JP2018130001A - 電力変換回路及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電流が変化しても効率的な電力変換回路を提供する。【解決手段】スイッチ素子S2の第1端はスイッチ素子S1及びスイッチ素子S3の第1端に接続され、スイッチ素子S2の第2端はコンデンサC1の第1端に接続され、スイッチ素子S1の第2端はコンデンサC1の第2端に接続され、スイッチ素子S3の第2端はリアクトルLmの第1端に接続され、リアクトルLmの第2端はスイッチ素子S1の第2端に接続され、スイッチ素子S1の第1端と第2端の少なくとも一方にリアクトルLbが接続され、スイッチ素子S2の第2端とスイッチ素子S3の第2端の少なくとも一方にスイッチ素子S4が接続されている。そして、電源10、リアクトルLb、およびリアクトルLmで、閉回路を構成する期間と、電源10、リアクトルLb、リアクトルLm、および負荷102で、閉回路を構成する期間と、を交互に生起する1段昇圧モードを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧を変換する電力変換回路及びその制御方法に関する。
直流電圧を昇降圧するスイッチング型の電圧変換回路が知られている。電源電圧をより高い電圧に昇圧するために、複数の昇圧チョッパを直列に接続して出力電圧を高める構成が提案されている。すなわち、昇圧比が高い場合、昇圧チョッパを複数段繋いで昇圧を行うことによって1段で昇圧するよりも回路損失を低減できることが示されている。(特許文献1)
また、二つの入力端子間に互いに直列に接続された第1のスイッチ素子と第1のインダクタと第1のコンデンサと、第1のコンデンサと閉回路を構成するよう接続された第2のスイッチ素子と電流循環用素子と、電流循環用素子と閉回路を構成するよう接続された第2のインダクタと第2のコンデンサと、第1のスイッチ素子と第1のインダクタとが接続される点と、第2のスイッチ素子と第2のインダクタと電流循環用素子とが接続される点との間に接続された第3のコンデンサと、を備え、第3のコンデンサは第1のスイッチ素子がオンのときに充電され、第1のスイッチ素子のオフの期間に第1のスイッチ素子の両端に印加される電圧は二つの入力端子の間の電圧と第3のコンデンサの充電電圧との差の電圧である降圧形コンバータが開示されている。(特許文献2)
ところで、スイッチング損失は、スイッチ素子を流れる電流を遮断したり、スイッチ素子を接続したりする瞬間にスイッチ素子に発生する電気的な損失である。スイッチ素子がオフ状態のときの素子の端子電圧が高いほど、またオン状態のときの素子に流れる電流が大きいほど、スイッチング損失は大きくなる。
一方、電力変換回路の小型化が望まれており、そのためにはスイッチ素子のスイッチング周期を高周波化することが必要である。スイッチング周期の高周波化に伴ってスイッチング回数が増加するため、高周波化に伴うスイッチ素子におけるスイッチング損失を低減する必要がある。
また、特許文献2の技術では、第3のコンデンサを第1のスイッチ素子に繋ぐことで第1のスイッチ素子が遮断状態であるときに受け持つ電圧を電源と第3のコンデンサとの差電圧となるようにして第1のスイッチ素子での損失を低減している。しかしながら、第3のコンデンサは、スイッチング制御中に電圧が変動しない程度に大容量である必要があり、回路のサイズが大型化してしまい、製造コストも増大する点で不利である。また、第1のスイッチ素子以外の損失は低減することができない。さらに、電源の電圧が第1のコンデンサの電圧の2倍を超えるような状態では第1のリアクトルの電流が増え続けると考えられ、出力電圧や各コンデンサの端子電圧の関係に制約を設ける必要がある。
さらに、複数段の昇圧回路では、リアクトルを複数設けるため、リアクトルにおける鉄損が大きくなる。従って、複数段の昇圧回路を用いる場合には、リアクトルにおける鉄損も考慮しなければいけない場合もある。
本発明は、電源と、電源の第1端に第1端が接続される第1リアクトルと、第1端が第1リアクトルの第2端に接続され、第2端が電源の第2端に接続される第1下アームスイッチ素子と、第1端が第1リアクトルおよび第1下アームスイッチの接続点に接続される第1上アームスイッチ素子と、第1端が第1上アームの第2端に接続され、第2端が第1下スイッチ素子と電源の接続点に接続されるコンデンサと、第1端がコンデンサの第2端に接続される第2リアクトルと、第1端が前記第1リアクトルの第2端と前記第1および第2スイッチ素子の接続点に接続され、第2端が前記第2リアクトルの第2端に接続される第2下アームスイッチ素子と、第1端が前記第2リアクトルと第2下アームスイッチ素子の接続点に接続される第2上アームスイッチ素子と、第1端がコンデンサと第1上アームスイッチ素子の接続点に接続され、第2上アームスイッチの第2端に接続される負荷と、を有し、運転モードの1つとして、電源、第1リアクトル、および第2リアクトルで、閉回路を構成する期間と、電源、第1リアクトル、第2リアクトル、および負荷で、閉回路を構成する期間と、を交互に生起する1段昇圧モードを有する。
