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JP2018116040A - 遠沈管およびその使用方法 - Google Patents

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JP2018116040A
JP2018116040A JP2017148332A JP2017148332A JP2018116040A JP 2018116040 A JP2018116040 A JP 2018116040A JP 2017148332 A JP2017148332 A JP 2017148332A JP 2017148332 A JP2017148332 A JP 2017148332A JP 2018116040 A JP2018116040 A JP 2018116040A
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泰之 秋山
Yasuyuki Akiyama
泰之 秋山
篤史 森本
Atsushi Morimoto
篤史 森本
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

【課題】目的粒子を含む溶液の溶媒置換を行なう方法、前記溶液中の目的粒子を精製する方法、ならびに前記溶媒置換および/または精製に好適な遠沈管を提供する。【解決手段】(A)一端は閉塞して底部を形成し、他端が開口した筒状の構造体からなる回収部、および(B)一端は回収部の開口端と接続可能な開口部を形成し、他端も開口した筒状の構造体からなる試料導入部を有する遠沈管を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、中間に絞り部を設けた遠沈管を用いて目的粒子を含む溶液を溶媒置換する方法、当該遠沈管を用いて目的粒子を精製する方法に関する。特に本発明は、溶液中に含まれる目的粒子の数が非常に少ない場合であっても、前記溶液の溶媒置換および/または目的粒子の精製を高効率に行なえる方法および遠沈管に関する。
近年、血液などの体液や、臓器などの組織を溶液に懸濁または分散して得られる組織懸濁液や、細胞培養液などから細胞を選択的に分離回収し、当該分離回収した細胞を基礎研究や臨床診断、治療へ応用する研究が進められている。例えば、がん患者より採取した血液から腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell、以下CTC)を採取し、当該細胞について形態学的分析、組織型分析や遺伝子分析を行ない、前記分析により得られた知見に基づき治療方針を判断する研究が進められている。
細胞を選択的に分離回収する方法として、細胞膜表面の特異抗原と標識抗体との反応を利用したFACS(Fluorescence Activating Cell Sorting)法があるが、細胞を標識する等の前処理が煩雑であり、高価な装置を必要とするといった欠点を有する。
前述した問題を解決するための方法として、特許文献3には、特定の細胞を捕捉できる吸着剤と単核球の比重より高い比重の分離剤とを充填している遠沈管を用いて、前記細胞を分離回収する方法を開示している。しかしながら、特許文献3に記載の方法を用いても、試料中に含まれる目的粒子を高効率に精製し回収することは困難であった。特にCTCのように試料中に含まれる目的粒子の数が少ない場合において、前記目的粒子を高効率に精製し回収可能な方法はこれまで知られてなかった。
また、CTCを検出する方法の一例として、がん患者より採取した血液を密度勾配遠心に供することで、当該血液中に含まれるCTCを濃縮し、かつ白血球、赤血球といったCTC以外の夾雑細胞を除去した後、前記CTC濃縮物を特許文献1に記載の装置に導入し、誘電泳動により前記装置に設けた微細孔にCTCを保持させ、当該保持されたCTCをCTC特異的に発現するタンパクを用いて検出する方法がある。前記検出方法において、特許文献1に記載の装置にCTC濃縮物を導入する際、当該濃縮物は誘電泳動に適した溶媒(例えば、250mMから350mMのマンニトール)に置換する必要がある。
目的細胞を含む溶液を溶媒置換する方法として、一般的に細胞を含む溶液を遠心分離し、上清を除去した後、置換させる溶媒を入れて溶媒置換する方法が知られている。しかしながら、前述した方法では、目的細胞の分離回収まで長い時間を要することがあり、同時に煩雑さも伴う。そのため溶液中に含まれる目的細胞が劣化し、当該細胞の形状崩壊ならびにそれに伴う当該細胞内の核酸およびタンパク質の放出が生じるおそれがある。従って、目的細胞の回収率の低下や、目的細胞中の核酸およびタンパク質の解析能力の低下につながるおそれがあった。また作業の煩雑さに伴う溶媒置換の再現性や目的細胞の回収率低下のおそれもあった。
前述した問題を解決するための方法として、特許文献2には、2つ以上の筒状部材より構成される構造体を用いて、密度勾配遠心により目的細胞を分離回収する方法を開示している。また、特許文献3には、特定の細胞を補捉できる吸着剤と単核球の比重より高い比重の分離剤とを充填している遠沈管を用いて、前記細胞を分離回収する方法を開示している。しかしながら、特許文献2および特許文献3に記載の方法を用いても、目的細胞を含む溶液の溶媒置換を高効率に行なうのは困難であった。特にCTCのように溶液中に含まれる目的細胞の数が少ない場合において、前記溶液の溶媒置換を高効率に行なえる方法はこれまで知られてなかった。
特開2012−013549号公報 国際公開第2014/192919号 特表平3−270701号公報
本発明の課題は、目的粒子を含む溶液の溶媒置換を行なう方法であって、前記溶液中に含まれる目的粒子の数が非常に少ない場合であっても、前記目的粒子の溶媒置換を高効率に行なえる方法および当該方法に用いる遠沈管を提供することにある。また、本発明の課題は、試料中に含まれる目的粒子の数が非常に少ない場合であっても、前記目的粒子を高効率に精製し回収可能な方法および当該方法に用いる遠沈管を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は以下の通り例示できる。
[1]
遠心分離を用いて、目的粒子を含む溶液の溶媒置換を行なう方法であって、以下の(1)から(4)の工程を含む、前記方法。
(1)中間に絞り部を設けた遠沈管に当該絞り部より上方の位置まで溶媒を充填する工程、
(2)溶媒を充填した前記遠沈管に目的粒子を含む溶液を重層する工程、
(3)目的粒子を含む溶液を重層した前記遠沈管を遠心分離する工程、
(4)遠心分離後、絞り部より下方に位置する、目的粒子を含む溶液を回収する工程
[2]
中間に絞り部を設けた遠沈管が、当該絞り部を境に分割可能な遠沈管である、[1]に記載の方法。
[3]
当該絞り部の上方に担体が充填された、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
一端は閉塞して底部を形成し、他端が開口した筒状の構造体からなる回収部と、一端は前記回収部の開口端と接続可能な開口部を形成し、他端も開口した筒状の構造体からなる試料導入部と、を備えた遠沈管において、
前記回収部の開口端と接続可能な開口部に絞り部を設け、かつ回収部全域を溶媒で満たした、目的粒子を含む溶液を前記溶媒で置換するための遠沈管。
[5]
当該絞り部の上方に担体が充填された、[4]に記載の遠沈管。
[6]
中間に絞り部を設けた遠沈管であって、前記絞り部に貫通孔を有し、
前記貫通孔の横断面の形状が、担体は通過できないが目的粒子または夾雑粒子は通過できる形状である、遠沈管。
[7]
前記貫通孔の横断面の形状が、楕円形、長方形、角丸長方形および多角形から選択されるいずれかである、[6]に記載の遠沈管。
[8]
前記絞り部を境に分割可能である、[6]または[7]に記載の遠沈管。
[9]
目的粒子を含む溶液の目的粒子を精製する方法であって、以下の(1)から(4)の工程を含む、前記方法。
(1)[6]〜[8]のいずれかに記載の遠沈管に担体を充填する工程
(2)担体を充填した遠沈管に目的粒子を含む溶液を重層する工程、
(3)目的粒子を含む溶液を重層した前記遠沈管を遠心分離する工程、
(4)遠心分離後、目的粒子を含む溶液を回収する工程
[10]
[9]の前記工程(2)の前に、遠沈管の絞り部より上方の位置まで溶媒を充填する工程、をさらに含む、目的粒子を含む溶液の目的粒子の精製および溶媒置換を行なう方法。
[11]
担体が、目的粒子以外の粒子と結合可能な物質が固定化された担体である、[9]または[10]に記載の方法。
[12]
目的粒子が血液中に含まれる腫瘍細胞であり、目的粒子以外の粒子が白血球または赤血球であり、目的粒子以外の粒子と結合可能な物質が白血球または赤血球と結合可能な抗体である、[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における目的粒子に特に限定はなく、一例として、金属やその酸化物などの無機物粒子、ポリマーや脂質などの有機物粒子、細胞や細胞から分泌される小胞体などの生体由来粒子があげられる。目的粒子が前述した生体由来粒子である場合、目的粒子を含む溶液の具体例として、血液、希釈血液、血清、血漿、髄液、臍帯血、成分採血液、尿、唾液、精液、糞便、痰、羊水、腹水などの生体試料や、肝臓、肺、脾臓、腎臓、皮膚、腫瘍、リンパ節などの組織の一片を懸濁させた組織懸濁液や、前記生体試料または前記組織懸濁液より分離して得られる、前記生体試料または前記組織由来の細胞を含む画分や、あらかじめ単離した細胞の培養液があげられる。このうち生体試料または組織由来の細胞を含む画分の一例として、生体試料や組織懸濁液を密度勾配形成用媒体の上に重層後、密度勾配遠心することで得られる画分があげられる。本明細書では、前記生体試料、組織懸濁液、画分などの、目的粒子を含む溶液を、「試料」と記載する場合がある。
