表示操作部に複数の仕向け先の選択枠を表示制御する表示制御部とをさらに備え、前記受付部は、前記表示操作部に表示された複数の仕向け先の選択枠の選択操作を仕向け先の指定として受け付けることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部に記憶された紙幣識別に係る情報は、金種毎の紙幣の汚損の状態を示す汚損識別レベルであることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記表示制御部は、前記受付部により仕向け先の指定を受け付けた場合に、該仕向け先に対応する前記記憶部に記憶された紙幣識別に係る情報を前記表示操作部に表示制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、操作者の権限を認証する認証処理部をさらに備え、前記認証処理部により所定の管理者権限を有すると認証された操作者については、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報の設定を更新可能とし、所定の管理者権限を有さないと認証された操作者については、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報の設定を更新不能とすることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、複数の紙幣収納部と、前記識別部による紙幣の識別結果及び該紙幣の金種に基づいて、該紙幣を前記複数の紙幣収納部に分類して収納するよう制御する制御部と、前記複数の紙幣収納部に収納された紙幣を所定枚数単位で結束する結束部とをさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記結束部により結束された結束紙幣を排出する結束紙幣排出口の周囲に設けられ、該結束紙幣を収納する複数の結束紙幣収納箱と、前記結束部により結束された結束紙幣が前記結束紙幣排出口から排出される場合に、該結束紙幣排出口に設けられた少なくとも2つの突出部の状態を制御することで、該結束紙幣を前記複数の結束紙幣収納箱に収納させる結束紙幣収納制御部とをさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報を記憶する記憶部を有する紙幣処理装置における紙幣処理方法であって、仕向け先の指定を受け付ける受付工程と、前記受付工程により受け付けた仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて、識別対象となる紙幣を識別する識別工程とを含んだことを特徴とする。
本発明によれば、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することができる。
図1は、本実施例に係る紙幣処理装置の概念についての説明図である。 図2は、紙幣処理装置の外観構成を示す外観構成図である。 図3は、紙幣処理装置の内部の構成を示す内部構成図である。 図4は、紙幣処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 図5は、図4に示した記憶部に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。 図6は、処理中における表示操作部の表示画面の具体例を説明する説明図である。 図7は、登録時における表示操作部の表示画面の具体例を説明する説明図である。 図8は、結束紙幣の投出時における振分けについての説明図である。 図9は、結束紙幣の振分けの詳細についての説明図である。 図10は、結束紙幣投出口の詳細についての説明図である。 図11は、紙幣処理装置による登録時の処理手順を示すフローチャートである。 図12は、紙幣処理装置による紙幣の処理に係る処理手順を示すフローチャートである。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る紙幣処理装置及び紙幣処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
<紙幣処理装置の概念>
まず、本実施例に係る紙幣処理装置の概念について説明する。図1は、本実施例に係る紙幣処理装置の概念についての説明図である。図1に示した紙幣処理装置10は、紙幣を金種や正損レベルに応じて分類し、再流通可能な正損レベルの紙幣を金種毎の結束紙幣(紙幣束)として投出する装置である。
具体的には、紙幣処理装置10は、現金センタに設置され、警送会社によって銀行等の金融機関やスーパーマーケット等の流通店舗から回収された紙幣の投入を受け付ける。紙幣処理装置10は、識別部105によって投入された紙幣の金種と正損レベルを識別し、設定された正損レベル以上の紙幣を金種別に集積し、同一金種の紙幣が所定枚数(例えば、100枚)集積されるごとに帯封による結束を行って結束紙幣として投出する。
ここで、正損レベルとは、流通済みの紙幣がどの程度本来の状態を保っているかを示す指標である。何度も流通した紙幣には、汚れ、破れ、摩耗などが生じ、最終的には再流通ができない状態となる。紙幣処理装置10は、この汚れ、破れ、摩耗などを正損レベルとして評価することで、紙幣を再度流通させるか否かを判定するのである。
正損レベルには、紙幣の汚れの度合いを評価する汚損レベル、紙幣の欠落や破れの度合いを評価する欠損レベル、紙幣の摩耗や異物の付着有無の状態を示す厚損レベルなどが含まれる。紙幣処理装置10は、汚損レベル、欠損レベル及び厚損レベルについて閾値を保持し、汚損レベル、欠損レベル及び厚損レベルのいずれか閾値に満たない紙幣は損券として金種混合で排出する。そして、汚損レベル、欠損レベル及び厚損レベルの全てが閾値以上である紙幣を再流通可能な正券として金種別に集積し、結束紙幣を形成する。
