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JP2018162651A - 建築構造物における塗装補修方法 - Google Patents

建築構造物における塗装補修方法 Download PDF

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敏樹 蒲原
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Abstract

【課題】本発明は、建築構造物の外装材の塗装補修に関し、改修塗膜の耐久性付与と陥没的破損箇所の簡易簡便な補修を可能とすることを目的とする。【解決手段】 補修塗膜を、プライマー処理層,耐久化処理層,トップコート処理層から成る多層塗膜の積層塗装により構成し、プライマー処理層に繊維質強化プラスチック構造を設けて成る塗装補修法であり、また、繊維質強化プラスチック構造体のマトリクス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂又はウレタン樹脂から選択される樹脂を使用し、繊維質としてガラス繊維を使用して成る塗装補修法である。【選択図】図1

Description

本発明は、建築構造物の外装材の塗装補修技術に関するもので、特に、劣化の進行した建材を修復し、長期間の使用を可能とする工法に関するものである。
対象とする外装材として、例えば、屋根材として、カラー鉄板、コンクリート、セメント系瓦、焼瓦、スレートなどを例示することができる。外壁材としては、窯業系サイデング、金属系サイデング、木質系サイデング、モルタル、コンクリート、鉄骨、タイル、レンガなどを例示することができる。破風板、鼻隠し、軒天などについては、カラー鉄板、ケイ酸カルシュウム板、フレキシブルボードなどを例示することができる。
そこで、本発明の多層塗膜による外装材の補修技術としては、次のような特許文献が知られている。
特開1993−141966号公報 特開1994−079229号公報 特開1995−331162号公報 特開1996−100167号公報 特開2000−045541号公報 特開2000−178758号広報 特開2001−191013号公報 特開2001−200641号公報 特開2001−323212号公報 特開2005−036034号公報 特開2005−082681号公報 特開2005−334759号公報 特開2005−350892号公報 特開2006−122820号公報 特開2008−024823号公報 特開2008−223417号公報 特開2009−194441号公報 特開2010−001492号公報 特開2011−094247号公報 特開2013−209832号公報 特開2014−136199号公報 特開2014−140994号公報 特開2015−063600号公報 特開2015−068096号公報 特開2015−124553号公報 特開2015−196726号公報 特開2016−132742号公報 特開2016−172804号公報 特開2016−194045号公報 特開2016−199681号公報 特開2017−2271号公報 塗装サイデングボード、プレコート鋼板などの建築構造基材は、複数の塗膜を積層することにより、耐腐食性、耐候性、耐汚染性、親水性などの機能が付与される(特許文献20、22)。これらの建築板の補修・改修塗装の方法として、塗装面の破損が軽微である場合には、上塗り塗装により塗膜厚として5〜10μm程度での補修も可能である(特許文献21)。
一方、塗装面の破損が進行しているような外装材の補修・改修方法としては、下塗り・中塗り・上塗り等、複数回の塗装を行い塗膜を積層する方式が採用される(特許文献13、16、20)。このような塗装補修に際しては、既存の塗膜は健全な限り残すことになる。既存の塗装面などの基材表面との塗料密着性が重要になる。そこで、塗料密着性や基材の耐久性を高めるため、基材表面に下塗り塗料を塗装し、下地調整処理を行う。
下塗用の塗料として、トルエンやキシレンを含む有機溶剤を使用している場合、基材の塗膜の破損が懸念される。この点について、弱溶剤に溶解可能なエポキシ樹脂は、基材に対する密着性も良好であることから下地処理調整用としても開発されている(特許文献9)。
下塗用の塗料として使用するエポキシ樹脂について、エポキシ樹脂の粘度を下げることにより、錆層中への浸透性を改善し、錆の固定化を図ることができる(特許文献29)。エポキシ樹脂の粘度を下げると、塗料のたれが発生しやすくなる。この点について、アマイドアミン塩及びケイ酸塩を含有させることにより解決する技術も開示されている(特許文献26)。更に、カルボニル基を有する溶剤を採用することにより、ポットライフを延長することもできる(特許文献23)。
また、長期の防食性に優れたエポキシ樹脂系の下地調整組成物として、防食顔料や腐食性イオン固定化材の添加(特許文献29)、亜鉛粉、アマイドアミン塩、珪酸塩の添加(特許文献26)などが開示されている。このように下地調整処理として、エポキシ樹脂の利用は適している。
塗膜の耐久性、堅牢制を高めるためには、更に塗膜層を重ねる必要がある。また、耐候性などの機能性を付与するため、オーバーコートをする(特許文献3、15)。そこで、対摩耗性や紫外線吸収剤などの耐薬品性の観点から、ポリカーボネートジオールとポリエステルポリオールを含むウレタン樹脂塗料も開示されている(特許文献31)。
また、プライマー塗膜として、エポキシ樹脂とともに、ポリエステル樹脂の利用も示唆されている(特許文献6)。