本発明の目的粒子を含む溶液の溶媒置換方法および/または目的粒子の精製方法では、中間に絞り部を設けた遠沈管を用いることを特徴とする。絞り部の構造の一例として、遠沈管の中間部の通路を狭くした構造や、フィルターを取り付けた構造、貫通孔の横断面を工夫した構造があげられる。なお前記絞り部を境に分割可能な態様とすると、遠心分離後、遠沈管の下方に位置する、溶媒置換および/または精製された目的粒子を含む溶液の回収が容易となるため、好ましい。
本発明の溶媒置換方法および/または精製方法で利用可能な遠沈管の一態様を図1に示す。図1に示す遠沈管100は、一端が閉塞して底部を形成し、他端が開口している筒状部材10と、両端が開口し、かつ一端21に絞り部23を設けた筒状部材20と、を備えており、筒状部材10と筒状部材20の絞り部を設けた側の一端21とが、連通開口30で連結/分離可能な構造となっている。なお筒状部材20の絞り部を設けない側の一端22の開口部は蓋40で密閉可能である。
上記遠沈管に、目的粒子または目的粒子以外の粒子(以下、夾雑粒子ともいう)と結合能を有する担体を充填し、目的粒子および夾雑粒子を含む精製前の試料を本発明の遠沈管に充填した担体に接触させ、前記担体と前記目的粒子または前記夾雑粒子とを結合させることで、回収した溶液中に含まれる夾雑粒子の割合を精製前の試料中に含まれる夾雑粒子の割合よりも減少させることで、目的粒子の精製を行うことができる。さらに、遠心を行うことで精製効率を高めることができる。
絞り部23の形状は、傾斜24を有した先細り形状である。傾斜24の角度は0°〜90°(0°および90°を除く)である限り特に限定はないが、目的粒子を筒状部材10内空間に効率よく回収するためには60°以下が好ましく、40°以下とするとより好ましく、20°以下とすると特に好ましい。筒状部材20の一端21側にある連通開口30の大きさは、筒状部材20を分離したときに、蓋40による密閉状態を維持可能な(筒状部材20に保持された液体が流出しない)大きさであればよい。具体的には、前記連通開口30の形状が円形である場合、内径(φ)1mmから8mmの間が好ましく、2mmから6mmの間とするとより好ましいが、遠沈管のサイズにより適宜調整可能である。
筒状部材10・20の寸法や形状に関しては、使用する遠心分離手段のローターに合致する形状であれば特に限定はなく、多角形状であってもよいが、製造、保管等の観点から円筒状または概ね円筒状が特に好ましい。筒状部材10・20および蓋40の材質も特に限定はなく、アクリル、エポキシ、ポリスチレン等の樹脂、酸化ケイ素を主成分とした合成石英(SiO)、セラミックスまたは金属系材料が例示できるが、加工性や経済性の観点からポリプロピレン、ポリスチレンといった熱可塑性樹脂が好ましい。特に目的粒子を含む溶液が、血液などの生体試料の場合は、使用後の廃棄が容易な点からも前述した熱可塑性樹脂が好ましい。なお筒状部材10・20の内面(目的粒子を含む溶液が接触し得る面)は、目的粒子の非特異的な吸着を防止する点から親水性、または表面処理により親水加工されたものが好ましい。親水化のための処理は、特に制限されず、樹脂であれば、例えばコロナ放電処理により樹脂表面の表面エネルギーを活性化してカルボニル基等の極性基を生成して親水化する方法や、酸素プラズマ処理により電子・イオン・ラジカルを表面に照射して−COOH基や−CO基を導入して表面の親水性を向上させる方法が例示できる。またポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキシアルキル)メタクリレート、ポリアクリルアミド、MPC(2−Methacryloyloxyethyl PhosphorylCholine)ポリマーなどの親水性ポリマーを塗布して表面を親水化させてもよい。
図1に示す遠沈管100を用いた、本発明の溶媒置換方法の一例を以下に示す。
(AI)筒状部材10と筒状部材20とを連通開口30を介して連結することで遠沈管100を作製した後、筒状部材10内空間全域および筒状部材20内空間の一部(少なくとも絞り部23よりの上方の位置まで)に置換用溶媒50を充填する。なお置換用溶媒50を充填する領域は、具体的には、筒状部材10内空間全域および筒状部材20内空間のうち、絞り部23より上方に高さ1mm以上の位置まで充填すると好ましく、高さ10mm以上の位置まで充填するとより好ましく、高さ20mm以上の位置まで充填すると特に好ましい。
(AII)目的粒子を含む溶液60を筒状部材20内空間に添加することで、置換用溶媒50の上に目的粒子を含む溶液60を重層(図2)させた後、遠心分離を行なう。
(AIII)遠心分離後、目的粒子61は筒状部材10底部または筒状部材10内空間に存在するため、筒状部材20の絞り部23を設けていない側の一端22の開口部を蓋40を用いて閉塞(図3a)後、筒状部材20を筒状部材10から分離(図3b)することで置換用溶媒50と目的粒子61とを含む画分(溶液)を分離回収することができる(図3)。
図1に示す遠沈管100を用いた、本発明の目的粒子の精製方法の一例を以下に示す。
(BI)筒状部材10と担体80を充填した筒状部材20とを連通開口30を介して連結することで遠沈管100を作成する(図8)。
(BII)目的粒子を含む試料60を筒状部材20内空間に添加することで、担体80上に目的粒子を含む試料60を重層(図10)させた後、遠心分離を行なう。
(BIII)担体80として夾雑粒子と結合可能な物質を固定化した担体を用いた場合、遠心分離後、試料中に含まれる目的粒子61は筒状部材10底部または筒状部材10内空間に存在するため、筒状部材20の絞り部23を設けていない側の一端22の開口部を蓋40を用いて閉塞(図11a)後、筒状部材20を筒状部材10から分離(図11b)することで目的粒子61を含む画分(溶液)を分離回収することができる(図11)。
図1に示す遠沈管100を用いた、本発明の目的粒子の溶媒置換および精製方法の一例を以下に示す。
前記(BI)の操作で、筒状部材10に溶媒50を充填しなくても、遠心操作により試料中に含まれる目的粒子の精製を行なうことができるが、筒状部材10内空間全域および/もしくは筒状部材20内空間の一部(すなわち筒状部材20に充填した担体80の位置)まで溶媒50を充填し、かつ溶媒50が溶媒置換にも適した溶媒であると、遠心操作により試料中に含まれる目的物質の精製と溶媒置換を同時に行なえるため、好ましい。
図1に示す遠沈管100は、単に筒状部材20の一端21(すなわち遠沈管100の中間)に絞り部23を設けた態様となっているが、
絞り部23の位置にフィルター70をさらに取り付けた態様(図4)であってもよく、
絞り部23の上方に担体80を充填し、かつ絞り部23を担体80が落下しない形状とした態様(図5)であってもよく、
絞り部23の位置にフィルター70を取り付け、かつその上方に担体80を充填した態様(図6)であってもよい。
フィルター70を遠沈管100に取り付けることで、前記(AIIIまたはBIII)の工程で、蓋40を取り付けた筒状部材20を筒状部材10から分離する際、筒状部材20からの液垂れが防止できる点で好ましい。遠沈管100に取り付けるフィルター70としてメッシュ(網)を用いる場合は、目的粒子が通過できるメッシュサイズを有したフィルターであれば良いが、フィルター70上方に担体80を充填する場合(図6)は、筒状部材20内に担体80が保持できるメッシュサイズが好ましい。具体例として目的粒子が細胞の場合、メッシュサイズは、10μm以上が好ましく、30μm以上とするとより好ましい。またフィルターの線径は100μm以下が好ましく、70μm以下とするとより好ましく、65μm以下とすると特に好ましい。なおメッシュの代わりに不織布を取り付け、それをフィルター70としてもよい。フィルター70の材質に特に限定はなく一例として、木綿、麻等の天然高分子、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ハロゲン化ポリオレフィンエチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等の合成高分子、ならびにこれら高分子の混合物や、金属、セラミックスならびにこれらの複合材料があげられる。中でも、ナイロンなど親水性を有した材質が好ましい。なお親水性が不十分な材質であっても、タンパク質やポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキシアルキル)メタクリレート、ポリアクリルアミド、MPCポリマーなどの親水性ポリマーを塗布して表面を親水化することで、フィルター70として好ましい態様とすることができる。