また、負荷に流れる出力電流が所定値より低いとき、1段昇圧モードを使用し、負荷に流れる出力電流が所定値より高いとき、2段昇圧モードを使用することが好適である。
本発明によれば、電力変換回路においてスイッチング損失を低減させることができる。また、出力電流が低く、損失として鉄損が支配的な場合には、2つのリアクトルを1つの閉回路に直列接続して、鉄損を低減することができる。
<回路構成>
本発明の実施の形態における電力変換回路100は、図1に示すように、4つのスイッチ素子S1〜S4、4つのダイオードD1〜D4、2つのリアクトルLb,Lm及びコンデンサC1を含んで構成される。
本発明の実施の形態における電力変換回路100は、図1に示すように、4つのスイッチ素子S1〜S4、4つのダイオードD1〜D4、2つのリアクトルLb,Lm及びコンデンサC1を含んで構成される。
リアクトルLbの一端は端子INHに接続され、他端はスイッチ素子S1の一端に接続される。スイッチ素子S1の他端は端子INLに接続される。リアクトルLbとスイッチ素子S1の接続点はスイッチ素子S2の一端及びスイッチ素子S3の一端に接続される。スイッチ素子S2の他端はコンデンサC1の一端及び端子OUTHに接続される。コンデンサC1の他端は端子INLに接続される。また、スイッチ素子S3の他端は、リアクトルLmの一端及びスイッチ素子S4の一端に接続される。リアクトルLmの他端は端子INLに接続される。スイッチ素子S4の他端は端子OUTLに接続される。
スイッチ素子S1〜S4は、例えば電界効果型トランジスタ(MOS−FET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等とすることができる。スイッチ素子S1〜S4には、図1に示すように、それぞれバイパスダイオードD1〜D4が並列に接続される。
電力変換回路100において、端子INH及びINLは電源10に接続される。また、端子OUTH及びOUTLは負荷102等に接続される。電力変換回路100では、電源10の電源電圧V1を昇圧して端子OUTH及びOUTLから出力電圧V3として負荷102に出力する。すなわち、電源電圧V1、コンデンサC1の端子電圧V2、出力電圧V3は、V1≦V2≦V3の関係を示す。また、電力変換回路100は、端子OUTH及びOUTLに印加された入力電圧V3を電源電圧V1に降圧して端子INH及びINLに出力電圧V1として出力することもできる。例えば、負荷102がモータ・ジェネレータである場合、負荷102から電源10へ電力を回生させることができる。
電力変換回路100において、スイッチ素子S1は、電力変換回路100の1段目の昇圧チョッパにおける下アームのスイッチ素子に相当する。スイッチ素子S2は、電力変換回路100の1段目の昇圧チョッパにおける上アームのスイッチ素子に相当する。スイッチ素子S3は、電力変換回路100の2段目の昇圧チョッパにおける下アームのスイッチ素子に相当する。スイッチ素子S4は、電力変換回路100の2段目の昇圧チョッパにおける上アームのスイッチ素子に相当する。
ここで、上アームとは、出力の高圧側および低圧側をそれぞれ始点および終点とする経路のうち、電源とリアクトルとを含む経路に含まれるスイッチング素子を意味する。また、下アームとは、電源の正極側および負極側をそれぞれ始点および終点とする経路のうち、リアクトルを含み、出力を含まない経路に含まれるスイッチング素子を意味する。すなわち、上アームを導通状態にしている期間は、リアクトル電流が電源および負荷の両方を流れるため電源と負荷とで電力授受があり、電源と負荷の差電圧に比例してリアクトル電流が減少する。また、下アームを導通状態にしている期間は、電源と出力とで電力授受がなく、電源電圧に比例してリアクトル電流が増加する。昇圧チョッパは、これら上アームおよび下アームを導通状態にする期間の比率を制御し、電源から負荷へ伝送する電流を制御する。
<2段昇圧モード:スイッチング制御>
電力変換回路100が取り得るスイッチング状態について説明する。スイッチ素子S1〜S4のそれぞれについてオン状態とオフ状態があり、図2に示すように、4種類の状態が存在する。
電力変換回路100が取り得るスイッチング状態について説明する。スイッチ素子S1〜S4のそれぞれについてオン状態とオフ状態があり、図2に示すように、4種類の状態が存在する。
すなわち、第1の状態は、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオフ状態である(図中:Up−Up)。第2の状態は、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態である(図中:Up−Low)。第3の状態は、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオフ状態である(図中:Low−Up)。第4の状態は、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態である(図中:Low−Neutral)。