紙幣処理装置10が形成した結束紙幣は、金融機関や流通店舗などの仕向け先に配送されて使用されるが、仕向け先によって正損レベルへの要求には差がある。例えば、金融機関では、流通店舗と比較して正損レベルの高い結束紙幣(汚損度合いの少ない結束紙幣)を望む傾向にある。一方、流通店舗の場合には、金融機関ほどの正損レベルが要求されない。
そこで、紙幣処理装置10は、正損レベルにおける閾値の組み合せをパターンとして仕向け先に関連付けて記憶し、仕向け先の選択によって簡易に閾値の設定を変更可能としている。
図1では、表示操作部11に処理状況に係る表示領域と設定に係る表示領域とを設けている。処理状況に係る表示領域には、損券を3枚排出済みであり、一万円札の結束紙幣を3束投出済であり、内部に一万円札を82枚集積した状態であることを示している。また、五千円札の結束紙幣を1束投出済であり、内部に五千円札を19枚集積した状態であることを示している。さらに、千円札の結束紙幣を7束投出済であり、内部に千円札を21枚集積した状態であることを示している。
表示操作部11の設定に係る表示領域には、仕向け先「A銀行」の選択ボタンと仕向け先「Bスーパー」の選択ボタンとが表示されている。また、図1では、仕向け先「A銀行」が選択され、A銀行用のパターンの内容が表示されている。具体的には、一万円札の汚損レベルの閾値が「6」、五千円札の汚損レベルの閾値が「6」、千円札の汚損レベルの閾値が「6」、欠損レベルの閾値が「6」、厚損レベルの閾値が「6」である状態を示している。なお、本実施例では、汚損レベルの閾値を金種別に設定し、欠損レベル及び厚損レベルの閾値を金種に関わらず設定する場合を示すが、汚損レベルを金種に関わらず設定してもよいし、欠損レベルや厚損レベルを金種別に設定してもよい。
図1に示した操作画面において、操作者が仕向け先の名称に関連付けられたパターンを選択すると(S1)、紙幣処理装置10は、識別部105の閾値を変更する(S2)。このため、その後に投入された紙幣は、変更後の閾値を適用して分類され、仕向け先の要求レベルに合致した結束紙幣が投出されることになる。また、選択中の閾値の組合せは、設定に係る表示領域に表示されているため、操作者はその時点の設定を適宜確認することができる。
なお、選択された仕向け先の閾値の組み合わせの表示は、適宜設定可能である。例えば、作業時に選択された仕向け先の名称と閾値の組み合わせとを常に表示する設定としてもよいし、作業時には選択された仕向け先の名称のみを表示して所定の操作で閾値の組み合わせを追加表示する設定としてもよい。また、仕向け先の選択を行ったときに閾値の組み合わせを表示し、所定時間経過後に閾値の組み合わせの表示を消去してもよい。
このように、紙幣処理装置10は、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報を記憶し、表示操作部11により仕向け先の指定を受け付け、仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて識別対象となる紙幣を識別するので、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することができる。
<紙幣処理装置の構成>
次に、紙幣処理装置10の構成について説明する。図2は、紙幣処理装置10の外観構成を示す外観構成図である。図2に示すように、紙幣処理装置10は、最上部に表示操作部11を有し、前面上部に繰出分類集積部100を有し、前面下部に紙幣結束部200を有し、背面に昇降搬送部300を有する。
また、繰出分類集積部100には、端数紙幣返却部130、外部集積部121、外部集積部122、リジェクト紙幣集積部106及び入金口101が設けられ、紙幣結束部200には結束紙幣投出口209が設けられている。
図3は、紙幣処理装置10の内部の構成を示す内部構成図である。図3に示すように、繰出分類集積部100は、入金口101に投入された紙幣を繰り出しローラ102,103により繰り出し、搬送路104に沿って搬送する。
搬送路104の途中には識別部105が設けられ、識別部105により紙幣の金種、正損、真偽、表裏を識別することができる。なお、識別部105は同じ金種でデザインが相違する新旧券も識別可能である。
搬送路104は識別部105の先で分岐しており、識別部105による識別の結果に応じて搬送先が切り替えられる。具体的には、紙幣のうち、識別不能であった紙幣や偽券と識別された紙幣は、リジェクト紙幣としてリジェクト紙幣集積部106に搬送され、集積される。
また、識別の結果、結束の対象ではない紙幣は、外部集積部121又は外部集積部122に搬送され、集積される。具体的には、汚損レベル、欠損レベル及び厚損レベルのいずれかが閾値に満たない紙幣である損券は、結束対象外の紙幣として金種混合で外部集積部121又は外部集積部122に搬送される。また、旧券や二千円札などを結束対象外の紙幣として外部集積部121又は外部集積部122に搬送することも可能である。
そして、結束対象の紙幣であり、かつ汚損レベル、欠損レベル及び厚損レベルの全てが閾値以上である紙幣は、正券として集積部111〜115のいずれかに搬送され、集積される。
ここで、正券については、金種の識別結果に応じて集積部111〜115のいずれに搬送するかが切り替えられる。その結果、集積部111〜115には、それぞれ単一金種の紙幣を集積することができ、同一の金種の紙幣からなる結束紙幣を形成することが可能となる。