絞り部23の上方に担体80を充填した遠沈管100(図5および図6)において、担体として目的粒子または夾雑粒子と結合能を有する担体を用いた場合には、該遠沈管は目的粒子を含む溶液の精製に用いることができる。また、前記結合能の有無に関わらず、担体を遠沈管に充填することにより溶媒置換効率が向上する点で、本発明の溶液置換方法に用いる遠沈管の好ましい態様である。担体80を充填することで、前記(AIIまたはBII)の工程で目的粒子を含む溶液60を筒状部材20に添加した際、筒状部材20内の担体80の隙間に含まれる置換用溶媒50と目的粒子を含む溶液60との混合が抑制されるため、前記(AIIIまたはBIII)の工程で筒状部材10への目的粒子を含む溶液60の混入を抑制できる。なお、置換用の溶媒と担体を遠沈管に充填する順番には特に規定はない。
担体としては、親水性または疎水性の水不溶性物質が好ましく、具体的にはアガロース系、デキストラン系、キトサン系、セルロース系等の多糖類、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリロニトリル系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリスチレン系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ4−フッ化エチレン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリビニルホルマール系、ポリアリレート系、ポリエーテルスルホン系等の有機合成高分子、ガラス系、チタン系、活性炭系、またはアルミナ、シリカ、ヒドロキシアパタイト等の各種セラミックス系等の無機物があげられるが、固定化酵素法やアフィニティークロマトグラフィーの分野で通常用いられる公知の担体であれば、特別の限定なく使用可能である。前記水不溶性物質の形態も特に限定はなく、粒子状、繊維状、中空糸上、膜状、平板状等、公知の形状を用いることができる。中でも溶液の通液性が良好な点、吸着剤調製時の取扱いが簡便な点、目的粒子に物理的な損傷を与えにくい点、担体の損傷が生じにくい点、均一な担体の粒子を得やすい点などから、粒子状のものが好まく、特に球形(真球のみならずほぼ球状を含む)の担体粒子が好ましい。担体の粒径(レーザ回折・散乱式の粒子径分布測定法により測定した平均粒径)は、溶液に含まれる目的粒子を遠心操作により比較的速い速度で担体内を通過させるため、十分な粒子間の隙間を設けられる粒径とする必要がある。具体的には、担体の平均粒径は、0.1mmから10mmの間が好ましく、0.2mmから7mmの間とするとより好ましく、0.4mmから6mmの間とすると特に好ましい。なお担体は、多孔質(ポーラス)であってもよいし、無孔質(ノンポーラス)であってもよい。遠沈管100(筒状部材20)に充填する担体量は、湿潤体積として0.1mLから10mLの間が好ましく、0.2mLから4mLの間とするとより好ましく、0.5mLから2mLの間とすると特に好ましい。
担体には夾雑粒子と結合可能な物質を固定化してもよい。当該担体を用いることで、前記(II)の遠心操作により夾雑粒子が担体に結合され、精製された目的粒子を筒状部材10内に集める(濃縮する)ことができる。夾雑粒子と結合可能な物質の例としては、レクチン、抗体、ペプチド、脂質があげられる。また前記物質を担体に固定化する方法としては、共有結合、イオン結合、物理的吸着、疎水結合、抗原−抗体結合やアビジン−ビオチン結合などの生化学的特異結合、架橋法、包括法、複合法といった公知の方法を用いることができる。また夾雑粒子に担体結合性物質を結合させることで、当該担体に夾雑粒子を固定化させてもよい。例えば、担体がセルロース系の場合、夾雑粒子にセルロースバインディングドメイン(CBD)を結合させることで、夾雑粒子を担体に結合させることができる。目的粒子が血液中に含まれる腫瘍細胞(CTC)である場合の具体例として、絞り部の上方に白血球および/または赤血球と結合可能な物質(例えば抗体)を固定化した担体を充填することで、CTCを含む溶液の溶媒置換ならびに白血球および/または赤血球の除去(CTCの精製/濃縮)を同時に行なえる。また、同様の方法を用いて、担体に目的粒子と結合可能な物質を固定化させ、または目的粒子に担体結合性物質を結合させることで、当該担体に目的粒子を固定化させてもよい。目的粒子を担体に固定化し、夾雑粒子と分離することにより、目的粒子を精製することができる。
本発明の遠沈管において、試料中に含まれる夾雑粒子と結合可能な物質を固定化した担体を充填する場合、一端21側の領域には前記物質を固定化した担体を充填する一方、前記物質を固定化した担体を充填した領域の上方には前記物質が固定されていない担体を充填すると好ましい。前記態様では、試料中に含まれる粒子は、遠心操作により、夾雑粒子と結合可能な物質が固定されていない担体と接触しながらまばらに沈降した後、前記物質を固定化した担体を充填した領域に到達した時点で、試料中に含まれる夾雑粒子が担体と結合する。そのため担体間の隙間が詰まるおそれが低減でき、試料中に含まれる目的粒子を高効率に筒状部材10内に回収できる。一方、試料中に含まれる夾雑粒子と結合可能な物質を固定化した担体のみを充填した態様では、遠心操作により、試料中に含まれる夾雑粒子が担体表面に一斉に接触し、夾雑粒子が結合した担体により担体間の隙間(すなわち目的粒子を含む試料の流路)が狭くなるため、目的粒子の沈降(筒状部材10への移動)を妨げるおそれがある。
本発明の遠沈管のうち、図5に示すフィルターを設けない態様は、筒状部材10への目的粒子の高効率な沈降が達成できる点で好ましい。即ち、中間に絞り部を有し、前記絞り部に貫通孔を有する遠沈管であって、該貫通孔の横断面の形状は、目的粒子または夾雑粒子は貫通孔を通過できるが、担体粒子は通過できないような形状である遠沈管が好ましい。ここで横断面とは、遠沈管の中心線(図1に示される、蓋40から筒状部材10までをつなぐ直線であって点線で示されたもの)に対し垂直方向の断面をいう。該貫通孔を有する遠沈管は、粒子状の担体を利用した、目的粒子の精製に好適である。その場合、担体粒子のサイズが目的粒子または夾雑粒子のサイズよりも大きいことが好ましい。例えば、目的粒子が細胞である場合、用いる担体の平均粒径は、0.1mmから10mmまでの間が好ましく、0.2mmから7mmまでの間とするとより好ましく、0.4mmから5mmまでの間とすると特に好ましく、2mmから4mmまでの間とするとさらにより好ましい。
「担体粒子は通過できないが目的粒子又は夾雑粒子は通過できる」形状とは、例えば、貫通孔の横断面の中心を通る対角線のいずれかが、担体粒子の直径よりも短い形状が挙げられる。粒子が球形である場合の貫通孔の好ましい断面形状としては、貫通孔の横断面の中心を通る対角線のいずれかが、担体粒子の直径よりも短く、かつ円形以外の形状が挙げられる。図5に示す遠沈管100に設ける絞り部23の断面形状は前述したように担体80が落下しない形状であればよいものの、円形とすると粒子状の担体で絞り部23が塞がれ、目的粒子の沈降が妨げられるおそれがある。一方、絞り部23の断面形状を円形以外の形状とすると、粒子状担体による絞り部23が塞がるおそれを低減でき、筒状部材10に目的粒子が高効率に沈降できる点で好ましい。円形以外の形状の例としては、楕円、長方形、角丸長方形、または多角形があげられる。特に絞り部23の断面形状を角丸長方形(図7)とすると、筒状部材20の加工および成形が行いやすいため好ましい。なお本発明の遠沈管が、中間に設けた絞り部を境に分割可能な態様とすると、遠心分離後、前記遠沈管の下方に位置する、担体と結合しないもしくは結合しにくい粒子を含む溶液の回収または除去が容易となるため、好ましい。
置換用溶媒は、溶媒置換の目的に応じ適宜選択すればよい。例えば、目的粒子を含む溶液に多量の塩が含まれており、当該塩の濃度を低下させたい場合には、置換用溶媒には塩の含まない溶液を用いれば良く、目的粒子と結合または反応する溶液に置換したい場合は、前記溶液を置換用溶媒として用いれば良い。置換用溶媒の比重には特に制限はないが、目的粒子を含む溶液より比重が高いと溶媒置換効率が向上するため好ましい。ただし、目的粒子の比重より置換用溶媒の比重が高いと目的粒子を回収できなくなるため、目的粒子の比重よりは低い比重としたほうがよい。また置換用溶媒に、親水性高分子を結合したタンパク質をさらに含ませると目的粒子を含む溶液中に含まれる粒子を効率的に回収できる点で好ましい。親水性高分子は電荷を持たない親水性高分子であればよく、一例としてポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキシアルキル)メタクリレート、ポリアクリルアミド、ホスホリルコリン基を側鎖に有するポリマー、多糖類、ポリペプチドがあげられる。タンパク質は水溶性を有していればよく、一例として血清由来タンパク質や血漿由来タンパク質などの血液由来タンパク質やカゼインなどの乳由来タンパク質があげられ、さらに具体的な例として当業者が通常用いる血清由来タンパク質である、ウシ血清アルブミン(BSA)があげられる。親水性高分子を結合したタンパク質は、前述した親水性高分子とタンパク質とが一定の割合で結合したタンパク質であり、例えば、タンパク質と結合可能な官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド基)を付与した親水性高分子とタンパク質とを一定のモル比で反応させることで得られる。なお親水性高分子とタンパク質との反応比は、タンパク質に対し親水性高分子を0.01以上のモル比で反応させればよく、0.5以上のモル比で反応させればより好ましく、2以上のモル比で反応させると最も好ましい(一例として、血液由来タンパク質または乳タンパク質に対し親水性高分子を2以上のモル比で反応させると、血液由来タンパク質に対しては親水性高分子が実測モル比1以上で結合し、乳由来タンパク質に対しては親水性高分子が実測モル比0.2以上で結合する)(特開2016−106622号公報参照)。