ここで、電力変換回路100では、2段目の昇圧チョッパの下アームが1段目の昇圧チョッパの上アームと一体となっていることから、従来の電力変換回路のように1段目と2段目の昇圧チョッパの下アームを同時にオン状態とするとスイッチ素子S1及びスイッチ素子S2を同時にオン状態とすることになり、コンデンサC1の両端子が短絡されてしまう。したがって、電力変換回路100では、Low−Lowの状態は禁止であり、代わりにLow−Neutralの状態で使用される。このLow−Neutralの状態は電力変換回路100に特有の状態であり、この状態を活用する新たな制御方法により、高い昇圧比に対応でき、スイッチング損失や要求耐圧を低減することができる。
まず、図2に示した4つの状態を切り替える際にスイッチ素子S1〜S4の各々に生ずるスイッチング損失について示す。図3は、4つの状態の間を切り替えた際のスイッチング損失を示す図である。
図3において、矢印はそれぞれ2つの状態の間を切り替えることを示し、各矢印に沿って記載した数式はその矢印で示される状態遷移において生ずるスイッチ素子S1〜S4におけるスイッチング損失を示す。図3において、リアクトルLmを流れる電流をILm、リアクトルLbを流れる電流をILbと示す。また、@S1、@S2、@S3、@S4は、それぞれスイッチ素子S1〜S4の各々におけるスイッチング損失を示す。図において、α×β@γの表記は、αが遮断又は導通電流を示し、βが印加電圧を示し、γが損失を発生させるスイッチを意味する。
例えば、ILm×(V3−V2)@S3とは、リアクトルLmを流れる電流ILmがスイッチ素子S3の遮断又は導通電流であり、その時にスイッチ素子S3には電圧(V3−V2)が印加されており、スイッチングを行うことによりスイッチ素子S3にILm及び(V3−V2)に応じた電力損失が発生することを意味する。
例えば、Up−Upの状態からLow−Upの状態に遷移する場合には、ILb×V2@S1のスイッチング損失が生ずる。これは、スイッチ素子S1において、スイッチ素子S1をオン状態にしたときにリアクトルLbに流れる電流ILbと、スイッチ素子S1がオフ状態であるときに受け持つ電圧V2との積が大きいほど、大きなスイッチング損失が生ずることを示す。数式の値が負になる場合は、スイッチング損失でなく、並列に接続されているダイオードのリカバリー損失を示す。
このような状態遷移において、スイッチ素子S1及びスイッチ素子S2のスイッチング損失を低減することができる。すなわち、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態である場合、スイッチ素子S2を流れる電流が低減する。すなわち、図4(a)の破線円箇所に示すように、スイッチ素子S2においてリアクトルLbとリアクトルLmを流れる電流が打ち消し合うような状態となり電流値が小さくなる。また、1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態である場合、スイッチ素子S1を流れる電流が低減する。すなわち、図4(b)の破線円箇所に示すように、スイッチ素子S1においてリアクトルLbとリアクトルLmを流れる電流が打ち消し合うような状態となり電流値が小さくなる。したがって、従来の電力変換回路に比べてスイッチ素子S1及びS2を遮断する際の遮断電流が低減され、スイッチング損失を低減することができる。このことを積極的に活用するためには、1段目の昇圧チョッパによる電力制御のためにスイッチ素子S1及びS2をスイッチングする必要がある場合には上記2つの状態(Up−Low状態及びLow−Neutral状態)の切り替えにて行うことが好適である。
また、スイッチ素子S3及びスイッチ素子S4のスイッチング損失を低減することができる。1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオフ状態である場合、スイッチ素子S4には電圧V3ではなく、電圧V3とコンデンサC1の端子電圧V2の差の電圧(V3−V2)だけが印加される。したがって、この状態から1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態、かつ1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態とするときには、スイッチ素子S4の遮断電圧は電圧V3ではなく、電圧(V3−V2)に低減されており、スイッチング損失及びサージが低減される。
しかしながら、スイッチ素子S3を遮断電圧V3でスイッチングすると、スイッチ素子S3でのスイッチング損失やサージを低減することができない。そこで、図5に示すように、状態遷移の際に1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3がオン状態であり、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4がオフ状態であるLow−Neutral状態を介することが好適である。これによって、スイッチ素子S3をスイッチングする際には、スイッチ素子S3の遮断電圧は電圧(V3−V2)に低減されるため、スイッチング損失やサージをより低減することができる。また、スイッチ素子S3及びS4に要求される耐圧も電圧V3の2倍程度から電圧(V3−V2)の2倍程度まで低減することができる。