さらに、表裏反転部107は、識別部105による表裏の反転結果に基づき、必要に応じて紙幣の表示を反転させた上で集積部111〜115に搬送する。このため、集積部111〜115に集積される紙幣は、その表裏も揃えられることになる。
なお、紙幣の搬送先は、適宜設定を行うことができる。例えば、汚損レベル、欠損レベル、厚損レベルのいずれかが閾値に満たない損券をリジェクト紙幣としてリジェクト紙幣集積部106に集積するよう設定することも可能である。
また、損券を結束対象とする設定も可能である。具体的には、「結束対象の券種であれば正損混合で集積部111〜115に集積し、混合で結束する」、「正券、損券別に集積部111〜115にそれぞれ集積して正券、損券別に結束する」などの設定を行うことができるが、本実施例では「正券のみ集積部111〜115に集積して結束し、損券は外部集積部121〜122に、結束対象外の金種の紙幣と混合で集積する」設定を用いる場合を例に説明を行うこととする。
集積部111〜115はそれぞれ集積用のステージ111a〜115aを有しており、これらは図示しない駆動手段で昇降可能である。図3においては、集積部111〜115は集積可能な状態として図示されている。すなわち、上側約2/3に設けられた壁部材111b〜115bの下端位置にステージ111a〜115aが位置しているため、搬送された紙幣は壁部材111b〜115bに当たって停止し、集積される。この際、紙幣の飛び出しを防止し、安定な集積を可能とするために、集積量に応じて回動可能な押さえ板111c〜115cが設けられている。なお、ステージ111a〜115a及び壁部材111b〜115bには後述する昇降搬送部のハンドが自由に通過できる切り欠きが形成されている。
端数紙幣返却部130は、集積部111〜115に集積されたものの、規定枚数に達しなかった端数紙幣を返却する場合に用いられる。かかる端数紙幣は、まず、端数紙幣返却トレイ131に収納される。その後、端数紙幣返却トレイ131の下面に設けられた突き当て部材132の先端部132aが背面より押されることにより、端数紙幣返却トレイ131が前進し、前面に設けられたシャッタ133が開いて一点鎖線で示された位置まで進み、端数紙幣の取り出しが可能となる。
繰出分類集積部100の下に設けられた紙幣結束部200は、集積部111〜115において規定枚数(通常100枚)に達した正券に紙の帯を巻回させ帯封を行う。具体的には、集積部111〜115において規定枚数に達した正券は後述する昇降搬送部300によりセット部201に移送され、挟持される。
そして、挟持された紙幣の所定箇所に回転機構202が帯封テープを巻回させ、帯封テープ集積部203より取り出された帯封テープ204の先端をテープ止め205で止め、回転させることにより結束紙幣を得ることができる。また、結束後、テープの先端を切断するためのカッタ206及びその先端部を熱接着するためのヒータ207も設けられている。
帯封された結束紙幣はベルト式の搬送機構208で結束紙幣投出口209に投出される。この搬送途中には金種、日時、連続番号等を帯封の上に印字する印字部210、処理を行った金融機関印を押印する押印部211が設けられている。また、印字内容としては結束紙幣に適用された正損レベルを帯封に印字するようになっていてもよい。また、結束紙幣の配送先に加えパターン名称を帯封に印字するようにしてもよい。その後、結束紙幣は、ベルト式の搬送機構208により結束紙幣投出口209に搬送されるが、結束紙幣投出口209は、金種別に左、中、右の方向に振り分けができる振り分け機構を備えている。この振分け機構の詳細については後述する。
昇降搬送部300は、集積部111〜115と紙幣結束部200又は端数紙幣返却部130との間で結束対象紙幣又は端数紙幣を搬送する動作を行う。具体的には、昇降搬送部300は、装置の下端から上端に到る垂直に設置されたガイド軸301、このガイド軸301に係合しつつ上下移動の可能な昇降ユニット310、この昇降ユニット310を昇降させるための駆動ベルト302を備える。
昇降ユニット310はベルト機構311による前進後退可能なブロック312を有しており、このブロック312には固定の下ハンド313と、ベルト316により軸315に沿って上下移動する上ハンド314を有している。下ハンド313と上ハンド314は、集積部111〜115に集積された結束対象紙幣あるいは端数紙幣を挟んで取り出し、紙幣結束部200あるいは端数紙幣返却部130に移送する。
紙幣処理装置10には装置全体の動作を制御するための制御部14が設けられている。図3においては、制御部14は便宜上紙幣結束部200の下に配置しているが、設計において確保された空間であれば、装置内のあらゆる場所に設置することができる。
図4は、紙幣処理装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、紙幣処理装置10は、繰出分類集積部100、紙幣結束部200、昇降搬送部300、表示操作部11、通信部12、記憶部13及び制御部14を有する。
表示操作部11は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等であり、各種情報及び操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作の受付を行うデバイスである。通信部12は、現金センタの上位装置などとのデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部13は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、パターン設定データ13a及び計数処理データ13bを記憶する。パターン設定データ13aは、仕向け先を特定するパターン名称に、正損レベルの各項目における閾値の組み合せをパターンとして関連付けたデータである。計数処理データ13bは、紙幣の処理状況をリアルタイムに示すデータである。