一方、ウレタン樹脂塗料の金属への密着性が改善されたコーテング用組成物も開発されている(特許文献4)。また、ウレタン樹脂を下地処理調剤料として使用する場合には、溶剤としてミネラルスピリット、ナフサ、石油ベンジンなどの弱溶剤などを使用できることから、エポキシ樹脂とともに下地調整処理材料としても適する点が示唆されている(特許文献12)。また、水酸基に対するイソシアネート基の量を適正な範囲内とすることにより塗膜厚みを厚くすることができる点に着目し、コンクリート基材の補修用として、エポキシ樹脂からウレタン樹脂への変更メリットも指摘されている(特許文献17、27)。
次に、建築構造物の外装材に関し、現地工事の軽減などを目的として、サイデングパネルに代表されるパネル化資材が普及している。凹凸を設けた塗装サイデングパネル(特許文献7)、プレコート鋼板のプレス成形性の改良(特許文献2)等もサイデングパネルの普及の要因となっている。また、繊維強化プラスチックパネルによる建築物外壁の改装技術も開示されている(特許文献5)。
現地パネル施工では、パネルを取り付けの際、又は取付け後に、その接続面を調色したシーリング材料などにより接合し、防水処理を行う。また、シーリング剤の上に塗装することを目的とした目地構造も開示されている(特許文献1)。
シーリング材料について、シリコーン系シーリング材料は、塗料との密着性に問題がある。そこで、シーリング材表面に塗装する場合には、変成シリコーン系シーリング材を使用することにより塗料の密着性を改善することができる(特許文献11、18)。シーリング材料のトップコートとして下地追従性を有する塗料組成物も開発されている(特許文献28)。
シーリング材の粘度調整をするために使用する可塑剤によっては、可塑剤が硬化物の表面に拡散し、さらには上塗表面に拡散し、それらの表面を汚染するという問題がある。シーリング材そのものも弾性を失う結果となる。この点について、シーリング材表面や表面近傍の保護コーテングの処理方法(特許文献4)強溶剤を可塑剤とするシーリング材料の上塗り表面塗料に関し、塗膜の汚染及びひび割れ抑制として、中性シリカゾルの利用技術が開示されている(特許文献14)。
また、シーリング部分は、シーリング材料の経年的劣化に伴う固化、下地との密着性の低下、構造物の変形・歪みなどから、亀裂を生じやすく、その部分からの雨水の侵入等により比較的大きな損傷となる場合がありこのような部位の補修方法も問題となる。このようなシーリング材による汚染を防止するとともにシーリング材の耐用年数を向上させるために、不飽和ポリエステル樹脂による保護コーテング処理技術も開示されている(特許文献4)。
次に、繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含侵させ製造する。強化繊維として集束ガラス繊維を例示できる(特許文献10)。マトリクス樹脂として、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを例示できる(特許文献19)。炭素繊維とエポキシ樹脂の組み合わせは力学的特性に優れる点も指摘されている(特許文献30)。
適用技術としては、コンクリート構造物の剥離脱落防止(特許文献8)、又は、鋼橋の鋼構造物の補修補強技術として、高伸度弾性を有するポリウレア樹脂パテの上に繊維強化樹脂層を形成する補修補強(特許文献25)などが開示されている。これらは、繊維質強化プラスチックの高耐久性を利用するものであり、現地施工が容易であることに基づく。なお、これらの繊維質強化プラスチックによる補修に関しては、プライマー処理により、更に繊維強化プラスチック層を設けることが可能である(特許文献24)。
このように繊維質強化プラスチック技術は広く普及しているが、建築構造物の外装材塗装への利用開発は試みられていない。
住居、ビル、工場などの建築構造物の外装材として、加工・施工適正、強度特性に優れたカラー鋼板やサイデングボードが多用されている。
これらの外装材は、工場から出荷され現地で貼り付けられる。この際、サイデング材の凹凸面のこすれ等により、塗膜層が破損する場合もある。また、経年劣化による塗膜に生ずるわれやひびの発生は、雨水等の浸透を促し、局所的な腐食電流の発生などにより、下地鋼板の腐食を促進し腐食孔が発生し、それらが繋がり、下地材が欠損する結果となる。また、下地材の伸縮による目地のシーリング破損が局所的に起こり塗膜層や下地材の腐食破損にも繋がっている。
下地鋼板そのものの腐食破損個所が広い場合には、シーリング剤による充填補修は困難となる。また、コンクリート、モルタル、珪酸カルシュウム板などは、クラック等を生じやすく、雨水の侵入に伴う吸水乾燥を繰り返した部分については、下地そのものが劣化し、シーリング材による補修は困難である。また、塗装による強度付与も必要となる。
そこで、これら外壁構造物の塗装補修改修に際し、多層塗膜による塗装技術と繊維質強化プラスチック技術とを組合わせることにより、耐久性を高め、外装材のリサイクルをも可能とする塗装補修方法を提供することを課題とする。
プライマー処理、耐久化処理、トップコート処理からなる外壁材・屋根材の補修方法であって、部分的に若しくは全面的に、繊維質強化プラスチック構造(以下、「FRP構造」と記載する。)を設ける。
FRP構造の繊維は、不織布または、束状繊維、粉状繊維などを使用できる。広範囲に及ぶ改修に際しては、チョップド繊維、粉状繊維質を使用することができる。
プライマー処理は、劣化した外装建材にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選択される樹脂塗料を錆や破損個所に浸透させ、樹脂化する。下地との密着性及び上塗との密着性を図り、下地材料の防錆処理および防水処理を目的とする。