なお、Up−Low状態とUp−Up状態との切り替え時にはLow−Neutral状態を介してもスイッチ素子S3の遮断電圧を低減できない。したがって、Up−Low状態とUp−Up状態との切り替え時を含まないように電力変換回路100を制御することが好適である。
以下、デューティ比に応じた電力変換回路100の制御方法について具体的に説明する。まず、図6及び図7を参照して、デューティ比の合計が1以上の高昇圧制御において、素子への要求耐圧及びスイッチング損失を低減する方法について説明する。
1段目及び2段目の昇圧チョッパにおけるデューティ比が共に1を超える場合、各段における上アームのスイッチ素子S2及びスイッチ素子S4がオン状態になっている期間が短いので、スイッチ素子S2及びスイッチ素子S4がオン状態になるタイミングをずらせばUp−Up状態は不要になる。したがって、Up−Low状態、Low−Up状態及びLow−Neutral状態の3状態を切り替えることで電力変換回路100を制御する。ここで、Up−Low状態とLow−Up状態とを直接切り替えると、スイッチ素子S4の遮断電圧が電圧V3となりスイッチ素子S4への要求耐圧が高くなるのでLow−Neutral状態を介して切り替えを行う。
図7は、本実施の形態における電力変換回路100の制御方法におけるタイミングチャートを示す。本実施の形態においては、従来技術と同様に、三角波キャリアとデューティ値を用いて制御信号SD1,SD2を生成し、制御信号SD1,SD2によりスイッチ素子S1〜S4のスイッチングを制御する。通常の昇圧チョッパと同様に1段目のデューティ比から、デューティ値D1=(V2−V1)/V2とする。一方、1段目の昇圧チョッパのスイッチ素子S2がオン状態(Up)の期間、すなわち1−(V2−V1)/V2=V1/V2は2段目の昇圧チョッパのスイッチ素子S3がオン状態(Low)である。残りの期間については、2段目の昇圧チョッパはNeutral状態かUp状態のいずれかとなるが、その比率を調整する自由度がある。2段目においてスイッチ素子S4がオン状態(Up)の期間及びスイッチ素子S3がオン状態(Low)の期間の比率は、(V2/V3):(V3−V2)/V3=V2:(V3−V2)である必要がある。したがって、スイッチ素子S4がオン状態(Up)の期間とするデューティ値D2=(V1/V2)×V2/(V3−V2)=V1/(V3−V2)である。これらのデューティ値D1,D2に基づいて制御信号SD1,SD2を生成し、図7に示したゲートロジックにてスイッチ素子S1〜S4のスイッチングを制御する。
なお、Up−Low状態とLow−Up状態とを直接切り替えず、Low−Neutral状態を介してUp−Low状態とLow−Up状態とを切り替えることによってスイッチング損失の発生回数は従来と変わらないが、1回のスイッチング当たりの損失が低減されているため全体としてスイッチング損失を低減することができる。このようにして、デューティ比の和が1を超える場合にスイッチング損失と要求耐圧を低減することができる。
次に、図8及び図9を参照して、デューティ比の合計が1未満の低昇圧制御において、素子への要求耐圧を低減する方法について説明する。
1段目及び2段目の昇圧チョッパにおけるデューティ比の合計が1未満である場合、各段における上アームのスイッチ素子S2及びスイッチ素子S4がオン状態になっている期間(Up期間)が長いので、スイッチ素子S2及びスイッチ素子S4がオン状態になるタイミングをどのようにずらしてもUp−Up状態が必要となる。したがって、Up−Up状態、Low−Up状態、Low−Neutral状態、Up−Low状態の4状態を順次に切り替えることで電力変換回路100を制御する。ここで、Up−Low状態とLow−Up状態とを直接切り替えたり、Up−Up状態とUp−Low状態とを直接切り替えたりすると、スイッチ素子S3,S4の遮断電圧が電圧V3となりスイッチ素子S3,S4への要求耐圧が高くなるのでLow−Neutral状態を介して切り替えを行う。
図9は、本実施の形態における電力変換回路100の制御方法におけるタイミングチャートを示す。上記の4つの状態を遷移する際にLow−Neutral状態は僅かな期間だけ経由すればよく、Low−Neutral状態を除く3つの状態の比率を考えることでデューティ比を設定する。まず、通常の昇圧チョッパと同様に2段目のデューティ値D2=1−(V3−V2)/V3=V2/V3に設定する。次に、2段目の昇圧チョッパのスイッチ素子S3がオン状態のとき、1段目の昇圧チョッパではスイッチ素子S2がオン状態で確定しているので、1−D2=(V3−V2)/V3の期間はスイッチ素子S2がオン状態である。残りの期間、すなわち2段目の昇圧チョッパのスイッチ素子S4がオン状態となる期間においては1段目の昇圧チョッパはスイッチ素子S1又はスイッチ素子S2のいずれもがオン状態となることができ、その比率を調整する自由度がある。そこで、1周期のうちスイッチ素子S2がオン状態となる期間は合計でV1/V2であればよいから、デューティ値D1=V1/V2−(V3−V2)/V3を用いてスイッチ素子S2がオン状態となる期間を設定すればよい。最後に、Low−Neutral状態を挿入するためにデューティ値D2’=D2−αを利用する。例えば、αは、D2の0.05倍程度の値とすればよい。これらのデューティ値D1,D2,D2’に基づいて制御信号SD1,SD2,SD2’を生成し、図9に示したゲートロジックにてスイッチ素子S1〜S4のスイッチングを制御する。