制御部14は、紙幣処理装置10の全体を制御する制御部であり、表示制御部14a、認証処理部14b、パターン登録処理部14c、パターン選択受付部14d、紙幣収納制御部14e、紙幣結束制御部14f及び結束紙幣収納制御部14gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、表示制御部14a、認証処理部14b、パターン登録処理部14c、パターン選択受付部14d、紙幣収納制御部14e、紙幣結束制御部14f及び結束紙幣収納制御部14gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
表示制御部14aは、表示操作部11に対する各種情報や操作ボタンの表示制御を行う処理部である。表示制御部14aは、待機画面や処理中の画面において、処理状況に係る表示制御を行うとともに、複数の仕向け先の選択枠を選択ボタンとして表示制御する。また、選択中の仕向け先に対応する設定の内容も合わせて表示制御する。さらに、表示制御部14aは、画面の遷移制御や、パターンの登録に係る操作画面の表示などを行うことができる。
認証処理部14bは、操作者の権限を認証する処理部である。仕向け先の要望に合わせて正損レベルの各項目における閾値の組み合せパターンを登録する作業については、設定のミスや誤操作による設定変更を防止することが望まれる。そのため、認証処理部14bによる認証を条件とし、所定の管理者権限を有する操作者にのみ選択的に許可することとしているのである。認証方法としては、任意の方法を用いることができる。例えば、パスワードの入力やIDカードの読み取り等による認証を用いてもよい。また、顔認証、静脈認証、指紋認証などの生体認証を用いてもよい。なお、登録された仕向け先の選択については、認証を不要としているが、仕向け先の選択時にも認証を行なう構成としてもよい。
パターン登録処理部14cは、認証処理部14bによる認証の成功、すなわち、認証処理部14bにより操作者が所定の管理者権限を有すると認証されたことを条件に、仕向け先を特定するパターン名称の入力と、正損レベルの各項目における閾値の入力とを受け付けて、入力内容をパターン設定データ13aに登録する処理を行う。また、登録内容の変更や削除についても同様に、操作者の認証を条件として実行することができる。
パターン選択受付部14dは、仕向け先の指定操作を受け付けて、指定された仕向け先に関連付けられた閾値の組み合わせパターンをパターン設定データ13aから読み出し、識別部105の閾値を変更する処理部である。具体的には、パターン選択受付部14dは、表示制御部14aにより表示操作部11に表示された選択枠を選択する操作を仕向け先の指定操作として受け付けることになる。
なお、紙幣の処理中に仕向け先の指定操作を受け付けた場合には、集積部111〜115に集積された紙幣を端数紙幣返却部130に移動させるなどの処理を行って、内部の紙幣を全て排出した上で閾値の変更を行う。
紙幣収納制御部14eは、繰出分類集積部100の動作を制御するとともに、その動作状態を取得し、計数処理データ13bを更新する処理を行う。同様に、紙幣結束制御部14fは、紙幣結束部200の動作を制御するとともに、その動作状態を取得し、計数処理データ13bを更新する処理を行う。更新された計数処理データ13bは、表示制御部14aにより表示操作部11に表示制御されるため、表示操作部11には処理状況がリアルタイムで表示されることになる
結束紙幣収納制御部14gは、紙幣結束部200により結束された結束紙幣が結束紙幣投出口209から投出される場合に、結束紙幣投出口209に設けられた少なくとも2つの突出部の状態を制御することで、結束紙幣の振り分けを行う。この結束紙幣の振分けについては後述する。
次に、図4に示した記憶部13に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、図4に示した記憶部13に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。図5(a)に示すように、パターン設定データ13aは、仕向け先を特定するパターン名称に、正損レベルの各項目における閾値の組み合せをパターンとして関連付けたデータである。
パターン名称としては、仕向け先の名称や略称など、任意の名称を用いることができる。また、初期値もパターン名称の一種として用いられる。正規レベルの項目としては、一万円札の汚損レベルの閾値を示す「汚損(万)」、五千円札の汚損レベルの閾値を示す「汚損(五千)」、千円札の汚損レベルの閾値を示す「汚損(千)」、厚損レベルの閾値を示す「厚損」、欠損レベルの閾値を示す「欠損」を用いている。
具体的には、図5(a)では、パターン名称「初期値」に対し、汚損(万)の値「4」と、汚損(五千)の値「4」と、汚損(千)の値「4」と、厚損の値「4」と、欠損の値「4」とを関連付けた状態を示している。
また、図5(a)では、パターン名称「A銀行」に対し、汚損(万)の値「6」と、汚損(五千)の値「6」と、汚損(千)の値「6」と、厚損の値「6」と、欠損の値「6」とを関連付けた状態を示している。同様に、パターン名称「Bスーパー」に対し、汚損(万)の値「2」と、汚損(五千)の値「3」と、汚損(千)の値「3」と、厚損の値「3」と、欠損の値「5」とを関連付けた状態を示している。
図5(b)に示す計数処理データは、集積部毎に、集積される紙幣の種別とその時点での集積枚数を関連付けている。さらに、結束対象の紙幣を集積する集積部111〜115については、投出済の結束束数を関連付けている。