着色・耐久化処理は、色調を整えると共に、プライマー処理で付与される防錆・防水を維持すべく塗膜を所定の厚さとして堅牢性を付与すること、及び、トップコート層の補強を目的とする。樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂より選択される。
FRP構造は、プライマー処理層又は耐久化処理層に設けることができる。好ましくは、プライマー処理層に設けることが好ましい。下地材料との密着性を高めるためである。プライマー処理層としてポリエステル樹脂を使用する場合、オイルフリーを使用することが好ましいが、そうでない場合には、ポリエステル塗膜にプライマー処理をすることにより補強着色層との密着性を図ることができる。
トップコートは、プライマー処理層や耐久化処理層又はFRPマトリクス樹脂、及び、シーリング材料を保護することを目的とする。樹脂としては、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネートジオールなどを適宜使用することができる。
サイデングパネル等、近年の塗装技術の進展に伴い、塗膜の耐久性も向上している。したがって、外装材の全面的な腐食の発生は少なくなっており、高圧水洗浄などにより汚れを落とすと、張替えを必要とするほどの損傷ではない場合が多い。しかしながら、外装材の張替改修方法は、色調を揃えるため、全面的な張替が余儀なくされる。
一方、ガルバリウム鋼板など下地材料の耐用年数は飛躍的に伸びている。
本願発明によれば、積層塗膜と部分的なFRP構造の組み合わせにより、腐食破損個所を補修しつつ、同時に下地材料の健全な部分との色調を揃えることができる。
このように、本願発明は、外装材の塗装膜を消耗品として扱い、下地材料の改修を必要とするまで、簡易簡便な塗装膜の更新と、補修塗膜の耐久性付与による更新期間の延長を可能とする。
また、今後のウレタン及びポリウレタン塗料の技術開発に対応可能な塗膜構成を開示するものであり、プライマー処理からトップコートまで、ウレタン及びポリウレタンによる塗料補修を可能とするものである。
カラー鋼板を使用した外壁パネルの、多層塗膜による補修方法を示した説明図(実施例5、6)。
下地材料として、カラー鋼板、各種サイデングボード、フレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板、セメント、モルタル、石膏ボード板、アルミ、鉄、ステンレスなどを対象とすることができる。
プライマー処理層は、下地調整処理を目的とする。塗料樹脂として、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂を使用することができる。錆が発生している場合には、エポキシ樹脂の粘度を、溶剤で調整し錆への浸透性を改善することもできる。
溶剤としては脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤を使用することができる。具体的には、ミネラルスピリット、ナフサ、nブタン、n−ヘキサン、n―オクタンなどを使用することができる。
エポキシ樹脂及びウレタン樹脂に添加することができる防錆顔料として、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸塩、モリブデン酸塩、ステアリン酸、タンニン酸などを使用することができる。 その他、体質顔料、着色顔料、顔料分散材、表面調整剤、たれ止めなどを添加することができる。
配合される顔料として、二酸化チタ、酸化鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイトなどの防錆顔料などを使用できる。
クラックや破損個所のシーリング材料として、1成分系として、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系、2成分系として、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、エポキシ、ウレタン、ポリウレア樹脂、シリコン使用できる。溶剤汚染性が少なく、下地材及びシーラーとの密着性及びFRPマトリクス樹脂層との密着性に優れたシーリング材を選定する必要がある。
変性シリコーン系は、塗装が可能であり、本発明で使用することができる。ポリウレタン系は、塗装性が良好であるが、耐候性が良くないことから上塗が必要となる。プライマーの膜厚は、1〜200μが好ましい。
着色・耐久化処理層として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂を使用することができる。耐久層はプライマー及びトップコートなどの上塗り塗膜の補強を目的として設ける。耐久層の膜厚は、1〜300μが好ましい。
トップコート層は、全体の塗膜層の耐候性、耐光性、耐水性、耐汚染性付与を目的とする。塗料樹脂として、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などを使用することができる。塗膜厚については、0.1μm〜20μmが適切である
トップコート用塗料の添加物として、紫外線吸収材、光安定材、遮光材、造膜助剤、耐汚染親水性付与材などを例示することができる。また、補修部分の色調を揃えるために、顔料を塗工液に混合することができる。
遮光材としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、タルク、クレー、などを使用することができる。
造膜助剤として、テキサノール、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、カルビトール、トリエチレングリコールなどを使用することができる。