本発明の溶媒置換法および/または精製方法において、目的粒子を含む溶液に目的粒子以外の粒子が多量に含まれている場合、事前の分離により目的粒子以外の粒子の数を減らすと、目的粒子の置換用溶媒への溶媒置換効率が向上するため好ましい。これは、筒状部材10に沈降する粒子が多いと、置換用溶媒と粒子の沈降による流れの影響で、置換用溶媒と粒子を含む溶液とが混合しやすくなり溶媒置換効率が低下するためである。また、筒状部材10へ沈降する粒子が多いと、担体80に接触できる粒子の割合が低下し、精製効率が低下するためである。目的粒子と目的以外の粒子に比重の違いがある場合、前記事前の分離を、当該比重分離により目的粒子を多く含む画分を収容した部分と目的粒子をほとんど含まない(夾雑粒子を多く含む)画分を収容した部分とに分離可能な容器を用いて行なうと、目的粒子を多く含む画分を収容した部分を容器から分離することで前記事前の分離が容易に行なえるため、好ましい。前記事前の分離で用いる容器の好ましい例として、図1に示す遠沈管100があげられる(WO2014/192919号参照)。
本発明の遠沈管を用いて粒子を回収するとき、回収された粒子を含む溶液の液量を目的とする液量に調整するために、筒状部材10の容量を目的とする液量に則して作製した筒状部材10を取り付けた遠沈管を用いると、液量を調整するためのピペットなどでの上清除去や溶液添加の煩雑な操作が不要になる点で好ましい。ピペットなどでの上清除去は目的とする粒子を誤って吸引するおそれもあり、前記おそれが低減することからも好ましい。特に目的とする粒子数が非常に少ない場合、高効率に目的粒子を目的とする液量の溶液に懸濁できる点からも好ましい。上清除去や溶液添加の操作を行い液量調整するためには、液量調整する前もしくは後の液量を測定する必要があるが、目的とする液量に則して作製した筒状部材10を用いると、煩雑さの軽減または調整した液量のバラつきの低減ができる点からも好ましい。筒状部材10の容量を、筒状部材20内空間に添加する目的粒子を含む溶液60の液量より少なくすることで、溶液に懸濁される目的粒子の濃度を任意の値に上げることもできるため好ましい。
本発明の方法で溶媒置換および/または精製した目的粒子は、例えば、スライドに塗布したり、顕微鏡や光学検出器などで観察したり、フローサイトメトリーを用いて測定すればよい。なお顕微鏡や光学検出器などで観察して目的粒子の測定を行なう場合、前記粒子を含む懸濁液を、前記粒子を保持可能な保持部を有した粒子保持手段に導入し、前記保持部に前記粒子を保持した後、顕微鏡や光学検出器などで観察するとよい。保持部の例として、前記粒子を収納可能な孔や、前記粒子を固定可能な材料(例えば、ポリ−L−リジン)で覆われた面があげられる。なお保持部の大きさを前記粒子を一つだけ保持可能な大きさとすると、特定粒子の採取および解析(細胞の場合、形態学的分析、組織型分析、遺伝子分析など)が容易に行なえる点で好ましい。また粒子が細胞の場合、細胞を保持部に保持させる際、誘電泳動力を用いると、保持部に細胞を効率的に保持させることができる点で好ましい。誘電泳動力を用いる場合、具体的には、交流電圧を印加することで誘電泳動を発生させ、保持部内へ細胞を導入すればよい。印加する交流電圧は、保持部内の細胞の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧であると好ましく、周波数を100kHzから3MHzの間とし、電界強度を1×10から5×10V/mの間とすると特に好ましい。また誘電泳動を発生させ、保持部内へ細胞を導入する際に使用する溶媒としては、糖を含む溶液であると細胞へのダメージが少なくなる点で好ましい。糖の一例として、マンニトール、グルコース、スクロースがあげられる。前記溶液に含ませる糖の濃度は等張液となる濃度とすると好ましく、糖としてマンニトールを用いる場合は終濃度で250mMから350mMの間が好ましい範囲といえる。(WO2011/149032号および特開2012−013549号公報参照)。
本発明は、遠心分離を用いて、目的粒子を含む溶液の溶媒置換を行なう方法であって、(1)中間に絞り部を設けた遠沈管に当該絞り部より上方の位置まで溶媒を充填する工程、(2)溶媒を充填した前記遠沈管に目的粒子を含む溶液を重層する工程、(3)目的粒子を含む溶液を重層した前記遠沈管を遠心分離する工程、および(4)遠心分離後、絞り部より下方に位置する、目的粒子を含む溶液を回収する工程を含むことを特徴としている。さらに、本発明は、遠心分離を用いて試料中に含まれる目的粒子を精製するための遠沈管であって、中間部に絞り部を設け、当該絞り部の断面形状を楕円、長方形、角丸長方形、多角形のいずれかとし、さらに当該絞り部の上方に前記目的粒子または前記目的粒子以外の粒子と結合可能な粒子状の担体を充填していることを特徴としている。本発明により、目的粒子を含む溶液の溶媒置換および/または目的粒子の精製を高効率に実施できる。特に本発明の方法は、前記溶液中に含まれる目的粒子量が非常に少ない場合であっても高効率に溶媒置換および/または目的粒子を高効率に回収できる点で、有用な方法である。
また本発明の方法は、複数回行なう必要がある従来の溶媒置換操作を、一度または少ない回数で目的とする溶媒に置換できる。このことから、溶液中に含まれる目的細胞の前処理時間を短くできる。そのため、溶液中に含まれる粒子の劣化、形状崩壊等を防ぐことができ、目的粒子の回収率の向上や、目的粒子が細胞の場合、中に含まれる核酸やタンパク質の解析精度の向上が見込まれる。
さらに従来の溶媒置換操作および/または精製操作では、目的粒子を含む溶媒を遠心後、上清をピペットなどで吸引除去して行なうが、当該吸引操作を誤って実施すると目的粒子も吸引してしまうおそれがあった。一方、本発明の方法を実施する、または本発明の遠沈管を用いて溶媒置換および/または精製することで、前記おそれが低減し、操作者の熟練度に依存せず、溶媒置換操作および/または精製操作を確実に行なうことができる。
また本発明の方法は、溶媒置換および/または精製した上で前記目的粒子を含む溶液を任意の液量に調整することが可能である。従って、目的粒子が細胞の場合、溶液置換および/または精製と液量調整が一度で可能となり、継代培養や、細胞を蛍光等により検出する際に作業が簡素化することが可能となる。
本発明の溶液置換方法で利用可能な遠沈管の一態様を示す図。 図1に示す遠沈管を用いた、本発明の溶液置換方法の一例を説明する図。 図1に示す遠沈管を用いた、本発明の溶液置換方法の一例を説明する図。 本発明の溶液置換方法で利用可能な遠沈管の別の態様を示す図。 本発明の溶液置換方法で利用可能な遠沈管の別の態様を示す図。 本発明の溶液置換方法で利用可能な遠沈管の別の態様を示す図。 本発明の遠沈管に設けた絞り部23の断面形状の好ましい態様を示す図。 図1に示す遠沈管を用いた、本発明の精製方法の一例を説明する図。 比較例4の絞り部23の断面形状を示す図。 図1に示す遠沈管を用いた、本発明の精製方法の一例を説明する図。 図1に示す遠沈管を用いた、本発明の精製方法の一例を説明する図。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は当該例に限定されるものではない。
実施例1
(1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol/L)とを、超純水15mLに溶解させ、当該溶液を室温で24時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG−BSA)を調製した。なお調製する際、mPEG−NHSとBSAとのモル比(mPEG−NHS/BSA)を2となるようにした。さらに、マンニトールを添加することで、PEG−BSA(BSAとして2%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液を調製した。
(2)イミダゾリジニル尿素2g、分子量6000のポリエチレングリコール(PEG)2g、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)100mg、および塩化ナトリウム600mgを、超純水100mLに溶解し、得られた溶液を安定化剤として用いた。
(3)目的粒子としてヒト肺がん細胞(PC9)を、5%CO環境下、10%FBSを含むD−MEM/Ham’s F−12培地を用いて37℃で24から96時間培養後、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて培地から細胞を剥離し、蛍光染色色素(CFSE、同仁化学研究所社製)で標識した。蛍光標識されたPC9細胞を目的とする細胞とした。