具体的には、外部集積部121に紙幣種別「混合」で「3」枚の紙幣が集積されている状態を示している。また、外部集積部122には紙幣種別「混合」で紙幣が集積されるが、現時点では紙幣が集積されていない(「0」枚)であることを示している。また、リジェクト紙幣集積部106には、紙幣種別「混合」で「1」枚の紙幣が集積されていることを示している。
さらに、集積部111には、紙幣種別「万」、すなわち一万円札の正券が集積され、「3」束の結束紙幣を投出済であり、集積枚数が「82」枚である状態を示している。また、集積部112には、紙幣種別「五千」、すなわち五千円札の正券が集積され、「1」束の結束紙幣を投出済であり、集積枚数が「19」枚である状態を示している。同様に、集積部113には、紙幣種別「千」、すなわち千札の正券が集積され、「7」束の結束紙幣を投出済であり、集積枚数が「21」枚である状態を示している。
なお、集積部114及び集積部115は、この時点で紙幣の集積が行われていないため、紙幣種別は「(空)」となり、結束束数と集積枚数はともに「0」となっている。
次に、表示操作部11の表示画面の具体例について説明する。図6は、処理中における表示操作部11の表示画面の具体例を説明する説明図である。図6に示すように、処理中における表示操作部11の表示画面には、処理状況に係る表示領域と設定に係る表示領域とが設けられる。
処理状況に係る表示領域には、各集積部における処理状況と、結束対象の紙幣の合計金額が示される。図6では、外部集積部121に紙幣種別「混合」で「3」枚の紙幣が集積され、外部集積部122には紙幣種別「混合」で紙幣が集積されるが、現時点での紙幣が「0」枚であることが示されている。また、リジェクト紙幣集積部106には、紙幣種別「混合」で「1」枚の紙幣が集積されていることが示されている。
さらに、一万円札の結束紙幣を3束投出済であり、集積部111に一万円札を82枚集積した状態であることが示されている。また、五千円札の結束紙幣を1束投出済であり、集積部112に五千円札を19枚集積した状態であることが示されている。さらに、千円札の結束紙幣を7束投出済であり、集積部113に千円札を21枚集積した状態であることが示されている。そして、集積部114及び集積部115は、現時点で使用されておらず、結束紙幣の投出数と内部の集積枚数が「0」であることが示されている。また、結束対象の紙幣の合計金額は「5,136,000円」となっている。
設定に係る表示領域には、仕向け先「A銀行」の選択ボタンと仕向け先「Bスーパー」の選択ボタンとが表示されている。また、仕向け先「A銀行」が選択され、A銀行用のパターンの内容が表示されている。具体的には、一万円札の汚損レベルの閾値が「6」、五千円札の汚損レベルの閾値が「6」、千円札の汚損レベルの閾値が「6」、欠損レベルの閾値が「6」、厚損レベルの閾値が「6」であることが示されている。
図7は、登録時における表示操作部11の表示画面の具体例を説明する説明図である。図7に示すように、登録時における表示操作部11の表示画面には、パターン名称の入力領域と、各設定項目の選択ボタンが表示される。
パターン名称の入力領域には、例えばソフトウェアキーボードなどを用いて任意の文字列を入力することができ、仕向け先の名称や略称など、仕向け先を特定する名称が入力される。なお、入力が行われない場合には、「パターン1」などの名称を自動で設定してもよい。
各設定項目に対しては、それぞれ0〜7の検知レベルに対応する選択ボタンが表示され、項目ごとにいずれかの値を選択することができる。検知レベル「0」は、その項目を識別に用いないことを示す。検知レベル1〜7は、値が大きいほど条件が厳しいことを示す。例えば、汚損について検知レベル「1」を閾値として選択したならば、汚損の度合が比較的高くとも正券として識別される。一方、検知レベル「7」を閾値として選択したならば、新券と同程度の状態の紙幣のみが正券として識別されることになる。
図7では、パターン名称として「Bスーパー」が入力され、一万円札の汚損の検知レベルが「2」、五千円札の汚損の検知レベルが「3」、千円札の汚損の検知レベルが「3」、厚損の検知レベルが「3」、欠損の検知レベルが「5」に設定された状態を示している。
次に、結束紙幣の投出時における振分けについて説明する。図8は、結束紙幣の投出時における振分けについての説明図である。図8(a)に示すように結束紙幣投出口209の下方には、結束紙幣を収納する複数の結束紙幣収納箱400が設置される。なお、ここでは複数の結束紙幣収納箱400を設置する場合を例に説明を行うが、一つの結束紙幣収納箱の内部を仕切って複数の結束紙幣収納箱として用いてもよい。
また、図8(b)に示すように、複数の結束紙幣収納箱400には、それぞれ金種が割り当てられている。図8では紙幣処理装置10に向かって右側が一万円札の結束紙幣用の結束紙幣収納箱400であり、向かって左側が五千円札の結束紙幣用の結束紙幣収納箱400である。そして、一万円札の結束紙幣用の結束紙幣収納箱400と五千円札の結束紙幣用の結束紙幣収納箱400との間に千円札の結束紙幣用の結束紙幣収納箱400が設置されている。さらに、複数の結束紙幣収納箱400は、それぞれの結束紙幣の落下位置近傍が広くなるよう、各々台形状に構成されている。
紙幣処理装置10の結束紙幣収納制御部14gは、結束紙幣が結束紙幣投出口209から投出される場合に、結束紙幣の金種に応じて投出方向を制御し、金種に応じた結束紙幣収納箱400に結束紙幣を収納する。なお、結束紙幣の金種による投出方向は、設定により変更可能である。また、結束紙幣の金種による投出方向の設定を行わない場合には、金種混合で同一方向に結束紙幣が投出され、収納されることになる。