耐汚染を目的とした親水性付与材料として、オルガノシリケート、フッ素系界面活性剤、光触媒酸化チタンなどを使用できる。
溶剤として、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素化合物を使用することができる。
次に、FRP構造は、シーリング材による下地処理が困難な欠落箇所の補修・補強やセメント、モルタル系外装材のクラック、破損欠落の補修を目的として、プライマー処理層又は耐久化処理層に設ける。
繊維質としては、炭素繊維、ナイロン短繊維、ガラス繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維、ポリエチレン繊維、ケプラー繊維などを使用することができる。これらの素材は不織布として利用することもできる。
マトリクス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などを使用することができる。
塗料の塗布方法は、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、デッピングなどによる。
<試験サンプルの調整>
(下地材料の調整)
(1)塗膜の付着性試験(クロスカット法、JISK5600−5−6)に使用する下地材料は、一般住宅外壁の張替えにより廃棄されたサイデングパネルであって、塗膜劣化の程度が、JISK5600−8−5に規定する塗膜劣化の評価として、同JIS表2のはがれの等級1に相当する部分を試験用の下地材料として調整した。
(2)塗膜の耐屈曲性試験に使用する下地材料は、A4版クリアケース(ポリプロピレンシート)を使用した。
(プライマー処理層の調整)
不飽和ポリエステル樹脂を樹脂乾燥重量として35g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16時間〜24時間の養生を行いプライマー処理層の調整を行った。
(着色・耐久化処理層の調整)
上記調整を行ったプライマー処理層に、着色顔料を添加したエポキシ樹脂を樹脂乾燥重量として35g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16〜24時間の養生を行いプライマー処理層の調整を行った。
(トップコート処理層の調整)
上記調整を行った着色・耐久化処理層に、フッ素樹脂を樹脂乾燥重量として5g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16〜24時間の養生を行いトップコート処理層の調整を行った。
<塗膜の付着性試験>
塗膜の付着性試験は、JISK5600−5−6:1999に規定するクロスカット法により評価した。カットの間隔(同JIS 7.1.4)についてはプライマー処理層については、1mmの間隔とし、それ以外の塗膜層については、2mmの間隔とした。透明感圧付着テープとしては、市販のセロテープを使用した。
(実施例1)
ガラス繊維として、長さ3mm、繊維径9〜13μmの集束繊維5gを、不飽和ポリエステル樹脂1000gに配合し(ポリエステル樹脂乾燥重量に対し0.58質量%にあたる)、ガラス繊維を均一に分散させ、硬化剤を10g均一に混合し、ローラーにより塗布し、実施例1とした。ガラス繊維を配合しないものを比較例1とした。
(実施例2)
実施例1のガラス繊維長さを、6mmとしたほかは、実施例1と同様として、実施例2とした。
(実施例3)
実施例1の試験片に着色・耐久化処理層を設け、実施例3とした。同様に、比較例1の試験片に着色・耐久化処理層を設け、比較例2とした。
(実施例4)
実施例2の試験片に着色・耐久化処理層を設け、実施例4とした。
(実施例5)
実施例3の試験片にトップコート層を設け、実施例5とした。同様に、比較例2の試験片にトップコート層を設け、比較例3とした。
(実施例6)
実施例4の試験片にトップコート層を設け、実施例6とした。
<塗膜の耐屈曲性試験>
塗膜の耐屈曲性試験用の試験片を折り曲げ、割れの認められる角度で評価した。
(実施例7)
塗膜の耐屈去性試験用の試験片に実施例1と同様のプライマー処理を行い、実施例7とした。比較例1と同様にガラス繊維を配合しないプライマー処理をしたものを比較例4とした。
(実施例8)
塗膜の耐屈曲性試験用の試験片に実施例2同様のプライマー処理を行い実施例8とした。
<評価>
(評価方法)
(1)塗膜の付着性試験については、JISK5600−5−6の表1試験結果の分類により評価を行った。
(2)耐屈曲性試験については、JSK5600−5−1に規定するタイプ1のマンドレル直径により評価を行った。
(評価結果)
(1)塗膜の付着性試験結果(クロスカット法)
プライマー処理層にガラス繊維を配合しない比較例1について、塗膜の密着性は量であり、JIS5800−5−6表1試験結果の分類では、分類0であった(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない)。
プライマー処理層にガラス繊維を配合した実施例1及び2についても分類0であり、ガラス繊維を配合したことによる下地材料との密着性阻害はなく、良好な結果となっている。
(2)塗膜の耐屈曲性試験結果(円筒形マンドレル法)
新築構造物、リサイクルについても利用できる。多層塗膜のそれぞれの特性を明確にすることにより基準化を図ることができる。また、今後のウレタン及びポリウレタン塗料の技術開発に対応可能な塗膜構成を開示するものである。
1 下地鋼板
2 旧塗膜層
3 腐食欠落箇所の補修処理層
4 プライマー処理層
5 着色・耐久化処理層
6 トップコート層