(4)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に3mL採血後、前記採血管に(2)で調製した安定化剤3mL、および(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を保存処理した希釈血液試料とした。
(5)保存処理した希釈血液試料を室温で10分放置し、75μLの白血球・赤血球結合剤(RosetteSep、StemCell Technologies社製)を添加した後、図1に示す遠沈管100の筒状部材20の位置に添加し、室温で2000×gで10分間遠心した。なお図1に示す遠沈管100の筒状部材10内空間はあらかじめ密度1.084g/mLの密度勾配溶液で満たしており、保存処理した希釈血液試料は当該密度勾配溶液上に重層された形となっている。遠沈管100は、詳細には、筒状部材20は容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材である。また筒状部材20の絞り部23の傾斜24角度は60°であり、筒状部材20との連通開口はΦ2mmである。筒状部材10は、容量3mLのポリプロピレン製部材である。
(6)遠心後、筒状部材20の絞られていない側の一端22の開口部を蓋40を用いて閉塞し、筒状部材20を筒状部材10から分離した後、蓋40による閉塞を解除し、目的細胞を含む画分を含む溶液を50mL容量の容器(不図示)に回収し、筒状部材20に付着した細胞をPBS3mLで洗浄した溶液も同じ容器に回収した。
(7)図2に示す遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ置換用溶媒50で満たし、さらに筒状部材20に置換用溶媒50を3mL添加(置換用溶媒3mL添加後の液面高さは、筒状部材20の端部21から上方に20mm以上の位置である)した。なお図2に示す遠沈管100のうち、筒状部材20は容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材であり、絞り部23の傾斜24角度は60°であり、筒状部材20との連通開口はΦ2mmである。筒状部材10は、容量2mLのポリプロピレン製部材である。また置換用溶媒50は、
(1)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして2%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液と、300mMマンニトールを含む溶液とを1対1で混合した低比重マンニトール溶液(比重1.019g/mL)、または
(1)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして2%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液と、300mMマンニトールを含む溶液、OptiPrep(比重1.320g/mL、Axis−Shield社製)を5対4対1で混合した高比重マンニトール溶液(比重1.048g/mL)を用いた。
(8)(6)で回収した細胞懸濁液(比重1.025g/mL)を、(7)で作製した溶媒置換用遠沈管100の筒状部材20の位置に添加し、室温で300×gで10分間遠心した。
(9)遠心後、筒状部材20の絞られていない側の一端22の開口部を蓋40を用いて閉塞し、筒状部材10を筒状部材20から分離した(図3)。
(10)筒状部材10に含まれるPC9細胞数を計測し、(4)で添加したPC9細胞数で除することで回収率を算出した。さらに、筒状部材10に含まれる溶液の電気伝導度を測定することで、(8)で筒状部材20に添加した細胞懸濁液(9.1mS/cm)と置換用溶媒(高比重マンニトール溶液および低比重マンニトール溶液共に0.15mS/cm)の電気伝導度から、筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率を算出し、前記細胞懸濁液から細胞が液置換された割合を求めた。
比較例1
実施例1(7)において、図2に示す遠沈管100の筒状部材10内空間はあらかじめ置換用溶媒で満たす一方、筒状部材20には置換用溶媒を添加しなかった(すなわち置換用溶媒の液面高さが筒状部材20絞り部側端部21と同じ位置である)遠沈管を用いた他は、実施例1と同様な方法で、PC9細胞の回収率の算出および筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率を算出した。
実施例2
実施例1(7)において、筒状部材10内空間をあらかじめ低比重マンニトール溶液で満たし、筒状部材20の絞り部側端部21にメッシュサイズ30μmのナイロン製のフィルター70を取り付け、さらに筒状部材20に低比重マンニトール溶液3mLを添加した(すなわち置換用溶媒の液面高さが筒状部材20の端部21から上方に20mm以上の位置である)遠沈管100(図4に示す態様)を用いた他は、実施例1と同様な方法で、PC9細胞の回収率の算出および筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率を算出した。
実施例3
(1)粒子径450μmから600μmのガラスビーズを1%(w/v)BSAを含む水溶液に10分以上浸すことで、BSAコートガラスビーズを調製した。
(2)実施例1(7)において、遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ高比重マンニトール溶液で満たし、筒状部材20の連通開口側にメッシュサイズ30μmのフィルター70を取り付け、(1)で調製したガラスビーズ2mL体積分の担体80をフィルター70を取り付けた筒状部材20に入れた後、さらに筒状部材20に高比重マンニトール溶液3mLを充填した(すなわち置換用溶媒の液面高さが筒状部材20の端部21から上方に20mm以上の位置である)遠沈管(図6に示す態様)を用いた他は、実施例1と同様な方法で、PC9細胞の回収率の算出および筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率を算出した。
実施例1から3ならびに比較例1での回収率および置換用溶媒の残存率の結果をまとめて表1に示す。目的細胞の回収工程において、実施例1の条件で細胞回収したときの目的細胞(PC9細胞)の回収率は95%前後と、筒状部材20へ3mLの置換用溶媒の添加を行なったにもかかわらず、筒状部材20に置換用溶媒を添加しない比較例1(回収率95%前後)と同等の回収率となった。一方、実施例1の条件で細胞回収したときの筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率は、置換用溶媒として低比重マンニトール溶液を用いた条件で40.2%、高比重マンニトール溶液を用いた条件で88.4%と、それぞれなり、比較例1(低比重マンニトール溶液での条件:19.0%、高比重マンニトール溶液での条件:78.8%)と比較して、いずれも置換用溶媒の残存率が向上した。特に高比重マンニトール溶液を用いると、低比重マンニトール溶液と比較して、置換用溶媒の残存率が向上していた。また、溶媒置換用遠沈管100を用いて細胞回収したとき、筒状部材10内の目的細胞を含む溶媒の液量は筒状部材10の容量である2mlとほぼ同量になった。このことから、筒状部材10の容量を目的とする細胞懸濁液の液量とすることで、上清をピペットなどで吸引除去する操作を行なうことなく、目的の液量に調整することができることがわかる。
実施例2に示す多フィルターを取り付けた条件で細胞回収したときの目的細胞の回収率は77.2%、実施例3に示すフィルターを取り付け、さらに担体を添加した条件で細胞回収したときの目的細胞の回収率は15.8%と、実施例1と比較し低下した。実施例2および3の条件で細胞回収したときの筒状部材10内に含まれる置換用溶媒の残存率は、低比重マンニトール溶液を用いた実施例2の条件で42.9%、高比重マンニトール溶液を用いた実施例3の条件で99.9%となった。フィルターを取り付けた実施例2(残存率42.9%)と、取り付けていない実施例1(残存率40.2%)の置換用溶媒の残存率に変化は見られなかった。一方、担体を充填した実施例3(残存率99.9%)と、担体を添加していない実施例1(残存率88.4%)の置換用溶媒の残存率を比較すると、実施例3(担体あり)のほうが置換用溶媒の残存率が向上しており、担体を添加することで目的細胞を含む溶液の溶媒置換効率が向上していることがわかる。
Figure 2018116040
実施例4
(1)粒子径450μmから600μmのガラスビーズを、PBSで20倍に希釈した白血球・赤血球結合剤(RosetteSep、StemCell Technologies社製)を含む溶液に10分以上浸し、BSA溶液を終濃度1%(w/v)となるように添加した後、さらに10分以上浸すことで、抗体(RosetteSep)コートガラスビーズを調製した。
(2)実施例1(4)と同様に採取した3mLの血液に、実施例1(2)で調製した安定化剤3mL、および実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100万個を添加し、得られた溶液を保存処理した希釈血液試料とした。