本制御方法によれば、スイッチング回数は6回に増えているが、そのうち4回は電流又は電圧が低減されており、全体としてのスイッチング損失を従来に比べて低減することができる。また、スイッチングの際にスイッチ素子S3及びS4に電圧V3が印加された状態を避けることができ、スイッチ素子S3及びS4に対する要求耐圧を低減することができる。
なお、2段目の昇圧チョッパにおける要求耐圧が高くてもよい場合には、必ずしもスイッチ素子S3及びS4での遮断電圧を低減させる必要がない。すなわち、スイッチ素子S3及びS4に電圧V3が印加された状態でのスイッチングを回避する必要はなく、スイッチング損失が最小となるような制御とすることが好適である。図10及び図11を参照して、デューティ比の合計が1未満である場合にスイッチング損失を低減させる制御方法について説明する。
デューティ比の合計が1未満である場合、スイッチ素子S2及びスイッチ素子S4がオン状態になるタイミングをどのようにずらしてもUp−Up状態が必要となる。したがって、図10に示すように、Up−Up状態→Up−Low状態→Low−Neutral状態→Low−Up状態→Up−Up状態・・・のように4状態をローテーションさせて切り替えることで電力変換回路100を制御する。
図11は、本実施の形態における電力変換回路100の制御方法におけるタイミングチャートを示す。この場合、図9と同様のデューティ比及びゲートロジックでよいが、4つの状態をローテーションさせるためにキャリア波形を三角波からノコギリ波に変更する。
本制御方法によれば、Up−Up状態からUp−Low状態への遷移が直接行われる。従来の電力変換回路とスイッチング回数は同等であるが、そのうち2回についてはスイッチング損失が低減されており、全体としてもスイッチング損失は低減される。一方、Up−Up状態からUp−Low状態への遷移の際にはスイッチ素子S3及びS4に電圧V3が印加された状態でスイッチングが行われる。したがって、スイッチ素子S3及びS4に対する要求耐圧を低減に対する効果は小さい。ただし、キャリア波であるノコギリ波の極性を適宜選択すれば(力行の場合には、図11に示すように時間と共に減少するノコギリ波とする。回生の場合には、時間と共に増加するノコギリ波とする。)、電圧V3でスイッチングするときの電流ILmを低減できるためサージを抑制することができる。したがって、この点において要求耐圧を低減させるために有利である。
なお、電力変換回路100は、他の動作状態で使用することもできる。例えば、図12に示すように、1段目の昇圧チョッパを止めて、2段目の昇圧チョッパにおける上アームのスイッチ素子S4をオン状態及び下アームのスイッチ素子S3をオフ状態に維持して使用することができる。また、図13に示すように、1段目の昇圧チョッパを昇圧状態とし、2段目の昇圧チョッパにおける上アームのスイッチ素子S4をオン状態及び下アームのスイッチ素子S3をオフ状態に維持して使用することができる。また、図14に示すように、1段目及び2段目の昇圧チョッパにおける上アームのスイッチ素子S2及びS4をオン状態、下アームのスイッチ素子S1及びS3をオフ状態に維持して使用することもできる。
これは、出力電圧と入力電圧とが等しいとき、上アームのスイッチング素子をオン状態に維持することで昇圧することなく電力を伝送する制御方法である。昇圧チョッパにおいてスイッチングを行わないためにスイッチング損失がなく、リアクトルに流れる電流も直流になるためにリアクトルLb,Lmにおける鉄損も抑制することができる。
また、電力変換回路100において電力供給の向きを限定することによりスイッチ素子S1〜S4のいずれかを省略した構成とすることもできる。第1例として、リアクトル電流ILb≧ILm≧0の電流条件が満たされる場合(力行)、1段目及び2段目の上アームではダイオードのみに電流が流れるので、図15(a)のように、スイッチ素子S2及びS4を省略することができる。第2例として、リアクトル電流ILb≦0,ILm≧0の電流条件が満たされる場合、1段目の下アーム及び2段目の上アームではダイオードのみに電流が流れるので、図15(b)のように、スイッチ素子S1及びS4を省略することができる。第3例として、リアクトル電流ILb≧0,ILm≦0の電流条件が満たされる場合、1段目の上アーム及び2段目の下アームではダイオードのみに電流が流れるので、図15(c)のように、スイッチ素子S2及びS3を省略することができる。第4例として、リアクトル電流0≧ILm≧ILbの電流条件が満たされる場合、1段目の下アーム及び2段目の下アームではダイオードのみに電流が流れるので、図15(d)のように、スイッチ素子S1及びS3を省略することができる。