7 繊維質強化処理層
本発明は、建築構造物の外装材に対する塗装の補修・改修技術に関するもので、特に、劣化進行した建築材を修復し、長期間の使用を可能とする工法を提供することを目的とするものである。
対象とする外装材としては、屋根材としては、例えば、カラー鉄板、コンクリート、セメント系瓦、焼瓦、スレートなどを例示することができる。また、外壁材としては、例えば、窯業系サイデング、金属系サイデング、木質系サイデング、モルタル、コンクリート、鉄骨、タイル、レンガなどを例示することができる。また、破風板、鼻隠し、軒天などについては、カラー鉄板、ケイ酸カルシュウム板、フレキシブルボードなどを例示することができる。
そこで、本発明に係る多層塗膜による外装材の補修技術に関しては、次のような特許文献が知られている。
特開1993−141966号公報 特開1994−079229号公報 特開1995−331162号公報 特開1996−100167号公報 特開2000−045541号公報 特開2000−178758号広報 特開2001−191013号公報 特開2001−200641号公報 特開2001−323212号公報 特開2005−036034号公報 特開2005−082681号公報 特開2005−334759号公報 特開2005−350892号公報 特開2006−122820号公報 特開2008−024823号公報 特開2008−223417号公報 特開2009−194441号公報 特開2010−001492号公報 特開2011−094247号公報 特開2013−209832号公報 特開2014−136199号公報 特開2014−140994号公報 特開2015−063600号公報 特開2015−068096号公報 特開2015−124553号公報 特開2015−196726号公報 特開2016−132742号公報 特開2016−172804号公報 特開2016−194045号公報 特開2016−199681号公報 特開2017−2271号公報
塗装サイデングボード、プレコート鋼板などの建築構造基材は、複数の塗膜を積層することにより、耐腐食性、耐候性、耐汚染性、親水性などの機能が付与される(特許文献20、22)。これらの建築板の補修・改修塗装の方法として、塗装面の破損が軽微である場合には、上塗り塗装により塗膜厚として5〜10μm程度での補修も可能である(特許文献21)。
一方、塗装面の破損が進行しているような外装材の補修・改修方法としては、下塗り・中塗り・上塗り等、複数回の塗装を行い塗膜を積層する方式が採用される(特許文献13、16、20)。このような塗装補修に際しては、既存の塗膜は健全な限り残すことになる。既存の塗装面などの基材表面との塗料密着性が重要になる。そこで、塗料密着性や基材の耐久性を高めるため、基材表面に下塗り塗料を塗装し、下地の調整処理を行う。
下塗用の塗料としてトルエンやキシレンを含む有機溶剤を使用している場合、基材の塗膜の破損が懸念される。この点について、弱溶剤に溶解可能なエポキシ樹脂は、基材に対する密着性も良好であることから下地処理調整用としても開発されている(特許文献9)。
下塗用の塗料として使用するエポキシ樹脂について、エポキシ樹脂の粘度を下げることにより、錆層中への浸透性を改善し、錆の固定化を図ることができる(特許文献29)。エポキシ樹脂の粘度を下げると、塗料のたれが発生し易くなるが、この点について、アマイドアミン塩及びケイ酸塩を含有させることにより解決する技術も開示されている(特許文献26)。更に、カルボニル基を有する溶剤を採用することにより、ポットライフを延長させることもできる(特許文献23)。
また、長期の防食性に優れたエポキシ樹脂系の下地調整組成物として、防食顔料や腐食性イオン固定化材の添加(特許文献29)、亜鉛粉、アマイドアミン塩、珪酸塩の添加(特許文献26)などが開示されている。このように下地調整処理としてエポキシ樹脂の利用は適している。
塗膜の耐久性、堅牢を高めるためには、更に塗膜層を重ねる必要がある。また、耐候性などの機能性を付与するため、オーバーコートをする(特許文献3、15)。そこで、対摩耗性や紫外線吸収剤などの耐薬品性の観点から、ポリカーボネートジオールとポリエステルポリオールを含むウレタン樹脂塗料も開示されている(特許文献31)。
また、プライマー塗膜として、エポキシ樹脂とともにポリエステル樹脂の利用も示唆されている(特許文献6)。
一方、ウレタン樹脂塗料の金属への密着性が改善されたコーテング用組成物も開発されている(特許文献4)。また、ウレタン樹脂を下地処理調剤料として使用する場合には、溶剤としてミネラルスピリット、ナフサ、石油ベンジンなどの弱溶剤などを使用できることから、エポキシ樹脂とともに下地調整処理材料としても適する点が示唆されている(特許文献12)。また、水酸基に対するイソシアネート基の量を適正な範囲内とすることにより塗膜厚みを厚くすることができる点に着目し、コンクリート基材の補修用として、エポキシ樹脂からウレタン樹脂への変更メリットも指摘されている(特許文献17、27)。
次に、建築構造物の外装材に関し、現地工事の軽減などを目的として、サイデングパネルに代表されるパネル化資材が普及している。凹凸を設けた塗装サイデングパネル(特許文献7)、プレコート鋼板のプレス成形性の改良(特許文献2)等もサイデングパネルの普及の要因となっている。また、繊維強化プラスチックパネルによる建築物外壁の改装技術も開示されている(特許文献5)。
現地パネル施工では、パネルを取り付けの際又は取付け後に、その接続面を調色したシーリング材料などにより接合し、防水処理を行う。また、シーリング剤の上に塗装することを目的とした目地構造も開示されている(特許文献1)。