図9は、結束紙幣の振分けの詳細についての説明図である。まず、図9(a)に示すように、結束紙幣投出口209の底面である結束紙幣投出口底板209aは、全体として手前が下となる傾斜を有する。さらに、結束紙幣投出口底板209aは、紙幣処理装置10に向かって左側の左案内部と、向かって右側の右案内部と、その中間に設けられた中央案内部とに3分割されている。
左側案内部は、手前が下となる傾斜に加え、向かって左側が下となる傾斜を有するとともに、選別ピン209bが突出可能な突出口を有する。同様に、右側案内部は、手前が下となる傾斜に加え、向かって右側が下となる傾斜を有するとともに、選別ピン209cが突出可能な突出口を有する。
中央案内部は、手前が下となる傾斜を有するが、左右の傾斜は設けられていない。また、中央案内部の幅は、結束紙幣の長手よりも短い。左側案内部の突出口は、選別ピン209bが突出した場合に、中央案内部を滑落する結束紙幣と選別ピン209bとが接触する位置に設けられている。同様に、右側案内部の突出口は、選別ピン209cが突出した場合に、中央案内部を滑落する結束紙幣と選別ピン209cとが接触する位置に設けられている。
選別ピン209b及び選別ピン209cは、ゴムなどの素材を用い、結束紙幣との接触時に結束紙幣に損傷を与えることを防止する。もしくは、接触による衝撃を吸収する材質の当て板を衝突面に用いて金属性のピンを用いてもよい。
選別ピン209b及び選別ピン209cは、電磁ソレノイド等で駆動され、突出口から突出した状態と、突出口に収納した状態とを切り替えることができる。結束紙幣収納制御部14gは、結束紙幣が結束紙幣投出口209から投出される場合に、突出部として機能する選別ピン209b及び選別ピン209cの状態を制御することで、結束紙幣の投出方向を振り分ける。
例えば、図9(b)に示すように、結束紙幣の投出時に選別ピン209cを突出させ、選別ピン209bを収納すると、中央案内部を滑落した結束紙幣は選別ピン209cに接触する。この接触により、結束紙幣は図9(b)に示すように左側案内部を滑落し、向かって左側に設置された結束紙幣収納箱400に収納されることになる。
同様に、結束紙幣の投出時に選別ピン209cを収納し、選別ピン209bを突出させると、中央案内部を滑落した結束紙幣は選別ピン209bに接触して右側案内部を滑落し、向かって右側に設置された結束紙幣収納箱400に収納されることになる。
そして、結束紙幣の投出時に選別ピン209b及び選別ピン209cを収納すると、中央案内部を滑落した結束紙幣は、そのまま中央案内部を滑落して中央に設置された結束紙幣収納箱400に収納されることになる。
図10は、結束紙幣投出口209の詳細についての説明図である。図10(a)の上面図に示すように、選別ピン209b及び選別ピン209cは、結束紙幣と接触する結束紙幣接触面に角度を持たせている。結束紙幣接触面に設けられた角度は、接触時に結束紙幣に与える力の方向を制御し、結束紙幣の投出方向を安定させるとともに、結束紙幣の損傷を抑える効果を奏する。また、図10(b)の断面図に示すように、突出口の下側には面取り等の加工を施し、結束紙幣の引っかかりを防いでいる。
<紙幣処理装置10の処理動作>
次に、紙幣処理装置10の処理動作について説明する。図11は、紙幣処理装置10による登録時の処理手順を示すフローチャートである。まず、表示操作部11がパターンの登録操作を受け付けると(ステップS101)、認証処理部14bが操作者の権限を認証する(ステップS102)。この権限の認証に失敗したならば(ステップS103;No)、表示制御部14aは、認証失敗を表示操作部11に表示させ(ステップS109)、処理を終了する。
権限の認証に成功したならば(ステップS103;Yes)、表示制御部14aは、パターンの登録に係る操作画面を表示操作部11に表示制御する(ステップS104)。そして、パターン登録処理部14cがパターン名称の入力を受け付け(ステップS105)、さらに正損レベルの各項目における閾値の設定入力を受け付けて(ステップS106)、入力内容をパターン設定データ13aに登録する(ステップS107)。その後、表示制御部14aは、表示操作部11に待機画面を表示させて(ステップS108)、処理を終了する。
図12は、紙幣処理装置10による紙幣の処理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、パターン選択受付部14dは、仕向け先の指定操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。仕向け先の指定操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、パターン選択受付部14dは、指定された仕向け先に関連付けられた閾値の組み合わせパターンをパターン設定データ13aから読み出し、識別部105の閾値を変更する(ステップS202)。
ステップS202の終了後、若しくは仕向け先の指定操作を受け付けていない場合(ステップS201;No)、紙幣収納制御部14eは、入金口101から紙幣を1枚繰出し(ステップS203)、識別部105による紙幣の識別を行う(ステップS204)。
識別の結果、識別不能の紙幣や偽券などのリジェクト紙幣であったならば、(ステップS205;Yes)、紙幣収納制御部14eは、紙幣をリジェクト紙幣集積部106に搬送する(ステップS214)。また、リジェクト紙幣ではないが(ステップS205;No)、結束対象外の紙幣であったならば(ステップS206;Yes)、紙幣収納制御部14eは、紙幣を外部集積部121又は外部集積部122に搬送する(ステップS215)。ここで、正損レベルが閾値に満たない損券は、結束対象外の紙幣として外部集積部121又は外部集積部122に搬送されることになる。