(3)保存処理した希釈血液試料に、0.9%(w/v)塩化アンモニウムと0.1%(w/v)炭酸水素カリウムとを含む溶血剤を添加することで30mLまでメスアップ後、300×gで10分間、室温で遠心分離した。
(4)遠心後の上清を除去した後、PC9細胞を含むペレットを懸濁した。
(5)実施例1(7)において、遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ高比重マンニトール溶液で満たし、筒状部材20の連通開口側にメッシュサイズ30μmのフィルター70を取り付け、(1)または実施例3(1)で調製したガラスビーズ(担体80)を2mL体積分充填した後、さらに筒状部材20に高比重マンニトール溶液3mL添加した遠沈管(図6に示す態様)を用い、筒状部材20に添加する細胞懸濁液として(4)で得た細胞懸濁液を用いた他は、実施例1(7)から(9)と同様な方法で行なった。
(6)筒状部材10に含まれる目的細胞としてのPC9細胞数と不要細胞としての白血球数を計測し、(2)で添加したPC9細胞数または(4)で得られた細胞懸濁液に含まれる白血球のそれぞれで除することで目的細胞回収率および不要細胞残存率を算出した。
実施例4における目的細胞回収率および不要細胞残存率の結果をまとめて表2に示す。図6に示す遠沈管100の筒状部材20に入れる担体80として、抗体(RosetteSep)コートガラスビーズを用いた条件での目的細胞回収率は47.5%となり、BSAコートガラスビーズを用いた条件(目的細胞回収率52.5%)とほぼ同等の回収率となった。一方、不要細胞である白血球の残存率は、抗体コートガラスビーズを用いた条件では4.6%と、BSAコートガラスビーズを用いた条件(82.3%)と比較して大幅に低下した。このことから、抗体コートガラスビーズを用い、不要細胞である白血球を抗体を介してガラスビーズに結合させることにより、目的細胞回収率をほぼ低下させることなく、筒状部材10への不要細胞の沈降を防ぐことができることがわかる。
Figure 2018116040
実施例5
(1)実施例4(5)において、図6に示す遠沈管100の筒状部材20における傾斜24角度を20°または60°とし、筒状部材20に入れる担体80を実施例3(1)で調製したガラスビーズ(2mL体積分)を用いた他は、実施例4(2)から(5)と同様な方法で行なった。
(2)筒状部材10に含まれる目的細胞としてのPC9細胞数を計測し、(1)で添加したPC9細胞数で除することで回収率を算出した。
実施例5の回収率の結果を表3に示す。目的細胞の回収工程において、筒状部材20の傾斜24角度が20°の条件での回収率は94.4%となり、傾斜24角度が60°の条件(回収率56.7%)と比較して高い回収率を示した。このことから、傾斜角度を鋭角にすることで、筒状部材20の絞り部23への細胞の沈着を抑制することができ、目的細胞を高い回収率で筒状部材10に回収できることがわかる。
Figure 2018116040
実施例6
(1)実施例3(1)において、粒子径120μmから200μmガラスビーズを用いた他は、実施例3(1)と同様な方法でBSAコートガラスビーズを調製した。
(2)実施例5(1)において、図6に示す遠沈管100の筒状部材20における傾斜24角度が20°であり、筒状部材20に充填する担体が(1)または実施例3(1)で調製したガラスビーズ(2mL体積分)を用いた他は、実施例5と同様な方法で行った。
実施例6の回収率の結果を表4に示す。目的細胞の回収工程において、筒状部材20に入れる担体80を(1)で調製した粒子径120μmから200μmガラスビーズとした条件での回収率は2.4%となり、担体80を実施例3(1)で調製した粒子径450μmから600μmガラスビーズとした条件での回収率84.9%と比較して低い回収率を示した。このことから、目的細胞を高い回収率で筒状部材10に回収するためには、担体80の粒子径は120μmから200μmよりも大きい方が良いことがわかる。これは、小さい粒子径の担体を用いると粒子間の隙間が狭くなり、細胞の筒状部材10への沈降を妨げるからだと考えられる。
Figure 2018116040
実施例7
実施例2において、図4に示す遠沈管100の筒状部材20の絞られている側の一端21に取り付けるフィルター70として、メッシュサイズ(メッシュ径)30μm(線径30μm)、100μm(線径50μm)、160μm(線径62μm)、200μm(線径70μm)のフィルターを用い、PC9細胞の回収率のみを算出した他は、実施例2と同様な方法で行なった。
実施例7の回収率の結果を表5に示す。目的細胞の回収工程において、筒状部材20に取り付けるフィルターとしてメッシュサイズ100μmまたは160μmのフィルターを用いた条件での回収率は約85%となり、メッシュサイズ30μmまたは200μmのフィルターを用いた条件での回収率約75%と比較して高い値を示した。メッシュサイズ30μmでは細胞が筒状部材10に沈降する際、フィルターの開口部に細胞が詰まることが考えられる。一方メッシュサイズ200μmでは他のフィルターと比較して線径が大きいこともあり、メッシュを構成している繊維上に細胞が沈着することで、筒状部材10への目的細胞の沈降を阻害していると考えられる。
Figure 2018116040
実施例8
(1)実施例1(7)において、遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ低比重マンニトール溶液で満たし、筒状部材20の連通開口側にメッシュサイズ100μmのフィルター70を取り付け、筒状部材20へ以下に示すいずれかの条件で担体80を入れた後、さらに筒状部材20に低比重マンニトール溶液を3mL添加した遠沈管(図6に示す態様)を用いた他は、実施例1(4)から(9)と同様な方法で行なった。
条件1:BSAコートガラスビーズ(実施例3(1)で調製)を0.5mL体積分充填した後、抗体(RosetteSep)コートガラスビーズ(実施例4(1)で調製)を0.5mL体積分充填する
条件2:抗体コートガラスビーズを0.5mL体積分充填した後、BSAコートガラスビーズを0.5mL体積分充填する
条件3:事前にBSAコートおよび抗体コートガラスビーズをそれぞれ0.5mL体積分ずつ混ぜ合わせた担体を充填する
(2)実施例4(6)と同様な方法で目的細胞回収率および不要細胞残存率を算出した。
実施例8の目的細胞回収率および不要細胞残存率の結果を表6に示す。目的細胞の回収工程において、図8の筒状部材20に入れる担体の条件として、抗体コートガラスビーズを入れた後にBSAコートガラスビーズを充填した条件(条件2)での目的細胞回収率は64.5%となり、抗体コートガラスビーズをBSAコートガラスビーズの後に充填した条件(条件1、目的細胞回収率41.3%)と、BSAコートおよび抗体コートガラスビーズを混ぜて充填した条件(条件3、目的細胞回収率42.7%)とを比較して高い回収率となった。一方、不要細胞である白血球の残存率は、どの条件でも約10%となり、ほぼ同等の残存率となった。抗体コートガラスビーズが目的細胞および不要細胞を含む溶液との界面に存在する条件において、遠心により沈降した不要細胞が担体表面に一斉に接触し、結合することで、ガラスビーズ間の隙間が結合した細胞により狭くなり、目的細胞の沈降を妨げるため、条件1および条件3で目的細胞回収率が低下したと考えられる。一方、不要細胞と結合しないBSAコートガラスビーズが目的細胞および不要細胞を含む溶液との界面に存在する条件2では、遠心により沈降した不要細胞がBSAコートガラスビーズと接触しながらまばらに沈降し、抗体コートガラスビーズ層に到達するため、ガラスビーズ間の隙間の狭窄を条件1および条件3と比較して抑制できると考えられる。
Figure 2018116040
実施例9
(1)実施例3(1)において、粒子径1.5mmから2.5mmまたは粒子径5mmのガラスビーズを用いた他は、実施例3(1)と同様な方法でBSAコートガラスビーズを調製した。
(2)実施例1(7)において、遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ低比重マンニトール溶液で満たし、筒状部材20に入れる担体80として、(1)で調製した粒子径5mmのBSAコートガラスビーズを2mL体積分充填した後、粒子径1.5mmから2.5mmのBSAコートガラスビーズ2mL体積分を筒状部材20に充填し、さらに筒状部材20に低比重マンニトール溶液を3mL添加した遠沈管(図5に示す態様)を用いた他は、実施例1(4)から(8)と同様な方法で行なった。なお図5に示す遠沈管100のうち、筒状部材20は容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材である。また筒状部材20の絞り部23の傾斜24角度は20°であり、筒状部材20との連通開口は角丸長方形であり、幅6mm高さ3mmである。筒状部材10は、容量2mLのポリプロピレン製部材である。
(3)実施例5(2)と同様な方法でPC9細胞の回収率を算出した。
目的細胞の回収工程において、フィルターは取り付けず担体を筒状部材20に担持した遠沈管(図5に示す態様)を用いた場合での回収率は88.5%となり、実施例7のフィルターのみを取り付けた図4に示す遠沈管(回収率約85%)や、実施例8のフィルターを取り付け担体を筒状部材20に担持した図6に示す遠沈管(回収率約65%)と比較して高い回収率を示した。図7の回収構造体に取り付けたフィルターに目的細胞が沈着することで回収率が低下するが、図5に示す遠沈管を用いるとフィルターを取り付けずに担体を担持できるため、高い回収率を得られる。