シーリング材料について、シリコーン系シーリング材料は塗料との密着性に問題がある。そこで、シーリング材表面に塗装する場合には、変成シリコーン系シーリング材を使用することにより塗料の密着性を改善することができる(特許文献11、18)。シーリング材料のトップコートとして下地追従性を有する塗料組成物も開発されている(特許文献28)。
シーリング材の粘度調整をするために使用する可塑剤によっては、可塑剤が硬化物の表面に拡散し、さらには上塗表面に拡散し、それらの表面を汚染するという問題があり、シーリング材そのものも弾性を失う結果となる。この点について、シーリング材表面や表面近傍の保護コーテングの処理方法(特許文献4)は、強溶剤を可塑剤とするシーリング材料の上塗り表面塗料に関し、塗膜の汚染及びひび割れ抑制として、中性シリカゾルの利用技術が開示されている(特許文献14)。
また、シーリング部分は、シーリング材料の経年的劣化に伴う固化、下地との密着性の低下、構造物の変形・歪みなどから、亀裂を生じ易く、その部分からの雨水の侵入等により比較的大きな損傷となる場合がありこのような部位の補修方法も問題となる。このようなシーリング材による汚染を防止するとともにシーリング材の耐用年数を向上させるために、不飽和ポリエステル樹脂による保護コーテング処理技術も開示されている(特許文献4)。
一方、繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させて製造し、強化繊維として集束ガラス繊維を例示できる(特許文献10)。マトリクス樹脂として、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを例示できる(特許文献19)。炭素繊維とエポキシ樹脂の組み合わせは力学的特性に優れる点についても指摘されている(特許文献30)。
適用技術としては、コンクリート構造物の剥離脱落防止(特許文献8)、又は鋼橋の鋼構造物の補修補強技術として、高伸度弾性を有するポリウレア樹脂パテの上に繊維強化樹脂層を形成する補修補強(特許文献25)などが開示されている。これらは、繊維質強化プラスチックの高耐久性を利用するものであり、現地施工が容易であることに基づく。これらの繊維質強化プラスチックによる補修に関しては、プライマー処理により、更に繊維強化プラスチック層を設けることが可能である(特許文献24)。
以上のように繊維質強化プラスチック技術は普及しているが、建築構造物の外装材塗装への利用開発はいまだ試みられてはいないのである。
住居、ビル、工場などの建築構造物の外装材として、加工・施工適正、強度特性に優れたカラー鋼板やサイデングボードが多用されている。
これらの外装材は、工場から出荷され現地で貼り付けられる。この際、サイデング材の凹凸面のこすれ等により、塗膜層が破損する場合もある。また、経年劣化による塗膜に生ずるひび割れの発生は雨水等の浸透を促し、局所的な腐食電流の発生などにより、下地鋼板の腐食を促進し腐食孔が発生し、それらが繋がり下地材が欠損する結果となる。また、下地材の伸縮による目地のシーリング破損が局所的に起こり、塗膜層や下地材の腐食破損にも繋がっている。
下地鋼板そのものの腐食破損個所が広い場合には、シーリング剤による充填補修は困難となる。また、コンクリート、モルタル、珪酸カルシュウム板などは、クラック等を生じやすく、雨水の侵入に伴う吸水乾燥を繰り返した部分については、下地そのものが劣化し、シーリング材による補修は困難である。また、塗装による強度付与も必要となる。
そこで、これら外壁構造物の塗装補修改修に際し、多層塗膜による塗装技術と繊維質強化プラスチック技術とを組合わせることにより耐久性を高め、外装材のリサイクルをも可能とする塗装補修方法を提供することを課題とするものである
本発明は、プライマー処理層4、耐久化処理層5、トップコート処理層6から成る外壁材・屋根材の補修方法であり、部分的若しくは全面的に、プライマー処理層4には繊維質強化樹脂材7を配合する(以下、「FRP構造」と記載する。)。
FRP構造の繊維層には、不織布または束状繊維、粉状繊維などを使用する。広範囲に及ぶ改修に際しては、チョップド繊維、粉状繊維質を使用する。
プライマー処理は、劣化した外装建材にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂から選択される樹脂塗料を、錆部分や破損個所に浸透させて樹脂化する。これは、下地材との密着性及び上塗との密着性を図り、下地材料の防錆処理および防水処理を目的とするものである
着色・耐久化処理は、色調を整えるとともに、プライマー処理で付与される防錆・防水を維持すべく塗膜を所定の厚さとして堅牢性を付与すること、及びトップコート層の補強を目的とするものである。樹脂材として使用するものは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂材又はアクリル樹脂より選択される。
FRP構造は、プライマー処理層に設けることが好ましいが、これは下地材料との密着性を高めるためである。プライマー処理層としてポリエステル樹脂を使用する場合、オイルフリーを使用することが好ましいが、そうでない場合には、ポリエステル樹脂の塗膜にプライマー処理をすることによって補強着色層との密着性を図るのである
トップコートは、プライマー処理層や耐久化処理層又はFRPマトリクス樹脂、及びシーリング材料を保護することを目的とする。樹脂材としては、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネートジオールなどを適宜使用する。