識別の結果、結束対象の正券であるならば(ステップS206;No)、紙幣収納制御部14eは、紙幣を金種に応じた集積部111〜115に搬送する(ステップS207)。
ステップS207の後、紙幣結束制御部14fは、集積部111〜115に集積された紙幣が規定枚数に到達したか否かを判定する(ステップS208)。集積された紙幣が規定枚数に到達したならば(ステップS208;Yes)、紙幣結束制御部14fは、規定枚数に到達した紙幣を結束させる(ステップS209)。また、結束紙幣収納制御部14gは、結束された紙幣の金種に応じて選別ピン209b及び選別ピン209cの状態を切り替えて、結束紙幣投出口209における結束紙幣の振分を制御する(ステップS210)。その後、紙幣結束制御部14fは、結束紙幣投出口209に結束紙幣を投出する(ステップS211)。
ステップS211、ステップS215又はステップS214の後、紙幣収納制御部14eは、計数処理データ13bに示される処理状況を更新する(ステップS212)。ステップS212の後、紙幣収納制御部14eは、入金口101から全ての紙幣を繰り出したか否かを判定する(ステップS213)。判定の結果、入金口101に紙幣が残っている場合(ステップS213;No)、ステップS203に移行し、入金口101から紙幣を繰り出す。そして、入金口101から全ての紙幣を繰出し済となった場合に(ステップS213;Yes)、集積部111〜115に集積されたものの、規定枚数に達しなかった端数紙幣を端数紙幣返却部130に搬送することで返却し(ステップS214)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報をパターン設定データ13aとして記憶部13に記憶し、パターン選択受付部14dが仕向け先の指定を受け付けた場合に、受け付けた仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて識別部105による紙幣の識別を行うよう構成したので、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することが可能となる。
また、本実施例では、表示操作部11に複数の仕向け先の選択枠を表示制御し、選択枠の選択操作を仕向け先の指定操作として受け付けるので、簡易な操作で閾値を適切に切り替えることができる。
また、本実施例では、金種毎の紙幣の汚れの状態を示す汚損レベル、紙幣の摩耗や異物の付着有無の状態を示す厚損レベル、並びに紙幣の欠落や破れの状態を示す欠損レベルを正損レベルの項目として用いることで、紙幣の正損レベルを詳細に識別することができる。
また、本実施例では、仕向け先の指定を受け付けた場合に、仕向け先に対応する閾値の組み合わせを表示操作部11に表示制御するよう構成したので、操作者はその時点の設定を適宜確認することができる。
また、本実施例では、認証処理部14bにより所定の管理者権限を有すると認証されたことを条件として、パターン設定データ13aの更新を許可するよう構成したので、設定のミスや誤操作による設定変更を防止することができる。
また、本実施例では、正券を金種別に結束して結束紙幣投出口209から投出する場合に、結束紙幣投出口209に設けられた少なくとも2つの突出部の状態を制御することで、結束紙幣の振り分けを行うよう構成したので、結束紙幣を適正な結束紙幣収納箱400に収納することができる。
なお、本実施例では、一万円札、五千円札及び千円札を結束対象とする構成を例に説明を行ったが、旧券と新券を区別して結束したり、二千円札を結束対象とするなど、結束対象となる紙幣は任意に設定可能である。同様に、結束対象とする金種も任意に設定可能である。また、かかる設定は仕向け先毎に異ならせることもできる。仕向け先毎に結束対象とする紙幣などの設定を異ならせる場合には、仕向け先用の設定をパターン設定データ13aに登録すればよい。同様に、どの集積部にどの紙幣を集積するかなども適宜設定可能である。
また、本実施例では、権限の認証を一括して行う構成を説明したが、仕向け先毎に個別に認証を行ってもよい。この場合には、操作者の認証用の情報をパターン設定データ13aに登録すればよい。また、認証のタイミングは適宜変更可能であり、例えばパターン名称の入力後に認証を行ったり、登録の実行前に認証を行う構成としてもよい。
また、現金センタに複数の紙幣処理装置10を設置する場合には、複数の紙幣処理装置10の間でパターン設定データ13aの同期をとってもよい。パターン設定データ13aの同期は、パターン設定データ13aの更新を行った紙幣処理装置10が更新後のパターン設定データ13aを他の紙幣処理装置10に送信することで実現できる。また、上位装置が記憶するパターン設定データ13aを複数の紙幣処理装置10が共用する構成としてもよい。また、上位装置から紙幣処理装置10のパターン設定データ13aを変更できるように構成してもよい
また、本実施例では、仕向け先の指定により閾値が確定する構成を例に説明を行ったが、処理中の紙幣の正損レベルに応じて閾値を変動させてもよい。例えば、処理中の紙幣の正損レベルが高い場合には、閾値よりも高い正損レベルの紙幣を集積して結束紙幣とすることができる。
また、処理中の紙幣の正損レベルを適宜表示する構成としてもよい。かかる構成により処理中の紙幣の正損レベルと使用中の閾値とを比較できれば、操作者は正損レベルを上げても必要な数の結束紙幣が得られるかなどの検討を行うことができる。