すなわち、電力変換回路100は、使用条件に応じて、1段目の昇圧チョッパの上アーム又は下アームの少なくとも一方がスイッチ素子を含み、2段目の昇圧チョッパの上アーム又は下アームの少なくとも一方がスイッチ素子を含めばよい。なお、上記第1例〜第4例の2つの条件を網羅しようとする場合には4つのスイッチ素子S1〜S4のうち、その2つの条件で共通して省略可能としているスイッチ素子を省略することができる。
また、図16に示すように、電力変換回路100の構成を上下反転させると共にダイオードD1〜D4の向きも反転させた構成としてもよい。また、図17に示すように、電力変換回路100に含まれる電源10とリアクトルLbを入れ替えたり、図18に示すように、負荷102とスイッチ素子S4とを入れ替えたりしてもよい。さらに、図19に示すように、リアクトルLbを分割して、電源10の両側に配置した構成としてもよい。
本実施の形態における電力変換回路及びその制御方法によれば、スイッチ素子において生ずるスイッチング損失を低減することができる。これによって、単位時間当たりのスイッチング回数、すなわちスイッチング周波数を高めることができる。これに伴って、電力変換回路に含まれるリアクトルやコンデンサを小容量化することができ、回路全体を小型化することができる。
また、スイッチ素子に要求される耐圧性が低減されるため、より安価な素子や性能は良いが耐圧が低いために使用できなかった素子を使用することが可能となる。これに伴って、電力変換回路を安価に高性能化することができる。
<1段昇圧モード:スイッチング制御>
本実施形態においては、上述した2段昇圧モードだけではなく、1段昇圧モードを有している。図20(a)(b)に一般的な1段昇圧回路の構成を示す。電源10の正極にはリアクトルLが接続され、リアクトルLの他端は、上アームのスイッチ素子SH、負荷102を介し電源10の負極に接続されるとともに、下アームのスイッチ素子SLを介し電源10の負極に接続される。
本実施形態においては、上述した2段昇圧モードだけではなく、1段昇圧モードを有している。図20(a)(b)に一般的な1段昇圧回路の構成を示す。電源10の正極にはリアクトルLが接続され、リアクトルLの他端は、上アームのスイッチ素子SH、負荷102を介し電源10の負極に接続されるとともに、下アームのスイッチ素子SLを介し電源10の負極に接続される。
そして、図20(a)に示すように、スイッチ素子SHをオフ、スイッチ素子SLをオンすることでリアクトルLにエネルギーが蓄積される。また、図20(b)に示すように、スイッチ素子SLをオフ、スイッチ素子SHをオンすることで、リアクトルLに蓄積されたエネルギーが放出され、これによって昇圧された電力が負荷102に印加される。従って、図20(a)(b)の工程を所望のデューティー比で繰り返すことで、負荷102に所望の昇圧した電力を印加することができる。
本実施形態における1段昇圧モードでは、図1の回路において、図20の1段昇圧回路と実質的に同じ動作を達成する。
図21(a)は、リアクトルLm,Lbにエネルギーを蓄積する工程を示している。1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と、下アームであるスイッチ素子S1と、2段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4とをオフ状態とし、2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3をオンにする。これによって、電源10、リアクトルLm,Lbが閉回路を構成し、リアクトルLm,Lbに電流が流れ、ここにエネルギーが蓄積される。この図21(a)の回路は、図21(b)の回路と等価であり、機能的に図20(a)におけるエネルギー蓄積工程と同じである。
図22(a)には、蓄積したエネルギーの放出する工程を示している。1段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S1と、2段目の昇圧チョッパの下アームであるスイッチ素子S3とをオフ状態とし、1段目の昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S2と、2段目昇圧チョッパの上アームであるスイッチ素子S4をオンにする。これによって、電源10、リアクトルLm、負荷102、リアクトルLmが閉回路を構成し、リアクトルLm,Lbに蓄えられたエネルギーにより、昇圧された電力が負荷102に印加される。この図22(a)の回路は、図22(c)の回路と等価であり、機能的に図20(b)におけるエネルギー放出工程と同じである。
そして、本実施形態では、1段昇圧モードにおいて、上述の1つの状態を交互に繰り返す。従って、従来の1段昇圧回路と同等の機能が図1の回路によって達成できる。
<リアクトル鉄損の低減>
上述したように、本実施形態に係る2段昇圧モードでは、スイッチング損失を低減することができる。しかしながら、出力電流が小さい場合には、スイッチング損失より鉄損の方が支配的になる。このような場合に、1段昇圧モードを実施することによって、鉄損を低減して、昇圧回路をより効率的に運転することができる。これについて、以下に説明する。