実施例10
(1)イミダゾリジニル尿素2g、分子量6000のポリエチレングリコール(PEG)2g、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)100mg、および塩化ナトリウム600mgを、超純水100mLに溶解し、得られた溶液を安定化剤として用いた。
(2)目的粒子としてヒト肺がん細胞(PC9)を、5%CO環境下、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むD−MEM/Ham’s F−12培地を用いて37℃で24時間から96時間培養後、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて培地から細胞を剥離し、蛍光染色色素(CFSE、同仁化学研究所社製)で標識した。蛍光標識されたPC9細胞を目的とする細胞とした。
(3)粒子径2.5mmから3.5mmのガラスビーズを、PBS(Phosphate Buffered Saline)で20倍に希釈した白血球・赤血球結合剤(RosetteSep、StemCell Technologies社製)を含む溶液に10分以上浸し、ウシ血清アルブミン(BSA)溶液を終濃度1%(w/v)となるように添加した後、さらに10分以上浸すことで、抗体(RosetteSep)コートガラスビーズを調製した。
(4)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に3mL採血後、前記採血管に(1)で調製した安定化剤3mL、および(2)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を保存処理した希釈血液試料とした。
(5)保存処理した希釈血液試料60を室温で10分放置した後、図2に示す遠沈管100の筒状部材20の位置に添加し、室温で2000×gで10分間遠心した。なお図2に示す遠沈管100の筒状部材10内空間はあらかじめ密度1.084g/mLの密度勾配溶液(溶媒50)で満たしており、保存処理した希釈血液試料60は当該密度勾配溶液(溶媒50)上に重層された形となっている。遠沈管100は、詳細には、筒状部材20は容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材である。また筒状部材20の絞り部23の傾斜24角度は60°であり、絞り部23の断面形状は円形でありΦ2mmである。筒状部材10は、容量3mLのポリプロピレン製部材である。
(6)遠心後、筒状部材20の絞られていない側の一端22の開口部を蓋(不図示)を用いて閉塞し、筒状部材20を筒状部材10から分離した。その後蓋による閉塞を解除し、目的細胞を含む画分を含む溶液を50mL容量の回収容器(不図示)に回収した。筒状部材20に付着した細胞はPBS3mLで洗浄し、当該洗浄液も同じ回収容器に回収した。
(7)図10に示す遠沈管100の筒状部材10内空間をあらかじめ濃度1%(w/v)BSAを含むPBS溶液(溶媒50)で満たし、筒状部材20に入れる担体80として、(3)で調製した抗体コートガラスビーズ2g重量分を充填し、さらに筒状部材20に濃度1%(w/v)BSAを含むPBS溶液(溶媒50)を3mL添加した。なお図10に示す遠沈管100のうち、筒状部材20は容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材である。また筒状部材20の絞り部23の傾斜24角度は20°であり、絞り部23の断面形状は角丸長方形であり(図7)、幅6mm高さ2mmである。筒状部材10は、容量2mLのポリプロピレン製部材である。
(8)(6)で回収した細胞懸濁液60を、(7)で作製した遠沈管100の筒状部材20の位置に添加し、室温で300×gで10分間遠心した。
(9)遠心後、筒状部材20の絞られていない側の一端22の開口部を蓋40を用いて閉塞し、筒状部材10を筒状部材20から分離した(図11)。
(10)筒状部材10に含まれる目的細胞(PC9細胞)数を計測し、(4)で添加したPC9細胞数で除することで目的細胞(PC9細胞)回収率を算出した。また、筒状部材10に含まれる夾雑細胞(白血球)数を計測し、(6)で回収した細胞懸濁液中に含まれる白血球数で除することで夾雑細胞(白血球)残存率を算出した。さらに、夾雑細胞(白血球)残存率を目的細胞(PC9細胞)回収率で除することで、目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出し、この値を夾雑細胞(白血球)が特異的に除去されているかの指標に用いた。
比較例2
実施例10(7)において、筒状部材20に担体80を充填しない遠沈管100(図2)を用いた他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞回収率、夾雑細胞残存率および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
比較例3
実施例10(7)において、筒状部材20の絞り部側端部21にメッシュサイズ100μmのナイロン製のフィルター70を取り付けた遠沈管100(図6)を用い、絞り部23の断面形状を円形(図9、Φ5mm)とした他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞回収率、夾雑細胞残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
実施例11
(1)実施例10(3)において、粒子径5mmから7mmのガラスビーズを用いた他は、実施例10(3)と同様な方法で抗体コートガラスビーズを調製した。
(2)実施例10(7)において、筒状部材20に入れる担体80を(1)で調製したガラスビーズ(2g重量分)とし、絞り部23の断面形状を幅6mm高さ3mmの角丸長方形(図7)とした他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞回収率、夾雑細胞残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
比較例4
実施例10(7)において、図9に示す絞り部23の断面形状を円形(図9、Φ5mm)とし、筒状部材20に入れる担体80を実施例11(1)で調製したガラスビーズ(2g重量分)を用いた他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞回収率、夾雑細胞残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
実施例10および11ならびに比較例2から4での目的細胞(PC9細胞)回収率、夾雑細胞(白血球)残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞の残存度の結果をまとめて表7に示す。本発明の遠沈管(実施例10および2)を用いたときは夾雑細胞残存度が約0.7と、夾雑細胞である白血球を特異的に除去していることがわかる。
一方、担体を充填しない遠沈管(比較例2、図2)を用いたときは、目的細胞回収率こそ本発明の遠沈管(実施例10:87.6%、実施例11:72.5%)を用いたときより向上(98.5%)しているものの、夾雑細胞残存率も本発明の遠沈管(実施例10:62.0%、実施例11:49.0%)を用いたときより大幅に上昇(98.1%)しており、夾雑細胞残存度も1.00と夾雑細胞である白血球が全く除去できていないことがわかる。
フィルターを設けた遠沈管(比較例3、図6)を用いたときは、目的細胞回収率(55.3%)、夾雑細胞残存度(1.16)、ともに本発明の遠沈管(実施例10および11)を用いたときより悪化した。フィルター70を設けることで筒状部材20の一端21側にある連通開口30の大きさより小さな担体80を充填しても筒状部材10への落下を防止できるが、フィルター70の開口部の大きさを目的粒子または夾雑粒子の大きさより広くしても、フィルター70の網上にこれら粒子が沈降することで、筒状部材10へのこれら粒子の沈降が妨げられ、目的粒子の回収能が低下するためと考えられる。
絞り部の断面形状(開口部形状)を円形(図9)とした遠沈管(比較例4)を用いたときは、不要細胞残存度(0.76)こそ本発明の遠沈管(実施例10および11)とほぼ同等であったものの、目的細胞(PC9細胞)回収率は大幅に低下(53.8%)した。絞り部の断面部の面積(開口部面積)は19.6mmと、本発明の遠沈管(実施例10:11.1mm、実施例11:16.1mm)よりも大きいにもかかわらず、目的細胞回収率が低下したことから、絞り部23の断面形状が原因と考えられる。本発明の遠沈管における絞り部の断面形状(角丸長方形)では、その上方に粒子状の担体(ガラスビーズ)を充填しても絞り部(開口部)は僅かに塞がるのみである一方、比較例4で用いた遠沈管における絞り部の断面形状(円形)では、その上方に粒子状の担体(ガラスビーズ)を充填すると絞り部(開口部)が完全にまたはほぼ塞がるため、遠心操作を行なっても目的細胞が筒状部材10に沈降せず、回収率が低下したと考えられる。