また、金種別に結束紙幣の必要数を管理し、必要数の結束紙幣を投出した場合に処理を終了するよう構成してもよい。必要数は、紙幣処理装置10が管理してもよいし、他の装置から取得してもよい。また、必要数の結束紙幣を投出した場合に閾値を初期値に戻したり、仕向け先の選択を促す報知を行うよう構成してもよい。
また、紙幣を処理中に他の仕向け先用の結束紙幣の形成を割り込ませることができるよう構成してもよい。例えば、Bスーパー向けの結束紙幣を形成中に、A銀行向けの結束紙幣が緊急に必要となった場合には、Bスーパー向けの結束紙幣を形成する処理を中断してA銀行用の閾値に変更し、A銀行向けの結束紙幣を形成した後にBスーパー用の閾値に戻すことで、割込を実現できる。
なお、中断時には、集積部111〜115に集積された紙幣を端数紙幣返却部130に移動させるなどの処理を行って、内部の紙幣を全て排出した上で閾値の変更を行うことが望ましい。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、装置や機能の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上のように、本発明に係る紙幣処理装置及び紙幣処理方法は、紙幣の正損レベルの設定に係る操作負担を軽減することに適している。
10 紙幣処理装置
11 表示操作部
12 通信部
13 記憶部
13a パターン設定データ
13b 計数処理データ
14 制御部
14a 表示制御部
14b 認証処理部
14c パターン登録処理部
14d パターン選択受付部
14e 紙幣収納制御部
14f 紙幣結束制御部
14g 結束紙幣収納制御部
100 繰出分類集積部
101 入金口
105 識別部
106 リジェクト紙幣集積部
111 集積部
112 集積部
113 集積部
114 集積部
115 集積部
121 外部集積部
122 外部集積部
130 端数紙幣返却部
200 紙幣結束部
209 結束紙幣投出口
209a 結束紙幣投出底板
209b 左側選別ピン
209c 右側選別ピン
300 昇降搬送部
400 結束紙幣収納箱

Claims (8)

  1. 複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報を記憶する記憶部と、
    仕向け先の指定を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けた仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて、識別対象となる紙幣を識別する識別部と
    を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 所定の操作画面を表示する表示操作部と、
    前記表示操作部に複数の仕向け先の選択枠を表示制御する表示制御部と
    をさらに備え、
    前記受付部は、前記表示操作部に表示された複数の仕向け先の選択枠の選択操作を仕向け先の指定として受け付ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記記憶部に記憶された紙幣識別に係る情報は、金種毎の紙幣の汚損の状態を示す汚損識別レベルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記表示制御部は、
    前記受付部により仕向け先の指定を受け付けた場合に、該仕向け先に対応する前記記憶部に記憶された紙幣識別に係る情報を前記表示操作部に表示制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
  5. 操作者の権限を認証する認証処理部をさらに備え、
    前記認証処理部により所定の管理者権限を有すると認証された操作者については、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報の設定を更新可能とし、所定の管理者権限を有さないと認証された操作者については、複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報の設定を更新不能とする
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の紙幣処理装置。
  6. 複数の紙幣収納部と、
    前記識別部による紙幣の識別結果及び該紙幣の金種に基づいて、該紙幣を前記複数の紙幣収納部に分類して収納するよう制御する制御部と、
    前記複数の紙幣収納部に収納された紙幣を所定枚数単位で結束する結束部と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の紙幣処理装置。
  7. 前記結束部により結束された結束紙幣を排出する結束紙幣排出口の周囲に設けられ、該結束紙幣を収納する複数の結束紙幣収納箱と、
    前記結束部により結束された結束紙幣が前記結束紙幣排出口から排出される場合に、該結束紙幣排出口に設けられた少なくとも2つの突出部の状態を制御することで、該結束紙幣を前記複数の結束紙幣収納箱に収納させる結束紙幣収納制御部と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の紙幣処理装置。
  8. 複数の仕向け先に対応する複数の紙幣識別に係る情報を記憶する記憶部を有する紙幣処理装置における紙幣処理方法であって、
    仕向け先の指定を受け付ける受付工程と、
    前記受付工程により受け付けた仕向け先に対応する紙幣識別に係る情報に基づいて、識別対象となる紙幣を識別する識別工程と
    を含んだことを特徴とする紙幣処理方法。
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