上述したように、本実施形態に係る2段昇圧モードでは、スイッチング損失を低減することができる。しかしながら、出力電流が小さい場合には、スイッチング損失より鉄損の方が支配的になる。このような場合に、1段昇圧モードを実施することによって、鉄損を低減して、昇圧回路をより効率的に運転することができる。これについて、以下に説明する。
図23に、(i)一般的な1段昇圧回路、(ii)本実施形態の1段昇圧モード、(iii)本実施形態の2段昇圧モード、における、リアクトル電流波形を示す。
リアクトル電流ILの時間変化dIL/dtは、リアクトル印加電圧÷インダクタンス値である。
(i)一般的な1段昇圧回路
一般的な1段昇圧回路を用いて入力電圧100Vを負荷電圧550Vまで昇圧する場合、インダクタンス値をLとすると、
下アームオン期間にはdI/dt=100/L
上アームオン期間にはdI/dt=(100−550)/L=−450/L
の勾配で電流が変化し、リアクトル電流に三角波状のリプルが発生する。
次に、本実施形態の2つの昇圧モードを考える。適正な比較のため、リアクトル二台のインダクタンス値の合計は一般的な1段昇圧回路のときと合わせる。この例では1段目を(1/3)L、2段目を(2/3)Lとした。また、中間のコンデンサC1の電位は250Vに設定する。
一般的な1段昇圧回路を用いて入力電圧100Vを負荷電圧550Vまで昇圧する場合、インダクタンス値をLとすると、
下アームオン期間にはdI/dt=100/L
上アームオン期間にはdI/dt=(100−550)/L=−450/L
の勾配で電流が変化し、リアクトル電流に三角波状のリプルが発生する。
次に、本実施形態の2つの昇圧モードを考える。適正な比較のため、リアクトル二台のインダクタンス値の合計は一般的な1段昇圧回路のときと合わせる。この例では1段目を(1/3)L、2段目を(2/3)Lとした。また、中間のコンデンサC1の電位は250Vに設定する。
(ii)1段昇圧モードの場合
下アームオン期間には、dIL1/dt=dIL2/dt=100/{(1/3)L+(2/3)L)}=100/L
上アームオン期間にはdIL1/dt=(100−250)/(1/3)L=−450/L および dIL2/dt=(250−550)/(2/3)L=−450/L
となり、一般的な1段昇圧回路と同等なリプル波形となる。
下アームオン期間には、dIL1/dt=dIL2/dt=100/{(1/3)L+(2/3)L)}=100/L
上アームオン期間にはdIL1/dt=(100−250)/(1/3)L=−450/L および dIL2/dt=(250−550)/(2/3)L=−450/L
となり、一般的な1段昇圧回路と同等なリプル波形となる。
(iii)2段昇圧モードの場合
上記と同様にして電流勾配を求めると図示のようにリプル振幅が大きくなってしまう。従って本実施形態の1段昇圧モードを実行することで、リアクトル鉄損を1段昇圧回路と同等まで抑えることができる。
上記と同様にして電流勾配を求めると図示のようにリプル振幅が大きくなってしまう。従って本実施形態の1段昇圧モードを実行することで、リアクトル鉄損を1段昇圧回路と同等まで抑えることができる。
ただし、下図から判るように、1段昇圧モードでは2段昇圧モードような「素子電流打消し」ができず、スイッチング損失および導通損失の低減を図れない。このため電流条件によって1段昇圧モードと、2段昇圧モードの実行を切り替えるべきである。
具体的には、
(i)出力電流が大きいときはスイッチング損失が支配的となるため、2段昇圧モードをを実施し、
(ii)出力電流が小さいときには鉄損が支配的となるため1段昇圧モードを実施する.ことが好ましい。
(i)出力電流が大きいときはスイッチング損失が支配的となるため、2段昇圧モードをを実施し、
(ii)出力電流が小さいときには鉄損が支配的となるため1段昇圧モードを実施する.ことが好ましい。
<コンデンサC1の電圧(中間電位)について>
ここで、図22のエネルギー放出工程においては、図22(b)に示したように、コンデンサC1の1段目(電源10側)と、2段目(負荷102側)とで反対方向の電流が流れ、この電流がちょうど打ち消された場合に、図22(a)に示すように、コンデンサC1へは電流が流れないことになる。
ここで、図22のエネルギー放出工程においては、図22(b)に示したように、コンデンサC1の1段目(電源10側)と、2段目(負荷102側)とで反対方向の電流が流れ、この電流がちょうど打ち消された場合に、図22(a)に示すように、コンデンサC1へは電流が流れないことになる。
上述した2段昇圧モードの場合には、1段目および2段目のリアクトル電流を独立に制御できる。このため、コンデンサC1に蓄積された電荷、すなわちコンデンサC1の電圧(中間電位)を調整することができる。例えば、1段目電力>2段目電力とすることで、コンデンサC1に電荷が溜まることになる。
一方、1段昇圧モードの場合には、1段目および2段目のリアクトル電流が一致するため、それらを独立に制御することはできない。すなわち、コンデンサC1の電圧を制御することができない。しかしながら、中間電位はある電圧に静定する。この中間電位の静定について説明する。