サイデングパネル等、近年の塗装技術の進展に伴い、塗膜の耐久性向上しているから、外装材の全面的な腐食の発生は少なくなっており、高圧水洗浄などにより汚れを落とすと、張替えを必要とするほどの損傷ではない場合が多いが、外装材の張替え改修は色調を揃えるため、全面的な張替えが余儀なくされるのである
一方、ガルバリウム鋼板(登録商標)など下地材料の耐用年数は飛躍的に伸びている。
そこで、本発明によれば、積層塗膜と部分的なFRP構造の組み合わせにより、腐食破損個所を補修しつつ、同時に下地材料の健全な部分との色調を揃えることができる。
このように、本発明は、外装材の塗装膜を消耗品として扱い、下地材の改修を必要とするまで、簡易簡便な塗装膜の更新と補修塗膜の耐久性付与による更新期間の延長を可能とするのである
また、今後のウレタン樹脂及びポリエステル樹脂の技術開発に対応可能な塗膜構成を開示するものであり、プライマー処理からトップコートまで、ウレタン樹脂及びポリエステル樹脂による塗料補修を可能とするものである。
カラー鋼板における外壁パネルの多層塗膜の拡大断面図。 別外壁パネルの多層塗膜における拡大断面図。
下地材料として、カラー鋼板、各種サイデングボード、フレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板、セメント、モルタル、石膏ボード板、アルミニウム、鉄、ステンレスなどを対象とする。
プライマー処理層は下地調整処理を目的とするところ、塗料樹脂としてポリエステル樹脂,ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂などを使用する。錆が発生している場合には、これら樹脂の粘度を溶剤で調整し錆への浸透性を改善するとよい。
溶剤としては脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤を使用することができる。具体的には、ミネラルスピリット、ナフサ、nブタン、n−ヘキサン、n―オクタンなどを使用する。
エポキシ樹脂及びウレタン樹脂に添加する防錆顔料として、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸塩、モリブデン酸塩、ステアリン酸、タンニン酸などを使用する。その他、体質顔料、着色顔料、顔料分散材、表面調整剤、たれ止めなどを添加する。
配合される顔料としては、二酸化チタ、酸化鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイトなどの防錆顔料などを使用する
クラックや破損個所のシーリング材料としては、1成分系として、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系、2成分系として、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、エポキシ、ウレタン、ポリウレア樹脂、シリコンを使用する。溶剤汚染性が少なく、下地材及びシーラーとの密着性及びFRPマトリクス樹脂層との密着性に優れたシーリング材を選定する必要がある。
変性シリコーン系は塗装が可能であり、本発明で使用することができる。ウレタン系は塗装性が良好であるが、耐候性が良くないことから上塗が必要となる。プライマーの膜厚は1〜200μが好ましい。
着色・耐久化処理層として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂を使用することができる。耐久層はプライマー及びトップコートなどの上塗り塗膜の補強を目的として設ける。耐久層の膜厚は1〜300μが好ましい。
トップコート層は、全体の塗膜層の耐候性、耐光性、耐水性、耐汚染性付与を目的とする。塗料樹脂として、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを使用する。塗膜厚は0.1μm〜20μmが適当である
トップコート用塗料の添加物として、紫外線吸収材、光安定材、遮光材、造膜助剤、耐汚染親水性付与材などを例示することができる。また、補修部分の色調を揃えるために、顔料を塗工液に混合することができる。
遮光材としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、タルク、クレー、などを使用する。
造膜助剤として、テキサノール、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、カルビトール、トリエチレングリコールなどを使用する。
耐汚染を目的とした親水性付与材料として、オルガノシリケート、フッ素系界面活性剤、光触媒酸化チタンなどを使用する。
溶剤として、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素化合物を使用する。
次に、FRP構造は、シーリング材による下地処理が困難な欠落箇所の補修・補強やセメント、モルタル系外装材のクラック、破損欠落の補修を目的として、プライマー処理層又は耐久化処理層設ける。
繊維質としては、炭素繊維、ナイロン短繊維、ガラス繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維、ポリエチレン繊維、ケプラー繊維などを使用する。これらの素材は不織布として利用することもできる。
マトリクス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などを使用する。
塗料の塗布方法は、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、デッピングなどによる。
<試験サンプルの調整>
(下地材料の調整)