なお本発明の遠沈管に充填する粒子状の担体(ガラスビーズ)の径による目的細胞回収率の違いを比較したところ、絞り部(開口部)が幅6mm高さ2mmの角丸長方形であり粒子径2.5mmから3.5mmのガラスビーズを充填した遠沈管(実施例10)を用いたときの方が、絞り部(開口部)が幅6mm高さ3mmの角丸長方形であり粒子径5mmから7mmのガラスビーズを充填した遠沈管(実施例11)を用いたときよりも目的細胞回収率は向上した(実施例10:87.6%、実施例11:72.5%)。実施例10で用いた遠沈管の絞り部の断面部面積(開口部面積)は11.1mmと、実施例11で用いた遠沈管(実施例10:16.1mm)よりも大きいにもかかわらず、目的細胞回収率が向上したことから、本発明の遠沈管に充填する粒子状担体の粒子径は、5mmから7mm(実施例11)よりも2.5mmから3.5mm(実施例10)のほうが好ましいことがわかる。
Figure 2018116040
実施例12
実施例10(7)において、図10に示す遠沈管100の筒状部材20における傾斜24角度(図8参照)を60°とした他は、実施例11と同様な方法で、目的細胞(PC9細胞)回収率、夾雑細胞(白血球)残存率の算出、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
実施例12での目的細胞回収率、夾雑細胞残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞の残存度の結果を表8に示す。夾雑細胞残存度は0.61と、傾斜24角度を20°とした遠沈管(実施例11)を用いたとき(0.70)よりもやや向上しており、夾雑細胞である白血球を特異的に除去していることがわかる。一方、目的細胞回収率は56.9%と、傾斜24角度を60°とした遠沈管(実施例11)を用いたとき(72.5%)よりも低下していた。このことから本発明の遠沈管100において、筒状部材20における傾斜24角度を鋭く(小さく)することで、筒状部材20の絞り部23への細胞沈着を抑制することができ、目的細胞をより効率的かつ高い回収率で筒状部材10に回収できることがわかる。
Figure 2018116040
比較例5
(1)粒子径2.5mmから3.5mmのガラスビーズを、1%(w/v)BSAを含む水溶液に10分以上浸すことで、BSAコートガラスビーズを調製した。
(2)実施例10(7)において、図10に示す遠沈管100の筒状部材20に入れる担体80として(1)で調製したガラスビーズ(2g重量分)を用いた他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞(PC9細胞)回収率、夾雑細胞(白血球)残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞残存度を算出した。
比較例5での目的細胞回収率、夾雑細胞残存率、および目的細胞回収率を基準とした夾雑細胞の残存度の結果を表9に示す。目的粒子および夾雑粒子とほとんど結合しない担体(BSAコート担体)を充填した遠沈管(比較例5)を用いても目的細胞回収率は80.6%と、夾雑細胞と結合可能な物質(RosetteSep)を結合した担体を充填した遠沈管(実施例10)を用いたとき(87.6%)より、やや低下するにとどまった。一方、夾雑細胞の特異的除去の指標となる夾雑細胞残存度は0.92と、夾雑細胞である白血球がほとんど除去できていないことがわかる。このことから、夾雑粒子と結合可能な担体を充填した本発明の遠沈管を用いることで、目的細胞回収率をほぼ低下させることなく、筒状部材10への夾雑細胞の沈降を防げることがわかる。
Figure 2018116040
実施例13
(1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol/L)とを、超純水15mLに溶解させ、当該溶液を室温で24時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG−BSA)を調製した。なお調製する際、mPEG−NHSとBSAとのモル比(mPEG−NHS/BSA)を2となるようにした。さらに、マンニトールを添加することで、PEG−BSA(BSAとして2%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液を調製した。
(2)(1)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして2%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液と、300mMマンニトールを含む溶液、OptiPrep(比重1.320g/mL、Axis−Shield社製)を5対4対1で混合することで置換用溶液(比重1.048g/mL)を調製した。
(3)実施例10(7)において、図10に示す遠沈管100の筒状部材10内空間を満たす溶液および担体80充填後に筒状部材20に添加(3mL)する溶液として(2)で調製した置換用溶液を用いた他は、実施例10と同様な方法で、目的細胞を含む溶液を回収した。
(4)筒状部材10に含まれる溶液の電気伝導度を測定した。筒状部材20に添加した細胞懸濁液(9.1mS/cm)と置換用溶液(0.15mS/cm)の電気伝導度から、筒状部材10内に含まれる置換用溶液の残存率を算出し、前記細胞懸濁液から細胞が溶媒置換された割合を求めた。
比較例6
実施例10(7)において、筒状部材20に担体80を充填しない遠沈管100(図2)を用いた他は、実施例13と同様な方法で、筒状部材10内に含まれる置換用溶液の残存率を算出した。
実施例13および比較例6での置換用溶液の残存率の結果をまとめて表10に示す。実施例13の条件で細胞回収したときの筒状部材10内に含まれる置換用溶液の残存率は99.6%と、比較例6(86.1%)と比較して、置換用溶液の残存率が向上しており、担体を充填した本発明の遠沈管を用いることで、目的細胞を含む試料の置換用溶液への置換効率が向上していることがわかる。
Figure 2018116040
100:遠沈管
10・20:筒状部材
21・22:筒状部材の端部
23:絞り部
24:傾斜
30:連通開口
40:蓋
50:置換用溶媒
60:目的粒子を含む溶液
61:目的粒子
70:フィルター
80:担体

Claims (12)

  1. 遠心分離を用いて、目的粒子を含む溶液の溶媒置換を行なう方法であって、以下の(1)から(4)の工程を含む、前記方法。
    (1)中間に絞り部を設けた遠沈管に当該絞り部より上方の位置まで溶媒を充填する工程、
    (2)溶媒を充填した前記遠沈管に目的粒子を含む溶液を重層する工程、
    (3)目的粒子を含む溶液を重層した前記遠沈管を遠心分離する工程、
    (4)遠心分離後、絞り部より下方に位置する、目的粒子を含む溶液を回収する工程
  2. 中間に絞り部を設けた遠沈管が、当該絞り部を境に分割可能な遠沈管である、請求項1に記載の方法。
  3. 当該絞り部の上方に担体が充填された、請求項1または2に記載の方法。
  4. 一端は閉塞して底部を形成し、他端が開口した筒状の構造体からなる回収部と、一端は前記回収部の開口端と接続可能な開口部を形成し、他端も開口した筒状の構造体からなる試料導入部と、を備えた遠沈管において、
    前記回収部の開口端と接続可能な開口部に絞り部を設け、かつ回収部全域を溶媒で満たした、目的粒子を含む溶液を前記溶媒で置換するための遠沈管。
  5. 当該絞り部の上方に担体が充填された、請求項4に記載の遠沈管。
  6. 中間に絞り部を設けた遠沈管であって、前記絞り部に貫通孔を有し、
    前記貫通孔の横断面の形状が、担体は通過できないが目的粒子または夾雑粒子は通過できる形状である、遠沈管。
  7. 前記貫通孔の横断面の形状が、楕円形、長方形、角丸長方形および多角形から選択されるいずれかである、請求項6に記載の遠沈管。
  8. 前記絞り部を境に分割可能である、請求項6または7に記載の遠沈管。
  9. 目的粒子を含む溶液の目的粒子を精製する方法であって、以下の(1)から(4)の工程を含む、前記方法。
    (1)請求項6〜8のいずれか一項に記載の遠沈管に担体を充填する工程
    (2)担体を充填した遠沈管に目的粒子を含む溶液を重層する工程、
    (3)目的粒子を含む溶液を重層した前記遠沈管を遠心分離する工程、
    (4)遠心分離後、目的粒子を含む溶液を回収する工程
  10. 請求項9の前記工程(2)の前に、遠沈管の絞り部より上方の位置まで溶媒を充填する工程、をさらに含む、目的粒子を含む溶液の目的粒子の精製および溶媒置換を行なう方法。
  11. 担体が、目的粒子以外の粒子と結合可能な物質が固定化された担体である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 目的粒子が血液中に含まれる腫瘍細胞であり、目的粒子以外の粒子が白血球または赤血球であり、目的粒子以外の粒子と結合可能な物質が白血球または赤血球と結合可能な抗体である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
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