図23の1段昇圧モードのリアクトル電流波形は中間電圧が静定している状態のものである。静定時には、2つのリアクトル電流IL1,IL2が常に一致するため、上アーム期間中にコンデンサの電荷は変動しない。
一方、中間電位が、上述の250Vからずれていた場合にリアクトル電流波形がどうなるかを図24に示す。
コンデンサ電圧がずれていた場合、上アームオン期間中に各リアクトル電流の変化勾配が一致しなくなる。そのため、上アームオン期間中にコンデンサC1に導通する電流が完全にはキャンセルされず、コンデンサC1の電荷が変動する。
具体的には、中間電位が静定電圧より高いときは、電源電圧と中間電位との差が大きく、中間電位と負荷電圧の差が小さくなる。従って、1段目のリアクトル電流IL1に比べ2段目のリアクトル電流IL2が大きくなり、コンデンサC1から電荷が抜け、中間電位が低くなる。一方、中間電位が静定電圧より低いときは、電源電圧と中間電位との差が比較的小さく、中間電位と負荷電圧の差が大きくなる。従って、1段目のリアクトル電流IL1に比べ2段目のリアクトル電流IL2が小さくなり、コンデンサC1に電荷が注入され、中間電位が高くなる。
つまり、中間電位が静定時の値からずれていた場合、それが是正される向きにコンデンサ電荷変動が起きる。そして、最終的には、コンデンサC1からの電荷の出入りがゼロな状態に静定する。
なお、中間電位が静定時の値からずれていた場合、エネルギー放出工程を終了した際には、1段目、2段目のリアクトル電流が異なっていたことに起因して、還流が生じる。なお、還流についての図において、1段目、2段目のリアクトル電流が逆方向に流れるように書いてある経路については、両者の差分の電流が流れる。
静定後の中間電位Vmidは、入力電圧(電源10の電圧)をVin、負荷電圧(負荷102に印加される電圧)をVout、2つのリアクトルのインダクタンス値をL1およびL2とすれば、
dIL1/dt=dIL2/dt→(Vmid−Vin)/L1=(Vout−Vmid)/L2
従って、
Vmid=(L1Vout+L2Vin)/(L1+L2)
となる。
dIL1/dt=dIL2/dt→(Vmid−Vin)/L1=(Vout−Vmid)/L2
従って、
Vmid=(L1Vout+L2Vin)/(L1+L2)
となる。
上述の例では、
Vmid=(L/3)・550+(2L/3)・100/L=750L/3L=250
となり、中間電位Vmid=250Vに静定することになる。
Vmid=(L/3)・550+(2L/3)・100/L=750L/3L=250
となり、中間電位Vmid=250Vに静定することになる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、2つの1段昇圧モードと、2段昇圧モードがある。そして、出力電流が小さいときには1段昇圧モード、大きいときには2段昇圧モードを採用する。これによって、昇圧回路の全体としての効率を効果的に上昇することができる。
本実施形態によれば、2つの1段昇圧モードと、2段昇圧モードがある。そして、出力電流が小さいときには1段昇圧モード、大きいときには2段昇圧モードを採用する。これによって、昇圧回路の全体としての効率を効果的に上昇することができる。
C1 コンデンサ、D1-D4 ダイオード、Lb,Lm リアクトル、S1-S4 スイッチ素子、10 電源、100 電力変換回路、102 負荷。
Claims (2)
- 電源と、
電源の第1端に第1端が接続される第1リアクトルと、
第1端が第1リアクトルの第2端に接続され、第2端が電源の第2端に接続される第1下アームスイッチ素子と、
第1端が第1リアクトルおよび第1下アームスイッチの接続点に接続される第1上アームスイッチ素子と、
第1端が第1上アームの第2端に接続され、第2端が第1下スイッチ素子と電源の接続点に接続されるコンデンサと、
第1端がコンデンサの第2端に接続される第2リアクトルと、
第1端が前記第1リアクトルの第2端と前記第1および第2スイッチ素子の接続点に接続され、第2端が前記第2リアクトルの第2端に接続される第2下アームスイッチ素子と、
第1端が前記第2リアクトルと第2下アームスイッチ素子の接続点に接続される第2上アームスイッチ素子と、
第1端がコンデンサと第1上アームスイッチ素子の接続点に接続され、第2上アームスイッチの第2端に接続される負荷と、
を有し、
運転モードの1つとして、
電源、第1リアクトル、および第2リアクトルで、閉回路を構成する期間と、
電源、第1リアクトル、第2リアクトル、および負荷で、閉回路を構成する期間と、
を交互に生起する1段昇圧モードを有する、
電力変換回路。 - 請求項1に記載の電力変換回路であって、
負荷に流れる出力電流が所定値より低いとき、1段昇圧モードを使用し、
負荷に流れる出力電流が所定値より高いとき、2段昇圧モードを使用する、
電力変換回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017023494A JP2018130001A (ja) | 2017-02-10 | 2017-02-10 | 電力変換回路及びその制御方法 |
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