(1)塗膜の付着性試験(クロスカット法、JISK5600−5−6)に使用する下地材料は、一般住宅外壁の張替えにより廃棄されたサイデングパネルであり、塗膜劣化の程度が、JISK5600−8−5に規定する塗膜劣化の評価として、同JIS表2のはがれの等級1に相当する部分を試験用の下地材料として調整した。
(2)塗膜の耐屈曲性試験に使用する下地材料は、A4版クリアケース(ポリプロピレンシート)を使用した。
(プライマー処理層の調整)
不飽和ポリエステル樹脂を樹脂乾燥重量として35g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16時間〜24時間の養生を行いプライマー処理層の調整を行った。
(着色・耐久化処理層の調整)
上記調整を行ったプライマー処理層に、着色顔料を添加したエポキシ樹脂を樹脂乾燥重量として35g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16〜24時間の養生を行いプライマー処理層の調整を行った。
(トップコート処理層の調整)
上記調整を行った着色・耐久化処理層に、フッ素樹脂を樹脂乾燥重量として5g/m2〜45g/m2を塗布し4日間放置し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、16〜24時間の養生を行いトップコート処理層の調整を行った。
<塗膜の付着性試験>
塗膜の付着性試験は、JISK5600−5−6:1999に規定するクロスカット法により評価した。カットの間隔(同JIS 7.1.4)についてはプライマー処理層については、1mmの間隔とし、それ以外の塗膜層については、2mmの間隔とした。透明感圧付着テープとしては、市販のセロハンテープを使用した。
以下において実施例1〜7として説明している材料の構成態様は、「表1」において記載しているものをいい、図1・図2に表しているものではない。
(実施例1)
ガラス繊維として、長さ3mm、繊維径9〜13μmの集束繊維5gを、不飽和ポリエステル樹脂1000gに配合し(ポリエステル樹脂乾燥重量に対し0.58質量%にあたる)、ガラス繊維を均一に分散させ、硬化剤を10g均一に混合し、ローラーにより塗布し、実施例1とした。また、ガラス繊維を配合しないものを比較例1とした。
(実施例2)
実施例1のガラス繊維長さを6mmとしたほかは実施例1と同様とし、実施例2とした。
(実施例3)
実施例1の試験片に着色・耐久化処理層を設け、実施例3とした。同様に、比較例1の試験片に着色・耐久化処理層を設け、比較例2とした。
(実施例4)
実施例2の試験片に着色・耐久化処理層を設け、実施例4とした。
(実施例5)
実施例3の試験片にトップコート層を設け、実施例5とした。同様に、比較例2の試験片にトップコート層を設け、比較例3とした。
(実施例6)
実施例4の試験片にトップコート層を設け、実施例6とした。
<塗膜の耐屈曲性試験>
塗膜の耐屈曲性試験用の試験片を折り曲げ、割れの認められる角度で評価した。
(実施例7)
塗膜の耐屈去性試験用の試験片に実施例1と同様のプライマー処理を行い、実施例7とした。比較例1と同様にガラス繊維を配合しないプライマー処理をしたものを比較例4とした。
(実施例8)
塗膜の耐屈曲性試験用の試験片に実施例2同様のプライマー処理を行い実施例8とした。
<評価>
(評価方法)
(1)塗膜の付着性試験については、JISK5600−5−6の表1試験結果の分類により評価を行った。
(2)耐屈曲性試験については、JSK5600−5−1に規定するタイプ1のマンドレル直径により評価を行った。
(評価結果)
(1)塗膜の付着性試験結果(クロスカット法)
プライマー処理層にガラス繊維を配合しない比較例1について、塗膜の密着性は量であり、JIS5800−5−6表1試験結果の分類では、分類0であった(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない)。
プライマー処理層にガラス繊維を配合した実施例1及び2についても分類0であり、ガラス繊維を配合したことによる下地材料との密着性阻害はなく、良好な結果となっている。
(2)塗膜の耐屈曲性試験結果(円筒形マンドレル法)
新築構造物、リサイクルにおいても利用できる。多層塗膜のそれぞれの特性を明確にすることにより基準化を図ることができる。また、今後のウレタン及びポリウレタン塗料の技術開発に対応可能な塗膜構成を開示するものである。
外装材(下地鋼材)
2 旧塗膜層
3 腐食欠落箇所の補修処理層
4 プライマー処理層
5 着色・耐久化処理層
6 トップコート層
7 繊維質強化処理層

Claims (3)

  1. 建築構造物における外装材塗装の補修・改修方法であり、その補修塗膜は、プライマー処理層,耐久化処理層,トップコート処理層から成る多層塗膜により構成し、プライマー処理層に繊維質強化プラスチック構造を設けることを特徴とする塗装補修方法。
  2. 繊維質強化プラスチック構造体のマトリクス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂又はウレタン樹脂から選択される樹脂を使用し、繊維質としてガラス繊維を使用することを特徴とする請求項1に記載した多層塗膜による塗装補修方法。
  3. 繊維質強化プラスチック構造のマトリクス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を使用し、繊維質としてガラス集束繊維を使用することを特徴とする請求項1に記載した多層塗膜による塗装補修方法。
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